説明

品質管理装置、システム、方法、及びプログラム

【課題】マルチキャスト通信のリンク品質計測において、冗長となる受信機が計測対象となることがあり、ネットワークの品質管理を効率的に行えない。
【解決手段】本発明による品質管理装置は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段と、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶手段と、ネットワーク構成情報とマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段とを備え、品質計測対象装置特定手段は、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しないことを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチキャスト通信におけるネットワーク品質管理を実現するための品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、及び品質管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを通じたテレビジョン放送の再送信サービスを実現する基盤として、マルチキャスト通信技術が注目されている。マルチキャスト通信を通じて、テレビジョン放送の映像といったコンテンツを配信する場合、そのコンテンツを視聴するユーザが目にする映像品質が重要となる。
【0003】
一般的な映像配信サービスでは、映像コンテンツを配信する配信サーバと映像コンテンツを受信する視聴端末との間で一対一のユニキャスト通信を行い、視聴端末は、通信状況を示すレポーティングを行う。そのため、配信サーバは、視聴端末から受信したレポーティング情報に含まれるパケットロス発生等の情報を用いて、ネットワーク品質の変化に応じた配信制御を実行することで、安定した映像配信をすることができる。
【0004】
一方、マルチキャスト通信は、単独の配信サーバから、多数のクライアントにデータを片方向で送信する機構となっており、ネットワーク品質を特定するレポーティング機能を標準では提供していない。また、マルチキャスト通信において、ユニキャスト通信と同様に映像コンテンツを視聴する視聴端末からサーバに対してレポーティングを行うことを考えた場合、多数の視聴端末から一斉にレポーティングが実行されるため、配信サーバに大きな負荷がかかってしまう問題がある。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、複数の受信機から受信機を選択し、選択した受信機からフィードバック信号を受信し、受信したフィードバック信号に従ってデータストリームの送信を調整することによって、ある程度配信サーバの負担を軽減する方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2008−524898(段落0029−0033)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された方法を用いたとしても、選択される受信機数がマルチキャストルータの数だけ必要となる。そのため、リンク品質計測において、冗長となる受信機が計測対象となることがあり、ネットワークの品質管理を効率的に行うことができるとは限らない。また、一般に、マルチキャストルータの中には端末が接続されていないものもネットワーク内に存在しうるが、このようなマルチキャストルータに対しても計測対象の端末が選択される処理が行われてしまい、処理効率が低下する。
【0008】
そこで、本発明は、マルチキャスト通信において、ネットワークの品質管理を効率的に行うことができる品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、及び品質管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による品質管理装置は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段と、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を管理するネットワーク構成情報管理手段と、ネットワーク構成情報とマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段とを備え、品質計測対象装置特定手段は、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しないことを特徴とする。
【0010】
本発明による品質管理システムは、複数の端末と、品質管理装置とを備え、品質管理装置は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段と、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶手段と、ネットワーク構成情報とマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段とを備え、品質計測対象装置特定手段は、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しないたことを特徴とする。
【0011】
本発明による品質管理方法は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶ステップと、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶ステップと、ネットワーク構成情報とマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定ステップとを含み、
品質計測対象装置特定手段で、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しないことを特徴とする。
【0012】
本発明による品質管理プログラムは、コンピュータに、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶処理と、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶処理と、ネットワーク構成情報とマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定処理とを実行させ、品質計測対象装置特定手段で、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しない処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マルチキャスト通信において、ネットワークの品質管理を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明によるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、通信システムは、コンテンツを配信する配信サーバ100と、配信サーバ100から配信されるコンテンツを受信する視聴端末101及び視聴端末102とを含む。配信サーバ100と、視聴端末101と、視聴端末102とは、ネットワーク300に接続されている。配信サーバ100は、視聴端末101及び視聴端末102に対し、マルチキャストルータ(以下、ルータとのみ表記)301、ルータ302、ルータ303、及びルータ305を含むマルチキャストツリー310を介して、コンテンツを配信する機能を備えている。
【0016】
また、図1に示すように、通信システムは、コンテンツを配信する配信サーバ200と、配信サーバ200から配信されるコンテンツを受信する視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203とを含む。配信サーバ200と、視聴端末201と、視聴端末202と、視聴端末203とは、ネットワーク300に接続されている。配信サーバ200は、視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203に対し、ルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305を含むマルチキャストツリー320を介してコンテンツを配信する機能を備えている。
【0017】
品質管理サーバ400は、配信サーバ100及び配信サーバ200を通じて、各視聴端末にネットワーク品質情報収集を実行する旨の指示を送信する機能を備えている。また、品質管理サーバ400は、ネットワーク品質情報を収集する機能を備えている。また、品質管理サーバ400は、ネットワーク300に接続されている。
【0018】
