説明

器具ブロック及びそれを用いたスイッチ装置

【課題】ボディよりも幅寸法の大きいハンドルを取付可能な器具ブロック及びそれを用いたスイッチ装置を提供する。
【解決手段】配線器具用の取付枠2に着脱自在に取り付けられ、操作用のハンドル4が前面側に揺動自在に取り付けられる器具ブロック1であって、前面側が開口する箱状のボディ11と、ボディ11の前面開口を閉塞するようにしてボディ11に取り付けられるカバー12とを備える。カバー12の前面には揺動方向に応じて内部接点を反転させる反転部13が設けられており、反転部13にはハンドル4が着脱自在に取り付けられる。またカバー12には、カバー12を取付枠2に取り付けるための取付部12b,12bがボディ11よりも外側に突出する形で設けられている。したがって、この器具ブロック1によれば、ボディ11よりも幅寸法の大きいハンドル4を取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具ブロック及びそれを用いたスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、配線器具用の取付枠に取り付けられて造営面に埋込配設される端子装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。この端子装置は、例えば単極単投の接点構成を有する片切型のスイッチ機構を備えたスイッチ装置であって、電線挿入孔より挿入された電線を鎖錠する速結端子構造を有する端子ブロック、並びに、固定接点及び可動接点を有するスイッチブロックを収納するボディと、ボディの前面開口を覆うカバーとを備える。
【0003】
カバーの長手方向両端部には、取付枠に取り付けるための一対の取付爪がそれぞれ設けられており、各取付爪をそれぞれ対応する取付枠の取付孔に嵌合させることで端子装置が取付枠に取り付けられる。また、カバーにはスイッチのオン/オフを操作するためのハンドル(反転ハンドル及びハンドルカバー)が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−323936号公報(段落[0020]−段落[0050]、及び、第1図−第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に示した端子装置では、カバーに設けられた取付爪が取付枠に嵌合するため、取付爪が設けられる位置から突出するハンドルを取り付けると、ハンドルが取付枠に当たりハンドル操作ができなかった。つまり、取付爪が設けられた方向におけるカバーの幅寸法以上に大きいハンドルを取り付けることができなかった。また、従来、カバーの幅寸法はボディに合わせて設計されるため、ボディの幅寸法よりも大きいハンドルを取り付ける場合は、幅寸法の大きいボディ及びカバーに変える必要があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ボディよりも幅寸法の大きいハンドルを取付可能な器具ブロック及びそれを用いたスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の器具ブロックは、配線器具用の取付枠に着脱自在に取り付けられ、操作用のハンドルが前面側に揺動自在に取り付けられる。この器具ブロックは、前面側が開口する箱状のボディと、ボディの前面開口を閉塞するようにしてボディに取り付けられるカバーとを備える。カバーの前面には、揺動方向に応じて内部接点を反転させる反転部が設けられ、反転部にはハンドルが着脱自在に取り付けられる。カバーには、当該カバーを取付枠に取り付けるための取付部がボディよりも外側に突出する形で設けられている。
【0008】
この器具ブロックにおいて、カバーには、ハンドルを揺動させた際にハンドルが当接するのを避けるための逃がし溝が設けられているのが好ましい。
【0009】
また、この器具ブロックにおいて、取付部の後面側に補強リブが設けられているのも好ましい。
【0010】
本発明のスイッチ装置は、上記器具ブロックと、上記器具ブロックが着脱自在に取り付けられる埋込型配線器具用の取付枠と、上記器具ブロックの前面側に揺動自在に取り付けられる操作用のハンドルとを備えている。
【0011】
このスイッチ装置において、取付枠の開口部においてカバーで覆われていない部位を塞ぐブランクチップを備えているのも好ましい。
【発明の効果】
【0012】
ボディよりも幅寸法の大きいハンドルを取付可能な器具ブロック及びそれを用いたスイッチ装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のスイッチ装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】同上を示し、(a)は正面から見た外観図、(b)は裏面から見た外観図である。
