説明

品質保証サービス情報通知方法、通信装置及びドメイン間情報伝達装置

【課題】マルチドメインネットワークで品質保証サービスを行うにあたり、各ドメインの品質保証サービス情報の収集時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】ドメイン間で品質保証サービス情報を通知する方法は、ドメイン間情報伝達装置11Aが、品質保証サービス情報を通信装置13Aに送信し、通信装置13Aが、受信した品質保証サービス情報を通信装置13Bに送信し、通信装置13Bが、受信した品質保証サービス情報と、受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とをドメイン間情報伝達装置11Bに送信し、ドメイン間情報伝達装置11Bが、受信した品質保証サービス情報と、受信した経路情報とを対応付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マルチドメインネットワークにおいてドメイン間で品質保証サービス情報を通知する品質保証サービス情報通知方法、通信装置及びドメイン間情報伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが通信インフラとしての重要な役割を担う一方で、アプリケーションに対して帯域や遅延等の品質保証の要求が高まっている。例えば動画配信やビデオ会議等の広帯域アプリケーション又はサービスが増加してきている。しかし、現時点ではインターネット上で帯域や遅延等の品質をエンドエンドで保証するための機構は導入されていないため、通信事業者又はネットワークプロバイダはネットワークの通信回線速度を増加させることで品質の低下を防いでいる。しかし、このような通信回線速度の増加には帯域増強コストを要するため、ユーザからの通信要求時に適切に通信リソースを割り当てて品質保証を行う仕組みが求められている。また、キャリア網上での高品質VoIP(Voice over Internet Protocol)サービスへの期待が高まっており、従来のIP電話とは異なる、従来の回線交換電話サービスと同等の通話品質を提供するサービスの要求が高まっている。
【0003】
更に、上記のような通信事業者による高品質通信サービスを提供するに当たり、異なる事業者間(すなわちドメイン間)で高品質通信を行うことが求められている。このようなドメイン間での通信は、地理的に離れた端末間で通信を行うときに、複数の通信事業者を経由する場合に生じる。例えば国際間でTV電話をかけるような場合や、あるユーザが自分の契約事業者以外の事業者から映像配信サービスを受けるような場合である。複数のドメインで構成されるネットワークをマルチドメインネットワークと呼ぶ。
【0004】
単一のドメインにおける品質保証のための仕組みはネットワークの技術毎に多くの技術が開発されてきている。例えばATM(Asynchronous Transfer Mode)の場合、仮想コネクション・仮想パスを用いて端末間で品質を保証する。IP(Internet Protocol)通信の場合、IETF(Internet Engineering Task Force)で定義されているIntservでは、セッション単位でRSVP(Resource Reservation Protocol)プロトコルを使用してIP網内の帯域を予約することが可能である。また、IETFで定義されているDiffservでは、セッション単位の品質保証は不可能であるが、フロー群に対して品質を差別化することでユーザに対して品質の差別化サービスを提供することが可能である。
【0005】
一方、マルチドメインネットワークで品質保証を行う場合には、ドメイン毎に採用する通信技術が異なることがあるため、又はユーザに提供する高品質保証のメカニズムが異なることがあるため、単純にユーザが望む品質を得られるとは限らない。従って、ユーザの要求品質に対して、ドメイン毎の通信技術や品質保証メカニズムに応じて、品質保証可能か否かを判定し、ネットワーク機器の設定を行う必要がある。
【0006】
このようなマルチドメインネットワークで品質保証を行う手法としては、従来では、網がユーザからの品質保証要求を受けてから、ドメイン毎にシーケンシャルにQoS(サービス品質)要求を受け付けてリソースを割り当て、設定する方法が考えられている。例えば特許文献1では、マルチドメインサービスブローカがドメイン毎に品質保証を設定している。同様に、特許文献2では、帯域確保仲介サーバが複数のサービスプロバイダにまたがる伝送帯域を確保している。
【0007】
図1に特許文献1に従って品質保証を実現する手法を示す。ユーザからのQoS要求を管理装置で受け付けると(S1)、管理装置は他ドメインの管理装置への指示をマルチドメインサービスブローカに問い合わせる(S2)。その応答を受信すると(S3)、管理装置は次の管理装置とネゴシエーションを行う(S4)。これにより、各管理装置はQoSを設定し(S5)、その応答後に(S6)通信が可能になる(S7)。
【0008】
このようにマルチドメインネットワークで品質保証パスを設定する際、どのドメインが品質保証サービスを提供可能であるかを予め知っておく必要がある。一般に品質保証サービスを提供するか否かは各ドメインのサービス運用のポリシーに依存しているため、複数のドメインのうち、あるドメインでは運用ポリシーにより品質保証サービスを提供していないことも想定される。各ドメインが品質保証サービスを提供可能であるか否かを事前に知るための1つの方法としては、予め事業者間で互いに品質保証サービスの提供可否や品質保証サービスの内容を把握しておく方法も考えられる。しかし、この方法では、新たにドメインが品質保証サービスを提供可能になった場合、品質保証サービスの内容が変化した場合等に、事業者間で確認作業が必要になり、そのための時間や費用が生じる。
【特許文献1】特開2001−282760号公報
