説明

回転表示装置

【課題】駆動部分の高い信頼性を有すると共に、製造コストの低減を実現することができ、POP用品として非常に好適な回転表示装置を提供する。
【解決手段】表示物E1を装着する回転体1と回転体1の回転駆動機構を備え、回転駆動機構が、モータ2に設けたウオーム3と、樹脂製平歯車であるウオームホイール4と、回転体1と連結してウオームホイール4に連動する出力歯車5と、出力歯車5の位置検出手段と、位置検出手段の検出信号に基づいてモータ2を制御するモータ制御手段6を備え、モータ2が、ウオーム3及びウオームホイール4の互いの歯筋が平行状態を成すように傾斜して配置してあり、位置検出手段が、出力歯車5に形成したカム16と、カム16に摺動接触する接触子17Aを有するスイッチ17を備えた回転表示装置A1とし、駆動部分の高い信頼性を有すると共に、製造コストの低減を実現し、POP用品としても非常に好適なものにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば宣伝広告用の各種表示物を回転させながら表示する回転表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の回転表示装置としては、例えば特許文献1に記載されている広告看板がある。特許文献1の広告看板は、複数の回転可能な多面柱体を排列して成るものであって、各多面柱体の回転軸に設けたウオームホイールと、各ウオームホイールに係合するウオームシャフトを備えており、ウオームシャフトを回転駆動することで、各多面柱体を同期回転させる構造になっている。この広告看板は、各多面柱体に平面広告の一部を夫々設けて、全ての多面柱体により一つの平面広告を形成し、例えば三角柱の多面柱体を用いた場合には、これらを回転させることにより三つの平面広告を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3110021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記したような従来の広告看板は、一つの看板上に複数の平面広告を形成することから、空間の節約効果があり、広告費の面で経済的価値の高いものとなるのであるが、比較的大型の看板に適しているので、例えば、店内等において手軽に設置し得るPOP用品としては、製造コストが高くなるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、駆動部分の高い信頼性を有すると共に、製造コストの低減を実現することができ、POP用品として非常に好適な回転表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回転表示装置は、表示物を装着する回転体と、回転体を回転駆動する回転駆動機構を備え、回転駆動機構が、駆動源であるモータと、モータの出力軸に設けたウオームと、ウオームに係合する樹脂製平歯車であるウオームホイールと、回転体と連結してウオームホイールに連動する出力歯車と、出力歯車の回転位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段の検出信号に基づいてモータを制御するモータ制御手段を備えており、モータが、ウオーム及びウオームホイールの互いの歯筋が平行状態を成すように傾斜して配置してあり、位置検出手段が、出力歯車の円周方向に沿って形成したカムと、カムに摺動接触する接触子を入力部とするスイッチを備えると共に、カムが、出力歯車の回転に伴って任意の回転位置でスイッチの接触子を切換え操作する形態を成している構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
本発明の回転表示装置は、回転体に表示物を装着した状態にして、モータの駆動力をウオーム、ウオームホイール及び出力歯車を介して回転体に伝達し、回転体とともに表示物を回転させる。このとき、回転表示装置は、位置検出手段により出力歯車の回転位置を検出し、モータ制御手段により回転位置の検出信号に基づいてモータを制御することで、回転体及び表示物を間欠的に回転させることが可能である。
【0008】
