説明

商品関連情報入力支援システム

【課題】 商品に関する情報を含む商品紹介記事の作成を容易にする商品関連情報入力支援システムを提供する。
【解決手段】 商品関連情報をキーワードとともに記憶する商品情報データベース30と、文字列の入力及び出力表示を行うためのエディタ10と、エディタに入力された文字列から単語を抽出し、抽出した単語を検索キーとして前記商品情報データベースを検索する検索部20とを有し、検索部による検索の結果得られた商品関連情報をエディタにリスト表示させ、ユーザの選択に応じて単語を商品関連情報に置き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品関連情報入力支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上の広告手法として、アフェリエイトと呼ばれるものがある。これは、例えば、ウェブサイト開設者が、自分が開設するウェブサイトに商品掲載記事を公開するとともに、紹介した商品を販売等する企業サイトへのリンクを張って、そのウェブサイトの閲覧者を商品を販売する企業サイトへ導き、その閲覧者が企業サイトにて会員登録や商品購入を行った場合に、リンク元のウェブサイト開設者に報酬が支払われる仕組みである。アフェリエイトには、ウェブサイトの代わりにメールマガジンやブログ等を用いるものもある。
【0003】
アフェリエイトへの参加を希望する者は、紹介しようとする商品名やその商品に付与された商品識別情報、その商品を取り扱う企業のウェブサイトURL等を予め知る必要がある。つまり、アフェリエイトへの参加を希望する者は、予めその商品を扱う企業サイト等にアクセスして必要な情報を集めるなどしてからでなければ、商品紹介記事等を書くことができない。これは、商品紹介記事を書くことを面倒にし、アフェリエイトへの参加意欲をそぎ、参加者増加の阻害要因となりかねない。したがって、もっと簡易な手段で商品紹介記事等を書くことができるシステムが望まれている。
【0004】
一方、商品紹介記事を書くには、文書作成システムが必要である。パソコン上で動作するワープロソフトを始めとする従来の文書作成システムは、入力された文字に基づき、辞書に対して前方一致詮索や後方一致検索を行い、検索された複数の変換候補を提示するように構成されている(例えば、特許文献1又は2参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−348141号公報
【特許文献2】特開2006−259919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、アフェリエイトへの参加を容易にするため、より簡易に商品紹介記事を書くことができるシステムが求められている。しかしながら、従来の文書作成システムは、入力された文字と一致する文字を含む文字列を辞書から検索し、変換候補として提示するものであって、商品に関する情報、例えば企業サイトURLや商品識別情報など商品関連情報への置換、補完を可能にするなどして、商品紹介記事の作成を容易にするものではない。また、ユーザ辞書を利用することも考えられるが、その場合には、ユーザーが商品関連情報を収集しなければならず、情報の収集と辞書登録という二重の手間が必要となる。また、この場合、限られた範囲の情報しか得られず、常に最新の情報とすることも困難である。
【0007】
そこで、本発明は、商品に関する情報を含む商品紹介記事の作成を容易にする商品関連情報入力支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の要旨によれば、商品関連情報をキーワードとともに記憶する商品情報データベースと、文字列の入力及び出力表示を行うためのエディタと、該エディタに入力された文字列から単語を抽出し、抽出した単語を検索キーとして前記商品情報データベースを検索する検索部とを有し、該検索部による検索の結果得られた商品関連情報の少なくとも一部を前記単語を補完するために利用できるようにしたことを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0009】
本発明の第2の要旨によれば、第1の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索部による検索の結果得られた前記商品関連情報を前記単語の補完候補として前記エディタにリスト表示させるようにしたことを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0010】
また、本発明の第3の要旨によれば、第2の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索部が、検索の結果として複数の前記商品関連情報を得た場合に、これら複数の商品関連情報にリスト表示のための優先度を付与する優先度付加部を有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0011】
また、本発明の第4の要旨によれば、第3の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索部が、優先度付加部から分離した優先度付加ロジック保持部を有し、前記優先度付加部が前記優先度付加ロジック保持部に保持された優先度付加ロジックに基づいて前記複数の商品関連情報に表示優先度を付与することを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0012】
