説明

回転機械

【課題】製造時の作業性が良好で、かつ、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを抑制できる回転機械を提供する。
【解決手段】回転駆動するシャフト5と、シャフト5の外周面5a(周面)に設けられたディスク12と、ディスク12の前側面12a(一方側の面)から突出し、シャフト12の周方向に沿って設けられた複数のブレード14と、を有するインペラ10と、を備えた回転機械1であって、ディスク12は、シャフト5に嵌合される嵌合部20を有し、嵌合部20は、後側から前側に亘って所定範囲に設けられたグリップ部22と、グリップ部22の前側に設けられた遊嵌部24と、を有し、グリップ部22は、遊嵌部24よりも大きな締め代によってシャフト5に嵌合されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インペラを備えた回転機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用圧縮機やターボ冷凍機、小型ガスタービンなどの回転機械に用いられる遠心圧縮機は、シャフトに固定されたディスクに、複数のブレードを設けてなるインペラを備えている。遠心圧縮機は、インペラを回転させて、ガスに圧力エネルギー及び速度エネルギーを与えている。
【0003】
図6は、インペラ201を備えた従来の回転機械の説明図である。
例えば、特許文献1の回転機械は、ディスク203、ブレード204、およびカバー206により構成されたインペラ201を備えている。インペラ201の軸方向における所定位置には、スリーブ部205がインペラ201と一体形成されている。そして、このスリーブ部205を前記所定位置でシャフト202に焼き嵌めすることにより、インペラ201をシャフト202に固定している。
【0004】
ここで、特許文献1には、スリーブ部205の半径をRとし、距離Lの範囲における肉厚をTとしたとき、インペラ201の遠心力がスリーブ部205に影響を与えない距離Lは、
L≧1.8√RT・・・(1)
で示されることが教示されている。
【0005】
すなわち、特許文献1には、(1)式を満たすように距離Lを設定することにより、回転中の遠心力に伴うインペラ201の内径の径方向変位が、スリーブ部205に影響を及ぼすのを抑制し、インペラ201とシャフト202とがずれることなく、安定した運転が保持されることを教示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4697987号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、一般に、カバー206、ブレード204およびディスク203は別部品として成型され、その後、溶接等によりディスク203にブレード204およびカバー206が装着される。
【0008】
ここで、特許文献1のインペラ201の場合、スリーブ部205は、(1)式を満たすように、距離Lだけディスク203の内周部Bから離間した位置に配置されており、軸方向におけるブレード204およびカバー206が装着される側に突出している。
このため、溶接等によりディスク203にブレード204およびカバー206を装着する際、ディスク203から突出したスリーブ部205が邪魔となり、作業性が悪化するという問題があった。
【0009】
また、近年の回転機械に用いられる遠心圧縮機は、高出力化や高回転化等の性能向上が要求されている。
ここで、一般に、特許文献1のインペラ201の重心は、ブレード204やカバー206等が設けられたディスク203側に配置される。すなわち、インペラ201の重心は、スリーブ部205から大きく離間した位置に配置される。
【0010】
そして、特許文献1では、距離Lだけ離間してスリーブ部205を配置することにより、遠心力によるインペラ201の径方向変位がスリーブ部205に影響を及ぼすのを抑制しているとしている。
しかしながら、インペラ201の重心とスリーブ部205とが大きく離間することとなるため、スリーブ部205は、インペラ201の遠心力により外径側に広がりやすい構造となっている。特に、インペラ201のさらなる高出力化および高回転化が進むと、インペラ201の径方向変位の影響を抑制しきれないおそれがある。したがって、スリーブ部が拡径してインペラ201とシャフトとの間にズレが生じ、回転機械の性能が低下するおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、製造時の作業性が良好で、かつ、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを抑制できる回転機械の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明の回転機械は、回転駆動するシャフトと、前記シャフトの周面に設けられたディスクと、前記ディスクの一方側の面から突出し、前記シャフトの周方向に沿って設けられた複数のブレードと、を有するインペラと、を備えた回転機械であって、前記ディスクは、前記シャフトに嵌合される嵌合部を有し、前記嵌合部は、前記他方側から前記一方側に亘って所定範囲に設けられたグリップ部と、前記グリップ部の前記一方側に設けられた遊嵌部と、を有し、前記グリップ部は、前記遊嵌部よりも大きな締め代によって前記シャフトに嵌合されていることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、ブレードはディスクの一方側の面に設けられており、嵌合部は特許文献1のようにディスクの一方側の面から突出することなく設けられているので、ブレードをディスクの一方側の面に装着する際に、嵌合部が邪魔になることがない。したがって、製造時の作業性が良好な回転機械を提供することができる。
