説明

回分式炒め装置

【課題】 炒め物の調理に際し、食材の均等な加熱および鍋返しによる混合を未熟、非力な調理者にも容易に実施することができる回分式炒め装置を提供すること。
【解決手段】 基板19上の台座2に設置された駆動モータ3によって回転する駆動軸4にクランク・ディスク5が取り付けられている。クランク・ディスク5の周縁部には連接板7の後端部が軸着部材8によって軸着されており、連接板7の先端は丸底鍋1の一端側に一体的に固定されている。丸底鍋1の他端側には連接板7と直角な方向で水平な連結軸11が取り付けられており、連結軸11の両端部は丸底鍋1の両側に配置されたスライダー13の挿着部14へ回動自在に挿入されている。そして、両スライダー13は連接板7と平行に配置された2本のガイド・ロッド16に往復自在に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回分式炒め装置、特に炒め物の鍋返しに好適な調理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食材の炒め装置には、大量の食材を連続して炒める連続式の装置と、例えば一回に2〜3人分の食材を炒める回分式(バッチ式)の装置とがあるが、調理したての食材を提供する場合に好ましいのは回分式の装置である。
【0003】
実際の人手による炒飯の調理では、食材を強火で短時間に均等に加熱するために、中華鍋を片手で持ち鍋を揺すりながら鍋内の食材を加熱し、頃合をみて鍋の手前側をやや持ち上げて食材を鍋の奥側へ寄せ、鍋を一旦奥へ送ってから素早く手前側へ引くことにより、食材を鍋の奥の面に当てると共に、その面に沿って跳ね上げ、反転させて鍋の中央部へ落下させる操作、すなわち、「鍋返し」(「鍋振り」とも称する)が行われている。
【0004】
上記のような操作は鍋が重い上に熟練を要するが、未熟な若年者や、非力な女性、老年者にも炒め物を好ましく調理することが可能なように、従来から多くの回分式の炒め装置が提案されており、例えば特許文献1〜3に開示されているような装置がある。
【0005】
特許文献1の中華鍋の揺動装置は、その図1に示されているように、手前側の2本と後(奥)側の2本との4本の揺動杆2が上端部を枠体1に軸支されており、それら揺動杆2の下端部に軸支部を有する手前側の腕部6‐1と後側の腕部6‐2との間に一体的に鍋9の受皿4が設けられたものである。なお後側の2本の揺動杆2には下端部から長さ方向に長穴11が設けられており、後側の腕部6‐2の軸支部7はその長穴11内で摺動可能とされている。調理に際しては鍋9の取っ手10を手前側にして鍋9を受け皿4に載置し、取っ手10を持って鍋9を前後に揺動させる。その途中において、図2に示されているように、鍋4を後側へ送り出すと同時に取っ手10を押し下げることにより、後側の腕部6‐2の軸支部7が長穴11に沿って上昇して鍋9の後側は高くなり、そのことによって鍋9内の食材を鍋返しするようにしたものである。
【0006】
上記は手動で鍋返しするものであるが、鍋返しの自動化も可能であり、その図3に示されているように、鍋台3に駆動柄12が設けられ、駆動柄12の先端部はモータ22で駆動される歯車21と連結杆23で連結されている。また歯車21と噛み合う歯車20によって円形カム18が駆動されるが、円形カム18の周縁には半径方向の凹部25が設けられており、駆動柄12の後端部に軸支されたレバー13の下端部にはローラ14が軸支され、円形カム18の周縁にスプリング17で押し付けられている。そして円形カム18が回転し、ローラ14が凹部25へ落ち込むことにより、鍋9の駆動柄12の後端部を急激に低くし、鍋9の後側を高くして、鍋9内の食材を鍋返しするようにした装置である。
【0007】
特許文献2の炒め調理機は、その図1に示されているように、ベーステーブル7の上面において一端側を傾倒軸5に、他端側を突き上げロッド8に支持された鍋受け11に鍋2が載置されチャック12で保持されている。突き上げロッド8の下端部は、横方向のレバー10の一端部に下端部が軸着された突き上げロッド9で受けられている。そして、レバー10の他端部は静止部の揺動軸18に軸着されている。更に、レバー10は一端側に設けた上下方向のスプリング19によって上方へ付勢されている。そしてレバー10は常時はレバー10の下方に設けた電磁石1によって、レバー10の吸着部位16が吸着されて水平な状態に保持されている。そしてこの電磁石1を非作動にすると、図4に示されているように、吸着部位16が電磁石1から解放され、スプリング19によって、レバー10は揺動軸18の回りに反時計方向に回動され、突き上げロッド9が突き上げロッド8を突き上げることによって、鍋2を傾倒軸5の回りに傾倒させて内部の食材3を鍋返しするようにしたものである。調理の間、鍋2内の食材3はクランク機構による掻き混ぜヘラ4によって鍋2の傾倒軸5とは反対の方へ寄せ返されている。
【0008】