また、本発明の第5の要旨によれば、第4の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記優先度付加ロジックを変更するための優先度付加ロジック受付部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0013】
また、本発明の第6の要旨によれば、第5の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記優先度付加ロジック受付部に接続され、前記優先度付加ロジックの変更履歴を記録する優先度付加ロジック変更履歴記録部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0014】
また、本発明の第7の要旨によれば、第6の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記優先度付加ロジック変更履歴記録部に接続され、前記優先度付加ロジックの変更履歴に基づいて課金を行う優先度付加ロジック課金部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0015】
さらに、本発明の第8の要旨によれば、第3から第7までのいずれか一つの要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、優先度情報保持部をさらに有し、前記検索部が前記優先度情報保持部に格納された優先度情報に基づいて前記複数の商品関連情報に表示優先度を付与することを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0016】
また、本発明の第9の要旨によれば、第1の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索部が、前記単語を抽出するキー抽出部と、該キー抽出部が抽出した前記単語を検索キーとして検索を実行する検索実行部と、該検索実行部から分離した検索ロジック保持部とを有し、前記検索実行部が前記検索ロジック保持部に保持された検索ロジックに基づいて検索を実行することを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0017】
また、本発明の第10の要旨によれば、第9の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索ロジックを変更するための検索ロジック受付部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0018】
また、本発明の第11の要旨によれば、第10の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索ロジック受付部に接続され、前記検索ロジックの変更履歴を記録する検索ロジック変更履歴記録部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0019】
また、本発明の第12の要旨によれば、第11の要旨に係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記検索ロジック変更履歴記録部に接続され、前記検索ロジックの変更履歴に基づいて課金を行う検索ロジック課金部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0020】
また、本発明の第13の要旨によれば、第1から第12までのいずれか一つに係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記エディタがユーザ端末上で動作し、前記検索部が前記ユーザ端末にネットワーク接続されたサーバ上で動作することを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0021】
さらに、本発明の第8の要旨によれば、第1から第12までのいずれか一つに係る商品関連情報入力支援システムにおいて、前記エディタ及び前記検索部がユーザ端末上で動作し、該ユーザ端末に前記商品情報データベースがネットワーク接続されていることを特徴とする商品関連情報入力支援システムが得られる。
【0022】
また、本発明の第9の要旨によれば、第1から第12までのいずれか一つに係る商品関連情報入力支援システムを実現するために、ユーザ端末を前記エディタとして動作させるためのプログラムが得られる。
【0023】
また、本発明の第10の要旨によれば、第1から第12までのいずれか一つに係る商品関連情報入力支援システムを実現するために、ユーザ端末を前記エディタ及び前記検索部として動作させるためのプログラムが得られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、エディタを用いて商品紹介文を作成するだけで、作成中に、あるいは作成後に、商品紹介文に含まれる単語を補完する商品関連情報が当該商品紹介文とともにリスト表示され、その単語を商品関連情報に変換することができる。これにより、企業サイトのURLや商品識別情報などの商品関連情報を知らなくても、これらの商品関連情報を含む商品紹介記事を容易に作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0026】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムについて説明する。
