説明

回転表示装置

【課題】電気的構成が複雑化することなく、しかも画像等を高品質で表示することが可能となる回転表示装置を提供する。
【解決手段】基台2に回転自在な透明性を有する中空のボール体3の内部に、内部から外部へ向かって光を拡散する光拡散性を確保した球状スクリーン4を収容する。球状スクリーン4の一部に開口部4aを設け、開口部4aが真下を向いた状態を、開口部4aの周縁に設けたベアリング5の自重によって維持する。基台2の下方に設けたプロジェクタ6により、ボール体3の下端部と、球状スクリーン4が有する開口部4aを介して球状スクリーン4の内周面に画像Gを投影する。プロジェクターの電源や、画像データ(表示データ)等をボール体の外部から内部へ供給する必要がなく、ボール体3の外側から観察される画像がボケたり、2重に観察されたりすることがない。また画像に十分な明るさを確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作可能な球体の内部に画像を表示する回転表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1には、回転可能に支持された半透明のボール体の内周面に背面投射式のプロジェクターによって画像を投影する一方、ボール体が操作されたときの回転角度に応じて投影画像を制御する回転表示装置が記載されている。係る回転表示装置においては、ボール体の操作に応じて投影画像を制御することにより、ユーザに直感的、感覚的な操作感を提供することができる。
【0003】
また、下記特許文献1には、半透明のボール体の内周面に画像を投影するための構成として、プロジェクターをボール体の内部に設け、投影光をボール体の内周面に直接照射する構成、及びプロジェクターをボール体の外部に設け、投影光を外部からボール体の内部に透過させた後、ボール体の内周面に照射する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−207093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている回転表示装置においては、以下の問題があった。すなわちプロジェクターをボール体の内部に設けたものにあっては、ボール体の小型化が困難となり、かつボール体の外部からプロジェクターに電源や、表示データ等を供給する必要があるため、回転表示装置の電気的構成が複雑化するという問題があった。
【0006】
他方、プロジェクターをボール体の外部に設けたものにあっては、投影光が投影箇所を含めボール体を2回透過するため、画像の質が低下する。すなわち画像にボケが生じたり、画像を観察する方向と投影光の光軸とがなす角度が大きくなると画像が2重に観察されたり、画像の明るさが不可避的に低下したりするといった問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、電気的構成が複雑化することなく、しかも画像等を高品質で表示することが可能となる回転表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る回転表示装置にあっては、基台と、前記基台に回転自在に設けられた透明性を有する中空のボール体と、前記ボール体よりも小径の中空球体の一部に開口部が設けられた形状を有し、内部から外部へ向かって光を拡散する光拡散性が確保されるとともに、前記ボール体の内部において、前記開口部の向きが固定された状態での前記ボール体に対する相対的な転動を許容された球状スクリーンと、前記ボール体の外部から前記開口部を介して前記球状スクリーンの内周面に画像を投影する投影手段と、前記ボール体の回転動作を、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像の制御に使用する入力情報として検出する検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明に係る回転表示装置にあっては、前記投影手段は、球状スクリーンの内周面において前記ボール体を介して外部から視認可能な前記球状スクリーンの周面全域に相当する領域に画像を投影することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明に係る回転表示装置にあっては、前記ボール体に対する前記基台へ向けての押圧操作を、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像の制御に使用する入力情報として検出する第2の検出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明に係る回転表示装置にあっては、前記検出手段により検出されたボール体の回転動作に基づいて、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明に係る回転表示装置にあっては、前記第2の検出手段により検出された前記ボール体に対する前記基台へ向けての押圧操作に基づいて、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電気的構成が複雑化することなく、しかも画像等を高品質で表示することが可能となる回転表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る回転表示装置の断面図である。