また、特許文献1では、シャフトに嵌合されるスリーブ部は、インペラの重心が配置されるディスクから離間して配置されているため、スリーブ部が外径側に広がりやすい構造となっていた。しかし、本発明によれば、嵌合部はディスクの他方側の面から一部が突出するように形成されており、大きな締め代を有するグリップ部が他方側から一方側に亘って設けられている。すなわち、インペラの重心近傍に嵌合部を有しており、嵌合部に設けられたグリップ部が、シャフトに対して強固に嵌合している。したがって、回転駆動時における遠心力によりグリップ部が拡径するのを防止し、インペラとシャフトとのズレを抑制できる。
【0014】
また、前記ディスクの前記他方側の面であって、前記嵌合部の周囲に、前記他方側から前記一方側に凹んだ肉盗み部を設けることが望ましい。
本発明によれば、ディスクの他方側の面であって、嵌合部の周囲に肉盗み部を設けることで、回転駆動時の遠心力によりグリップ部が外径側に拡径するのを抑制できると共に、グリップ部の面圧を維持することができる。したがって、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを確実に抑制できる。
さらに、肉盗み部を設けることによりディスクの厚肉部分を除去でき、ディスクの各部の肉厚差を少なくできるので、例えば焼入れや焼き鈍し等によりディスクの強度を上げる際に、ディスク全体をムラなく熱処理することができる。したがって、強度に優れた高性能な回転機械を提供することができる。
【0015】
また、前記グリップ部の前記他方側における外周縁部に、前記他方側から前記一方側に向かって拡径するグリップテーパ部を設けることが望ましい。
例えば、インペラのレイアウトの都合等により、グリップ部の長さの短縮が要求される場合がある。この場合、グリップ部の短縮に伴う面圧の低下を補うために、グリップ部を厚肉化する必要がある。しかし、グリップ部を厚肉化すると、遠心力により厚肉部分が外径側に引っ張られ、グリップ部が外径側に拡径してインペラとシャフトとのズレが発生するおそれがある。
【0016】
しかし、本発明によれば、グリップ部の外周縁部にグリップテーパ部を設けることにより、遠心力によりグリップ部が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、グリップテーパ部を設けることにより、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを確実に抑制しつつ、グリップ部の長さを短縮して、小型なインペラを提供することができる。
【0017】
また、前記ディスクの前記一方側に、前記ディスクへの気流を案内するスリーブを配置することが望ましい。
本発明によれば、スリーブを配置することで効率的に気流を案内することができる。さらに、ディスクとスリーブとを別体とすることで、ディスクの一方側の面にブレード等を装着した後に、ディスクの一方側にスリーブを配置できる。したがって、ディスクの一方側の面にブレード等を装着する際に、スリーブが邪魔になることがない。したがって、製造時の作業性が良好な回転機械を提供することができる。
【0018】
また、前記シャフトに沿って複数の前記ディスクを直列に設け、隣り合う一の前記ディスクと、他の前記ディスクとの間に前記スリーブを設け、前記スリーブの前記一方側における内周縁部に、前記グリップテーパ部に対応して、前記他方側から前記一方側に向かって拡径する第1スリーブテーパ部を設けることが望ましい。
【0019】
本発明によれば、スリーブの一方側における内周縁部に、グリップテーパ部に対応した形状の第1スリーブテーパ部を設けているので、グリップテーパ部に第1スリーブテーパ部を当接させた状態で、スリーブを配置することができる。これにより、第1スリーブテーパ部は、外径側からグリップテーパ部を押さえることができるので、遠心力によりグリップ部が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを確実に抑制できる。
【0020】
また、前記スリーブの前記他方側および前記遊嵌部の前記一方側のいずれか一方に凹部を設け、前記スリーブの前記他方側および前記遊嵌部の前記一方側のいずれか他方に前記凹部に対応した凸部を設けたことが望ましい。
本発明によれば、スリーブの他方側と遊嵌部とを凹凸嵌合することができるので、スリーブで遊嵌部の移動を規制して、遠心力により遊嵌部が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを確実に抑制できる。
【0021】
また、前記スリーブの前記他方側における内周縁部に、前記他方側から前記一方側に向かって縮径する第2スリーブテーパ部を設け、前記遊嵌部の前記一方側における外周縁部に、前記第2スリーブテーパ部に対応して、前記他方側から前記一方側に向かって縮径する遊嵌テーパ部を設けることが望ましい。
【0022】
