説明

回転速度検出装置付車輪用軸受装置

【課題】センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが固定される貫通孔の配置を工夫することによって周辺部品との干渉を避けて軽量・コンパクト化を図ると共に、カバーの兼用化を図り金型の製作に伴うコストを抑えてトータルコストを低減させた回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】固定部16にセンサホルダ17が装着される挿通孔16aと取付ボルト19が嵌挿される貫通孔20が形成され、この貫通孔20に対応する内側面にナットが固定される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、カバー9が、鋼板をプレス加工によって円環状に成形された芯金14と、この芯金14に射出成形により一体に接合された合成樹脂製のカバー本体15とからなり、このカバー本体15にナットがインサート成形により固定されると共に、貫通孔20が挿通孔16aの中心のピッチ円上に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付車輪用軸受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付車輪用軸受装置として、従来から種々の構造のものが知られている。この従来構造の一例として、図7に示すものが知られている。
【0003】
この回転速度検出装置付車輪用軸受装置は、外周に懸架装置(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ50bを一体に有し、内周に複列の外側転走面50a、50aが形成され、固定側部材となる外方部材50と、外周に複列の外側転走面50a、50aに対向する内側転走面51a、52aがそれぞれ形成され、回転側部材となる内方部材53と、両転走面50a、51aおよび50a、52a間に保持器54、54を介して転動自在に収容された複列のボール55、55と、外方部材50と内方部材53との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシール56、57とを備えている。
【0004】
内方部材53は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ58を一体に有し、外周に内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されたハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部51bに圧入され、外周に内側転走面52aが形成された内輪52とからなる。内輪52は、小径段部51bの内端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cによって軸方向に固定されている。そして、内輪52の外径に固定され、円周方向に亙る特性を交互に、かつ等間隔に変化させた円環状のエンコーダ59と、外方部材50の内端開口部に固定された鋼板製のカバー60と、このカバー60に装着され、エンコーダ59と対向するセンサ(図示せず)が保持されたホルダ61とを備えている。エンコーダ59は、内輪52の外径に圧入された鋼板製の芯金62と、この芯金62に添着され、円周方向にS極とN極とが、交互に、かつ等間隔に着磁された永久磁石63とからなる。
【0005】
カバー60は、外方部材50の内端部に圧入された円筒部64と、この円筒部64の底部をなす底板部65とからなる有底円筒状に形成されている。そして、円筒部64の一部を径方向外方に重合して形成された鍔部66を外方部材50の端面に突き当てて、カバー60の軸方向の位置決めを図っている。
【0006】
カバー60の底板部65には、図8に示すように、挿入孔67と貫通孔68が形成され、挿入孔67には、ホルダ61のうち、その先端部にセンサを保持した挿入部69が挿入されている。また、ホルダ61には取付孔70が形成された取付フランジ71が設けられ、貫通孔68部分で、取付孔70を挿通したボルト72を螺合させるためのナット73が、底板部65の一部を塑性変形させることにより固定されている。これにより、カバー60の変形を防止し、回転速度検出を正確に行なえる構造を低コストで実現することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−249180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
然しながら、近年、各車両によってニーズが多様化していると共に、寸法制約上の問題等から、このような従来の回転速度検出装置では、カバー60は一品一様で設計されることが多い。すなわち、カバー60は一体成形により形成されるが、カバー60の周辺に干渉する部材がある場合、例えば、ホルダ61を固定するためのボルト72を螺着させるためのナット73が挿入孔67の内径側に配設されているによって加締部51cと干渉する恐れがある。それを避けるためにカバー60を軸方向に延ばすような形状を採らざるを得ない。したがって、こうしたカバー60の製作に際してはそれぞれ専用の金型を製作し、一品一様で対応せざるを得ない。これでは、装置の軽量・コンパクト化を阻害するだけでなく、金型費用や管理費用が嵩んでトータルコストとしては不利になるとが多い。
【0009】
本発明は、このような従来の問題を鑑みてなされたもので、センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが固定される貫通孔の配置を工夫することによって周辺部品との干渉を避けて軽量・コンパクト化を図ると共に、カバーの兼用化を図り金型の製作に伴うコストを抑えてトータルコストを低減させた回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材のインナー側の端部に装着されたカバーと、前記内輪の外径に圧入されたパルサーリングと、前記カバーに支持固定され、前記パルサーリングに対峙する回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記カバーが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部、および前記内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部を備えると共に、この底部の外径側に固定部が形成され、この固定部に前記センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが嵌挿される貫通孔がそれぞれ形成され、この貫通孔に対応する前記カバーの内側面にナットが固定され、当該センサホルダが取付金具を介して前記取付ボルトによって締結される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記貫通孔が前記挿通孔の中心と軸心とを結ぶ線からオフセットした位置に形成されている。
