説明

噴霧システム

【課題】装置規模の増加を可能な限り抑制しつつ、複数の液体を植物に供給可能な噴霧システムを提供すること。
【解決手段】噴霧システム1は、水タンク5と、薬剤タンク6と、電解水タンク7,8と、切替弁10と、サブタンク15と、液体供給系30i(iは、1以上の自然数)と、制御系とを備えている。切替弁10は、液体供給系30iへと流動させる液体を、水Wa,液体状の薬剤ac、酸性水aw、アルカリ水iwのうちのいずれか1つに切り替える。液体供給系30iは、少なくとも、複数の噴霧ノズル31と、複数の回路モータバルブ35ijと、流動パイプ36iと、流体機械45iとを1つの系統として備え、それぞれ、規定された区画である規定区画70iへと、切替弁10から出力された液体を噴霧する。制御系は、液体の種類を決定して、当該種類の液体が噴霧ノズル31から噴霧されるように制御対象を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部環境をコントロールした、少なくとも半閉鎖的な空間で、栽培ベッドに植えられた植物を計画的に生産する植物工場が知られている。
この種の植物工場においては、栽培中の植物に水を供給するシステムとして、水を貯留するタンクと、該タンクに接続され、植物の栽培ベッドに沿って配設されたパイプと、該パイプに設けられ、微細な水滴を吐出する細霧ノズルとを備えた噴霧システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−051190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、植物工場において植物を栽培する際には、水の他に農薬なども植物に供給する必要がある。このように、水の他に農薬なども植物に供給するために、水を供給する噴霧システムと、農薬を供給する噴霧システムとの2系統の噴霧システムを、植物工場内に配設することが考えられる。
【0005】
しかしながら、噴霧システムを2系統配設すると、装置規模が大きくなり、それら2系統の噴霧システムを配置するために必要なスペースが増加するなどの問題が生じる。
そこで、本発明は、装置規模の増加を可能な限り抑制しつつ、複数の液体を植物に供給可能な噴霧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた噴霧システムは、水タンクと、薬剤タンクと、切替弁と、液体供給系と、制御部とを備えている。
水タンクは、水を貯留し、薬剤タンクは、液体状の薬剤を貯留する。切替弁には、少なくとも、水タンク及び薬剤タンクが接続され、当該切替弁は、外部からの指令に従って出力する液体の種類を切り替える。
【0007】
本発明の噴霧システムにおいて、液体供給系は、液体を噴霧する少なくとも1つの噴霧ノズルと、噴霧ノズルまでの流路を形成する流動パイプと、切替弁から出力された1つの液体を流動パイプに送出する流体機械とを1つの系統として、規定された区画である規定区画毎に有している。
【0008】
さらに、制御部は、規定された条件を満たすと、切替弁から出力する液体の種類を切り替えると共に当該切替弁から出力された液体が噴霧ノズルから噴霧されるように、切替弁及び流体機械を制御する。
【0009】
このような噴霧システムによれば、一系統の液体供給系に対し、水タンクに貯留された水または薬剤タンクに貯留された液体状の薬剤を切り替えながら供給することができる。この結果、本発明の噴霧システムによれば、一系統の液体供給系であっても、水と薬剤とを植物に噴霧(散布)することができる。
【0010】
つまり、本発明によれば、装置規模の増加を可能な限り抑制しつつ、複数の液体を植物に供給可能な噴霧システムを提供することができる。
本発明の噴霧システムにおける制御部は、規定された条件の1つである第一条件を満たすと、薬剤散布処理を実行し、規定された条件の1つである第二条件を満たすと、細霧冷房処理を実行しても良い(請求項2)。
【0011】
薬剤散布処理では、噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、薬剤タンクに貯留された液体状の薬剤となるように、切替弁及び流体機械を制御する。また、細霧冷房処理では、噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、水タンクに貯留された水となるように、切替弁及び流体機械を制御する。
【0012】
このような噴霧システムによれば、薬剤散布処理を実行することで薬剤を噴霧することができ、細霧冷房処理を実行することで水を噴霧することができる。
さらに、本発明の噴霧システムにおける制御部は、薬剤散布処理の実行後、液体供給系を洗浄する洗浄処理を実行しても良い(請求項3)。
【0013】
このような噴霧システムによれば、液体供給系を洗浄することができ、噴霧ノズルが薬剤によって目詰まりすることを抑制できる。
本発明における噴霧システムは、酸性水を貯留し、切替弁に接続された酸性水タンクと、アルカリ水を貯留し、切替弁に接続されたアルカリ水タンクとを備えていても良い。
【0014】
この場合、切替弁は、酸性水タンクに貯留された酸性水、及びアルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水を、当該切替弁が出力する液体の種類の1つとしても良い。そして、制御部は、噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、酸性水タンクに貯留された酸性水、及びアルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水が順不同で連続となるように、切替弁及び流体機械を制御することを洗浄処理として実行しても良い(請求項4)。