本発明によれば、スリーブの他方側における内周縁部に、第2スリーブテーパ部を設けている。さらに、遊嵌部の一方側における外周縁部に、第2スリーブテーパ部に対応した形状の遊嵌テーパ部を設けている。このため、遊嵌テーパ部の外周縁部に第2スリーブテーパ部の内周縁部を当接させた状態で、スリーブを配置することができる。これにより、第2スリーブテーパ部は、外径側から遊嵌テーパ部を押さえることができるので、遠心力により遊嵌部が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを確実に抑制できる。
【0023】
また、前記ディスクの前記他方側から、前記ディスクの前記他方側の面よりも前記一方側に亘って前記グリップ部を設けていることが望ましい。
本発明によれば、ディスクの他方側の面よりも一方側に亘ってグリップ部を設けることにより、さらにインペラの重心に近い位置にグリップ部を設けることができる。したがって、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを抑制できる。
【0024】
また、前記嵌合部は、前記グリップ部と前記遊嵌部との間に中間部を有し、前記グリップ部は、前記ディスクの前記他方側の面から前記他方側に離れた範囲で、前記シャフトと嵌合していることが望ましい。
【0025】
本発明によれば、グリップ部と遊嵌部との間に中間部を設け、他方側の面から他方側に離れた範囲でグリップ部がシャフトと嵌合することにより、遠心力によりディスクが外径側に拡径しても、中間部が撓んでグリップ部に対する影響を緩和できる。したがって、遠心力によりグリップ部が外径側に拡径するのを抑制できるので、回転駆動時におけるインペラとシャフトとのズレを抑制できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ブレードはディスクの一方側の面に設けられており、嵌合部は特許文献1のようにディスクの一方側の面から突出することなく設けられているので、ブレードをディスクの一方側の面に装着する際に、嵌合部が邪魔になることがない。したがって、製造時の作業性が良好な回転機械を提供することができる。
また、特許文献1では、シャフトに嵌合されるスリーブ部は、インペラの重心が配置されるディスクから離間して配置されているため、スリーブ部が外径側に広がりやすい構造となっていた。しかし、本発明によれば、嵌合部はディスクの他方側の面から一部が突出するように形成されており、大きな締め代を有するグリップ部が他方側から一方側に亘って設けられている。すなわち、インペラの重心近傍に嵌合部を有しており、嵌合部に設けられたグリップ部が、シャフトに対して強固に嵌合している。したがって、回転駆動時における遠心力によりグリップ部が拡径するのを防止し、インペラとシャフトとのズレを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の回転機械を適用した遠心圧縮機の説明図である。
【図2】軸方向から見たときの回転機械の説明図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図であり、第1実施形態の回転機械の説明図である。
【図4】第2実施形態の回転機械の説明図である。
【図5】第3実施形態の回転機械の説明図である。
【図6】従来技術の回転機械の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(遠心圧縮機)
図1は、本発明の回転機械1を適用した遠心圧縮機100の説明図である。
遠心圧縮機100は、主として、軸線O周りに回転するシャフト5と、シャフト5に取り付けられ、遠心力を利用してガス(気体)Gを圧縮するインペラ10と、シャフト5を回転可能に支持すると共にガスGを上流側から下流側に流す流路104を形成したケーシング105と、によって構成されている。なお、図示例ではシャフト5にインペラ10が直列に6個設けられているが、シャフト5にインペラ10は少なくとも1個設けられていればよい。
【0029】
ケーシング105は、外形が略円柱状に形成されたもので、中心を貫くようにしてシャフト5を配置している。ケーシング105のうちシャフト5の軸方向の両端には、ジャーナル軸受105aが設けられている。また、シャフト5の一端には、スラスト軸受105bが設けられている。これらジャーナル軸受105a及びスラスト軸受105bには、シャフト5が回転可能に支持されている。これにより、シャフト5は、ジャーナル軸受105a及びスラスト軸受105bを介してケーシング105に支持されている。
【0030】
ケーシング105のうち軸方向の一方側(図1における左側)には、ガスGを外部から流入させる吸込口105cが設けられている。また、軸方向の他方側(図1における右側)には、ガスGが外部に流出する排出口105dが設けられている。
ケーシング105内には、これら吸込口105c及び排出口105dにそれぞれ連通し、縮径及び拡径を繰り返す内部空間が設けられている。この内部空間は、インペラ10を収容する空間として機能すると共に流路104としても機能する。すなわち、吸込口105cと排出口105dとは、インペラ10及び流路104を介して連通している。
【0031】
(第1実施形態の回転機械)
次に、第1実施形態の回転機械1について説明する。
図2は、軸方向から見たときの第1実施形態の回転機械1の説明図である。
図3は、図2のA−A線に沿った断面図であり、第1実施形態の回転機械1の説明図である。
なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、遠心圧縮機100を流れるガスGの上流側(請求項の「一方側」に相当、図2における左側)を単に前側といい、下流側(請求項の「他方側」に相当、図2における右側)を単に後側として説明する場合がある。また、説明を簡単にするために、シャフト5にインペラ10が1個設けられている場合について説明する。
【0032】
(ディスク)
図2に示す回転機械1はインペラ10を備えており、このインペラ10は、ディスク12と、ディスク12に設けられた複数のブレード14と、ディスク12から所定距離だけ離間して配置されたカバー16と、を有している。
ディスク12は、例えば析出硬化型ステンレス鋼により形成される、軸方向視略円形状をした円盤状の部材である。
【0033】
ディスク12は、前側から後側(図2における左側から右側)に向かって外径が漸次拡径しており、ディスク12の前側面12a(一方側の面)は、径方向断面視で湾曲した状態に形成されている。この湾曲状態に形成された前側面12aは、径方向内側に位置する面が軸線Oに沿って形成されるとともに、径方向外側に行くに連れて徐々に径方向に沿う、略凹型に形成されている。そして、ディスク12の前側面12aには、後述するブレード14が取り付けられる。
また、ディスク12の後側面12b(他方側の面)は、平坦に形成されている。なお、後述するように、ディスク12の後側面12bには、肉盗み部18が設けられている。
【0034】
ディスク12の軸方向視略中央には、シャフト5に嵌合される嵌合部20が設けられている。嵌合部20は、一部がディスク12の後側面12bから突出しており、ディスク12の前側と後側とを貫通する貫通孔となっている。嵌合部20は、グリップ部22と、遊嵌部24とを有している。
【0035】
グリップ部22は、径方向に肉厚T1を有しており、後側から前側(図2における右側から左側)に亘った所定範囲L1に設けられている。さらに、グリップ部22は、ディスク12の後側面12bよりも前側に亘って設けられている。
また、グリップ部22の半径Rは、シャフト5の半径よりも小径になるように設定されている。そして、グリップ部22は、シャフト5に対して、例えば焼き嵌め等により嵌合される。
【0036】
ここで、グリップ部22の所定範囲L1、グリップ部22の肉厚T1、およびグリップ部22の半径Rは、
L1/√RT1≧0.8〜0.9・・・(2)
を満たすように設定されている。
【0037】
材料力学によれば、(2)式を満たすようにグリップ部22の所定範囲L1、グリップ部22の肉厚T1、およびグリップ部22の半径Rを設定することで、回転駆動時の遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制できるとされている。したがって、(2)式を満たすことにより、グリップ部22の面圧を維持でき、インペラ10とシャフト5とのズレを抑制できる。
【0038】
また、ディスク12とグリップ部22を設けた所定範囲L1とが重なる領域に、肉盗み部18を設けている。肉盗み部18は、グリップ部22の全周囲において、ディスク12の後側面12bを前側面12aに沿うように凹ませることにより形成される。肉盗み部18を設けることにより、グリップ部22周辺のディスク12の厚肉部分を除去してグリップ部22を薄肉化している。また、肉盗み部18を設けることによりディスク12の各部の肉厚差を小さくして、例えば焼入れや焼き鈍し等によりディスク12の強度を上げる際に、ディスク12全体をムラなく熱処理できるようにしている。
【0039】
グリップ部22の前側(図2の左側)には、遊嵌部24が設けられている。遊嵌部24の半径は、シャフト5の半径よりも若干大径に設定されている。したがって、遊嵌部24の内周面24aとシャフト5の外周面5aとの間には、クリアランスが発生している。なお、遊嵌部24の半径を、シャフト5の半径よりも小径になるように、かつグリップ部22の半径Rよりも若干大径になるように設定してもよい。この場合、遊嵌部24は、グリップ部22よりも小さい締め代でシャフト5に嵌合される。
【0040】
ディスク12の前側面12aには、複数のブレード14が設けられている。ブレード14は、例えばディスクと同じ析出硬化型ステンレス鋼からなる板状の部材である。ブレード14は、一定の板厚(翼厚)を有し、ディスク12の周方向に沿って、軸方向視で略放射状に設けられている。また、ブレード14は、ディスク12の前側面12aに対して、略垂直になるように立設されている。
ブレード14は、ディスク12の前側面12aに対し、例えば隅肉溶接等によって接合される。
【0041】
ブレード14の前側には、カバー16が設けられている。カバー16は、図2に示すように平面視略円形の板状の部材である。また、カバー16は、径方向断面視でブレード14の側面視形状、およびディスク12の前側面12aに沿うように、湾曲して形成されている。そして、カバー16は、各ブレード14の前側先端に、例えば隅肉溶接等により固定され、各ブレード14の振動を抑制している。
【0042】
(第1実施形態の効果)
本実施形態によれば、ブレード14はディスク12の前側面12a(一方側の面)に設けられており、シャフト5に嵌合される嵌合部はディスク12の後側面12b(他方側の面)に一部が突出して設けられているので、ブレード14をディスク12の前側面12aに装着する際に、嵌合部20が邪魔になることがない。したがって、製造時の作業性が良好な回転機械1を提供することができる。
