説明

回転軸の支持構造及びこれを備えた画像形成装置

【課題】画像形成装置1において、ギヤを介した動力伝達が抱える異常音発生の問題を簡単な構成で解消する。
【解決手段】駆動モータ40の動力にて回転する定着駆動軸42と、定着駆動軸42を回転可能に軸支する軸受部44を有する軸受保持体43と、軸受保持体43が取り付けられるユニットフレーム41とを備える。定着駆動軸42から下流ギヤ列50を介して加圧ローラ32に動力伝達可能に構成する。ユニットフレーム41に軸受保持体43を介して定着駆動軸42を支持した状態で、軸受部44をユニットフレーム41から定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、回転軸の支持構造及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、プリンタ、複写機、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等に採用される回転軸の支持構造は、フレームやブラケットといった構造体に軸受を固定し、当該軸受に回転軸を挿通させて回転可能に軸支するのが一般的である。モータ等の駆動源から回転軸に伝達された回転動力は、ギヤ列を介して被駆動部材に伝達される。被駆動部材としては、例えば定着装置の加圧ローラや画像プロセス装置の転写ローラ等が挙げられる(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−91725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ギヤを介した動力伝達は画像形成装置を含む様々な分野で広く実施されるが、当該構造はギヤ間のバックラッシュに起因する異常音発生の問題を抱えている。すなわち、被駆動部材の回転負荷が変動すると、ギヤ間のバックラッシュ等に起因してギヤの歯面同士が衝突する。そうすると、その衝撃が軸受を経由して構造体を振動させ、異常音が生ずることになる。特に、カム機構等を用いて定着ローラに対して接離動可能な加圧ローラや、中間転写ベルトに対して接離動可能な二次転写ローラが被駆動部材である場合に、異常音発生が強く懸念される。
【0005】
本願発明はこのような現状を改善することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る回転軸の支持構造は、駆動源の動力にて回転駆動する回転軸と、前記回転軸を回転可能に軸支する軸受部を有する軸受保持体と、前記軸受保持体が取り付けられる支持部材とを備えており、前記回転軸から下流ギヤ列を介して被駆動部材に動力伝達可能であり、前記支持部材に前記軸受保持体を介して前記回転軸を支持した状態で、前記軸受部は前記支持部材から前記回転軸の長手方向に離れた位置にあるというものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した回転軸の支持構造において、前記回転軸及び前記軸受保持体を前記支持部材としての構造体に組み込むことによって、駆動ユニットが構成されているというものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載した回転軸の支持構造において、前記回転軸を構造体に組み込むことによって駆動ユニットが構成されており、前記支持部材及び前記軸受保持体は前記構造体の外部に配置されているというものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造において、前記軸受保持体を少なくとも1つ有しているというものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造において、前記下流ギヤ列は前記回転軸の動力伝達下流側に設けられた出力ギヤを含んでおり、前記軸受保持体は、その軸受部が前記出力ギヤに近付くように、前記支持部材のうち前記出力ギヤに近い側に配置されているというものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造を備えている画像形成装置であって、前記被駆動部材が接離動可能な回転体対であるというものである。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項に記載された発明によると、例えば、被駆動部材の回転負荷変動によって下流ギヤ列の歯面同士が衝突したとしても、その衝撃は軸受部から支持部材に直接伝播するのではなく、一旦軸受保持体に伝播することになる。このため、前記支持部材に作用する衝撃力が弱まって前記支持部材の振動を小さくできる。つまり、前記軸受保持体が衝撃を緩和する緩衝材の役割を果たし、その結果、異常音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プリンタの概略説明図である。
【図2】第1実施形態における定着装置の駆動構造を示す拡大側面断面図である。