【0015】
このような噴霧システムによれば、洗浄処理の際に利用した液体が中和されるため、液体供給系が腐食することを抑制できる。
また、薬剤タンクは、液体状の薬剤として、酸性の液体またはアルカリ性の液体を貯留しても良い。この場合、本発明の噴霧システムは、薬剤を中和する液体である中和剤を貯留し、切替弁に接続された中和水タンクを備えていても良い。
【0016】
さらに、この場合、中和水タンクに貯留された中和剤を、切替弁が出力する液体の種類の1つとし、制御部は、噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、薬剤散布処理によって散布した薬剤を中和する中和剤となるように、切替弁及び流体機械を制御することを洗浄処理として実行しても良い(請求項5)。
【0017】
つまり、本発明の噴霧システムにおいては、薬剤として、酸性またはアルカリ性の液体を噴霧することができる。
この場合、薬剤散布処理にて散布した薬剤を中和する中和剤が、洗浄処理によって液体供給系に供給されることで、液体供給系が腐食することをより確実に抑制できる。
【0018】
ところで、本発明の噴霧システムは、規定区画の温度を計測する温度計測手段を備えていても良い。この場合、制御部は、温度計測手段での計測結果が、予め規定された規定温度以上であることを第二条件として、切替弁を制御しても良い(請求項6)。
【0019】
このような噴霧システムでは、規定区画の温度が規定温度以上となると、細霧冷房処理を実行する。
よって、本発明の噴霧システムによれば、規定区画の温度が、継続的に規定温度よりも高い温度となることを防止でき、規定区画の温度を最適な温度に維持できる。
【0020】
また、本発明の噴霧システムには、切替弁から噴霧ノズルへの流路上に、切替弁から出力された液体を貯留するサブタンクが設けられていても良い(請求項7)。
つまり、このような噴霧システムによれば、サブタンクを、液体調整タンクとして機能させることができる。
【0021】
なお、本発明の噴霧システムは、酸性水を貯留し、切替弁に接続された酸性水タンクと、アルカリ水を貯留し、切替弁に接続されたアルカリ水タンクとを備えていても良い。この場合、切替弁は、酸性水タンクに貯留された酸性水、及びアルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水を、当該切替弁が出力する液体の種類の1つとしても良い(請求項8)。
【0022】
このような噴霧システムによれば、植物に対して酸性水を噴霧することで、植物の成長を促進させたり、薬剤の使用量を低減させたりすることができる。また、アルカリ水を噴霧することで、植物を栽培する土壌が酸性となること抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明が適用された噴霧システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態における細霧冷房システムの制御系を示すブロック図である。
【図3】制御部が実行する噴霧処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】制御部が実行する薬剤散布処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】制御部が実行する洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】噴霧システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
〈システムの全体構成について〉
まず、図1は、本発明が適用された噴霧システムの全体構成を示す図である。
【0025】
噴霧システム1は、内部環境をコントロールした少なくとも半閉鎖的な空間で、栽培ベッド(または畝)に植えられた植物を計画的に生産(栽培)する植物工場に配設されるシステムであり、植物に、水Waや薬剤acなどの液体を噴霧するものである。
【0026】
この噴霧システム1は、水タンク5と、薬剤タンク6と、電解水タンク7,8と、切替弁10と、サブタンク15と、液体供給系30i(iは、1以上の自然数)と、制御系100(図2参照)とを備えている。
【0027】
水タンク5は、水Waを貯留するタンクである。薬剤タンク6は、液体状の薬剤acを貯留するタンクである。本実施形態において、液体状の薬剤acとは、例えば、栽培中の植物に害を及ぼす害虫を駆除する農薬などである。
【0028】
電解水タンク7は、電解水の1つである強酸性水awを生成可能に構成されていると共に、その生成した強酸性水(即ち、酸性水)awを貯留するタンクである。電解水タンク8は、電解水の1つであるアルカリイオン水(即ち、アルカリ水)iwを生成可能に構成されていると共に、その生成したアルカリイオン水iwを貯留するタンクである。
【0029】
切替弁10は、当該弁10に接続された複数のパイプを流動する流体のうち、1つの流体を選択して後段に出力する弁である。なお、本実施形態の切替弁10に接続される複数のパイプは、それぞれ、水タンク5、薬剤タンク6、電解水タンク7、電解水タンク8に接続されている。つまり、切替弁10は、当該切替弁10に接続されたサブタンク15へと流動させる液体を、水Wa,液体状の薬剤ac、酸性水aw、アルカリ水iwのうちのいずれか1つに切り替える弁である。
【0030】
サブタンク15は、切替弁10から出力された流体(液体)を貯留するタンクである。