また、特許文献1では、シャフトに嵌合されるスリーブ部は、インペラの重心が配置されるディスクから離間して配置されているため、スリーブ部が外径側に広がりやすい構造となっていた。しかし、本発明によれば、嵌合部20はディスク12の後側面12bから一部が突出するように形成されており、大きな締め代を有するグリップ部22が後側(他方側)から前側(一方側)に亘って設けられている。すなわち、インペラ10の重心近傍に嵌合部20を有しており、嵌合部20に設けられたグリップ部22が、シャフト5に対して強固に嵌合しているので、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを抑制できる。
【0043】
また、本実施形態によれば、ディスク12の後側面12bよりも前側に亘ってグリップ部22を設けることにより、さらにインペラ10の重心に近い位置にグリップ部22を設けることができる。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを抑制できる。
【0044】
また、本実施形態によれば、ディスク12とグリップ部22を設けた範囲とが重なる領域、すなわちグリップ部22周辺に肉盗み部18を設けることで、回転駆動時の遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制できると共に、グリップ部22の面圧を維持することができる。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを確実に抑制できる。
さらに、肉盗み部18を設けることによりディスク12の厚肉部分を除去でき、ディスク12の各部の肉厚差を少なくできるので、例えば焼入れや焼き鈍し等によりディスク12の強度を上げる際に、ディスク12全体をムラなく熱処理することができる。したがって、強度に優れた高性能な回転機械1を提供することができる。
【0045】
(第2実施形態の回転機械)
次に、第2実施形態の回転機械1について説明する。
図4は、第2実施形態の回転機械1の説明図である。
第1実施形態では、説明を簡単にするために、シャフト5にインペラ10が1個設けられている回転機械1について説明した。しかし、第2実施形態では、シャフト5にインペラ10が複数個(図4においては2個)設けられている点、グリップ部22および遊嵌部24の形状が異なっている点、ガスGを整流するスリーブ30を設けている点等で、第1実施形態とは異なっている。
また、第2実施形態の回転機械1は、例えば、インペラ10のレイアウトの都合等により、第1実施形態と比較してグリップ部22の長さの短縮が要求される場合を想定している。なお、第1実施形態と同様の構成部分については、詳細な説明を省略する。
【0046】
本実施形態の回転機械1は、シャフト5にインペラ10が直列に複数個設けられている。そして、隣り合う一のディスク12の後側面12bと、他のディスクの前側面12aとの間に、スリーブ30を設けている。
【0047】
(ディスク)
グリップ部22は、径方向に肉厚T2を有しており、後側から前側に亘った所定範囲L2に設けられている。また、グリップ部22の後側端部23には、グリップテーパ部23aが設けられている。グリップテーパ部23aは、外周縁部が後側から前側(図4における右側から左側)に向かって漸次拡径する略テーパ形状に形成されている。
【0048】
また、第2実施形態の回転機械1では、例えば、レイアウトの都合等により、第1実施形態と比較してグリップ部22が短縮されている。すなわち、第1実施形態におけるグリップ部22の所定範囲L1と、第2実施形態におけるグリップ部22の所定範囲L2との関係は、L2<L1となっている。
【0049】
さらに、第2実施形態の回転機械1では、グリップ部22が短縮されたことによる、シャフト5嵌合時のグリップ部22の面圧低下を補うために、第1実施形態と比較してグリップ部22の肉厚を増やしている。すなわち、第1実施形態におけるグリップ部22の肉厚T1と、第2実施形態におけるグリップ部22の肉厚T2との関係は、T2>T1となっている。
【0050】
ここで、グリップ部22の所定範囲L2、グリップ部22の肉厚T2、およびグリップ部22の半径Rは、
L2/√RT2<0.8〜0.9・・・(3)
を満たすように設定されている。
【0051】
ここで、グリップ部22の圧肉部分が、回転駆動時の遠心力により外径側に引っ張られ、グリップ部22が拡径するおそれがある。
しかし、材料力学によれば、(3)式を満たすことで、グリップ部22が遠心力により拡径するのを抑制できるとされている。
本実施形態では(3)式を満たすように、グリップ部22の所定範囲L2、グリップ部22の肉厚T2、およびグリップ部22の半径Rを設定しているので、グリップ部22が遠心力により拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを抑制できる。
【0052】
また、遊嵌部24の前側端部25には、凸部25aが設けられている。凸部25aは、径方向断面視で前側に頂部を有する略V字形状に形成されている。凸部25aは、後述するようにスリーブ30に設けられた凹部32aと嵌合される。なお、凸部25aの形状は、本実施形態の形状に限られることはなく、例えば、径方向断面視で略矩形状をしていてもよい。
【0053】
(スリーブ)
隣り合う一のディスク12と、他のディスク12との間には、スリーブ30が設けられている。なお、先行文献1では、スリーブはディスクと一体形成されていたが、本実施形態のスリーブ30は、ディスク12とは別部品として設けられている。
【0054】
