呼び出し装置
【課題】 呼び出し番号の消去を確実に行うようにし、客に対して不快感を与えることがない呼び出し装置を提供する。
【解決手段】 呼び出し装置は、呼び出し対象者(6)の番号を表示する表示部(3)と、前記呼び出し対象者が携行する受付カード(1)と、呼び出し元の窓口に設置される窓口端末(4)と、前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段(5)と、前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段(5)とを備える。
【解決手段】 呼び出し装置は、呼び出し対象者(6)の番号を表示する表示部(3)と、前記呼び出し対象者が携行する受付カード(1)と、呼び出し元の窓口に設置される窓口端末(4)と、前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段(5)と、前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段(5)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼び出し装置に関し、詳しくは、銀行や病院、薬局、市役所等の窓口業務において、呼び出し対象者(以下、来訪者という。)を呼び出すための呼び出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、混雑する窓口で来訪者を効率よく捌くために、来訪者個々に番号札を渡し、その番号をパネルに表示して呼び出すことが行われている。
【0003】
たとえば、下記の特許文献1には、来訪者が個別に携帯する受信装置と、各々の受信装置に個別情報(呼び出し番号や待ち人数情報等)を送信する送信装置と、前記個別情報を生成する制御装置と、最新の受付状況等を一括表示する外部装置とを備え、窓口担当者によって制御装置に入力された呼び出し番号等の個別情報が、送信装置を介して、来訪者が個別に携帯する受信装置に伝えられると共に、当該個別情報を含む最新の受付状況等が外部装置に一括表示されるようにした呼び出し装置が記載されている。以下、この装置を従来技術ということにする。
【0004】
【特許文献1】特開平6−260985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術にあっては、呼び出しを完了した番号の“消去”について特に言及はない。この点について、前記文献の段落〔0007〕等の記載(受付窓口担当者が、選択呼び出し番号及びその他の情報・・・・を入力する・・・・)を参酌すると、当該消去の操作は、受付窓口担当者によって行われるものと推認されるところ、かかる人為的な消去は誤操作を否めないから、呼び出しを完了した番号の消去をし忘れたり、又は、間違った番号を消去したりするといった問題点を招くことがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、呼び出し番号の消去を確実に行うようにした呼び出し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、呼び出し対象者の番号を表示する表示部と、前記呼び出し対象者が携行する受付カードと、呼び出し元の窓口に設置される窓口端末と、前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段と、前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段とを備えたことを特徴とする呼び出し装置である。
請求項2記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
請求項3記載の発明は、前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
請求項4記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
請求項5記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものであって、且つ、前記微弱電波信号に含まれている、前記窓口端末の識別情報が呼び出し中の窓口端末のものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受付カードを窓口端末に接近させるだけで、表示部の番号を消去することができるので、人的操作を不要にして、呼び出し番号の消去を確実に行うことができる呼び出し装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、実施形態に係る呼び出し装置の全体構成図である。この図は、たとえば、銀行や病院、薬局、市役所等の窓口への適用を例にしているが、これに限らない。多数の来訪者で混雑するあらゆる窓口業務に適用できることはもちろんである。
【0011】
実施形態の呼び出し装置は、番号札兼用の多数のカード型微弱無線送信機(以下、受付カードという。)1を載置するカード台2と、呼び出し番号や呼び出し窓口等の呼び出し情報を表示する表示部3と、窓口(窓口A、窓口B、・・・・)ごとに設置された窓口端末4と、これらの受付カード1、カード台2、表示部3及び窓口端末4の動作を統括制御する制御部5とを備える。
【0012】
窓口を訪れた来訪者6は、カード台2から一つの受付カード1を抜き取って携行したまま椅子に座るなどして待機し、表示部3に自分の呼び出し番号(携行中の受付カード1に表記されている番号。)が表示されると、表示部3に表示されている番号の窓口(窓口A、窓口B、・・・・のいずれか。)に出向き、受付カード1を、その窓口担当者7に渡して用件を済ます。
【0013】
図2は、呼び出し装置の接続関係図である。この図において、カード台2と制御部5の間、及び、表示部3と制御部5の間は有線で接続されており、また、窓口ごとに設けられているそれぞれの窓口端末4と制御部5の間はアンテナ5fを介して無線で接続されている。この無線による接続は、窓口レイアウトの自在性を高めるためであるが、さらに、カード台2の設置場所や、表示部3及び制御部5の設置場所にも自在性を求めるのであれば、カード台2や表示部3及び制御部5の間も有線ではなく無線によって接続しても構わない。ちなみに、かかる無線接続の技術としては、数メートル乃至は数十メートル程度のエリアをカバーする、たとえば、無線LANや小電力通信等の近距離汎用無線通信技術を利用することができる。
【0014】
カード台2の機能の一つは、呼び出し装置を構成する全ての受付カード1のうち来訪者6によって携行されたものと、そうでないもの(待機中のもの。)を区別し、その情報を制御部5に通知することにある。制御部5は、その情報に基づいて、現在、どの受付カード1が来訪者6によって携行されているかを判別することができる。また、カード台2の機能の他の一つは、受付カード1を整然と配置して、来訪者6が受け取りやすくすることにある。たとえば、図示のように、番号ごとの窪みを設け、それらの窪みに、呼び出し番号順に受付カード1を載置するようにしてもよい。