液体供給系30iは、それぞれ、規定された区画である規定区画70iへと、サブタンク15に貯留された液体を噴霧する機構であり、規定区画70iごとに設けられている。その規定区画70iには、当該規定区画70iよりも狭い区画である設定回路72ij(jは、1以上の自然数)が設けられており、液体供給系30iは、設定回路72ijごとに、液体を噴霧するように構成されている。
【0031】
これを実現するために、液体供給系30iは、複数の噴霧ノズル31と、複数の回路モータバルブ35ijと、流動パイプ36iと、流体機械45iと、帰還パイプ48iと、圧抜き弁49iとを、1つの系統として備えている。
【0032】
このうち、噴霧ノズル31のそれぞれは、液体を霧状に噴霧する周知のノズルであり、設定回路72ijごとの栽培ベッド(または畝)の並びに沿って複数配置されている。流動パイプ36iは、サブタンク15から噴霧ノズル31までの流路を形成するパイプであり、サブタンク15から規定区画70iへと向かう主管37iと、主管37iから各設定回路72ijへと向かう液体配管38ijとを備えている。
【0033】
回路モータバルブ35ijは、液体を噴霧する設定回路72ijを切り替えるバルブであり、流動パイプ36iの液体配管38ij上に設けられている。流体機械45iは、切替弁10から出力された1つの液体、ひいては、サブタンク15に貯留されている液体を流動パイプ36iに送出するコンプレッサ(またはポンプ)である。
【0034】
帰還パイプ48iは、流体機械45iによって送出された液体の一部がサブタンク15へと流動する流路を形成するパイプである。圧抜き弁49iは、帰還パイプ48i上に設けられた弁であり、開放されることにより、帰還パイプ48i及び流動パイプ36i内の圧力を低下させる。
〈噴霧システムの制御系について〉
ここで、図2は、噴霧システムにおける制御系の構成を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態において、噴霧システム1の制御系100は、噴霧システム1の状態を表す情報を少なくとも含む状態情報を取得するセンサ群102と、センサ群102で取得した状態情報に従って噴霧システム1を構成する各部のうち、制御対象103として規定された各部を制御する制御部105とを備えている。
【0036】
センサ群102は、規定区画70i毎の温度を検出する温度センサ110と、水タンク5の貯水量を検出する貯水センサ111と、薬剤タンク6に貯留された液体の量(以下、薬剤量とも称す)を検出する薬剤センサ112と、電解水タンク7に貯留された液体の量(以下、酸性水量とも称す)を検出する酸性水量センサ113とを含む。さらに、センサ群102は、電解水タンク8に貯留された液体の量(以下、アルカリ水量とも称す)を検出するアルカリ水量センサ114と、サブタンク15に貯留された液体の量(以下、貯留量とも称す)を検出する貯留量センサ115と、外部からの入力(例えば、ボタン操作)を検出して受け付ける操作受付部116とを含む。
【0037】
センサ群102に含まれる各センサ110,111,112,113,114,115,116は、検出結果を状態情報として取得する。
制御部105は、処理プログラムや各種データを記憶する記憶部106と、記憶部106に記憶された処理プログラムに従って制御対象103を制御する制御回路107とを備えている。本実施形態において、制御対象103とは、切替弁10、流体機械45i、回路モータバルブ35i、圧抜き弁49iを少なくとも含むものである。
【0038】
なお、記憶部106には、制御部105が実行するプログラムとして、液体の種類を決定して、当該種類の液体が噴霧ノズル31から噴霧されるように制御対象103を制御する噴霧処理が規定されたプログラムが記憶されている。
〈噴霧処理について〉
次に、制御部105が実行する噴霧処理について説明する。
【0039】
ここで、図3は、制御部が実行する噴霧処理の処理手順を示すフローチャートである。
この噴霧処理は、制御部105が起動されると実行が開始されるものである。
図3に示すように、噴霧処理は、実行が開始されると、まず、薬剤タンク6に貯留された液体状の薬剤acを規定区画70iに噴霧する薬剤散布処理を実行するか否かを判定する(S110)。本実施形態のS110は、薬剤散布処理の実行の可否を表す薬剤散布フラグに従って判定される。本実施形態の薬剤散布フラグにおいては、薬剤散布処理の実行を許可する旨と、薬剤散布処理の実行を非許可とする旨との切り替えを、予め規定された時刻に設定しても良いし、外部からの入力に応じて設定しても良い。
【0040】
そのS110での判定の結果、薬剤散布処理を実行しない、即ち、薬剤散布フラグが薬剤散布処理の実行を非許可とする旨を表している場合(S110:NO)、温度センサ110で検出した規定区画70iの温度が、予め設定された設定温度Thte以上であるか否かを判定する(S120)。
【0041】
そして、S120での判定の結果、温度センサ110で検出した温度が設定温度Thte未満であれば(S120:NO)、S110へと戻る。一方、温度センサ110で検出した温度が設定温度Thte以上であれば(S120:YES)、貯水センサ111の検出結果に基づく水タンク5の貯水量が、予め規定された規定値Thw以上であるか否かを判定する(S130)。
【0042】
そのS130での判定の結果、貯水量が規定値Thw未満であれば(S130:NO)、S110へと戻る。一方、貯水量が規定値Thw以上であれば(S130:YES)、切替弁10から出力される液体が水タンク5に貯留されている水Waとなるように切替弁10を開放する(S140)。