スリーブ30は、例えばディスクと同じ析出硬化型ステンレス鋼からなる略円筒形状をした部材である。スリーブ30は、例えば、シームレス鋼管をカットした後、機械加工することにより形成される。スリーブ30の内径は、シャフト5の外径よりも若干小径に設定されており、シャフト5に対して焼き嵌め等により嵌合固定されている。また、スリーブ30の外径は、ディスク12の遊嵌部24の外径と略同一となるように設定されている。
スリーブ30は、インペラ10に流入するガスG(図1参照)の上流側、すなわちディスク12の前側に配置されている。スリーブ30は、ブレード14間に流入するガスGを整流し、効率的にガスGを案内している。
【0055】
スリーブ30の前側端部34には、第1スリーブテーパ部34aが設けられている。第1スリーブテーパ部34aは、グリップ部22の後側端部23に設けられたグリップテーパ部23aに対応した形状に形成されている。具体的には、第1スリーブテーパ部34aは、内周縁部が後側から前側(図4における右側から左側)に向かって漸次拡径する略テーパ形状に形成されている。
【0056】
また、スリーブ30の後側端部32には、凹部32aが設けられている。凹部32aは、遊嵌部24の前側端部25に設けられた凸部25aに対応した形状に形成されている。具体的には、凹部32aは、径方向断面視で前側に底部を有する略V字形状に形成されている。
【0057】
このように形成されたスリーブ30を、隣り合う一のディスク12の後側面12bと、他のディスクの前側面12aとの間に配置している。
このとき、スリーブ30の第1スリーブテーパ部34aと、ディスク12のグリップテーパ部23aとを当接させた状態でスリーブ30を配置している。さらに、スリーブ30の凹部32aと、ディスク12の凸部25aとを嵌合させた状態でスリーブ30を配置している。
【0058】
(作用)
回転機械1を駆動してシャフト5に装着されたインペラ10を回転させると、遠心力によりディスク12の嵌合部20は外径側に引っ張られる。このため、グリップ部22および遊嵌部24には、外径側に拡径しようとする力が働く。
しかし、第1スリーブテーパ部34aとグリップテーパ部23aとを当接させた状態でスリーブ30を配置している。したがって、第1スリーブテーパ部34aは、グリップテーパ部23aを外径側から押えてグリップ部22の遠心力による移動を規制し、グリップ部22が外径側に拡径するのを抑制している。
また、スリーブ30の凹部32aと、ディスク12の凸部25aとを嵌合させた状態でスリーブ30を配置している。したがって、スリーブ30の凹部32aは、遊嵌部24の遠心力による移動を規制し、遊嵌部24が外径側に拡径するのを抑制している。
【0059】
(第2実施形態の効果)
例えば、インペラ10のレイアウトの都合等により、グリップ部22の長さの短縮が要求される場合がある。この場合、グリップ部22の短縮に伴う面圧の低下を補うために、グリップ部22を厚肉化する必要がある。しかし、グリップ部22を厚肉化すると、遠心力により厚肉部分が外径側に引っ張られ、グリップ部22が外径側に拡径してインペラ10とシャフト5とのズレが発生するおそれがある。
しかし、本本実施形態によれば、グリップ部22の後側端部23における外周縁部にグリップテーパ部23aを設けることにより、遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、グリップテーパ部23aを設けることにより、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを確実に抑制しつつ、グリップ部22の長さを短縮して、小型なインペラ10を提供することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、流入するガスGの上流側であるディスク12の前側にスリーブ30を配置することで、効率的にガスGを案内することができる。さらに、ディスク12とスリーブ30とを別体とすることで、ディスク12の前側面12aにブレード14やカバー16等を溶接等により接合した後に、ディスク12の前側にスリーブ30を配置できる。したがって、ディスク12の前側面12aにブレード14等を接合する際に、スリーブ30が邪魔になることがない。したがって、製造時の作業性が良好な回転機械1を提供することができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、スリーブ30の前側端部34における内周縁部に、グリップテーパ部23aに対応した形状の第1スリーブテーパ部34aを設けているので、グリップテーパ部23aに第1スリーブテーパ部34aを当接させた状態で、スリーブ30を配置することができる。これにより、第1スリーブテーパ部34aは、外径側からグリップテーパ部23aを押さえることができるので、遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを確実に抑制できる。
【0062】
また、本実施形態によれば、スリーブ30の後側端部32に凹部32aを設け、遊嵌部24の前側端部25に、凹部32aに対応した凸部25aを設けている。これにより、スリーブ30の後側端部32と遊嵌部24とを凹凸嵌合することができるので、スリーブ30で遊嵌部24の移動を規制して、遠心力により遊嵌部24が外径側に拡径するのを抑制できる。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを確実に抑制できる。
