説明

回線インタフェース装置及び試験方法

【課題】 データを複数の異なる接続先伝送路のデータフォーマットへ変換を行い、所定の伝送路フォーマットに対応した回線インタフェースを介して接続先装置と通信を行うための回線インタフェース装置の試験を運用中に実行できない問題である。
【解決手段】
回線インタフェース装置の運用中の選択された回線番号とデータフォーマット種類に対し、選択された運用中の回線番号とデータフォーマット種類に対し、選択データフォーマット種類と非選択回線番号の信号を処理する経路に試験データを疎通させ装置の正常性試験を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる回線インタフェースを介してデータを伝送する回線インタフェース装置の試験方法に係り、特に、装置内部で処理するデータフォーマットを伝送路上のデータフォーマットへの変換を含む処理を実行後に回線インタフェースを介して他の接続先装置と通信する回線インタフェース装置及び試験方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信網は、一般に異なるデータフォーマットを有する複数の個別網を接続してネットワークを構成している。例えば、SDH(Synchronous Digital Hierachy)IP(Internet Protocol)網があり、これらの網が相互接続される。また、伝送されるデータフォーマットとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)、STM(Synchronous Transfer Mode)、HDLC(High−level Data Link Control procedure)等の各々異なるデータフォーマットで通信が行われる。これらのデータフォーマットで伝送される装置に例えば、CPU(Centoral Processing Unit)等の外部装置からデータを送信する場合、回線インタフェース装置により外部装置のデータフォーマットを接続先装置のデータフォーマットに合わせたデータフォーマット変換の処理を含むデータ処理を行い接続先装置にデータが送信される。
【0003】
図10は本発明の従来の回線インタフェース装置を示す図である。
【0004】
バスIF部30で外部装置から入力情報を受信し、データ処理部31で前述のTCP/IP、ATM、STM、HDLC等のデータフォーマットに対応したデータリンク層のプロトコル処理が行われる。接続先装置に依存してデータフォーマットが異なる場合は該当のデータフォーマットに変換処理され回線IF部32を介して接続先装置に送信される。
【0005】
しかしながら、回線IF部32は回線種類によりインタフェースコネクタを始めてとして物理的媒体も異なる。このためデータ処理部31、回線IF部32をデータフォーマット及び接続先装置に対応して複数種類用意し置き替えて対応することが考えられる。このデータフォーマット毎に対応する回線インタフェース装置を搭載する場合、例えば機能要素毎にブレードで構成するような装置では回線インタフェースコネクタは物理的にスペースが必要となる。また、専用装置を複数搭載することは構成上不利であり、また多品種製造・管理が必要などの欠点がある。このため、複数データフォーマットの処理を選択可能とした回線インタフェース装置が考えられる。
【0006】
図11は従来の回線インタフェース装置の複合構成を示す図である。データフォーマットに合わせた専用インタフェースの複数構成による回線インタフェース装置を示している。
【0007】
各専用インタフェース装置の夫々により、バスIF部30を介して入力されたデータが各々Aフォーマットデータ処理部31−1、Bフォーマットデータ処理部31−2、Xフォーマットデータ処理部31−2でデータ処理された後、例えば、接続先装置に対応した回線IF部32−1を介して接続先装置に送信される。
【0008】
一方、回線インタフェース装置の正常性の確認の必要があり、一般に、試験回路で入力した試験データを装置内で折り返し、折り返し後のデータを検証することで正常性の試験が行われる。例えば、ATM通信装置において、セルの一部に運用中/非運用中の識別子を設け、試験用の非運用識別子をセルの空きセル位置に挿入し、非運用中セルのVPI値・VCI値を変化させて試験用パスも変化させ、出力直前で識別子を検出して折り返して非運用セルを確認する方法がある。(特許文献1)。また、通話2チャンネル分のISDN外線が空いているか否かを定期的に確認し、いずれか1チャンネルが通話に使われていない場合、ループバックモードに切り替えて定期的にループバックテストを行う方法がある。(特許文献2)これら従来の試験方法を整理すると以下となる。
