説明

噴霧されたポリウレタンウレアを含む複合部品

【課題】 ポリウレタン層とポリエステルゲルコートとの界面間の向上した接着性を有する複合品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、不飽和ポリエステル樹脂ゲルコート、少なくとも1つの噴霧可能なポリウレタンウレア層、およびチョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂層を含んでなる複合品に関する。本発明はまた、これらの複合品の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧されたポリウレタンウレアを含む複合部品、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
美的表示面を有する繊維強化複合品は、レジャー用船舶船体、水上バイク、水上機のフロート(sea plan pontoons)、温水浴槽、スイミングプールおよび水環境において使用される他のアイテムとしての使用に適している。長年月にわたって、様々な船舶船体およびファイバーグラス強化品が多段階方法によって作製されてきた。
【0003】
その方法は、その品目に望ましい種類の表面で作出される雌型を必要とする。船舶船体の場合では、それは一般に非常に滑らかで光沢がある。その金型には剥離塗料が塗布され、その金型表面には比較的厚い「ゲルコート」が噴霧される。一般に、そのゲルコートはその品目の所望の最終色に着色され、概して繊維強化材は使用されていない。ゲルコートの適用後にファイバーグラス複合体が構築され、そのファイバーグラス複合体は、一般にいくつかの層で構成される。強化材の大部分は、ガラス繊維を、チョップトファイバー、フェルトマット、織布、一方向テープなどの形態で含む。ポリアラミド、炭素および高密度ポリオレフィンのような繊維も、多大なストレスまたは負荷を受ける船体の一部に使用され得る。
【0004】
典型的な構造レイアップには、ゲルコート上に適用される硬化性ポリエステルの層、続いて、ファイバーグラスマットの層が含まれる。多くの場合、このポリエステルはチョップトファイバーグラスを含み、そのチョップトファイバーグラスはこの最初のポリエステル層(スキンコートまたはバッカー層)に圧縮されていなければならない。チョップトファイバーグラス層およびファイバーグラスマット層はともに、完全浸潤を保証するために、そして封入気泡をなくすために、一般にはハンドローリングされる。追加の樹脂およびマットが適用され、それらのステップが繰り返され、その後、チョップトファイバーグラスおよび樹脂の混合物の噴霧が行われる。最後の層は、通常、適切な外観を与え、全ての露出繊維を被覆する正味の樹脂である。一度、複合材料レイアップを硬化させたら、それは型から取り出される。この方法により、種々の厚さのボート船体を製造することが可能になる。
【0005】
特許文献1では、噴霧可能なウレタン樹脂組成物およびこれらの噴霧可能な樹脂組成物を製造するための方法について開示されている。これらのウレタン樹脂は、単独で使用して、充填剤を含まないゲルコートを形成し得るし、またはそれらは不飽和ポリエステル硬化ゲルコート上に噴霧し得る。これらのウレタン樹脂は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはそのプレポリマーを含むA面と、自己触媒ポリオール(一般に、OH価が600未満である芳香族アミンポリオール)および反応性ポリオールとして、さらに粘度低下剤としての粘度低下量のテトラエチレングリコール、ならびに迅速な反応をもたらし、AおよびB混合物の混合により硬化させる触媒を含むB面を含む。強化用繊維としてチョップトグラスを使用し得る。
【0006】
特許文献2では、噴霧可能なウレタン樹脂組成物および噴霧技術を用いる繊維強化ポリウレタンの製造方法について開示されている。ウレタン樹脂のポリオール成分は、ポリエーテルポリオールアミン、無窒素ヒドロキシ末端ポリエーテルおよびスクロース開始型ポリエーテルポリオールを含む。スプレーガンに接続されたチョッパーユニットに繊維を供給し、それにより繊維を適当な長さに切断し、それらの繊維を、ポリウレタン樹脂に加えて金型表面上に噴霧し得る。このように、この参考文献では、噴霧技術による繊維強化ポリウレタン樹脂の製造について開示されている。これらはこれまでに知られている繊維強化プラスチックの好適な代替物である。
【0007】
不飽和ポリエステルおよびイソシアネートプレポリマーを含む硬化性組成物、およびこれらの組成物を用いたゲルコート加工済み造形品の製造方法については、特許文献3および4に開示されている。その方法は、a)金型の表面上に不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート層を適用すること、b)5〜7分後にそのゲルコート層上にバッカー層を適用すること、c)5〜8分後にそのバッカー層上に、所望により、強化材と混合された、ポリウレタン系からなる層を適用すること、およびd)その得られた複合材料を硬化させることを含む。b)におけるバッカー層は、i)50〜75重量%の不飽和ポリエステル樹脂、ii)3〜25重量%の、NCO基含量が16〜27%の擬プレポリマー、iii)0.5〜5重量%の、(A)不飽和ポリエステル樹脂の触媒、(B)ポリエステル樹脂の少なくとも1種類の促進剤、および(C)所望により、イソシアネート三量化触媒から本質的になる硬化系、ならびにiv)0〜100重量%の、バッカー層のチキソトロピー挙動を調節するか、またはその強度を向上させ、収縮を減少させる添加剤から本質的になる。
【0008】
特許文献5では、衝撃損傷および水の透過に対して例外的な耐性を示すゲルコートおよび構造用繊維強化複合材料を生み出すことが可能な疎水性の極めて強いポリオールを使用する二液型ポリウレタン系について開示されている。これらの系は、レイアップおよび硬化中、本質的に無排気である。この出願のゲルコートおよびマトリックス樹脂は両方とも、二液型ポリウレタン系を含んでなり、好ましくは、少なくとも1種類の疎水性の極めて強いポリオールを高率で含んでなる。そのゲルコートは、実質的に、疎水性脂肪族ポリオール、所望により、低分子量脂肪族架橋剤、および脂肪族イソシアネートプレポリマーを含む脂肪族系である。そのマトリックス樹脂は、好ましくは、芳香族イソシアネートプレポリマーおよびそのゲルコートよりも疎水性が低くてよい疎水性ポリオールである。
【0009】
低VOC(揮発性有機化合物)、低粘着性ゲルコート樹脂については、特許文献6に開示されている。これらのゲルコートは、無水マレイン酸および約30重量%までの有機溶媒から得られる不飽和ポリエステル樹脂を含む。この方法は、(A)ジカルボン酸と少なくとも1種類のポリオールを含む第1の反応混合物を作製すること、(B)その第1の反応混合物を反応させて、第1の反応生成物を作製すること、(C)その第1の反応生成物と、無水マレイン酸およびモノカルボン酸を含むさらなる反応モノマーを含む第2の反応混合物を作製すること、ならびに(D)その第2の反応混合物を反応させて、不飽和ポリエステル樹脂を作製することを含む。この不飽和ポリエステル樹脂は、(a)スチレン溶液における高剪断粘度(少なくとも500秒−1)、(b)ガラス転移温度11℃以上、および(c)重量平均分子量6,050以下を特徴とする。
【0010】
不飽和ポリエステル樹脂を製造するための方法については、特許文献7に記載されている。この方法は、エチレン不飽和を有する少なくとも1種類のカルボン酸またはその対応する無水物を少なくとも1種類の低分子量飽和一価アルコールと反応させて、半エステルを作製することを含む。この半エステルを、次いで、少なくとも1種類の多価アルコールと縮合反応により反応させて、低酸価の最終生成物を得る。得られた樹脂は、酸価が50mg KOH/gより低く、最初の酸と飽和一価アルコールとの反応を行わないで、カルボン酸とポリオールを反応させる標準的なエステル樹脂合成方法を用いて製造される同様の樹脂よりもスチレンへの溶解性が高い。
【0011】
2004年10月4日出願の同一出願人による特許文献8では、ポリエステル−ポリウレタン複合材料について開示されている。これらの複合材料は、不飽和を有するポリエステルマトリックスとポリウレタンマトリックスを含む。これらの複合材料は、ポリウレタンマトリックスがヒドロキシル官能基と不飽和官能基の両方を有する少なくとも1種類のポリエーテルを含む場合に向上した接着性を示すことが記載されている。
【0012】
特許文献9では、多層繊維強化ポリマー造形品およびそれらの製造方法について記載されている。その最上層は熱硬化性ポリエステル樹脂を含んでなり、支持層は繊維強化熱硬化性高密度ポリウレタンフォームを含む。ポリウレタンフォームの支持層は2層以上存在していてよい。
【0013】
金型内での仕上げ処理用のゲルコート組成物およびこれらから製造される複合品については、特許文献10に記載されている。それらの複合品は、ゲルコート層、ラミネート層、および好ましくは、そのゲルコート層とそのラミネート層との間に配置されたバリヤー層を含む。好適なラミネートは20〜60重量%の強化用繊維を含み、低収縮低密度グラスファイバー入りポリエステル樹脂を含んでいてよい。
【0014】
特許文献11および12では、調整可能な混合粘度を有するポリウレタン生成反応混合物を含浸したジオテキスタイルについて記載された。その反応混合物の粘度は、その反応混合物をジオテキスタイルに適用する前に、ジアミン、ポリアミン、および/またはアミン末端ポリオールを加えることにより調整される。特許文献13に記載されているように、これらの反応混合物は、それを含浸させるためにジオテキスタイル上に噴霧される。
【0015】
【特許文献1】米国特許第4,543,366号
【特許文献2】米国特許第5,614,575号
【特許文献3】米国特許第5,904,986号
【特許文献4】米国特許第5,936,034号
【特許文献5】米国特許出願第2005/0075450号
【特許文献6】米国特許第6,617,395号
【特許文献7】米国特許第6,107,446号
【特許文献8】同時係属米国出願番号第10/957,993号
【特許文献9】米国特許第5,543,225号
【特許文献10】国際公開第2004/013236 A2号
【特許文献11】米国特許第6,632,875号
【特許文献12】米国特許第6,821,059号
【特許文献13】米国特許第6,821,059号
【特許文献14】米国特許第3,396,067号
【特許文献15】米国特許第2,255,313号
【特許文献16】米国特許第5,106,874号