特許文献3の回転式傾動型炒め機の調理方法は、その図1(a)、(b)、(c)の正面図に示されているように、回転釜1は(a)に示す炒め物を掻き出す時の水平姿勢、(b)に示す調理中の最下限位置姿勢、(c)に示す調理中の最上限位置姿勢を取る。そして図2(a)、(b)、(c)は図1(a)、(b)、(c)に対応する側面図である。調理に際しては、図1、2の(b)の姿勢において食材を出入口1aから投入して加熱源に点火する。次いで、可逆変速駆動モータ(図示せず)を駆動して、図3(a)に示すタイミングで、図1(b)、(c)の矢印、図2(b)、(c)の矢印に示すように、回転釜1を正回転、逆回転させると同時に、並行して、図3(b)に示すタイミングで、図1(b)、(c)、図2(b)、(c)に示すように、上傾動(例えば最上限傾度β=25度)と、下傾動(例えば最下限傾度α=15度)の傾動を繰り返すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平09−028580号公報
【特許文献2】特開2000−325238号公報
【特許文献3】特開2001−112636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の中華鍋の揺動装置は、手動式の装置はさておき、円形カム18の凹部25によって食材の鍋返しを自動化した装置は、円形カム18のほかに、その凹部25へ落とし込むためのレバー13の下端部に軸支されたローラ14、鍋台3の駆動柄12、駆動モータ22の側面の歯車21と駆動柄12とを連結する連結杆23、歯車21と噛み合い円形カム18を駆動する歯車20、突き上げロッド19を備えたレバー10を付勢するためのスプリング17等を備えており機構が極めて複雑である。
【0011】
また、特許文献2の炒め調理機では、鍋2自体は水平方向へは揺動されておらず、食材の掻き混ぜはクランク機構で駆動する掻き混ぜヘラ4で行われている。丸底の鍋2に対して掻き混ぜヘラ4の下端縁部は水平な直線状であるほか、その図1および図4〜10を見る限りおいて掻き混ぜヘラ4の移動範囲は限定的である。また、掻き混ぜヘラ4の使用は米飯に圧力が加わるので米飯が潰れ、チャーハンを調理する場合には食感を失い易い。
【0012】
また、特許文献3の回転式傾動型炒め機は、回転釜1を左右へ回動させると同時に、回転釜1を上傾動および下傾動させるもの、すなわち回転釜1の後(奥)側を上下させるものであり、回転釜1にそのような複雑な動作を所定のタイミングで行わせる駆動機構は高価なものになってしまう。そして、鍋1の内底面には煽り羽根3が図示されており、煽り羽根3は炒め物2を攪拌するものと推測されるが、その作用については何ら説明されていない。
【0013】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炒め物の調理に際し、食材の均等な加熱および鍋返しによる混合が未熟、非力な調理者にも容易に実施し得る回分式炒め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を達成するための請求項1に係る回分式炒め装置は、丸底鍋と、丸底鍋を揺動させるクランク機構と、丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、クランク機構が、垂直な姿勢のクランク・ディスクと、丸底鍋のクランク・ディスクに近い一端側に先端が固定され、後端部がクランク・ディスクの周縁部に回動自在に軸着されている連接板と、丸底鍋の他端側に丸底鍋の径より大の間隔をあけて両側に配置され、丸底鍋の他端部に回動自在に軸支された連結軸で連結されているスライダーとからなり、丸底鍋を左側にクランク・ディスクを右側に見て、クランク・ディスクが反時計方向に回転される装置である。
【0015】
このような回分式炒め装置は、クランク機構の駆動源によってクランク・ディスクが上記のように反時計方向に1回転される間に、クランク・ディスク上に存在する連接板の後端部の軸着部材が左側位置から下側位置となる過程pでは丸底鍋はクランク・ディスク側へ移動されながら平らな姿勢から一端側が低い姿勢となり、軸着部材が下側位置から右側位置となる過程qでは丸底鍋は更にクランク・ディスク側へ移動されながら平らな姿勢になる。続いて軸着部材が右側位置から上側位置となる過程rでは丸底鍋は一端側が高い姿勢になると共にクランク・ディスクから離隔する反対方向へ移動され、軸着部材が上側位置から左側位置となる過程sでは丸底鍋は更に反対方向へ移動されて元の位置に戻る。
【0016】
上記のようなサイクルが調理中に繰り返されることにより、丸底鍋内の食材は加熱されながら過程pにおいて丸底鍋がクランク・ディスクに近接する方向へ移動して低くなる丸底鍋の一端側の方へ寄せられ、丸底鍋が平らになる過程qを経た後、過程rにおいて丸底鍋は一端側が高くなると共にクランク・ディスクから離隔する逆方向へ移動されることにより、内部の食材は丸底鍋の一端側の曲面に沿って跳ね上げられる。続いて丸底鍋が平らになる過程sにおいて、食材は反転された状態で丸底鍋内へ落下して鍋返しされることにより、食材の全体が過不足なく混合されて均等に加熱される。駆動源には回転速度を適切に減速したモータが使用される。また加熱源には火力の大きい都市ガスないしはプロパンガスを使用するガス・コンロが好適である。