【特許文献2】特開2002−344499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、事前に品質保証サービス情報(例えば品質保証サービス可否情報)とドメイン情報とを管理装置経由でマルチドメインサービスブローカに予め入力し、品質保証サービス提供可能なドメインの経路を構築している。この中では、マルチドメインサービスブローカが自動的に品質保証サービス情報とドメイン情報とを入手する具体的な手法については述べていない。そのため、品質保証サービス情報とドメイン情報とを自動で取得することができない。
【0010】
本発明は、前記のような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、マルチドメインネットワークで品質保証サービスを行うにあたり、各ドメインの品質保証サービス情報の収集時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記の目的は、第1の通信装置と第1のドメイン間情報伝達装置とを含む第1のドメインと、第2の通信装置と第2のドメイン間情報伝達装置とを含む第2のドメインとからなるマルチドメインネットワークにおいてドメイン間で品質保証サービス情報を通知する品質保証サービス情報通知方法であって:
前記第1のドメイン間情報伝達装置が、品質保証サービス情報を前記第1の通信装置に送信する第1ドメイン内送信ステップ;
前記第1の通信装置が、受信した品質保証サービス情報を前記第2の通信装置に送信するドメイン間送信ステップ;
前記第2の通信装置が、受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを前記第2のドメイン間情報伝達装置に送信する第2ドメイン内送信ステップ;及び
前記第2のドメイン間情報伝達装置が、受信した品質保証サービス情報と、受信した経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築ステップ;
を有する品質保証サービス情報通知方法、によって解決することができる。
【0012】
また、本発明の前記の目的は、自ドメインの品質保証サービス情報を保持するドメイン間情報伝達装置に接続されると共に、他ドメインの通信装置に接続される通信装置であって:
前記ドメイン間情報伝達装置から前記自ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;
前記他ドメインの通信装置に送信するメッセージに、前記自ドメインの品質保証サービス情報を追加する情報メッセージ生成部;
前記他ドメインの通信装置から受信したメッセージから、他ドメインの品質保証サービス情報と、該メッセージが通過したドメインの経路情報とを抽出する情報抽出部;及び
抽出された品質保証サービス情報と経路情報とを前記ドメイン間情報伝達装置に送信する情報送信部;
を有する通信装置、によっても解決することができる。
【0013】
更に、本発明の前記の目的は、他ドメインの通信装置とメッセージを送受信する通信装置に接続されるドメイン間情報伝達装置であって:
前記通信装置から他ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;及び
受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築部;
を有するドメイン間情報伝達装置、によっても解決することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態によれば、マルチドメインネットワークで品質保証サービスを行うにあたり、各ドメインの品質保証サービス情報の収集時間を短縮することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0016】
<第1実施形態:品質保証経路構築手順>
本発明の第1実施形態では、品質保証サービス情報を他ドメインに通知する手段として、ルーティングプロトコル等の既存の情報伝達プロトコルのメッセージを拡張して利用する。このような情報伝達プロトコルの一例としてBGP(Border Gateway Protocol)プロトコルが挙げられる。BGPプロトコルはドメイン間の経路情報をやり取りするためのプロトコルであり、どのような経路(ネットワーク)が到達可能かをドメイン間で互いに通知するためのプロトコルである。第1実施形態では、このBGPプロトコルの経路情報更新メッセージ(以下、UPDATEメッセージと呼ぶ)を利用して品質保証サービス情報をドメイン間で通知することについて説明する。なお、BGPプロトコル以外にもQoS用シグナリングプロトコルの1つであるNSIS(Next Steps in Signaling)を利用することも可能である。
【0017】
図2は、本発明の第1実施形態に係るマルチドメインネットワーク10を示す図である。マルチドメインネットワーク10は、複数のドメインから構成されており、ここではドメインA及びドメインBが品質保証サービス可能であり、ドメインCが品質保証サービス不可であるとする。ドメインAには、ドメイン間情報伝達装置11Aとドメイン境界ルータ13Aとが存在する。ドメインBには、ドメイン間情報伝達装置11Bとドメイン境界ルータ13Bとが存在する。ドメインCには、ドメイン境界ルータ13Cが存在する。
【0018】
ドメイン間情報伝達装置11A、11Bは、自ドメインで提供可能な品質保証サービス情報(例えば品質保証サービスの可否を示す情報)を管理する。ドメイン境界ルータ13A〜13Cは、BGPプロトコルに従って経路情報を通知する。このようなマルチドメインネットワーク10において、ドメイン間情報伝達装置11A、11Bが自ドメインだけでなく他ドメインの品質保証サービス情報も管理できるように、ドメイン境界ルータ間の情報伝達プロトコルであるBGPプロトコルを利用する。
【0019】
具体的には、BGPプロトコルのUPDATEメッセージに品質保証サービス情報(例えば品質保証サービスの可否を示す情報)を追加する。このようにすることで、ドメイン境界ルータ13Aがドメイン境界ルータBにUPDATEメッセージを送信すると、ドメイン境界ルータ13Bは、ドメインAにはネットワークa及びbが接続されており、ドメインAが品質保証サービス可能であるということを認識し、それをドメイン間情報伝達装置11Bに通知することができる。更に、UPDATEメッセージを受信したドメイン境界ルータは、自ドメインの品質保証サービス情報を追加して、他のドメインへ転送する。