【0015】
一方、受付カード1は次の二つの機能を持つ。第一の機能は、来訪者6に対して呼び出し番号を視覚的に知らせることにある(言い換えれば、番号札の機能を有することにある)。この機能を果たすために、たとえば、受付カード1の表面に大きな文字で呼び出し番号(図中の斜体数字を参照)を描いてある。第二の機能は、受付カード1の微弱通信エリア9に任意の窓口端末4が位置したときに、その受付カード1の固有情報(典型的には呼び出し番号)を同エリア内の窓口端末4を経由して制御部5に通知することにある。
【0016】
ここで、“微弱通信エリア9”とは、受付カード1の微弱送信電力に対応した狭いエリアを意味する用語であり、具体的には図中の符号Xで示す半径数十センチメートル程度のエリアを言う。
【0017】
制御部5は、コンピュータ(以下、CPU)5b、不揮発性メモリ(以下、ROM)5c、揮発性メモリ(以下、RAM)5d及び書き換え可能型不揮発性メモリ(以下、PROM)5eを備えており、ROM5cに予め格納されている制御プログラムやPROM5eに予め又は任意に書き込まれるデータをRAM5dにロードしてCPU5bで実行することにより、つまり、プログラム制御方式によって、この呼び出し装置の動作を統括制御するものであるが、これに限らず、その機能の全て又は一部をハードロジックで実現してもよいことはもちろんである。
【0018】
制御部5はまた、操作部5aを備える。この操作部5aは、必要に応じ、窓口担当者7によって操作されるものであり、たとえば、呼び出し番号の初期情報(呼び出し番号の最小値や最大値等)を設定するためなどに用いられる。
【0019】
表示部3は、図1に示すように、呼び出し番号と呼び出し窓口を表示するためのもので、たとえば、天井からつり下げたり、あるいは、壁面に設置したりして用いられる。
【0020】
図3は、カード台2の外観と断面を示す図である。この図において、カード台2は複数の受付カード1を載置する窪み2aを有しており、その窪み2aの底にスイッチ2bを備えている。このスイッチ2bは、窪み2aに受付カード1が挿入されたときにオンとなり、来訪者6によって受付カード1が抜き取られたときにオフになるようになっており、このオンオフ情報が制御部5に通知されるようになっている。
【0021】
なお、カード台2の仕組みは、図3の例に限定されない。要は、呼び出し装置を構成する全ての受付カード1のうち来訪者6によって携行されたものと、そうでないもの(待機中のもの。)を区別し、その情報を制御部5に通知できるようになっていると共に、受付カード1を整然と配置して、来訪者6が受け取りやすい構造になっていればよい。
【0022】
図4は、窓口端末4の内部ブロック図である。窓口端末4は、窓口担当者7によって操作される呼び出しスイッチ10を備えると共に、さらに、呼び出しスイッチ10が“オン”になったとき(窓口担当者7によって来訪者6の呼び出し操作が行われたとき)に呼び出し元の窓口端末4に固有の情報を持つ信号(以下、呼び出し信号という。)を発生する呼び出し信号発生部11と、アンテナ12及び受信部13を介して受付カード1からの微弱電波信号14(後述する)が受信されたときに呼び出し元の窓口端末4の呼び出し状態を解除するための信号(以下、消去信号という。)を発生する消去信号発生部15と、呼び出し信号や消去信号を小電力電波信号16に変調してアンテナ17から送信する送信部18と、これらの各部に電源を供給するバッテリ19とを備える。
【0023】
微弱電波信号14の「微弱」と小電力電波信号16の「小電力」とは、電力比較で「微弱<小電力」を意味する。また、通信距離は電力の二乗に比例するので、通信距離比較でも「微弱<小電力」を意味する。すなわち、端的に言えば、微弱電波信号14はきわめて近い距離にしか届かない信号のことであり、小電力電波信号16は、微弱電波信号14よりも遠方にまで届く信号のことであるが、実施形態の例に即して具体的に説明すれば、微弱電波信号14は、各々の窓口に設置された窓口端末4に対して選択的通信(1台の窓口端末4との間でのみ通信を行うこと。)を可能とするきわめて近距離(図2の符号X参照)の信号であり、一方の小電力電波信号16は、実施形態の呼び出し装置が用いられる窓口全体を支障なくカバーする程度の広範囲な信号である。
【0024】
ここで、呼び出し信号と消去信号の態様について、その一例を説明する。
図5は、呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。この図において、Ac、Bc、Cc、・・・・は、各窓口(窓口A、窓口B、・・・・に置かれたそれぞれの窓口端末4からの呼び出し信号を表し、Ar、Br、Cr、・・・・は、各窓口に置かれたそれぞれの窓口端末4からの消去信号を表しており、さらに、“c”は呼び出しを意味し、“r”は消去を意味し、“A”、“B”、“C”、・・・・は窓口番号を意味している。たとえば、“Ac”は窓口Aの窓口端末4から送信された呼び出し信号であり、又は、Ar”は窓口Aの窓口端末4から送信された消去信号である。
【0025】
複数の窓口端末4の識別方法としては様々な技術を用いることができるが、ここでは、最も簡単な技術として周波数識別技術を用いることにする。すなわち、Ac、Bc、Cc、・・・・やAr、Br、Cr、・・・・にそれぞれ異なるキャリア周波数(f0、f1、f2、f3、f4、f5、・・・・)を割り当てて各窓口端末4の呼び出し信号と消去信号を識別することにする。もちろん、発明の思想上はこの周波数識別技術に限定されない。他の技術、たとえば、各窓口端末4に固有のIDコードを割り当て、そのIDコードを符号化した小電力電波信号16を送信したりしてもよいが、本明細書中では説明の便宜上、上記の周波数識別技術を用いることにする。
【0026】
図6は、受付カード1の構成図(a)及び受付カード1と窓口端末4との信号伝達概念図(b)である。これらの図において、来訪者6は、微弱無線送信機型の受付カード1を携帯している。この受付カード1は、たとえば、カード型のケース20の内部にループアンテナ21と送信部22及びバッテリ23とを実装したものであり、ほぼ無指向性の微弱な無線電波を用いた微弱電波信号14を周囲に送信することができるものである。
【0027】
一般的に無線電波の到達距離は、送信電力が小さくなるほど指数関数的に比例減少する関係にあり、微小な電力では近距離にしか届かない。このことを利用して、信号の到達距離を局限した小型の送信機が試作されている。たとえば、TDK株式会社は、2007年10月1日、数メートル届く微弱電波を3年以上発信し続ける「カード」の無線送信機の開発に成功したことを明らかにした。開発したのはカード型の微弱無線送信機で、厚さ約1.5ミリながら、ポリマーリチウム電池と発信用アンテナを内蔵している。電波は最長約7メートル飛ばせるが、電力を調節することにより、数メートル乃至数十センチメートル程度の“ごく近距離”の通信を行うことができる。