【図2】ボール体の回転操作時における図1の要部拡大図である。
【図3】ボール体の押圧操作時における図1の要部拡大図である。
【図4】回転動作検出機構を示す構成図である。
【図5】回転表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】表示制御部における画像の制御内容の一例を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る回転表示装置1を示す断面図である。図1に示したように回転表示装置1は、基台2と、基台2の上部に設けられた回転操作が可能なボール体3とを備えている。
【0016】
ボール体3は、ガラスや、合成樹脂等の透明な材料で形成された中空体であり、より具体的には、半球状の部材を透明な接着等を用いて繋ぎ目が極力見えないように接合することにより形成されている。なお、ボール体3の透明度は任意であり、少なくとも内部が透視可能な程度の透明性が確保させていればよい。
【0017】
ボール体3の内部には以下の構成を有する球状スクリーン4が収容されている。すなわち球状スクリーン4は、直径がボール体3よりも僅かに小さな中空球体の一部が切り取られた形状を有しており、図1に示したように下端部には円形の開口部4aが設けられている。
【0018】
開口部4aの周縁には、回転自在なボール5aが周方向に等間隔で複数設けられたベアリング5が球状スクリーン4と一体的に設けられており、球状スクリーン4は、ベアリング5を介してボール体3に支持されることによって、ボール体3に対する相対的な転動を許容されている。そして、球状スクリーン4は、ベアリング5の重みによって開口部4aが真下を向いた同一姿勢を確保されている。これにより球状スクリーン4は、ボール体3の回転操作の有無に関係なく、常に開口部4aの向きが固定された状態を維持される。
【0019】
また、球状スクリーン4は、透光性を有する部材によって形成され、かつ内部から外部へ向かって光を拡散する光拡散性を確保されている。例えば球状スクリーン4には、透光性を有する部材の内側と外側の一方または双方の表面に、光を拡散させるための材料が塗布されたり、光を拡散させるための処理が施されたりすることによって光拡散性が確保されている。なお、球状スクリーン4は、光を拡散させる任意の材料を用いて形成されたものであっても構わない。
【0020】
一方、基台2の上部には、ボール体3の下端側のほぼ半分を収容する凹部2aが形成されている。凹部2aの内周面は球面であり、その底部にはプロジェクター6が取り付けられている。プロジェクター6は、外部から供給される任意の画像データを光変調素子(DMD、透過型液晶デバイス、反射型液晶デバイス等)によって投影光に変換する所謂データプロジェクターである。
【0021】
プロジェクター6から射出される投影光Lは、ボール体3の下方側からボール体3の下端部、さらに球状スクリーン4が有する開口部4aを通って球状スクリーン4の内周面に照射される。これにより球状スクリーン4の内周面に任意の画像Gが投影される。球状スクリーン4の内周面に投影された画像Gは、球状スクリーン4が光拡散性を有し、かつボール体3が透明であるため、球状スクリーン4の内周面に投影された画像Gがボール体3を介して外部から観察することができる。
【0022】
また、プロジェクター6においては、画像の投影範囲が、球状スクリーン4の内周面においてボール体3を介して外部から視認可能な球状スクリーン4の周面全域に相当する領域となるように投影光学系の焦点距離を調整されている。より具体的に述べると、本実施形態においては、プロジェクター6の焦点距離が、図1に示したように投影画像Gの外周縁が凹部2aの開口縁の下方側に位置するように調整されている。
【0023】
他方、基台2には、凹部2aの内周面に突出してボール体3を回転自在に支持するボールローラ7が、凹部2aの周方向の複数ヶ所(本実施形態では4箇所)に設けられている。
【0024】
複数のボールローラ7は、図2及び図3に示したように、凹部2aの内周面に開口する取付孔2bに遊挿されたプランジャ7bと、プランジャ7bの先端部に回転自在に設けられた回転自在なボール7aとから構成される。ボールローラ7は、取付孔2b内において軸方向に移動自在であり、プランジャ7bに外挿された弦巻バネ8によって凹部2aの内周面から突出する方向に付勢されている。
【0025】