【0009】
図12は従来の回線インタフェース装置の試験方法を示す図である。1)回線遮断による折り返し、2)識別子判定による折り返しを示している。
1)回線遮断による折り返し
回線IF部の外部への接続を遮断して回線ポートで折り返す。この場合、運用中での試験は不可となる。
2)識別子判定による折り返し
試験用識別子を付加したデータを疎通させ識別子判定により回線ポートで折り返す。この場合、識別子を判定してデータを選択的に折り返し・振り分けるための回路を追加する必要が有り、また全ての帯域を使用できない問題がある。
上記の他、二重化装置の場合、予備系を非運用にして折り返す。この場合、運用中での現用系回路の正常性確認は不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平07−327031号公報
【特許文献2】特開平03−212051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする課題は、CPU等の上位装置からのデータを複数の異なる接続先伝送路のデータフォーマットへの変換を含むデータ処理を行い、所定の伝送路のデータフォーマットに対応した回線インタフェースを介して接続先装置と通信を行うための回線インタフェース装置の試験を運用中に実行できない問題である。
【0012】
本発明は、少ない試験用付加回路で回線インタフェース装置の運用中での試験を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
回線インタフェース装置に自己の試験行う試験回路を備え、回線インタフェース装置の選択された運用中の回線番号とデータ種類に対し、選択データフォーマット種類と非選択回線番号の信号を処理する経路に試験データを疎通させ、回線インタフェース部で非選択の回線番号を検出して試験データを折り返し、折り返し後の前記試験データの検証により運用中での回線インタフェース装置の正常性試験を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明により異種複数回線インタフェース装置の正常性試験をフラグや特定のIDなどの識別子を用いることなくなく少ない試験用付加回路で運用中に使用中の改選インタフェース以外の正常性の検証が可能となる。また、本来の運用に用いるフォーマット選択情報のみで試験経路を選択して試験を行なうので、上位ソフト/上位装置等からの制御が必要とせずに回線インタフェース装置で自律的に試験が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の回線インタフェース装置ブロック構成を示す図である。
【図2】試験回路部ブロック構成を示す図である。
【図3】回線インタフェース装置各部の基本信号形式例を示す図である。
【図4】回線インタフェース装置各部の信号形式例(1/2)を示す図である。
【図5】回線インタフェース装置各部の信号形式例(2/2)を示す図である。
【図6】フォーマット選択情報例を示す図である。
【図7】回線インタフェース装置の試験データ疎通例を示す図である。
【図8】バスIF部データ分離回路例を示す図である。
【図9】経路選択部パス折り返し回路例を示す図である。
【図10】従来の回線インタフェース装置を示す図である。
【図11】回線インタフェース装置の複合構成を示す図である。
【図12】従来の回線インタフェース装置の試験方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0016】
図1は本発明の一実施形態の回線インタフェース装置ブロック構成を示す図である。外部装置1 2からの運用データを所定の回線を介して接続先装置に送信すると共に、外部装置2 3から運用データに係る情報(回線番号、データフォーマット種類)を基に当該装置の試験を行う回線インタフェース装置1のブロック構成を示している。
【0017】
回線インタフェース装置1はバスIF部10、試験回路部11、フォーマット選択情報設定部12、フォーマット多重分離部13、複数のフォーマットデータ処理部14、複数の回線多重分離部15、複数の経路選択部16、複数の回線IF部17で構成する。
【0018】
外部装置1 2は回線インタフェース装置1を介して所定のデータを接続先装置に送信するCPU等の上位装置であり運用データを回線インタフェース装置1に送信し、また接続先装置からの運用データを回線インタフェース装置1から受信する。
【0019】