【図3】第2実施形態における定着装置の駆動構造を示す拡大側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願発明を画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラーデジタルプリンタ(以下、プリンタと称する)に適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図1において紙面に直交した方向を正面視とし、これを基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
(1).プリンタの概要
まず、図1を参照しながら、プリンタ1の概要について説明する。図1に示すように、プリンタ1は、その筐体2内に、画像プロセス装置3、給紙装置4、及び定着装置5等を備えている。詳細は図示していないが、プリンタ1は、例えばLANといったネットワークに接続されていて、外部端末(図示省略)等からの印刷指令を受け付けると、当該指令に基づいて印刷を実行するように構成されている。
【0016】
筺体2内の下部に位置する給紙装置4は、記録材Pを収容する給紙カセット21、給紙カセット21内の記録材Pを最上層から1枚ずつ繰り出す給紙ローラ22、繰り出された記録材Pを1枚ずつに分離する分離ローラ対23、及び、1枚に分離された記録材Pを所定のタイミングにて画像プロセス装置3に搬送するレジストローラ対24等を備えている。各給紙カセット21内の記録材Pは、給紙ローラ22及び分離ローラ対23の回転にて、最上層のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙装置4の給紙カセット21から、レジストローラ対24のレジストニップ部、画像プロセス装置3の二次転写ニップ部、及び定着装置5の定着ニップ部を経て、筐体2上部にある排紙ローラ対26に至る。
【0017】
給紙カセット21内の記録材Pは、その通紙幅(搬送方向Sと直交する幅寸法)の中央を基準にして、搬送経路30に向けて矢印S方向に搬送するセンター基準にセットされる。実施形態では、給紙カセット21内に、給紙前の記録材Pをセンター基準に幅寄せするための一対の側部規制板25を備えている。一対の側部規制板25は、通紙幅方向(搬送方向Sと直交する方向)に互いに連動して遠近移動するように構成されている。給紙カセット21内の記録材Pを一対の側部規制板25にて通紙幅方向両側から挟持することによって、給紙カセット21内の記録材Pがその規格に拘らずセンター基準にセットされる。従って、画像プロセス装置3での転写処理や、定着装置5での定着処理もセンター基準で実行される。
【0018】
給紙装置4の上方に位置する画像プロセス装置3は、像担持体の一例である感光体13上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、中間転写ベルト6、及びイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部7等を備えている。中間転写ベルト6も像担持体の一例であり、筐体2内の中央部右側に位置する駆動ローラ8と、同じく中央部左側に位置する従動ローラ9とに巻き掛けられている。中間転写ベルト6のうち駆動ローラ8に巻き掛けられた部分の外側に二次転写ローラ10が配置されている。中間転写ベルト6と二次転写ローラ10との当接部分が、二次転写領域である二次転写ニップ部になっている。中間転写ベルト6のうち従動ローラ9に巻き掛けられた部分の外側には、中間転写ベルト6上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナ12が配置されている。
【0019】
4つの作像部7は、中間転写ベルト6の下方において、図1の左からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、中間転写ベルト6に沿って並べて配置されている。なお、図1では説明の便宜上、各作像部7に、再現色に応じて符号Y,M,C,Kを添えている。各作像部7は感光体13を備えている。感光体13の周囲には、図1における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電器14、露光部19、現像器15、一次転写ローラ16、及び感光体クリーナ17が配置されている。
【0020】
各作像部7において、帯電器14にて帯電される感光体13に、露光部19からレーザービームが投射されると、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器15から供給されるトナーにて反転現像されて各色のトナー像となり、一次転写ニップ部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体13から中間転写ベルト6の外周面に一次転写されて重ねられる。感光体13に残った未転写トナーは感光体クリーナ17にて掻き取られ、感光体13上から取り除かれる。そして、記録材Pが二次転写ニップ部11を通過する際に、重ね合わされた4色のトナー像が記録材Pに一括して二次転写される。中間転写ベルト6に残った未転写トナーは転写ベルトクリーナ12にて掻き取られ、中間転写ベルト6上から取り除かれる。