【0027】
図1のシステムは、エディタ10と、検索部20と、商品情報データベース30とを備えている。
【0028】
エディタ10は、ユーザの操作による文字入力を受け付ける文字入力受付部11と、検索部20からの検索結果を表示する処理結果表示部12と、文字入力受付部11から入力された文字の一部に検索部20からの検索結果を補完する文字代入部13とを含む。
【0029】
また、検索部20は、エディタ10から送られてくる文字列から単語を検出するキー検出部21と、キー検索部21が検出した単語を検索キーとして検索を実行する補完候補検索実行部22とを含んでいる。
【0030】
さらに、商品情報データベース30は、商品関連情報をキーワードに関連付けて記憶するデータ格納部31を含んでいる。商品関連情報としては、商品正式名、商品識別子、商品URL、商品ID等を始めとして、種々の情報とすることができる。
【0031】
エディタ10は、例えばユーザの所有するパソコン上で動作するプログラムとして実現される。また、検索部20は、例えば、同じくユーザの所有するパソコン上で動作するプログラムとして実現されるか、あるいは、ネットワークを介してユーザの所有するパソコンから接続可能なサーバ上で動作するプログラムとして実現される。商品情報データベース30は、例えば、ネットワークに接続されたサーバによって実現される。サーバは、商品を取り扱う企業(商品関連情報提供者)によって管理される。ユーザのパソコン上で動作するプログラムは、サーバからネットワークを介して提供されるものであってもよい。
【0032】
以下、図1の商品関連情報入力支援システムの動作について説明する。
【0033】
文字入力受付部11は、ユーザが図示しないキーボート等の入力部を操作して入力した文字を受け付け、図示しない表示器に表示させる。同時に文字入力受付部11は、受け付けた文字を逐次検索部20のキー抽出部21へ送信する。
【0034】
キー抽出部21は、文字入力受付部11から送られてきた文字から単語を検出し、検出した単語を構成する文字列を補完候補探査実行部22へ送信する。ここでの単語は、商品名に限られず、物品名(例えば、“化粧水”)や抽象的な単語(例えば、“化粧”)等も含まれる。“化粧水”と入力された場合、“化粧”と“化粧水”の両方を検出するようにしてもよいし、“化粧”に関して後述する処理を終了した後、“化粧水”を検出するようにしてもよい。
【0035】
補完候補探査実行部22は、キー検出部21から送信された単語を構成する文字列を用いてクエリ文を作成し、商品情報データベース30へ送信する。クエリ文は、例えばXpathの記述方法を用いて作成することができる。この場合、検出された単語が“lotion”であれば、“//lotion”となる。
【0036】
商品情報データベース30は、補完候補探査実行部22からのクエリ文に応じてデータ格納部31を検索する。つまり、クエリ文に含まれる文字列を検索キー(キーワード)として検索を行い、その検索結果をクエリ実行結果として補完候補検索実行部22に返す。例えば、商品情報データベース30のデータ格納部31に格納された情報が、図2に示すXMLドキュメントであり、クエリ文が“//lotion”である場合、図3に示すような結果が得られる。
【0037】
補完候補検索実行部22は、商品情報データベース30からのクエリ実行結果に基づき、補完候補リストを作成し、処理結果表示部12へ送信する。
【0038】
処理結果表示部12は、すでに表示されている入力文字に対応させて、補完候補リストを表示器に表示させる。
【0039】
ユーザが入力部を操作して表示器に表示された補完候補リストに含まれる商品関連情報のいずれかを選択すると、文字代入部13は、検索キーとして用いられた単語と選択された商品関連情報とを置き換える。例えば、検出された単語が“lotion”であり、ユーザが商品関連情報として“lotionA”を選択したならば、“lotion”が“lotionA”に置換される。
【0040】
以上のようにして、本実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムでは、ユーザが、エディタ10を用いて文書を作成するだけで、文書中に含まれる単語に関連する商品関連情報が表示器に表示され、ユーザが選択することによりその単語が商品関連情報に置き換えられる。したがって、ユーザは、予め商品関連情報を収集する必要がない。また、ユーザが知らない商品についても、関連商品の存在を知らせることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、商品情報データベース30が検索部20から独立して構成されているため、データ格納部31に格納された商品関連情報の更新変更が容易に行える。
【0042】
本実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムをアフェリエイトに参加するための商品紹介記事等の作成に利用する場合、作成された記事中の商品関連情報とユーザに付与されたユーザ識別子を関連付けする必要がある。これは、例えばエディタ10起動時に、文字入力受付部11でユーザ識別子の入力を受け付けることにより実現できる。文字入力受付部11は、ユーザ識別子を受け付けるとキー抽出部21へ送信する。キー抽出部21はユーザ識別子を受けると補完候補検索実行部22へ送信する。補完候補検索実行部22は、ユーザ識別子を保持し、検索結果に含まれる商品関連情報に夫々ユーザ識別子を関連付けして、処理結果表示部12送信する。ユーザ識別子に関連付けされた商品関連情報が、単語と置き換えられると、作成された記事中にユーザー識別氏が埋め込まれることになる。
