説明

回転運動するよう設定された管体上での冷却案内ディスクの助力の溶接によるフィン付き管束の製造方法。

本発明は、金属製のフィン付き管束、特に熱交換器用管用のものの製造方法に関するものであり、少なくとも1つの連続したストリップを形成する複数のフィンが、回転運動をするよう設定された管体に正接に接触し、そして管体に巻かれており、管体に面する該ストリップの側は、溶接装置の手段及びフィラー材料を使用する事によって管の表面に接続されており、そして巻きつけられた該ストリップは、溶接領域の直ぐ後ろの案内ディスク間に案内され、当該ディスクは、管表面と溶接ポイントと近接している。該案内ディスクの耐用年数を増す為には、該案内ディスクは冷却され、特に冷却水を用い、約10容量パーセントの溶接剥離剤を加える事である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製のフィン付き管束、特に熱交換器用管束の製造方法に関するものであり、複数のフィンを形成する少なくとも1つの連続するストリップが、回転運動をするよう設定された管体に正接に接触して、そして管体にほぼ螺旋上に巻かれ、管体に面する該ストリップの側は、溶接装置の手段及びフィラー材料を使用する事によって管の表面に接続され、溶接装置の作動側が、管表面と巻き付けられたストリップとの間に自由度のあるウエッジ形状の間隙に案内される。そして、巻き付けられたストリップは、溶接領域の直ぐ後ろの案内ディスク間に案内され、当該複数のディスクは、管表面に近接している。
【背景技術】
【0002】
この種の方法は、EP0604439B1により知られており、とても良好な結果が、既知の方法で成し遂げられている。この方法の唯一の弱点は、極端な歪を受けやすい撓みゾーンに巻き付かれた鉄製ストリップを案内する複数の案内ディスクの耐用年数である。
複数の案内ディスクの低域は、まさにたくさんの熱量と、溶接ポイントの領域で発生する溶接はねかけにも又晒される事を意味する、管体と溶接ポイントにとても着目されるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ本発明の目的は、複数の案内ディスクを保護する事であり、こうした耐用年数の改善をし、増進させる事にある。本発明によれば、この目的は、複数の案内ディスクが冷却されている事により解決される。
この測定の結果では、複数の案内ディスクの重大な領域に於ける熱量が、大いに減少しており、溶接はねかけは、それと同時に付着が直ぐにはしなくなった。
冷却液は、好ましくは冷却のために使用される。冷却液は、良好な冷却が蒸発冷却により達成されるため、複数の案内ディスクに容易に適用される筈である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その方法は特に良く提供されており、冷却が冷却水を使用する事により遂行された場合、容易に適用されるばかりではなく、低コストにて十分な量で入手可能になる。
特に、利益となる効果を達成する為には、水溶性溶接剥離剤が、冷却水に使用するために加えられている。この周囲の事情に於いて、溶接剥離剤は、冷却水に容積の約10パーセントの量を混ぜる事が可能である。
【0005】
この測定の結果、複数の案内ディスクは冷却されなかった。そして案内ディスク物質は、こうして余分となってしまった。それに加え、溶接剥離剤の使用の結果として、欠点の無いフィン管の為の条件に必要となる、複数の案内ディスクが、とても長期間に渡って滑らかな表面を保つという結果をもたらす、溶接はねかけがもはや複数の案内ディスクに付かないのである。
【0006】
植物性エステル、乳化剤及び安定剤の混合物が、好ましくは溶接剥離剤として使用されている。
【0007】
この種の溶接剥離剤は、冷却液を使用する際に複数の案内ディスク上で、非常にはっきりとした影響が出るばかりでなく、又操作をするスタッフ或いは、環境のどちらに対しても負担を構成しないといった結果をももたらす、生分解性であり、完全に無害である。
【0008】
冷却液は、溶接ポイントから離れた地点に回転する複数の案内ディスクに供給される。
この周囲の事情に於いて、供給ポイントは、最適な溶接はねかけに対する防御という結果をもたらす為、複数の案内ディスクの重大な領域で案内ディスクに付着する、水よりも沸点の高い唯一の溶接開放物質という結果を引き起こし、溶接ポイントに達する直前で冷却液の水の成分が完全に蒸発して、そのような方法を選択した。蒸発している冷却水は、複数の案内ディスクの露出した領域に相応して冷却されたものではない。未だに蒸発していない溶接剥離剤は、溶接ポイントに近い重大な領域での蒸発が唯一始まるという結果をもたらすと同時に冷却された状態にある。それによって、複数の溶接ビードの塊を妨げるばかりではなく、溶接ポイントの領域で追加的な冷却効果を引き起こすのである。
