説明

商品入出荷作業支援システム及び商品入出荷作業支援方法

【課題】小規模あるいは中規模の物流センターであっても、入出荷担当者の無駄な動きを軽減させること。
【解決手段】情報管理サーバー60により、発注入力端末10と入荷予定出力端末20とによって入力された情報が入荷情報として管理され、受注入力端末30と出荷指示出力端末40とによって入力された情報が出荷指示情報として管理され、既に入荷済みの商品に関わる情報が在庫情報として管理され、入荷予定出力端末20により在庫無しのとき在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した入荷予定リストが出力され、出荷指示出力端末40により在庫無しのとき在庫無しの情報を付したピッキングリスト41が出力され、無線ハンディーターミナル50により、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報と、少なくとも最新の入荷情報とが表示されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫にて入荷商品を即日出荷する作業の支援に適した商品入出荷作業支援システム及び商品入出荷作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物流現場において、資金回転率の向上を目指し、なるべく在庫を持たずにビジネスするためには、入荷した商品を即日出荷することが求められている。しかし、全ての商品が即日出荷できるわけではないので、現実には、在庫からの出荷と、当日入荷分からの出荷をドッキングさせて出荷することが行われている。
【0003】
ここで、従来での商品入出荷作業の流れの概要を、図8を用いて説明する。
まず、商品入荷作業の流れの概要について説明する。
(a)営業部にて発注入力端末1により商品の発注入力を行う。
(b)物流センター事務所にて入荷予定出力端末2により入荷予定リストの出力を行う。
(c)物流センター入出荷エリアにて入荷した商品を荷受け検品する。
(d)物流センター保管場所にて決められた棚に、商品を移動し格納(棚入れ)する。
【0004】
次に、商品出荷作業の流れについて説明する。
(e)営業部にて受注入力端末3により受注入力を行う。
(f)物流センター事務所にて出荷指示出力端末4によりピッキングリストの出力を行う。
(g)ピッキングリストの出荷指示に従い、物流センター保管場所の指定の棚に商品を取りに行く。
(h)棚に商品が無かった(もしくは不足している)とき、物流センター入出荷エリアにてその商品の当日入荷する予定があるかを確認する。
(h)−1 当日入荷予定がある場合。
ア)在庫のある商品のみを棚出しし、その届先には、当日入荷の商品が届くまで出荷されないように出荷場所に仮置きする。
(h)−2 当日入荷予定がない場合。
ア)分納が許される場合、その商品を欠品として、その他の商品のみを出荷する。
イ)分納が許されない場合、その伝票の全ての商品を棚に戻す。
【0005】
(i)欠品していた商品が入荷したことを連絡などで知り、再び棚に、欠品していた商品を取りに行き、出荷場所に仮置きしてあった商品と合わせて出荷する。
(j)先に棚出ししてある商品と組み合わせて出荷する。
【0006】
ところが、上述したような商品出荷作業の流れでは、次のような不具合を生じてしまう。
1)受注担当者は、受注時点・出荷指示時点では在庫が無いことが分かっていても、当日の入荷予定があることが分かっていれば、実際の入荷前に、その入荷からの即日出荷を予定して出荷指示を出す必要があるが、単純に出荷指示したのでは、出荷担当者は在庫の有無は棚に商品を取りに行かなければ分からない。これは、実際の入荷情報が入ってきてからの出荷指示では作業開始が遅くなるためである。棚に行く前に、在庫が無く、当日入荷分から出荷することが分かっていれば、その棚に行く必要が無いので、これは無駄な動きである。
2)ある出荷担当者が、棚に在庫がないことに気付いても、その情報が他の出荷担当者に伝わらないと、他の出荷担当者も最初に欠品に気付いた出荷担当者と同様に、在庫の無い棚に足を運んでしまう。
3)在庫のある商品のみを棚出しし、その届先には、当日入荷の商品が届くまで出荷されないように出荷場所に仮置きする方法では、出荷品の仮置き場所が必要となる。
4)出荷品の仮置き場所が確保できない場合、当日入荷品から出荷する商品が含まれている届先の商品出荷作業を後回しにしたい(入荷後にしたい)が、どの届先に即日出荷品が含まれているか分からないので、それができない。
5)当日入荷品から出荷するならば、棚に取りに行かず、入出荷エリア(もしくは即日出荷品の引き渡し場所)から商品を取れば良いが、それができない。
【0007】
また、上述したような商品入荷作業の流れでは、次のような不具合を生じてしまう。
1)入荷した商品を即日出荷するならば、一旦、棚に格納しなくても良い(入出荷エリアもしくは引き渡し場所で出荷担当者に渡せば良い)はずだが、入荷した商品が即日出荷すべき商品か分からないので、即日出荷しない商品と同様に、棚に入れる作業をしてしまうことになるが、これは無駄な作業である。
2)もし即日出荷する商品であると分かっても、いくつ即日出荷するのかが分からないので、その商品は、一旦、全数を、物流センター入出荷エリア(もしくは即日出荷品の引き渡し場所)に置くことになるが、全出荷担当者が取り終え、出荷が完了するまで、棚入れ作業することができない。
【0008】
このような不具合を解消するようにしたものとして、特許文献1では、商品の入荷処理工程からピッキング工程、出荷工程に至る各工程と、返品処理と発注等の全ての工程を1つのホストコンピュータにより管理し、各工程には、各々のシステムを管理するpcを配置して、各工程での情報を相互に関連付けて管理できるようにした商品の仕分け発送装置を提案している。
【0009】
また、特許文献2では、ある物品を出荷するに際して、その物品の在庫が自動倉庫にあるかないかを判別し、判別の結果、在庫がある場合には、自動倉庫から出荷を行い、在庫がない場合には、自動倉庫への入庫情報をリアルタイムで参照し、入庫情報を受けた時点においてその物品を自動倉庫内に入庫させることなく出荷ラインに対してバイパス出荷させるようにした自動出荷システムを提案している。
【0010】
【特許文献1】特開2000−233809の公報
