説明

回路基板、電子部品収納用パッケージおよび電子装置

【課題】複数の信号用配線の配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号用配線における複数の信号の伝送タイミングのずれを低減させること。
【解決手段】回路基板12は、誘電材料を含んでいる基板121と、基板121の上面に形成されており異なる配線長を有する複数の信号用配線122a〜122dとを含んでいる。基板121は
、平面透視において複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dの直下に設けられた空洞部124aおよび124dを含んでいる。空洞部124aおよび124dは、長い信号用配線122aおよび122dに沿った形状を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高周波信号用のコネクタが電気的に接続される回路基板、電子部品収納用パッケージおよび電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば高周波通信の分野において、電子部品収納用パッケージは、例えば電子部品収納用パッケージに接続されるコネクタと電子部品収納用パッケージに実装される電子部品とを電気的に接続するための回路基板を有している。このような回路基板は、誘電材料を含んでいる基体と、基体の上面に形成された複数の信号用配線と、基体の下面に形成された接地用導体層とを有している。複数の信号用配線は、電子部品に電気的に接続される側の端部と例えばコネクタに電気的に接続される側の端部とでは配線間隔が異なるため、異なる配線長を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−8444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の電子部品収納用パッケージの回路基板において、複数の信号用配線が異なる配線長を有するため、複数の信号用配線における信号の伝送タイミングにずれが生じることがある。なお、複数の信号用配線の配線長を揃えるために複数の信号用配線のうち短い信号用配線の配線長を長い信号用配線の配線長に合わせるように設計すると、全体的に配線長が長くなってしまう。配線長が長くなると、信号の伝送損失が増大し、電子部品装置の伝送特性を劣化させる。本発明は、複数の信号用配線の電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号用配線における複数の信号の伝送タイミングのずれを低減させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、回路基板は、誘電材料を含んでいる基板と、基板の上面に形成されており異なる配線長を有する複数の信号用配線とを含んでいる。基板は、平面透視において複数の信号用配線のうち長い信号用配線の直下に設けられた空洞部を含んでいる。空洞部は、長い信号用配線に沿った形状を有している。
【0006】
本発明の他の態様によれば、電子部品収納用パッケージは、上述の回路基板と、回路基板が接合された基体とを含んでいる。
【0007】
本発明の他の態様によれば、電子装置は、上述の電子部品収納用パッケージと、電子部品収納用パッケージに実装されており複数の信号用配線に電気的に接続された電子部品とを含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様による回路基板において、基体が、平面透視において複数の信号用配線のうち長い信号用配線の直下に設けられており長い信号用配線に沿った形状を有している空洞部を含んでいることによって、回路基板は、複数の信号用配線の電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号用配線における複数の信号の伝送タイミングのずれを低減させることができる。
【0009】
本発明の他の態様による電子部品収納用パッケージは、上述の回路基板と、回路基板が接合された基体とを含んでいることによって、複数の信号用配線の電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号用配線における複数の信号の伝送タイミングのずれを低減させることができる。
【0010】
本発明の他の態様による電子装置は、上述の電子部品収納用パッケージと、電子部品収納用パッケージに実装されており複数の信号用配線に電気的に接続された電子部品とを含んでいることによって、複数の信号用配線の電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ例えばコネクタへ出力される複数の信号または例えばコネクタから入力されて電子部品に伝送される複数の信号のタイミングのずれが低減されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態における電子装置の部分的な平面図を示している。
【図2】図1に示された電子装置のA−Aにおける縦断面図を示している。
【図3】図1に示された回路基板の平面透視図を示している。
【図4】図3に示された回路基板の下面透視図を示している。
【図5】図1に示された回路基板の縦断面図である。
【図6】(a)は図3に示された回路基板の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示された回路基板のA−Aにおける縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における電子装置の部分的な縦断面図を示している。
【図8】図7に示された回路基板の平面透視図を示している。
【図9】図7に示された回路基板の下面透視図を示している。
【図10】図7に示された回路基板の縦断面図である。
【図11】(a)は図8に示された回路基板の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示された回路基板のA−Aにおける縦断面図である。
【図12】第1および第2の実施形態における回路基板の他の例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に示されているように、本発明の第1の実施形態における電子装置は、電子部品収納用パッケージ1と、電子部品収納用パッケージ1に実装された電子部品2とを含んでいる。