【0020】
一方、ドメイン境界ルータ13Aがドメイン境界ルータBからUPDATEメッセージを受信すると、ドメインBにはネットワークc及びdが接続されており、ドメインBが品質保証サービス可能であることを認識することができる。更に、ドメインCが品質保証サービス不可能であることを認識することができる。このような情報をドメイン境界ルータ13Aからドメイン間情報伝達装置11Aに通知することで、ドメイン間情報伝達装置11Aは、ネットワークc及びdまでに通過するドメインの経路情報と、その経路が品質保証サービス可能であるか否かとを対応付けることができる。このように、ドメイン間情報伝達装置11Aは、自ドメインから宛先ネットワークへの品質保証サービスが可能な経路情報を取得することができる。
【0021】
図2に示す第1実施形態では、品質保証サービス情報は品質保証サービスの可否を示す情報を仮定している。この情報をドメイン境界ルータで伝達するメッセージに追加するために、例えばプロトコルのメッセージのユーザ利用可能領域の1ビットを利用して、品質保証サービスが可能な場合に1を、品質保証サービスが不可能な場合には0をそのビットに設定してもよい。
【0022】
品質保証サービス情報は、ドメインで提供可能な品質を示す如何なる情報を含んでもよく、例えば品質保証サービスで提供可能なサービスクラス又は優先度クラスを示す情報、最大許容帯域又は最大許容転送遅延時間のような性能値を示す情報を含んでもよい。このような品質保証サービス情報を用いることで、各ドメインで提供可能なサービスの情報をより詳しく知ることができ、マルチドメインネットワークでパスを設定する際にこれらの情報に従った柔軟なサービスクラスが設定可能になる。
【0023】
上記のマルチドメインネットワークにおいて品質保証経路を構築する手順を図3に示す。
【0024】
ドメインAのドメイン間情報伝達装置は、予め入力された自ドメインの品質保証サービス情報を有しているため、この品質保証サービス情報を自ドメインのドメイン境界ルータに送信する(S101)。ドメインAのドメイン境界ルータは、品質保証サービス情報を受信すると、ドメイン境界ルータ間の情報伝達プロトコルで用いられるメッセージ(例えば、BGPプロトコルのようなUPDATEメッセージ)に品質保証サービス情報を追加する。これにより、品質保証サービス情報が情報伝達プロトコルのメッセージと共にドメインBのドメイン境界ルータに送信される(S103)。ドメインBのドメイン境界ルータは、ドメインAからメッセージを受信すると、メッセージが通過した経路情報を認識することができるため、品質保証サービス情報と経路情報とを抽出してドメインBのドメイン間情報伝達装置に送信する(S105)。ドメインBのドメイン間情報伝達装置は、品質保証サービス情報と経路情報とを対応付けて格納することにより、ドメインAまでの経路と、その経路で実現可能な品質保証サービスとが対応付けられる。
【0025】
同様に、ドメインBからドメインAにも逆の手順を用いて品質保証サービス情報を通知することができる。ネットワーク内の各ドメインはこの手順を使用することで、自動的に他ドメインの品質サービス情報を収集することが可能になる。
【0026】
<第1実施形態:情報伝達プロトコルのメッセージフォーマット>
次に、情報伝達プロトコルのメッセージフォーマットとして、BGPプロトコルのUPDATEメッセージのフォーマットについて説明する。
【0027】
前記のように、品質保証サービス情報は、例えば、品質保証サービスの可否を示す情報、品質保証サービスで提供可能なサービスクラス又は優先度クラスを示す情報、最大許容帯域又は最大許容転送遅延時間のような性能値を示す情報である。品質保証サービス情報が品質保証サービスの可否を示す情報の場合には、前記のように1ビットの情報を用いて示すことが可能である。これらの品質保証サービス情報は、ネットワーク管理システム等から自動的にドメイン間情報伝達装置に通知されてもよく、管理者がコンソール端末を通じて入力することで、予めドメイン間情報伝達装置に格納されていてもよい。
【0028】
図4にBGPプロトコルのUPDATEメッセージのフォーマットを示す。UPDATEメッセージはBGPメッセージヘッダに続いて、Unfeasible Routes Length領域(2バイト)、Withdrawn Routes領域(可変長)、Total Path Attribute Length領域(2バイト)、Path Attributes領域(可変長)、及びNetwork Layer Reachability Information(NLRI)領域(可変長)から構成されている。Unfeasible Routes Length領域は続くWithdrawn Routes領域のデータ長を指定する。Withdrawn Routes領域は利用不能となった経路情報を指定するため領域である。またTotal Path Attribute Length領域はそれに続くPath Attributes領域のデータ長を指定する。Path Attributes領域はパス属性と呼ばれ、BGPプロトコルにおいて経路に関する各種情報を指定するために使用される。最後にNetwork Layer Reachability Information(NLRI)領域は、利用可能な経路情報を指定し、例えば新規に追加された経路(ネットワーク)情報はこの領域に格納される。また上記パス属性には幾つかの種類があり、例えばOrigin属性、AS Path属性、NEXT Hop属性、LOCAL_PRF属性などが存在し、必要に応じてこれらの属性値が指定される。
【0029】
第1実施形態では、品質保証サービス情報をBGPプロトコルのUPDATEメッセージに格納して他ドメインに転送するために、パス属性情報の1つとして「品質保証サービス属性」を新規に規定する。図5に品質保証サービス属性情報の第1の構成例を示す。この例では品質保証サービス属性情報として、単純に品質保証の可否を示すために、AS(Autonomous System)番号(AS_no)とそのAS番号のドメインでの品質保証の提供可否情報(QoS flag)を指定する。
【0030】