【0011】
このように、外方部材のインナー側の端部に装着されたカバーと、内輪の外径に圧入されたパルサーリングと、カバーに支持固定され、パルサーリングに対峙する回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、カバーが、外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向外方に延び、外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部、および内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部を備えると共に、この底部の外径側に固定部が形成され、この固定部にセンサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが嵌挿される貫通孔がそれぞれ形成され、この貫通孔に対応するカバーの内側面にナットが固定され、当該センサホルダが取付金具を介して取付ボルトによって締結される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、貫通孔が挿通孔の中心と軸心とを結ぶ線からオフセットした位置に形成されているので、周辺部位との干渉を避けて軽量・コンパクト化を図ると共に、カバーの兼用化を図り金型の製作に伴うコストを抑えてトータルコストを低減させた回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
【0012】
好ましくは、請求項2に記載の発明は、前記カバーの貫通孔が前記挿通孔の中心のピッチ円上に形成されていれば、全周に亙って内方部材との干渉が回避され、周辺部位との干渉を確実に防止することができ、一層の軽量・コンパクト化を図ることができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明のように、前記カバーが、鋼板をプレス加工によって円環状に成形された芯金と、この芯金に射出成形により一体に接合された合成樹脂製のカバー本体とからなり、このカバー本体に前記ナットがインサート成形により固定されていれば、精度良くナットを位置決め固定できる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明のように、前記ナットの形状が非円形に形成されていれば、モールド樹脂に対する空転トルクを高めることができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明のように、前記外方部材に前記芯金とカバー本体の両者が圧入される円筒状の嵌合部を備えていれば、ハーフメタル嵌合により抜け耐力が高くなると共に、嵌合部の気密性が向上し、外部から軸受内部に雨水等が浸入するのを確実に防止することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明のように、前記カバー本体が繊維状強化材が充填された熱可塑性の合成樹脂で形成されていれば、カバーの強度・耐久性を高めることができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明のように、前記カバーが防錆能を有する鋼板からプレス加工により形成され、前記鍔部が重合されて形成されると共に、前記ナットが前記カバーの貫通孔に圧入または溶接により一体接合されていれば、低コスト化を図ることができると共に、カバーが塩水等に曝されても耐候性が高く劣化する恐れがなく、耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明のように、前記ハブ輪が外周に内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成され、この小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって所定の軸受予圧が付与された状態で、前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定されていれば、カバーを加締部との干渉を避けるためにカバーを軸方向に延ばすような形状を採る必要がなくなり、軽量・コンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材のインナー側の端部に装着されたカバーと、前記内輪の外径に圧入されたパルサーリングと、前記カバーに支持固定され、前記パルサーリングに対峙する回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記カバーが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部、および前記内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部を備えると共に、この底部の外径側に固定部が形成され、この固定部に前記センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが嵌挿される貫通孔がそれぞれ形成され、この貫通孔に対応する前記カバーの内側面にナットが固定され、当該センサホルダが取付金具を介して前記取付ボルトによって締結される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記貫通孔が前記挿通孔の中心と軸心とを結ぶ線からオフセットした位置に形成されているので、周辺部位との干渉を避けて軽量・コンパクト化を図ると共に、カバーの兼用化を図り金型の製作に伴うコストを抑えてトータルコストを低減させた回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の検出部を示す要部拡大図である。
【図3】図2のIII方向から見た矢視図である。
【図4】図3の変形例を示す矢視図である。
【図5】(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のV方向から見た矢視図、(c)は、(a)の検出部を示す要部拡大図である。