【特許文献17】米国特許第5,576,382号
【特許文献18】米国特許第5,648,447号
【特許文献19】米国特許第5,670,601号
【特許文献20】米国特許第5,677,413号
【特許文献21】米国特許第5,728,745号
【特許文献22】米国特許第5,849,944号
【特許文献23】米国特許第5,965,778号
【特許文献24】米国特許第5,233,009号
【特許文献25】米国特許第4,829,094号
【特許文献26】米国特許第4,843,104号
【特許文献27】米国特許第4,902,722号
【特許文献28】米国特許第5,244,613号
【特許文献29】米国特許第5,614,575号
【特許文献30】米国特許第6,294,248号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の利点としては、ポリウレタン層とポリエステルゲルコートとの界面間の向上した接着性が含まれる。その界面には、通常、ゲルコート表面上に直接適用される繊維強化スキンコートをハンドローリングした結果として生じることの多いボイドも存在しない。そのポリウレタンウレアスキンコートでは、グラスファイバーを組み込む際にハンドローリングする必要はない。また、そのポリウレタンウレアスキンコートでは、垂直面に適用する際に垂れ流れもしない。FRP(繊維強化プラスチックまたは繊維強化ポリマー)の硬化性厚形材からの放出熱を分散するために、ポリウレタンウレア層に充填剤を任意で使用することにより、より高価な中空球の必要もなくし得る。次のラミネート層のポリウレタンウレア層への接着は優れている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、噴霧されたポリウレタンウレアを含む複合部品、およびこれらの複合部品の製造方法に関する。
【0018】
本発明の複合部品は、
(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコート;
(B)少なくとも1つの噴霧可能なポリウレタンウレア層;
および
(C)チョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂層
を含む。
その噴霧可能なポリウレタンウレア層(B)は、
(1)少なくとも1種類のポリイソシアネート成分
と、
(2)以下を含むイソシアネート反応性成分:
(a)20重量%以下の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が約1,500〜約8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約70〜約95重量%の、官能価が2.5〜8であり、分子量が200〜1,500未満である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約0.5〜約10重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が(2)イソシアネート反応性成分の100重量%となる);
との反応生成物を含む。
【0019】
本発明はまた、これらの複合材料の製造方法にも関する。この方法は、
(I)好適な基材に(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートを適用すること;
(II)(I)において形成されたゲルコート上に、ポリウレタンウレアの少なくとも1つの層を噴霧すること
および
(III)(II)において形成されたポリウレタンウレア層上に(C)チョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂層を適用すること
を含む。
この方法のステップ(II)において噴霧されるポリウレタンウレアは、(1)少なくとも1種類のポリイソシアネート成分と(2)少なくとも1種類のイソシアネート反応性成分との上記反応生成物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書において、スキンコートとは、ゲルコートと直接接触している層を指す。バリヤーコートおよび/またはバッカー層とは、スキンコートと同じ意味を有しているため、スキンコートと同義的に用いてよい。
【0021】
本発明に従って、成分(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートとして使用するのに好適な材料としては、例えば、少なくともジオール成分を少なくともポリカルボン酸成分と重縮合させ、反応性硬化性モノマーを含めることにより生成するものが挙げられる。そのような不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートについては、例えば、特許文献3および特許文献4に記載されており、それらの開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる。それらには、ジ−またはポリカルボン酸および/もしくはそれらの無水物と、ジ−またはポリ−アルコールとの反応生成物を含んでなり、エチレン不飽和を有するものなどの従来の不飽和ポリエステル樹脂の全てが含まれる。そのエチレン不飽和は、ポリカルボン酸自体により提供されるかもしれないし、またはエチレン不飽和を有する1種類以上の共重合可能な化合物のポリエステルへの包含によって生じるかもしれない。
【0022】
本発明に従って樹脂組成物を製造するのに使用し得るポリエステル樹脂に関連する一般的な情報は、様々な参考文献、例えば、the Condensed Chemaical Dictionary (10th Ed.), G. D. Hawley (Reviser), Van Nostrand Reinhold (NY), 1981, p 830;Encyclopaedia of Polymer Science and Technology, H. F. Mark, N. G. Gaylord, and N. M. Bikales (Eds.), John Wiley and Sons, NY, 1969, Vol. 11, p 62-168;特許文献14;および特許文献15(それらの開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)などに示されている。
【0023】
これらの不飽和ポリエステルは、例えば、C2−20アルカンジオールまたはC2−20アリールジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(NPG)、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール、ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジシクロペンタジエングリコール、もしくはジブロモネオペンチルグリコールなど)であり得るジオール成分と;例えば、C4−28アルケニル二酸、C4−28アリール二酸、またはその無水物(例えば、無水マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、テトラブロモフタル酸およびテトラクロロフタル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、もしくはアコニット酸など)であり得るポリカルボン酸成分との反応生成物を含む。好ましいジオールとしては、プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールが挙げられ、好ましいカルボン酸としては、無水オルトフタル酸、イソフタル酸、無水マレイン酸および無水フタル酸が挙げられる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、特許文献6(その開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載のとおり、これらの不飽和ポリエステルは、第1の段階においてジカルボン酸とポリオールとを約200℃にて約7時間反応させることにより製造される。この第1の段階は、酸価約10mg KOH/g未満、好ましくは、約8mg KOH/gで停止させる。第2の段階において、無水マレイン酸および飽和モノカルボン酸を加え、その反応を、約200℃にて約10時間、酸価約10mg KOH/g未満まで進行させる。
【0025】
エチレン不飽和を有するポリエステルは、粘性が高すぎて噴霧に適用し得ないことが多いため、より低粘性の、不飽和ポリエステルと共重合可能な1種類以上の化合物を含めるか、または加えてよい。一般に、これらの材料を反応性希釈液と呼んでいる。そのような反応性希釈液のいくつかの例としては、例えば、スチレン、a−スチレン、ビニルトルエン、ビニルピロリドン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ジビニルベンゼンおよびジオール(エタンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールなど)のジ(メト)アクリル酸エステルが挙げられる。反応性希釈液としてスチレンを含む上述のポリエステルが最も好ましい。ポリエステルマトリックスの重量に対して50重量%まで、より好ましくは、10〜50重量%、最も好ましくは、20〜50重量%の、不飽和官能基を有するこれらの化合物を含む上述のポリエステルが好ましい。
【0026】
ポリエステル樹脂系において有用な、架橋反応のための触媒系は、有機過酸化物に基づいたものであり得る。好適な有機過酸化物のいくつかの例としては、メチルエチルケトンペルオキシド(MEKP)のような化合物、ならびにコバルト塩および第三級アミンのような促進剤が挙げられる。
【0027】
本発明のゲルコーティング樹脂組成物は、所望により、硬化促進剤として金属化合物を含んでいてよい。不飽和ポリエステル樹脂において促進剤としてよく使用される金属化合物を使用してよく、それらとしては、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト、二価アセチルアセトナトコバルト、三価アセチルアセトナトコバルト、ヘキサン酸カリウム、ナフテン酸ジルコニウム、アセチルアセトナトジルコニウム、ナフテン酸バナジウム、2−メチルヘキサン酸バナジウム、アセチルアセトナトバナジウム、アセチルアセトナトバナジル、およびアセチルアセトナトリチウムが挙げられる。これらの化合物は、独立にまたは互いに組み合わせても使用し得る。それらは、必要に応じて、他の公知の促進剤、例えば、アミン、リン含有化合物、およびβ−ジケトンと組み合わせてよい。