【図3】同上から化粧プレートを取り外した状態の一例を示し、(a)は外観図、(b)は側断面図である。
【図4】同上から化粧プレートを取り外した状態の他の例を示し、(a)は外観図、(b)は側断面図である。
【図5】(a)は同上を構成する器具ブロックの外観図、(b)は器具ブロックを構成するカバーを裏面から見た外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、器具ブロック及びスイッチ装置の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態のスイッチ装置は、例えば壁面などの施工面に埋込配設されて、天井面に施工された照明器具の点灯/消灯状態を切り替えるための切換スイッチとして使用される。なお、以下の説明では特に断りがない限り、図3(b)における上下方向を前後方向とし、図3(b)における左側を下側、右側を上側とし、図3(b)における紙面に垂直な方向を左右方向と規定して説明を行う。
【0015】
図1は本実施形態のスイッチ装置Aの一例を示す分解斜視図である。このスイッチ装置Aは、器具ブロック1と、器具ブロック1が後方から着脱自在に取り付けられる取付枠2と、取付枠2の前面側に取り付けられる化粧プレート3と、器具ブロック1の前面側に揺動自在に取り付けられるハンドル4とを備える。
【0016】
取付枠2は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、器具ブロック1の前面(機能面)を露出させる開口部21を中央に有する矩形枠状に形成されている。取付枠2において開口部21の左右両側には、施工面に埋込配設された埋込ボックス(図示せず)に取付枠2を取り付けるための取付ねじ(図示せず)が挿通される長孔状のねじ挿通孔25がそれぞれ設けられている。また取付枠2において開口部21の上下両側には、一対の係止孔22,22がそれぞれ設けられており、各一対の係止孔22,22の左右両側には、係止孔23がそれぞれ設けられている。さらに取付枠2の四隅には、係止孔24がそれぞれ設けられている。
【0017】
化粧プレート3は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、取付枠2に取り付けられた器具ブロック1の前面を露出させる開口部31を中央に有する矩形枠状に形成されている。また化粧プレート3は、取付枠2の前面全体を覆うことができる大きさ、つまり取付枠2よりもわずかに大きい外形寸法に設定されている。さらに化粧プレート3の後面側には、取付枠2の係止孔24に対応する部位に係止爪32(図2(b)参照)が設けられている。したがって、化粧プレート3の各係止爪32を対応する取付枠2の係止孔24にそれぞれ係止させることで、化粧プレート3が取付枠2に取り付けられる。
【0018】
ハンドル4は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、化粧プレート3の開口部31の開口寸法と略同寸法に設定された矩形板状に形成されており、ハンドル4の下寄りの左右中央には、ハンドル4の押圧位置を示す突起41が設けられている。またハンドル4の後面側には、複数の係止爪42(図3(b)参照)が設けられている。
【0019】
器具ブロック1は、図1に示すように前面側が開口する矩形箱状のボディ11と、ボディ11の前面開口を閉塞するようにしてボディ11に取り付けられるカバー12と、内部接点を構成する端子板14,15及び接点板16とを備える。また器具ブロック1は、各端子板14,15に電気的に接続されるとともに、後述する電線挿入孔11aから挿入された電線(図示せず)を鎖錠する複数(図1では4つ)の鎖錠ばね17と、揺動方向に応じて上記内部接点を反転させる反転部13とを備える。さらに器具ブロック1は、鎖錠ばね17による電線の鎖錠を解除するための複数(図1では2つ)の解除釦18を備える。
【0020】
ボディ11は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、ボディ11の左右方向における両側壁には、上下方向に離間する形で一対の組立突起11c,11cがそれぞれ設けられている。またボディ11の底面(後面)の四隅には、外部電源や負荷からの電線(図示せず)をボディ11内に挿入するための電線挿入孔11aが設けられている(図2(b)参照)。さらにボディ11の底面において電線挿入孔11aの近傍には、工具(一例としてはマイナスドライバ)の先端部が挿入可能な操作孔11bが設けられており、この操作孔11bは解除釦18を操作するために使用される。ここにおいて、ボディ11の上下寸法(幅寸法)は、取付枠2の開口部21の上下寸法よりも小さい寸法に設定されている。