【特許文献2】特開平10−324404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述した特許文献1では、商品を保管する棚にピッキング作業を支援する表示器を備え、その表示器の表示内容に従ってピッキング作業が行われるようになっているため、棚に格納されている商品を探す作業もしくは商品を棚の正しい位置に入れる作業の効率や正確性の向上が図れるものの、棚の近くまで行かなければ商品のピッキング作業に関わる情報を取得することができないため、入出荷担当者の無駄な動きを軽減させることができないという問題があった。
【0012】
また、上述した特許文献2では、自動倉庫への入庫情報をリアルタイムで参照し、入庫情報を受けた時点においてその物品を自動倉庫内に入庫させることなく出荷ラインに対してバイパス出荷させるようにしているため、自動倉庫内に在庫がない場合であっても、緊急な出荷に対してなるべく早い段階での出荷を行うことができるものの、入出荷が自動で行われるシステムであるため、システム自体が大がかりなものとなり、小規模あるいは中規模の物流センターでは入出荷が自動で行われるシステムを構築することは困難となってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができる商品入出荷作業支援システム及び商品入出荷作業支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の商品入出荷作業支援システムは、物流センターにおける商品の入出荷作業を支援する商品入出荷作業支援システムであって、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力を行う発注入力端末と、該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番を入力し、入荷予定リストを出力する入荷予定出力端末と、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力を行う受注入力端末と、該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストを出力する出荷指示出力端末と、前記発注入力端末、前記入荷予定出力端末、前記受注入力端末及び前記出荷指示出力端末に通信回線を介して接続され、前記発注入力端末と前記入荷予定出力端末とによって入力された情報を入荷情報として管理し、前記受注入力端末と前記出荷指示出力端末とによって入力された情報を出荷指示情報として管理し、既に入荷済みの商品に関わる情報を在庫情報として管理する情報管理サーバーとを備え、前記入荷予定出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報を入力して該在庫無しの情報を付した前記入荷予定リストを出力し、前記出荷指示出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報を入力して該在庫無しの情報を付した前記ピッキングリストを出力することを特徴とする。
また、前記情報管理サーバーに対して無線通信が可能なハンディーターミナルを備え、前記ハンディーターミナルにより、前記情報管理サーバーから前記出荷指示情報を受け取ると、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報が表示され、前記情報管理サーバーから前記入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示されるようにすることができる。
本発明の商品入出荷作業支援方法は、物流センターにおける商品の入出荷作業を支援する商品入出荷作業支援方法であって、発注入力端末により、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力を行う工程と、入荷予定出力端末により、該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番を入力し、入荷予定リストを出力する工程と、受注入力端末により、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力を行う工程と、出荷指示出力端末により、該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストを出力する工程と、前記発注入力端末、前記入荷予定出力端末、前記受注入力端末及び前記出荷指示出力端末に通信回線を介して接続される情報管理サーバーにより、前記発注入力端末と前記入荷予定出力端末とによって入力された情報を入荷情報として管理し、前記受注入力端末と前記出荷指示出力端末とによって入力された情報を出荷指示情報として管理し、既に入荷済みの商品に関わる情報を在庫情報として管理する工程とを有し、前記入荷予定出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した前記入荷予定リストが出力され、前記出荷指示出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した前記ピッキングリストが出力されることを特徴とする。
また、前記情報管理サーバーに対して無線通信が可能なハンディーターミナルにより、前記情報管理サーバーから前記出荷指示情報を受け取ると、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報が表示される工程と、前記情報管理サーバーから前記入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示される工程とを有するようにすることができる。
本発明の商品入出荷作業支援システム及び商品入出荷作業支援方法では、発注入力端末により、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力が行われ、入荷予定出力端末により、該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番が入力され、入荷予定リストが出力され、受注入力端末により、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力が行われ、出荷指示出力端末により、該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストが出力され、発注入力端末、入荷予定出力端末、受注入力端末及び出荷指示出力端末に通信回線を介して接続される情報管理サーバーにより、発注入力端末と入荷予定出力端末とによって入力された情報が入荷情報として管理され、受注入力端末と出荷指示出力端末とによって入力された情報が出荷指示情報として管理され、既に入荷済みの商品に関わる情報が在庫情報として管理され、入荷予定出力端末により、情報管理サーバーに蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した入荷予定リストが出力され、出荷指示出力端末により、情報管理サーバーに蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付したピッキングリストが出力される。