【0014】
電子部品収納用パッケージ1は、基体11と、基体11に電気的に接続された回路基板12とを含んでいる。
【0015】
基体11は、例えば鉄-ニッケル-コバルト(Fe−Ni−Co)合金、鉄-ニッケル(F
e−Ni)合金、鉄-ニッケル-クロム(Fe−Ni−Cr)合金、銅-タングステン(C
u−W)等の金属材料を含んでおり、キャビティ部111を有している。基体11には、接地
電位が印加される。
【0016】
回路基板12は、基体11のキャビティ部111内に設けられている。図2〜図4に示されて
いるように、回路基板12は、基板121と、基板121の上面に形成された複数の信号用配線122a〜122dと、基板121の下面に形成された複数の接地用導体層123とを含んでいる。回路基板12は、複数の信号用配線122a〜122dの直下でありかつ基板121の下面に設けられた
複数の空洞部を有している。複数の空洞部は、複数の凹部124aおよび124dである。回路基板12は、基板121の上面に形成された複数の接地用導体層125、および接地用導体層123
および125を電気的に接続している複数のビア導体126をさらに含んでいる。図3において、複数の凹部124aおよび124dは、基板121を透視した状態で破線によって示されており
、複数のビア導体126は、複数の接地用導体層125および基板121を透視した状態で破線に
よって示されている。図4において、複数のビア導体126は、複数の接地導体層123および基板121を透視した状態で破線によって示されている。
【0017】
基板121は、例えばアルミナ(Al23)または窒化アルミ(AlN)等の誘電材料を
含んでおり、板形状を有している。
【0018】
複数の信号用配線122a〜122dは、コネクタ3が電気的に接続される側の端部における間隔が、電子部品2が電気的に接続される側の端部の間隔に比べて広いため、異なる配線長を有している。複数の信号用配線122a〜122dのうち信号用配線122aおよび122dは、信号用配線122bおよび122cに比べて長い配線長を有している。
【0019】
複数の接地用導体層123は、基板121の下面における複数の凹部124aおよび124dが設けられた領域を除いて全体的に形成されている。
【0020】
複数の凹部124aおよび124dは、平面透視において複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dに対応して配置されており、長い信号用配線122aお
よび122dに沿った形状を有している。複数の凹部124aおよび124dは、信号用配線122aおよび122dの直下に設けられている。図5を参照して、凹部124aおよび124dの深さ124dDは、例えば0.2〜1mmの厚み121tを有する基板121において、例えば厚み121tの30〜80%である。
【0021】
再び図2〜図4を参照して、複数の接地用導体層125は、基板121の上面における複数の信号用配線122a〜122dの形成領域を除いて全体的に形成されている。
【0022】
複数のビア導体126は、基板121を貫通するように基板121の内部に設けられており、平
面透視において複数の信号用配線122a〜122dのそれぞれを挟むように配置されている。
【0023】
電子部品2は、基体11のキャビティ部111内に設けられており、ボンディングワイヤに
よって複数の信号用配線122a〜122dおよび複数の接地用導体層125に電気的に接続され
ている。電子部品2は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ガリウム砒素(Ga
As)またはインジウムリン(InP)を含む光学素子である。
【0024】
本実施形態の回路基板12において、基板121が、平面透視において複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dに対応して配置されており長い信号用
配線122aおよび122dに沿った形状を有している凹部124aおよび124dを含んでいることによって、本実施形態における回路基板12は、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0025】
回路基板12において、基板121が部分的に凹部124aおよび124dを有していることによ
って、例えば回路基板12が接地電位に固定される基体11上に設けられる場合には、信号用配線122aおよび122dと基体11との間において基板121よりも誘電率の低い部分が設けら
れ、信号用配線122aおよび122dは、信号用配線122bおよび122cに比べて信号の伝送速度が増大されている。誘電率の低い部分とは、基板121の凹部124aおよび124dであって
、例えば空気が存在する部分である。
【0026】
コネクタ3に電気的に接続される側の端部における間隔が電子部品2に電気的に接続される側の端部の間隔に比べて広いために異なる配線長を有する複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dに対応して凹部124aおよび124dが配置されていることによって、長い信号用配線122aおよび122dにおける信号の伝送時間が短縮されて、複数の信号用配線122a〜122dにおける複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0027】
本実施形態における回路基板12は、基板11の下面に凹部124aおよび124dが設けられたものであり、例えば基板の材料と異なる材料を用いて部分的に誘電率を変えるという構造に比べて、例えば製造コストの観点等において有利なものである。特に、本実施形態における回路基板12は、例えば基板の材料よりも誘電率の高い材料を用いて部分的に誘電率を高くするという構造に比べて、伝送損失を低減させて伝送タイミングのずれを低減させることができる。誘電率の高い材料を用いた場合、電気的な配線長が大きくなり、信号の伝送損失が大きくなる。
【0028】
本実施形態の回路基板12において、空洞部が基板11の下面に設けられた凹部124aおよ
び124dであることによって、例えば基板11を製造した後にも誘電率を調整しやすい等製
造上の自由度が高められている。
【0029】
本実施形態の電子部品収納用パッケージ1は、上述の回路基板12と、回路基板12の接地用導体層123に電気的に接続されており金属材料を含んでいる基体11とを有していること