図6は品質保証サービス属性情報の第2の構成例を示している。この例では、品質保証サービス属性情報として、そのドメインが提供可能な品質保証サービスの情報を示すために、AS番号、品質保証サービス(あるいは優先度)クラス、最大帯域、及び最大転送遅延を指定する。
【0031】
図5及び図6に示すようにBGPプロトコルのUPDATEメッセージに品質保証サービス情報を追加しても、BGPプロトコルは通常通り動作する。すなわち、新規に規定された品質保証サービス属性を認識することができないドメイン境界ルータは、自ドメインの品質保証サービス情報を他ドメインに送信することができず、また、他ドメインの品質保証サービス情報を認識することができない。しかしながら、通常通りにUPDATEメッセージを他ドメインのドメイン境界ルータに送信することができる。
【0032】
<第1実施形態:情報伝達プロトコルのメッセージを用いた経路情報の取得>
次に経路情報の取得方法について説明する。品質保証可能なドメイン間の経路を取得するために、本来のBGPプロトコルが通知している情報を利用する。この情報はUPDATEメッセージ中のパス属性情報の1つである、AS Path属性情報であり、UPDATEメッセージが通過したドメインの識別子(AS番号)が、通過順に記載されている。図7にAS Pathによるドメイン通過経路情報の取得方法の概要を示す。AS#1の中に例えばネットワーク10.0.0.1/8が存在する場合、AS#1のドメイン境界ルータはBGPプロトコルのUPDATEメッセージ中のAS Path属性領域に、ドメインの識別子としてAS番号(AS#1)を格納して隣接ドメインAS#2及びAS#4へ送信する。UPDATEメッセージを受信したAS#2のドメイン境界ルータは、同様にAS番号(AS#2)をAS Path属性領域に追加して、隣接ドメインAS#3へ転送する。AS#4でも同様に自ドメインのドメイン識別子をAS Path属性領域に追加して隣接ドメインへ転送する。このようにして各ドメインは、ネットワーク10.0.0.1/8のネットワークへ至る経路をAS Pathの内容から知ることができる。図7のネットワークでは、AS#3からみて、10.0.0.1/8への経路はAS#3,AS#2,AS#1と、AS#3,AS#5,AS#4,AS#1との2通りが存在することがわかる。
【0033】
第1実施形態では、品質保証サービスが可能なドメイン通過経路情報を取得するために、上記のようにBGPプロトコルのUPDATEメッセージに格納された品質保証サービス属性と、AS Path属性とをドメイン間でやり取りする。
【0034】
<第1実施形態:ドメイン境界ルータの構成>
次にドメイン境界ルータの構成について説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係るドメイン境界ルータ13の構成図である。
【0035】
ドメイン境界ルータ13は、情報受信部131と、情報メッセージ生成部133と、情報抽出部135と、情報送信部137と、更新メッセージ送出部139と、更新メッセージ受信部141とを有する。
【0036】
情報受信部131はドメイン間情報伝達装置11から自ドメインの品質保証サービス情報を受信する。情報メッセージ生成部133は、自ドメインの品質保証サービスが新たに設定されて品質保証サービス情報をドメイン間情報伝達装置11から受信した場合、又は他ドメインからUPDATEメッセージを受信した場合に、自ドメインの品質保証サービス情報をUPDATEメッセージ中の品質保証サービス属性に追加する。自ドメインの品質保証サービス情報が新たに設定された場合には、この情報メッセージ生成部133が新規にUPDATEメッセージを生成する。更新メッセージ送出部139は、既存のBGPプロトコルに従ってUPDATEメッセージを他ドメインのドメイン境界ルータに送信する。
【0037】
更新メッセージ受信部141は、既存のBGPプロトコルに従ってUPDATEメッセージを受信する。情報抽出部135は、受信したUPDATEメッセージから品質保証サービス情報(UPDATEメッセージの品質保証サービス属性)と経路情報(UPDATEメッセージのAS Path属性)とを抽出する。情報送信部137は、抽出した品質保証サービス情報と経路情報とをドメイン間情報伝達装置11に送信する。
【0038】
上記の構成を備えることにより、ドメイン間情報伝達装置11において品質保証サービス情報が設定されると、その情報はドメイン境界ルータ13に通知され、更にBGPプロトコルのUPDATEメッセージに格納されて、AS Path情報と共に他のドメインへ転送される。また、他のドメインの品質保証サービス情報は、受信した他ドメインからのUPDATEメッセージから抽出することにより得られる。
【0039】
なお、ドメイン境界ルータは請求項記載の通信装置に対応する。
【0040】
<第1実施形態:ドメイン間情報伝達装置の構成>
次にドメイン間情報伝達装置の構成について説明する。図9は、本発明の第1実施形態に係るドメイン間情報伝達装置11の構成図である。
【0041】
ドメイン間情報伝達装置11は、品質保証サービス情報管理部111と、ネットワーク情報管理部113と、情報受信部115と、ドメイン間経路構築部117と、経路情報蓄積部119とを有する。
【0042】
品質保証サービス情報管理部111は、自ドメインの品質保証サービス情報を保持している。品質保証サービス情報は、外部の管理システム等から入力される。また品質保証サービス情報は、自ドメインのドメイン境界ルータへ通知される。品質保証サービス情報をドメイン境界ルータに通知するために、品質保証サービス情報が品質保証サービス情報管理部111へ格納された時点で自動的に通知してもよく、外部の管理システム等からの指示をトリガーに通知してもよい。ネットワーク情報管理部113は、そのドメインにおいてユーザから要求があった宛先ネットワーク情報が格納されている。この宛先ネットワーク情報は、ドメイン間経路構築部117において品質保証サービスのある経路情報を構築する際に参照される。情報受信部115は自ドメインのドメイン境界ルータから転送された品質保証サービス情報の受信及び経路情報(AS Path情報)の受信を行う。ドメイン間経路構築部117は上記の品質保証サービス情報と経路情報とを対応付けて、品質保証が可能な経路情報を算出し、算出した経路情報を経路情報蓄積部119に格納する。