よって、入荷作業時には、在庫無しの情報が付された入荷予定リストを確認することで、入荷した商品を一旦保管棚に格納するという作業が不要となったり、入荷予定リストに即日出荷する数量が示されていれば即日出荷する数量以外は商品出荷作業が終わらなくても、棚入れ作業することができたりする。
一方、出荷作業時には、ピッキングリストに在庫無しの情報が付された商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができたり、在庫無しの情報が付された商品の棚へは行かずに済んだりする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の商品入出荷作業支援システム及び商品入出荷作業支援方法によれば、入荷作業時には、在庫無しの情報が付された入荷予定リストを確認することで、入荷した商品を一旦保管棚に格納するという作業が不要となったり、入荷予定リストに即日出荷する数量が示されていれば即日出荷する数量以外は商品出荷作業が終わらなくても、棚入れ作業することができたりし、出荷作業時には、ピッキングリストに在庫無しの情報が付された商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができたり、在庫無しの情報が付された商品の棚へは行かずに済んだりすることができるようにしたので、小規模あるいは中規模の物流センターであっても、入出荷担当者の無駄な動きを軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態では、発注入力端末により、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力が行われ、入荷予定出力端末により、該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番が入力され、入荷予定リストが出力され、受注入力端末により、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力が行われ、出荷指示出力端末により、該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストが出力され、発注入力端末、入荷予定出力端末、受注入力端末及び出荷指示出力端末に通信回線を介して接続される情報管理サーバーにより、発注入力端末と入荷予定出力端末とによって入力された情報が入荷情報として管理され、受注入力端末と出荷指示出力端末とによって入力された情報が出荷指示情報として管理され、既に入荷済みの商品に関わる情報が在庫情報として管理され、入荷予定出力端末により、情報管理サーバーに蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した入荷予定リストが出力され、出荷指示出力端末により、情報管理サーバーに蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付したピッキングリストが出力されるようにした。
【0017】
このようにすると、入荷作業時には、在庫無しの情報が付された入荷予定リストを確認することで、入荷した商品を一旦保管棚に格納するという作業が不要となったり、入荷予定リストに即日出荷する数量が示されていれば即日出荷する数量以外は商品出荷作業が終わらなくても、棚入れ作業することができたりし、出荷作業時には、ピッキングリストに在庫無しの情報が付された商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができたり、在庫無しの情報が付された商品の棚へは行かずに済んだりすることができ、小規模あるいは中規模の物流センターであっても、入出荷担当者の無駄な動きを軽減させることができる。
【0018】
また、情報管理サーバーに対して無線通信が可能なハンディーターミナルを用いるようにした場合、情報管理サーバーから出荷指示情報を受け取ると、少なくとも入荷商品を即日出荷するための商品の情報及び/又は欠品情報が表示され、情報管理サーバーから入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示される。
【0019】
この場合、商品入荷作業においては、たとえば最新の即日出荷数を荷受け作業担当者の無線ハンディーターミナルに表示することができ、正しい数量を物流センター入出荷エリア(もしくは即日出荷品の引き渡し場所)に残し、それ以外を棚入れすることができる。
【0020】
また、商品出荷作業においては、たとえばピッキングリストの出力後に、先行して商品出荷作業している担当者が欠品に気付いた場合でも、後続の出荷担当者の無線ハンディーターミナルに欠品を知らせることができるので、その商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができる(もしくは、在庫のない棚に、商品を取りに行くという無駄がなくなる)。また、商品出荷作業においては、後続の担当者が商品出荷作業を行う時点で、その商品の最新の状況(未入荷、荷受け済、棚入済)を無線ハンディーターミナルに知らせることができるので、その商品を含む届先の商品出荷作業を直ぐ行うべきか、後回しにすべきかの判断を正しくすることができる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の商品入出荷作業支援システムの一実施例を説明するための図である。
【0022】
同図に示すように、商品入出荷作業支援システムは、発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50、情報管理サーバー60を備えている。発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40は、情報管理サーバー60に対してLAN等の通信回線により接続されている。また、無線ハンディーターミナル50は、情報管理サーバー60との間で無線通信できるようになっている。