【0028】
硬化促進剤の添加量は、所望のゲル化時間に応じて適切に調整する。好ましくは、金属成分に関しては、0.0001〜0.12重量部で添加する。もし生成した樹脂組成物を40℃以上の温度で成形加工するならば、硬化促進剤の使用は任意である。
【0029】
不飽和ポリエステル樹脂系は、100重量部(pbw)の、反応性希釈液を含むポリエステル樹脂、1〜5pbwの触媒系および20〜40の顔料、ならびに添加剤を混合することにより製造することができる。その不飽和ポリエステル樹脂系は金型上に噴霧され、それを硬化させる。
【0030】
ゲルコートとして使用される不飽和ポリエステル成分は、所望により、1種類以上の顔料および/または染料を含んでいてよい。好適な顔料および/または染料(例えば、有機および無機化合物を含む)も存在してよい。好適な無機顔料としては、例えば、酸化物顔料(酸化鉄、二酸化チタン、酸化ニッケル、酸化クロムおよびコバルトブルーなど)、また、硫化亜鉛、ウルトラマリン、希土類硫化物、バナジウム酸ビスマス、さらに本発明の目的で顔料と考えられるカーボンブラックが挙げられる。特にこのカーボンブラックは、気体または炉内プロセスによって得られる酸性〜アルカリ性カーボンブラック、また、化学表面修飾カーボンブラック(例えば、スルホン基またはカルボキシル基を有するカーボンブラック)である。好適な有機顔料としては、例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、アゾレーキ系、a−ナフトール系、ナフトールAS系、ベンゾイミダゾロン系、ジアゾ縮合系、アゾ金属錯体系、イソインドリノン系およびイソインドリン系のもの、さらに、例えば、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系およびジケトピロロピロール系の多環式顔料が挙げられる。好適な顔料には、記載した顔料の固溶体、例えば、カーボンブラック被覆金属、マイカもしくはタルク顔料(例えば、酸化鉄被覆マイカCVD)などの有機および/または無機顔料を含む有機および/または無機顔料の混合物、また、記載した顔料間での混合物も含まれる。他の好適な顔料としては、レーキ化染料、例えば、スルホン基および/またはカルボキシル基を有する染料のCa、MgおよびAlレーキが挙げられる。公知のアゾ金属錯体顔料またはそれらの互変異性型の群からの顔料もまた好適である。他の好適な顔料としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウム)粉顔料が挙げられる。また、金属粉、とりわけ、アルミニウム粉には、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプがある。
【0031】
この熱硬化性ポリエステル組成物には、所望により、難燃剤、界面活性剤、酸化防止剤、UV安定剤、不活性充填剤(例えば、タルク、マイカなど)、離型剤、およびたるみ、ピンホール、アイホールまたは他の加工欠陥を生じさせないで厚い均一な塗膜として噴霧することができる組成物を与える他の周知の加工充填剤も含めてよい。
【0032】
本発明のゲルコーティング樹脂組成物には、必要に応じて、様々な添加剤、例えば、有機または無機チキソトロープ、安定剤、消泡剤、および均展材をさらに組み込んでよい。
【0033】
好適な有機および無機チキソトロープとしては、例えば、シリカ粉末、アスベスト粉末、水素化ヒマシ油、脂肪酸アミド、および他の公知のチキソトロープが挙げられる。これらのチキソトロープは、それら単独でまたは混合物として使用し得る。
【0034】
チキソトロピーを与えることにより、塗装作業の効率、塗膜形成能および均展性を向上させることができ、ゲルコート塗膜の不連続性などの欠陥の発生を実質的になくすことができる。さらなる利点として、噴霧などの機械的塗装作業を、溶媒を使用することなく行うことができる。
【0035】
本発明に従って、ゲルコート層は、従来の技術、例えば、SPI Handbook of Technology and Engineering or Reinforced Plastics/Composites, Van Norstrand Reinhold Company, N.Y.に記載されているものを用いて金型に適用することができる。ゲルコート層の厚さは、一般に、2〜50ミル、好ましくは、10〜40ミル、より好ましくは、15〜30ミルである。
【0036】
本発明に従って、ポリウレタンウレア層は、
(1)少なくとも1種類のポリイソシアネート成分
と、
(2)以下を含むイソシアネート反応性成分:
(a)20重量%以下、好ましくは、5〜15重量%の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約70〜約95重量%、好ましくは、80〜90重量%の、官能価が2.5〜8であり、分子量が200〜1,500未満である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約0.5〜約10重量%、好ましくは、約2〜約5重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が成分(2)イソシアネート反応性成分の100重量%となる);
との反応生成物を含む。
【0037】
ポリウレタンウレア層の成分(1)として使用するのに好適なポリイソシアネートとしては、例えば、NCO基含量が15〜60%、好ましくは、18〜40重量%、より好ましくは、20〜34重量%、最も好ましくは、22〜33重量%であるものが挙げられる。本発明に従って使用し得る好適なポリイソシアネートとしては、ジイソシアネートモノマー、液体ポリイソシアネートおよびNCOプレポリマー、好ましくは、ポリイソシアネート付加物が挙げられる。好適なジイソシアネートモノマーは、式R(NCO)(式中、Rは、分子量が約56〜1,000、好ましくは、約84〜400である有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる有機基を表す)により表すことができる。本発明の方法に好ましいジイソシアネートは、上式(式中、Rは4〜12個の炭素原子を有する二価脂肪族炭化水素基、6〜13個の炭素原子を有する二価脂環式炭化水素基、7〜20個の炭素原子を有する二価芳香脂肪族炭化水素基または6〜18個の炭素原子を有する二価芳香族炭化水素基を表す)により表されるものである。好ましいジイソシアネートモノマーは、Rが芳香族炭化水素基を表す場合のものである。
【0038】
好適な有機ジイソシアネートの例としては、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−2−イソシアナトメチルシクロペンタン、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、すなわち、IPDI)、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−および1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナト−3−メチル−シクロヘキシル)メタン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−および/または−1,4−キシリレンジイソシアネート、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−および/または2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。3個以上のイソシアネート基を有する芳香族ポリイソシアネート、例えば、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびアニリン/ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化することにより得られるポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)も使用してよい。
【0039】
本発明に従って、ポリイソシアネート成分の少なくとも一部は、NCOプレポリマーまたはポリイソシアネート付加物、好ましくは、ポリイソシアネート付加物の形で存在してよい。好適なポリイソシアネート付加物としては、アロファネート基および/またはカルボジイミド基を有するものが挙げられる。そのポリイソシアネート付加物は、平均官能価が2.0〜4であり、NCO含量が5〜48重量%である。好適な付加物/プレポリマーとしては、以下のタイプの成分:ウレタン基を有するポリイソシアネート、アロファネート基を有するポリイソシアネート、およびカルボジイミド基を有するポリイソシアネートが挙げられる。
【0040】
本発明に従ってポリイソシアネート成分として同様に使用し得るNCOプレポリマーは、上述のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート付加物、好ましくは、ジイソシアネートモノマー、および少なくとも2個のイソシアネート反応性基、好ましくは、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する有機化合物から製造される。これらの有機化合物としては、分子量が500〜約5,000、好ましくは、800〜約3,000である高分子量化合物、所望により、分子量が400未満の低分子量化合物が挙げられる。その分子量は数平均分子量(M)であり、末端基分析(OH価)により決められる。ポリイソシアネートを排他的に低分子量化合物と反応させることにより得られる生成物は、ウレタン基を有するポリイソシアネート付加物であり、NCOプレポリマーとはみなされない。
【0041】
本発明のポリイソシアネートは芳香族ポリイソシアネートであることが好ましい。好適な芳香族ポリイソシアネートのいくつかの例が、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、ならびにそれらの混合物である。3個以上のイソシアネート基を有する芳香族ポリイソシアネート、例えば、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびアニリン/ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化することにより得られるポリメチレンポリ(フェニル−イソシアネート)も使用してよい。本発明に従って成分(1)に好ましいのは、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体混合物およびそれらとジフェニルメタンジイソシアネートポリマーとの混合物、ならびにそれらのウレタン付加物である。