【0063】
(第3実施形態の回転機械)
次に、第3実施形態の回転機械1について説明する。
図5は、第3実施形態の回転機械1の説明図である。
第1実施形態および第2実施形態では、グリップ部22がディスク12の後側から、ディスク12の後側面12bよりも前側に亘って設けられていた。しかし、第3実施形態では、ディスク12の後側面12bから離れた範囲にグリップ部22が設けられている点で、第1実施形態および第2実施形態とは異なっている。なお、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成部分については、詳細な説明を省略する。
【0064】
(ディスク)
ディスク12の軸方向視略中央には、シャフト5に嵌合される嵌合部20が設けられている。嵌合部20は、一部がディスク12の後側面12bから突出しており、ディスク12の前側と後側とを貫通する貫通孔となっている。また、嵌合部20は、後側に設けられたグリップ部22と、前側に設けられた遊嵌部24と、グリップ部22と遊嵌部24との間に設けられた中間部27と、を有している。
【0065】
グリップ部22は、径方向に肉厚T3を有しており、後側から前側に亘った所定範囲L3に設けられている。
また、グリップ部22と遊嵌部24との間には、中間部27が設けられている。中間部27は、グリップ部22と同じ肉厚T3を有しており、グリップ部22の前側において所定範囲Cに設けられている。
中間部27の半径は、グリップ部22の半径と略同一か、もしくは、シャフト5の半径よりも小径になるように、かつグリップ部22の半径よりも若干大径になるように設定されている。すなわち、シャフト5に嵌合される際の中間部27の締め代は、グリップ部22の締め代と略同一か、グリップ部22の締め代よりも若干小さい締め代となるように設定されている。
【0066】
ここで、グリップ部22の所定範囲L3、グリップ部22の肉厚T3、およびグリップ部22の半径Rは、
L3/√RT3≧0.8〜0.9・・・(4)
を満たすように設定されている。
また、中間部27の所定範囲C、中間部27の肉厚T3、および中間部27の半径Rは、
C/√RT3≧0.8〜0.9・・・(5)
を満たすように設定されている。
【0067】
材料力学によれば、(4)式を満たすように、グリップ部22の所定範囲L3、グリップ部22の肉厚T3、およびグリップ部22の半径Rを設定することで、回転駆動時の遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制でき、グリップ部22の面圧を維持できるとされている。したがって、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを確実に抑制できる。
【0068】
また、材料力学によれば、(5)式を満たすように、中間部27の所定範囲C、中間部27の肉厚T3、および中間部27の半径Rを設定することで、回転駆動時にディスク12の遠心力により外径側に拡径する力が働いても、中間部27が撓むとされている。したがって、グリップ部22に遠心力による影響が伝達するのを抑制し、グリップ部22が外径側に拡径するのを抑制している。
【0069】
(第3実施形態の効果)
本実施形態によれば、グリップ部22と遊嵌部24との間の所定範囲Cに中間部27を設け、ディスク12の後側面12bから離れた範囲でグリップ部22がシャフト5と嵌合することにより、中間部27が撓んでディスク12の遠心力による影響を緩和できる。したがって、遠心力によりグリップ部22が外径側に拡径するのを抑制できるので、回転駆動時におけるインペラ10とシャフト5とのズレを抑制できる。
【0070】
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
各実施形態では、回転機械1を遠心圧縮機100に適用した場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、斜流型の圧縮機に本発明の回転機械1を適用することもできる。
また、本発明の回転機械1は圧縮機に限定されることなく、例えば、送風機に適用することもできる。
【0071】
また、各実施形態の回転機械1では、ブレード14の前側にカバー16が設けられた、いわゆるクローズドインペラのインペラ10に本発明を適用している。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、ブレード14の前側にカバー16が設けられていない、いわゆるオープンインペラのインペラに本発明を適用してもよい。
【0072】
また、各実施形態の回転機械1では、嵌合部20の一部がディスク12の後側面12bから突出して形成されていた。しかし、嵌合部20が設けられる所定範囲L1、L2、およびL3は、シャフト5の半径Rやグリップ部22の肉厚T1、T2により適宜設定される設計事項である。したがって、嵌合部20がディスク12の後側面12bから突出していなくてもよい。
【0073】
また、各実施形態の回転機械1では、シャフト5にディスク12を焼き嵌めすることにより嵌合していた。また、第2実施形態の回転機械1では、シャフト5にスリーブ30を焼き嵌めすることにより嵌合していた。しかし、シャフト5に対するディスク12およびスリーブ30の嵌合方法は焼き嵌めに限定されることはなく、例えば、圧入によりシャフト5にディスク12を嵌合してもよい。
【0074】