外部装置2 3は回線インタフェース装置の試験情報の設定装置であり、運用に使用される接続先装置毎の回線を示す回線番号とその回線に応じて選択されたそのデータフォーマットの情報(以下ではフォーマット選択情報と表現)を回線インタフェース装置1に送信する。外部装置2 3は外部装置1 2が代替することも可能である。
【0020】
各部の処理は以下となる。
バスIF部10
外部装置1 2とのインタフェースであり、外部装置2から情報(運用データ、回線番号、データフォーマット種類)を受信し、試験回路部11からの情報(試験データ、回線番号、データフォーマット種類)と多重してフォーマット多重分離部13に送信する。また、フォーマット多重分離部13から受信した情報(データ、回線番号、フォーマット選択情報)をフォーマット選択情報設定部からのフォーマット選択情報を基に外部装置1 2と試験回路部11に振り分ける。
試験回路部11
フォーマット選択情報設定部12からのフォーマット選択情報を受信し、選択されていない回線とそのデータフォーマットに対する試験経路への試験データを設定し、バスIF部10に送信する、また、バスIF部10から受信する装置内部を疎通後の試験データを受信し、送信した試験データと同一か否かの確認を行う。フォーマット選択情報例、試験回路の構成例は後述する(図6、図2)。
フォーマット選択情報設定部12
外部装置2 3(あるいは場合により外部装置1 2)より運用中の回線番号とそのデータフォーマット種類を受信し、フォーマット選択情報(図6)として、バスIF部10、試験回路部11、各経路選択部16に送信する。
フォーマット多重分離部13
バスIF部10から情報(データ、回線番号、データフォーマット種類)を受け、データフォーマット種類毎に分離し、種類毎に対応するフォーマットデータ処理部14に情報(データ、回線番号)を送信する。また、各フォーマットデータ処理部14からの情報(データ、回線番号)にデータフォーマット種類を付加し、全フォーマットデータ処理部14からの情報と多重してバスIF部10に送信する。
フォーマットデータ処理部14
フォーマット多重分離部13からデータフォーマット種類毎の情報(データ、回線番号)を受信し、各々が担当するデータフォーマット種類毎に情報を処理し、回線多重分離部15に情報(データ、回線番号)を送信する。また、回線多重分離部15から情報(データ、回線番号)を受信し、フォーマット多重分離部13に情報(データ、回線番号)を送信する。図1ではAフォーマットデータ処理部14−1、Bフォーマトデータ処理部14−2、Xフォーマットデータ処理部14−3で各々Aデータフォーマット、Bデータフォーマット、Xデータフォーマットのデータを処理する。ここで、処理とは、外部装置からの情報の各データフォーマットへの変換、逆変換等である。
【0021】
各データ処理部は全ての回線インタフェースが同一のデータフォーマットを選択されても処理可能な能力を備えている。従って、例えば、1つの回線(例.回線番号m)に対し1つのデータフォーマット(例.Aデータフォーマット)が選択されると、他のフォーマットデータ処理部(例.Bフォーマットデータ処理部)では、少なくも回線番号m対応の処理は不要なので1回線分の処理能力の余裕がある。この処理能力を活かして経路の試験を行うことが可能となる。
回線多重分離部15
対応する各々のフォーマットデータ処理部14から情報(データ、回線番号)を受信し、回線番号毎に分離し該当する回線番号対応の経路選択部16に情報(データ)を送信する。また、各経路選択部16から情報(データ)をデータフォーマット種類毎に多重した情報(データ、回線番号)を各フォーマット多重分離部14に送信する。
経路選択部16
回線多重分離部15から情報(データ)をフォーマット選択情報(図6)に基づき運用データと試験データに分離し、試験データは折り返し、運用データは回線番号で定まる回線番号の回線IF部17に送信する。また、各回線IF部17からの情報(運用データ)を回線多重分離部15に送信する。試験データのパス折り返し方法については後述する(図9)。
回線IF部17
経路選択部16からのデータを各回線に送信する。また、各回線からのデータを対応する回線番号の経路選択部16に送信する。
【0022】
図2は試験回路部ブロック構成を示す図である。
【0023】
試験回路部11は試験データ生成部20、データチェック部21、試験制御部22で構成し、試験経路に疎通させる試験データを生成し、バスIF部10に送信する。また、バスIF部10より疎通後の試験データを受信し、データチェック部21で疎通後の試験データの正常か否かを検証し、疎通経路の正常性をチェックする。試験制御部22はこれらの信号の流れを制御する。
【0024】