【0042】
本明細書におけるポリウレタンウレア層の、イソシアネート反応性成分、すなわち、成分(2)は、
(a)20重量%以下、好ましくは、5〜15重量%の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約70〜約95重量%、好ましくは、80〜90重量%の、官能価が2.5〜8であり、分子量が200〜1,500未満である、以下を含む少なくとも1種類の架橋剤;
(1)20〜80重量%の少なくとも1種類のスクロース開始型架橋剤、
および
(2)20〜80重量%の少なくとも1種類のアミン開始型架橋剤、
(ここで、(1)および(2)の合計が架橋剤(b)の100重量%となる);
および
(c)約0.5〜約10重量%、好ましくは、2〜5重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
を含む。
【0043】
本明細書におけるイソシアネート反応性成分の成分(a)として使用される好適な高分子量ポリエーテルポリオールは、一般に、分子量が少なくとも約1,500、好ましくは、少なくとも約2,000である。成分(a)の高分子量ポリエーテルポリオールはまた、一般に、分子量が約8,000以下、好ましくは、約6,000以下であることもある。さらに、その高分子量ポリエーテルポリオールは、分子量が、例えば1,500〜8,000、好ましくは、2,000〜6,000を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってもよい。
【0044】
高分子量ポリエーテルポリオールの官能価は、一般に、少なくとも約1.8、好ましくは、少なくとも約2.0である。その高分子量ポリエーテルポリオールの官能価はまた、一般に、約3.5以下、好ましくは、約3.0以下であることもある。さらに、その高分子量ポリエーテルポリオールは、官能価が、例えば、約1.8〜約3.5、好ましくは、約2.0〜約3.0を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってもよい。
【0045】
成分(a)に好適なポリエーテルポリオールには、KOH触媒による、一定量の不飽和を本質的に有する従来のポリエーテルポリオールも、低不飽和ポリエーテルポリオールである上述のポリエーテルポリオールも含まれる。低不飽和ポリエーテルポリオールは、一般に、DMC触媒による。
【0046】
本明細書において好適なKOH触媒ポリエーテルポリオールは、当技術分野で公知であり、1種類以上の好適な反応性水素原子含有出発化合物と、酸化アルキレン(例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリン、およびそれらの混合物など)との反応により製造し得る。好適な反応性水素原子含有出発化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、水、メタノール、エタノール、1,2,6−ヘキサントリオール,1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、スクロース、フェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,1,1−または1,1,2−トリス−(ヒドロキシフェニル)−エタンなどのような化合物が挙げられる。
【0047】
本発明の成分(a)に好適な低不飽和ポリエーテルポリオールは、上限が0.01ミリグラム当量/gの不飽和、好ましくは、0.007ミリグラム当量/g以下の不飽和を有する。これらの低不飽和ポリエーテルポリオールは公知であり、例えば、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献222および特許文献23に記載されており、それらの開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
【0048】
本明細書におけるイソシアネート反応性成分の、架橋剤、すなわち、成分(b)として使用するのに好適な化合物は、一般に、分子量が少なくとも約200、好ましくは少なくとも約300である。成分(b)に好適な架橋剤はまた、一般に、分子量が約1,500未満、好ましくは、約1,000以下であることもある。さらに、その架橋剤は、分子量が、(特に断りのない限り)例えば、200〜1,500未満、好ましくは、300〜1,000を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってもよい。
【0049】
架橋剤の官能価は、一般に、少なくとも約2.5、好ましくは、少なくとも約3.0である。その架橋剤の官能価はまた、一般に、約8以下、好ましくは、約6.0以下であることもある。さらに、その架橋剤は、官能価が、例えば、約2.5〜約8.0、好ましくは、約3.0〜約6.0を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってもよい。
【0050】
本発明に従って架橋剤として使用するのに好適な化合物の例としては、上述の分子量および/または官能価の範囲を満たしているという条件で、例えば、ジオール、トリオール、ポリオール、ジアミン、トリアミンなどのような化合物、およびそれらの混合物、ならびにそれらの様々なアルコキシル化生成物などが挙げられる。具体的に言えば、これらの化合物に基づく様々な酸化エチレン付加物および/または酸化プロピレン付加物が好ましく、ただし、その付加物の分子量は分子量に関する上述の要件を満たしているものとする。可能なスターターとして使用するのに好適なジオール、トリオール、およびポリオールなどとしては、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−および2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、マンニトール、フルクトース、デンプン加水分解物、糖類および多糖類誘導体(α−メチルグルコシドおよびα−ヒドロキシエチルグリコシド)などが挙げられる。好適なジアミンおよびトリアミンとしては、限定されるものではないが、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチレントリアミン、アンモニア、アンモニアのアルコキシル化によって製造することができるアミノアルコール、2,4’−、2,2’−および4,4’−メチレンジアニリン、2,6−および/または2,4−トルエンジアミンおよびビシナルトルエンジアミン、p−アミノアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、メチレンジアニリンとその高級同族体の混合物、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、ならびに1,4−ジアミノブタンが挙げられる。エチレンジアミンおよびトルエンジアミンがとりわけ好ましい。スターターとして使用するのに好ましいポリオールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、スクロース、ソルビトール、ならびにこれらの化合物の酸化プロピレン付加物および酸化エチレン/酸化プロピレン付加物が挙げられる。
【0051】
本発明に従って架橋剤として使用するのにとりわけ好ましい化合物群は、分子量が約350〜500であり、官能価が約4であり、OH価が約450〜650であり、エチレンジアミンのプロポキシル化付加物を含む。
【0052】
架橋化合物として使用するのにとりわけ好ましいもう1つの化合物群は、分子量が450〜1000であり、官能価が3〜6であり、OH価が約330〜380であるスクロースのプロポキシル化付加物またはスクロースと水の混合物である。
【0053】
本明細書におけるイソシアネート反応性成分の、鎖延長剤、すなわち、成分(c)として使用するのに好適な化合物は、一般に、分子量が少なくとも約60、好ましくは、少なくとも約100である。成分(c)に好適な鎖延長剤はまた、一般に、分子量が約250以下、好ましくは、約200以下であることもある。さらに、その鎖延長剤は、分子量が、(特に断りのない限り)、例えば、60〜約250、好ましくは、100〜200を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってもよい。
【0054】
本発明に従って、成分(c)として使用するのに好適な鎖延長剤は、一般に、官能価が約2である。好適な鎖延長剤は、複数のヒドロキシル基、複数のアミン基または1個のヒドロキシル基と1個のアミン基(すなわち、アミノアルコール)を有していてよい。本発明によれば、アミン基を有する鎖延長剤を使用することがとりわけ好ましい。ジオールを鎖延長剤として使用する場合には、常にジアミンまたはアミノアルコールと組み合わせてそれらを使用する。
【0055】
本発明に従って鎖延長剤、すなわち、成分(c)として使用するのに好適な化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,3−および1,4−および2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ならびに2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールが挙げられる。
【0056】
本発明の成分(c)として使用するのに好適なアミン化合物としては、有機第一級アミン、第二級アミン、およびアミノアルコールが挙げられる。これらの化合物のいくつかの例としては、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン(EDA)、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、イソホロンジアミン(IPDA)、エタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロ−ヘキサン、ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン、それらの混合物などが挙げられる。
【0057】