【図6】(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のVI方向から見た矢視図、(c)は、(a)の検出部を示す要部拡大図である。
【図7】従来の回転速度検出装置付車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材のインナー側の端部に装着されたカバーと、前記内輪の外径に圧入されたパルサーリングと、前記カバーに支持固定され、前記パルサーリングに対峙する回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、前記カバーが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部、および前記内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部を備えると共に、この底部の外径側に固定部が形成され、この固定部に前記センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが嵌挿される貫通孔がそれぞれ形成され、この貫通孔に対応する前記カバーの内側面にナットが固定され、当該センサホルダが取付金具を介して前記取付ボルトによって締結される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、前記カバーが、鋼板をプレス加工によって円環状に成形された芯金と、この芯金に射出成形により一体に接合された合成樹脂製のカバー本体とからなり、このカバー本体に前記ナットがインサート成形により固定されると共に、前記貫通孔が前記挿通孔の中心のピッチ円上に形成されている。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の検出部を示す要部拡大図、図3は、図2のIII方向から見た矢視図、図4は、図3の変形例を示す矢視図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
【0023】
この回転速度検出装置付車輪用軸受装置は第3世代構造と呼称され、内方部材1と外方部材10と、この両部材1、10間に収容された複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に外嵌固定された別体の内輪3とからなる。
【0024】
ハブ輪2は、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト5が植設されている。また、ハブ輪2の外周には一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。そして、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成された内輪3がこの小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入され、さらに、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cにより所定の軸受予圧が付与された状態で、ハブ輪2に対して内輪3が軸方向に固定されている。本実施形態では、このようなセルフリテイン構造を採用することにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、車両への組込性を簡便にすることができると共に、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
【0025】
外方部材10は外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に前記内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。
【0026】
また、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8とカバー9が装着され、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩を防止すると共に、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。なお、ここでは転動体6、6をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず転動体6に円すいころを使用した複列円すいころ軸受で構成されたものであっても良い。
【0027】
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、アウター側の内側転走面2aをはじめ、アウター側のシール8のシールランド部となる基部4aから小径段部2bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部2cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。一方、内輪3および転動体6は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで54〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
【0028】
また、外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
【0029】
シール8は、外方部材10のアウター側の端部内周に圧入される芯金と、この芯金に加硫接着によって一体に接合され、車輪取付フランジ4のインナー側の基部4aに摺接されるサイドリップを有するシール部材とからなる一体型のシール8で構成されている。
【0030】
内輪3の外径には、図2に拡大して示すように、パルサーリング11が圧入されている。このパルサーリング11は、支持環12と、この支持環12に接合された磁気エンコーダ13とからなる。支持環12は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工によって断面が略L字状に形成され、内輪3の外径に圧入される円筒状の嵌合部12aと、この嵌合部12aのインナー側の端部から径方向外方に折曲された立板部12bとを備えている。これにより、支持環12が発錆するのを防止すると共に、磁気エンコーダ13の磁気出力が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
【0031】