【0043】
続いて、貯留量センサ115の検出結果に基づくサブタンクの貯留量が、予め設定された設定値Th以上であるか否かを判定する(S150)。そのS150での判定の結果、貯留量が設定値Th未満であれば(S150:NO)、貯留量が設定値Th以上となるまで待機する。
【0044】
一方、S150での判定の結果、貯留量が設定値Th以上であれば(S150:YES)、サブタンク15に貯留された液体が噴霧ノズル31から噴霧されるように、1つの回路モータバルブ35ijを開放し流体機械45iを駆動する(S160)。これにより、1つの規定区画70iにおける1つの設定回路72ijに対して、水タンク5に貯留されている水Waが噴霧される。
【0045】
そして、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、水タンク5に貯留されている水Waの噴霧が完了したか否かを判定する(S170)。そのS170での判定の結果、全ての設定回路72ijに対して、水タンク5に貯留されている水Waの噴霧が完了していなければ(S170:NO)、開放されていた回路モータバルブ35ijを封止し新たな回路モータバルブ35ijを開放する(S180)。その後、S160へと戻る。
【0046】
つまり、本実施形態のS180では、水Waの噴霧が完了していない設定回路72ijに対して、水Waが噴霧されるように、回路モータバルブ35ijを制御する。
一方、S170での判定の結果、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、水Waの噴霧が完了していれば(S170:YES)、全ての規定区画70iに対して、水タンク5に貯留されている水Waの噴霧が完了したか否かを判定する(S190)。そのS190での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、水Waの噴霧が完了していなければ(S190:NO)、S160へと戻る。
【0047】
このようにして移行したS160では、駆動していた流体機械45iの動作を停止し新たな流体機械45iの動作を開始させる。つまり、新たな規定区画70iに対して、水タンク5に貯留されている水Waの噴霧を開始する。
【0048】
なお、S190での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、水Waの噴霧が完了していれば(S190:YES)、全ての流体機械45iの動作を停止すると共に、全ての規定区画70iに対して水Waの噴霧が完了してから、予め規定された噴霧休止時間が経過したか否かを判定する(S200)。そのS200での判定の結果、噴霧休止時間が経過していなければ(S200:NO)、噴霧休止時間が経過するまで待機する。そして、噴霧休止時間が経過すると(S200:YES)、温度センサ110で検出した規定区画70iの温度が設定温度Thte以上であるか否かを判定する(S210)。
【0049】
そして、S210での判定の結果、温度センサ110で検出した温度が設定温度Thte以上であれば(S210:YES)、S160へと戻り、再度、水Waを噴霧する。一方、温度センサ110で検出した温度が設定温度Thte未満であれば(S210:NO)、S110へと戻る。
【0050】
なお、S110での判定の結果、薬剤散布処理を実行するものと判定された場合、即ち、薬剤散布フラグが薬剤散布処理の実行を許可する旨を表している場合(S110:YES)、薬剤散布処理を実行する(S220)。その後、液体供給系30iを洗浄する洗浄処理を実行して(S230)、S120へと進む。
【0051】
つまり、噴霧処理では、規定区画70iの温度が設定温度Thte以上であれば、当該規定区画70iの温度が設定温度Thte未満となるまで、水タンク5に貯留された水Waを噴霧ノズル31から噴霧する。
〈薬剤散布処理について〉
次に、噴霧処理のS220にて起動される薬剤散布処理について説明する。
【0052】
ここで、図4は、薬剤散布処理の処理手順を示すフローチャートである。
この図4に示すように、薬剤散布処理は、起動されると、まず、薬剤センサ112の検出結果に基づく薬剤タンク6の薬剤量が、予め規定された規定値Tha以上であるか否かを判定する(S510)。
【0053】
そのS510での判定の結果、薬剤量が規定値Tha未満であれば(S510:NO)、本薬剤散布処理の実行を終了して、噴霧処理のS230(即ち、洗浄処理)へと移行する。一方、薬剤量が規定値Tha以上であれば(S510:YES)、サブタンク15及び液体供給系30iを洗浄する洗浄排水処理を実行する(S520)。
【0054】
本実施形態の洗浄排水処理では、具体的に、サブタンク15内に貯留された液体が無くなるまで、即ち、サブタンク15が空になるまで、開放する回路モータバルブ35iの切り替えと、流体機械45iの駆動と、圧抜き弁49iの開放とを繰り返し実行する。
【0055】
続いて、切替弁10から出力される液体が薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acとなるように切替弁10を開放する(S530)。
続いて、貯留量センサ115の検出結果に基づくサブタンク15の貯留量が設定値Th以上であるか否かを判定する(S540)。そのS540での判定の結果、貯留量が設定値Th未満であれば(S540:NO)、貯留量が設定値Th以上となるまで待機する。一方、貯留量が設定値Th以上であれば(S540:YES)、サブタンク15に貯留された液体(即ち、液体状の薬剤ac)が噴霧ノズル31から噴霧されるように、1つの回路モータバルブ35ijを開放し流体機械45iを駆動する(S550)。これにより、1つの規定区画70iにおける1つの設定回路72ijに対して、薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acが噴霧される。