また、第2実施形態の回転機械1では、遊嵌部24の前側端部25に凸部25aを設け、スリーブ30の後側端部32に凹部32aを設け、遊嵌部24とスリーブ30とを凹凸嵌合していた。しかし、遊嵌部24の前側端部25に凹部を設け、スリーブ30の後側端部32に凸部を設け、遊嵌部24とスリーブ30とを凹凸嵌合してもよい。
【0075】
また、第2実施形態の回転機械1では、遊嵌部24とスリーブ30とを凹凸嵌合することにより、回転駆動時の遠心力による遊嵌部24の移動を規制していた。しかし、例えば、スリーブの後側端部32における内周縁部に、後側から前側に向かって縮径する第2スリーブテーパ部を設け、遊嵌部24の前側端部25における外周縁部に、第2スリーブテーパ部に対応した、後側から前側に向かって縮径する遊嵌テーパ部を設けてもよい。
第2スリーブテーパ部と遊嵌テーパ部を当接させてスリーブ30を配置することにより、外径側から遊嵌部24を押えることができる。したがって、第2実施形態と同様に、遊嵌部24の移動を規制し、回転駆動時の遠心力により遊嵌部24が外径側に拡径するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0076】
1・・・回転機械 5・・・シャフト 5a・・・外周面(周面) 10・・・インペラ 12・・・ディスク 12a・・・前側面(一方側の面) 12b・・・後側面(他方側の面) 14・・・ブレード 18・・・肉盗み部 20・・・嵌合部 22・・・グリップ部 23a・・・グリップテーパ部 24・・・遊嵌部 25a・・・凸部 27・・・中間部 30・・・スリーブ 32a・・・凹部 34a・・・第1スリーブテーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動するシャフトと、
前記シャフトの周面に設けられたディスクと、前記ディスクの一方側の面から突出し、前記シャフトの周方向に沿って設けられた複数のブレードと、を有するインペラと、
を備えた回転機械であって、
前記ディスクは、前記シャフトに嵌合される嵌合部を有し、
前記嵌合部は、
前記他方側から前記一方側に亘って所定範囲に設けられたグリップ部と、
前記グリップ部の前記一方側に設けられた遊嵌部と、
を有し、
前記グリップ部は、前記遊嵌部よりも大きな締め代によって前記シャフトに嵌合されていることを特徴とする回転機械。
【請求項2】
前記ディスクの前記他方側の面であって、前記嵌合部の周囲に、前記他方側から前記一方側に凹んだ肉盗み部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転機械。
【請求項3】
前記グリップ部の前記他方側における外周縁部に、前記他方側から前記一方側に向かって拡径するグリップテーパ部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の回転機械。
【請求項4】
前記ディスクの前記一方側に、前記ディスクへの気流を案内するスリーブを配置したことを特徴とする請求項1から3に記載の回転機械。
【請求項5】
前記シャフトに沿って複数の前記ディスクを直列に設け、
隣り合う一の前記ディスクと、他の前記ディスクとの間に前記スリーブを設け、
前記スリーブの前記一方側における内周縁部に、前記グリップテーパ部に対応して、前記他方側から前記一方側に向かって拡径する第1スリーブテーパ部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の回転機械。
【請求項6】
前記スリーブの前記他方側および前記遊嵌部の前記一方側のいずれか一方に凹部を設け、前記スリーブの前記他方側および前記遊嵌部の前記一方側のいずれか他方に前記凹部に対応した凸部を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の回転機械。
【請求項7】
前記スリーブの前記他方側における内周縁部に、前記他方側から前記一方側に向かって縮径する第2スリーブテーパ部を設け、
前記遊嵌部の前記一方側における外周縁部に、前記第2スリーブテーパ部に対応して、前記他方側から前記一方側に向かって縮径する遊嵌テーパ部を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の回転機械。
【請求項8】
前記ディスクの前記他方側から、前記ディスクの前記他方側の面よりも前記一方側に亘って前記グリップ部を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の回転機械。
【請求項9】
前記嵌合部は、前記グリップ部と前記遊嵌部との間に中間部を有し、
前記グリップ部は、前記ディスクの前記他方側の面から前記他方側に離れた範囲で、前記シャフトと嵌合していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の回転機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122398(P2012−122398A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273589(P2010−273589)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(310010564)三菱重工コンプレッサ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】