また、磁気エンコーダ13は、ゴム等からなるエラストマにフェライト等からなる強磁性体粉を混入させ、周方向交互に磁極N、Sが周方向に所定の等間隔ピッチとなるように着磁されたロータリーエンコーダを構成している。磁気エンコーダ13は、支持環12の立板部12bのインナー側の側面に加硫接着によって一体に接合されている。なお、ここでは、磁気エンコーダ13をエラストマ製としたものを例示したが、これに限らず、周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化するものであれば良く、例えば、フェライト等からなる強磁性体粉を金属バインダーで固めた燒結金属製であっても良いし、また、周方向に等間隔にポケットが開口された円板状のものであっても良い。
【0032】
外方部材10のインナー側の端部にカバー9が内嵌固定されている。このカバー9は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工によって円環状に成形された芯金14と、この芯金14にインサート成形により一体に接合され、PA(ポリアミド)66等の熱可塑性の合成樹脂製のカバー本体15とからなり、全体としてカップ状に形成されている。
【0033】
芯金14は、外方部材10のインナー側の端部内周にカバー本体15を介して圧入される円筒部14aと、この円筒部14aから径方向外方に延びる鍔部14bとを備えている。一方、カバー本体15は、外方部材10のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部15aと、この嵌合部15aのインナー側の端部から径方向外方に延び、外方部材10のインナー側の端面10cに密着する鍔部15b、および底部15cを備えている。この底部15cの外径側に固定部16が肉厚に形成され、この固定部16にセンサホルダ17が装着される挿通孔16aが穿設されている。そして、この挿通孔16aにNBR等の合成ゴムからなるOリング18が装着され、外部からこの挿通孔16aを通して雨水等が浸入するのを防止している。
【0034】
カバー本体15は、GF(グラス繊維)等の繊維状強化材が10〜40wt%充填され、強度・耐久性を高めている。なお、カバー本体15の材質は、前述したPA66以外に、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の所謂エンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂、あるいは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリアミドイミド(PAI) 等の所謂スーパーエンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂、さらに、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド樹脂(PI)等の熱硬化性の合成樹脂であっても良い。また、環境負荷を軽減する生分解性の合成樹脂であっても良い。この生分解性の合成樹脂の成分としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン等を例示することができる。また、繊維状強化材としては、GFに限らず、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等を例示することができる。
【0035】
ここで、カバー部材15の固定部16には、図3に示すように、前述したセンサホルダ17が装着される挿通孔16aと、このセンサホルダ17を固定する取付ボルト19が嵌挿される貫通孔20がそれぞれ形成されている。回転速度センサ(図示せず)はセンサホルダ17に包埋され、前記磁気エンコーダ13に所定の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙している。また、貫通孔20に対応する固定部16の内側面にはナットが固定され、センサホルダ17は、略長円形をなす取付金具22を介してこのナットに螺合する取付ボルト19によって締結されている。これにより、センサホルダ17の回動や抜け出しを防止してカバー本体15の固定部16に確実に固定することができる。なお、ナットは、カバー本体15にインサート成形により一体に固定されることにより、精度良く位置決め固定できるが、このナットの形状を三角形、四角形、あるいは星形等の非円形にすることにより、モールド樹脂に対する空転トルクを高めることができる。
【0036】
ここで、貫通孔20が、従来のように、挿通孔16aの放射方向に形成されるのではなく、挿通孔16aの中心と装置の軸心とを結ぶ線Lからオフセットした位置に形成されている。これにより、周辺部位との干渉を避けて軽量・コンパクト化を図ると共に、カバー9の兼用化を図り金型の製作に伴うコストを抑えてトータルコストを低減させた回転速度検出装置付車輪用軸受装置を提供することができる。
【0037】
図4は前述したセンサホルダ17の装着部の変形例である。なお、この実施形態は、前述したものと基本的には貫通孔の配置が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、カバー本体15’の径方向外方側に底部15cよりも肉厚に固定部23が形成され、センサホルダ17が装着される挿通孔16aと、このセンサホルダ17を固定する取付ボルト19が嵌挿される貫通孔24がそれぞれ形成されている。この貫通孔24に対応する固定部23の内側面にはナット(図示せず)が固定され、センサホルダ17は、略長円形をなす取付金具22を介してこのナットに螺合する取付ボルト19によって締結されている。
【0039】
ここで、貫通孔24が、挿通孔16aの中心と装置の軸心とを結ぶ線Lからオフセットした位置、具体的には、挿通孔16aの中心のピッチ円上に形成されている。挿通孔16aの中心のピッチ円上は、全周に亙って、図示しない内方部材との干渉が回避された位置に形成されているため、加締部等の周辺部位との干渉を確実に防止することができ、一層の軽量・コンパクト化を図ることができる。
【実施例2】
【0040】
図5(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のV方向から見た矢視図、(c)は、(a)の検出部を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図1)と基本的にはカバーの構成とシールの有無が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