なお、プランジャ7bは、図示しないストッパによって、凹部2aの内周面とボール体3の外周面との間に均一な隙間が確保されるように、凹部2aの内周面からの最大突出量を規制されている。
【0026】
これにより、ボール体3は、凹部2aの内周面から僅かに離間した状態を維持されるとともに、任意の方向への回転(図2参照)と、凹部2aの内周面に接する方向への移動(図3参照)とを許容されている。
【0027】
また、ボールローラ7が遊挿された各々の取付孔2bの底部には押圧スイッチ9がそれぞれ設けられている。各々の押圧スイッチ9は、ボール体3に対する基台2へ向けての押圧操作を入力情報として検出する第2の検出手段として機能するものである。すなわち平時はオフ状態にあり、ボール体3が弦巻バネ8の付勢に抗して凹部2aの内周面に接する方向へ一定量を超えて移動したとき、ボールローラ7のプランジャ7bによって押圧されることによりオン状態となるスイッチである。
【0028】
また、図1に示したように、基台2の凹部2aには、上下方向をz軸としたときのy軸方向に延在するとともに、周面がボール体3の底部に当接するy軸側ロール12が設けられている。y軸側ロール12は、後述する回転動作検出機構11(図4参照)を構成するものであって、図示しないバネによって複数のボールローラ7よりも小さな力でボール体3に当接した状態を維持されている。
【0029】
図4は、y軸側ロール12を含む回転動作検出機構11の概略構成を示した図であり、ボール体3をy軸側ロール12と接する位置の平面で切った状態の平面図である。
【0030】
回転動作検出機構11は、ボール体3の回転動作を入力情報として検出する検出手段として機能するものであり、以下のように構成されている。すなわち回転動作検出機構11は、y軸方向に延在しボール体3に当接するy軸側ロール12、及びy軸側ロール12に軸13を介して連結された図示しない回転子を含むy軸側ロータリエンコーダ14と、x軸方向に延在しボール体3に当接するx軸側ロール15、及びx軸側ロール15に軸16を介して連結された図示しない回転子を含むx軸側ロータリエンコーダ17とから構成されている。
【0031】
なお、x軸側ロール15もy軸側ロール12と同様に、図示しないバネによって複数のボールローラ7よりも小さな力でボール体3に当接した状態を維持されている。
【0032】
y軸側ロータリエンコーダ14は、ボール体3が任意の方向へ回転操作されたとき、y軸側ロール12の回転(ボール体3の横方向の回転成分)に応じたパルス信号を生成し、x軸側ロータリエンコーダ17は、ボール体3が任意の方向へ回転操作されたとき、x軸側ロール15の回転(ボール体3の縦方向の回転成分)に応じたパルス信号を生成する。
【0033】
図5は、回転表示装置1の電気的構成の概略を示すブロック図である。図5に示したように、前述したプロジェクター6と、複数の押圧スイッチ9と、y軸側ロータリエンコーダ14及びx軸側ロータリエンコーダ17とは表示制御部21に接続されている。また、表示制御部21には、種々の画像を表す画像データや、その他のデータが記憶された画像メモリ22が接続されている。
【0034】
表示制御部21は、画像メモリ22に画像データとして記憶されている種々の画像や、画像メモリ22に記憶されている種々のデータに基づき生成した画像を、プロジェクター6に投影させるためのものである。表示制御部21は、例えば基台2の内部に組み込まれた電子回路や、回転表示装置1とは別に設けられるとともに、回転表示装置1側の各部とケーブルを介して電気的に接続された電子回路により実現される。
【0035】
上記電子回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びその周辺回路、CPUの作業用メモリ等とから構成されるものである。なお、表示制御部21と画像メモリ22とは、回転表示装置1とケーブル接続された汎用的なパーソナルコンピュータによって実現することもできる。
【0036】
表示制御部21は、画像メモリ22に記憶されている画像データに基づく表示用の画像データ(映像信号)を生成し、生成した画像データをプロジェクター6へ供給することにより、プロジェクター6において任意の画像Gを球状スクリーン4の内周面に投影させる。なお、表示用の画像データの生成に際して表示制御部21は、元の画像データに対し、2次元の画像を球状スクリーン4の内周面(球面)に投影した際に生ずる見た目の歪みを補正するための所定の画像処理を施す。
【0037】
また、表示制御部21は、プロジェクター6に任意の画像Gを投影させている間、複数の押圧スイッチ9の何れかがオン状態となるとボール体3が押圧操作されたと判断する。さらに、表示制御部21は、y軸側ロータリエンコーダ14とx軸側ロータリエンコーダ17とから供給されるパルス信号に基づいて、ボール体3が回転操作されたときの回転方向を逐次演算する。そして、表示制御部21は、プロジェクター6に任意の画像Gを投影させている間、ボール体3の押圧操作や回転操作に応答し、回転表示装置1が表示する画像を予め決められている手順で制御することにより、本実施形態における制御手段として機能する。