【0023】
このように、情報管理サーバー60に対して全ての発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50が、LAN等の通信回線や無線回線により接続されているため、情報管理サーバー60に蓄積される入出荷に関する商品の情報等が共有されるようなっている。
【0024】
なお、情報管理サーバー60に蓄積される入出荷に関する商品の情報等が、全ての発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50で共有されるようにするためには、たとえば全ての発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50に、情報管理サーバー60に蓄積される入出荷に関する商品の情報等を表示したり、入力したり、出力したりすることができる所定のプログラムが搭載されている必要がある。
【0025】
この場合、本システムで用いられる情報が、少なくとも商品の入出荷に関するものであるため、その少なくとも商品の入出荷に関する情報を取り扱うことができる既存のプログラムであればよい。以下、このようなプログラムを、たとえば入出荷指示情報取扱プログラムという。
【0026】
ここで、発注入力端末10は、たとえば営業部に設置されるものであって、商品の発注入力を行う。ここでは、後述の入荷予定リスト21に示されている、少なくとも商品の入荷予定日と、仕入先品名と、入荷予定数とを入力する。なお、仕入先品名にあっては、セット品の場合、構成品の品名を入力する。
【0027】
入荷予定出力端末20は、たとえば物流センター事務所に配置されるものであって、発注入力端末10によって入力された少なくとも商品の入荷予定日と、仕入先品名と、入荷予定数とに加え、後述の入荷予定リスト21に示されている、少なくとも格納棚番及び/又は即日出荷用棚番を入力した後、その入荷予定リスト21を出力する。また、後述の入荷予定リスト21の出力段階で、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や入荷情報等から商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。この「在庫無し」又は「欠品」の目印は、後述の入荷予定リスト21に示されているように、たとえば「※」で示される。
【0028】
受注入力端末30は、たとえば営業部に設置されるものであって、受注入力を行う。ここでは、当日出荷予定の出荷指示を出す。
【0029】
出荷指示出力端末40は、たとえば物流センター事務所に配置されるものであって、受注入力端末30によって入力された出荷指示に該当する後述のピッキングリスト41を出力する。なお、後述のピッキングリスト41の出力段階で、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や入荷情報等から商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。この「在庫無し」又は「欠品」の目印は、後述のピッキングリスト41に示されているように、たとえば「※」で示される。
【0030】
無線ハンディーターミナル50は、後述の入荷検品作業、ピッキング作業、出荷検品作業、荷札発行作業等の段階で用いられるが、その詳細については後述する。
【0031】
情報管理サーバー60は、全ての発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50で共有される在庫情報や入荷情報等を管理するものであり、発注入力受付部61、入荷予定入出力受付部62、受注入力受付部63、出荷指示入出力受付部64、入出荷指示情報入出力受付部65、情報編集出力部66を備えている。
【0032】
なお、これらの発注入力受付部61、入荷予定入出力受付部62、受注入力受付部63、出荷指示入出力受付部64、入出荷指示情報入出力受付部65は、情報管理サーバー60側の制御プログラムで実現されるものである。また、情報管理サーバー60側に蓄積される、入荷情報、在庫情報、出荷指示情報は、後述の商品コードによって管理されている。
【0033】
よって、発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50からの情報入力があると、その商品コードに紐付けられて管理されることになる。また、発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50からの情報出力要求があると、その商品コードに該当する入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全てが情報出力要求のあった発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50に出力される。
【0034】
すなわち、発注入力受付部61は、発注入力端末10からのアクセスに応じて、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数等の入荷情報の入力を受け付ける。
【0035】
入荷予定入出力受付部62は、入荷予定出力端末20からのアクセスに応じて、少なくとも格納棚番及び/又は即日出荷用棚番や、「在庫無し」又は「欠品」の目印等の在庫情報の入力及び付加を行う。また、入荷予定入出力受付部62は、入荷予定出力端末20からのアクセスに応じて、入荷予定リスト21に表示される在庫情報や入荷情報の出力要求を受け付ける。
【0036】
受注入力受付部63は、受注入力端末30からのアクセスに応じて、少なくとも当日出荷予定の出荷指示の入力を受け付ける。
【0037】
出荷指示入出力受付部64は、出荷指示出力端末40からのアクセスに応じて、少なくとも商品の届先等の出荷指示情報や、「在庫無し」又は「欠品」の目印等の在庫情報の入力を受け付ける。また、出荷指示入出力受付部64は、出荷指示出力端末40からのアクセスに応じて、ピッキングリスト41に表示される在庫情報や入荷情報の出力要求を受け付ける。
【0038】
入出荷指示情報入出力受付部65は、無線ハンディーターミナル50からのアクセスに応じて、少なくとも「欠品」に関する情報の入力を受け付ける。また、入出荷指示情報入出力受付部65は、無線ハンディーターミナル50からのアクセスに応じて、少なくとも入荷情報、在庫情報、出荷指示情報の出力要求を受け付ける。
【0039】