【0009】
蒸発した溶接剥離剤は、溶接ポイントの下流域で抽出される筈である。
本発明の例示は、図に描かれている通りであり、以下に図に基づいて、詳細を記載します。各図面に関しては、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の方法の具体的な遠近図であり、金属製のストリップを形成する複数のフィンは、垂直な状態で、そして螺旋上で管体に巻かれており、管体に面するストリップの狭い側は、溶接継目によって接続される。
【図2】管体に巻き付いた鉄製ストリップであるフィン管の領域を通じて、一部分の図が溶接装置によって管体に接続され、複数の案内ディスクの一助にて案内される。
【図3】図2の線III‐IIIの断面の引き伸ばし部
【図4】図2の線IV‐IVの断面
【図5】図2の線V‐Vの断面
【図6】冷却液の供給を図示する図2に類似する断面
【図7】図6の線VII‐VIIの断面
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による方法は、異なるストリップ版を供給するのに適しています。図面に示されているように、管体の軸と直角となる位置に管体が巻かれている金属製のストリップに巻くことは、良く知られた実施態様である。本発明の方法は、驚くべき事に複数の案内ディスク上での大きなストレスのお陰により改善された結果に導いているので、特にこの版には向いているようである。しかしながら、本発明の方法は、又巻かれている鉄製ストリップがU(ユー)字型、或いはL(エル)字型に管体に供給されるかは、使用される筈である。
【0012】
複数の案内ディスクは、金属製のストリップの形状が供給される事によって、溶接領域と同様に溶接はねかけが現在熱から、少なくとも一部の遮蔽をする為に、圧力を低下させるけれども、こうした複数の版が又使用される。それにも関わらず、案内ディスクの耐用年数は、この種の版を使用する際、増加するものである。
【0013】
図面によれば、本発明による方法によって製造される熱交換管1は、供給リールから取られるフィン帯板4の管表面3に面する管体2からなり、熱交換表面を増やすために螺旋上の線を適用する。そして、供給リールは図面には示されていないが、溶接継目5によって管表面に接合されている。
【0014】
線図の第1図によれば、適用されているフィン帯板4の管表面3に接する管体2は、その方法を実行するために、回転運動するよう設定され、かくして、縦の軸について回転する管体2に設定されるクランプ装置6によって、しっかりと保持されている。溶接装置7は、溶接継目5を適用するよう取扱われる。溶接手順を実行する為には、クランプ装置6に取付けた管体2は、クランプ装置6に代えて過去に溶接装置7に移動させている、或いは、溶接装置7それ自体は、ここに図示してはいないが運搬上では、平行する管体2に連続して動かされている。
【0015】
電極8は、溶接装置7から管体2の表面3と、管体2の正接に巻き付けられたフィン帯板との間に自由度のあるウエッジ形状の間隙に計画されている。溶接充填剤として供給される消費可能で連続した溶接ワイヤ9は、電極8を通じて自動的に供給される筈である。
【0016】
図面に於ける図示された現実的な例示として、特に図2から見られるように、接触領域10のある程度前にフィン帯板が管表面3に供給されている。溶接ワイヤ9が、管の表面3上の溶接ビード11を、管体2に面するフィン帯板の狭い部分に、圧迫されており溶接ワイヤ9と管の表面3の間に発生したアーク溶接機にて溶解する。
【0017】
図面から見られるように、案内ディスク12及び13は、速やかに供給され、或いは、そのちょっと後に管体2上に巻き付けられてフィン帯板4の接触領域10と、当該案内ディスク12及び13は、その側のフィン帯板4及び管体2に垂直な位置のままを保持している。
【0018】
案内ディスク12及び13は、管表面3と溶接継目5に近接しており、管体2の反対側で回転をすることは、管体2と溶接継目5の領域に近づいており、お互いに於いて特に熱電導を晒している。もっと言えば、これらは、高い温度下での結果として複数の表面に付着する傾向にある溶接領域の外に溶接はねかけをも露呈している。
【0019】
こうした消極的な影響を排除する為、案内ディスク12及び13は、冷却液14を伴って湿っており、最も高いポイントでおおよそが位置づけられ、スプレーノズル15によって、案内ディスク12及び13を適用させるのである。当該スプレーは、主に最大熱電導と溶接はねかけを晒しており、外部の端領域に集中させている。
【0020】
使用される冷却液は冷却水であり、溶接剥離剤は、冷却水に容積の約10パーセントの量を混ぜる事が可能である。植物性エステル、乳化剤及び安定剤の混合物が、好ましくは溶接剥離剤として使用されている。しかしながら、他の適した溶接剥離剤は同様に可能である。