他の好適なアミンとしては、例えば、1,3,3−トリメチル−1−アミノメチル−5−アミノシクロヘキサン(IPDA)、1,8−p−ジアミノメンタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)−メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−(ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)ブタン、2,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4−アミノシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、および2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
【0058】
芳香族ジアミン、例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、2,4−および/または2,6−ジアミノトルエン、2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−および/または2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンおよび/または1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン(すなわち、DETDA)、1,3,5−トリメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−2,6−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン(すなわち、ETHACURE300);4,6−ジメチル−2−エチル−1,3−ジアミノベンゼン;3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4−ジアミノジフェニルメタン;3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;2,4,6−トリエチル−m−フェニレンジアミン(TEMPDA);3,5−ジイソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;3,5−ジ−sec−ブチル−2,6−ジアミノトルエン;3−エチル−5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4,6−ジイソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミン;3−イソプロピル−2,6−ジアミノトルエン;5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4−イソプロピル−6−メチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4−メチル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−tert−ブチル−m−フェニレン−ジアミン;4−エチル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−tert−ブチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロペンチル−6−エチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロヘキシル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジシクロペンチル−m−フェニレンジアミンなどもまた好適である。そのようなジアミンは、当然、混合物としても使用し得る。
【0059】
さらに、芳香族ポリアミンは、立体障害を受ける鎖延長剤と混合して使用することができ、それらとしては、例えば、2,4−および2,6−ジアミノトルエン、2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−および1,4−フェニレンジアミン、ナフタレン−1,5−ジアミンおよびトリフェニル−メタン−4,4’,4”−トリアミンが挙げられる。二官能性および多官能性芳香族アミン化合物は、4,4’−ジ−(メチルアミノ)−ジフェニルメタンまたは1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノ−ベンゼンのように、排他的にまたは部分的に第二級アミノ基を有していてもよい。
【0060】
好ましい鎖延長剤は、エチレンジアミン(EDA)、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、1,3,3−トリメチル−1−アミノメチル−5−アミノシクロヘキサン(IPDA)、ならびにジエチルトルエンジアミン(DETDA)の様々な異性体およびその異性体混合物である。好ましい異性体混合物は、75〜81重量%のジエチルトルエンジアミン2,4−異性体および21〜25重量%のジエチルトルエンジアミン2,6−異性体を含む。本明細書における(c)として使用するのにとりわけ好ましい化合物はIPDAである。
【0061】
ジアミンは本発明の不可欠な部分である。ジアミンは、ポリウレタンウレアの物理的性質、例えば、硬度および曲げ弾性率の増加のために積極的に貢献することのほかに、ポリウレタンウレアがゲルコート表面上に適用される場合に、そのポリウレタンウレアが確実に残るように作用する粘度調整剤としての役割を果たす。そういったことで、反応ポリウレタンウレアの混合粘度を迅速に高めることにより、混合前に個々の成分1)または2)の粘度を高めることなく、ポリウレタンウレアが適用された垂直面からそのポリウレタンウレアが流れ落ちることが回避される。
【0062】
本発明には触媒も使用することができるが、それらの触媒は、最初の硬化ではなく反応ポリウレタンウレア塊のスルー硬化(through cure)を触媒することが望ましい。使用することができる好適な触媒は、ビスマス含有触媒(例えば、Cosan Chemical Co.から入手可能なCOSCAT 84)、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン(DABCO))、ならびに有機金属触媒(例えば、オクタン酸第一スズ、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチドなど)である。他の好適な触媒については、特許文献24に開示されており、その開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる。好ましくは、その触媒はトリエチレンジアミンの酸ブロックト型である。これらの触媒は当業者には遅延作用として見なされている。このタイプの遅延作用触媒の好適なバージョンは、Air ProductsからDabco(登録商標)という商品名で入手可能である。
【0063】
ポリオール成分(またはイソシアネート成分)には水分を吸収する1種類以上の添加剤を含めることができる。とりわけ好適な、そのような添加剤はモレキュラーシーブ、例えば、合成ゼオライトであり、これは一般にヒマシ油との混合物(1:1重量比)としてポリオール成分に加えられる。そのような一材料は、BayerからBAYLITH−L−PASTEという商品名で入手可能である。他の好適な乾燥剤には、粒径が約5ミクロン以下であり、孔径が約2.5〜4.5オングストロームである天然ゼオライトが含まれる。100重量部のイソシアネート反応性成分に対して、好ましくは、約2〜20重量部、より好ましくは、約5〜10重量部の乾燥剤を使用する。
【0064】
他の添加剤をイソシアネート反応性成分(または好ましくないがイソシアネート成分)に含めることができる例えば、一般に、ポリウレタン組成物に使用される消泡剤(ポリシロキサン消泡剤など)は、気泡の量を減少させるために使用することができる。消泡剤は、個別にまたは混合して使用することができる。一般に、100重量部のイソシアネート反応性成分に対して約0.2〜0.5重量部以下の消泡剤。
【0065】
イソシアネート反応性成分(または望ましくないがイソシアネート成分のいずれか)に使用することができる他の添加剤としては、例えば、乳化剤、表面活性安定剤、顔料、染料、UV安定剤、可塑剤、難燃剤、殺真菌薬、および殺菌薬が挙げられる。
【0066】
本発明のポリウレタンウレア層は、(e)1種類以上の充填剤をさらに含んでもよい。好適な充填剤は、100重量%の充填剤入ポリウレタンウレアに対して0〜50重量%、好ましくは、10〜40重量%、より好ましくは、15〜35重量%の量で含まれる。
【0067】
充填材は、一般に、かつ、好ましくは、イソシアネート成分とポリオール成分を混合する直前に加えられる。通常はイソシアネート反応性成分に、そのイソシアネート反応性成分をイソシアネート成分と混合する前に充填材が加えられる。その充填材は比較的乾燥しているのもでなければならず、好ましくは、その充填材は含水率が約2%未満、より好ましくは、含水率が約0.05%未満であるべきである。本発明に従って成分(e)として使用するのに好適な充填剤としては、無機化合物、例えば、フレーク、カットファイバー、またはミクロスフェア形態のガラス;セラミックミクロスフェア、マイカ、珪灰石;白雲母;炭素繊維;カーボンブラック;タルク;および炭酸カルシウムのような化合物などが挙げられる。好適な有機化合物としては、例えば、有機繊維(ポリアミド繊維など)、公知であり、例えば、特許文献25、特許文献26、特許文献27および特許文献28(それらの開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されている発泡ミクロスフェアが挙げられる。これらには、例えば、Dualite M6017AE、Dualite M6001AEおよびDualite M6029AE(全て、Pierce and Stevens Corporationから入手可能)、およびExpandocel(Nobel Industriesから入手可能)のような市販のミクロスフェアが含まれる。例えば、酸化アルミニウム三水和物、再生炭酸カルシウム、再生酸化アルミニウム三水和物、フライアッシュ、再生タイヤクラム、硫酸バリウム、シリカ、シリカ粉、バライト粉、セラミック球および繊維、ホウ素、グラファイト、珪灰石、珪藻土、カーボンブラックおよび二酸化チタンのような色を与える充填剤などのような材料もまた有用な充填剤に含まれる。そのような充填剤は、熱伝導率、電気伝導率、引張強さ、曲げ弾性率、色などを向上させるために使用することができ、繊維、球、小板、粉末、ペレットなどの形態で使用することができる。本発明の成分を混合する際に遭遇する条件下で実質的に不活性であるものが好ましい充填剤である。充填剤は、個別にまたは混合して使用することができる。好ましい充填剤はマイカおよびタルクである。