【0017】
請求項2に係る回分式炒め装置は、丸底鍋と、丸底鍋を揺動させるクランク機構と、丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、クランク機構が、丸底鍋の幅より外側に設けられた垂直な姿勢の主動クランク・ディスク、および丸底鍋の幅をあけて主動クランク・ディスクに対向する位置に設けられ、主動クランク・ディスクと一体的に回転する垂直な姿勢の従動クランク・ディスクと、主動クランク・ディスクおよび従動クランク・ディスクの周縁部にそれぞれの後端部が回動自在に軸着され、それぞれの先端が丸底鍋の幅方向の両端部に固定されている2枚の連接板と、丸底鍋の他端部に回動自在に軸支された連結軸で連結されているスライダーとからなり、丸底鍋を左側に主従のクランク・ディスクを右側に見て、クランク・ディスクが反時計方向に回転される装置である。
【0018】
このような回分式炒め装置は、丸底鍋の幅方向の両端部に固定された2本の連接板で丸底鍋を移動させるので、丸底鍋の一端側に1本の連接板が固定されたものと比較して、調理中における丸底鍋の左右へのガタツキを抑制することができる。また2本の連接板の先端が丸底鍋の幅方向の両端部に固定されているので、丸底鍋を含む実質的な連接板の長さが請求項1に係る回分式炒め装置の連接板と比較して短く、それに応じて丸底鍋の上下動作が大になり、食材の鍋返しの度合いを高める。
【0019】
請求項3に係る回分式炒め装置は、丸底鍋と、丸底鍋を着脱自在に支持する環状フレームと、丸底鍋と共に環状フレームを揺動させるクランク機構と、丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、クランク機構が、垂直な姿勢のクランク・ディスクと、環状フレームとクランク・ディスクとの間に環状フレームの径より大の間隔をあけて両側に配置され、連結軸で連結されているスライダーと、先端の軸支部材が上記連結軸を回動自在に軸支し、後端部がクランク・ディスクの周縁部に回動自在に軸着されている連接板とからなり、環状フレームはクランク・ディスクに近い一端側が固定部材を介して連接板の先端の上記軸支部材に固定されており、環状フレームおよび丸底鍋を左側にクランク・ディスクを右側に見て、クランク・ディスクが反時計方向に回転される装置である。
【0020】
このような回分式炒め装置は、丸底鍋が連接板の先端部に対応する位置にスライダーが存在しており、連接板の実質的な長さは請求項1、2に係る回分式炒め装置の連接板と比較して更に短く、食材の鍋返しの度合いを更に高める。
【0021】
請求項4に係る回分式炒め装置は、クランク・ディスクと共に回転する連接板の後端部の軸着部材がクランク・ディスク上において左端側に位置した時に、丸底鍋が水平な姿勢または丸底鍋の一端側が他端側よりもやや低い傾斜姿勢となるように構成されていることを特徴とする装置である。このような回分式炒め装置は、クランク・ディスクが回転され、丸底鍋がクランク・ディスクに近接してゆく過程において一端側が最も低い位置となり、続いて一端側が最も高い位置を経過した後に元の位置に戻るように傾動されることから、調理中における食材の偏りが抑制される。
【0022】
請求項5に係る回分式炒め装置は、丸底鍋に、その一端側の上方を覆う球面状カバーが丸底鍋の上縁部と一体に設けられていることを特徴とする装置である。このような回分式炒め装置は、食材の鍋返しが行われる過程において散乱し易い種類の食材を調理する場合に好適である。
【0023】
請求項6に係る回分式炒め装置は、クランク機構の駆動源がクランク・ディスクを不等速回転させることが可能なものであり、丸底鍋を左側にクランク・ディスクを右側に見て、反時計方向に回転するクランク・ディスク上に存在し連接板の後端部が軸着されている軸着部材が右側位置からほぼ(1/4)回転する部分を他の回転部分よりも高速に回転されることを特徴とする装置である。
【0024】
このような回分式炒め装置は、過程pにおいて丸底鍋をクランク・ディスク側へ移動させると共に丸底鍋の一端側を低くして食材を丸底鍋の一端側へ寄せ、過程qで丸底鍋を更にクランク・ディスク側へ移動して平らな姿勢にした後、丸底鍋の一端側を高くしながらクランク・ディスクから離隔させる反対方向への移動させる過程rにおいて移動速度を大にするので、食材の鍋返しを一層効果的に行うことができる。なお、クランク・ディスクを不等速回転させることの可能な駆動源としては、例えば回転速度制御装置を備えたモータ、例えばサーボモータを使用することができる。
【0025】
