説明

回転軸の振動減衰機構

【課題】 回転軸を大径化、大型化させることなく、回転軸の低回転時には十分な減衰力を付与し、かつ高回転時には過度の減衰力を抑制することができる回転軸の振動減衰機構を提供する。
【解決手段】 回転軸2にフランジ4を設け、そのフランジ4を粘性流体6が充填されたハウジング5内に格納して構成された回転軸の振動減衰機構において、上記フランジ4内に出没可能に設けられ、上記回転軸2の回転による遠心力で、上記フランジ4内に収納されるように移動可能である撹拌抵抗体22と、上記撹拌抵抗体22が上記フランジ4から突出するように上記撹拌抵抗体22を付勢する弾性体24とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのカム軸などの回転軸の振動を流体の粘性により減衰させる回転軸の振動減衰機構に係り、特に、回転軸の低回転時の振動減衰効果と、高回転時の撹拌抵抗抑制効果との両立を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トルク変動などを伴う回転軸の回転方向への振動を減衰する機構としては、例えば、エンジンのカム軸の振動減衰機構などがある。そのカム軸の振動減衰機構は、エンジンの騒音を低減させるために用いられる。
【0003】
カム軸の振動に起因するエンジンの騒音には、動弁音や、カムギヤの歯打ち音などがある。特に、カムギヤの歯打ち音は、アイドル停止時などに発生するため、アイドル停止がよく行われる街中でのコンビニ配送などにおいて、その騒音が問題となる。そのカムギヤの歯打ち音は、アイドルなどの低回転時にカム軸に生じる大きなトルク変動が原因で発生する。
【0004】
一般に、カム軸の振動に起因する動弁音などエンジンの騒音を低減させるために、カム軸に減衰力を付与することが行われている。そのカム軸への減衰力の付与には、例えば、図4および図5に示すようなカム軸の振動減衰機構が用いられている。
【0005】
図4に示すカム軸の振動減衰機構31では、カムギヤ(図示せず)により駆動されるカム軸2にフランジ4が設けられており、そのフランジ4は、シリンダヘッド7とキャップ9とから構成されたハウジング5内に格納される。そのハウジング5内に、シリンダヘッド7に形成されたオイル孔11を通して潤滑オイル32が供給、充填される。その潤滑オイル32の粘性により、カム軸2に減衰力が付与される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
図5に示すカム軸の振動減衰機構は、カムギヤ(図示せず)の先端にビスカスダンパー34を設けたものである。ビスカスダンパー34は、粘性流体35が充填、密封されたハウジング36a、36bと、そのハウジング36a、36b内に収納される回転円板38とを備えており、カム軸2とカムギヤ(図示せず)とが回転円板38を介して連結される。この図5の振動減衰機構でも、図4に示した振動減衰機構31と同様に、粘性流体35の粘性によりカム軸2に減衰力が付与される。ビスカスダンパー34では、粘性流体35として高粘度のシリコンオイルなどが用いられる。
【0007】
ところで、カム軸2はギア機構を介してクランク軸により駆動されるので、カム軸2への過度の減衰力の付与は、エンジンの燃費を悪化させるおそれがある。特に、エンジンの高回転時にカム軸に生じるトルク変動は、低回転時に較べると小さいため、エンジンの高回転時にカム軸2に付与される減衰力は、抑制されることが望まれる。
【0008】
したがって、カム軸2の振動減衰機構は、カム軸2の低回転時の振動減衰効果と、高回転時の減衰力抑制効果とを両立させることが必要とされる。
【0009】
【特許文献1】特開平8−158823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図4の振動減衰機構31は、エンジンの燃費を考慮して、潤滑オイル32の粘性によるあまり大きくない減衰力をカム軸2に付与するものであり、エンジンの高回転時の燃費を悪化させないものの、低回転時の大きなトルク変動を抑えるには減衰力が不足する。
