説明

回転軸の軽量化構造

【課題】
特に、家庭用の複写機などの画像形成装置において、軽量化を促進し、しかも安価にすることに寄与する回転軸の軽量化構造を提供する。
【解決手段】
略円筒状の弾性体あるいはギアなどの外層体を内側から支持する棒状支持体6が中空状に形成されているとともに、この中空状に形成された棒状支持体6に、樹脂製の封止部材8が、一体的に装着されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機などの画像形成装置に組み込まれた回転軸の軽量化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機を始めとして、様々な画像形成装置が提供されている。これらの画像形成装置では、原稿読み取り装置、原稿送り装置、あるいは転写装置などに、それ自身回転する回転軸が使用されている。
【0003】
一方、近年の画像形成装置は、小型化が促進され、その多くは、一般家庭においても使用されている。その場合、軽量・小型化が求められるのは勿論のこと、コストを安価にする必要がある。
【0004】
ところが、家庭用の画像形成装置も一般に使用されている事業所用の大型装置からの発展であるため、細部の構造は、事業所用と類似し堅牢ではあるものの、軽量・小型化に十分答えるものでなかった。
【0005】
また、原稿読み取り装置や、原稿送り装置で用いられている回転軸のこれまでの構造は金属製の(パイプ)中実軸が用いられていて、この(パイプ)中実軸にギアなどを固設する場合も、スナップリングで固定していたり、ギアの軸受け部分に回転の一体化を図るための溝加工などを施さなければならず、重量増と切削加工によるコスト高を招来するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、特に、家庭用の複写機などの画像形成装置において、軽量化を促進し、しかも安価に製造することに寄与する回転軸の軽量化構造を提供することを目的としている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る回転軸の軽量化構造は、
略円筒状の弾性体あるいはギアなどの外層体を内側から支持する棒状支持体が中空状に形成されているとともに、この中空状に形成された棒状支持体の端部に、高摺動樹脂製の封止部材が、一体的に装着されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、軽量化が促進されるとともに所定の摺動性能を維持することができる。また、この両端部にギアなどの外層体を取り付ける場合に、樹脂製の封止部材に予め一体化させて成形することもできる。
【0009】
ここで、前記中空状の棒状支持体が、樹脂により形成されていても良い。
棒状支持体が樹脂により形成されていれば、より軽量化を促進することができる。
前記中空状の棒状支持体が、金属により形成されていても良い。
【0010】
このように、棒状支持体が金属製であっても軽量化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示した実施例を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例に係る回転軸を示したもので、特に複写機に使用されている回転軸2を示したものである。図2は、図1に示した回転軸2の両端部が支持された状態で
の断面図である。
【0012】
この回転軸2では、略円筒状のゴムローラ4を内側から支持する棒状支持体6が中空状に形成されている。また、棒状支持体6の開口して形成された両端部には、それぞれ封止部材8が挿入され封止されている。なお、図1,2において符号10は、一方の封止部材8に固設されたギアを示したものである。
【0013】
ゴムローラ4が支持された棒状支持体6は中空状に形成されていれば、合成樹脂あるいは金属のいずれから形成されていても良いが、樹脂製であれば軽量化が一層促進されるのは、勿論である。
【0014】
一方、封止部材8は大径円柱部8aとその先の小径円柱部8bとから構成されるもので、合成樹脂により一体的に形成されたものである。
そして、封止部材8は、中空状に形成された棒状支持体6の開口部4a内に、先端の小径円柱部8b側が挿入され、外周面に接着剤が塗布されることにより一体化されている。したがって、棒状支持体6と封止部材8とは常に一体的に回転する。
【0015】
このように本実施例によれば、今まで全長が金属から形成されていた棒状支持体6の両端部に樹脂製の封止部材8が一体的に装着されているので、軽量化を図ることができる。また、ゴムローラ4などの弾性体あるいはギア10などの外層体を棒状支持体6に固設する場合に、それらの弾性体あるいは外層体を樹脂により一体的に形成することも可能である。
【0016】
また、上記実施例では、中空の棒状支持体6が樹脂から形成されているが、この部分を従来例と同様に金属製のパイプで構成しても良い。
また、ゴムローラ4、ギア10は必須のものではなく、単に棒状支持体6の構造が中空状に形成された回転軸にも適用可能である。
【0017】
また、上記実施例では、回転軸2に、ゴムローラ4などの弾性体、ギア10などの外層体が取り付けられているが、これに加えて他の部材が取り付けられていても良い。
また、上記実施例では、封止部材8は、接着剤により中空の棒状支持体6内に接着されているが、封止部材8の固定手段は、接着材に何ら限定されず、スナップフィットなどで一体化することもできる。
【0018】
さらに、棒状支持体6を合成樹脂で形成する場合、長繊維入りの樹脂であればより強固にすることができる。
また、上記実施例では、棒状支持体6の内部に封止部材8が一体的に装着されているが、これに代え、図3(A)、(B)、(C)に示したように、棒状支持体6の外部に封止部材8を嵌合させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の一実施例による回転軸の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した回転軸の両端部を装置フレームなどに取り付けたときの断面図である。
【図3】図3(A),(B),(C)は、それぞれ本発明の他の実施例による回転軸を示した断面図である。
【符号の説明】
【0020】
2 回転軸
4 ゴムローラ
6 棒状支持体
8 封止部材
8a 大径円柱部
8b 小径円柱部
10 ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状の弾性体あるいはギアなどの外層体を内側から支持する棒状支持体が中空状に形成されているとともに、この中空状に形成された棒状支持体の端部に、樹脂製の封止部材が、一体的に装着されていることを特徴とする回転軸の軽量化構造。
【請求項2】
前記中空状の棒状支持体が、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転軸の軽量化構造。
【請求項3】
前記中空状の棒状支持体が、金属により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転軸の軽量化構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−40448(P2007−40448A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226287(P2005−226287)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(390000103)日本ジーイープラスチックス株式会社 (36)
【Fターム(参考)】