【0043】
ドメイン間経路構築部117で経路情報を構築する手順について、図10を参照して詳細に説明する。
【0044】
まず、情報受信部115から転送された品質保証サービス情報とAS Path情報を受信すると(S201)、AS Path情報からドメイン間経路情報を抽出する(S203)。この情報は図7に示すように、ドメインの通過経路としてAS番号が順に連なったものであり、ネットワーク構成に応じて複数の経路が存在する。
【0045】
次に、このドメイン間経路情報から、ネットワーク情報管理部113に格納されている宛先ネットワーク情報を参照して(S205)、自ドメインから宛先ネットワークへの経路を抽出する(S207)。具体的には、AS Path情報にある経路情報(ネットワークアドレス)と、ネットワーク情報管理部113に格納されている宛先ネットワーク情報(ネットワークアドレス)との対応関係を調べる。ネットワーク情報管理部113に格納されている宛先ネットワークアドレスが、AS Path情報の経路情報(ネットワークアドレス)に含まれている場合には、そのドメイン間経路は宛先ネットワークへ接続可能な経路として保持する。逆に宛先ネットワークアドレスがAS Path情報の経路情報(ネットワークアドレス)に含まれていない場合には、そのドメイン間経路は削除する。
【0046】
次に、宛先ネットワークへ繋がるドメイン間経路ごとに、品質保証サービス情報を参照して品質保証可能なドメイン間経路か否かを判定する(S209)。具体的には、各ドメイン間経路上のドメイン毎に、そのドメインに対応する品質保証サービス情報を参照して、経路全体で品質保証ができるか否かをチェックすることで判定する。例えば品質保証サービス情報として単純に1ビットを使用して、品質保証サービスの可否を示している場合(例えば、1=品質保証サービス可、0=品質保証サービス不可)、ドメイン間経路上の何らかのドメインに対応する品質保証サービスが品質保証サービス不可(=0)であれば、そのドメイン間経路は品質保証が不可能な経路として削除される。このようにして、品質保証サービスが可能なドメイン間経路のみが最終的に抽出される。
【0047】
例えば品質保証サービス情報として、提供可能なサービスクラス情報を使用する場合も考えられる。この場合にはドメイン間経路が、受信した品質保証情報を参照して各サービスクラスに対応しているか否かをチェックする。このようにして、サービスクラス毎に、そのサービスクラスに対応したドメイン間経路が抽出できる。同様に、品質保証サービス情報として提供可能な最大許容帯域又は最大転送遅延時間も使用することも可能である。
【0048】
上記のようにドメイン間経路情報117で抽出された経路情報は経路情報蓄積部119に格納される。図11は、経路情報蓄積部119に格納される経路情報を示す図である。
【0049】
品質保証サービス情報として品質保証サービスの可否のみをUPDATEメッセージで通知する場合は、経路情報蓄積部119は、ドメイン間経路情報117で抽出された経路情報を宛先ネットワーク毎に格納する。例えば、宛先ネットワーク#1への品質保証サービス可能な経路のみが、宛先ネットワーク#1への経路情報に格納される。
【0050】
また、品質保証サービスとしてサービスクラスと最大許容帯域と最大転送遅延時間とをUPDATEメッセージで通知する場合は、経路情報蓄積部119は、宛先ネットワーク毎に経路情報を格納するときに、更に、図12に示すように、サービスクラス毎に経路情報と最大許容帯域及び最大許容遅延時間を格納してもよい。
【0051】
このように経路情報を格納することにより、マルチドメインネットワークでパスを設定する場合に、どのドメインが品質保証可能か、どのドメインが所定のサービスクラスに対応可能かを、経路情報蓄積部119を参照して直ちに判定することが可能になる。
【0052】
<第2実施形態>
上記のように、各ドメインは自動的且つ迅速に各ドメインの品質保証サービスの可否を知ることが可能になる。この仕組みを用いることで、マルチドメインネットワークにおいて様々な柔軟な品質保証サービスを提供することが可能になる。そのような品質保証サービスの例として、マルチドメインネットワークで品質保証パスを設定するマルチドメインQoSサービスがある。
【0053】
マルチドメインQoSサービスでは次のように品質保証パスを設定する。まず、エンドエンド間でのユーザ間の通信帯域を保証するために、予めドメイン間で帯域を確保しておく。ユーザからの通信要求があった場合に、要求を行ったユーザが接続しているドメインの受付制御サーバ(ドメイン間情報伝達装置に相当する)において、ドメイン間で確保している帯域に対してユーザからの要求帯域を満たすかどうかを判定して受付制御を行う。従って、ユーザからの通信要求を受け付けるたびにエンドエンド間の経路に沿って各ドメインが帯域の受付判定を行う場合に比べて、迅速な受付制御を行うことができる。このときに予めドメイン間で帯域を確保するために、どのドメインが品質保証サービスを提供可能であるかを知る必要がある。このようなマルチドメインQoSサービスに本発明の実施形態を利用することが可能である。
【0054】
また、マルチドメインQoSサービスでは、ドメイン間で予め帯域を確保するため、各ドメインに1つ配置されるドメイン間情報伝達装置が、隣接ドメインのドメイン間情報伝達装置に対して帯域要求メッセージを送出する。この場合のドメイン間情報伝達装置は、マルチドメインネットワークでQoSを設定することができるマルチドメインQoSサーバとして構成される。マルチドメインネットワークで帯域要求を設定するために、ドメイン間情報伝達装置は隣接ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを事前に知っておく必要がある。隣接ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを事前に知る方法としては、例えば外部のネットワーク管理システム等を用いて、自動的にあるいはオペレータによるコンソール端末経由で、予め設定しておくことが考えられる。しかし、これには前記のように管理者による入力が必要になり、時間を要する。従って、ドメイン間情報伝達装置のアドレスを自動的に取得するために、第1実施形態の情報伝達プロトコルを利用することができる。すなわち、BGPプロトコルのUPDATEメッセージのパス属性の1つである品質保証サービス属性情報として、自ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを追加することにより、BGPプロトコルのUPDATEメッセージが隣接ドメインに転送される。このUPDATEメッセージが各ドメインに通知されることで、各ドメインは他ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを知ることができる。