なお、配信サーバは、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。また、視聴端末は、具体的には、テレビジョン受信機やパーソナルコンピュータ、携帯電話機等の受信機によって実現される。また、品質管理サーバ400は、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。また、本実施形態では、配信サーバが2台、ルータが3台、視聴端末が5台の場合を示すが、それぞれ1台以上であれば何台(例えば、配信サーバが1台、ルータが4台、視聴端末が8台)あっても構わない。
【0019】
(第1の実施形態)
図2は、品質管理装置1000の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、品質管理装置1000は、マルチキャストツリー情報管理部1010と、ネットワーク構成情報管理部1020と、品質計測対象端末計算部1030とを含む。なお、品質管理装置1000は、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。以下、各部について説明する。
【0020】
マルチキャストツリー情報管理部1010は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置とによって実現される。マルチキャストツリー情報管理部1010は、ネットワーク上で形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリーに参加(具体的には、マルチキャストツリーに接続されている状態を意味する)する視聴端末を特定する情報を記憶装置に保有(記憶)する。例えば、図1に示す例においては、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー310が視聴端末101及び視聴端末102を含むことを示す情報が該当する。また、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー320が視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203を含むことを示す情報が該当する。また、マルチキャストツリー情報管理部1010は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。なお、本実施形態では、マルチキャストツリーが2つ存在する例を用いて説明するが、1つであってもよい。
【0021】
ネットワーク構成情報管理部1020は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置とによって実現される。ネットワーク構成情報管理部1020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジーの構成情報として、マルチキャストルータ及び各視聴端末の構成情報を記憶装置に保有(記憶)する。例えば、図1に示す例において、ネットワーク構成情報管理部1020は、ネットワーク300が、マルチキャストルータとして、ルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305を含むことを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部1020は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。
【0022】
また、ネットワーク構成情報管理部1020は、ルータ301が、ルータ302と、ルータ303と、配信サーバ100と接続され、ルータ302がルータ301と、視聴端末101と、視聴端末201と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部1020は、ルータ303がルータ301と、ルータ304と、ルータ305と、配信サーバ200と接続され、ルータ304がルータ303と、視聴端末202と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部1020は、ルータ305が、ルータ303と、視聴端末102と、視聴端末203と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。
【0023】
品質計測対象端末計算部1030は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。品質計測対象端末計算部1030は、ネットワーク上に構築されているマルチキャストツリーに参加する視聴端末情報及びネットワーク構成情報を取得(受信)する機能を備えている。また、品質計測対象端末計算部1030は、マルチキャストを構成するルータ毎に、ルータに接続している視聴端末を特定し、視聴端末の中から品質計測対象端末として1台を特定する機能を備えている。また、品質計測対象端末計算部1030は、マルチキャストルータに接続されている端末が存在しない場合には、上述の品質計測対象装置を特定しない機能を備えている。
【0024】
次に、動作について説明する。図3は、第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、複数の視聴端末に対してネットワークを介してマルチキャスト通信が実行されているものとする。また、ネットワーク構成情報管理部1020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報としてマルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末の構成情報を保有(記憶)している。また、マルチキャストツリー情報管理部1010は、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を保有(記憶)している。
【0025】
ネットワークの品質管理をするために、品質計測対象端末計算部1030は、ネットワーク構成情報管理部1020から、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報としてマルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末の構成情報を取得(受信)する(ステップS101)。
【0026】
品質計測対象端末計算部1030は、マルチキャストツリー情報管理部1010から、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を取得(受信)する(ステップS102)。
【0027】
品質計測対象端末計算部1030は、ステップS101及びステップS102で取得(受信)した情報に基づいて、各マルチキャストツリーを構成するマルチキャストルータ毎に、マルチキャストルータに接続している視聴端末を抽出する。そして、品質計測対象端末計算部1030は、抽出した視聴端末から品質計測対象端末として1台を特定する(ステップS103)。その後、品質管理装置1000は、特定した視聴端末にレポーティングを実行させ、その視聴端末からレポーティング情報を受信する。
【0028】
以上のように、第1の実施形態では、マルチキャスト通信に参加する複数の視聴端末にレポーティングを行なわせる際に、品質計測対象端末計算部1030は、ネットワーク構成情報を用いて、ネットワーク品質計測に必要な視聴端末を特定する。そして、品質管理装置1000は、特定した視聴端末にレポーティングを行わせる。そのため、ネットワーク品質管理を効率的に実現することができる。なぜなら、マルチキャストツリーを構成するマルチキャストルータに接続している複数の視聴端末から1台に限定することで、ネットワーク品質情報を報告する端末数を減らすことができるからである。また、品質計測対象端末計算部1030は、ネットワークトポロジー情報を用いることで視聴端末の接続されていないルータを特定し、該ルータからはレポーティングする端末を特定しない。そのため、レポーティングする端末数を全体として少なくすることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、品質管理装置2000の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、品質管理装置2000は、マルチキャストツリー情報管理部2010と、ネットワーク構成情報管理部2020と、仮想ツリー構築部203と、品質計測対象端末計算部2040とを含む。品質管理装置2000は、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。以下、各部について説明する。
【0030】