によって、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0030】
本実施形態における電子装置は、上述の電子部品収納用パッケージ1と、電子部品収納用パッケージ1に実装されており複数の信号用配線122a〜122dに電気的に接続された電子部品2とを含んでいることによって、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ例えばコネクタ3へ出力される複数の信号または例えばコネクタ3から入力されて電子部品2に伝送される複数の信号のタイミングのずれが低減されている。
【0031】
図6(a)および(b)を参照して、本実施形態における回路基板12の他の例について説明する。図6(a)に示されているように、他の例における回路基板12は、信号用配線122a、122b、122cおよび122dの配線長を122aL、122bL、122cLおよび122dLとしたときに、122aL>122bL>122cL>122dLの関係を有する複数の信号用配線122a〜122dを含んでいる。図6(a)において、複数の凹部124a、124bおよび124cは、基板121を透視した状態で破線によって示されており、複数のビア導体126は、複数の接地用導体層125および基板121を透視した状態で破線によって示されている。
【0032】
図6(b)に示されているように、基板121は、複数の信号用配線122a〜122cの配線
長に対応した深さを有する複数の凹部124a〜124cを含んでおり、凹部124a〜124cの深さ124aD〜124cDは、124aD>124bD>124cDの関係を有している。凹部の有無および凹部の
深さの違いによって、信号用配線122cにおける伝送速度は信号用配線122dにおける伝送速度より速く、信号用配線122bにおける伝送速度は信号用配線122cにおける伝送速度より速く、信号用配線122aにおける伝送速度は信号用配線122bにおける伝送速度より速い。
【0033】
回路基板12は、複数の信号用配線122a〜122dの配線長の違いに応じてそれぞれ深さの異なる複数の凹部124a〜124cを有していることによって、電気的な配線長を最も短い信
号用配線122dに揃えて電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複
数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0034】
本実施形態において、電子部品2として例えば上面に接地端子を有するニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含む光学素子を例として挙げて説明したため、回路基板12はグラン
デッドコープレーナ構造を有しているが、電子部品2が例えば下面に接地端子を有するレーザー素子等の光学素子である場合には、回路基板12はストリップライン構造を有するものでよい。具体的には、基板121の上面に形成された複数の接地用導体層125および基板121の内部に形成された複数のビア導体126を除いた構造でよい。本実施形態において、回路基板12は、基板121の下面に形成された複数の接地導体層123および基板121の内部に形成
された複数のビア導体126を除いたコプレーナ構造でもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
図7〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態における電子装置について説明する。第2の実施形態の電子装置において第1の実施形態の電子装置と異なる点は、基板121が
第1の実施形態における複数の凹部124aおよび124dに代えて複数の中空部224aおよび224dを有していることである。接地用導体層123は、基板121の下面に全体的に形成されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。図8において、複数の中空部224
aおよび224dは、基板121を透視した状態で破線によって示されており、複数のビア導体126は、複数の接地用導体層125および基板121を透視した状態で破線によって示されてい
る。図9において、複数のビア導体126は、複数の接地導体層123および基板121を透視し
た状態で破線によって示されている。
【0036】
複数の中空部224aおよび224dは、平面透視において複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dに対応して配置されており信号用配線122aおよび122dに沿った形状を有している。複数の中空部224aおよび224dは、基板121の内部に設
けられている。複数の中空部224aおよび224dの端部は、基板121の側面に位置していて
も基板121の内部に位置していてもよい。図10を参照して、中空部224aおよび224dの深
さ224dDは、例えば0.2〜1mmの厚み121tを有する基板121において厚み121tの30〜60
%である。
【0037】
本実施形態の回路基板12において、基板121が、平面透視において複数の信号用配線122a〜122dのうち長い信号用配線122aおよび122dに対応して配置されており信号用配線122aおよび122dに沿った形状を有している中空部224aおよび224dを含んでいることに
よって、本実施形態における回路基板12は、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0038】
回路基板12において、基板121が部分的に中空部224aおよび224dを有していることに
よって、信号用配線122aおよび122dと接地用導体層123との間において基板121よりも誘電率の低い部分が設けられ、信号用配線122aおよび122dは、信号用配線122bおよび122cに比べて信号の伝送速度が増大されている。誘電率の低い部分とは、基板121の中空部224aおよび224dであって、例えば空気が存在する部分である。
【0039】