請求項7に係る回分式炒め装置は、加熱源が、クランク・ディスクの回転によって、環状フレームおよび該環状フレームに支持された丸底鍋と共に揺動可能とされている装置である。このような回分式炒め装置は、加熱源が丸底鍋と共に揺動されるので、加熱源が固定されている装置と比較して優れた加熱効率を示す。
【発明の効果】
【0026】
本発明の回分式炒め装置によれば、炒め物の調理に際して、丸底鍋を加熱し食材を投入してクランク機構を駆動させる電源を入れることにより、食材は自動的に鍋返しされて均等に加熱されるので、未熟な若者や非力な女性、老年者であっても熟練者と同様な操作で調理された炒め物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1の回分式炒め装置を示す平面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】実施例1の回分式炒め装置の作用を示す図である。
【図4】実施例2の回分式炒め装置を示す平面図である。
【図5】同側面図である。
【図6】実施例3の回分式炒め装置を示す平面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】実施例3の回分式炒め装置の作用を示す図である。
【図9】実施例4の回分式炒め装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上述したように、本発明の回分式炒め装置は、丸底鍋と、丸底鍋を揺動されるクランク機構とからなるものであり、垂直な姿勢のクランク・ディスクの回転によって、丸底鍋が往復動されると共に丸底鍋のクランク・ディスクの一端側と他端側が相互に逆方向に上下されるものである。そのことによって丸底鍋内の食材は、丸底鍋の下向きとなった一端側へ寄せられた後、丸底鍋が一端側を上向きにして逆方向へ移動されることにより、食材は一端側の内面に沿って跳ね上げられ反転されて丸底鍋内へ落下することにより食材を鍋返しして均等に加熱することができる。
【実施例1】
【0029】
図1は実施例1の回分式炒め装置10を示す平面図であり、図2はその側面図である。
図1、図2に示すように、回分式炒め装置10は、丸底鍋1をクランク機構によって揺動させて内部の食材を鍋返しするようにしたものであり、全体は基板19上に設置されている。上述したように、一回に2〜3人分の食材を調理するものであるから、丸底鍋1の最大径は320mmφとしている。
【0030】
そして全体は次のように構成されている。基板19上の台座2に設置された駆動モータ3によって回転する駆動軸4にクランク・ディスク5が垂直に取り付けられている。クランク・ディスク5の周縁部には連接板7の後端部が軸着部材8によって軸着されており、連接板7の先端は丸底鍋1の一端側に一体的に固定されている。なお、クランク・ディスク5の軸着部材8が描く回転円の直径(PCD、ピッチ・サークル・ダイヤメータ)は100mmである。図2に示すように、この回分式炒め装置10は丸底鍋1がクランク・ディスク5から最も離隔した位置にある時、すなわち、丸底鍋1と一体的な連接板7とクランク・ディスク5との軸着部材8がクランク・ディスク5の回転によってクランク・ディスク5の左端側に位置している時に、丸底鍋1が水平な姿勢となるようにした装置である。
【0031】
丸底鍋1の他端側には連接板7と直角な方向の連結軸11が取付部材12を介して水平に取り付けられており、連結軸11の両端部は丸底鍋1と当接しないように両側に配置されたスライダー13の挿着部14へそれぞれ回動自在に挿入されている。そして、両スライダー13のそれぞれは、連接板7と平行に配置され、両端部を軸支部材15a、15bによって軸支された水平な2本のガイド・ロッド16上に往復自在に取り付けられている。そして丸底鍋1の下方となる基板19上には加熱源のガス・コンロ18が配置されている。また丸底鍋1にはクランク・ディスク5側のほぼ半分の上方を覆うように球面状のカバー1Cが丸底鍋1の上縁部と一体的に設けられている。なお、駆動モータ3には回転速度を歯車で減速させたギヤード・モータを採用している。勿論、それ以外のモータ、例えばステッピングモータであっても良い。
【0032】
次に、上記の回分式炒め装置10の作用を図3によって説明する。図3(A)は図2と同じ図である。同図においてクランク・ディスク5と連接板7との軸着部材8がクランク・ディスク5のピッチサークルダイヤ上で左側位置になっており、丸底鍋1の他端側の連結軸11が挿着されているスライダー13はクランク・ディスク5から最も遠い位置にあって、丸底鍋1は水平な姿勢となっている。そして、クランク・ディスク5は駆動モータ3により、図3において反時計方向に回転される。そしてガス・コンロ18が点火されて丸底鍋1は200℃前後の温度に加熱されており、図示せずとも、丸底鍋1の鍋肌には油がひかれ、炒め物用の食材が投入されているものとする。
【0033】