マルチキャストツリー情報管理部2010は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置とによって実現される。マルチキャストツリー情報管理部2010は、ネットワーク上で形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリーに参加する視聴端末を特定する情報を記憶装置に保有(記憶)する。図1に示す例においては、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー310には、視聴端末101及び視聴端末102が参加しているという情報が該当する。また、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー320には、視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203が参加しているという情報が該当する。また、マルチキャストツリー情報管理部2010は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。
【0031】
ネットワーク構成情報管理部2020は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置とによって実現される。ネットワーク構成情報管理部2020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジーの構成情報として、マルチキャストルータ及び各視聴端末の構成情報を記憶装置に保有(記憶)する。図1に示す例においては、ネットワーク構成情報管理部2020は、ネットワーク300を構成するマルチキャストルータとして、ルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305があることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部2020は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。
【0032】
また、ネットワーク構成情報管理部2020は、ルータ301が、ルータ302と、ルータ303と、配信サーバ100と接続され、ルータ302が、ルータ301と、視聴端末101と、視聴端末201と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部2020は、ルータ303が、ルータ301と、ルータ304と、ルータ305と、配信サーバ200と接続され、ルータ304が、ルータ303と、視聴端末202と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部2020は、ルータ305が、ルータ303と、視聴端末102と、視聴端末203と接続されていることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。
【0033】
仮想ツリー構築部203は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。仮想ツリー構築部203は、ネットワーク上に構築されているマルチキャストツリーに参加する視聴端末情報及びネットワーク構成情報を取得(受信)し、それらを仮想的に束ね合わせて一つのツリーを形成する機能を備えている。
【0034】
仮想ツリー構築部203は、複数のマルチキャストツリーを束ね合わせて一つのマルチキャストツリーを形成する方法として、例えば、各マルチキャストツリー情報が示す各マルチキャストルータのうち、同一のマルチキャストルータのデータの送信元の装置を示す情報と、データの送信先の装置を示す情報とをそれぞれまとめて、それぞれ1つの情報とすることで、各マルチキャストツリーを結合し、1つのツリーを形成する。
【0035】
品質計測対象端末計算部2040は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。品質計測対象端末計算部2040は、仮想的に作成したツリーを構成するルータ毎に、ルータに接続している視聴端末を特定し、視聴端末の中から品質計測対象端末として1台を特定する機能を備えている。また、品質計測対象端末計算部2040は、ルータから上位ルータに複数の経路がある場合、経路毎に1台の視聴端末を特定する機能を備えている。
【0036】
次に、動作について説明する。図5は、第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、複数の視聴端末に対してネットワークを介してマルチキャスト通信が実行されているものとする。また、ネットワーク構成情報管理部2020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報としてマルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末の構成情報を保有(記憶)している。また、マルチキャストツリー情報管理部2010は、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を保有(記憶)している。
【0037】
ネットワークの品質管理をするために、仮想ツリー構築部203は、ネットワーク構成情報管理部2020から、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報として、マルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末の構成情報を収集(受信)する。また、仮想ツリー構築部203は、マルチキャストツリー情報管理部2010から、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を収集(受信)する(ステップS201)。
【0038】
仮想ツリー構築部203は、ステップS201で取得した情報に基づいて、複数のマルチキャストツリーを束ね合わせた仮想的なツリー情報を生成する(ステップS202)。仮想ツリー構築部203は、例えば、各マルチキャストツリー情報が示す各マルチキャストルータのうち、同一のマルチキャストルータのデータの送信元の装置を示す情報と、データの送信先の装置を示す情報とをそれぞれまとめて、それぞれ1つの情報とすることで、各マルチキャストツリーを結合し、1つのツリーを形成する。以下、複数のマルチキャストツリーを統合し、1つのマルチキャストツリーを生成することを、複数のマルチキャストツリーを束ね合わせると表現する。
【0039】
品質計測対象端末計算部2040は、ステップS202で仮想ツリー構築部203が作成したツリー情報に基づいて、ツリーを構成するマルチキャストルータ毎に、マルチキャストルータに接続している視聴端末を抽出する。そして、品質計測対象端末計算部2040は、抽出したそれらの視聴端末から品質計測対象端末として1台を特定する。また、マルチキャストルータから上位のマルチキャストルータに複数の経路がある場合、品質計測対象端末計算部2040は、各経路形成に参加している視聴端末から品質計測対象端末として、1台の視聴端末を特定する(ステップS203)。その後、品質管理装置2000は、特定した視聴端末にレポーティングを実行させ、その視聴端末からレポーティング情報を受信する。
【0040】
以上のように、第2の実施形態では、マルチキャスト通信に参加する複数の視聴端末にレポーティングを行わせる際に、仮想ツリー構築部203は、ネットワーク上に形成されている複数のマルチキャストツリーを束ね、仮想的なツリーを構築する。そして、品質計測対象端末計算部2040は、ツリーを構成するマルチキャストルータに接続している複数の視聴端末から1台に限定する。そのため、ネットワーク品質情報を報告する端末数を減らすことができ、品質管理装置2000は、ネットワーク品質管理を効率的に実現することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
図6は、品質管理装置3000の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、品質管理装置3000は、マルチキャストツリー情報管理部3010と、ネットワーク構成情報管理部3020と、仮想ツリー構築部303と、品質計測対象端末計算部304とを含む。なお、品質管理装置3000は、具体的には、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。以下、各部について説明する。
【0042】
マルチキャストツリー情報管理部3010は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置とによって実現される。マルチキャストツリー情報管理部3010は、ネットワーク上で形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリーに参加する視聴端末を特定する情報を記憶装置に保有(記憶)する。図1に示す例では、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー310には視聴端末101及び視聴端末102が参加しているという情報が該当する。また、ネットワーク300上で形成されるマルチキャストツリーを示す情報として、マルチキャストツリー320には、視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203が参加しているという情報が該当する。また、マルチキャストツリー情報管理部3010は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。