【0055】
前記のように、品質保証サービス情報と共にドメイン間情報伝達装置のアドレスをUPDATEメッセージに追加することにより、第1実施形態と同じ構成のドメイン境界ルータ及びドメイン間情報伝達装置を用いて、ドメイン間情報伝達装置のアドレスも自動的に取得することが可能になる。
【0056】
図13は、ドメイン間情報伝達装置のアドレスを含んだ場合の品質保証サービス属性の構成例を示している。第1実施形態と同様のドメイン境界ルータの情報メッセージ生成部133は、UPDATEメッセージを生成あるいは更新する際に、品質保証サービス情報として、AS番号及びQoS flab情報に加えて、自ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを追加する。これによりUPDATEメッセージを受信した他ドメインのドメイン境界ルータは、隣接ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを抽出することができる。このアドレスを情報送信部137からドメイン間情報伝達装置に送信することで、各ドメインのドメイン間情報伝達装置は、他ドメインのドメイン間情報伝達装置のアドレスを自動的に取得できる。
【0057】
このようにして、ドメイン間情報伝達装置がマルチドメインネットワークで帯域交渉をすることが可能になる。なお、品質保証サービス情報を管理するドメイン間情報伝達装置と、マルチドメインネットワークで帯域交渉をするマルチドメインQoSサーバとは、上記のように同じ装置として構成されてもよく、それぞれ別個の装置として構成されてもよい。
【0058】
<第1実施形態及び第2実施形態の効果>
上記のように、第1実施形態によれば、品質保証サービス情報をドメイン間で自動的に通知することにより、各ドメインのドメイン間情報伝達装置は品質保証サービス提供可能な経路情報(通過ドメイン経路)を自動で取得することが可能になる。これにより、従来では管理者同士の合意又は設定に要していた作業を短時間に行うことが可能になる。また、新たにドメインが品質保証サービスを提供可能になった場合や、品質保証サービスの内容が変化した場合等にも管理者の作業を伴わずに、その内容を各ドメインのドメイン間情報伝達装置に通知することが可能になる。
【0059】
更に第2実施形態によれば、マルチドメインネットワークで事前に帯域を確保する必要がある場合に、隣接ドメインのドメイン間情報伝達装置(又は品質管理サーバ)のアドレスを自動で取得することが可能になる。従って、ドメインをまたがるエンドエンド品質保証サービスを提供する際の帯域交渉を迅速に行うことが可能になる。
【0060】
(付記1)
第1の通信装置と第1のドメイン間情報伝達装置とを含む第1のドメインと、第2の通信装置と第2のドメイン間情報伝達装置とを含む第2のドメインとからなるマルチドメインネットワークにおいてドメイン間で品質保証サービス情報を通知する品質保証サービス情報通知方法であって:
前記第1のドメイン間情報伝達装置が、品質保証サービス情報を前記第1の通信装置に送信する第1ドメイン内送信ステップ;
前記第1の通信装置が、受信した品質保証サービス情報を前記第2の通信装置に送信するドメイン間送信ステップ;
前記第2の通信装置が、受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを前記第2のドメイン間情報伝達装置に送信する第2ドメイン内送信ステップ;及び
前記第2のドメイン間情報伝達装置が、受信した品質保証サービス情報と、受信した経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築ステップ;
を有する品質保証サービス情報通知方法。
【0061】
(付記2)
前記ドメイン間送信ステップは、前記第1の通信装置が、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の情報伝達プロトコルで用いられるメッセージに、受信した品質保証サービス情報を追加して前記第2の通信装置に送信することを特徴とする、付記1に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【0062】
(付記3)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報と、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報と、最大許容帯域を示す情報と、最大許容転送遅延時間を示す情報とのうち少なくとも1つを有することを特徴とする、付記1又は2に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【0063】
(付記4)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報を有し、
前記ドメイン間経路構築ステップは、品質保証サービスの可能な経路情報を抽出して格納することを特徴とする、付記1又は2に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【0064】
(付記5)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報を有し、