【0068】
本発明のポリウレタンウレア層は、(d)グラスファイバーをさらに含んでもよい。本発明に従って、グラスファイバーは、一般に、少なくとも2重量%、好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは、少なくとも7重量%の量で含まれる。そのグラスファイバーはまた、ポリウレタンウレア層に、一般に、25重量%以下、好ましくは、20重量%以下、好ましくは、16重量%以下の量で含まれることもある。そのグラスファイバーは、ポリウレタンウレア層に、例えば、2重量%〜25重量%、好ましくは、5重量%〜20重量%、より好ましくは、7重量%〜16重量%を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたる量で含まれてよい。グラスファイバーの重量%は、100重量%の、ポリウレタンウレア層および含有グラスファイバー(すなわち、ポリウレタンウレア層の重量とグラスファイバーの重量の合計の100重量%)に基づいている。
【0069】
ガラスは、通常、ゲルコート表面に適用されるポリウレタンウレアの流れに連続したガラスストランドが切り刻まれて入れられる連続作業でポリウレタンに導入される。ガラスは、一般に、1/4〜1・1/2インチ長に切り刻まれる。長さを長くするほどポリウレタンウレア層の耐衝撃性がより良好となり、長さを短くするほど表面がより滑らかになる。本発明では短いものが好ましい。
【0070】
本発明のポリウレタンウレアとゲルコートとの間の界面を最大限に滑らかに維持するためには、ポリウレタンウレア層にガラスをすぐに導入するのではなく、ゲルコート表面上にポリウレタンウレア単独の薄塗膜が適用されるまで遅らせることが好ましい。ガラスは、ポリウレタンウレア層が2〜25%グラスファイバーを含むように、その後のパスで導入される。もう1つの実施形態において、ポリウレタンウレアは2層に適用することができる;それらのうちの第1の層はグラスファイバーを含まないが、第2の層がグラスファイバーを、合わさった2層が2〜25%グラスファイバーを含むような量で含む。
【0071】
複合材料を作製する方法において、上述の噴霧ポリウレタンウレア組成物の使用は、例えば、特許文献29および特許文献30(それらの開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されているような方法に従ってよい。関連方法および各方法に対応するステップに関する適切な情報、好適な条件、好適な金型、離型時間、最終用途などは、これらの参考文献に記載されている。上文に記載の噴霧エラストマー組成物がこれらの参考文献の特定のエラストマー組成物で置き換えられることは明らかである。
【0072】
本発明に従って、ポリウレタンウレア層は、一般に、NCO指数が約0.90〜約1.20、好ましくは、約0.95〜約1.05であろう。
【0073】
本発明の成分(C)として使用するのに好適な不飽和ポリエステル樹脂層は、これまでにゲルコートに有用であるとされたものと同じ組成物を含む、例えば、本質的にそのような組成物のものである。最も明白な違いは、これらの層に使用される樹脂が、一般に、着色されておらず、わずかに反応性の低い希釈液を含むということである。不飽和ポリエステル樹脂層はまた、多くの場合、ポリウレタンウレア層の充填剤として上述した充填剤も含む。一般に、不飽和ポリエステルは、ジカルボン酸官能性モノマー、またはジ−カルボキシル官能性モノマーまたはそれ以上のカルボキシル官能性を有するモノマーの混合物(それらのうちの少なくとも1つがエチレン不飽和を有する)から製造される。これらのポリエステルは、カルボン酸モノマーの多価アルコールとの縮合によって得られ、商業的には、ポリエステルを、例えば、スチレンのようなモノマーに溶かして、溶液を得、それを架橋してよい。本明細書における成分C)として有用な不飽和ポリエステル樹脂の組成物に関するさらなる詳細については、例えば、特許文献7(その開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)で見出すことができる。
【0074】
さらに、不飽和ポリエステル樹脂層(C)は、一般に、チョップトグラスファイバーおよびガラス織布または不織布マット、ガラスフレークなどを含む。グラスファイバーは、いずれの時点でも不飽和ポリエステル樹脂層(C)に加えてよい、すなわち、ポリウレタンウレア層の上にポリエステル樹脂を適用する直前にグラスファイバーを加えてよいし、またはポリエステル樹脂にグラスファイバーを予め混合することもできる。一般に、ポリウレタンウレア層の場合と同様に、そのグラスファイバーは切り刻まれて噴霧される樹脂の流れに入れられる。グラスファイバーは多量であることがより好ましいため、一般に、グラスファイバーを樹脂にハンドローリングして、グラスファイバーが確実にこの層に完全に組み込まれるようにする。グラスファイバーは、一般に、不飽和ポリエステル樹脂(C)の重量に対して少なくとも15重量%、好ましくは、少なくとも25重量%、より好ましくは、少なくとも30重量%の量で含まれる。そのグラスファイバーはまた、不飽和ポリエステル層に、一般に、不飽和ポリエステル樹脂溶液(C)の重量に対して50重量%以下、好ましくは、40重量%以下、好ましくは、35重量%以下の量で含まれることもある。不飽和ポリエステル樹脂はまた、一般に、スチレンおよび/または他の反応性希釈液で希釈されもする。そのグラスファイバーは、ポリウレタンウレア層に、例えば、不飽和ポリエステル樹脂(C)の重量に対して、15重量%〜50重量%、好ましくは、25重量%〜40重量%、より好ましくは、30%〜35重量%の割合を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたる量で含まれてよい。
【0075】
本発明に従って、本明細書における複合材料を製造するための方法は、(I)好適な基材に(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートを適用すること;(II)(I)において形成されたゲルコート上に、(B)ポリウレタンウレアの少なくとも1つの層を噴霧すること、および(III)(II)において形成されたポリウレタンウレア層上に(C)チョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂を適用することを含む。各層に好適な成分は、上文に記載のとおりである。
【0076】
層(A)を適用する好適な方法としては、例えば、噴霧、はけ塗および/または注入が挙げられる。本明細書における層(A)を形成する不飽和ポリエステル樹脂は噴霧により適用されることが好ましい。層(C)を形成する不飽和ポリエステル樹脂も噴霧により適用されることが最も多いが、一部の範囲では、特にガラスマットを使用する場合には、樹脂を塗料ばけで適用するか、またはその部分に注入した後、その部分の上にハンドローリングにより圧縮することができる。ポリウレタンウレア層は上に噴霧される。
【0077】
本発明に従って、複合材料は、一般に、少なくとも1層の(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコート、場合によっては2層の(A)そのゲルコートを含む。本発明の複合材料はまた、少なくとも1層、好ましくは、少なくとも2層の(B)ポリウレタンウレア成分も含む。さらに、その複合材料は、約4層以下の(B)ポリウレタンウレア成分を含む。本発明の複合材料は、例えば、1〜4層、好ましくは、2〜4層を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたる多くの層を含んでよい。その複合材料は、少なくとも1層の(C)不飽和ポリエステル樹脂、かつ約8層以下の不飽和ポリエステル樹脂をさらに含んでなる。よって、本発明に従って、これらの複合材料は、1〜2層の不飽和ポリエステル樹脂ゲルコート、1〜4層のポリウレタンウレア、および1〜8層の不飽和ポリエステル樹脂を含む。
【0078】
ゲルコートの全ての層の合計厚さは、少なくとも約2ミル、好ましくは、少なくとも約10ミル、最も好ましくは、およそ少なくとも20ミル厚である。そのゲルコートの全ての層はまた、一般に、合計厚さが50ミル厚以下、好ましくは、40ミル厚以下、最も好ましくは、30ミル厚以下であることもある。さらに、そのポリエステルゲルコートの層全ての合計厚さは、例えば、約1〜約50約40ミル厚、好ましくは、約10〜約40約40ミル厚、最も好ましくは、約20〜約40ミル厚を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってよい。
【0079】
ポリウレタンスキンコートの全ての層の合計厚さは、少なくとも約10ミル厚、好ましくは、少なくとも約20ミル厚、最も好ましくは、少なくとも約30ミル厚である。そのポリウレタンスキンコートの全ての層はまた、一般に、合計厚さが120ミル厚以下、好ましくは、80ミル厚以下、最も好ましくは、60ミル厚以下であることもある。さらに、そのポリウレタンスキンコートの層全ての合計厚さは、例えば、約10〜約120ミル厚、好ましくは、約20〜約80ミル厚、最も好ましくは、約30〜約60ミル厚を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってよい。
【0080】
不飽和ポリエステル(C)は、いくつかの(すなわち、1〜8)層で存在し得、グラスファイバー、ガラス織物および/もしくは不織物ならびに/または炭素繊維マットを含むことができる。一般に、その不飽和ポリエステルの全ての層の合計厚さは、少なくとも約20ミル、好ましくは、少なくとも約40ミル、最も好ましくは、少なくとも約60ミル厚である。その不飽和ポリエステルの全ての層の合計厚さはまた、一般に、500ミル以下、好ましくは、300ミル以下、最も好ましくは、200ミル以下であることもある。さらに、これらの最終的な不飽和ポリエステル層の合計厚さは、例えば、約20〜500ミル、好ましくは、約40〜300ミル、最も好ましくは、約60〜200ミル厚を含むこれらの上下値の任意の組み合わせの範囲にわたってよく、その合計厚さにはグラスファイバー、ガラス織物および/もしくは不織物ならびに/または炭素繊維マットが含まれる。