【0043】
ネットワーク構成情報管理部3020は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUと、磁気ディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置によって実現される。ネットワーク構成情報管理部3020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジーの構成情報として、マルチキャストルータ及び各視聴端末の構成情報を記憶装置に保有(記憶)する。図1に示す例においては、ネットワーク構成情報管理部3020は、ネットワーク300を構成するマルチキャストルータとして、ルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305があることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部3020は、記憶装置に記憶している情報を更新する機能や、要求に応じて記憶装置から情報を抽出する機能を備えている。
【0044】
また、ネットワーク構成情報管理部3020は、ルータ301が、ルータ302と、ルータ303と、配信サーバ100と接続し、ルータ302が、ルータ301と、視聴端末101と、視聴端末201と接続していることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部3020は、ルータ303が、ルータ301と、ルータ304と、ルータ305と、配信サーバ200と接続し、ルータ304が、ルータ303と、視聴端末202と接続していることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。また、ネットワーク構成情報管理部3020は、ルータ305が、ルータ303と、視聴端末102と、視聴端末203と接続していることを示す情報を記憶装置に保有(記憶)する。
【0045】
品質計測対象端末計算部3030は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。品質計測対象端末計算部3030は、ネットワーク上に構築されているマルチキャストツリーに参加する視聴端末情報及びネットワーク構成情報を取得(受信)する機能を備えている。品質計測対象端末計算部3030は、マルチキャスト単体または複数のマルチキャストツリーを束ねた仮想的なツリーを構成するルータ毎に、ルータに接続している視聴端末を特定し、視聴端末の中から品質計測対象端末として1台を特定する機能を備えている。品質計測対象端末計算部3030は、問題があると推定されたネットワーク近辺に所属する品質計測対象端末を集中的に特定する機能を備えている。
【0046】
品質情報収集部3040は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインターフェース部によって実現される。品質情報収集部3040は、品質計測対象端末に特定された視聴端末からネットワーク品質を特定する情報を収集する機能を備えている。
【0047】
ネットワーク品質推測部305は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。ネットワーク品質推測部305は、収集したネットワーク品質情報から、品質に問題が発生しているネットワークリンクが存在するか否かを推定する機能を備えている。
【0048】
次に、動作について説明する。図7は、第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、複数の視聴端末に対してネットワークを介してマルチキャスト通信が実行されているものとする。また、ネットワーク構成情報管理部3020は、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報としてマルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末の構成情報を保有(記憶)している。また、マルチキャストツリー情報管理部3010は、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を保有(記憶)している。
【0049】
ネットワークの品質管理をするために、品質計測対象端末計算部3030は、ネットワーク構成情報管理部3020から、ネットワークのトポロジー情報及びトポロジー構成情報としてマルチキャストルータ及びマルチキャストルータに接続する視聴端末情報を収集する。また、品質計測対象端末計算部3030は、マルチキャストツリー情報管理部3010から、ネットワーク上に形成されているマルチキャストツリーを示す情報として、各マルチキャストツリーに参加している視聴端末情報を収集する(ステップS301)。
【0050】
品質計測対象端末計算部3030は、ステップS301で収集した情報から、各マルチキャストまたは複数のマルチキャストツリーを束ねた仮想的なツリーを構成するルータ毎に、ルータに接続している視聴端末を特定する。そして、品質計測対象端末計算部3030は、特定した視聴端末の中から品質計測対象端末として1台を特定する(ステップS302)。
【0051】
品質情報収集部3040は、ステップS302で特定した品質計測対象端末から、ネットワーク品質情報を収集する(ステップS303)。
【0052】
ネットワーク品質推測部305は、ステップS303で収集したネットワーク品質情報から、品質に影響がある情報(例えば、パケットロスの多発、平均遅延が大きい等)を発見した場合、問題が発生している可能性の高いネットワークリンク区間を推定する(ステップS304)。
【0053】
具体的には、ネットワーク品質推測部305は、ネットワーク品質に問題があることを示すネットワーク品質情報を報告した視聴端末が属するネットワークリンクを出発点として、上位のネットワークリンクを辿る。そして、ネットワーク品質推測部305は、ネットワーク品質情報に問題が含まれないネットワークリンクを終点とする区間をネットワーク品質に問題があるネットワークリンク区間とする。
【0054】
品質計測対象端末計算部3030は、ステップS304で求めたネットワークリンク区間のネットワーク品質情報を集中的に収集するために、同区間に接続している視聴端末を多数特定し、品質計測対象端末に指定する(ステップS305)。
【0055】
以上のように、第3の実施形態では、マルチキャスト通信に参加する複数の視聴端末にレポーティングを行わせる際に、品質管理装置3000は、ネットワーク上に形成されている複数のマルチキャストツリーを束ね、仮想的なツリーを構築する。そして、品質計測対象端末計算部3030は、ツリーを構成するマルチキャストルータに接続している複数の視聴端末から1台に限定する。そのため、ネットワーク品質情報を報告する端末数を減らすことができ、品質管理装置3000は、ネットワーク品質管理を効率的に実現することができる。
【0056】
また、第3の実施形態では、品質情報収集部3040は、特定した視聴端末から収集されるネットワーク品質情報を基にネットワーク品質を監視する。そして、ネットワーク品質に問題がある可能性がある場合、ネットワーク品質推測部305は、問題があるネットワークリンク区間を推測する。そして、品質計測対象端末計算部3030は、その区間に属する多数の視聴端末からネットワーク品質情報を収集する。そのため、問題の原因分析に向けた解析的な分析を行うことができ、ネットワーク品質に問題が発生した場合、その原因を容易に特定できる。
【0057】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、通信システムは、第1の実施形態で示す品質管理装置1000の機能及び第3の実施形態で示す品質管理装置3000の機能を含む品質管理サーバ400と、コンテンツを配信する配信サーバ100と、マルチキャストルータ(以下、ルータ)であるルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305と、コンテンツを受信する視聴端末101、視聴端末102、視聴端末103、視聴端末104、視聴端末105、及び視聴端末106とを含む。また、これらはネットワーク300を介して相互に接続されている。
【0058】
配信サーバ100から配信されるコンテンツを受信するため、各視聴端末(視聴端末101〜視聴端末106)は、配信サーバ100を頂点とするマルチキャストツリーを構築しているとする。