図3(B)はクランク・ディスク5が図3(A)の位置から反時計方向に90度回転されて(過程pを経て)、軸着部材8が左側位置から下側位置になった状態を示す。すなわち、丸底鍋1の一端側は図3(A)の位置から連接板7によって下方へ引っ張られるが、丸底鍋1の他端側の連結軸11が挿着されているスライダー13はガイド・ロッド16上を水平に移動するので、丸底鍋1は連結軸11の回りにやや下方へ回動されて一端側を下にした傾斜姿勢になると共に、クランク・ディスク5に近接する方向へ移動される。従って、丸底鍋1内の食材は加熱されながら一端側へ移動される。
【0034】
図3(C)はクランク・ディスク5が図3(B)の位置から更に90度回転されて(過程qを経て)、軸着部材8が下側位置から右側位置になった状態を示す。丸底鍋1の一端側は図3(B)の位置から連接板7によって引き上げられるが、丸底鍋1の他端側と一体的なスライダー13はガイド・ロッド16上を水平に移動するので、丸底鍋1は連結軸11の回りに上方へ回動され、水平な姿勢になると共に、クランク・ディスク5に最も近接した位置となり、クランク・ディスク5の方への移動速度は0になる。従って、丸底鍋1内の食材は慣性によって一端側の内面へ寄せられる。
【0035】
図3(D)はクランク・ディスク5が図3(C)の位置から更に90度回転されて(過程rを経て)、軸着部材8が右側位置から上側位置になった状態を示す。すなわち、丸底鍋1の一端側は図3(C)の位置から連接板7によって押し上げられるが、丸底鍋1の他端側と一体的なスライダー13はガイド・ロッド16上を水平に移動するので、丸底鍋1は連結軸11の回りに上方へ回動され、一端側を上にした傾斜姿勢になると共に、クランク・ディスク5から離隔する方向へ移動される。従って、丸底鍋1内の食材は一端側の内面に沿って跳ね上げられる。
【0036】
続いて、クランク・ディスク5が図3(D)の位置から更に90度回転されて(過程sを経て)、軸着部材8がピッチサークルダイヤ上で上側位置から左側位置になって図3(A)の状態に戻るが、その間において、丸底鍋1内で跳ね上げられた食材は反転されて丸底鍋1の中央部へ落下する。このように加熱され掻き混ぜられることにより食材中に均等に火が通り、かつ焦げ付きのない炒め物が得られる。なお、丸底鍋1にはクランク・ディスク5側の上方を覆う球面状のカバー1Cが設けられているので、跳ね上げられた食材が丸底鍋1の外側へ散乱することを防ぐ。
【0037】
上記ではクランク機構の駆動に定速回転の駆動モータ3を使用したが、クランク・ディスク5を1回転させる中で、クランク・ディスク5上の軸着部材8が右側位置から上方位置になる過程rを他の過程p、q、sよりも高速でクランク・ディスク5を回転させるようにしてもよい。すなわち、クランク・ディスク5に最も近接した位置へ移動してきて水平な姿勢にある丸底鍋1を、一端側が上向きの姿勢にしながら、クランク・ディスク5から離隔する逆方向へ急速に移動させるようにしてもよい。クランク・ディスク5をこのように回転させることにより、丸底鍋1内の食材は一層効果的に鍋返しされる。
【0038】
なお、上記実施例1においては、丸底鍋1がクランク・ディスク5から最も離隔した位置において水平な姿勢をとる回分式炒め装置10を例示したが、同じく丸底鍋1がクランク・ディスク5から最も離隔した位置において、丸底鍋1のクランク・ディスク5側である一端側が他端側よりもやや低い傾斜姿勢をとる回分式炒め装置であってもよい。また水平姿勢と上記傾斜姿勢との間で丸底鍋1の傾斜角度を連続的に変化させることができる回分式炒め装置としてもよい。
【実施例2】
【0039】
図4は実施例2の回分式炒め装置20を示す平面図であり、図5はその側面図である。る。図4、図5に示すように、回分式炒め装置20が基板19上に設けられており、丸底鍋1をクランク機構によって揺動させて内部の食材を鍋返しするようにしたものであることは実施例1の回分式炒め装置10と同様である。実施例2の回分式炒め装置20が実施例1の装置10と異なるところは、クランク機構の構成にある。なお、丸底鍋1の他端側に取り付けられた丸底鍋1の連結軸11がスライダー13を介して水平なガイド・ロッド16上を往復動すること、ガス・コンロ18が丸底鍋1の直下となる位置に配置されていること、丸底鍋1がカバー1Cを有すること等は実施例1の炒め装置10と同様であるので、これらについての説明は省略する。なお図4においてはガス・コンロ18の図示を省略している。
【0040】
次に、実施例2の回分式炒め装置20におけるクランク機構の構成を説明する。図4に示すように、基板19上の台座2に設置された駆動モータ3によって回転する駆動軸4に垂直姿勢の主動クランク・ディスク25が取り付けられている。そして、主動クランク・ディスク25とは丸底鍋1の幅より大の間隔をあけて対向する位置に、全く同様な形状および寸法の従動クランク・ディスク26が設けられており、その回転軸24は軸受23に軸支されている。
【0041】