【0021】
水よりも沸点の高い唯一の溶接剥離剤という結果を引き起こし、結果として、水が溶接ポイントに達する直前で冷却液の水の成分が完全に蒸発して、案内ディスク12及び13のような方法を選択した。しかしながら、この冷却効果も又、初めに保護フィルムとして複数の案内ディスクの外部領域を越え蒸発及び散布をしないという結果を引き起こしている。冷却液の供給は最適であり、保護フィルムとして複数の案内ディスクに供給された冷却液が、溶接ポイントに到達する前に水成分が蒸発するように投与され、一方で水よりも高い沸点を持つのである。特に、溶接ポイントの領域で、溶接はねかけの塊に対し、複数の案内ディスクの正に最良の保護と保証する。溶接ポイントの領域で、複数の案内ディスクは、実際に熱量を晒しており、最終的には剥離剤が蒸発しているのである。
【0022】
蒸発した溶接剥離剤16は、溶接ポイントの下流域で抽出される筈である。最終的には、図面に示されていない抜粋が、抜粋ノズルによって消極的な圧力に動かされる事を備えているのである。
【符号の説明】
【0023】
1 熱交換管
2 管体
3 管表面
4 フィンストリップ
5 溶接継目
6 クランプ装置
7 溶接装置
8 電極
9 溶接ワイヤ
10 接触領域
11 溶接ビード
12 案内ディスク
13 案内ディスク
14 冷却液
15 スプレーノズル
16 蒸発した溶接剥離剤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】EP 0604439 B1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製のフィン付き管束、特に熱交換器用管束の製造方法であって、複数のフィンを形成する少なくとも1つの連続したストリップが、回転運動をするよう設定された管体に正接に接触して、そして管体にほぼ螺旋上に巻かれ、管体に面する該ストリップの側は、溶接装置により及び充填材料を使用することによって管の表面に接続され、溶接装置の作動側が、管表面と巻き付けられたストリップとの間に自由度のあるウエッジ形状の間隙に案内され、そして、巻き付けられたストリップは、溶接領域の直ぐ後ろの案内ディスク間に案内され、前記ディスクは管表面と近接し、複数の案内ディスクが冷却されることを特徴とする金属製のフィン付き管束の製造方法。
【請求項2】
冷却液が冷却用に使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
冷却水が冷却用に使用されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
水溶性溶接剥離剤が、冷却水に加えられることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
約10容量パーセントの溶接剥離剤を冷却水に加えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
植物性エステル、乳化剤及び安定剤の混合物が、溶接剥離剤として使用されることを特徴とする請求項4或いは請求項5に記載の方法。
【請求項7】
冷却液が溶接ポイントから遠隔点での複数の案内ディスクに供給されることを特徴とする請求項2乃至6に記載の方法。
【請求項8】
冷却液が上記溶接ポイントから複数の案内ディスクに供給されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
冷却液が、複数の案内ディスクに噴霧器により噴霧されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
複数の案内ディスクに供給された冷却液が、溶接ポイントに到達する前に水成分が蒸発するように投与され、一方で水よりも高い沸点を持つ溶接剥離剤が、溶接ポイントの下流域でのみ蒸発するような方法で投与されることを特徴とする請求項7乃至9に記載の方法。
【請求項11】
蒸発した溶接剥離剤が、溶接ポイントの下流域で抽出されることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−527944(P2011−527944A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517848(P2011−517848)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058355
【国際公開番号】WO2010/006930
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(502381450)
【Fターム(参考)】