情報編集出力部66は、発注入力受付部61、入荷予定入出力受付部62、受注入力受付部63、出荷指示入出力受付部64、入出荷指示情報入出力受付部65のいずれか又は全てによって入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全ての入力が受け付けられると、入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全てを、後述の商品コードに紐付けした情報編集処理を行う。
【0040】
これにより、入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全てが常に最新の情報に更新されることになる。また、情報編集出力部66は、発注入力受付部61、入荷予定入出力受付部62、受注入力受付部63、出荷指示入出力受付部64、入出荷指示情報入出力受付部65のいずれか又は全てによって入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全ての出力要求があると、最新の入荷情報、在庫情報、出荷指示情報のいずれか又は全てを出力要求のあった発注入力受付部61、入荷予定入出力受付部62、受注入力受付部63、出荷指示入出力受付部64、入出荷指示情報入出力受付部65のいずれか又は全てに出力する。
【0041】
図2は、入荷予定出力端末20によって出力される入荷予定リストの一例を説明するための図である。
【0042】
同図に示すように、入荷予定リスト21には、入荷予定日の項目21a、仕入れ先の項目21b、当日の項目21c、格納棚番の項目21d、商品の項目21e、入荷の項目21f、出荷の項目21g、即日出荷用棚番の項目21hが設けられている。
【0043】
ここで、入荷予定リスト21に示されている、入荷予定日の項目21a、仕入れ先の項目21b、当日の項目21c、格納棚番の項目21d、商品の項目21e、入荷の項目21f、出荷の項目21g、即日出荷用棚番の項目21hには、発注入力端末10によって入力された情報が表示されることになるが、すでに在庫となっている商品については情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や入荷情報等が反映される場合がある。
【0044】
また、当日の項目21cに表示されている「※」は、上述した「在庫無し」又は「欠品」の目印である。この「在庫無し」又は「欠品」の目印を確認することで、入荷した商品を一旦棚に格納するという作業等が不要となる。
【0045】
また、商品の項目21eに表示されているたとえば「02546」という数字は商品コードを示している。すなわち、この商品コードを入力することで、情報管理サーバー60で管理されている在庫情報や入荷情報等を、全ての発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30、出荷指示出力端末40、無線ハンディーターミナル50で共有することができるようになっている。
【0046】
また、たとえば発注入力端末10や入荷予定出力端末20にてこの商品コードを入力することにより、たとえば当日の項目21c、格納棚番の項目21d、商品の項目21e、入荷の項目21f、出荷の項目21g、即日出荷用棚番の項目21hの内容が情報管理サーバー60で管理されている在庫情報や入荷情報等に基づき入荷予定リスト21に反映されるようになっている。
【0047】
図3は、出荷指示出力端末40によって出力されるピッキングリスト41の一例を説明するための図である。
【0048】
同図に示すように、ピッキングリスト41には、出荷日の項目41a、届先の項目41b、当日の項目41c、棚番の項目41d、商品の項目41e、出荷の項目41f、当日入荷品有りの項目41gが設けられている。
【0049】
ここで、ピッキングリスト41に示されている当日入荷品有りの項目41gは、当日入荷品からすぐに出荷しなければならない商品が含まれていることを表示するものである。また、ピッキングリスト41に示されている、出荷日の項目41a、届先の項目41b、当日の項目41c、棚番の項目41d、商品の項目41e、出荷の項目41fには、受注入力端末30によって入力された情報が表示されることになるが、すでに在庫となっている商品については情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や入荷情報等が反映される場合がある。
【0050】
また、当日の項目41cに表示されている「※」は、「当日入荷品」の目印であり、上述した「在庫無し」の商品を含むという目印でもある。この「当日入荷品有り」である「在庫無し」又は「欠品」の目印を確認することで、その商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができ、出荷商品の仮置き場所が必要なくなる。
【0051】
次に、商品入出荷作業支援システムによる商品入出荷作業の流れを、図4〜図6を参照して説明する。ここで、図4は商品入出荷作業支援システムによる商品入出荷作業の流れを模式的に示す図であり、図5は無線ハンディーターミナル50による入荷検品作業を説明するための図であり、図6は無線ハンディーターミナル50によるピッキング作業を説明するための図である。
【0052】
なお、図4においては、情報管理サーバー60が複数示してあるが、これは時系列で示しているものであり、実際は1台である。また、商品入出荷作業においては、商品入荷作業と商品出荷作業とが混在して行われる場合が多いが、ここでは説明の都合上、商品入荷作業が行われてから商品出荷作業が行われるものとする。
【0053】
まず、商品入荷作業の流れの概要について説明する。
(a)営業部にて発注入力端末10により商品の発注入力を行う。ここでは、上述したように、入荷予定リスト21に示されている、少なくとも商品の入荷予定日と、仕入先品名と、入荷予定数とを入力する。なお、仕入先品名にあっては、セット品の場合、構成品の品名を入力する。また、発注の入力の段階で、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や出荷情報等から商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。
【0054】
(b)物流センター事務所にて入荷予定出力端末20により入荷予定リスト21の出力を行う。