主動クランク・ディスク25の周縁部には連接板27の後端部が軸着部材28によって軸着されており、連接板27の先端は丸底鍋1の横幅の一端側に固定されている。また、従動クランク・ディスク26の周縁部にも従動クランク・ディスク26側の連接板27の後端部が軸着部材28によって軸着されており、当該連接板27の先端は丸底鍋1の横幅の他端側に固定されている。加えて、連接板27の後端と従動クランク・ディスク26側の連接板27の後端とは連結ロッド29によって連結されており、主動クランク・ディスク25が回転されると、従動クランク・ディスク26も同じ方向へ回転されるようになっている。
【0042】
上述したように、丸底鍋1の他端側に取り付けられた丸底鍋1の連結軸11はスライダー13を介してガイド・ロッド16上を往復動するようになっているので、駆動モータ3が駆動されて主動クランク・ディスク25および従動クランク・ディスク26が図5において反時計方向に回転されると、それらに軸着されている2枚の連接板27は同様に作動し、丸底鍋1の一端側を実施例1の図3(A)、(B)、(C)、(D)に示したと同様に揺動させる。ただ、実施例1のクランク・ディスク5と実施例2の主動クランク・ディスク25は同一のPCDを有するが、実施例1の連接板7と比較して、実施例2の連接板27の長さは後述するように実質的に短いので、主動クランク・ディスク25における軸着部材8が下側位置(図3Bに相当する位置)になった時点、および軸着部材8が上側位置(図3(D)に相当するする位置)になった時点おける丸底鍋1の傾斜角度は実施例1の場合と比較して大になり、食材の鍋返しが一層効果的に行われる。
【実施例3】
【0043】
図6は実施例3の回分式炒め装置30を示す平面図であり、図7はその側面図である。図6、図7に示すように、回分式炒め装置30の主たる機構は作業台32の上面に設置されている。この回分式炒め装置30も、クランク機構によって丸底鍋1を揺動させて丸底鍋1内の食材を鍋返しするようにしたものであることは実施例1の回分式炒め装置10、実施例2の回分式炒め装置20と同様である。実施例3の回分式炒め装置30が実施例1の回分式炒め装置10、実施例2の回分式炒め装置20と異なるところはクランク機構の構成にある。
【0044】
次に、実施例3の回分式炒め装置30におけるクランク機構の構成を説明する。図6、図7に示すように、後端部が軸着部材8によってクランク・ディスク5の周縁部に軸着されている連接板37の先端部には「コ」字形状の軸支部材36が取り付けられており、その軸支部材36に回動自在に軸支されている連結軸39によって両側のスライダー13が連結されている。なお、連結軸39の端部はそれぞれスライダー13の挿着部へ回転自在に挿着されている。
【0045】
両側のスライダー13は、連接板37と平行に配置され、両端部を軸支部材15a、15bによって軸支された水平な2本のガイド・ロッド16にそれぞれに往復自在に取り付けられている。また丸底鍋1の加熱源となるガス・コンロ38は作業台32の内部に配置されているので、ガス・コンロ38に対応する作業台32の上面部分は開口されている。
【0046】
次に、上記回分式炒め装置30におけるクランク機構の作用を図8によって説明する。図8(A)はクランク・ディスク5と丸底鍋1とは図7と同じ状態である。同図においてクランク・ディスク5と連接板37との軸着部材8はクランク・ディスク5上で左端側になっており、丸底鍋1を支持する環状フレーム34は固定部材35によって連接板37の先端の軸支部材36に固定されている。すなわち、環状フレーム34および丸底鍋1はクランク・ディスク5から最も遠い左端位置にあり、ほぼ水平な姿勢となっている。そして、クランク・ディスク5は駆動モータ3により、図8(A)において反時計方向に回転される。
【0047】
図8(B)はクランク・ディスク5が図8(A)の位置から反時計方向に90度回転されて、軸着部材8が左側位置から下側位置になった状態を示す。それによって、連接板37の後端部は軸着部材8によって引き下げられるが、スライダー13は図8(A)の位置からガイド・ロッド16上を水平に右方へ移動されるので、連接板37は図8(A)に示す水平な状態から図8(B)に示す先端部が上向きに傾斜し、連接板37の先端の軸支部材38に固定されている環状フレーム34および丸底鍋1はクランク・ディスク5から遠い方の他端側を斜め上に向けて傾斜した姿勢となり、丸底鍋1内の食材は一端側へ向かって移動される。
【0048】
そして、クランク・ディスク5が図8(B)の位置から反時計方向に90度回転され、クランク・ディスク5上の軸着部材8が下側位置から右側位置になると、図示せずとも、連環状フレーム34および丸底鍋1はクランク・ディスク5に最も近い右端位置において水平な状態となり、食材は丸底鍋1内で右方位置に寄せられた状態となる。
【0049】