図3は回線インタフェース装置各部の基本信号形式例を示す図である。
【0025】
図1で示した回線インタフェース装置で扱う情報である、データ、回線番号、データフォーマット種類について回線インタフェース装置内で信号形式の例を示している。なお、データは運用データあるいは、試験データの2種がある。また、これらの信号形式は回線インタフェース装置内の各部では複数多重化されたフレーム信号の形式で時分割に処理されるが、以下では単独の信号として説明し、多重化の信号形式は図4、図5で述べる。
ア.形式1:(データ、回線番号、データフォーマット種類)で構成する。
イ.形式2:(データ、回線番号)で構成する。
ウ.形式3:(データ)で構成する。
形式1
外部装置1 2とのインタフェースの信号形式である。また、バスIF部10、試験回路部11、フォーマット多重分離部13で扱う信号形式である。
【0026】
フォーマット多重分離部13は形式1の信号よりデータフォーマット種類を取り除き、対応する各フォーマットデータ処理部14に形式2の信号で送信する。また、各フォーマットデータ理部14からの形式2の信号に各フォーマットデータ処理部14に対応したデータフォーマット種類を付加して形式1でバスIF部10とインタフェースする。
形式2
フォーマットデータ処理部14、回線多重分離部15で扱う形式である。回線多重分離部15では形式2の形式より回線番号を取り除き、回線番号毎に対応する経路選択部16に送信し、経路選択部16とは形式3でインタフェースする。また、回線番号を付加した形式2でフォーマットデータ処理部14とインタフェースする。
形式3
経路選択部16、回線IF部17で扱う形式であり、また、各接続先装置への通信の形式である。
【0027】
図4は回線インタフェース装置各部の信号形式例(1/2)を示す図である。図5は回線インタフェース装置各部の信号形式例(2/2)を示す図である。
【0028】
T1−ATM、T1−STMのデータフォーマット種類を例に回線インタフェース装置各部の信号形式を示している。これらの信号は例えば、データフォーマット種類によりデータ長が異なるので可変長、離散的なデータストリームが考えられる。
1)外部装置と回線インタフェース装置間の信号形式
外部装置1 2と回線インタフェース装置間の信号形式でT1−ATM、T1−STMの信号が多重化されている。
DA:回線インタフェース装置識別アドレスである。複数の回線インタフェース装置を識別する。
Fm:データのフォーマット種類を示す。
L#:回線番号を示す。
CELL:ATMフォーマットのセルデータを示す。(例.53oct長)
Ctrl:STMフォーマットのデータに対する制御情報を示す。(例.Ch0〜ch23の有効/無効、タイムスロット入れ替え情報)
ch0〜ch23:STMフォーマット各タイムスロット(TS)のデータを示す。(各々1oct長)
2)バスIF部とフォーマット多重分離部間の信号形式
1)の信号形式より該当の回線インタフェース装置が選択され、DA信号の無い信号形式である。
3)フォーマット多重分離部〜回線多重分離部での信号形式
フォーマット多重分離部でフォーマット種類毎に分離(これにより、フォーマット種類のFmの情報無し)された多重化された信号形式である。このフォーマット種類毎(ここでは、T1−ATMのデータフォーマット、T1−STMのデータフォーマット種類毎)に該当のフォーマットデータ処理部、回線多重分離部でデータの処理が行われる。
【0029】
なお、T1−STM信号形式の場合フォーマットデータ処理フォーマットデータ処理部においてCtrl情報および/または別に用意された変換情報によってch[i]とタイムスロットTS[j]の入れ替えにより、例えば、ch[0]はTS[1]に入れ替えられる(以下順次同様)。
4)回線多重分離部〜回線IF部での信号形式
回線毎に回線多重分離部で分離(これにより、回線番号Lmの情報無し)された信号形式である。
5)回線での信号形式
T1−ATM場合:図に示すようにT1信号の1フレーム193フレームに1CELL=53oct×8ビット=424ビットを3フレーム使用し、2フレームと40ビットに回線IF部で処理した信号形式である。図では5CELL+6CELLの一部を重畳した例を示している。
T1−STMの場合:図に示すようにSTM信号192ビットをフレーム1ビットとデータ192ビットで送信する。図は複数STM信号の多重化された信号形式を示している。
【0030】
図6はフォーマット選択情報の例を示す図である。外部装置2 3からの情報を受け、フォーマット選択情報設定部12で生成する情報の例を示している。
【0031】