【0028】
本実施形態における受付カード1に、この試作品(又はそれに相当するもの)を用いることができるが、適切な通信距離は、以下の考え方に従って設定する。
【0029】
ある窓口(便宜的に窓口Aとする。)に窓口端末4が載置されており、同様に図示を略した他の窓口(便宜的に窓口Bとする。)にも窓口端末4が載置されている。これらの窓口端末4は、前記したように、受付カード1からの微弱電波信号14を受信すると、呼び出し元の窓口端末4の呼び出し状態を解除するための信号(消去信号)を制御部5に送信する。
【0030】
今、受付カード1の信号到達距離を図中の符号Xで示すことにすると、このXを適切に設定することにより、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に収まる窓口端末4を1台だけにすることができ、各々の窓口に設置された窓口端末4に対して選択的通信を可能とすることができる。
【0031】
このように、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に1台の窓口端末4が収まっている場合、選択的通信が可能となって特段の不都合は生じない。受付カード1からの微弱電波信号14がその1台の窓口端末4のみによって受信されるからである。
【0032】
しかしながら、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に複数台の窓口端末4が収まっている場合は、受付カード1からの微弱電波信号14がそれら複数台の窓口端末4に同時に受信されるという不都合を招くので、Xの調整(受付カード1の送信電力を減少させる調整)が必要である。このように、受付カード1の送信電力は、「受付カード1からの微弱電波信号14が1台の窓口端末4のみによって受信される」ようになっている必要があるから、受付カード1の送信電力(微弱電波信号14の到達距離X)は、実際の窓口レイアウトを考慮して適応的に調整すればよい。
【0033】
図7は、受付カード1の送信電力を適切に設定した場合の説明図である。この図において、窓口担当者7によって呼び出された来訪者6は、携行している受付カード1を窓口に差し出す。差し出し先のテーブル上には、窓口端末4が位置しており、受付カード1の送信電力を適切に設定した場合、言い換えれば、微弱通信エリア9の大きさを適切に設定した場合、その受付カード1から送信される微弱電波信号14は呼び出し元窓口の窓口端末4のみに受信され、他の窓口の窓口端末4には受信されない。
【0034】
したがって、この場合は混信を生じることなく、呼び出し元窓口の窓口端末4のみから制御部5に対して小電力電波信号16が送信され、この制御部5において、呼び出し番号の消去が支障なく行われる。
【0035】
図8は、制御部5で実行される制御プログラムのフローを示す図である。この制御プログラムでは、まず、受付カード番号と受付時間の更新を行う(ステップS1)。受付カード番号と受付時間の更新とは、制御部5のPROM5eに保持されている受付情報テーブルの更新処理のことをいう。
【0036】
図9は、受付情報テーブルの概念図である。受付情報テーブル24は、カード番号フィールド24aと、状態フィールド24bと、受付時間フィールド24cとを有する。カード番号フィールド24aに受付カード1の最小番号から最大番号までの番号を格納し、状態フィールド24bに各番号の状態(受付中/待機中)を格納し、受付時間フィールド24cに受付時間を格納する。なお、受付時間の“00:00”は待機中の番号に対応する便宜時間である。
【0037】
再び、制御プログラムに戻り、呼び出し端末4からの呼び出しの有無を判定し(ステップS2)、呼び出しがなければ、ステップS1に戻り、呼び出しがあれば、次に、呼び出し窓口番号と呼び出しカード番号を取得し(ステップS3、ステップS4)、それらの呼び出し情報を表示部3に表示する(ステップS5)。そして、窓口端末4からの消去信号受信を判定し(ステップS6)、消去信号を受信すると、該当する呼び出し番号を消去(ステップS7)した後、再び、ステップS1に復帰する。
【0038】
このように、本実施形態の制御プログラムでは、ステップS6で、窓口端末4からの消去信号受信を判定すると、ステップS7で、該当する呼び出し番号を消去するようにしている。ここで、窓口端末4からの消去信号受信は、「(1)まず、図7に示すように、呼び出し対象者(来訪者6)が呼び出し元窓口に自身が携帯している受付カード1を差し出すと、その受付カード1から送信される微弱電波信号14が、呼び出し元窓口の窓口端末4に受信され、(2)次に、この窓口端末4の消去信号発生部15で生成された消去信号が、窓口端末4の送信部18とアンテナ17を介して、小電力電波信号16として制御部5に送信され、(3)そして、この小電力電波信号16が制御部5で受信される」ことによって行われる。
【0039】
したがって、受付カード1を窓口に差し出すだけで、呼び出し番号の消去が自動的に行われるから、本実施形態によれば、冒頭で説明した従来技術のように、窓口担当者がいちいち呼び出しを完了した番号の消去操作を行う必要がなく、人為的な誤操作(番号の消去忘れや間違った番号の消去)を確実に回避できるという特有の効果を得ることができる。
【0040】
<第2実施形態>
ところで、前記の実施形態(第1実施形態)では、たとえば、呼び出し対象者以外の者(ただし、受付カード1を携行している者)が窓口に接近した場合に混乱を生じるおそれがある。これは、前記の実施形態(第1実施形態)では、受付カード1が窓口端末4に接近すると、例外なく、その窓口端末4で消去信号が発生する仕組みになっているからである。
【0041】
この不都合を解決するためには、前記の第1実施形態を以下(第2実施形態)のように改良すればよい。
図10は、第1実施形態の改良(第2実施形態)構成図である。この図において、前記の第1実施形態との相違は、第一に、受付カード1から送信される微弱電波信号14に、その受付カード1に固有の識別情報(以下、IDという。)が含まれている点にある。このIDは、各々の受付カード1を識別できるユニークなものであればよいが、ここでは、それぞれの受付カード1に割り当てられている呼び出し番号であるとする。すなわち、呼び出し番号「1」の受付カード1のIDは「1」、呼び出し番号「2」の受付カード1のIDは「2」、・・・・(以下、省略)・・・・とする。
【0042】
相違の第二は、窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信した際に、制御部5に対して受付カード1のIDと消去信号とを含む小電力電波信号16を送信する点にある。
【0043】