【0059】
なお、本実施形態では、配信サーバが1台、ルータが5台、視聴端末が6台の場合を示すが、それぞれ1台以上であれば何台(例えば、配信サーバが2台、ルータが4台、視聴端末が8台)あっても構わない。
【0060】
品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーを構築する視聴端末情報及びネットワーク構成情報から、図9に示す情報を獲得(抽出)し、ルータ毎に視聴端末情報を特定する。品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーの下流に位置するルータから、そのルータが所属するネットワークリンクの品質情報を提供する品質計測端末としての視聴端末を特定する。
【0061】
この際、同一ルータに複数の視聴端末が属する場合、品質管理サーバ400は、品質計測端末として一台の視聴端末を特定する。ただし、視聴端末が障害を起こし、ネットワーク品質情報の提供が困難になることを考慮し、品質管理サーバ400は、一台以上の視聴端末を特定してもよい。
【0062】
例えば、図9に示すルータ302を考える場合、視聴端末101及び視聴端末102が接続しているため、品質管理サーバ400は、品質計測端末としていずれか一台を特定する。また、品質管理サーバ400は、ルータ305についても同様に一台の視聴端末を品質計測端末として特定する。本実施形態では、視聴端末104を特定したとする。また、ルータ304のように視聴端末が一台しか接続していない場合は、その視聴端末を特定する。
【0063】
次にルータ304及びルータ305の上流に位置するルータ303について考える。ルータ303には、視聴端末106、ルータ304、及びルータ305が接続しているが、この場合、ルータ303に接続している視聴端末は106の一台だけである。そのため、品質管理サーバ400は、視聴端末106を品質計測端末として特定する。なお、ルータ302及びルータ303の上流に位置するルータ301については、接続している視聴端末が存在しないため、品質計測端末は特定されない。
【0064】
品質管理サーバ400は、上記方法により品質計測対象端末として特定した視聴端末に対し、ネットワーク品質情報の監視処理及び報告処理を実行する旨の指示を送信する。すると、指示を受信した視聴端末は、マルチキャストツリーを通じて受信するコンテンツの受信状況(例えば、パケットロス率や遅延、ジッタ等)をネットワーク品質情報として報告(送信)する。品質管理サーバ400は、複数の視聴端末から報告された(受信した)ネットワーク品質情報に基づいて、マルチキャストツリーを構成するネットワークリンクの品質に問題があるか否かを判定することができる。
【0065】
また、第3の実施形態で示す品質管理装置3000の機能を含む場合、品質管理サーバ400は、問題があると考えられるネットワークリンク箇所を特定する。図10は、ネットワークリンクの問題箇所を推定する方法を説明する説明図である。ただし、図10は推定方法を説明するための図であり、本実施形態で対象とする図9に示すマルチキャストツリー構成とは直接的な関係はない。
【0066】
図10に示すネットワークリンクは、ルータA610、ルータB611、ルータC612、及びルータD613の4台で構成され、それぞれのルータには、視聴端末a620、視聴端末b621、視聴端末c622、及び視聴端末d623が接続しており、ルータA610からルータD613の方向に向けてデータが流れているとする。また、ルータA610とルータB611との間のネットワークリンクをネットワークリンクX600、ルータB611とルータC612との間のネットワークリンクをネットワークリンクY601、ルータC612とルータD613との間のネットワークリンクをネットワークリンクZ602とする。また、各視聴端末は、データの受信状況をネットワーク品質情報として報告(送信)する。
【0067】
本実施形態では、図10に示すように、視聴端末a620及び視聴端末b621は、ネットワーク品質情報に問題がないと報告(送信)し、視聴端末c622及び視聴端末d623は、ネットワーク品質情報に問題があると報告(送信)しているとする。問題のあるネットワークリンク箇所を推定する場合、ネットワークにおいては、下流のネットワークは、上流のネットワークの影響を受けるため、送信データを最後に受信するルータD613を起点として、ネットワーク品質情報に問題がないネットワークリンクを求めて、上流のルータを辿っていく方法を採用する。
【0068】
図10に示す例では、ルータC612、ルータB611、ルータA610と上流のルータを辿っていき、視聴端末a620がネットワーク品質に問題はないと報告(送信)している。そのため、ルータB611より上流のネットワーク、つまり、ネットワークリンクX600に問題はないと判断し、それ以下のネットワークリンクY601及びネットワークリンクZ602に問題があると推定することができる。
【0069】
本実施形態において、例えば、ルータ303とルータ305とのネットワークリンクに問題があると判断された場合、品質管理サーバ400は、ルータ303及びルータ305に接続する視聴端末で、計測対象端末として特定されていない視聴端末105を追加特定する。これにより、問題があると判断されたネットワークリンクのネットワーク品質を特定する情報量を増加させることができ、問題の診断や原因特定を実行しやすくなる。
【0070】
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、通信システムは、第2の実施形態で示す品質管理装置2000の機能を含む品質管理サーバ400と、コンテンツを配信する配信サーバ100と、配信サーバ200と、マルチキャストルータ(以下、ルータ)であるルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、及びルータ305と、配信サーバ100から配信されるコンテンツを受信する視聴端末101、及び視聴端末102と、配信サーバ200から配信されるコンテンツを受信する視聴端末201、視聴端末202、及び視聴端末203とを含む。また、これらはネットワーク300を介して相互に接続されている。
【0071】
なお、配信サーバ100から送信されるコンテンツを配信するマルチキャストツリーをマルチキャストツリー501とし、配信サーバ200から送信されるコンテンツを配信するマルチキャストツリーをマルチキャストツリー502とする。
【0072】
なお、本実施形態では、配信サーバが2台、ルータが5台、視聴端末が5台の場合を示すが、それぞれ1台以上であれば何台(例えば、配信サーバが2台、ルータが4台、視聴端末が8台)あっても構わない。
【0073】
品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーを構築する視聴端末情報及びネットワーク構成情報から、マルチキャストツリー501及びマルチキャストツリー502に関し、図12(a)に示す情報を獲得(抽出)し、ルータ毎に視聴端末情報を特定する。
【0074】
次に、品質管理サーバ400は、マルチキャストツリー501及びマルチキャストツリー502を仮想的に統合し、図12(b)に示すような1つの仮想ツリー503を作成する。仮想ツリー503を作成する場合、コンテンツが流れる方向についても考慮されるため、ネットワークリンクは、指向性を備えている。また、品質管理サーバ400は、仮想ツリー503における頂点ノードとして、配信サーバ100または配信サーバ200を指定する。
【0075】
本実施形態においては、配信サーバ100を設置する。品質管理サーバ400は、末端の枝としてのマルチキャストルータ毎に、そのルータが所属するネットワークリンクの品質情報を提供する品質計測端末としての視聴端末を特定する。この際、同一ルータに複数の視聴端末が属する場合、品質管理サーバ400は、品質計測端末として一台の視聴端末を特定する。ただし、視聴端末が障害を起こし、ネットワーク品質情報の提供が困難になることを考慮し、品質管理サーバ400は、一台以上の視聴端末を特定することもできる。
【0076】
本実施形態においては、仮想ツリー503におけるルータ302、ルータ304、及びルータ305が末端の枝であり、ルータ302を考える場合、視聴端末101及び視聴端末201が接続しているため、品質管理サーバ400は、品質計測端末としていずれか一台を特定する。この際の判断基準としては、仮想ツリー503の頂点ノードとして設定した配信サーバ100が参加するマルチキャストツリー501に属する視聴端末が優先される。
【0077】
本実施形態では、計測対象端末として視聴端末101が選択される。同様にルータ304に対しては、視聴端末202が選択され、ルータ305に対しては、視聴端末102が選択される。
【0078】
次に、各マルチキャストルータの上流に位置するルータ301及びルータ303について考える。ルータ301及びルータ303は、それぞれ接続している視聴端末は存在していないため、通常においては、計測対象端末を特定しない。しかしながら、ルータ301とルータ303とは、お互いを結び付ける双方向性を持つ枝を備えているため、各方向のネットワーク品質情報を取得できているか確認する。