【0021】
画像プロセス装置3における二次転写ローラ10の上方に位置する定着装置5は、ハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した定着ローラ31と、定着ローラ31に対峙する加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32との当接部分が定着領域である定着ニップ部になっている。二次転写ニップ部11を通過して未定着トナー像を載せた記録材Pは定着ローラ31と加圧ローラ32との間の定着ニップ部を通過する際に加熱・加圧され、記録材P上に未定着トナー像が定着される。その後、記録材Pは、排紙ローラ対26の回転にて排紙トレイ27上に排出される。
【0022】
(2).定着装置における駆動構造の第1実施形態
次に、図2を参照して、定着装置5における駆動構造の第1実施形態を説明する。第1実施形態では、被駆動部材の一例として、定着装置5の定着ローラ31及び加圧ローラ32(回転体対)が採用されている。この場合、定着ローラ31に対して加圧ローラ32がカム機構(図示省略)を用いて接離動する構成になっている。定着処理の際に加圧ローラ32が定着ローラ31に圧接し、それ以外では加圧ローラ32が定着ローラ31から離間することになる。
【0023】
さて、プリンタ1における筐体2内の背面側には、動力を発生する駆動源としての駆動モータ40と、構造体(支持部材)としてのユニットフレーム41とが配置されている。ユニットフレーム41の前後側板41a,41bには、駆動モータ40の動力にて回転駆動する回転軸としての定着駆動軸42が、定着ローラ31及び加圧ローラ32と平行状に延びる姿勢で支持されている。この場合、定着駆動軸42は、軸受部44を有する円筒状の軸受保持体43を介して前後側板41a,41bに支持されている。すなわち、前後側板41a,41bには、前後方向の同心状に貫通する円筒状の軸受保持体43がネジにて取り付けられている。各軸受保持体43の軸受部44が定着駆動軸42を回転可能に軸支している。なお、第1実施形態では、一対の軸受保持体43によって定着駆動軸42の長手方向2箇所を支持しているが、これに限らず、軸受保持体43は少なくとも1つあれば足りる。この場合、定着駆動軸42における長手方向の残り一端側は、前後側板41a,41bのいずれかに取り付けられた軸受に回転可能に軸支させればよい。
【0024】
図2に示すように、駆動モータ40と定着駆動軸42との間には、動力伝達用の上流ギヤ列45が配置されている。駆動モータ40は、上流ギヤ列45を介して定着駆動軸42に動力伝達可能に連結されている。第1実施形態の上流ギヤ列45は、駆動モータ40のモータ軸46に固着されたモータギヤ47と、定着駆動軸42の動力伝達上流側に固着された入力ギヤ49と、モータギヤ47及び入力ギヤ49に噛み合う入力中継ギヤ48とを含んでいる。駆動モータ40の動力は、モータギヤ47から入力中継ギヤ48及び入力ギヤ49を経て、定着駆動軸42に伝達される。
【0025】
一方、定着駆動軸42と被駆動部材である加圧ローラ32(又は定着ローラ31であってもよい)との間には、動力伝達用の下流ギヤ列50が配置されている。この場合、定着駆動軸42は、下流ギヤ列50を介して加圧ローラ32に動力伝達可能に連結されている。第1実施形態の下流ギヤ列50は、定着駆動軸42の動力伝達下流側に固着された出力ギヤ51(ドッキングギヤといってもよい)と、加圧ローラ32のローラ軸54に固着された加圧駆動ギヤ53と、出力ギヤ51及び加圧駆動ギヤ53に噛み合う出力中継ギヤ52とを含んでいる。定着駆動軸42に伝達された回転動力は、出力ギヤ51から出力中継ギヤ52及び加圧駆動ギヤ53を経て、加圧ローラ32を回転駆動させる。定着ローラ31は加圧ローラ32との圧接摩擦力にて連れ回りする。なお、定着ローラ31と加圧ローラ32とにおける駆動・従動の関係は逆であっても差し支えない。
【0026】
各軸受保持体43は、ユニットフレーム41の前後側板41a,41bにおいて出力ギヤ51に近い側に配置されている。そして、各軸受保持体43は、出力ギヤ51に近付く前向きに突出する姿勢で、前後側板41a,41bに取り付けられている。各軸受保持体43内の軸受部44は、前後側板41a,41bから定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におかれている。第1実施形態では、出力ギヤ51に近付くように、軸受保持体43内の前寄り部位に軸受部44が設けられている。各軸受保持体43内において、定着駆動軸42は軸受保持体43の軸受部44に接触しているだけである。軸受保持体43の内壁と定着駆動軸42とは非接触の状態に保持されている。第1実施形態では、一対の軸受保持体43を介して定着駆動軸42をユニットフレーム41の前後側板41a,41bに組み込むことによって、駆動ユニット55が構成されている。なお、第1実施形態の軸受保持体43は、ガラス等が無添加のPOM(ポリアセタール)やPC(ポリカーボネート)等の樹脂製で、比較的弾性の高いもの(ヤング率の低いもの)が採用される。