【0043】
次に、図4から図8を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムについて説明する。
【0044】
図4に示すように、本実施の形態に係るシステムは、図1のシステムの構成に加えて、検索部20−1が、検索ロジック保持部23と、優先度付加ロジック保持部24と、優先度付加部25とを有している。
【0045】
検索ロジック保持部23は、補完候補検索実行部22における処理を規定する検索ロジックを一以上保持しており、補完候補検索実行部22からの依頼に応じて適切な検索ロジックを返す。
【0046】
優先度付加ロジック保持部24は、補完候補検索部22で作成された補完候補リストに補完優先度を付加するために用いられる優先度付加ロジックを一以上保持しており、優先度付加部25からの依頼に応じて適切な優先度付加ロジックを返す。
【0047】
優先度付加部25は、補完候補検索実行部22からの補完候補リストの各項目に、優先度付加ロジック保持部24から供給された優先度を付与する。
【0048】
以下、図4の商品関連情報支援システムの動作について、主に図1のシステムと異なる部分について説明する。なお、このシステムは、概ね図5に示すように動作する。
【0049】
補完候補検索実行部22は、キー抽出部21から抽出した単語を表す文字列を受け取ると、受け取った文字列に対応する検索ロジック取得依頼を検索ロジック保持部23へ出力する。検索ロジック取得依頼には、受け取った文字列が含まれる。
【0050】
検索ロジック保持部23は、検索ロジック取得依頼に応じて対応する検索ロジックを取得し、補完候補検索実行部22へ返す。例えば、検索ロジック保持部23が、図6に示すテーブルを有している場合、検索ロジック保持部23は、検索ロジック取得依頼に含まれる文字列とアブストラクト(abstract)フィールドの値とを比較し、一致する行のロジック(logic)フィールドの値を検索ロジックとして返す。検索ロジックは、例えば、XPath(XML文書中の特定の要素を指し示す記述方式)により記述することができる。図6の例において、検索ロジック取得依頼に含まれる文字列が“lotion”の場合、補完候補検索実行部22へ返される検索ロジックは“//lotion”となる。
【0051】
また、検索ロジック保持部23は、受け取った文字列に対応する検索ロジックが見つからない場合には、見つからなかったという結果を補完候補検索実行部22へ返す。あるいは、所定の変換ルールに従って検索ロジックを作成して返すようにしてもい。所定の変換ルールとしては、XPathの記述方式に従い文字列に“//”を付加するものであってよい。この場合、検索ロジック保持部23は、例えば、受け取った文字列が“lotion”であり、テーブル内に存在しない場合、これに“//”を付加した“//lotion”を補完候補検索実行部22へ返す。
【0052】
また、検索ロジック保持部23は、受け取った文字列に対応する検索ロジックがテーブルに複数存在する場合には、設定に従い、一又は複数の検索ロジックを返す。一の検出ロジックを返す場合、最初に見つかった検索ロジックを返すようにしてもよいし、最後に見つかった検索ロジックを返すようにしてもよい。また、優先度を設定しておき、最も優先度の高い検索ロジックを返すようにしてもよい。優先度を設定する場合、検索ロジック保持部23に保持されるテーブルは、例えば、図7のようになる。一つの文字列に対して予め複数の検索ロジックを用意しておくことで、検索ロジックの変更を容易に行うことができる。あるいは、一つの文字列に対して複数の検索ロジックを返すようにすることで、より多くの商品関連情報を提供することができる。
【0053】
補完候補検索実行部22は、検索ロジック保持部23から返された検索ロジックを用いてクエリ文を作成し、商品情報データベース30からクエリ実行結果を得る。補完候補検索実行部22は、クエリ実行結果から補完候補リストを作成し、優先度付加部25へ送信する。
【0054】
また、補完候補検索実行部22は、検索ロジックが見つからないという結果を受けた場合は、補完候補検索実行を行わない。
【0055】
さらに、補完候補検索実行部22は、商品情報データベース30からのクエリ実行結果が0件であった場合、補完候補リストの作成を行わない。
【0056】
優先度付加部25は、補完候補検索実行部22から補完候補リストを受け取ると、優先度付加ロジックを優先度付加ロジック保持部24に対し、優先度付加ロジックの提供を依頼する。
【0057】
優先度付加ロジック保持部24は、例えば、IF〜THEN〜形式の優先度付加ロジックを保持している。このIF文における条件値の記述方法としては、XPathを用いることができる。そして、優先度付加ロジック保持部24は、優先度部下部25からの依頼に応じて、保持している優先度付加ロジックを返す。
【0058】
優先度付加ロジック保持部24は、優先度付加ロジック取得依頼に対する優先度付加ロジックが見つからない場合、見つからなかったという結果を優先度付加部へ返す。
【0059】