相違の第三は、制御部5は、窓口端末4からの消去信号受信を判定した際に、直ちに呼び出し番号の消去を行うのではなく、ID照合一致の場合にだけ、呼び出し番号の消去を行うようにした点にある。すなわち、ステップS6の消去信号受信判定がYESの場合に、消去信号と一緒に受信した受付カード1のIDと呼び出し中の受付カード1のIDとを照合し(ステップS8)、ID一致の場合にのみ(ステップS9の判定結果がYESの場合にのみ)、ステップS7で呼び出し番号の表示を消去するようにしている。
【0044】
したがって、この改良(第2実施形態)構成によれば、たとえば、受付番号「1」が呼び出し中で、「2」が非呼び出し中であるとすると、番号「1」の受付カード1(ID=1)が窓口端末4に接近した際には、窓口端末4を経由して制御部5にそのID=1が送信され、このID=1は呼び出し中の受付カード1のものであるから、ID照合一致が判定される結果、呼び出し番号「1」の消去が支障なく行われる。一方、非呼び出し番号「2」の受付カード1(ID=2)が窓口端末4に接近した際にも、窓口端末4を経由して制御部5にそのID=2が送信されるが、このID=2は非呼び出し中の受付カード1のものであるから、ID照合不一致が判定される結果、呼び出し番号「2」の消去は行われない。これにより、たとえば、呼び出し対象者以外の者が何らかの理由で窓口に接近した場合に、間違った番号消去が行われることはなく、前記の第1実施形態の不都合を解消することができ、より実用に即した呼び出し装置とすることができる。
【0045】
<第3実施形態>
ところで、前記の実施形態(第2実施形態)では、制御部5で呼び出し窓口の識別を行っていないため、たとえば、呼び出し窓口が窓口Aの場合に、呼び出し対象者(例:受付カード1を携行している者)が間違った窓口(例:窓口B)に出向いてしまった場合にも、呼び出し番号が消去されてしまうという不都合がある。
【0046】
この不都合を解決するためには、前記の第2実施形態を以下(第3実施形態)のように改良すればよい。
図11は、第2実施形態の改良(第3実施形態)構成図である。この図において、前記の第2実施形態との相違は、制御部5において、呼び出し窓口の照合処理(ステップS10)と、その窓口照合の一致判定処理(ステップS11)とを実行する点にある。これらの処理を行うために、この第3実施形態における窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信した際に、制御部5に対して、受付カード1のID及び消去信号に加えて、さらに、自己の識別情報(窓口端末4の各々に割り当てられた固有の識別情報)を含む小電力電波信号16を送信する点にある。
【0047】
したがって、この改良(第3実施形態)構成によれば、制御部5で呼び出し窓口の識別を行う(ステップS10及びステップS11)ようにしたので、たとえば、呼び出し窓口が窓口Aの場合に、呼び出し対象者(例:受付カード1を携行している者)が間違った窓口(例:窓口B)に出向いてしまった場合には、呼び出し番号が消去されることがなくなり、より実用に即した呼び出し装置とすることができる。
【0048】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されず、その思想の範囲内において様々な変形例や発展例を包含することは当然であり、たとえば、一つの窓口しかない小規模な呼び出し装置においては、窓口端末4と制御部5及び表示部3を別体にせずに合体させてもよい。本発明の技術思想には、この合体型のものも含まれる。
【0049】
また、前記の各実施形態では、請求項1に記載の発明のうちの「受付カードと窓口端末が接近したことを検出する検出手段」を窓口端末4に実装しているが、つまり、窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信することによって受付カード1の接近を検出し、制御部5に対して消去信号を含む小電力電波信号16を送信するようにしているが、その逆(検出手段を受付カード1に実装する態様)であってもよい。すなわち、窓口端末4から微弱電波信号14を送信するようにしておき、受付カード1で微弱電波信号14を受信したときに、その受付カード1から制御部5に対して消去信号を含む小電力電波信号16を送信するようにしてもよい。
【0050】
また、前記の各実施形態の発展例として、受付カード1の所持者の現況を表示部3に表示することが考えられる。この現況は、たとえば、受付からの経過時間(待ち時間)が代表的であるが、さらに、受付カード1の所持者の所在位置(ロケーション)情報なども含まれる。所在位置を把握するためには、たとえば、窓口フロアをいくつかのエリアに分けて各エリアに窓口端末4に類似した通信端末を配置しておき、受付カード1の微弱電波信号14を通信端末で受信したときに、「その通信端末のエリアに受付カード1が存在する」ことを示すロケーション信号を制御部5に送信することにより、受付カード1の所持者が現在どのエリアに位置するかを把握し、表示部3に表示したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態(第1実施形態)に係る呼び出し装置の全体構成図である。
【図2】呼び出し装置の接続関係図である。
【図3】カード台2の外観と断面を示す図である。
【図4】窓口端末4の内部ブロック図である。
【図5】呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。
【図6】受付カード1の構成図(a)及び受付カード1と窓口端末4との信号伝達概念図(b)である。
【図7】受付カード1の送信電力を適切に設定した場合の説明図である。
【図8】制御部5で実行される制御プログラムのフローを示す図である。
【図9】受付情報テーブルの概念図である。
【図10】第1実施形態の改良(第2実施形態)構成図である。
【図11】第2実施形態の改良(第3実施形態)構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 受付カード
3 表示部
4 窓口端末
5 制御部(検出手段、消去手段)
6 来訪者(呼び出し対象者)
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼び出し装置に関し、詳しくは、銀行や病院、薬局、市役所等の窓口業務において、呼び出し対象者(以下、来訪者という。)を呼び出すための呼び出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、混雑する窓口で来訪者を効率よく捌くために、来訪者個々に番号札を渡し、その番号をパネルに表示して呼び出すことが行われている。
【0003】
たとえば、下記の特許文献1には、来訪者が個別に携帯する受信装置と、各々の受信装置に個別情報(呼び出し番号や待ち人数情報等)を送信する送信装置と、前記個別情報を生成する制御装置と、最新の受付状況等を一括表示する外部装置とを備え、窓口担当者によって制御装置に入力された呼び出し番号等の個別情報が、送信装置を介して、来訪者が個別に携帯する受信装置に伝えられると共に、当該個別情報を含む最新の受付状況等が外部装置に一括表示されるようにした呼び出し装置が記載されている。以下、この装置を従来技術ということにする。