(c)物流センター入出荷エリアにて入荷した商品を荷受け検品する。ここでは、入荷予定リスト21に「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた出荷指示や入荷担当者の無線ハンディーターミナル50に表示される、出荷担当者が無線ハンディーターミナル50に入力した「欠品」報告の存在を確認することで、即日出荷するにも関わらず、入荷した商品を一旦棚に格納するという作業が不要となる。また、入荷予定リスト21に即日出荷する数量が示されていることにより、即日出荷する数量以外は商品出荷作業が終わらなくても、棚入れ作業することができる。
【0055】
ここで、本実施例では、「在庫無し」は予め分かっている状態とし、「欠品」は突発的な状況であるものとする。たとえば、「欠品」は、情報管理サーバー60の在庫情報では在庫があることになっているが、実際に棚に商品を取りに行ったら、無かった(もしくは数量が不足していた)という不測の事態を示すものである。よって、商品出荷作業(ピッキング作業)後に、入荷予定リスト21を出力すると、商品出荷作業の結果、発見された「欠品」の情報を入荷予定リスト21に表示することが可能となる。このようなことから、「在庫無し」又は「欠品」の目印は、「欠品」の意味も有することになる。
【0056】
(d)物流センター保管場所にて商品の格納を行う。
【0057】
次に、商品出荷作業の流れについて説明する。
(e)営業部にて受注入力端末30により受注入力を行う。ここでは、上述したように、当日出荷予定の出荷指示を出すが、受注入力の段階で、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や他の出荷担当者からの報告による商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。
(f)物流センター事務所にて出荷指示出力端末40によりピッキングリスト41であるピッキングリストの出力を行う。
【0058】
(g)無線ハンディーターミナル50により情報管理サーバー60からの在庫情報や入荷情報等を受け取り、入荷状況(未入荷/入荷済/棚入済)を確認する。これにより、物流センター保管場所の指定の棚に商品を取りに行く前に、在庫無し商品の最新の入荷状況(未入荷/入荷済/棚入済)が分かるため、即日出荷する商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにするか、入出荷エリアで拾うか、普通通り棚からピックすれば良いのか判断できる。
【0059】
(h)ピッキングリスト41であるピッキングリストの出荷指示に従い、物流センター保管場所の指定の棚に商品を取りに行く。ここでは、無線ハンディーターミナル50により入荷状況(未入荷/入荷済/棚入済)の確認が済んでいるため、入荷状況に応じて、最適な作業を行うことができる。また、ピッキングリスト41では、在庫があることになっているが、実際には在庫が無いとき、無線ハンディーターミナル50から情報管理サーバー60に上述した「欠品」の情報を送ることができる。
【0060】
(i)無線ハンディーターミナル50により情報管理サーバー60から「欠品」の情報を受け取る。これにより、商品の無い棚に行かなくて済むことになる。
(j)無線ハンディーターミナル50により情報管理サーバー60から在庫の無かった商品が入荷したかどうかを確認する。これにより、当日入荷品は棚まで取りに行かなくて済む。
(k)先に棚出ししてある商品と組み合わせて出荷する。
【0061】
このように、本実施例では、発注入力端末10により、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力が行われ、入荷予定出力端末20により、該発注入力端末10によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番が入力され、入荷予定リスト21が出力され、受注入力端末30により、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力が行われ、出荷指示出力端末40により、該受注入力端末30によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリスト41が出力され、発注入力端末10、入荷予定出力端末20、受注入力端末30及び出荷指示出力端末40に通信回線を介して接続される情報管理サーバー60により、発注入力端末10と入荷予定出力端末20とによって入力された情報が入荷情報として管理され、受注入力端末30と出荷指示出力端末40とによって入力された情報が出荷指示情報として管理され、既に入荷済みの商品に関わる情報が在庫情報として管理され、入荷予定出力端末20により、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した入荷予定リスト21が出力され、出荷指示出力端末40により、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報と入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付したピッキングリスト41が出力されるようにするとともに、情報管理サーバー60に対して無線通信が可能な無線ハンディーターミナル50により、情報管理サーバー60から出荷指示情報を受け取ると、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報が表示され、情報管理サーバー60から入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示されるようにしたので、次のような効果を期待することができる。
【0062】
まず、商品入荷作業において期待できる効果は、次の通りである。
1)入荷予定リスト21に「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた出荷指示や入荷担当者の無線ハンディーターミナル50に表示される、出荷担当者が無線ハンディーターミナル50に入力した「欠品」の報告の存在を示すことにより、即日出荷するにも関わらず、入荷した商品を一旦棚に格納するという作業が不要になる。
2)入荷予定リスト21に即日出荷する数量を示すことにより、即日出荷する数量以外は、商品出荷作業が終わらなくても、棚入れ作業することができる。
3)入荷予定リスト21の出力以降に、「在庫無し」又は「欠品」の目印が付いた出荷指示が発生した、もしくは、「欠品」報告があった場合でも、最新の即日出荷数を荷受け作業担当者の無線ハンディーターミナル50に表示することにより、正しい数量を物流センター入出荷エリア(もしくは即日出荷品の引き渡し場所)に残し、それ以外を棚入れすることができる。