優先度付加部25は、優先度付加ロジックを取得すると、補完候補検索実行部22からの補完候補リストに優先度を付加する。例えば、補完候補検索実行部22からの補完候補リストが図3のようなものである場合に、優先度付加ロジックとして、「IF(“//*[@manufacturer='manuA']”)THEN(“priority=1”)」を取得したとすると、優先度付加部25は、図8のような優先度付の補完候補リストを作成する。作成された優先度付の補完候補リストは、処理結果表示部12へ送信される。
【0060】
また、優先度付加部25は、優先度付加ロジック保持部24に複数の優先度付加ロジックが保持されている場合には、それら複数の優先度付加ロジックに従い、補完候補リストに優先度を付加する。このとき、優先度付加ロジックに優先度が付加さている場合には、その優先度にしたがって優先度付加ロジックを実行し、補完候補リストに優先度を付加する。
【0061】
さらに、優先度付加部25は、優先度付加ロジック保持部24から優先度付加ロジックが見つからないとの結果を受けた場合は、優先度の付加を行わず、そのまま補完候補リストを処理結果表示部12へ送信する。このとき、補完候補検索実行部22からの補完候補リストの並び順に従って優先度を付加するようにしてもい。
【0062】
処理結果表示部12は、補完候補リストに付加された優先度に従い、リストの並び順を変更して、変更後の補完候補リストを表示器に表示させる。なお、図8の例では、先頭に位置する補完候補に優先度1が付けられているので、リストの並び順の変更はない。また、優先度が付加されていない補完候補については、そのままの順序で表示してもよいが、ランダムに順序を変更したり、あるいはリストから外すようにしてもよい。
【0063】
この後、ユーザが補完候補リストのいずれの商品関連情報を選択すると、第1の実施の形態と同様、対応する単語と選択された商品関連情報とが置換される。
【0064】
本実施の形態よれば、第1の実施の形態に係るシステムにより得られる効果に加え、優先度の高い商品関連情報をより上位位置に表示させることができる。
【0065】
また、補完候補検索実行部22と検索ロジック保持部23とを別々に構成したことで、検索ロジックを容易に切り替えたり、変更したりすることができる。同様に、優先度付加部25と優先度付加ロジック保持部24とを別々に構成したことで、優先度付加ロジックを容易に切り替えたり、変更したりすることができる。
【0066】
検索ロジック保持部23に保持された検索ロジックの変更を容易に行うため、図9に示すように、検索ロジック受付部26を設けてもよい。また、優先度付加ロジック保持部24に保持された優先度付加ロジックの変更を容易に行うため、図10に示すように、優先度付加ロジック受付部27を設けてもよい。
【0067】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムついて図11から図13を参照して詳細に説明する。
【0068】
図11のシステムは、図5のシステムに加えて、優先度付加部にネットワーク接続された優先度情報保持部、ここでは課金情報データベース40、を有している。課金情報データベース40には、商品毎の課金情報(優先度情報)が格納されている。課金情報は、例えば、図12のようになる。
【0069】
一方、優先度付加ロジック保持部24には、優先度付加ロジックとして課金情報データベース40に格納された課金情報に基づいて優先度を付加するように記述された優先度付加ロジックが保持されている。優先度付加ロジックは、例えば、「クエリ実行結果に含まれる商品名(name)に対応する課金値(amount)がある場合、課金値を優先度の値とする。」という内容とすることができる。
【0070】
図11のシステムにおける各部の動作は、図4のシステムのものと略同じであるが、優先度付加ロジック保持部24に保持された優先度付加ロジックが異なっているため、優先度付加部25の動作が異なる。
【0071】
優先度付加部25は、補完公報検索実行部22からクエリ実行結果を受け取ると、優先度付加ロジックを優先度付加ロジック保持部24から取得する。優先度付加ロジックは、上記のように「クエリ実行結果に含まれる商品名(name)に対応する課金値(amount)がある場合、課金値を優先度の値とする。」という内容の場合、XPathによる記述方式によれば、IF(“//product[@name='(//lotion/@name/text())']/@amount/text()”)THEN(“priority=(//product[@name='(//lotion/@name/text())']/@amount/text())”)、となる。課金情報データベースが図12のようなデータを有しており、クエリ実行結果が図3のようなものであるとすると、上記内容の優先度付加ロジックに基づき優先度を付加すると、補完候補リストは、図13のようになる。
【0072】
ユーザは、上位に位置する商品関連情報を選択するほど高い報奨金を得ることができる。
【0073】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る商品情報入力支援システムについて図14を参照して説明する。
【0074】
図14のシステムは、図5のシステムのエディタ10に代えてエディタ10−1を有している。エディタ10−1は、文字入力受付部11と文字代入部13とを有し、処理結果表示部12を有していない。つまりこのシステムでは、補完候補リストをユーザに提示することなく、検出した単語を商品関連情報に置き換える。例えば、ユーザがエディタ10−1に“今日、化粧水を買った。すごく良い。”という文章が入力した場合、表示器には、“今日、○○ローションを買った。すごく良い。”という補完結果が表示される。より望ましい補完結果を得るため、例えば、“化粧”と“水”とを分割して商品関連情報と置換してしまわないように、ユーザからの入力終了指示を受けて補完を実行するようにするとよい。入力終了指示は、一文入力毎でも、複数文入力後でもよい。