【0011】
一方、図5に示すようなビスカスダンパー34は、高粘度の専用の粘性流体35を用いることで、低回転時の大きなトルク変動を抑える減衰力を付与することができるものの、そのような大きな減衰力はエンジンの高回転時にかえって抵抗となり、燃費を悪化させてしまう。また、ビスカスダンパー34をカム軸2へ付加すると、カム軸2が大径化、大型化してしまう。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、回転軸を大径化、大型化させることなく、回転軸の低回転時には十分な減衰力を付与し、かつ高回転時には過度の減衰力を抑制することができる回転軸の振動減衰機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、回転軸にフランジを設け、そのフランジを粘性流体が充填されたハウジング内に格納して構成された回転軸の振動減衰機構において、上記フランジ内に出没可能に設けられ、上記回転軸の回転による遠心力で、上記フランジ内に収納されるように移動可能である撹拌抵抗体と、上記撹拌抵抗体が上記フランジから突出するように上記撹拌抵抗体を付勢する弾性体とを備えたものである。
【0014】
好ましくは、上記撹拌抵抗体の移動方向は、上記回転軸の軸心に対し所定の傾斜角で斜めに交差するように設定されるものである。
【0015】
好ましくは、上記撹拌抵抗体が、上記フランジの半径方向外側の位置に設けられたものである。
【0016】
好ましくは、上記フランジに形成され、上記回転軸の半径方向外側に向かって延びる傾斜孔と、その傾斜孔に移動自在に挿入され、上記撹拌抵抗体をなすピン部材と、上記傾斜孔内に設けられ、上記弾性体をなすコイルばねとを備えたものである。
【0017】
上記回転軸は、エンジンの動弁機構のカム軸であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転軸を大径化、大型化させることなく、回転軸の低回転時には撹拌抵抗体を突出させることで十分な減衰力を付与し、かつ回転軸の高回転時には遠心力で撹拌抵抗体をフランジ内に収納させることで過度の減衰力を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0020】
図1は、本実施形態の回転軸の振動減衰機構を示し、回転軸の低回転時の状態を示す。図2は、本実施形態の回転軸の振動減衰機構を示し、回転軸の高回転時の状態を示す。図3(a)は、図1のフランジの一部拡大図を示し、(b)は図2のフランジの一部拡大図を示す。なお、図1、図2、図3(a)および図3(b)において、図4および図5に示したものと同一要素には、同一符号を付す。
【0021】
本実施形態は、本発明の回転軸の振動減衰機構を、エンジンの動弁機構のカム軸に適用するものである。
【0022】
本実施形態の回転軸の振動減衰機構1が対象とするカム軸2の概略を、図1および図5に基づき説明する。複数のカム39を有するカム軸2が、シリンダヘッド7の上部に支持されており、そのカム軸2の一端には、カムギヤ(図示せず)が設けられる。そのカムギヤはアイドルギヤと噛合し、さらにそのアイドルギヤはクランク軸に設けられたクランクギヤと噛合する(図示せず)。それらギヤ機構により、クランク軸の回転がカム軸2へと伝達される。
【0023】
図1および図2に示すように、回転軸の振動減衰機構1は、カム軸2に設けられたフランジ4と、そのフランジ4を格納するハウジング5とを備え、そのハウジング5内には、粘性流体6が充填される。
【0024】
本実施形態では、ハウジング5は、シリンダヘッド7の上部に形成され、上向きの凹形状のハウジングベース8と、そのハウジングベース8の頂部に載置され、下向きの凹形状のキャップ9とにより構成される。また、ハウジング5内には、粘性流体6であるエンジンの潤滑オイル32が充填される。その潤滑オイル32は、カム軸2またはハウジング5に設けられたオイル通路から供給される。本実施形態では、潤滑オイル32がハウジングベース8に設けられたオイル孔11より供給される。また、カム軸2のハウジング5との貫通部は軸シールであり、カム軸2とハウジングベース8およびキャップ9との隙間からの潤滑オイル32の漏洩はごく僅かである。