また、本発明の回転表示装置は、より好ましい実施形態として、回転体に装着する表示物が筒状であると共に、出力歯車及び回転体の中央を貫通して表示物の軸線上に回転不能に配置される芯材を備えたことを特徴とし、さらに、複数の回転体を一列に配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の回転表示装置は、上記構成を採用したことにより、ウオーム及びウオームホイールによる回転伝達部分において、耐久性や静粛性が向上し、しかも、ウオームホイールや、カムを有する出力歯車を射出成形等により容易に製造し得る。これにより、回転表示装置は、駆動部分の高い信頼性を有すると共に、製造コストの低減を実現することができ、店内等において手軽に設置できるPOP用品としても非常に好適なものとなる。
【0010】
また、本発明の回転表示装置は、筒状の表示物や回転不能な芯材を採用したことで、上記の効果に加えて、表示物の長さの変更等に対処することが容易になり、しかも、有線により電源供給を受ける照明類を芯材に設けることが可能であって、POP用品としての表示機能をさらに向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明の回転表示装置は、複数の回転体を一列に配置することで、上記の効果に加えて、例えば、全体で一つの平面広告を形成して各回転体を同期回転させたり、各回転体の回転を個別に制御したりすることができ、表示形態のバリエーションを増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の回転表示装置の一実施形態を説明する分解斜視図である。
【図2】図1に示す回転表示装置を組立て状態で説明する斜視図である。
【図3】モータのウオームとウオームホイールとの関係を示す説明図である。
【図4】出力歯車、カム、スイッチ及び表示物の互いの位置関係を示す各々説明図(A)〜(D)である。
【図5】本発明の回転表示装置の他の実施形態を説明する平面断面図(A)及び正面図(B)である。
【図6】本発明の回転表示装置のさらに他の実施形態の三例を説明する各々斜視図(A)〜(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の回転表示装置の一実施形態を説明する。
図1及び図2に示す回転表示装置A1は、表示物E1を装着する回転体1と、回転体1を回転駆動する回転駆動機構を備えている。図示例の表示物E1は、断面三角形の筒状(三角柱状)を成しており、三つの側面に、宣伝広告、絵図及び写真などを夫々表示することができる。
【0014】
回転駆動機構は、駆動源であるモータ2と、モータ2の出力軸2Aに設けたウオーム3と、ウオーム3に係合する樹脂製平歯車であるウオームホイール4と、回転体1と連結してウオームホイール4に連動する出力歯車5と、出力歯車5の回転位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段の検出信号に基づいてモータ2を制御するモータ制御手段(制御回路)6を備えている。
【0015】
より具体的には、回転駆動機構は、上段ケース7と、下段ケース8と、上部カバー9を備えている。両ケース7,8は、いずれも上側に開放されたもので、上下に積層した状態にして、上段ケース7の開放部分を上部カバー9で閉塞する。なお、図2中に仮想線で示すように、下段ケース8の外側を被う下部カバー10を設けて、この下部カバー10を台座にすることができる。また、下段ケース8の側部壁を下方に延長して、自立用のリブを形成しても良い。
【0016】
上段ケース7の内部には、出力歯車5、同ケース7内に出力歯車5を回転可能に装着するための歯車ホルダ11が配置してある。前記回転体1は、上段ケース7を閉塞した上部カバー9の上側に配置される。他方、下段ケース8の内部には、ウオーム3を設けたモータ2、ウオームホイール4、モータ制御手段6を配置した回路基板12及びコネクタ13が配置してある。コネクタ13には、図示しない外部電源を接続する。
【0017】
前記モータ2は、図3に示すように、ウオーム3及びウオームホイール4の互いの歯筋が平行状態を成すように傾斜して配置してある。ウオーム3は、歯筋が、所定のねじれ角を有する螺旋状を成している。ウオームホイール4は、先述の如く樹脂製平歯車であり、下段ケース8内において、歯筋が垂直方向となるように保持されている。
【0018】
そこで、回転表示装置A1では、出力軸2Aの先端が下がるように、ウオーム3のねじれ角に対応する角度だけモータ2を傾斜させて配置し、これにより、ウオーム3及びウオームホイール4の互いの歯筋を平行状態にしている。なお、ウオーム3の歯筋は螺旋状であるから、双方の歯筋は厳密には平行ではなく、概ね平行の状態である。
【0019】