続いてクランク・ディスク5が反時計方向に90度回転されると、図8(C)に示すように、クランク・ディスク5上の軸着部材8は右側位置から上側位置になる。従って連接板37の後端部は軸着部材8によって引き上げられるが、スライダー13はガイド・ロッド16上を水平に左方へ移動されるので、連接板37は水平な状態から先端部を下向きに傾斜され、連接板37の先端部に固定されている環状フレーム34および丸底鍋1は他端側を斜め下に向けて傾斜した姿勢となる。この時点において、丸底鍋1の底部は作業台32の表面のガス・コンロ穴から下方へ入り込んだ状態となる。そして、丸底鍋1内の食材は他端側へ向かって移動される。その後、クランク・ディスク5が更に90度回転されると図8(A)の状態へ戻る。
【0050】
以上のようにクランク・ディスク5の回転によって、クランク・ディスク5上の軸着部材8はPCDが描く円に沿って左側位置、下側位置、右側位置、上側位置となって丸底鍋1が揺動されることにより、実施例1の回分式炒め装置10と同様に、丸底鍋1内の食材は上方へ跳ね上げられて丸底鍋1内へ落下することにより食材は鍋返しされて均等に加熱される。
【0051】
なお、実施例1の回分式炒め装置10は連接板7が丸底鍋1のクランク・ディスク5に近い一端部に固定され、実施例2の回分式炒め装置20は2枚の連接板27が丸底鍋1の移動方向と直角な幅方向の両端部に固定されているので、機構学的にみれば、スライダー13との関係において、実施例1の回分式炒め装置10は、丸底鍋1の全体(直径に相当する長さ)が連接板7の延長部分となっており、実施例2の回分式炒め装置20は、丸底鍋1の半径に相当する長さが連接板27の延長部分になっていることになる。これらと比較して、実施例3の回分式炒め装置30は、連接板37の先端域にスライダー13が存在しており、連接板37は延長されていないので、その実質的な長さは最も短い。従ってクランク・ディスク5の回転による丸底鍋1の上下動は最も大きく、食材の鍋返しの度合いは最も大である。
【実施例4】
【0052】
実施例1〜実施例3においては、ガス・コンロが固定されている場合を説明したが、例えば、図9に示す実施例4のように、ガス・コンロ48を環状フレーム32および丸底鍋1と共に揺動させる回分式炒め装置40としてもよい。図9において、ガス・コンロ48は、円筒状の風防47で囲われており、かつ風防47の中央底部で梁材に支持されている。風防47を設けているのは、ガス・コンロ48が揺動されることによる炎の立ち消えを防ぐためである。実施例4の回分式炒め装置40において、ガス・コンロ48を揺動させる部分以外の箇所は図6、図7に示した実施例3と同様である。
【0053】
図9に示すように、風防47の側面と環状フレーム34の側面とは風防吊下げ板43によって固定されている。勿論であるが、風防吊下げ板43は紙面の裏側である対称位置にも設けられている。更に、風防47の外面にはフランジ45が設けられており、このフランジ45は風防固定部材46を介して図6に示した連接板37の先端に設けられている軸支部材36の底面側に固定されている。このように、ガス・コンロ48は風防47と共に3箇所で固定されている。そして、ガス・コンロ48には、下方からフレキシブルなガス・ホース49が接続されている。
【0054】
実施例4の回分式炒め装置40は、以上のように構成されているが、次にその作用を説明する。図6を援用して駆動モータ3が駆動され、図9のクランク・ディスク5が反時計方向に回転されると、クランク・ディスク5上の軸着部材8は左側位置から下側位置、右側位置、上側位置と回転されるが、それに伴い軸着部材8に後端部が連結されている連接板37を介して、環状フレーム32および丸底鍋1が揺動されると共に、ガス・コンロ48および風防47も揺動される。このように丸底鍋1とガス・コンロ48とを一体的に揺動させるので、ガス・コンロが固定されている場合と比較して、丸底鍋1の食材は効果的に加熱される。また、ガス・コンロ48は風防47を備えているので、揺動されることによる炎の立ち消えを防ぐことができる。
【0055】
上記までにおいて、本発明の回分式炒め装置による調理品を炒め物と表記したが、炒め物にはチャーハン、ピラフ、および焼き飯が含まれる。勿論、丸底鍋内で鍋返しされる調理品である限りにおいて、炒め物には上記以外の調理品も含まれる。また、それらの食材には米飯、卵、ハム、ベーコン、野菜、その他の具材が含まれる。そして、これらの食材は丸底鍋の鍋面に沿って移動して均等に加熱され、鍋返しされて均等に混ぜられるので、何人が調理しても熟練者が調理したものと同等の炒め物を提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 丸底鍋、 2 台座、
3 駆動モータ、 4 駆動軸、
5 クランク・ディスク、 7 連接板、
8 軸着部材、 10 実施例1の回分式炒め装置、
11 連結軸、 12 取付部材、
13 スライダー、 14 挿着部、
15 軸支部材、 16 ガイド・ロッド、
18 ガス・コンロ、 19 基板、
20 実施例2の回分式炒め装置、 22 台座、
23 軸受、 24 回転軸、
25 主動クランク・ディスク、 26 従動クランク・ディスク、
27 連接板、 28 軸着部材、
29 連結ロッド、 30 実施例3の回分式炒め装置、