回線番号とデータフォーマット種類で構成し、回線番号毎に選択されたデータフォーマットを2進数で表現し出力される。
【0032】
例えば、回線番号mはデータフォーマット種類Aが選択され、Aデータフォーマット種類を表す最下位ビットを「1」とした「0001」が出力される。また、回線番号nと回線番号yは同じデータフォーマット種類Bが選択されている。この場合、Bデータフォーマット種類を表す第2ビットが「1」の「0010」が回線番号nと回線番号yに出力される。
【0033】
また、上記例では(回線番号m、Aフォーマット)、(回線番号n、Bフォーマット)の選択情報に対し、試験経路を(回線番号n、Aフォーマット)と設定する。この場合、同一の種類のAデータフォーマット、同一の回線番号nが重複するが以下の理由により処理可能となる。
Aデータフォーマット
Aフォーマットデータ処理部は運用中のデータの処理を行うが、DSPなどによるタイムシェアリングにより試験データも処理できる。
回線番号n
回線番号nの経路選択部で試験データは折り返されるので、運用中の試験データ(回線番号n、Bフォーマット)への影響はない。
【0034】
これにより、バスIF部10、フォーマット多重分離部13、Aフォーマットデータ処理部14−1、回線多重分離部(15−1)、経路選択部(回線n)16−1に至る経路の試験が可能となる。試験経路の流れについては後述する。(図7)
図7は回線インタフェース装置の試験データ疎通例を示す図である。
【0035】
試験データの疎通例と併せて運用データの流れを説明する。図6で示したフォーマット選択情報を基にAデータフォーマット、回線番号nの試験経路での疎通の例について説明する。また、各部の信号形式は図3で示した例を基に説明する。
1)試験回路部11より受信した形式1(試験データ、回線番号n、Aフォーマット)のデータフォマットはバスIF部10で外部装置1 2からの形式1の情報(運用データ、回線番号m、Aフォーマット)と多重されフォーマット多重分離部13に送られる。
2)フォーマット多重分離部13では形式1(試験データ、回線番号n、Aフォーマット)のAデータフォーマットが認識され、Aフォーマットデータ処理部14−1を経由して回線多重分離部15−1に形式2(試験データ、回線番号=n)で送られる。
3)回線多重分離部15−1では回線番号nを認識し、回線番号nの経路選択部16−2に形式1(試験データ)の形式で送られる。経路選択部16−2でフォーマット選択情報設定部12からのフォーマット選択情報(回線番号n、Aフォーマット、)は非選択情報であるので、ここで折り返される。
4)折り返された形式1(試験データ)の信号は回線多重分離部で他の回線からの情報と多重されAフォーマットデータ処理部に形式2(試験データ、回線番号n)で送られる。
5)Aフォーマットデータ処理部14−1でAデータフォーマットのデータ処理実行後フォーマット多重分離部13に形式2(試験データ、回線番号n)で送られる。
6)フォーマット多重分離部13ではAフォーマットデータ処理部での処理より形式2(試験データ、回線番号n)にAデータフォーマットを付加した形式1(試験データ、回線番号n、Aフォーマット)を他の各フォーマットデータ処理部からの(データ、回線番号、データフォーマット種類)と多重され、形式1でバスIF部10に送られる。この多重は各フォーマットデータ処理部から離散的に信号を受信したフォーマット多重処理部は例えば、到着順に多重化する。また、同時到着の場合は所定の手順で例えば、STMをATMに優先して多重する。
7)バスIF部10では多重化された形式1の信号の内、試験データの情報(試験データ、回線番号、データフォーマット種類)を分離して試験回路部11に送られる。データ分離方法例は後述する(図8)。
8)試験回路では受信した試験データと送信した試験データを比較確認し、試験経路の正常性の検証を行う。
【0036】
図には運用データ(回線番号m、Aフォーマット)及び(回線番号n、Bフォーマット、)の信号の流れを併せて示す。各部の処理内容の説明は省略する。
【0037】
図8はバスIF部データ分離回路例を示す図である。
【0038】
回線番号抽出回路24はフォーマット多重分離部14からの回線番号を抽出、デコードし、回線番号に該当する出力をアクティブ(真)にする。フォーマト選択情報回路25フォーマット選択情報設定部12からフォーマット種別部分とフォーマット選択情報設定部12の設定情報を参照し、該当フォーマットが選択されている回線番号に対応する出力をアクティブにする。
【0039】
図6に示した例では、データフォーマット種類Fm=Aの時、フォーマット選択情報回路25の回線番号mに該当する#mがアクティブになり、データフォーマット種類Fm=Bの時に、フォーマット選択情報回路26の出力#n、#yがアクティブになる。