【0004】
【特許文献1】特開平6−260985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術にあっては、呼び出しを完了した番号の“消去”について特に言及はない。この点について、前記文献の段落〔0007〕等の記載(受付窓口担当者が、選択呼び出し番号及びその他の情報・・・・を入力する・・・・)を参酌すると、当該消去の操作は、受付窓口担当者によって行われるものと推認されるところ、かかる人為的な消去は誤操作を否めないから、呼び出しを完了した番号の消去をし忘れたり、又は、間違った番号を消去したりするといった問題点を招くことがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、呼び出し番号の消去を確実に行うようにした呼び出し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、呼び出し対象者の番号を表示する表示部と、前記呼び出し対象者が携行する受付カードと、呼び出し元の窓口に設置される窓口端末と、前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段と、前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段とを備えたことを特徴とする呼び出し装置である。
請求項2記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
請求項3記載の発明は、前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
請求項4記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
請求項5記載の発明は、前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものであって、且つ、前記微弱電波信号に含まれている、前記窓口端末の識別情報が呼び出し中の窓口端末のものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受付カードを窓口端末に接近させるだけで、表示部の番号を消去することができるので、人的操作を不要にして、呼び出し番号の消去を確実に行うことができる呼び出し装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、実施形態に係る呼び出し装置の全体構成図である。この図は、たとえば、銀行や病院、薬局、市役所等の窓口への適用を例にしているが、これに限らない。多数の来訪者で混雑するあらゆる窓口業務に適用できることはもちろんである。
【0011】
実施形態の呼び出し装置は、番号札兼用の多数のカード型微弱無線送信機(以下、受付カードという。)1を載置するカード台2と、呼び出し番号や呼び出し窓口等の呼び出し情報を表示する表示部3と、窓口(窓口A、窓口B、・・・・)ごとに設置された窓口端末4と、これらの受付カード1、カード台2、表示部3及び窓口端末4の動作を統括制御する制御部5とを備える。
【0012】
窓口を訪れた来訪者6は、カード台2から一つの受付カード1を抜き取って携行したまま椅子に座るなどして待機し、表示部3に自分の呼び出し番号(携行中の受付カード1に表記されている番号。)が表示されると、表示部3に表示されている番号の窓口(窓口A、窓口B、・・・・のいずれか。)に出向き、受付カード1を、その窓口担当者7に渡して用件を済ます。
【0013】
図2は、呼び出し装置の接続関係図である。この図において、カード台2と制御部5の間、及び、表示部3と制御部5の間は有線で接続されており、また、窓口ごとに設けられているそれぞれの窓口端末4と制御部5の間はアンテナ5fを介して無線で接続されている。この無線による接続は、窓口レイアウトの自在性を高めるためであるが、さらに、カード台2の設置場所や、表示部3及び制御部5の設置場所にも自在性を求めるのであれば、カード台2や表示部3及び制御部5の間も有線ではなく無線によって接続しても構わない。ちなみに、かかる無線接続の技術としては、数メートル乃至は数十メートル程度のエリアをカバーする、たとえば、無線LANや小電力通信等の近距離汎用無線通信技術を利用することができる。
【0014】
カード台2の機能の一つは、呼び出し装置を構成する全ての受付カード1のうち来訪者6によって携行されたものと、そうでないもの(待機中のもの。)を区別し、その情報を制御部5に通知することにある。制御部5は、その情報に基づいて、現在、どの受付カード1が来訪者6によって携行されているかを判別することができる。また、カード台2の機能の他の一つは、受付カード1を整然と配置して、来訪者6が受け取りやすくすることにある。たとえば、図示のように、番号ごとの窪みを設け、それらの窪みに、呼び出し番号順に受付カード1を載置するようにしてもよい。
【0015】
一方、受付カード1は次の二つの機能を持つ。第一の機能は、来訪者6に対して呼び出し番号を視覚的に知らせることにある(言い換えれば、番号札の機能を有することにある)。この機能を果たすために、たとえば、受付カード1の表面に大きな文字で呼び出し番号(図中の斜体数字を参照)を描いてある。第二の機能は、受付カード1の微弱通信エリア9に任意の窓口端末4が位置したときに、その受付カード1の固有情報(典型的には呼び出し番号)を同エリア内の窓口端末4を経由して制御部5に通知することにある。
【0016】
ここで、“微弱通信エリア9”とは、受付カード1の微弱送信電力に対応した狭いエリアを意味する用語であり、具体的には図中の符号Xで示す半径数十センチメートル程度のエリアを言う。
【0017】
制御部5は、コンピュータ(以下、CPU)5b、不揮発性メモリ(以下、ROM)5c、揮発性メモリ(以下、RAM)5d及び書き換え可能型不揮発性メモリ(以下、PROM)5eを備えており、ROM5cに予め格納されている制御プログラムやPROM5eに予め又は任意に書き込まれるデータをRAM5dにロードしてCPU5bで実行することにより、つまり、プログラム制御方式によって、この呼び出し装置の動作を統括制御するものであるが、これに限らず、その機能の全て又は一部をハードロジックで実現してもよいことはもちろんである。
【0018】
制御部5はまた、操作部5aを備える。この操作部5aは、必要に応じ、窓口担当者7によって操作されるものであり、たとえば、呼び出し番号の初期情報(呼び出し番号の最小値や最大値等)を設定するためなどに用いられる。
【0019】
表示部3は、図1に示すように、呼び出し番号と呼び出し窓口を表示するためのもので、たとえば、天井からつり下げたり、あるいは、壁面に設置したりして用いられる。
【0020】