【0021】
カバー12は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、ボディ11の外形寸法と略同寸法に形成された矩形枠状のカバー本体12aを有する。カバー本体12aの上下方向における両側には、ボディ11よりも外側に突出する取付部12b,12bがそれぞれ一体に設けられている。またカバー本体12aの開口部12cの左右両側には、反転部13が揺動自在に係合される係合溝12dがそれぞれ設けられている(図1では片側のみ図示)。さらにカバー本体12aの左右方向における両側壁には、それぞれ一対の組立舌片12e,12eが後方に突出し且つ上下方向に離間する形で設けられている。したがって、カバー12の各組立舌片12eの組立孔に対応するボディ11の組立突起11cをそれぞれ挿入して、各組立舌片12eに対応する組立突起11cをそれぞれ係止させることでボディ11とカバー12が結合される。
【0022】
またカバー12の各取付部12bには、取付枠2の一対の係止孔22,22に対応する部位に一対の係止爪12g,12gがそれぞれ設けられており、各係止爪12gを対応する係止孔22にそれぞれ係止させることで器具ブロック1が取付枠2に取り付けられる。さらにカバー本体12aと各取付部12bとの間にはU字状の逃がし溝12fがそれぞれ設けられている。また各取付部12bの後面側には、図5(b)に示すように補強リブ12hがそれぞれ設けられており、補強リブ12hにより取付部12bの強度が向上する。
【0023】
ここで、ボディ11の上下方向における一端側(図1中の上側)には端子板14が収納され、ボディ11の上下方向における他端側(図1中の下側)には端子板15が収納され、これらの端子板14,15の間には接点板16が揺動自在に収納される。またボディ11には、各端子板14,15とともに電線(図示せず)を挟持する複数(図1では4つ)の鎖錠ばね17と、各端子板14,15と鎖錠ばね17による電線の鎖錠を解除するための解除釦18とが収納される。
【0024】
端子板14は、導電性材料(例えば銅系の金属材料など)からなる板材により略U字状に形成され、上下方向における一端側(図1中の下側)には固定接点14aが一体に設けられている。また端子板15は、端子板14と同様に導電性材料からなる板材により略U字状に形成され、上下方向における他端側(図1中の上側)には接点板16と電気的に接続される接続片15aが一体に設けられている。さらに接点板16は、端子板14,15と同様に導電性材料からなる板材により略U字状に形成され、上下方向における他端側(図1中の上側)には上記固定接点14aに接離自在に接触する可動接点16aが一体に設けられている。そして、反転部13の動作に応じて接点板16の可動接点16aが端子板14の固定接点14aに接触すると、接点板16を介して端子板14と端子板15とが導通した状態になる(図4(b)参照)。なお、動作については後述する。
【0025】
各鎖錠ばね17は、端子板14,15及び接点板16と同様に導電性材料からなり、ボディ11に設けられた各電線挿入孔11aにそれぞれ対応する形でボディ11に収納される。本実施形態では、端子板14,15それぞれに対応する形で鎖錠ばね17が2個ずつ配置されており、端子板14,15とともに所謂速結端子を構成している。したがって、端子板14,15と対応する鎖錠ばね17との間で電線を挟持させることで、端子板14,15と対応する電線とがそれぞれ電気的に接続される。
【0026】
解除釦18は、鎖錠ばね17による電線の機械的保持を解除するためのものであって、前後方向を軸方向とする角柱状に形成された樹脂成形品からなる。本実施形態では、端子板14に対応する2個の鎖錠ばね17に対向する形でボディ11に収納された解除釦18と、端子板15に対応する2個の鎖錠ばね17に対向する形でボディ11に収納された解除釦18とを備える。なおこれらの解除釦18は、それぞれ操作孔11bを臨むようにしてボディ11に収納されている。そして、操作孔11bを通して工具の先端部をボディ11に挿入すると対応する解除釦18が前方に押され、さらに解除釦18により鎖錠ばね17が前方に押されることで鎖錠ばね17による電線の機械的保持が解除されるので、電線を引き抜くことができる。
【0027】