(a)に示すように、この回転速度検出装置付車輪用軸受装置は第3世代構造と呼称され、内方部材1と外方部材10と、この両部材1、10間に収容された複列の転動体6、6とを備えている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に外嵌固定された別体の内輪3とからなる。
【0042】
外方部材10は外周に車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に前記内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。
【0043】
また、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、25が装着され、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩を防止すると共に、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
【0044】
インナー側のシール25は、(c)に拡大して示すように、互いに対向配置された環状のシール板26とスリンガ27とからなる、所謂パックシールで構成されている。なお、シール板26は、外方部材10のインナー側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金28と、この芯金28に接合されたシール部材29とからなる。
【0045】
スリンガ27は、内輪5の外径には圧入される円筒状の嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向外方に延びる立板部27bとを備え、この立板部27bのインナー側の側面に磁気エンコーダ13が加硫接着等によって一体に接合されている。
【0046】
また、スリンガ27は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系のステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。これにより、スリンガ27が発錆するのを防止すると共に、磁気エンコーダ13の磁気出力が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
【0047】
シール部材29は、スリンガ27の立板部27bのアウター側の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接する一対のサイドリップ29a、29bと、嵌合部27aに所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップ29cを一体に供えている。
【0048】
外方部材10のインナー側の端部にカバー30が内嵌固定されている。このカバー30は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板等をプレス加工によってカップ状に形成され、外方部材10に固定される円筒状の嵌合部30aと、この嵌合部30aから重合されて径方向外方に延び、外方部材10のインナー側の端部10cに密着する鍔部30bと、この鍔部30bから軸方向に延びる円筒部30cと、この円筒部30cから径方向内方に延びる底部30dとを備えている。
【0049】
(b)に示すように、底部30dの外径側には挿通孔31と、センサホルダ17を固定する取付ボルト19が嵌挿される貫通孔37がそれぞれ打ち抜き加工によって形成されている。貫通孔37に対応するカバー30の内側面にナット32が圧入または溶接等によって一体に固定され((c)参照)、挿通孔31にセンサホルダ17が装着されると共に、取付金具22を介してナット32に螺合する取付ボルト19によって締結されている。これにより、センサホルダ17の回動や抜け出しを防止してカバー30に確実に固定することができる。
【0050】
ここで、貫通孔37が、前述した実施形態と同様、挿通孔31の中心のピッチ円上に形成されている。これにより、加締部2c等の周辺部位との干渉を確実に防止することができ、一層の軽量・コンパクト化を図ることができる。
【実施例3】
【0051】
図6(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のVI方向から見た矢視図、(c)は、(a)の検出部を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図1)と基本的にはカバーの構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
(c)に示すように、外方部材10のインナー側の端部にカバー33が内嵌固定されている。このカバー33は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼板あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板等をプレス加工によって円環状に成形された芯金34と、この芯金34にインサート成形により一体に接合され、PA66等の熱可塑性の合成樹脂製のカバー本体35とからなり、全体としてカップ状に形成されている。芯金34は、外方部材10のインナー側の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部34aと、この円筒部34aから縮径して形成された円筒部34bとを備えている。
【0053】
一方、カバー本体35は、GF等の繊維状強化材が10〜40wt%充填されたPA66等の熱可塑性の合成樹脂からインサート成形により芯金34に一体に接合され、外方部材10のインナー側の端部外周に圧入される円筒状の嵌合部35aと、この嵌合部35aのインナー側の端部から径方向外方に延び、外方部材10のインナー側の端面10cに密着する鍔部35b、および底部35cを備えている。この底部35cの外径側に固定部36が肉厚に形成され、この固定部36にセンサホルダ17が装着される挿通孔16aが穿設されている。そして、この挿通孔16aにNBR等の合成ゴムからなるOリング18が装着され、外部からこの挿通孔16aを通して雨水等が浸入するのを防止している。
【0054】
本実施形態では、カバー33が、芯金34と、この芯金34にインサート成形された合成樹脂製のカバー本体35からなり、外方部材10に芯金34とカバー本体35の両者が圧入される、所謂ハーフメタル嵌合されているので、抜け耐力が高くなると共に、嵌合部の気密性が向上し、外部から軸受内部に雨水等が浸入するのを確実に防止することができる。
【0055】