【0056】
そして、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acの噴霧が完了したか否かを判定する(S560)。そのS560での判定の結果、全ての設定回路72ijに対して、液体状の薬剤acの噴霧が完了していなければ(S560:NO)、開放されていた回路モータバルブ35ijを封止し新たな回路モータバルブ35ijを開放する(S570)。その後、S550へと戻る。
【0057】
つまり、本実施形態のS570では、液体状の薬剤acの噴霧が完了していない設定回路72ijに対して、液体状の薬剤acが噴霧されるように、回路モータバルブ35ijを制御する。
【0058】
一方、S560での判定の結果、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、液体状の薬剤acの噴霧が完了していれば(S560:YES)、全ての規定区画70iに対して、薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acの噴霧が完了したか否かを判定する(S580)。そのS580での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acの噴霧が完了していなければ(S580:NO)、S550へと戻る。
【0059】
このようにして移行したS550では、駆動していた流体機械45iの動作を停止し新たな流体機械45iの動作を開始させる。つまり、新たな規定区画70iに対して、薬剤タンク6に貯留されている液体状の薬剤acの噴霧を開始する。
【0060】
なお、S580での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、液体状の薬剤acの噴霧が完了していれば(S580:YES)、全ての流体機械45iの動作を停止すると共に、全ての規定区画70iに対して液体状の薬剤acの噴霧が完了してから、予め規定された薬剤噴霧休止時間が経過したか否かを判定する(S590)。そのS590での判定の結果、薬剤噴霧休止時間が経過していなければ(S590:NO)、薬剤噴霧休止時間が経過するまで待機する。そして、薬剤噴霧休止時間が経過すると(S590:YES)、噴霧処理のS230、即ち、洗浄処理へと移行する。
【0061】
つまり、本実施形態の薬剤散布処理は、薬剤散布フラグが薬剤散布処理の実行を許可する旨を表していることを第一条件として、噴霧ノズル31から噴霧する液体の種類が、薬剤タンク6に貯留された液体状の薬剤acとなるように、制御対象103を制御する。
〈洗浄処理について〉
続いて、噴霧処理のS230にて起動される洗浄処理について説明する。
【0062】
ここで、図5は、洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、洗浄処理は、起動されると、まず、酸性水量センサ113にて検出された酸性水量及びアルカリ水量センサ114にて検出されたアルカリ水量のそれぞれが、予め規定された規定値Thb以上であるか否かを判定する(S710)。そのS710での判定の結果、酸性水量及びアルカリ水量のそれぞれが規定値Thb未満であれば(S710:NO)、本洗浄処理を終了して、噴霧処理のS120へと移行する。
【0063】
一方、S710での判定の結果、酸性水量及びアルカリ水量のそれぞれが規定値Thb以上であれば(S710:YES)、サブタンク15及び液体供給系30iを洗浄する洗浄排水処理を実行する(S720)。
【0064】
続いて、切替弁10から出力される液体が、電解水タンク8に貯留されているアルカリ水となるように切替弁10を開放する(S730)。
続いて、貯留量センサ115の検出結果に基づくサブタンク15の貯留量(即ち、アルカリ水の貯留量)が設定値Th以上であるか否かを判定する(S740)。そのS740での判定の結果、貯留量が設定値Th未満であれば(S740:NO)、貯留量が設定値Th以上となるまで待機する。一方、S740での判定の結果、貯留量が設定値Th以上であれば(S740:YES)、サブタンク15に貯留された液体(即ち、アルカリ水iw)が噴霧ノズル31から噴霧されるように、1つの回路モータバルブ35ijを開放し流体機械45iを駆動する(S750)。これにより、1つの規定区画70iにおける1つの設定回路72ijに対して、電解水タンク8に貯留されているアルカリ水iwが噴霧される。
【0065】
そして、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、電解水タンク8に貯留されているアルカリ水iwの噴霧が完了したか否かを判定する(S760)。そのS760での判定の結果、全ての設定回路72ijに対して、アルカリ水iwの噴霧が完了していなければ(S760:NO)、開放されていた回路モータバルブ35ijを封止し新たな回路モータバルブ35ijを開放する(S770)。その後、S750へと戻る。
【0066】
つまり、本実施形態のS770では、アルカリ水iwの噴霧が完了していない設定回路72ijに対して、アルカリ水iwが噴霧されるように、回路モータバルブ35ijを制御する。
【0067】