また、図示例のウオームホイール4は、上段ケース7の底壁を貫通する伝達シャフト14の下部に固定してあり、上段ケース7内となる伝達シャフト14の上部には、出力歯車5に係合する伝達歯車15が固定してある。つまり、この実施形態では、モータ2の駆動力が、ウオーム3、ウオームホイール4、伝達シャフト14、伝達歯車15及び出力歯車5を介して、回転体1に伝達されることとなる。
【0020】
とくにPOP用品に用いる回転表示装置A1では、表示物E1を高速で回転させる必要はないので、ウオーム3とウオームホイール4とを用いることにより、必要最小限の歯車構成で適切な回転速度となる減速比を得ることができ、しかも、停止時には、ウオーム3によってウオームホイール4の回転が拘束されるので、表示物E1を定位置に維持することができる。
【0021】
前記出力歯車5は、中央孔5Aを有し、上面側に、中央孔5Aを挟んで一対の係止爪5B,5Bを有すると共に、下面側に、位置検出手段を構成するカム16が一体成形してある。また、上部カバー9及び回転体1にも中央孔9A,1Aが夫々形成してあり、回転体1の中央孔1Aには、出力歯車5の係止爪5B,5Bに対応する一対の係止部1B,1Bが形成してある。さらに、歯車ホルダ11には、後記する芯材(18)の取付孔11Aが設けてある。
【0022】
上記の出力歯車5は、中央孔5Aに上側から歯車ホルダ11を貫通させ、この歯車ホルダ11の下端部を上段ケース7の底壁に固定することにより、出力歯車5を回転可能に保持する。また、出力歯車5は、上段ケース7を上部カバー9で閉塞した状態において、上部カバー9の中央孔9Aから係止爪5B,5Bが突出し、この係止爪5B,5Bを回転体1の係止部1B,1Bに係止することで、図2に示す如く回転体1と連結する。
【0023】
前記位置検出手段は、出力歯車5の円周方向に沿って形成したカム16と、カム16に摺動接触する接触子17Aを入力部とするスイッチ17を備えている。カム16は、出力歯車5に一体成形してあって、図4に示すように、出力歯車5の回転に伴って任意の回転位置でスイッチ17の接触子17Aを切換え操作する形態を成している。
【0024】
スイッチ17は、上段ケース7に形成した収納部7Aに下側から装着され、収納部7Aから接触子17Aを延出させて、その接触子17Aをカム16に対して弾性的に摺動接触させる。接触子17Aは、カム16との摺動接触を円滑にするために、カム16と接触する先端部分が円弧状に形成してある。
【0025】
この実施形態のカム16は、表示物E1が三角柱状であることから、円周方向に三分割したものとなっていて、図4(A)中に矢印で示す反時計回りの回転方向において、各円周部16Aの回転前方端及び回転後方端に、中心側に向けた傾斜部16B,16Cを連続的に有している。図4(A)〜(D)は、出力歯車5及び表示物E1を底面側から見た説明図である。図4において、出力歯車5及び表示物E1は、同じ方向に回転する。
【0026】
図4(A)に示すカム16は、各円周部16Aの回転後方端(P1〜P3で示す位置)が互いに120度間隔になる配置である。そして、図4(A)中で右下の円周部16Aの長さが、他の二つの円周部に比べて短くなっていると共に、この短い円周部16Aの回転前方端とこれに隣接する円周部16Bの回転後方端(P1)との隙間が、他の二箇所の隙間に比べて大きくなっている。
【0027】
さらに、カム16は、円周部16Aの回転後方端の位置(P1〜P3)が、出力歯車5に装着した三角柱状の表示物E1の各面(A面〜C面)の位置に対応している。すなわち、図4の下側を正面とした場合、図4(A)に示す如くスイッチ17の接触子17Aが円周部16の回転後方端(P1)に達して、最も大きい隙間に入ると、図4(B)に示す如く表示物E1のA面が正面となる。また、出力歯車5がさらに回転して、スイッチ17の接触子17Aが次の隙間に入ると、図4(C)に示す如く表示物E1のB面が正面となり、その次には、図4(D)に示す如く表示物E1のC面が正面となる。
【0028】
また、回転表示装置A1は、先述の如く回転体1に装着する表示物E1が、筒状すなわち中空体であって、図2に示すように、出力歯車5、上部カバー9及び回転体1の各中央孔5A,9A,1Aを貫通して表示物E1の軸線上に回転不能に配置される芯材18を備えている。この芯材18は、例えばアルミニウム製の軽量なチャンネル材であって、前記歯車ホルダ11の取付孔11Aに、下端部を嵌合固定すると共に、上端部には、表示物E1の上面部を回転可能に保持するプレート19が設けてある。
【0029】