ここで、カバー部材35の固定部36には、前述したセンサホルダ17が装着される挿通孔16aと、このセンサホルダ17を固定する取付ボルト19が嵌挿される貫通孔20がそれぞれ形成されている。また、(c)に示すように、貫通孔20に対応する固定部36の内側面にはナットが固定され、センサホルダ17は、略長円形をなす取付金具22を介してこのナットに螺合する取付ボルト19によって締結されている。これにより、センサホルダ17の回動や抜け出しを防止してカバー本体35の固定部36に確実に固定することができる。
【0056】
ここで、(b)に示すように、貫通孔20が、前述した実施形態と同様、挿通孔16aの中心のピッチ円上に形成されている。これにより、加締部等の周辺部位との干渉を確実に防止することができ、一層の軽量・コンパクト化を図ることができる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る回転速度検出装置付車輪用軸受装置は、回転速度センサを保持するカバーが外方部材の端部に圧入固定される回転速度検出装置付車輪用軸受装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 内方部材
2 ハブ輪
2a、3a 内側転走面
2b 小径段部
2c 加締部
3 内輪
4 車輪取付フランジ
4a 車輪取付フランジのインナー側の基部
5 ハブボルト
6 転動体
7 保持器
8 アウター側のシール
9、30、33 カバー
10 外方部材
10a 外側転走面
10b 車体取付フランジ
10c インナー側の端面
11 パルサーリング
12 支持環
12a、15a、27a、30a、34a、35a 嵌合部
12b、27b 立板部
13 磁気エンコーダ
14、28、34 芯金
14a、30c、34a 円筒部
14b、15b、30b、35b 鍔部
15、15’、35 カバー本体
15c、30d、35c 底部
16、23、36 固定部
16a、31 挿通孔
17 センサホルダ
18 Oリング
19 取付ボルト
20、24、37 貫通孔
22 取付金具
25 インナー側のシール
26 シール板
27 スリンガ
29 シール部材
29a、29b サイドリップ
29c グリースリップ
32 ナット
50 外方部材
50a 外側転走面
50b 車体取付フランジ
51 ハブ輪
51a、52a 内側転走面
51b 小径段部
51c 加締部
52 内輪
53 内方部材
54 保持器
55 ボール
56、57 シール
58 車輪取付フランジ
59 エンコーダ
60 カバー
61 ホルダ
62 芯金
63 永久磁石
64 円筒部
65 底板部
66 鍔部
67 挿入孔
68 貫通孔
69 挿入部
70 取付孔
71 取付フランジ
72 ボルト
73 ナット
L 挿通孔中心と装置の軸心とを結ぶ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
前記外方部材のインナー側の端部に装着されたカバーと、
前記内輪の外径に圧入されたパルサーリングと、
前記カバーに支持固定され、前記パルサーリングに対峙する回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備え、
前記カバーが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部のインナー側の端部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部、および前記内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部を備えると共に、
この底部の外径側に固定部が形成され、この固定部に前記センサホルダが装着される挿通孔と取付ボルトが嵌挿される貫通孔がそれぞれ形成され、この貫通孔に対応する前記カバーの内側面にナットが固定され、当該センサホルダが取付金具を介して前記取付ボルトによって締結される回転速度検出装置付車輪用軸受装置において、
前記貫通孔が前記挿通孔の中心と軸心とを結ぶ線からオフセットした位置に形成されていることを特徴とする回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項2】
前記カバーの貫通孔が前記挿通孔の中心のピッチ円上に形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項3】
前記カバーが、鋼板をプレス加工によって円環状に成形された芯金と、この芯金に射出成形により一体に接合された合成樹脂製のカバー本体とからなり、このカバー本体に前記ナットがインサート成形により固定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項4】
前記ナットの形状が非円形に形成されている請求項3に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項5】
前記外方部材に前記芯金とカバー本体の両者が圧入される円筒状の嵌合部を備えている請求項3に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項6】
前記カバー本体が繊維状強化材が充填された熱可塑性の合成樹脂で形成されている請求項3に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項7】
前記カバーが防錆能を有する鋼板からプレス加工により形成され、前記鍔部が重合されて形成されると共に、前記ナットが前記カバーの貫通孔に圧入または溶接により一体接合されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。
【請求項8】
前記ハブ輪が外周に内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成され、この小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって所定の軸受予圧が付与された状態で、前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定されている請求項1に記載の回転速度検出装置付車輪用軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−53638(P2013−53638A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190234(P2011−190234)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】