【0027】
以上の構成によると、ユニットフレーム41の前後側板41a,41bに軸受保持体43を介して定着駆動軸42を支持した状態で、軸受保持体43の軸受部44が前後側板41a,41bから定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におかれるから、例えば、被駆動部材である加圧ローラ32の回転負荷変動によって下流ギヤ列50の歯面同士が衝突したとしても、その衝撃は軸受部44から前後側板41a,41bに直接伝播するのではなく、一旦軸受保持体43に伝播することになる。このため、前後側板41a,41bに作用する衝撃力が弱まって前後側板41a,41bの振動を小さくできる。つまり、軸受保持体43が衝撃を緩和する緩衝材の役割を果たし、その結果、異常音の発生を抑制できる。
【0028】
特に第1実施形態では、カム機構等を用いて定着ローラ31に対して接離動可能な加圧ローラ32が被駆動部材であるため、カム機構等による力の作用方向の変化で大きな衝撃が生ずるものと解されるが、軸受保持体43の軸受部44を前後側板41a,41bから定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におくことによって、前後側板41a,41bに衝撃力が作用し難く、異常音の低減効果が大きいのである。
【0029】
また、一対の軸受保持体43を介して定着駆動軸42をユニットフレーム41の前後側板41a,41bに組み込むことによって、駆動ユニット55が構成されているから、プリンタ1の製造工程において、定着装置5の駆動構造(駆動ユニット55)をユニット単位で組み付けでき、組付作業性の向上を図れる。更に、軸受保持体43は、その軸受部44が出力ギヤ51に近付くように、前後側板41a,41bにおいて出力ギヤ51に近い側に配置されているから、定着駆動軸42の支持スパンの延長に寄与できることに加え、前記衝撃によって定着駆動軸42に作用するモーメントを小さくできる。その結果、前記衝撃による定着駆動軸42の撓みを抑制して、出力ギヤ51を含む下流ギヤ列50の摩耗を防止できる。
【0030】
(3).定着装置における駆動構造の第2実施形態
次に、図3を参照して、定着装置5における駆動構造の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、ユニットフレーム41の前後側板41a,41bに定着駆動軸42を組み込むことによって駆動ユニット65が構成されている。ユニットフレーム41の後側板41bと、ユニットフレーム41の前側板41aに隣接する本体フレーム61とに、定着駆動軸42が支持されている。この場合、定着駆動軸42の動力伝達上流側は、ユニットフレーム41の後側板41bに取り付けられた軸受62に回転可能に軸支されている。定着駆動軸42の長手方向中途部は、ユニットフレーム41の前側板41a及び本体フレーム61を貫通している。本体フレーム61のうちユニットフレーム41の前側板41aと反対側には、定着装置5をユニットとして案内支持する定着レール63が取り付けられている。定着レール63は、定着駆動軸42を挿通させる円筒ボス部63aを有しており、軸受保持体としても機能し得るものである。定着レール63の円筒ボス部63a内に軸受部64が設けられている。円筒ボス部63a内の軸受部64に、定着駆動軸42の動力伝達下流側が回転可能に軸支されている。従って、第2実施形態では本体フレーム61が支持部材に相当する。そして、本体フレーム61と定着レール63とをユニットフレーム41の外部に位置させている。
【0031】
定着レール63は、本体フレーム61において出力ギヤ51に近い側に位置している。定着レール63の円筒ボス部63aは、出力ギヤ51に近付くように前向きに突出している。円筒ボス部63a内の軸受部64は、本体フレーム61から定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におかれている。第2実施形態では、出力ギヤ51に近付くように、円筒ボス部63a内の前寄り部位に軸受部64が設けられている。
【0032】