図3は、カード台2の外観と断面を示す図である。この図において、カード台2は複数の受付カード1を載置する窪み2aを有しており、その窪み2aの底にスイッチ2bを備えている。このスイッチ2bは、窪み2aに受付カード1が挿入されたときにオンとなり、来訪者6によって受付カード1が抜き取られたときにオフになるようになっており、このオンオフ情報が制御部5に通知されるようになっている。
【0021】
なお、カード台2の仕組みは、図3の例に限定されない。要は、呼び出し装置を構成する全ての受付カード1のうち来訪者6によって携行されたものと、そうでないもの(待機中のもの。)を区別し、その情報を制御部5に通知できるようになっていると共に、受付カード1を整然と配置して、来訪者6が受け取りやすい構造になっていればよい。
【0022】
図4は、窓口端末4の内部ブロック図である。窓口端末4は、窓口担当者7によって操作される呼び出しスイッチ10を備えると共に、さらに、呼び出しスイッチ10が“オン”になったとき(窓口担当者7によって来訪者6の呼び出し操作が行われたとき)に呼び出し元の窓口端末4に固有の情報を持つ信号(以下、呼び出し信号という。)を発生する呼び出し信号発生部11と、アンテナ12及び受信部13を介して受付カード1からの微弱電波信号14(後述する)が受信されたときに呼び出し元の窓口端末4の呼び出し状態を解除するための信号(以下、消去信号という。)を発生する消去信号発生部15と、呼び出し信号や消去信号を小電力電波信号16に変調してアンテナ17から送信する送信部18と、これらの各部に電源を供給するバッテリ19とを備える。
【0023】
微弱電波信号14の「微弱」と小電力電波信号16の「小電力」とは、電力比較で「微弱<小電力」を意味する。また、通信距離は電力の二乗に比例するので、通信距離比較でも「微弱<小電力」を意味する。すなわち、端的に言えば、微弱電波信号14はきわめて近い距離にしか届かない信号のことであり、小電力電波信号16は、微弱電波信号14よりも遠方にまで届く信号のことであるが、実施形態の例に即して具体的に説明すれば、微弱電波信号14は、各々の窓口に設置された窓口端末4に対して選択的通信(1台の窓口端末4との間でのみ通信を行うこと。)を可能とするきわめて近距離(図2の符号X参照)の信号であり、一方の小電力電波信号16は、実施形態の呼び出し装置が用いられる窓口全体を支障なくカバーする程度の広範囲な信号である。
【0024】
ここで、呼び出し信号と消去信号の態様について、その一例を説明する。
図5は、呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。この図において、Ac、Bc、Cc、・・・・は、各窓口(窓口A、窓口B、・・・・に置かれたそれぞれの窓口端末4からの呼び出し信号を表し、Ar、Br、Cr、・・・・は、各窓口に置かれたそれぞれの窓口端末4からの消去信号を表しており、さらに、“c”は呼び出しを意味し、“r”は消去を意味し、“A”、“B”、“C”、・・・・は窓口番号を意味している。たとえば、“Ac”は窓口Aの窓口端末4から送信された呼び出し信号であり、又は、Ar”は窓口Aの窓口端末4から送信された消去信号である。
【0025】
複数の窓口端末4の識別方法としては様々な技術を用いることができるが、ここでは、最も簡単な技術として周波数識別技術を用いることにする。すなわち、Ac、Bc、Cc、・・・・やAr、Br、Cr、・・・・にそれぞれ異なるキャリア周波数(f0、f1、f2、f3、f4、f5、・・・・)を割り当てて各窓口端末4の呼び出し信号と消去信号を識別することにする。もちろん、発明の思想上はこの周波数識別技術に限定されない。他の技術、たとえば、各窓口端末4に固有のIDコードを割り当て、そのIDコードを符号化した小電力電波信号16を送信したりしてもよいが、本明細書中では説明の便宜上、上記の周波数識別技術を用いることにする。
【0026】
図6は、受付カード1の構成図(a)及び受付カード1と窓口端末4との信号伝達概念図(b)である。これらの図において、来訪者6は、微弱無線送信機型の受付カード1を携帯している。この受付カード1は、たとえば、カード型のケース20の内部にループアンテナ21と送信部22及びバッテリ23とを実装したものであり、ほぼ無指向性の微弱な無線電波を用いた微弱電波信号14を周囲に送信することができるものである。
【0027】
一般的に無線電波の到達距離は、送信電力が小さくなるほど指数関数的に比例減少する関係にあり、微小な電力では近距離にしか届かない。このことを利用して、信号の到達距離を局限した小型の送信機が試作されている。たとえば、TDK株式会社は、2007年10月1日、数メートル届く微弱電波を3年以上発信し続ける「カード」の無線送信機の開発に成功したことを明らかにした。開発したのはカード型の微弱無線送信機で、厚さ約1.5ミリながら、ポリマーリチウム電池と発信用アンテナを内蔵している。電波は最長約7メートル飛ばせるが、電力を調節することにより、数メートル乃至数十センチメートル程度の“ごく近距離”の通信を行うことができる。
【0028】
本実施形態における受付カード1に、この試作品(又はそれに相当するもの)を用いることができるが、適切な通信距離は、以下の考え方に従って設定する。
【0029】
ある窓口(便宜的に窓口Aとする。)に窓口端末4が載置されており、同様に図示を略した他の窓口(便宜的に窓口Bとする。)にも窓口端末4が載置されている。これらの窓口端末4は、前記したように、受付カード1からの微弱電波信号14を受信すると、呼び出し元の窓口端末4の呼び出し状態を解除するための信号(消去信号)を制御部5に送信する。
【0030】
今、受付カード1の信号到達距離を図中の符号Xで示すことにすると、このXを適切に設定することにより、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に収まる窓口端末4を1台だけにすることができ、各々の窓口に設置された窓口端末4に対して選択的通信を可能とすることができる。
【0031】
このように、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に1台の窓口端末4が収まっている場合、選択的通信が可能となって特段の不都合は生じない。受付カード1からの微弱電波信号14がその1台の窓口端末4のみによって受信されるからである。
【0032】
しかしながら、受付カード1の通信範囲(微弱通信エリア9)に複数台の窓口端末4が収まっている場合は、受付カード1からの微弱電波信号14がそれら複数台の窓口端末4に同時に受信されるという不都合を招くので、Xの調整(受付カード1の送信電力を減少させる調整)が必要である。このように、受付カード1の送信電力は、「受付カード1からの微弱電波信号14が1台の窓口端末4のみによって受信される」ようになっている必要があるから、受付カード1の送信電力(微弱電波信号14の到達距離X)は、実際の窓口レイアウトを考慮して適応的に調整すればよい。
【0033】