【0038】
以上の構成からなる回転表示装置1においては、球状スクリーン4が開口部4aを有するとともに、ボール体3の回転操作の有無に関係なく、常に開口部4aの向きが固定された状態を維持されている。そして、プロジェクター6から射出される投影光Lが、ボール体3の下方側からボール体3の下端部、さらに上記開口部4aを通って球状スクリーン4の内周面に照射される構成である。
【0039】
係ることから回転表示装置1においては、従来のようにプロジェクター6を球状スクリーン4の内部に設けたものとは異なり、ボール体3の小型化が可能である。また、プロジェクターの電源や、表示すべき画像を表す画像データ(表示データ)等をボール体の外部から内部へ供給せずともよいことから、電気的構成を簡略化することができる。
【0040】
さらには、プロジェクター6から射出される投影光Lが、透明なボール体3を透過して球状スクリーン4の内周面に直接照射される。そのため、球状スクリーン4に投影された画像Gが、ボール体3の外側から観察したときボケが生じたり、2重に観察されたりすることが無く、さらには、ボール体3の外側から観察される画像に十分な明るさを確保することができる。よって、高品質な画像を表示することができる。
【0041】
また、本実施形態の回転表示装置1においては、プロジェクター6における画像の投影範囲が、球状スクリーン4の内周面においてボール体3を介して外部から視認可能な球状スクリーン4の周面全域に相当する領域であるため、ボール体3をいずれの方向から観察する場合であっても画像を観察させることができる。
【0042】
また、本実施形態の回転表示装置1においては、複数の押圧スイッチ9によってボール体3の押圧操作を検出し、回転動作検出機構11によってボール体3の回転動作を検出するとともに、表示制御部21が、プロジェクター6に任意の画像を投影させている間、ボール体3の押圧操作や回転操作に応答し、回転表示装置1が表示する画像を予め決められている手順で制御する構成である。
【0043】
そのため、回転表示装置1に表示されている画像を観察しているユーザにおいては、ボール体3の回転操作により表示されている画像を変化させることができるだけでなく、ボール体3の押圧操作によっても表示されている画像を変化させることができる。これにより、ユーザにおいては、表示されている画像を多様に変化させることができる。
【0044】
ここで、表示制御部21における画像の具体的な制御内容について説明する。例えば画像メモリ22に、地球儀を任意の方向から見たときの状態を示す画像(以下、地球儀画像という。)を生成可能な地図データ、及び世界各地で撮影された名所旧跡等の写真画像の画像データが記憶されているとき、表示制御部21は、回転表示装置1が表示する画像を以下のように画像を制御する。なお、図6は、その場合に回転表示装置1が表示する画像の一例を示した遷移図である。
【0045】
まず、制御開始当初において表示制御部21は、予め決められている地域が中心となる状態にある地球儀を表す地球儀画像G1をプロジェクター6に投影させる。次に、表示制御部21は、ボール体3の回転操作がある毎にボール体3の回転方向を演算し、演算した回転方向へ地球儀を回転した状態を表す新たな地球儀画像G2に変更する。以後、表示制御部21は、ボール体3の回転操作がある毎に、地球儀画像を逐次変更することにより、地球儀画像により表現される地球儀を回転させる。
【0046】
その後、表示制御部21は、ボール体3が押圧操作されると、その時点で表示中の地球儀画像の中心に位置する地域がユーザに指定されたと判断し、当該地域で撮影された名所旧跡等の写真画像の画像データを画像メモリから読み出す。そして、表示制御部21は、読み出した画像データに基づく写真画像G3を、表示中の地球儀画像に代えてプロジェクター6に投影させる。
【0047】
また、表示制御部21は、指定された地域の写真画像を表示している間においても、ボール体3の回転操作がある毎にボール体3の回転方向を演算する。そして、表示制御部21は、画像メモリ22から、表示中の写真画像と同じ地域で撮影された他の写真画像の画像データを、演算した回転方向に応じた所定の順番で読み出し、読み出した画像データに基づく新たな写真画像をプロジェクター6に投影させる。
【0048】
そして、表示制御部21は、写真画像を表示している間にボール体3が押圧操作されると、プロジェクター6に再び地球儀画像を投影させる。
【0049】
なお、図6に例示した地球儀画像G2は、中心に位置する地域がペールであるときの画像であり、図6に例示した写真画像G3は、マチュピチュ遺跡を撮影した写真画像である。
【0050】