【0063】
次に、商品出荷作業において期待できる効果は、次の通りである。
1)ピッキングリスト41(ピッキングリスト)に、「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた商品、もしくは、「欠品」報告のあった商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができるので、出荷商品の仮置き場所が必要なくなる。
【0064】
2)ピッキングリスト41(ピッキングリスト)に、「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた商品もしくは「欠品」報告のあった商品の棚へは行かず、物流センター入出荷エリア(もしくは即日出荷品の引き渡し場所)で商品を取ればよいことが分かるので、商品の無い棚に行くという無駄な動きが無くなる。
【0065】
3)ピッキングリスト41に「在庫無し」又は「欠品」の目印が付いていない(付けることができない)場合でも、欠品していることに最初に気付いた出荷担当者の報告を、その後に出力されるピッキングリスト41(ピッキングリスト)に表示できるので、後続の出荷担当者はその商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができる(もしくは、在庫のない棚に、商品を取りに行くという無駄がなくなる)。
【0066】
4)ピッキングリスト41(ピッキングリスト)の出力時には、「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いておらず、ピッキングリスト41の出力後に、先行して商品出荷作業している担当者が欠品に気付いた場合でも、後続の出荷担当者の無線ハンディーターミナル50に欠品を知らせることができるので、その商品を含む届先の商品出荷作業を後回しにすることができる(もしくは、在庫のない棚に、商品を取りに行くという無駄がなくなる)。
【0067】
5)ピッキングリスト41(ピッキングリスト)の出力時には、「在庫無し」又は「欠品」の目印が付いていた、もしくは先行して商品出荷作業している担当者の「欠品」報告があった場合でも、後続の担当者が商品出荷作業を行う時点で、その商品の最新の状況(未入荷、荷受け済、棚入済)を無線ハンディーターミナル50に知らせることができるので、その商品を含む届先の商品出荷作業を直ぐ行うべきか、後回しにすべきかの判断を正しくすることができる。
【0068】
6)「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた商品もしくは「欠品」報告のあった商品の最新の状況(未入荷、入荷済、棚入済等)が分かるので、その商品を含む届先の作業を後回しにしない場合、その商品は未入荷なのでその他の商品を仮置きし、入荷後に合わせるか、荷受けは済んでいるが棚入れ前なので入出荷エリアで取ればよいか、棚入れまで済んでいるので指定の棚に商品を取りに行けばよいのかが、正しく判断できる。
【0069】
なお、本実施例では、無線ハンディーターミナル50を用いて在庫情報や入荷情報等を情報管理サーバー60から受け取って確認できるようにした場合として説明したが、この例に限らず、無線ハンディーターミナル50を用いずに、入荷予定リスト21やピッキングリスト41のみで、商品入出荷作業を行うことも可能である。
【0070】
この場合の商品入出荷作業を、図7を参照して説明する。なお、図7では、上述した情報管理サーバー60が図示されていないが、情報管理サーバー60は存在するものとして説明する。
【0071】
まず、商品入荷作業の流れの概要について説明する。
【0072】
(a)営業部にて発注入力端末10により商品の発注入力を行う。ここでは、上述したように、入荷予定リスト21に示されている、少なくとも商品の入荷予定日と、仕入先品名と、入荷予定数とを入力する。なお、仕入先品名にあっては、セット品の場合、構成品の品名を入力する。また、発注の入力の段階で、情報管理サーバー60に蓄積されている在庫情報や入荷情報等から商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。
【0073】
(b)物流センター事務所にて入荷予定出力端末20により入荷予定リスト21の出力を行う。ここでは、在庫が無く、即日出荷する商品に目印を付け、入荷予定リスト21の出力時点での出荷数を表示する。
(c)物流センター入出荷エリアにて入荷した商品を荷受け検品する。ここでは、入荷予定リスト21の目印の付いた出荷指示に従い、即日出荷する数量だけ保管棚に移動せずに、即日出荷商品置場に置いておくことが可能となる。
【0074】
(d)物流センター保管場所にて即日出荷しない商品の格納を行う。
【0075】
次に、商品出荷作業の流れについて説明する。
【0076】
(e)営業部にて受注入力端末30により受注入力を行う。
(f)物流センター事務所にて出荷指示出力端末40によりピッキングリスト41であるピッキングリストの出力を行う。ここでは、上述したように、当日出荷予定の出荷指示を出すが、受注入力の段階で、商品の在庫が無いことが分かっていれば、「在庫無し」又は「欠品」の目印を入力する。
【0077】
(g)ピッキングリスト41であるピッキングリストの出荷指示に従い、物流センター保管場所の指定の棚に商品を取りに行く。ここでは、ピッキングリスト41の目印を確認することで、即日出荷する商品の在庫無し分について、ピッキングを後回しにすることが可能となる。
【0078】
(h)ピッキングリスト41から当日入荷品を確認する。ここでは、当日入荷品以外を棚に取りに行くことができる。
(i)ピッキングリスト41から目印の付いた商品については即日出荷商品置場に置かれている当日出荷予定の商品を確認する。これにより、物流センター入出荷エリアの即日出荷商品置場から商品をピッキングすることができる。
【0079】
このように、無線ハンディーターミナル50を用いずに、入荷予定リスト21やピッキングリスト41のみで、商品入出荷作業を行うようにした場合、次のような効果を期待することができる。
【0080】
1)無線ハンディーターミナル50を用いない場合、出荷担当者は即日出荷すべき入荷商品の最新状況(未入荷、入荷済、棚入済)を知ることができないが、商品毎(仕入先毎)におおよその入荷時刻が決まっている場合は、ピッキングリスト41の「在庫無し」又は「欠品」の目印の表示だけで、ある程度の判断(推測)をつけることが可能となり、無駄な棚入れ作業を避けることができる。