【0025】
本実施形態のフランジ4は、カム軸2から半径方向外側に延出する円盤部12と、その円盤部12の半径方向外側の位置から軸方向に突出する突出部14とからなる。円盤部12の側面は、カム軸2の軸心と直交し、突出部14は、円盤部12の一方の側面の外周端部から全周に亘り突出し、円筒状の形状を有する。以上のようにフランジ4は、一方の側方(図1において左側)が開放され、他方の側方(図1において右側)が閉止された短い円筒状に形成される。
【0026】
特に、本実施形態の回転軸の振動減衰機構1は、図1、図3(a)および図3(b)に示すように、フランジ4内に出没可能に設けられ、カム軸2の回転による遠心力で、フランジ4内に収納されるように移動可能である撹拌抵抗体22と、その撹拌抵抗体22がフランジ4から突出するように撹拌抵抗体22を付勢する弾性体24とを備える。
【0027】
具体的には、本実施形態の回転軸の振動減衰機構1は、フランジ4に形成され、カム軸2の半径方向外側に向かって延びる傾斜孔21と、その傾斜孔21に移動自在に挿入され、撹拌抵抗体22をなすピン部材25と、傾斜孔21内に設けられ、弾性体24をなすコイルばね26とを備える。
【0028】
本実施形態の傾斜孔21は、フランジ4の円盤部12の外周端部の位置に設けられ、カム軸2の軸心に対して斜めに交差する所定の傾斜角θで円盤部12を貫通する。より具体的には、傾斜孔21は、略45°の傾斜角(θ≒45)でフランジの内方側にある円盤部12の側面から半径方向斜め外側に延出し、フランジ4の外方側にある円盤部12の角部で開放する。さらに、傾斜孔21は断面円形に形成され、具体的にはキリ孔である。また、傾斜孔21のカム軸2半径方向外側の端部には、ねじ山28が形成される。以上の傾斜孔21が、本実施形態では、円周方向に90°間隔で4箇所に形成される。
【0029】
本実施形態のピン部材25は、傾斜孔21の延出方向に沿って延びる円柱形状で、傾斜孔21の内径よりもわずかに小さな外径を有する。また、ピン部材25は、傾斜孔21内を滑らかに移動可能である。したがって、ピン部材25の移動方向は傾斜孔21の傾斜角と同じ傾斜角θを有する。即ち、ピン部材25は、フランジ4の半径方向外側に設けられ、その移動方向が、カム軸2の軸心に対し傾斜角θで斜めに交差するように設定される。
【0030】
本実施形態のコイルばね26は、傾斜孔21の延出方向に伸縮するように指向して設けられ、ピン部材25より半径方向外側に位置される。コイルばね26の一端は、ピン部材25の半径方向外側の端面に固定される。
【0031】
さらに、傾斜孔21内の半径方向外側の端部に止栓29が固定され、その止栓29にコイルばね26の他端が固定される。コイルばね26がピン部材25を半径方向内側(図3(a)において右下から左上向きに)に付勢する。
【0032】
本実施形態の止栓29は、傾斜孔21のねじ山28と螺合する雄ねじが切られた円柱状の部材であり、その止栓29には、ピン部材25のピストン作用による潤滑オイル32の出入りが可能となるように、排出孔30が設けられる。
【0033】
以上によりピン部材25とコイルばね26と止栓29とは一体の部品となる。例えば、コイルばね26をピン部材25と止栓29とに溶接することで、これらは互いに接合される。
【0034】
このように接合されたピン部材25とコイルばね26と止栓29とが、フランジ4の周方向複数箇所(本実施形態では、4箇所)に形成された各傾斜孔21に各々設けられる。ピン部材25の傾斜孔21からの突出量は、カム軸2の回転による遠心力(慣性力)と、コイルばね26のばね力との釣り合いにより決定される。
【0035】
次に、本実施形態の回転軸の振動減衰機構1の作用を説明する。
【0036】