図7は、受付カード1の送信電力を適切に設定した場合の説明図である。この図において、窓口担当者7によって呼び出された来訪者6は、携行している受付カード1を窓口に差し出す。差し出し先のテーブル上には、窓口端末4が位置しており、受付カード1の送信電力を適切に設定した場合、言い換えれば、微弱通信エリア9の大きさを適切に設定した場合、その受付カード1から送信される微弱電波信号14は呼び出し元窓口の窓口端末4のみに受信され、他の窓口の窓口端末4には受信されない。
【0034】
したがって、この場合は混信を生じることなく、呼び出し元窓口の窓口端末4のみから制御部5に対して小電力電波信号16が送信され、この制御部5において、呼び出し番号の消去が支障なく行われる。
【0035】
図8は、制御部5で実行される制御プログラムのフローを示す図である。この制御プログラムでは、まず、受付カード番号と受付時間の更新を行う(ステップS1)。受付カード番号と受付時間の更新とは、制御部5のPROM5eに保持されている受付情報テーブルの更新処理のことをいう。
【0036】
図9は、受付情報テーブルの概念図である。受付情報テーブル24は、カード番号フィールド24aと、状態フィールド24bと、受付時間フィールド24cとを有する。カード番号フィールド24aに受付カード1の最小番号から最大番号までの番号を格納し、状態フィールド24bに各番号の状態(受付中/待機中)を格納し、受付時間フィールド24cに受付時間を格納する。なお、受付時間の“00:00”は待機中の番号に対応する便宜時間である。
【0037】
再び、制御プログラムに戻り、呼び出し端末4からの呼び出しの有無を判定し(ステップS2)、呼び出しがなければ、ステップS1に戻り、呼び出しがあれば、次に、呼び出し窓口番号と呼び出しカード番号を取得し(ステップS3、ステップS4)、それらの呼び出し情報を表示部3に表示する(ステップS5)。そして、窓口端末4からの消去信号受信を判定し(ステップS6)、消去信号を受信すると、該当する呼び出し番号を消去(ステップS7)した後、再び、ステップS1に復帰する。
【0038】
このように、本実施形態の制御プログラムでは、ステップS6で、窓口端末4からの消去信号受信を判定すると、ステップS7で、該当する呼び出し番号を消去するようにしている。ここで、窓口端末4からの消去信号受信は、「(1)まず、図7に示すように、呼び出し対象者(来訪者6)が呼び出し元窓口に自身が携帯している受付カード1を差し出すと、その受付カード1から送信される微弱電波信号14が、呼び出し元窓口の窓口端末4に受信され、(2)次に、この窓口端末4の消去信号発生部15で生成された消去信号が、窓口端末4の送信部18とアンテナ17を介して、小電力電波信号16として制御部5に送信され、(3)そして、この小電力電波信号16が制御部5で受信される」ことによって行われる。
【0039】
したがって、受付カード1を窓口に差し出すだけで、呼び出し番号の消去が自動的に行われるから、本実施形態によれば、冒頭で説明した従来技術のように、窓口担当者がいちいち呼び出しを完了した番号の消去操作を行う必要がなく、人為的な誤操作(番号の消去忘れや間違った番号の消去)を確実に回避できるという特有の効果を得ることができる。
【0040】
<第2実施形態>
ところで、前記の実施形態(第1実施形態)では、たとえば、呼び出し対象者以外の者(ただし、受付カード1を携行している者)が窓口に接近した場合に混乱を生じるおそれがある。これは、前記の実施形態(第1実施形態)では、受付カード1が窓口端末4に接近すると、例外なく、その窓口端末4で消去信号が発生する仕組みになっているからである。
【0041】
この不都合を解決するためには、前記の第1実施形態を以下(第2実施形態)のように改良すればよい。
図10は、第1実施形態の改良(第2実施形態)構成図である。この図において、前記の第1実施形態との相違は、第一に、受付カード1から送信される微弱電波信号14に、その受付カード1に固有の識別情報(以下、IDという。)が含まれている点にある。このIDは、各々の受付カード1を識別できるユニークなものであればよいが、ここでは、それぞれの受付カード1に割り当てられている呼び出し番号であるとする。すなわち、呼び出し番号「1」の受付カード1のIDは「1」、呼び出し番号「2」の受付カード1のIDは「2」、・・・・(以下、省略)・・・・とする。
【0042】
相違の第二は、窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信した際に、制御部5に対して受付カード1のIDと消去信号とを含む小電力電波信号16を送信する点にある。
【0043】
相違の第三は、制御部5は、窓口端末4からの消去信号受信を判定した際に、直ちに呼び出し番号の消去を行うのではなく、ID照合一致の場合にだけ、呼び出し番号の消去を行うようにした点にある。すなわち、ステップS6の消去信号受信判定がYESの場合に、消去信号と一緒に受信した受付カード1のIDと呼び出し中の受付カード1のIDとを照合し(ステップS8)、ID一致の場合にのみ(ステップS9の判定結果がYESの場合にのみ)、ステップS7で呼び出し番号の表示を消去するようにしている。
【0044】
したがって、この改良(第2実施形態)構成によれば、たとえば、受付番号「1」が呼び出し中で、「2」が非呼び出し中であるとすると、番号「1」の受付カード1(ID=1)が窓口端末4に接近した際には、窓口端末4を経由して制御部5にそのID=1が送信され、このID=1は呼び出し中の受付カード1のものであるから、ID照合一致が判定される結果、呼び出し番号「1」の消去が支障なく行われる。一方、非呼び出し番号「2」の受付カード1(ID=2)が窓口端末4に接近した際にも、窓口端末4を経由して制御部5にそのID=2が送信されるが、このID=2は非呼び出し中の受付カード1のものであるから、ID照合不一致が判定される結果、呼び出し番号「2」の消去は行われない。これにより、たとえば、呼び出し対象者以外の者が何らかの理由で窓口に接近した場合に、間違った番号消去が行われることはなく、前記の第1実施形態の不都合を解消することができ、より実用に即した呼び出し装置とすることができる。
【0045】
<第3実施形態>
ところで、前記の実施形態(第2実施形態)では、制御部5で呼び出し窓口の識別を行っていないため、たとえば、呼び出し窓口が窓口Aの場合に、呼び出し対象者(例:受付カード1を携行している者)が間違った窓口(例:窓口B)に出向いてしまった場合にも、呼び出し番号が消去されてしまうという不都合がある。
【0046】
この不都合を解決するためには、前記の第2実施形態を以下(第3実施形態)のように改良すればよい。
図11は、第2実施形態の改良(第3実施形態)構成図である。この図において、前記の第2実施形態との相違は、制御部5において、呼び出し窓口の照合処理(ステップS10)と、その窓口照合の一致判定処理(ステップS11)とを実行する点にある。これらの処理を行うために、この第3実施形態における窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信した際に、制御部5に対して、受付カード1のID及び消去信号に加えて、さらに、自己の識別情報(窓口端末4の各々に割り当てられた固有の識別情報)を含む小電力電波信号16を送信する点にある。