ここで、本実施形態においては、プロジェクター6における画像の投影範囲が、球状スクリーン4の内周面においてボール体3を介して外部から視認可能な球状スクリーン4の周面全域に相当する領域とした。しかし、本発明の実施に際しては、プロジェクター6における画像の投影範囲を、球状スクリーン4の内周面においてボール体3を介して外部から視認可能な球状スクリーン4の周面の一部に相当する領域としてもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、球状スクリーン4が、ボール体3の回転操作の有無に関係なく、ベアリング5の重みによって開口部4aが真下を向いた同一姿勢を維持されるようにした。しかし、本発明の実施に際しては、球状スクリーン4の姿勢を他の方法によって維持するようにしてもよい。例えば基台2と球状スクリーン4との双方に互いに引き合う磁石を設け、磁力によって球状スクリーン4の姿勢を維持する構成としてもよい。
【0052】
また、本実施形態においては、基台2の内部に設けた回転動作検出機構11(図4)によって、ボール体3の回転動作を入力情報として検出する構成について説明した。しかし、ボール体3の回転動作を入力情報として検出するための具体的な構成については適宜変更することができる。
【0053】
また、本実施形態においては、基台2の内部に設けた複数の押圧スイッチ9によって、ボール体3に対する基台2へ向けての押圧操作を入力情報として検出する構成について説明した。しかし、本発明の実施に際しては、複数の押圧スイッチ9は廃止しても構わない。また、複数の押圧スイッチ9は、ボール体3に対する基台2へ向けての押圧操作を入力情報として検出することができれば、具体的な構成については適宜変更することができる。例えば複数の押圧スイッチ9は圧電スイッチ等の他のスイッチに変更することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 回転表示装置
2 基台
2a 凹部
2b 取付孔
3 ボール体
4 球状スクリーン
4a 開口部
5 ベアリング
5a ボール
6 プロジェクター
7 ボールローラ
7a ボール
7b プランジャ
8 弦巻バネ
9 押圧スイッチ
11 回転動作検出機構
12 y軸側ロール
13 軸
14 y軸側ロータリエンコーダ
15 x軸側ロール
16 軸
17 x軸側ロータリエンコーダ
21 表示制御部
22 画像メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台に回転自在に設けられた透明性を有する中空のボール体と、
前記ボール体よりも小径の中空球体の一部に開口部が設けられた形状を有し、内部から外部へ向かって光を拡散する光拡散性が確保されるとともに、前記ボール体の内部において、前記開口部の向きが固定された状態での前記ボール体に対する相対的な転動を許容された球状スクリーンと、
前記ボール体の外部から前記開口部を介して前記球状スクリーンの内周面に画像を投影する投影手段と、
前記ボール体の回転動作を、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像の制御に使用する入力情報として検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする回転表示装置。
【請求項2】
前記投影手段は、球状スクリーンの内周面において前記ボール体を介して外部から視認可能な前記球状スクリーンの周面全域に相当する領域に画像を投影することを特徴とする請求項1記載の回転表示装置。
【請求項3】
前記ボール体に対する前記基台へ向けての押圧操作を、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像の制御に使用する入力情報として検出する第2の検出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転表示装置。
【請求項4】
前記検出手段により検出されたボール体の回転動作に基づいて、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項記載の回転表示装置。
【請求項5】
前記第2の検出手段により検出された前記ボール体に対する前記基台へ向けての押圧操作に基づいて、前記投影手段が前記球状スクリーンの内周面に投影する画像を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の回転表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−79243(P2012−79243A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226117(P2010−226117)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】