1)運用データの場合:
フォーマット多重分離部14の受信データがAデータフォーマット種類、回線番号mのとき、ア)、イ)のAND回路出力は真となり、ウ)も真となり、これにより、オ)の回路が導通し、外部装置1 2に運用データが送信される。一方、カ)は非導通となり、試験回路部11には送信されない。
2)試験データの場合:
一方、Aデータフォーマット種類、回線番号nとき、ア)、イ)のAND回路出力は偽となり、ウ)も偽となり、これにより、カ)が導通となり、試験回路部11に試験データが送信される。一方、オ)の回路は非導通となり、外部装置1 2には送信されない。
【0040】
図9は経路選択部パス折り返し回路例を示す図である。
フォーマット選択パス(運用データ)の送信パス、受信パス(信号形式:例.図4の4)の情報はフォーマット選択信号「1」よりア)のゲートがオフ、イ)及びウ)のゲートがオンとなり、送信信号は回線IF部17へ、受信信号は回線多重分離部15に送られる。一方、フォーマット非選択パス(試験データ)はフォーマット選択信号により、カ)のゲートがオンにより、データは受信パスに折り返され、キ)及びク)のゲートがオフであるので、回線IF部には送信されない。
【符号の説明】
【0041】
1 回線インタフェース装置
2 外部装置1
3 外部装置2
4 回線インタフェース装置(従来)
5 回線インタフェース装置の複合構成
10 バスIF部
11 試験回路部
12 フォーマット選択情報設定部
13 フォーマット多重分離部
14 フォーマットデータ処理部
14−1 Aフォーマットデータ処理部
14−2 Bフォーマットデータ処理部
14−3 Xフォーマットデータ処理部
15 回線多重分離部
15−1 回線多重分離部(A型)
15−2 回線多重分離部(B型)
15−3 回線多重分離部(X型)
16 経路選択部
16−1 経路選択部(回線m)
16−2 経路選択部(回線n)
16−3 経路選択部(回線y)
17 回線IF部
17−1 回線IF部(回線m)
17−2 回線IF部(回線n)
17−3 回線IF部(回線x)
20 試験データ生成部
21 データチェック部
22 試験制御部
23 データ分離回路
24 回線番号抽出回路
25 フォーマット選択情報回路
30 バスIF部
31 データ処理部
31−1 Aフォーマットデータ処理部(従来)
31−2 Bフォーマットデータ処理部(従来)
31−3 Xフォーマットデータ処理部(従来)
32 回線IF部
32−1 回線IF部(I型)
32−2 回線IF部(II型)
32−3 回線IF部(III型)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データフォーマットに対応した処理を行う複数のフォーマット処理部を備え、通信データを通信データに対応する前記フォーマット処理部で処理し、前記フォーマット処理部に対応する回線インタフェースを介して通信を行う回線インタフェース装置の試験方法において、
通信に使用する1つの回線インタフェース以外の他の回線インタフェースに対応する回線及びデータフォーマットを指定し、
前記指定した他の回線インタフェースに試験データを疎通し、
前記試験データを回線インタフェースにて折り返し、
前記折り返した試験データの正常性を検証することを特徴とする回線インタフェース装装置の試験方法。
【請求項2】
データフォーマット毎に処理を行う複数のフォーマット処理部を備え、通信データを前記フォーマット処理部の何れか1つで処理して複数の回線インタフェースの何れか1つを経由して相手先装置と通信を行う回線インタフェース装置であって、
前記回線インタフェース装置は、
外部装置より少なくも一組の選択データフォーマット種類と選択回線番号の取得する選択情報設定部と、
試験データを生成し、前記選択データフォーマット種類を処理するデータ処理部に疎通させ、折り返し後の試験データの検証を行う試験回路と、
前記回線インタフェースで前記選択データフォーマット種類のデータを処理した試験データを非選択回線番号を基に折り返す折り返部と、
を備えることを特徴とする回線インタフェース装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−24107(P2011−24107A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169074(P2009−169074)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】