【0075】
検出した単語の商品関連情報への置換は、補完候補リストの中で優先度の高いものを一又は複数用いて行うことができる。また、保管候補リストにある全ての賞品関連情報を列挙するようにしてもよい。
【0076】
以上本発明についていくつかの実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない、例えば、上記実施の形態では、検索ロジック保持部及び優先度付加ロジック保持部を補完候補検索実行部及び優先度付加部から夫々分離して形成したが、これらは一体的に構成されてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、サーバの管理を商品を取り扱う企業(商品関連情報提供者)が行うとしたが、第三者であるサービスプロバイダー等が行うようにしてもよい。この場合、サービスプロバイダー等が、商品関連情報提供者による検索ロジックの変更を管理するため、図15に示すように、検索ロジック受付部26に接続される検索ロジック変更履歴記録部151を設けてもよい。さらに、サービスプロバイダーが、検索ロジック変更履歴記録部151に記録された変更履歴に基づいて、検索ロジックを変更した商品関連情報提供者に対して課金を行うために、図16に示すように、検索ロジック変更履歴記録部151に接続される検索ロジック課金部161を設けてもよい。
【0078】
優先度付加ロジックに関しても同様に、サービスプロバイダー等が、優先度ロジックの変更を管理するため、図17に示すように、優先度付加ロジック受付部27に接続される優先度付加ロジック変更履歴記録部171を設けてもよい。また、図18に示すように、優先度付加ロジック変更履歴記録部171に接続される優先度付加ロジック課金部181を設けてもよい。
【0079】
本発明は、特に、以下の分野においての利用が考えられる。
【0080】
1.ブログ、アフェリエイト
本発明の利用によりブログ、アフェリエイト記事の作者が宣伝に紐づく記事を無意識に書いている場合、宣伝になることを通知することが出来る。
【0081】
2.仕様書作成
本発明の利用により具体的な名称を書いていない仕様書を書いてしまっている場合、具体名の挿入を促すことが出来る。
【0082】
3.携帯端末の文章入力支援
一般的に具体的商品名は文字数が長く、携帯端末(特に、携帯電話機)から商品名の全文字列を入力することは手間がかかる。本発明を利用することにより一般的に文字数の少ない抽象名を入力するだけで具体的な商品名の全文字列を入力することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】データ格納部に格納されたデータの一例を示す図である。
【図3】クエリ実行結果の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの構成を示すブロック図である。
【図5】図4の商品関連情報入力支援システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】検索ロジック保持部に保持されるテーブルの一例を示す図である。
【図7】検索ロジック保持部に保持されるテーブルの他の例を示す図である。
【図8】優先度付加部により作成される優先度付補完候補リストの一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの一変形例の一部を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの他の変形例の一部を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの構成を示すブロック図である。
【図12】課金情報データベースに格納されるデータの一例を示す図である。
【図13】優先度付加部により作成される優先度付補完候補リストの一例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る商品関連情報入力支援システムの構成を示すブロック図である。
【図15】図9に示す商品関連情報入力支援システムの変形例の一部を示すブロック図である。
【図16】図9に示す商品関連情報入力支援システムの他の変形例の一部を示すブロック図である。
【図17】図10に示す商品関連情報入力支援システムの変形例の一部を示すブロック図である。
【図18】図10に示す商品関連情報入力支援システムの他の変形例の一部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
10 エディタ
11 文字入力受付部
12 処理結果表示部
13 文字代入部
20 検索部
20−1 検索部
21 キー検出部
22 補完候補検索実行部
23 検索ロジック保持部
24 優先度付加ロジック保持部
25 優先度付加部
26 検索ロジック受付部
27 優先度ロジック受付部
30 商品情報データベース
31 データ格納部
40 課金情報データベース
151 検索ロジック変更履歴記録部
161 検索ロジック課金部
171 優先度付加ロジック変更履歴記録部