【0079】
ルータ301とルータ303とを結ぶネットワークリンクにおいては、ルータ301からルータ303に向かうネットワークリンクは、マルチキャストツリー501に由来するものである。そのため、本実施形態においては、計測対象端末として配信サーバ100が属するマルチキャストツリー501を優先しているため、ルータ301からルータ303に向かうネットワークリンクはネットワーク品質情報として計測対象に含まれることになる。
【0080】
一方、ルータ303からルータ301に向かうネットワークリンクは、マルチキャストツリー502に由来するため、現段階では計測対象に含まれていない。そこで、品質管理サーバ400は、ルータ301以下に位置し、マルチキャストツリー502に参加する視聴端末の中で、ルータ303を起点として、最もマルチキャストルータの経由数が少ない視聴端末を探索する。本実施形態においては、該当する視聴端末が視聴端末201のみであるため、品質管理サーバ400は、視聴端末201を新たに計測対象端末として追加特定する。
【0081】
以上の過程により、品質管理サーバ400は、仮想ツリー503を構成するネットワークリンクのネットワーク品質情報を計測し、報告する計測対象端末の特定を完了し、特定した視聴端末に対して、ネットワーク品質情報の監視処理及び報告処理を実行する旨の指示を送信する。指示を受信した視聴端末は、マルチキャストツリーを通じて受信するコンテンツの受信状況(例えば、パケットロス率や遅延、ジッタ等)をネットワーク品質情報として品質管理サーバ400に報告(送信)する。品質管理サーバ400は、複数の視聴端末から報告された(受信した)ネットワーク品質情報に基づいて、マルチキャストツリーを構成するネットワークリンクの品質に問題があるか否かを判定することができる。
【0082】
また、第3の実施形態で示す品質管理装置3000の機能を含む場合、品質管理サーバ400は、ネットワークリンクの品質に問題があるか否かを判断する。図10は、ネットワークリンクの問題箇所を推定する方法を説明する説明図である。ただし、図10は、推定方法を説明するための図であり、本実施形態で対象とする図9に示すマルチキャストツリー構成とは直接的な関係はない。
【0083】
図10に示すネットワークリンクは、ルータA610、ルータB611、ルータC612、及びルータD613の4台で構成され、それぞれのルータには、視聴端末a620、視聴端末b621、視聴端末c622、視聴端末d623が接続しており、ルータA610からルータD613の方向に向けてデータが流れているとする。
【0084】
また、ルータA610とルータB611との間のネットワークリンクをネットワークリンクX600、ルータB611とルータC612との間のネットワークリンクをネットワークリンクY601、ルータC612とルータD613との間のネットワークリンクをネットワークリンクZ602とする。また、各視聴端末は、データの受信状況をネットワーク品質情報として報告(送信)する。
【0085】
本実施形態において、図10に示すように視聴端末a620及び視聴端末b621は、ネットワーク品質情報に問題がないと報告(送信)し、視聴端末c622及び視聴端末d623は、ネットワーク品質情報に問題があると報告(送信)しているとする。問題のあるネットワークリンク箇所を推定する場合、ネットワークにおいては、下流のネットワークは、上流のネットワークの影響を受けるため、送信データを最後に受信するルータD613を起点として、ネットワーク品質情報に問題がないネットワークリンクを求めて、上流のルータを辿っていく方法を採用する。
【0086】
図10に示す例では、ルータC612、ルータB611、ルータA610と上流のルータを辿っていき、視聴端末b621がネットワーク品質に問題はないと報告(送信)していることから、品質管理サーバ400は、ルータB611より上流のネットワーク、つまり、ネットワークリンクX600に問題はないと判断する。そして、品質管理サーバ400は、それ以下のネットワークリンクY601及びネットワークリンクZ602に問題があると推定することができる。
【0087】
本実施形態においては、ルータ303とルータ305とのネットワークリンクに問題があると判断された場合、品質管理サーバ400は、ルータ303及びルータ305に接続する視聴端末(この場合は、視聴端末203となる)を計測対象端末として追加特定する。これにより、問題があると判断されたネットワークのネットワーク品質情報の情報量を増加させることができ、品質管理サーバ400は、発生している問題の判断やその原因特定を実行しやすくなる。
【0088】
(第6の実施形態)
図13は、第6の実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、通信システムは、第1の実施形態で示す品質管理装置1000の機能、第2の実施形態で示す品質管理装置2000の機能、及び第3の実施形態で示す品質管理装置3000の機能とを含む品質管理サーバ400と、コンテンツを配信する配信サーバ100と、マルチキャストルータ(以下、ルータ)であるルータ301、ルータ302、ルータ303、ルータ304、ルータ305、ルータ306、及びルータ307と、配信サーバ100から配信されるコンテンツを受信する視聴端末101、視聴端末102、視聴端末103、視聴端末104、視聴端末105、及び視聴端末106とを含む。また、これらはネットワーク300を介して相互に接続されている。
【0089】
また、ルータ302及びルータ303は、局舎500に設置され、ルータ305は、局舎501に設置され、ルータ306及びルータ307は、局舎502に設置されている。また、各局舎に設置されているルータには、ルータを流れるトラフィック情報を監視、報告するプローブ装置(プローブ装置402、プローブ装置403、プローブ装置405、プローブ装置406、及びプローブ装置407)が付属している。
【0090】
なお、本実施形態では、配信サーバが1台、ルータが7台、視聴端末が6台の場合を示すが、それぞれ1台以上であれば何台(例えば、配信サーバが2台、ルータが4台、視聴端末が8台)あっても構わない。
【0091】
品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーを構築する視聴端末情報及びネットワーク構成情報から、配信サーバ100を頂点とするマルチキャストツリーに関し、図14に示す情報を取得する。図14では、ルータ301とルータ302またはルータ303とのネットワークリンクは個別に形成されるのではなく、ルータ302とルータ303を含む局舎500との間で形成される。これは、一般的に同一の局舎に所属するルータは、物理的に同じネットワークリンクを共有するためである。従って、ルータ306及びルータ307とルータ304との間のネットワークリンクは、局舎502とルータ304との間で形成される。
【0092】
品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーの下流に位置するルータからそのルータが所属するネットワークリンクの品質情報を提供する品質計測端末としての視聴端末を特定する。この際、同一のマルチキャストツリーまたは複数のマルチキャストツリーを束ねた仮想ツリーに属する複数のルータが同一局舎に属する場合、品質管理サーバ400は、いずれか1台のルータを特定し、そのルータに接続している視聴端末を計測対象端末として特定する。
【0093】
また、そのルータに複数の視聴端末が属する場合には、品質管理サーバ400は、品質計測端末として、いずれか一台の視聴端末を特定する。ただし、視聴端末が障害を起こし、ネットワーク品質情報の提供が困難になることを考慮し、品質管理サーバ400は、一台以上の視聴端末を特定することもできる。本実施形態においては、品質管理サーバ400は、ルータ302及びルータ303が同一局舎500に属しているため、いずれかのルータ、例えば、ルータ302を特定し、ルータ302に接続している視聴端末101を計測対象端末として特定する。
【0094】
また、同様にルータ306とルータ307とが同一局舎502に属しているため、品質管理サーバ400は、いずれかのルータ(ここではルータ306)を特定する。さらに、ルータ306には、視聴端末104及び視聴端末105の2台が接続しているため、品質管理サーバ400は、いずれかの視聴端末を計測対象端末として特定する。
【0095】
以上の過程により、品質管理サーバ400は、マルチキャストツリーを構成するネットワークリンクのネットワーク品質情報を計測し、報告する計測対象端末の特定を完了し、特定した視聴端末に対して、ネットワーク品質情報の監視処理及び報告処理を実行する旨の指示を送信する。指示を受信した視聴端末は、マルチキャストツリーを通じて受信するコンテンツの受信状況(例えば、パケットロス率や遅延、ジッタ等)をネットワーク品質情報として報告(送信)する。品質管理サーバ400は、複数の視聴端末から報告された(受信した)ネットワーク品質情報を通じて、マルチキャストツリーを構成するネットワークリンクの品質に問題があるか否かを判定することができる。