図3に示すように、駆動モータ40と定着駆動軸42との間にある上流ギヤ列45は、ユニットフレーム41内(前後側板41a,41bの間)に収容されている。すなわち、定着駆動軸42の動力伝達上流側に固着された入力ギヤ49はユニットフレーム41の前後側板41a,41bの間に位置している。また、駆動モータ40のモータ軸46に固着されたモータギヤ47、並びに、モータギヤ47及び入力ギヤ49に噛み合う入力中継ギヤ48も、ユニットフレーム41の前後側板41a,41bの間に位置している。その他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。
【0033】
第2実施形態のように構成した場合は、本体フレーム61に定着レール63を介して定着駆動軸42を支持した状態で、定着レール63の軸受部64が本体フレーム61から定着駆動軸42の長手方向に離れた位置におかれることになるから、例えば、被駆動部材である加圧ローラ32の回転負荷変動によって下流ギヤ列50の歯面同士が衝突したとしても、その衝撃は一旦定着レール63に伝播し、定着レール63が衝撃を緩和する緩衝材の役割を果たす。その結果、第1実施形態の場合と同様に、異常音の発生を抑制できる。
【0034】
特に第2実施形態では、定着駆動軸42をユニットフレーム41に組み込むことによって駆動ユニット65が構成されており、本体フレーム61及び軸受保持体としての定着レール63はユニットフレーム41の外部に配置されているから、軸受保持体に定着レール63のような別機能を付加することが可能になる。また、軸受保持体としての定着レール63をユニットフレーム41の外部に配置することによって、定着レール63における外形形状の自由度が向上するから、定着駆動軸42の支持スパンをより一層長く設定できるだけでなく、定着レール63の緩衝材としての機能向上にも貢献する。
【0035】
(4).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてプリンタを例に説明したが、これに限らず、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を複合的に備えた複合機等でもよい。また、いずれの実施形態においても、被駆動部材は、定着装置5の定着ローラ31及び加圧ローラ32に限定されるものではない。例えば、画像プロセス装置3の中間転写ベルト6と二次転写ローラ10とを被駆動部材に採用してもよい。二次転写ローラ10を中間転写ベルト6に接離動する構成にできることは言うまでもない。その他の回転体対を採用することも可能である。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 プリンタ
5 定着装置
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
40 駆動モータ(駆動源)
41 ユニットフレーム(支持部材)
42 定着駆動軸(回転軸)
43 軸受保持体
44,64 軸受部
50 下流ギヤ列
55,65 駆動ユニット
61 本体フレーム(支持部材)
63 定着レール(軸受保持体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源の動力にて回転する回転軸と、前記回転軸を回転可能に軸支する軸受部を有する軸受保持体と、前記軸受保持体が取り付けられる支持部材とを備えており、
前記回転軸から下流ギヤ列を介して被駆動部材に動力伝達可能であり、
前記支持部材に前記軸受保持体を介して前記回転軸を支持した状態で、前記軸受部は前記支持部材から前記回転軸の長手方向に離れた位置にある、
回転軸の支持構造。
【請求項2】
前記回転軸及び前記軸受保持体を前記支持部材としての構造体に組み込むことによって、駆動ユニットが構成されている、
請求項1に記載した回転軸の支持構造。
【請求項3】
前記回転軸を構造体に組み込むことによって駆動ユニットが構成されており、前記支持部材及び前記軸受保持体は前記構造体の外部に配置されている、
請求項1に記載した回転軸の支持構造。
【請求項4】
前記軸受保持体を少なくとも1つ有している、
請求項1〜3のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造。
【請求項5】
前記下流ギヤ列は前記回転軸の動力伝達下流側に設けられた出力ギヤを含んでおり、前記軸受保持体は、その軸受部が前記出力ギヤに近付くように、前記支持部材のうち前記出力ギヤに近い側に配置されている、
請求項1〜4のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれかに記載した回転軸の支持構造を備えている画像形成装置であって、
前記被駆動部材が接離動可能な回転体対である、
画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−155070(P2012−155070A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12970(P2011−12970)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】