図3(a)に示されるように、カム軸2の回転速度が比較的低い場合(例えば、アイドル回転速度)、ピン部材25に作用する遠心力が小さいことから、コイルばね26のばね力により、ピン部材25はその一部が傾斜孔21から突出した状態で保持される(ピン部材25の突出量が比較的大きい)。
【0037】
したがって、カム軸2の低回転時には、突出したピン部材25により潤滑オイル32が撹拌され、その撹拌抵抗によりカム軸2に対する減衰力がより高められる。よって、低回転時に生じるカム軸2の大きなトルク変動が緩衝される。
【0038】
カム軸2の回転速度が高くなるにつれて、ピン部材25に作用する遠心力が増大する。増大した遠心力によりコイルばね26が圧縮され、ピン部材25の傾斜孔21からの突出量が小さくなっていく。さらに、カム軸2の回転速度が高くなり所定回転速度以上となると、ピン部材25がばね力に抗して傾斜孔21内に完全に格納されるようになる(図3(b)参照)。
【0039】
したがって、カム軸2の高回転時には、低回転時と較べてピン部材25の突出量が減少することによりピン部材25の撹拌抵抗による減衰力が減少する。特に、本実施形態では、カム軸2の回転速度が所定回転速度以上の場合、ピン部材25が完全に格納されるので、ピン部材25による減衰力が消失する。
【0040】
このように本実施形態の回転軸の振動減衰機構1は、カム軸2を大径化、大型化させることなく、カム軸2の低回転時には十分な減衰力を付与し、かつカム軸2の高回転時には過度の減衰力を抑制することができる。つまり、カム軸2の低回転時の振動減衰効果と、高回転時の撹拌抵抗(減衰力)抑制効果との両立を図ることができる。
【0041】
具体的には、低回転時に十分な減衰力を付与することで、低回転時にカム軸2に生じる大きな変動トルクを緩衝することができ、動弁系騒音などのエンジン騒音、特にカムギヤの歯打ち音を低減させることができる。
【0042】
また、高回転時に過度の減衰力を抑制することで、エンジンの高回転時の燃費の悪化を防止することができる。
【0043】
特に、ピン部材25がカム軸2の軸心に対して斜めに移動することから、ピン部材25の突出量を大きく設定することができる。例えば、ピン部材がカム軸2の軸心に対して直交して移動するような孔を突出部14に設けたとすると、孔の長さが短いことや、ピン部材がカム軸2と干渉するなどの理由で、ピン部材の突出量を小さく設定せざるを得ない。本実施形態では、孔を傾斜させて(傾斜孔21を)設けたので、孔の長さおよびピン部材25の長さをより長くすることができ、ピン部材25の突出量をより大きく設定することができる。
【0044】
ピン部材25をフランジ4の半径方向外側に設けることで、ピン部材25をカム軸2と干渉させることなく、ピン部材25の突出量をより大きく設定することができる。
【0045】
フランジ4が軸方向に延びる突出部14を備えるように構成することで、突出部14の外周面と、突出部14と対向するハウジング5の内壁面との間に所定幅の隙間を形成し、その隙間の潤滑オイル32により、カム軸2に減衰力を付与することができる。
【0046】
ピン部材25とコイルばね26と止栓29とを一体の部品として構成することで、これらピン部材25などの取扱を容易にすることができ、また、フランジ4に対する組付性を向上させることができる。
【0047】
本実施形態の回転軸の振動減衰機構1は、上述のように比較的簡単な構造であり、容易かつ安価に作製することができる。
【0048】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0049】
例えば、本実施形態では、ギヤ機構により駆動されるカム軸2を対象とする形態を説明したが、本発明が対象とする回転軸はカム軸に限定されない。また、回転軸の駆動手段もギヤ機構に限定されず、プーリなどの他の手段が可能である。
【0050】
本実施形態では、弾性体24としてコイルばね26を用いる形態を説明したが、これに限定されず、例えば、皿ばねやゴムなどでもよい。
【0051】
本実施形態では、粘性流体6としてエンジンの潤滑オイル32を共用する形態を説明したが、これに限定されず、例えばシリコンオイルによる専用オイルなど、様々な粘度の粘性流体を用いることが可能である。