【0081】
本発明に従って、複合材料は、金型により15℃〜約100℃の範囲にわたる温度、好ましくは、およそ室温で製造される。金型温度は約80℃より低いことが好ましい。
【0082】
本発明の複合材料を製造する際には、同じ成分(すなわち、ゲルコート、ポリウレタンウレアまたは不飽和ポリエステル樹脂)の層を可能な限り迅速に適用することが好ましい。同じ成分の層を可能な限り迅速に適用することにより、全製造時間が可能な限り短縮される。さらに、同じ成分の層を適用する間の最大時間は約4時間を越えてはならない。時間が4時間を越えると各成分の個別層のコート間接着の問題が生じる可能性がある。
【0083】
一度、ゲルコートを金型に適用すれば、ゲルコート層とポリウレタンウレア層との間を確実に適切に接着するのに十分なほどにそのゲルコートを硬化させなければならない。さらに詳しくは、ゲルコートの最後の層は、これ以上スチレンが揮発せず、ゲルコートの最後の層とポリウレタンウレアの第1の層との間に蒸気が発生しないようにほぼ完全に硬化させなければならない。正確な時間の量は、本明細書における複合材料のゲルコートを形成する不飽和ポリエステルに使用する具体的な触媒または触媒パッケージによって決まる。異なる触媒によって異なる反応速度が得られ、異なる触媒の活性化には異なる温度が必要である。よって、ゲルコートを形成する不飽和ポリエステルの硬化時間を短縮するのに使用する触媒を変更することおよび/または触媒の量を増加することは可能である。理想的には、触媒の選択および触媒の使用量は、ゲルコートの1つの層を形成する不飽和ポリエステルの硬化に少なくとも約10分、かつ約60分以下を要するようにすべきである。本発明の複合材料の製造において重大なことは、ゲルコートの適用とPUR層の適用との間の時間の量である。最良の接着を確実にするためには、時間の量を、これ以上スチレンが揮発せず、その2層の間に蒸気が発生しないように、ゲルコートをほぼ完全に硬化させるのに十分なようにすべきである。時間に関しては、これは触媒作用に極めて依存する。より迅速な硬化を得るためには、より多くの触媒を加えることができるし、または温度を上昇させることもできる。理想的には、その時間は、各層に対して10〜60分間で異なる。
【0084】
本明細書において、他に言及および/または特記のない限り、分子量とは、数平均分子量(M)を指し、末端基分析(OH価)により決められる。
【0085】
次の実施例により本発明の組成物の製造および使用についての詳細をさらに説明する。前述の開示内容に記載されている本発明は、これらの実施例により、精神および範囲はいずれも限定されない。次の製造手法の条件および方法の既知の変形を用いて、これらの組成物を製造することができることは、当業者ならば容易に分かるであろう。特に断りのない限り、全ての温度は摂氏温度であり、全ての割合および百分率は、それぞれ、重量部および重量百分率である。
【実施例】
【0086】
実施例では次の成分を使用した。
ポリエステルゲルコート: Amorcote(登録商標)HP 30 White、Cook Composites, North Kansas City, MOからこの名前で市販されている。
イソシアネートA: 30.8部の4,4’−MDI、26.4部のMDIポリマー、42.8部の2,4’−MDI/4,4’−MDIの55/45混合物の混合物を攪拌下で60℃に加熱した。その攪拌混合物に、温度が80℃を超えないようにゆっくりとグリセリンおよび酸化プロピレン(OH#470)に対して12.8部のポリエーテルを加えた。その混合物をその温度で2時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO基含量は約25.2重量%であり、粘度は900mPasであった。
ポリオールA: グリセリンを酸化プロピレンおよび酸化エチレンの重量比87:13混合物でアルコキシル化することにより製造されたポリエーテルポリオール、得られたポリエーテルポリオールの実際の官能価は約2.22であり、OH価は約28である。
ポリオールB: グリセリンを重量比約20:80の酸化エチレンおよび酸化プロピレンでアルコキシル化することにより製造されたポリエーテルポリオール、得られたポリエーテルポリオールの最大不飽和は0.04ミリグラム当量/gであり、実際の官能価は約2.7であり、OH価は約36である。
架橋剤A: スクロース、プロピレングリコールおよび水を含んでなるスターター混合物をプロポキシル化することにより製造された架橋剤、得られた架橋剤の実際の官能価は約2.98であり、OH価は約380である。
架橋剤B: スターターとしてエチレンジアミンをプロポキシル化することにより製造された架橋剤、得られた架橋剤の実際の官能価は約4であり、OH価は約630である。
延長剤A: 3−アミノメチル−3,5,5,−トリメチルシクロヘキシルアミン(IPDA)、この実際の官能価は2であり、分子量は170である。
触媒A: 67重量%のジプロピレングリコール中に33重量%のトリエチレンジアミンを含んでなる触媒、Air Products and Chemicals Inc.からDabco(登録商標)33LVとして市販されているアミン触媒。
触媒B: エチレングリコール中にブロックトアミン(blocked amine)を含んでなる触媒、このOH価は約であり、Air Products and Chemicals Inc.からDabco(登録商標)1028として市販されている。
Silverline(登録商標)202: タルク(Luzenac America, Inc., Centennial, COから市販されている)
Baylith L: ゼオライト(乾燥剤)、Lanxessから市販されている。
ポリエステル樹脂A: Stypol(登録商標)LSPF 2522(Cook Composites, North Kansas City, MOから市販)
【0087】
本発明に従って、実施例1で使用するポリウレタンウレア層は、次の処方を用いてさまざまな成分から製造した:
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
実施例において試験するサンプル複合材料を製造するために次の手順を用いた。
本明細書における各実施例において、カルナバの薄層でコーティングした24”×24”磨き鋼フォトグラフィックプレートをポリエステルゲルコートに使用した。そのプレートは室温に置いた。
【0090】
実施例1
まず、Catalyst 730(Atofina in Philidelphia, PAから市販されている過酸化物触媒)2phrをAmorcote(登録商標)HP 30 Whiteに加えた。この混合物を用いて、その混合物を未乾燥塗膜厚18ミルまで噴霧することにより単層ポリエステルゲルコート調製した。これを30分間硬化させた。
【0091】
硬化させたゲルコートの上に、ガラスを含まない未乾燥塗膜厚約30ミルの最初のポリウレタンウレア層を噴霧し、続いて、その直後にチョップトグラスを含む未乾燥塗膜厚約60ミルのポリウレタンウレア第2層を噴霧し、続いて、その直後にガラスを含まない未乾燥塗膜厚約30ミルのポリウレタンウレア第3層を噴霧して、ポリウレタンウレア層の合計未乾燥塗膜厚(total film wet thickness)を約120ミルとし、グラスファイバーの濃度をポリウレタンウレアと充填剤の合わせた重量に対して約7重量%とした。チョップトグラスファイバーは、Hybon(登録商標)6055であり、これはポリウレタンウレア噴霧用溶液が適用されるのと同時に1/2インチ長に切り刻まれてポリウレタンウレア噴霧用溶液に入れられる。(このガラスは、PPG Industries, Pittsburgh, PA.からHybon(登録商標)6055という商品名で市販されている)40分後、33部のガラスマット(1・1/2オンス/フィート不織物)および67部の不飽和ポリエステル樹脂からなる不飽和ポリエステルの層をポリウレタンウレア層の上に未乾燥塗膜厚60ミルにハンドローリングした。40分後ハンドローリングすることにより同一組成物のさらなる層を適用した。
【0092】
最後の2層は上記のポリエステル樹脂A(すなわち、Stypol(登録商標)LSPF 2522、Cook Composites, North Kansas City, MOから市販されている)を含み、 そのポリエステル樹脂Aには、ポリウレタンウレア層の上に適用し、硬化させる前に2 phr Luperox DHD−9(Atofina, Philadelphia, PAから市販されている触媒)を混合した。よって、実施例1は次の成分の層を含んだ:
(A)ポリエステルゲルコート(すなわち、Catalyst 730(Atofina in Philidelphia, PAから市販されている過酸化物触媒)による触媒作用を受けるAmorcote(登録商標)HP 30 White)の単層(厚さ18ミル)、
(B)7重量%のチョップトグラスファイバー、Hybon(登録商標)6055を含む表1のポリウレタンウレアの3つの層(合計厚さ120ミル)
および
C)33重量%のガラスマット(100重量%の、ガラスマットおよびポリエステル樹脂に対して)を含んでなる、ポリエステル樹脂A(すなわち、Luperox DHD−9(Atofina, Philadelphia, PAから市販されている触媒)による触媒作用を受けるStypol(登録商標)LSPF 2522)の2つの層(合計厚さ120ミル)
【0093】
対照は、実施例についての上記と同様の手順を用いて調製した。
対照は、ポリエステルゲルコートの単層を適用した後、ポリウレタンウレア3層の代わりにポリエステル樹脂A 4層(各層60ミル厚、合計厚さ240ミル)を適用することにより調製した。これらのポリエステル樹脂A層は33重量%のガラスマット(100重量%の、ガラスマットおよびポリエステル樹脂に対して)も含んだ。
【0094】
以下の表2に示す値は3サンプルの平均である。
【表3】

【0095】
本発明を例示の目的のために上記において詳細に説明してきたが、その詳細は単に説明を目的とするものであり、当業者ならば本発明の精神および範囲を逸脱することなくその中で変更することが可能であり、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコート;
(B)ポリウレタンウレアが
(1)少なくとも1種類のポリイソシアネート成分
と、
(2)以下を含むイソシアネート反応性成分:
(a)20重量%以下の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約70〜約95重量%の、分子量が200〜1,500未満であり、官能価が2.5〜8である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約0.5〜約10重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が(2)の100重量%となる);
との反応生成物を含む少なくとも1つの噴霧可能なポリウレタンウレア層;
および
(C)チョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂層
を含む、複合品。
【請求項2】
(A)前記不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートが1種類以上の顔料をさらに含んでなる、請求項1に記載の複合品。
【請求項3】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(1)ウレタン基を有する付加物を含む少なくとも1種類のポリイソシアネート成分を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項4】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(1)カルボジイミド基を有する付加物、アロファネート基を有する付加物、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類のポリイソシアネート成分を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項5】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(a)官能価が2.0〜3.0であり、分子量が2,000〜6,000である少なくとも1種類のポリエーテルポリオールを含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項6】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層のポリエーテルポリオール(2)(a)が低不飽和ポリエーテルポリオール、KOH触媒ポリエーテルポリオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の複合品。
【請求項7】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(b)官能価が3〜6であり、分子量が300〜1,000である少なくとも1種類の架橋剤を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項8】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(b)アミン開始型である少なくとも1種類の架橋剤を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項9】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が
(2)(b)
(1)20〜80重量%の少なくとも1種類のスクロース開始型架橋剤、
および
(2)20〜80重量%の少なくとも1種類のアミン開始型架橋剤
(ここで、(1)および(2)の合計が(2)(b)の100重量%となる)
を含む架橋剤の混合物を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項10】
噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(c)ジアミン、アミノアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の鎖延長剤を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項11】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が
(2)
(a)5重量%〜15重量%の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約80重量%〜約90重量%の、分子量が200〜1,500未満であり、官能価が2.5〜8である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約2重量%〜約5重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が(2)の100重量%となる);
を含むイソシアネート反応性成分:
を含む、請求項1に記載の複合品。
【請求項12】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が100重量%の、ポリウレタンウレア層およびグラスファイバーに対して約2〜約25重量%のグラスファイバーをさらに含んでなる、請求項1に記載の複合品。
【請求項13】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が1種類以上の充填剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の複合品。
【請求項14】
複合材料の製造方法であって、
(I)好適な基材に(A)不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートを適用すること;
(II)(I)において形成されたゲルコート上に、
(B)ポリウレタンが
(1)少なくとも1種類のポリイソシアネート成分
と、
(2)以下を含むイソシアネート反応性成分:
(a)20重量%以下の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約70〜約95重量%の、分子量が200〜1,500未満であり、官能価が2.5〜8である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約0.5〜10重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が(2)の100重量%となる);
との反応生成物を含むポリウレタンウレアの少なくとも1つの層を噴霧すること
および
(III)(II)において形成されたポリウレタン層上に(C)チョップトグラスファイバーを含む不飽和ポリエステル樹脂層を適用すること
を含む、方法。
【請求項15】
(A)前記不飽和ポリエステル樹脂ゲルコートが1種類以上の顔料をさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(1)ウレタン基を有する付加物を含む少なくとも1種類のポリイソシアネート成分を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(1)カルボジイミド基を有する付加物、アロファネート基を有する付加物、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類のポリイソシアネート成分を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(a)官能価が2.0〜3.0であり、分子量が2,000〜6,000である少なくとも1種類のポリエーテルポリオールを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層のポリエーテルポリオール(2)(a)が低不飽和ポリエーテルポリオール、KOH触媒ポリエーテルポリオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(b)官能価が3〜6であり、分子量が300〜1,000である少なくとも1種類の架橋剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(b)アミン開始型である少なくとも1種類の架橋剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が
(2)(b)
(1)20〜80重量%の少なくとも1種類のスクロース開始型架橋剤、
および
(2)20〜80重量%の少なくとも1種類のアミン開始型架橋剤
(ここで、(1)および(2)の合計が(2)(b)の100重量%となる)
を含む架橋剤の混合物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
噴霧可能なポリウレタンウレア層が(2)(c)ジアミン、アミノアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の鎖延長剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が
(2)
(a)5重量%〜15重量%の、官能価が1.8〜3.5であり、分子量が1,500〜8,000である少なくとも1種類の高分子量ポリエーテルポリオール;
(b)約80重量%〜約90重量%の、分子量が200〜1,500未満であり、官能価が2.5〜8である少なくとも1種類の架橋剤;
および
(c)約2重量%〜約5重量%の、官能価が約2であり、分子量が約60〜約250である少なくとも1種類の鎖延長剤;
(ここで、(a)、(b)および(c)の重量%の合計が(2)の100重量%となる);
を含むイソシアネート反応性成分:
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が100重量%の、ポリウレタンウレア層およびグラスファイバーに対して約2〜約25重量%のグラスファイバーをさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
(B)噴霧可能なポリウレタンウレア層が1種類以上の充填剤をさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。

【公開番号】特開2007−276477(P2007−276477A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−99060(P2007−99060)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】