上記の回転表示装置A1は、樹脂製平歯車から成るウオームホイール4以外に、カム16を有する出力歯車5、上段及び下段のケース7,8、上部及び下部のカバー9,10、歯車ホルダ11、回路基板12及び伝達歯車15をいずれも樹脂製にすることができ、これらを射出成形等により大量製造することが可能である。このように、各構成部材を樹脂製にすれば、製造や組み立てが容易になって低コスト化が可能であり、とくに、出力歯車5や伝達歯車15をもウオームホイール4と同様の樹脂製平歯車にすれば、製造コストのさらなる低減に貢献することができる。
【0030】
上記構成を備えた回転表示装置A1は、外部電源によりモータ2を駆動すると、回転体1及び表示物E1が回転する一方で、出力歯車5とともに回転するカム16の円周部16Aに接触子17Aが摺動接触して、スイッチ17がオン状態(又はオフ状態)になる。このとき、スイッチ17は、モータ2に対する電源を直接的にオン・オフするのではなく、モータ制御手段6に対してオン又はオフの信号を出力する。
【0031】
次いで、図4(A)に示すように、スイッチ17の接触子17Aがカム16の回転後方端に達すると、円周部16Aから接触子17Aが外れてスイッチ17がオフ状態(又はオン状態)になり、モータ2が停止する。そして、所定時間経過後、モータ2を再駆動させると、接触子17が次のカム16の傾斜部16Bに案内されて円周部16Aに至り、スイッチ17が再びオン状態(又はオフ状態)になる。以下、同様の動作を繰り返し行う。
【0032】
このようにして、回転表示装置A1は、カム16及びスイッチ17により構成した位置検出手段により出力歯車5の回転位置を検出し、モータ制御手段6により回転位置の検出信号に基づいてモータ2を制御することで、出力歯車5、回転体1及び表示物E1が120度間隔で回転停止を繰り返すこととなる。
【0033】
上記実施形態で説明した回転表示装置A1は、とくに、ウオーム3及びウオームホイール4を互いに歯筋を平行状態にして係合させているので、動力の伝達効率が向上するうえに、回転伝達部分における耐久性や静粛性が向上し、しかも、ウオームホイール4や、カム16を有する出力歯車5を射出成形等により容易に製造し得る。これにより、回転表示装置A1は、駆動部分の高い信頼性を有すると共に、製造コストの低減を実現することができ、店内等において手軽に設置できるPOP用品としても非常に好適なものとなる。
【0034】
また、回転表示装置A1は、筒状の表示物E1や回転不能な芯材18を採用したので、簡単な構造であるうえに、表示物E1の長さの変更等に対処することが容易であり、しかも、図2中に仮想線で示すように、有線により電源供給を受けるLED等の照明20を芯材18に設けることが可能である。これにより、少なくとも一部に透光性を有する表示物E1を採用すれば、あたかも表示物E1が発光する表示形態が得られ、POP用品としての表示機能をさらに向上させることができる。
【0035】
さらに、上記実施形態の回転表示装置A1では、カム16において、三つの円周部16Aのうちの一つを短くすると共に、その短い円周部16Aの回転前方端側の隙間を大きくしているので、スイッチ17がオン状態及びオフ状態となる夫々の時間に基づいて、出力歯車5の回転位置すなわち表示物E1の回転位置を特定することが可能である。
【0036】
つまり、図4(A)の状態から出力歯車5を再駆動すると、隙間が大きい部分では、接触子17Aが次の円周部16Aに接触するまでの時間、すなわちスイッチ17がオン(又はオフ)になるまでの時間が、他の二箇所よりも長くなる。したがって、再駆動からスイッチ17がオン(又はオフ)になるまでの時間を監視していれば、出力歯車5の回転位置を特定することができる。これらのデータの記憶や判断は、モータ制御手段6で行うことができる。これにより、モータ2の制御がより容易になる。
【0037】
図5は、本発明の回転表示装置の他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同様の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
図示の回転表示装置A2は、回転駆動機構を収容したケース30の上面に、複数(図示例では3個)の回転体1を一列に配置した構成を有し、各回転体1に、三角柱状の表示物E1が装着してある。また、回転表示装置A2は、その前面に、3つの窓部31Aを配列したボード21を備え、各窓部31Aに表示物E1の一面が現れるようにしてある。
【0039】
回転駆動機構は、各回転体1に対して個別に設けることも可能であるし、電源やモータ制御手段などを共通の部品とすることも可能である。例えば、各回転体1を同期回転させる制御方式であれば、夫々に共通する回転伝達機構を採用しても良い。
【0040】