本実施形態における回路基板12は、基板11内に中空部224aおよび224dが設けられたものであり、例えば基板の材料と異なる材料を用いて部分的に誘電率を変えるという構造に比べて、例えば製造コストの観点等において有利なものである。特に、本実施形態における回路基板12は、例えば基板の材料よりも誘電率の高い材料を用いて部分的に誘電率を高くするという構造に比べて、伝送損失を低減させて伝送タイミングのずれを低減させることができる。誘電率の高い材料を用いた場合、電気的な配線長が大きくなり、信号の伝送
損失が大きくなる。
【0040】
本実施形態の電子部品収納用パッケージ1は、上述の回路基板12と、回路基板12の接地用導体層123に電気的に接続されており金属材料を含んでいる基体11とを有していること
によって、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0041】
本実施形態における電子装置は、上述の電子部品収納用パッケージ1と、電子部品収納用パッケージ1に実装されており複数の信号用配線122a〜122dに電気的に接続された電子部品とを含んでいることによって、複数の信号用配線122aおよび122dの電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ例えばコネクタへ出力される複数の信号または例えばコネクタから入力されて電子部品に伝送される複数の信号のタイミングのずれが低減されている。
【0042】
図11(a)および(b)を参照して、本実施形態における回路基板12の他の例について説明する。図11(a)に示されているように、他の例における回路基板12は、信号用配線122a、122b、122cおよび122dの配線長を122aL、122bL、122cLおよび122dLとしたときに、122aL>122bL>122cL>122dLの関係を有する複数の信号用配線122a〜122dを含んでいる。図11(a)において、複数の中空部224a、224bおよび224cは、基板121を透視した状態で破線によって示されており、複数のビア導体126は、複数の接地用導体層125および基板121を透視した状態で破線によって示されている。
【0043】
図11(b)に示されているように、基板121は、複数の信号用配線122a〜122cの配線
長に対応した深さを有する複数の中空部224a〜224cを含んでおり、中空部224a〜224cの深さ224aD〜224cDは、224aD>224bD>224cDの関係を有している。中空部の有無および
中空部の深さの違いによって、信号用配線122cにおける伝送速度は信号用配線122dにおける伝送速度より速く、信号用配線122bにおける伝送速度は信号用配線122cにおける伝送速度より速く、信号用配線122aにおける伝送速度は信号用配線122bにおける伝送速度より速い。
【0044】
回路基板12は、複数の信号用配線122a〜122dの配線長の違いに応じてそれぞれ深さの異なる複数の中空部224a〜224cを有していることによって、電気的な配線長を最も短い信号用配線122dに揃えて電気的な配線長を短縮させることで伝送損失を低減させ、かつ
複数の信号の伝送タイミングのずれが低減されている。
【0045】
本実施形態において、電子部品2として例えば上面に接地端子を有するニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含む光学素子を例として挙げて説明したため、回路基板12はグラン
デッドコープレーナ構造を有しているが、電子部品2が例えば下面に接地端子を有するレーザー素子等の光学素子である場合には、回路基板12はストリップライン構造を有するものでよい。具体的には、基板121の上面に形成された複数の接地用導体層125および基板121の内部に形成された複数のビア導体126を除いた構造でよい。本実施形態において、回路基板12は、基板121の下面に形成された接地導体層123および基板121の内部に形成された
複数のビア導体126を除いたコプレーナ構造でもよい。
【0046】
(第1および第2の実施形態の他の例)
図12を参照して、第1および第2の実施形態の他の例を第1の実施形態の変形例として説明する。この他の例は、第2の実施形態にも適用され得る。回路基板12は、複数の凹部124aおよび124d内に設けられており、基板111よりも誘電率の低い材料から成る充填部
材127aおよび127dをさらに含んでいる。充填部材127aおよび127dは、例えば樹脂材料から成る。第2の実施形態においては、基板111よりも誘電率の低い材料から成る充填部
材が、例えば中空部224aおよび224d内に設けられる。
【符号の説明】
【0047】
1 電子部品収納用パッケージ
11 基体
12 回路基板
121 基板
122a〜122d 信号用配線
123 接地用導体層
124a、124d 凹部
125 接地用導体層
126ビア導体
2 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電材料を含んでいる基板と、
該基板の上面に形成されており、異なる配線長を有する複数の信号用配線とを備えており、
前記基板が、平面透視において前記複数の信号用配線のうち長い信号用配線の直下に設けられており該長い信号用配線に沿った形状を有している空洞部を含んでいることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記空洞部が、前記基板の下面に設けられた凹部であることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記空洞部が、前記基板内に設けられた中空部であることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項4】
請求項1に記載された回路基板と、
該回路基板が接合された基体とを備えたことを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
【請求項5】
請求項4に記載された電子部品収納用パッケージと、
該電子部品収納用パッケージに実装されており、前記複数の信号用配線に電気的に接続された電子部品とを備えたことを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−94639(P2012−94639A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239796(P2010−239796)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】