【0096】
また、第3の実施形態で示す品質管理装置3000の機能を含む場合、品質管理サーバ400は、ネットワークリンクの品質に問題があるか否かを判断する。図10は、ネットワークリンクの問題箇所を推定する方法を説明する説明図である。ただし、図10は推定方法を説明するための図であり、本実施形態で対象とする図14に示すマルチキャストツリー構成とは直接的な関係はない。
【0097】
図10に示すネットワークリンクは、ルータA610、ルータB611、ルータC612、及びルータD613の4台で構成され、それぞれのルータには、視聴端末a620、視聴端末b621、視聴端末c622、視聴端末d623が接続しており、ルータA610からルータD613の方向に向けてデータが流れているとする。また、ルータA610とルータB611との間のネットワークリンクをネットワークリンクX600とし、ルータB611とルータC612との間のネットワークリンクをネットワークリンクY601とし、ルータC612とルータD613との間のネットワークリンクをネットワークリンクZ602とする。また、各視聴端末は、データの受信状況をネットワーク品質情報として品質管理サーバ400に報告(送信)する。
【0098】
本実施形態では、図10に示すように、視聴端末a620及び視聴端末b621は、ネットワーク品質情報に問題がないと報告(送信)し、視聴端末c622及び視聴端末d623は、ネットワーク品質情報に問題があると報告(送信)しているとする。問題のあるネットワークリンク箇所を推定する場合、ネットワークにおいては、下流のネットワークは、上流のネットワークの影響を受けるため、送信データを最後に受信するルータD613を起点として、ネットワーク品質情報に問題がないネットワークリンクを求めて、上流のルータを辿っていく方法を採用する。
【0099】
図10に示す例では、ルータC612、ルータB611、ルータA610と上流のルータを辿っていき、視聴端末b621がネットワーク品質に問題はないと報告していることから、品質管理サーバ400は、ルータB611より上流のネットワーク、つまり、ネットワークリンクX600に問題はないと判断する。そして、品質管理サーバ400は、それ以下のネットワークリンクY601及びネットワークリンクZ602に問題があると推定することができる。
【0100】
本実施形態においては、ルータ304と局舎502とのネットワークリンクに問題があると判断された場合、品質管理サーバ400は、ルータ304及び局舎502に接続する視聴端末、この場合、局舎502に設置されているルータ306及びルータ307に接続している視聴端末105及び視聴端末106を計測対象端末として追加特定する。これにより、問題があると判断されたネットワークのネットワーク品質情報の情報量を増加させることができ、品質管理サーバ400は、発生している問題の判断やその原因特定を実行しやすくなる。
【0101】
次に、本発明による品質管理装置の最小構成について説明する。図15は、品質管理装置の最小の構成例を示す機能ブロック図である。図15に示すように、品質管理装置5000は、最小の構成要素として、マルチキャストツリー情報管理手段5010と、ネットワーク構成情報管理手段5020と品質計測対象端末特定手段5030とを含む。
【0102】
図15に示す最小構成の品質管理装置によれば、品質計測対象装置特定手段5030は、ネットワーク構成情報管理手段5020が管理するネットワーク構成情報と、マルチキャストツリー情報管理手段5010が管理するマルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集することができる最も少ない数の端末を品質計測対象装置として特定する。従って、品質管理装置5000は、マルチキャスト通信において、ネットワーク品質管理を効率的に行うことができる。
【0103】
なお、本実施形態では、以下の(1)〜(5)に示すような品質管理装置の特徴的構成が示されている。
【0104】
(1)品質管理装置は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリー(例えば、マルチキャストツリー310)を示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段(例えば、マルチキャストツリー情報管理部1010によって実現される)と、いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶手段(例えば、ネットワーク構成情報管理部1020によって実現される)と、前記ネットワーク構成情報と前記マルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末(例えば、視聴端末101)を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段(例えば、品質計測対象端末計算部1030によって実現される)とを備え、品質計測対象装置特定手段は、ネットワーク構成情報でマルチキャストルータ(例えば、ルータ301)に接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、品質計測対象装置を特定しないことを特徴とする。
【0105】
(2)品質管理装置において、品質計測対象端末特定手段は、マルチキャストツリー情報で示されるデータパスであるマルチキャストツリーに含まれる端末を示す端末情報と、マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータを示すマルチキャストルータ情報とに基づいて、マルチキャストルータ毎に接続する端末を特定し、特定した端末から1台の端末を品質計測対象装置として特定するように構成されていてもよい。
【0106】
(3)品質管理装置において、複数のマルチキャストツリーを含むマルチキャストツリー情報に基づいて、前記複数のマルチキャストツリーに含まれるデータパスのうち共通部分を一のデータパスとするマルチキャストツリーである統合マルチキャストツリーを作成する統合マルチキャストツリー作成手段(例えば、仮想的マルチキャストツリー構築部2030によって実現される)を備え、品質計測対象端末特定手段は、前記統合マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータ毎に、マルチキャストルータに接続している端末から1台を品質計測対象装置として特定し、該マルチキャストルータとマルチキャストにて通信するマルチキャストルータが複数ある場合、該複数のマルチキャストルータと接続する経路毎に1台の端末を品質計測対象装置として特定するように構成されていてもよい。
【0107】
(4)品質管理装置は、品質計測対象装置として特定された端末からネットワークの品質情報を収集する品質収集手段(例えば、品質情報収集部3040によって実現される)と、前記品質収集手段が収集したネットワークの品質情報に基づいてネットワーク品質が劣化している箇所を検出するネットワーク品質検出手段(例えば、ネットワーク品質推測部3050によって実現される)とを備えるように構成されていてもよい。
【0108】
(5)品質管理装置において、品質計測対象端末特定手段は、ネットワーク品質推測手段がネットワーク品質が劣化している箇所を検出した場合、検出した箇所を介して通信するマルチキャストルータに接続されている端末を品質計測端末として追加で特定するように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ネットワークを通じて映像や音声の配信を行うアプリケーションにおいて、計測したネットワーク品質情報を用いて、ネットワークが輻輳状態に移行する兆候を事前に推定し、品質劣化の発生前に品質劣化要因の影響を抑制する配信制御を実行することで、安定した映像・音声の配信を実現する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】マルチキャスト配信におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】品質管理装置1000の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】品質管理装置2000の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】品質管理装置3000の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】第4の本実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第4の本実施形態におけるツリー構成の例を示す説明図である。