【0052】
本実施形態では、撹拌抵抗体22を周方向に90°間隔で4箇所に設ける形態を説明したが、本発明は撹拌抵抗体の数や配置に限定されない。
【0053】
本実施形態では、撹拌抵抗体22として円柱形状のピン部材25を用いる形態を説明したが、撹拌抵抗体の形状はこれに限定されず、例えば、撹拌翼のような形状など様々な形状が可能である。
【0054】
ピン部材25の移動方向の傾斜角θは、60°以内であるのが好ましく、特に、30°≦θ≦45°の範囲内が望ましいが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
本実施形態では、カム軸2が所定回転速度以上で回転する場合に、ピン部材25の全部が傾斜孔21内に格納される形態(図3(b)参照)を説明したが、これに限定されず、図3(b)に想像線に示すように、ピン部材が傾斜孔内に最も格納されたときに、ピン部材の一部が傾斜孔から突出するようにしてもよい。
【0056】
本実施形態では、ピン部材25の底面(ピン部材25の半径方向外側の端面)にコイルばね26を取り付ける形態を説明したが、例えば、ピン部材の底部中心に凹部を形成し、つまりピン部材の底部側を筒状に形成し、その凹部内にコイルばねを取り付け、カム軸の高回転時にコイルばねが凹部内に収容されていくように構成してもよい。これにより、ピン部材の突出量をさらに長くすることができる。また、コイルばねの長さを長くできるので、カム軸の回転速度に対するピン部材の移動量の調整に冗長性を持たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態による回転軸の振動減衰機構を示し、撹拌抵抗体がフランジから突出した状態を示す。
【図2】本発明の一実施形態による回転軸の振動減衰機構を示し、撹拌抵抗体がフランジ内に収容された状態を示す。
【図3】(a)は図1のフランジの一部拡大図を示し、(b)は図2のフランジの一部拡大図を示す。
【図4】従来の回転軸の振動減衰機構を示す。
【図5】他の従来の回転軸の振動減衰機構を示す
【符号の説明】
【0058】
1 回転軸の振動減衰機構
2 カム軸(回転軸)
4 フランジ
5 ハウジング
6 粘性流体
21 傾斜孔
22 撹拌抵抗体
24 弾性体
25 ピン部材
26 コイルばね
32 潤滑オイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸にフランジを設け、そのフランジを粘性流体が充填されたハウジング内に格納して構成された回転軸の振動減衰機構において、
上記フランジ内に出没可能に設けられ、上記回転軸の回転による遠心力で、上記フランジ内に収納されるように移動可能である撹拌抵抗体と、上記撹拌抵抗体が上記フランジから突出するように上記撹拌抵抗体を付勢する弾性体とを備えたことを特徴とする回転軸の振動減衰機構。
【請求項2】
上記撹拌抵抗体の移動方向は、上記回転軸の軸心に対し所定の傾斜角で斜めに交差するように設定される請求項1記載の回転軸の振動減衰機構。
【請求項3】
上記撹拌抵抗体が、上記フランジの半径方向外側の位置に設けられた請求項1または2記載の回転軸の振動減衰機構。
【請求項4】
上記フランジに形成され、上記回転軸の半径方向外側に向かって延びる傾斜孔と、その傾斜孔に移動自在に挿入され、上記撹拌抵抗体をなすピン部材と、上記傾斜孔内に設けられ、上記弾性体をなすコイルばねとを備えた請求項1から3いずれかに記載の回転軸の振動減衰機構。
【請求項5】
上記回転軸がエンジンの動弁機構のカム軸である請求項1から4いずれかに記載の回転軸の振動減衰機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−2841(P2006−2841A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179700(P2004−179700)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】