32 作業台、 34 環状フレーム、
35 固定部材、 36 軸支部材、
37 連接板、 38 ガス・コンロ、
39 連結軸、 40 実施例4の回分式炒め装置、
43 風防吊下げ板、 45 フランジ、
46 風防固定部材、 47 風防、
48 ガス・コンロ、 49 フレキシブルなガス・ホース、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸底鍋と、前記丸底鍋を揺動させるクランク機構と、前記丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、
前記クランク機構が、垂直な姿勢のクランク・ディスクと、前記丸底鍋の前記クランク・ディスクに近い一端側に先端が固定され、後端部が前記クランク・ディスクの周縁部に回動自在に軸着されている連接板と、前記丸底鍋の他端側に前記丸底鍋の径より大の間隔をあけて両側に配置され、前記丸底鍋の他端部に回動自在に軸支された連結軸で連結されているスライダーとからなり、
前記丸底鍋を左側に前記クランク・ディスクを右側に見て、前記クランク・ディスクが反時計方向に回転されることを特徴とする回分式炒め装置。
【請求項2】
丸底鍋と、前記丸底鍋を揺動させるクランク機構と、前記丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、
前記クランク機構が、前記丸底鍋の幅より外側に設けられた垂直な姿勢の主動クランク・ディスク、および前記丸底鍋の幅をあけて前記主動クランク・ディスクに対向する位置に設けられ、前記主動クランク・ディスクと一体的に回転する垂直な姿勢の従動クランク・ディスクと、前記主動クランク・ディスクおよび前記従動クランク・ディスクの周縁部にそれぞれの後端部が回動自在に軸着され、それぞれの先端が前記丸底鍋の幅方向の両端部に固定されている2枚の連接板と、前記丸底鍋の他端部に回動自在に軸支された連結軸で連結されているスライダーとからなり、
前記丸底鍋を左側に前記主従のクランク・ディスクを右側に見て、前記クランク・ディスクが反時計方向に回転されることを特徴とする回分式炒め装置。
【請求項3】
丸底鍋と、前記丸底鍋を着脱自在に支持する環状フレームと、前記丸底鍋と共に前記環状フレームを揺動させるクランク機構と、前記丸底鍋の直下方に設置された加熱源とからなる回分式炒め装置であって、
前記クランク機構が、垂直な姿勢のクランク・ディスクと、前記環状フレームと前記クランク・ディスクとの間に前記環状フレームの径より大の間隔をあけて両側に配置され、連結軸で連結されているスライダーと、先端の軸支部材が前記連結軸を回動自在に軸支し、後端部が前記クランク・ディスクの周縁部に回動自在に軸着されている連接板とからなり、前記環状フレームは前記クランク・ディスクに近い一端側が固定部材を介して前記連接板の先端の前記軸支部材に固定されており、
前記環状フレームおよび前記丸底鍋を左側に前記クランク・ディスクを右側に見て、前記クランク・ディスクが反時計方向に回転されることを特徴とする回分式炒め装置。
【請求項4】
前記クランク・ディスクと共に回転する前記連接板の後端部の軸着部材が前記クランク・ディスク上において左端側に位置した時に、前記丸底鍋が水平な姿勢または丸底鍋の一端側が他端側よりもやや低い傾斜姿勢となるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の回分式炒め装置。
【請求項5】
前記丸底鍋の一端側の上方を覆う球面状カバーが前記丸底鍋の上縁部と一体に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の回分式の炒め装置。
【請求項6】
前記クランク機構の駆動源が前記クランク・ディスクを不等速回転させることが可能なものであり、前記丸底鍋を左側に前記クランク・ディスクを右側に見て、反時計方向に回転する前記クランク・ディスク上に存在する前記連接板の後端部の軸着部材が右側位置からほぼ(1/4)回転する部分を他の回転部分よりも高速に回転されることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の回分式炒め装置。
【請求項7】
前記加熱源が、前記クランク・ディスクの回転によって、前記環状フレームおよび該環状フレームに支持された前記丸底鍋と共に揺動可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の回分式炒め装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−104763(P2010−104763A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37580(P2009−37580)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(598109718)
【Fターム(参考)】