【図10】ネットワークリンクの問題箇所を推定する方法を説明する説明図である。
【図11】第5の本実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第5の本実施形態における仮想ツリー構成の例を示す説明図である。
【図13】第5の本実施形態におけるマルチキャスト品質管理方法を適用した通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図14】第6の本実施形態におけるツリー構成の例を示す説明図である。
【図15】品質管理装置の最小の構成例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0111】
100,200 配信サーバ
101〜106,201〜203 視聴端末
300 ネットワーク
301〜307 ルータ
310,320,510,520 マルチキャストツリー
402〜407 プローブ装置
500〜502 局舎
530 仮想ツリー
600 ネットワークリンクX
601 ネットワークリンクY
602 ネットワークリンクZ
610 ルータA
611 ルータB
612 ルータC
613 ルータD
620 視聴端末a
621 視聴端末b
622 視聴端末c
623 視聴端末d
1000,2000,3000,5000 品質管理装置
1010,2010,3010 マルチキャストツリー情報管理部
1020,2020,3020 ネットワーク構成情報管理部
1030,2040,3030,5040 品質計測対象端末計算部
2030,5030 仮想的マルチキャストツリー構築部
3040 品質情報収集部
3050 ネットワーク品質推進部
5010 マルチキャストツリー情報記憶手段
5020 ネットワーク構成情報記憶手段
5030 品質計測対象端末特定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段と、
いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶手段と、
前記ネットワーク構成情報と前記マルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段とを備え、
前記品質計測対象装置特定手段は、前記ネットワーク構成情報で前記マルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、前記品質計測対象装置を特定しない
ことを特徴とする品質管理装置。
【請求項2】
品質計測対象端末特定手段は、マルチキャストツリー情報で示されるデータパスであるマルチキャストツリーに含まれる端末を示す端末情報と、マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータを示すマルチキャストルータ情報とに基づいて、マルチキャストルータ毎に接続する端末を特定し、特定した端末から1台の端末を品質計測対象装置として特定する
請求項1記載の品質管理装置。
【請求項3】
複数のマルチキャストツリーを含むマルチキャストツリー情報に基づいて、前記複数のマルチキャストツリーに含まれるデータパスのうち共通部分を一のデータパスとするマルチキャストツリーである統合マルチキャストツリーを作成する統合マルチキャストツリー作成手段を備え、
品質計測対象端末特定手段は、前記統合マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータ毎に、マルチキャストルータに接続している端末から1台を品質計測対象装置として特定し、該マルチキャストルータとマルチキャストにて通信するマルチキャストルータが複数ある場合、該複数のマルチキャストルータと接続する経路毎に1台の端末を品質計測対象装置として特定する
請求項1又は請求項2記載の品質管理装置。
【請求項4】
品質計測対象装置として特定された端末からネットワークの品質情報を収集する品質収集手段と、
前記品質収集手段が収集したネットワークの品質情報に基づいてネットワーク品質が劣化している箇所を検出するネットワーク品質検出手段とを備えた
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項5】
品質計測対象端末特定手段は、ネットワーク品質推測手段がネットワーク品質が劣化している箇所を検出した場合、検出した箇所を介して通信するマルチキャストルータに接続されている端末を品質計測端末として追加で特定する
請求項4記載の品質管理装置。
【請求項6】
複数の端末と、
品質管理装置とを備え、
前記品質管理装置は、データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶手段と、
いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶手段と、
前記ネットワーク構成情報と前記マルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定手段とを備え、
前記品質計測対象装置特定手段は、前記ネットワーク構成情報で前記マルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、前記品質計測対象装置を特定しない
ことを特徴とする品質管理システム。
【請求項7】
品質計測対象端末特定手段は、マルチキャストツリー情報で示されるデータパスであるマルチキャストツリーに含まれる端末を示す端末情報と、マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータを示すマルチキャストルータ情報とに基づいて、マルチキャストルータ毎に接続する端末を特定し、特定した端末から1台の端末を品質計測対象装置として特定する
請求項6記載の品質管理システム。
【請求項8】
データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶ステップと、
いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を管理するネットワーク構成情報管理ステップと、
前記ネットワーク構成情報と前記マルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定ステップとを含み、
前記品質計測対象装置特定ステップで、前記ネットワーク構成情報で前記マルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、前記品質計測対象装置を特定しない
ことを特徴とする品質管理方法。
【請求項9】
品質計測対象端末特定ステップで、マルチキャストツリー情報で示されるデータパスであるマルチキャストツリーに含まれる端末を示す端末情報と、マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータを示すマルチキャストルータ情報とに基づいて、マルチキャストルータ毎に接続する端末を特定し、特定した端末から1台の端末を品質計測対象装置として特定する
請求項8記載の品質管理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
データをマルチキャストするデータパスであるマルチキャストツリーを示すマルチキャストツリー情報を記憶するマルチキャストツリー情報記憶処理と、
いずれの装置が接続されているかを特定可能なネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶処理と、
前記ネットワーク構成情報と前記マルチキャストツリー情報とに基づいて、ネットワークの品質情報を収集する端末を品質計測対象装置として特定する品質計測対象装置特定処理とを実行させ、
前記品質計測対象装置特定処理で、前記ネットワーク構成情報で前記マルチキャストルータに接続されている端末が存在しないことが示されている場合には、前記品質計測対象装置を特定しない処理を
実行させるための品質管理プログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
品質計測対象端末特定処理で、マルチキャストツリー情報で示されるデータパスであるマルチキャストツリーに含まれる端末を示す端末情報と、マルチキャストツリー内の通信を中継するマルチキャストルータを示すマルチキャストルータ情報とに基づいて、マルチキャストルータ毎に接続する端末を特定し、特定した端末から1台の端末を品質計測対象装置として特定する処理を実行させる
請求項10記載の品質管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−109424(P2010−109424A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276573(P2008−276573)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】