反転部13は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、矩形箱状に形成されている。この反転部13の左右方向における両側壁には、カバー12の係合溝12dに揺動自在に係合される係合突起13aがそれぞれ設けられている(図1では片側のみ図示)。また反転部13の上下方向における両側壁には、ハンドル4を取り付けるための係止突起13bがそれぞれ設けられている。さらに反転部13の後面側には、反転ばね6の一端側が挿入される挿入凹部13c(図4(b)参照)が設けられている。なお反転ばね6の他端側は、反転部13の挿入凹部13cに対応する形で配置された接点板16の凹所に挿入される(図4(b)参照)。ここにおいて、カバー12に設けられた係合溝12dの幅寸法は反転部13に設けられた係合突起13aの幅寸法よりも大きく設定されており、そのため反転部13を所定の揺動角度で揺動させることができる。
【0028】
ここで、取付枠2の開口部21の左右方向における開口寸法は、カバー12の左右寸法よりも大きいため、器具ブロック1を取付枠2に取り付けてもカバー12で開口部21を塞ぐことはできない。そのため、ハンドル4が取り外された状態では器具ブロック1の左右両側から充電部分に体が接触する可能性がある。そこで本実施形態では、取付枠2の開口部21においてカバー12で覆われていない部位を塞ぐためにブランクチップ5が設けられている。
【0029】
このブランクチップ5は、絶縁性を有する樹脂材料からなる樹脂成形品であって、上下方向に長い板状のチップ本体51を有し、チップ本体51の上下方向における両側には前方に突出する取付片52が一体に設けられている。また各取付片52には、取付枠2の係止孔23に対応する部位に係止爪53がそれぞれ設けられている。したがって、ブランクチップ5の各係止爪53を対応する取付枠2の係止孔23にそれぞれ係止させることで、ブランクチップ5が取付枠2に取り付けられる。
【0030】
次に、器具ブロック1の組立手順について説明する。作業者が、端子板14,15、接点板16、鎖錠ばね17及び解除釦18をそれぞれボディ11内に収納した後、その上から反転部13をボディ11に収納する。なおこのとき、一端側が挿入凹部13cに挿入された反転ばね6の他端側が接点板16の凹所に挿入される。そして最後に、作業者がカバー12の各組立舌片12eに対応するボディ11の組立突起11cをそれぞれ係止させると、ボディ11とカバー12が結合されて器具ブロック1の組み立てが完了する(図5(a)参照)。なおこのとき、反転部13の各係合突起13aがカバー12の対応する係合溝12dにそれぞれ係合され、反転部13が揺動自在に配置される。
【0031】
続けて、スイッチ装置Aの施工手順について説明する。作業者が、器具ブロック1のカバー12に設けられた各係止爪12gを対応する取付枠2の係止孔22にそれぞれ係止させて器具ブロック1を取付枠2に取り付ける。また作業者が、各ブランクチップ5に設けられた各係止爪53を対応する取付枠2の係止孔23にそれぞれ係止させて各ブランクチップ5をそれぞれ取付枠2に取り付ける。なおこの状態では、取付枠2の開口部21が器具ブロック1及びブランクチップ5で塞がれており、作業者が前面側から充電部分に接触できないようになっている。
【0032】
次に、取付枠2の各ねじ挿通孔25に挿通させた取付ねじ(図示せず)を用いて、作業者が取付枠2を埋込ボックス(図示せず)に固定する。さらに作業者が、ハンドル4に設けられた各係止爪42を対応する反転部13の係止突起13bにそれぞれ係止させて反転部13にハンドル4を取り付ける。そして最後に、作業者が化粧プレート3に設けられた各係止爪32を対応する取付枠2の係止孔24にそれぞれ係止させると、化粧プレート3が取付枠2に取り付けられてスイッチ装置Aの施工が完了する。
【0033】
さらに、このスイッチ装置Aの動作を図4(b)に基づいて説明する。ユーザーがハンドル4の下端側(図4(b)中の左側)を後方(図4(b)中の下側)に押すと、係合溝12dと係合突起13aの接触部分を中心としてハンドル4及び反転部13が図4(b)中の反時計回りに回転する。このとき、反転ばね6が反転部13により上方(図4(b)中の右側)に押されて上側に凸となり、それに伴って接点板16も上方に押され、接点板16の可動接点16aが端子板14の固定接点14aに接触する。ここに、接点板16の下端部が端子板15の接続片15aに接触しているので、接点板16を介して端子板14と端子板15とが導通した状態になる(図4(b)参照)。
【0034】
図4(b)に示す状態から、ユーザーがハンドル4の上端側(図4(b)中の右側)を後方に押すと、上記接触部分を中心としてハンドル4及び反転部13が図4(b)中の時計回りに回転する。このとき、反転ばね6が反転部13により下方(図4(b)中の左側)に押されて下側に凸となり、それに伴って接点板16も下方に押され、接点板16の可動接点16aが端子板14の固定接点14aから離れる。その結果、端子板14と端子板15とが非導通状態になる。
【0035】