181 優先度付加ロジック課金部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品関連情報をキーワードとともに記憶する商品情報データベースと、文字列の入力及び出力表示を行うためのエディタと、該エディタに入力された文字列から単語を抽出し、抽出した単語を検索キーとして前記商品情報データベースを検索する検索部とを有し、該検索部による検索の結果得られた商品関連情報の少なくとも一部を前記単語を補完するために利用できるようにしたことを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索部による検索の結果得られた前記商品関連情報を前記単語の補完候補として前記エディタにリスト表示させるようにしたことを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索部が、検索の結果として複数の前記商品関連情報を得た場合に、これら複数の商品関連情報にリスト表示のための優先度を付与する優先度付加部を有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索部が、優先度付加部から分離した優先度付加ロジック保持部を有し、前記優先度付加部が前記優先度付加ロジック保持部に保持された優先度付加ロジックに基づいて前記複数の商品関連情報に表示優先度を付与することを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記優先度付加ロジックを変更するための優先度付加ロジック受付部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記優先度付加ロジック受付部に接続され、前記優先度付加ロジックの変更履歴を記録する優先度付加ロジック変更履歴記録部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記優先度付加ロジック変更履歴記録部に接続され、前記優先度付加ロジックの変更履歴に基づいて課金を行う優先度付加ロジック課金部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項8】
請求項3から7までのいずれか一つに係る商品関連情報入力支援システムにおいて、
優先度情報保持部をさらに有し、前記検索部が前記優先度情報保持部に格納された優先度情報に基づいて前記複数の商品関連情報に表示優先度を付与することを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索部が、前記単語を抽出するキー抽出部と、該キー抽出部が抽出した前記単語を検索キーとして検索を実行する検索実行部と、該検索実行部から分離した検索ロジック保持部とを有し、前記検索実行部が前記検索ロジック保持部に保持された検索ロジックに基づいて検索を実行することを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項10】
請求項9に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索ロジックを変更するための検索ロジック受付部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項11】
請求項10に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索ロジック受付部に接続され、前記検索ロジックの変更履歴を記録する検索ロジック変更履歴記録部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項12】
請求項11に記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記検索ロジック変更履歴記録部に接続され、前記検索ロジックの変更履歴に基づいて課金を行う検索ロジック課金部をさらに有していることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記エディタがユーザ端末上で動作し、前記検索部が前記ユーザ端末にネットワーク接続されたサーバ上で動作することを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の商品関連情報入力支援システムにおいて、
前記エディタ及び前記検索部がユーザ端末上で動作し、該ユーザ端末に前記商品情報データベースがネットワーク接続されていることを特徴とする商品関連情報入力支援システム。
【請求項15】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の商品関連情報入力支援システムを実現するために、ユーザ端末を前記エディタとして動作させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の商品関連情報入力支援システムを実現するために、ユーザ端末を前記エディタ及び前記検索部として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−225948(P2008−225948A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64471(P2007−64471)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】