一方、S760での判定の結果、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、アルカリ水iwの噴霧が完了していれば(S760:YES)、全ての規定区画70iに対して、電解水タンク8に貯留されているアルカリ水iwの噴霧が完了したか否かを判定する(S780)。そのS780での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、アルカリ水iwの噴霧が完了していなければ(S780:NO)、S750へと戻る。
【0068】
このようにして移行したS750では、駆動していた流体機械45iの動作を停止し新たな流体機械45iの動作を開始させる。つまり、新たな規定区画70iに対して、電解水タンク8に貯留されているアルカリ水iwの噴霧を開始する。
【0069】
なお、S780での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、アルカリ水iwの噴霧が完了していれば(S780:YES)、全ての流体機械45iの動作を停止する。これと共に、全ての規定区画70iに対してアルカリ水iwの噴霧が完了してから、予め規定された第一休止時間が経過したか否かを判定する(S790)。そのS790での判定の結果、第一休止時間が経過していなければ(S790:NO)、第一休止時間が経過するまで待機する。一方、S790での判定の結果、第一休止時間が経過していれば(S790:YES)、洗浄排水処理を実行する(S800)。
【0070】
続いて、切替弁10から出力される液体が、電解水タンク7に貯留されている酸性水awとなるように切替弁10を開放する(S810)。
そして、貯留量センサ115の検出結果に基づくサブタンク15の貯留量(即ち、酸性水acの貯留量)が設定値Th以上であるか否かを判定する(S820)。そのS820での判定の結果、貯留量が設定値Th未満であれば(S820:NO)、貯留量が設定値Th以上となるまで待機する。一方、貯留量が設定値Th以上であれば(S820:YES)、サブタンク15に貯留された液体(即ち、酸性水aw)が噴霧ノズル31から噴霧されるように、1つの回路モータバルブ35ijを開放し流体機械45iを駆動する(S830)。これにより、1つの規定区画70iにおける1つの設定回路72ijに対して、電解水タンク7に貯留されている酸性水awが噴霧される。
【0071】
そして、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、酸性水awの噴霧が完了したか否かを判定する(S840)。そのS840での判定の結果、全ての設定回路72ijに対して、酸性水awの噴霧が完了していなければ(S840:NO)、開放されていた回路モータバルブ35ijを封止し新たな回路モータバルブ35ijを開放する(S850)。その後、S830へと戻る。
【0072】
つまり、本実施形態のS830では、酸性水awの噴霧が完了していない設定回路72ijに対して、酸性水awが噴霧されるように、回路モータバルブ35ijを制御する。
一方、S840での判定の結果、規定区画70iにおける全ての設定回路72ijに対して、酸性水awの噴霧が完了していれば(S840:YES)、全ての規定区画70iに対して、酸性水awの噴霧が完了したか否かを判定する(S860)。そのS860での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、酸性水awの噴霧が完了していなければ(S860:NO)、S830へと戻る。
【0073】
このようにして移行したS830では、駆動していた流体機械45iの動作を停止し新たな流体機械45iの動作を開始させる。つまり、新たな規定区画70iに対して、電解水タンク7に貯留されている酸性水awの噴霧を開始する。
【0074】
なお、S860での判定の結果、全ての規定区画70iに対して、酸性水awの噴霧が完了していれば(S860:YES)、全ての流体機械45iの動作を停止すると共に、全ての規定区画70iに対して酸性水awの噴霧が完了してから、第二休止時間が経過したか否かを判定する(S870)。そのS870での判定の結果、第二休止時間が経過していなければ(S870:NO)、第二休止時間が経過するまで待機する。一方、S870での判定の結果、第二休止時間が経過すると(S870:YES)、本洗浄処理を終了して、噴霧処理のS120へと移行する。
【0075】
つまり、本実施形態の洗浄処理では、噴霧ノズル31から噴霧される液体の種類が、電解水タンク8に貯留されたアルカリ水iw、電解水タンク7に貯留された酸性水awの順序となるように、制御対象103を制御する。
[実施形態の効果]
以上説明したように、噴霧システム1によれば、切替弁10から出力する液体を切り替えることで、水タンク5に貯留された水Wa、薬剤タンク6に貯留された液体状の薬剤ac、電解水タンク7に貯留された酸性水aw及び電解水タンク8に貯留されたアルカリ水iwを、1つの液体供給系30に対して供給することができる。この結果、噴霧システム1によれば、一系統の液体供給系30であっても、複数の液体を植物に噴霧(散布)することができる。
【0076】
つまり、噴霧システム1によれば、装置規模の増加を可能な限り抑制しつつ、複数の液体を植物に供給可能となる。
そして、このような噴霧システム1であれば、当該噴霧システム1が配置される半閉鎖的な空間内の環境を容易に制御することができ、高い次元での環境制御型の農業を実現できる。
【0077】
ところで、噴霧システム1では、薬剤散布処理の直後に洗浄処理を実行している。
このため、噴霧システム1によれば、液体供給系30を洗浄することができ、噴霧ノズル31が薬剤acによって目詰まりすることを抑制できる。