前記ドメイン間経路構築ステップは、前記第1のドメインから前記第2のドメインまでの経路がサービスクラスに対応しているか否かを検査し、対応している場合にはサービスクラス毎に分類して格納することを特徴とする、付記1又は2に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【0065】
(付記6)
前記ドメイン間送信ステップは、前記第1の通信装置が第1のドメイン間情報伝達装置の識別子を前記第2の通信装置に送信するステップを更に有し、
前記第2ドメイン内送信ステップは、前記第2の通信装置が前記第1のドメイン間情報伝達装置の識別子を前記第2のドメイン間情報伝達装置に送信するステップを更に有することを特徴とする、付記1乃至5のうちいずれか1項に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【0066】
(付記7)
自ドメインの品質保証サービス情報を保持するドメイン間情報伝達装置に接続されると共に、他ドメインの通信装置に接続される通信装置であって:
前記ドメイン間情報伝達装置から前記自ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;
前記他ドメインの通信装置に送信するメッセージに、前記自ドメインの品質保証サービス情報を追加する情報メッセージ生成部;
前記他ドメインの通信装置から受信したメッセージから、他ドメインの品質保証サービス情報と、該メッセージが通過したドメインの経路情報とを抽出する情報抽出部;及び
抽出された品質保証サービス情報と経路情報とを前記ドメイン間情報伝達装置に送信する情報送信部;
を有する通信装置。
【0067】
(付記8)
前記情報メッセージ生成部は、前記他ドメインの通信装置との情報伝達プロトコルで用いられるメッセージに、前記自ドメインの品質保証サービス情報を追加することを特徴とする、付記7に記載の通信装置。
【0068】
(付記9)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報と、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報と、最大許容帯域を示す情報と、最大許容転送遅延時間を示す情報とのうち少なくとも1つを有することを特徴とする、付記7又は8に記載の通信装置。
【0069】
(付記10)
前記情報メッセージ生成部は、前記他ドメインの通信装置に送信するメッセージに、自ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に追加し、
前記情報抽出部は、前記他ドメインの通信装置から受信したメッセージから、他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に抽出し、
前記情報送信部は、抽出された他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を前記ドメイン間情報伝達装置に更に送信することを特徴とする、付記7乃至9のうちいずれか1項に記載の通信装置。
【0070】
(付記11)
他ドメインの通信装置とメッセージを送受信する通信装置に接続されるドメイン間情報伝達装置であって:
前記通信装置から他ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;及び
受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築部;
を有するドメイン間情報伝達装置。
【0071】
(付記12)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報と、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報と、最大許容帯域を示す情報と、最大許容転送遅延時間を示す情報とのうち少なくとも1つを有することを特徴とする、付記11に記載のドメイン間情報伝達装置。
【0072】
(付記13)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報を有し、
前記ドメイン間経路構築部は、品質保証サービスの可能な経路情報を抽出して格納することを特徴とする、付記11に記載のドメイン間情報伝達装置。
【0073】
(付記14)
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報を有し、
前記ドメイン間経路構築部は、他ドメインから自ドメインまでの経路がサービスクラスに対応しているか否かを検査し、対応している場合にはサービスクラス毎に分類して格納サービスクラス毎に分類して格納することを特徴とする、付記11に記載のドメイン間情報伝達装置。
【0074】
(付記15)
前記情報受信部は、他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に受信することを特徴とする、付記11乃至14のうちいずれか1項に記載のドメイン間情報伝達装置。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】従来技術に従って品質保証を実現する手法を示す図
【図2】本発明の実施形態に係るマルチドメインネットワークを示す図
【図3】本発明の実施形態に係るマルチドメインネットワークにおいて品質保証経路を構築する手順を示すフローチャート
【図4】BGPプロトコルのUPDATEメッセージのフォーマット
【図5】品質保証サービス属性情報の第1の構成例を示す図
【図6】品質保証サービス属性情報の第2の構成例を示す図
【図7】経路情報の取得方法を示す図
【図8】本発明の実施形態に係るドメイン境界ルータの構成図
【図9】本発明の実施形態に係るドメイン間情報伝達装置の構成図
【図10】ドメイン間情報伝達装置において経路情報を構築する手順を示すフローチャート
【図11】ドメイン間情報伝達装置に格納される経路情報を示す図
【図12】ドメイン間情報伝達装置に格納されるサービスクラス毎の経路情報を示す図
【図13】ドメイン間情報伝達装置のアドレスを含んだ場合の品質保証サービス属性の構成例を示す図
【符号の説明】
【0076】
11 ドメイン間情報伝達装置
13 ドメイン境界ルータ
111 品質保証サービス情報管理部