ここで、図3(a)(b)は化粧プレート3を取り外した状態のスイッチ装置Aの一例であり、本例ではハンドル4の上下寸法(幅寸法)が42mmに設定されている。一方、図4(a)(b)は化粧プレート3を取り外した状態のスイッチ装置Aの他の例であり、本例ではハンドル4の上下寸法が52mmに設定されている。また図示は省略しているが、図3及び図4に示すハンドル4と同じ位置に係止爪42を設けることで、図3に示すハンドル4よりも上下寸法の小さいハンドル(例えば上下寸法が36mmのハンドル)を取り付けることも可能である。すなわち、本実施形態のスイッチ装置Aによれば、ハンドル4の大きさを変更する場合にハンドル4及び化粧プレート3のみを交換すればよく、交換作業が容易になるとともにコストアップを抑えることができる。
【0036】
ところで、ハンドル4の揺動角度はカバー12の係合溝12dの幅寸法と反転部13の係合突起13aの幅寸法により決まり、ハンドル4の大きさに関わらず一定であるから、ハンドル4の上下寸法が大きい場合にはハンドル4がカバー12に当接することがある。本実施形態では、カバー12に逃がし溝12fを設けており、ハンドル4が大きくなった場合でもハンドル4の端部が逃がし溝12f内に入り込むため、ハンドル4がカバー12に当接するのを避けることができる。
【0037】
而して本実施形態によれば、器具ブロック1を取付枠2に取り付けるための取付部12b,12bがボディ11よりも外側に設けられているため、ボディ11よりも上下寸法(幅寸法)の大きいハンドル4を取り付けることができる。しかもこの器具ブロック1を用いることで、複数種類の大きさのハンドル4を取り付けることができる。また、ボディ11の大きさは元の大きさのままであるから、配線の余長を収納するスペースを埋込ボックス内に確保することができ、その結果、埋込ボックス内に収まり良く収納することができる。さらに、各取付部12bの裏面に補強リブ12hを設けることによって取付部12の強度を高めることができるので、ハンドル操作時にカバー12に割れや変形が発生するのを抑えることができ、結果的に器具ブロック1が取付枠2から脱落するのを抑えることができる。
【0038】
また本実施形態によれば、上述の器具ブロック1を用いることによって、複数種類の大きさのハンドル4に対応可能なスイッチ装置Aを提供することができる。さらに、ハンドル4を取り外した状態では、取付枠2の開口部21においてカバー12で覆われていない部位から充電部分に作業者が接触する可能性があるが、上記部位をブランクチップ5で塞ぐことで作業者が充電部分に接触するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 器具ブロック
2 取付枠
4 ハンドル
11 ボディ
12 カバー
12b 取付部
13 反転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線器具用の取付枠に着脱自在に取り付けられ、操作用のハンドルが前面側に揺動自在に取り付けられる器具ブロックにおいて、前面側が開口する箱状のボディと、前記ボディの前面開口を閉塞するようにして前記ボディに取り付けられるカバーとを備え、前記カバーの前面には揺動方向に応じて内部接点を反転させる反転部が設けられ、前記反転部には前記ハンドルが着脱自在に取り付けられており、前記カバーには当該カバーを前記取付枠に取り付けるための取付部が前記ボディよりも外側に突出する形で設けられていることを特徴とする器具ブロック。
【請求項2】
前記カバーには、前記ハンドルを揺動させた際に前記ハンドルが当接するのを避けるための逃がし溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の器具ブロック。
【請求項3】
前記取付部の後面側に補強リブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の器具ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の器具ブロックと、前記器具ブロックが着脱自在に取り付けられる埋込型配線器具用の取付枠と、前記器具ブロックの前面側に揺動自在に取り付けられる操作用のハンドルとを備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
前記取付枠の開口部において前記カバーで覆われていない部位を塞ぐブランクチップを備えていることを特徴とする請求項4記載のスイッチ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−26036(P2013−26036A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160181(P2011−160181)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】