【0081】
2)ほぼ全ての入荷に対して入荷予定がデータとして存在していて、かつ、入荷予定日時の精度が高いならば、「在庫無し」又は「欠品」の目印の付いた出荷指示データを入荷予定データと照合することにより、当日の入荷予定があるか、出荷に間に合うかをチェックすることができる。
【0082】
3)無線ハンディーターミナル50を用いないため、小規模あるいは中規模の物流センターであっても、比較的低コストで商品入出荷作業支援システムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の商品入出荷作業支援システムの一実施例を説明するための図である。
【図2】図1の入荷予定入出端末によって出力される入荷予定リストの一例を説明するための図である。
【図3】図1の出荷指示入出端末によって出力されるピッキングリストの一例を説明するための図である。
【図4】図1の商品入出荷作業支援システムによる商品入出荷作業の流れを模式的に示す図である。
【図5】無線ハンディーターミナルによる入荷検品作業を説明するための図である。
【図6】図1のハンディーターミナルによるピッキング作業を説明するための図である。
【図7】図4の入荷予定リストやピッキングリストのみで、商品入出荷作業を行う場合の他の実施例を説明するための図である。
【図8】従来の商品入出荷作業を説明するための図である。
【符号の説明】
【0084】
10 発注入力端末
20 入荷予定出力端末
21 入荷予定リスト
30 受注入力端末
40 出荷指示出力端末
41 ピッキングリスト
50 無線ハンディーターミナル
60 情報管理サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流センターにおける商品の入出荷作業を支援する商品入出荷作業支援システムであって、
少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力を行う発注入力端末と、
該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番を入力し、入荷予定リストを出力する入荷予定出力端末と、
当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力を行う受注入力端末と、
該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストを出力する出荷指示出力端末と、
前記発注入力端末、前記入荷予定出力端末、前記受注入力端末及び前記出荷指示出力端末に通信回線を介して接続され、前記発注入力端末と前記入荷予定出力端末とによって入力された情報を入荷情報として管理し、前記受注入力端末と前記出荷指示出力端末とによって入力された情報を出荷指示情報として管理し、既に入荷済みの商品に関わる情報を在庫情報として管理する情報管理サーバーとを備え、
前記入荷予定出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報を入力して該在庫無しの情報を付した前記入荷予定リストを出力し、
前記出荷指示出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報を入力して該在庫無しの情報を付した前記ピッキングリストを出力する
ことを特徴とする商品入出荷作業支援システム。
【請求項2】
前記情報管理サーバーに対して無線通信が可能なハンディーターミナルを備え、
前記ハンディーターミナルにより、
前記情報管理サーバーから前記出荷指示情報を受け取ると、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報が表示され、
前記情報管理サーバーから前記入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の商品入出荷作業支援システム。
【請求項3】
物流センターにおける商品の入出荷作業を支援する商品入出荷作業支援方法であって、
発注入力端末により、少なくとも商品の入荷予定日、仕入先品名、入荷予定数を入力情報として商品の発注入力を行う工程と、
入荷予定出力端末により、該発注入力端末によって入力された入力情報を基に、少なくとも商品の格納棚番及び/又は即日出荷用棚番を入力し、入荷予定リストを出力する工程と、
受注入力端末により、当日出荷予定の商品に関わる情報を入力情報として出荷指示の入力を行う工程と、
出荷指示出力端末により、該受注入力端末によって入力された入力情報を基に、商品のピッキングに必要なピッキングリストを出力する工程と、
前記発注入力端末、前記入荷予定出力端末、前記受注入力端末及び前記出荷指示出力端末に通信回線を介して接続される情報管理サーバーにより、前記発注入力端末と前記入荷予定出力端末とによって入力された情報を入荷情報として管理し、前記受注入力端末と前記出荷指示出力端末とによって入力された情報を出荷指示情報として管理し、既に入荷済みの商品に関わる情報を在庫情報として管理する工程とを有し、
前記入荷予定出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した前記入荷予定リストが出力され、
前記出荷指示出力端末により、前記情報管理サーバーに蓄積されている前記在庫情報と前記入荷情報とから商品の在庫が無いことが確認されたとき、在庫無しの情報が入力されて該在庫無しの情報を付した前記ピッキングリストが出力される
ことを特徴とする商品入出荷作業支援方法。
【請求項4】
前記情報管理サーバーに対して無線通信が可能なハンディーターミナルにより、
前記情報管理サーバーから前記出荷指示情報を受け取ると、少なくとも即日出荷する商品の情報及び/又は欠品情報が表示される工程と、
前記情報管理サーバーから前記入荷情報を受け取ると、少なくとも最新の入荷情報が表示される工程とを有する
ことを特徴とする請求項3に記載の商品入出荷作業支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−83624(P2010−83624A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254666(P2008−254666)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(505237813)株式会社ウェスティクス (2)
【Fターム(参考)】