【0078】
しかも、本実施形態の洗浄処理では、アルカリ水iw、酸性水awの順序で液体供給系30に供給しているため、当該洗浄処理の際に利用した液体が中和され、液体供給系30が腐食することを抑制できる。
【0079】
なお、噴霧システム1では、水Waを噴霧すべき設定回路72ijを順次切り替えながら、水Waを噴霧している。このため、噴霧システム1によれば、少ない流体機械45で広い面積に均等に水Waを噴霧することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0080】
例えば、噴霧システム1は、噴霧ノズル31から噴霧する液体を貯留するタンクとして、水タンク5と、薬剤タンク6と、電解水タンク7,8とを備えていたが、本発明の噴霧システムが備えるタンクは、これに限るものではない。すなわち、本発明の噴霧システムにおいては、図6に示す噴霧システム150のように、噴霧ノズル31から噴霧する液体を貯留するタンクとして、水タンク5と、薬剤タンク6と、電解水タンク8とを備え、電解水タンク7は省略されていても良い。
【0081】
この図6に示す噴霧システム150においては、薬剤タンク6には、液体状の薬剤acとして、強酸性水(酸性水)awが貯留されていても良い。なお、噴霧システム150において、薬剤タンク6以外の他の構成は、噴霧システム1と同様に構成されている。
【0082】
このような噴霧システム150によれば、栽培中の植物に対して酸性水awを噴霧することで、植物の成長を促進させたり、薬剤acの使用量を低減させたりすることができる。また、アルカリ水iwを噴霧することで、植物を栽培する土壌が酸性となること抑制できる。
【0083】
また、噴霧処理において、水タンク5に貯留された水Waをサブタンク15に貯留するに際し、サブタンク15に貯留された液体が水Wa以外の液体である場合には、洗浄排水を実行しても良い。つまり、噴霧処理は、サブタンク15に貯留された液体が水Wa以外の液体である場合、S140にて、切替弁10から出力されサブタンク15に貯留される液体が水タンク5に貯留されている水Waとなるように切替弁10が開放される前に、洗浄排水を実行するように構成されていても良い。
【0084】
さらに、上記実施形態の噴霧処理では、水Waを噴霧する条件として、規定区画70iの温度が設定温度Thte以上であることとしていたが、噴霧処理にて水Waを噴霧する条件は、これに限るものではなく、例えば、操作受付部116を介して実行指令が入力されたときであっても良いし、その他の条件であっても良い。つまり、水Waの噴霧は、どのような条件のもとで実行しても良い。
【0085】
また、上記実施形態の噴霧処理では、薬剤散布処理を実行する条件として、薬剤散布フラグが薬剤散布処理の実行を許可する旨を表している場合としていたが、噴霧処理において、薬剤散布処理を実行する条件は、これに限るものではなく、例えば、操作受付部116を介して実行指令が入力されたときであっても良いし、その他の条件であっても良い。さらに言えば、洗浄処理を実行する条件も、操作受付部116を介して実行指令が入力されたときであっても良い。
【0086】
さらに、上記実施形態では、薬剤散布処理と洗浄処理とを、連続して実行していたが、本発明においては、薬剤散布処理と洗浄処理とを、連続して実行しなくとも良い。
そして、上記実施形態の洗浄処理では、常時、アルカリ水iwと酸性水awとが連続して噴霧されていたが、本発明においては、アルカリ水iwと酸性水awとを常に連続して噴霧しなくとも良く、例えば、アルカリ水iwと酸性水awと隔日で噴霧しても良い。さらに、液体状の薬剤acが酸性水awである場合には、洗浄処理では、アルカリ水iwを噴霧するだけでも良い。
【0087】
なお、噴霧休止時間、薬剤噴霧休止時間、第一休止時間、第二休止時間などの各種休止時間は、操作受付部116を介して、噴霧システム1の利用者自身が設定しても良い。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
【0088】
上記実施形態における水タンク5が、特許請求の範囲の記載における水タンクに相当し、上記実施形態における薬剤タンク6が、特許請求の範囲の記載における薬剤タンクに相当し、上記実施形態における切替弁10が、特許請求の範囲の記載における切替弁に相当する。また、上記実施形態における液体供給系30iが、特許請求の範囲の記載における液体供給系に相当し、上記実施形態における制御部105が、特許請求の範囲の記載における制御部に相当する。
【0089】
上記実施形態における薬剤散布処理が、特許請求の範囲の記載における薬剤散布処理に相当し、上記実施形態の噴霧処理におけるS120〜S210を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲の記載における細霧冷房処理を実行することで得られる機能に相当する。
【0090】
さらに、上記実施形態における電解水タンク7が、特許請求の範囲の記載における酸性水タンクに相当し、上記実施形態における電解水タンク8が、特許請求の範囲の記載におけるアルカリ水タンクに相当し、上記実施形態における温度センサ110が、特許請求の範囲の記載における温度計測手段に相当する。
【符号の説明】
【0091】