上記の回転表示装置A2は、先の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができるほか、例えば、各表示物E1の一面に平面広告の一部を設けて、全表示物E1で一つの平面広告を形成することができ、この実施形態の場合には、3つの平面広告を形成することができる。
【0041】
また、回転表示装置A2は、図4に示す位置検出手段すなわち出力歯車5の回転位置を特定できるカム16およびスイッチ17から成る位置検出手段と、図1に示すモータ制御手段6を用いることにより、各表示物E1を個別に又は一斉に回転させたり、間欠的又は連続的に回転させたり、順番に又は順不同に回転させたり、各表示物E1のランダムな回転動作を次第に同期させたりするような様々なプログラムの入力及びモータ2の制御が可能であり、表示形態のバリエーションをより一層増すことができる。
【0042】
図6は、本発明の回転表示装置のさらに他の実施形態を説明する図である。
図6(A)に示す回転表示装置A3は、四角柱状の表示物E2を備えたものであり、図6(B)に示す回転表示装置A4は、円柱状の表示物E3を備えたものである。また、図6(C)に示す回転表示装置A5は、回転テーブル32を備えたものであって、この場合には、先の実施形態のような筒状(柱状)の表示物だけでなく、商品サンプルなどの各種表示物を表示することが可能である。
【0043】
なお、上記の各実施形態では、表示物が垂直軸回りに回転する場合を説明したが、当該装置を横置きにして表示物を水平軸回りに回転させることも可能であり、この場合には、図2に示す回転不能の芯材18で表示物の先端を回転自在に保持することが可能である。
【0044】
また、出力歯車の回転位置を検出する位置検出手段としては、光学式のセンサ類を用いることも可能である。ただし、上記実施形態のように、出力歯車5に一体成形されるカム15を用いた機械式の手段にすれば、動作の信頼性が高いうえに、部品点数が少なくなって組み立て作業も容易になり、製造コストも安価であるなどの利点がある。さらに、カムは、例えば四角柱状の表示物の場合には、四分割した形態とすることができ、このほか、スイッチをオン・オフするための凹凸形状等の構成を適宜変更することができる。
【0045】
本発明の回転表示装置は、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
A1〜A5 回転表示装置
E1〜E3 表示物
1 回転体
2 モータ
2A 出力軸
3 ウオーム
4 ウオームホイール
5 出力歯車
6 モータ制御手段
16 カム
17 スイッチ
17A 接触子
18 芯材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示物を装着する回転体と、回転体を回転駆動する回転駆動機構を備え、
回転駆動機構が、駆動源であるモータと、モータの出力軸に設けたウオームと、ウオームに係合する樹脂製平歯車であるウオームホイールと、回転体と連結してウオームホイールに連動する出力歯車と、出力歯車の回転位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段の検出信号に基づいてモータを制御するモータ制御手段を備えており、
モータが、ウオーム及びウオームホイールの互いの歯筋が平行状態を成すように傾斜して配置してあり、
位置検出手段が、出力歯車の円周方向に沿って形成したカムと、カムに摺動接触する接触子を入力部とするスイッチを備えると共に、カムが、出力歯車の回転に伴って任意の回転位置でスイッチの接触子を切換え操作する形態を成していることを特徴とする回転表示装置。
【請求項2】
回転体に装着する表示物が筒状であると共に、出力歯車及び回転体の中央を貫通して表示物の軸線上に回転不能に配置される芯材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転表示装置。
【請求項3】
複数の回転体を一列に配置したことを特徴とする請求項2に記載の回転表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109037(P2013−109037A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251898(P2011−251898)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(591135657)ワヨー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】