113 ネットワーク情報管理部
115 情報受信部
117 ドメイン間経路構築部
119 経路情報蓄積部
131 情報受信部
133 情報メッセージ生成部
135 情報抽出部
137 情報送信部
139 更新メッセージ送出部
141 更新メッセージ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第1のドメイン間情報伝達装置とを含む第1のドメインと、第2の通信装置と第2のドメイン間情報伝達装置とを含む第2のドメインとからなるマルチドメインネットワークにおいてドメイン間で品質保証サービス情報を通知する品質保証サービス情報通知方法であって:
前記第1のドメイン間情報伝達装置が、品質保証サービス情報を前記第1の通信装置に送信する第1ドメイン内送信ステップ;
前記第1の通信装置が、受信した品質保証サービス情報を前記第2の通信装置に送信するドメイン間送信ステップ;
前記第2の通信装置が、受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを前記第2のドメイン間情報伝達装置に送信する第2ドメイン内送信ステップ;及び
前記第2のドメイン間情報伝達装置が、受信した品質保証サービス情報と、受信した経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築ステップ;
を有する品質保証サービス情報通知方法。
【請求項2】
前記ドメイン間送信ステップは、前記第1の通信装置が、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の情報伝達プロトコルで用いられるメッセージに、受信した品質保証サービス情報を追加して前記第2の通信装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【請求項3】
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報と、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報と、最大許容帯域を示す情報と、最大許容転送遅延時間を示す情報とのうち少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【請求項4】
前記ドメイン間送信ステップは、前記第1の通信装置が第1のドメイン間情報伝達装置の識別子を前記第2の通信装置に送信するステップを更に有し、
前記第2ドメイン内送信ステップは、前記第2の通信装置が前記第1のドメイン間情報伝達装置の識別子を前記第2のドメイン間情報伝達装置に送信するステップを更に有することを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の品質保証サービス情報通知方法。
【請求項5】
自ドメインの品質保証サービス情報を保持するドメイン間情報伝達装置に接続されると共に、他ドメインの通信装置に接続される通信装置であって:
前記ドメイン間情報伝達装置から前記自ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;
前記他ドメインの通信装置に送信するメッセージに、前記自ドメインの品質保証サービス情報を追加する情報メッセージ生成部;
前記他ドメインの通信装置から受信したメッセージから、他ドメインの品質保証サービス情報と、該メッセージが通過したドメインの経路情報とを抽出する情報抽出部;及び
抽出された品質保証サービス情報と経路情報とを前記ドメイン間情報伝達装置に送信する情報送信部;
を有する通信装置。
【請求項6】
前記情報メッセージ生成部は、前記他ドメインの通信装置との情報伝達プロトコルで用いられるメッセージに、前記自ドメインの品質保証サービス情報を追加することを特徴とする、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記品質保証サービス情報は、品質保証サービスの可否を示す情報と、品質保証サービスで提供可能なサービスクラスを示す情報と、最大許容帯域を示す情報と、最大許容転送遅延時間を示す情報とのうち少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項5又は6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記情報メッセージ生成部は、前記他ドメインの通信装置に送信するメッセージに、自ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に追加し、
前記情報抽出部は、前記他ドメインの通信装置から受信したメッセージから、他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に抽出し、
前記情報送信部は、抽出された他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を前記ドメイン間情報伝達装置に更に送信することを特徴とする、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
他ドメインの通信装置とメッセージを送受信する通信装置に接続されるドメイン間情報伝達装置であって:
前記通信装置から他ドメインの品質保証サービス情報を受信する情報受信部;及び
受信した品質保証サービス情報と、該受信した品質保証サービス情報が通過したドメインの経路情報とを対応付けるドメイン間経路構築部;
を有するドメイン間情報伝達装置。
【請求項10】
前記情報受信部は、他ドメインのドメイン間情報伝達装置の識別子を更に受信することを特徴とする、請求項9に記載のドメイン間情報伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−251792(P2007−251792A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75001(P2006−75001)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】