【0047】
したがって、この改良(第3実施形態)構成によれば、制御部5で呼び出し窓口の識別を行う(ステップS10及びステップS11)ようにしたので、たとえば、呼び出し窓口が窓口Aの場合に、呼び出し対象者(例:受付カード1を携行している者)が間違った窓口(例:窓口B)に出向いてしまった場合には、呼び出し番号が消去されることがなくなり、より実用に即した呼び出し装置とすることができる。
【0048】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されず、その思想の範囲内において様々な変形例や発展例を包含することは当然であり、たとえば、一つの窓口しかない小規模な呼び出し装置においては、窓口端末4と制御部5及び表示部3を別体にせずに合体させてもよい。本発明の技術思想には、この合体型のものも含まれる。
【0049】
また、前記の各実施形態では、請求項1に記載の発明のうちの「受付カードと窓口端末が接近したことを検出する検出手段」を窓口端末4に実装しているが、つまり、窓口端末4は、受付カード1からの微弱電波信号14を受信することによって受付カード1の接近を検出し、制御部5に対して消去信号を含む小電力電波信号16を送信するようにしているが、その逆(検出手段を受付カード1に実装する態様)であってもよい。すなわち、窓口端末4から微弱電波信号14を送信するようにしておき、受付カード1で微弱電波信号14を受信したときに、その受付カード1から制御部5に対して消去信号を含む小電力電波信号16を送信するようにしてもよい。
【0050】
また、前記の各実施形態の発展例として、受付カード1の所持者の現況を表示部3に表示することが考えられる。この現況は、たとえば、受付からの経過時間(待ち時間)が代表的であるが、さらに、受付カード1の所持者の所在位置(ロケーション)情報なども含まれる。所在位置を把握するためには、たとえば、窓口フロアをいくつかのエリアに分けて各エリアに窓口端末4に類似した通信端末を配置しておき、受付カード1の微弱電波信号14を通信端末で受信したときに、「その通信端末のエリアに受付カード1が存在する」ことを示すロケーション信号を制御部5に送信することにより、受付カード1の所持者が現在どのエリアに位置するかを把握し、表示部3に表示したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態(第1実施形態)に係る呼び出し装置の全体構成図である。
【図2】呼び出し装置の接続関係図である。
【図3】カード台2の外観と断面を示す図である。
【図4】窓口端末4の内部ブロック図である。
【図5】呼び出し信号と消去信号の一態様例を示す概念図である。
【図6】受付カード1の構成図(a)及び受付カード1と窓口端末4との信号伝達概念図(b)である。
【図7】受付カード1の送信電力を適切に設定した場合の説明図である。
【図8】制御部5で実行される制御プログラムのフローを示す図である。
【図9】受付情報テーブルの概念図である。
【図10】第1実施形態の改良(第2実施形態)構成図である。
【図11】第2実施形態の改良(第3実施形態)構成図である。
【符号の説明】
【0052】
1 受付カード
3 表示部
4 窓口端末
5 制御部(検出手段、消去手段)
6 来訪者(呼び出し対象者)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼び出し対象者の番号を表示する表示部と、
前記呼び出し対象者が携行する受付カードと、
呼び出し元の窓口に設置される窓口端末と、
前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段と
を備えたことを特徴とする呼び出し装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項3】
前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、
前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、
前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものであって、且つ、前記微弱電波信号に含まれている、前記窓口端末の識別情報が呼び出し中の窓口端末のものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項1】
呼び出し対象者の番号を表示する表示部と、
前記呼び出し対象者が携行する受付カードと、
呼び出し元の窓口に設置される窓口端末と、
前記受付カードと前記窓口端末が接近したことを検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記受付カードと前記窓口端末との接近が検出されたときに前記表示部の番号を消去する消去手段と
を備えたことを特徴とする呼び出し装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項3】
前記窓口端末は、前記表示部を兼ねることを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、
前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記受付カードから送信される微弱電波信号が前記窓口端末に受信されたときに、前記受付カードと前記窓口端末との接近を検出し、
前記消去手段は、前記微弱電波信号に含まれている、前記受付カードの識別情報が呼び出し中の受付カードのものであって、且つ、前記微弱電波信号に含まれている、前記窓口端末の識別情報が呼び出し中の窓口端末のものである場合に、前記表示部の番号を消去することを特徴とする請求項1記載の呼び出し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−55475(P2010−55475A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221333(P2008−221333)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(501152684)株式会社ユニオンコート (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(501152684)株式会社ユニオンコート (2)
【Fターム(参考)】
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