1,150…噴霧システム 5…水タンク 6…薬剤タンク 7,8…電解水タンク 10…切替弁 15…サブタンク 30…液体供給系 31…噴霧ノズル 35…回路モータバルブ 36…流動パイプ 37…主管 38…液体配管 45…流体機械 48…帰還パイプ 49…圧抜き弁 70…規定区画 72…設定回路 100…制御系 102…センサ群 103…制御対象 105…制御部 106…記憶部 107…制御回路 110…温度センサ 111…貯水センサ 112…薬剤センサ 113…酸性水量セン 114…アルカリ水量センサ 115…貯留量センサ 116…操作受付部 Wa…水 ac…酸性水 ac…薬剤 aw…酸性水 iw…アルカリ水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留する水タンクと、
液体状の薬剤を貯留する薬剤タンクと、
少なくとも、前記水タンク、及び前記薬剤タンクが接続され、外部からの指令に従って出力する液体の種類を切り替える切替弁と、
液体を噴霧する少なくとも1つの噴霧ノズルと、前記噴霧ノズルまでの流路を形成する流動パイプと、前記切替弁から出力された1つの液体を前記流動パイプに送出する流体機械とを1つの系統として、規定された区画である規定区画毎に有した液体供給系と、
規定された条件を満たすと、前記切替弁から出力する液体の種類を切り替えると共に、当該切替弁から出力された液体が前記噴霧ノズルから噴霧されるように、前記切替弁及び前記流体機械を制御する制御部と
を備えることを特徴とする噴霧システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記規定された条件の1つである第一条件を満たすと、前記噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、前記薬剤タンクに貯留された液体状の薬剤となるように、前記切替弁及び前記流体機械を制御する薬剤散布処理を実行し、
前記規定された条件の1つである第二条件を満たすと、前記噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、前記水タンクに貯留された水となるように、前記切替弁及び前記流体機械を制御する細霧冷房処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の噴霧システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記薬剤散布処理の実行後、前記液体供給系を洗浄する洗浄処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の噴霧システム。
【請求項4】
酸性水を貯留し、前記切替弁に接続された酸性水タンクと、
アルカリ水を貯留し、前記切替弁に接続されたアルカリ水タンクと
を備え、
前記切替弁は、
前記酸性水タンクに貯留された酸性水、及び前記アルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水を、当該切替弁が出力する液体の種類の1つとし、
前記制御部は、
前記噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、前記酸性水タンクに貯留された酸性水、及び前記アルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水が順不同で連続となるように、前記切替弁及び前記流体機械を制御することを前記洗浄処理として実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の噴霧システム。
【請求項5】
前記薬剤タンクは、
前記液体状の薬剤として、酸性の液体またはアルカリ性の液体を貯留し、
該薬剤を中和する液体である中和剤を貯留し、前記切替弁に接続された中和水タンクとを備え、
前記切替弁は、
前記中和水タンクに貯留された中和剤を、当該切替弁が出力する液体の種類の1つとし、
前記制御部は、
前記噴霧ノズルから噴霧される液体の種類が、前記薬剤散布処理によって散布した薬剤を中和する中和剤となるように、前記切替弁及び前記流体機械を制御することを前記洗浄処理として実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の噴霧システム。
【請求項6】
前記規定区画の温度を計測する温度計測手段を備え、
前記制御部は、
前記温度計測手段での計測結果が、予め規定された規定温度以上であることを前記第二条件として、前記切替弁を制御する
ことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の噴霧システム。
【請求項7】
前記切替弁から前記噴霧ノズルへの流路上に、前記切替弁から出力された液体を貯留するサブタンク
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の噴霧システム。
【請求項8】
酸性水を貯留し、前記切替弁に接続された酸性水タンクと、
アルカリ水を貯留し、前記切替弁に接続されたアルカリ水タンクと
を備え、
前記切替弁は、
前記酸性水タンクに貯留された酸性水、及び前記アルカリ水タンクに貯留されたアルカリ水を、当該切替弁が出力する液体の種類の1つとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噴霧システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−21945(P2013−21945A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157998(P2011−157998)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(511006203)株式会社中央グリーンシステム (3)
【Fターム(参考)】