説明

図形処理装置および図形処理方法

【課題】 数値入力による移動距離、回転角度もしくはスケール幅を指定することなく、または特殊なマウス装置を使用することなく、図形を意図した位置に移動することができる図形処理装置を得るものであり、操作性を向上することができる図形処理方法を提供する。
【解決手段】 図形処理装置の演算部5が、選択された図形1に付加されている寸法拘束データ4aを寸法拘束データ部4から読み出し、図形1に対して入力部3の初期移動方向により、図形1の移動方向を算出し、図形1の移動方向に沿って目盛9を表示する目盛表示部56を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元CADにおいて、寸法拘束されている図形をマウス操作で意図した正確な位置に移動できるようにした図形処理装置および図形処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図形表示装置においては、3次元図形の表示状態の変更において、その変更方向を示す座標系とその変更項目を統合した3次元形状として表示し、可視化したツールの選択により3次元図形の表示状態を変更するようにしたことにより、ユーザは直感的に変更項目、座標系を把握することができる(例えば、特許文献1参照)。その他として、マウスボールが4つある特殊なマウス装置を利用して、図形を平行移動または回転移動する姿勢入力用マウス(例えば、特許文献2参照)や、ユーザが支持する視野座標系から視線ベクトルを求め、マウスボタンの選択により視線を移動できる方向を限定する図形表示装置(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。
【特許文献1】特開平8−297750号公報(第3頁右欄第25行−第4頁左欄第7行、第1図)
【特許文献2】特開平5−173705号公報(第2頁右欄第24−36行、第2図)
【特許文献3】特開平8−138084号公報(第3頁左欄第29−38行、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の図形表示装置では、操作の対象となる3次元図形の表示状態を変更するにあたり、予め、図形の変更方向を示す座標系(X軸、Y軸、Z軸)および変更項目(移動系表示、回転系表示、スケール系表示)を指示するための可視化したツールを選択したうえで、マウスを移動するため、可視化したツールを選択する操作が追加され、ユーザの操作が煩雑となってしまうという問題点があった。
【0004】
また、3次元図形を、X軸、Y軸またはZ軸に対して、平行に移動、回転またはスケール変更する場合以外には、複数軸を選択する必要があり、ユーザの操作が煩雑となってしまうという問題点があった。
また、マウスの移動操作では、マウスポインタの移動目標点(以下、終点と称す)を意図した位置に一致させることが非常に困難なために、3次元図形を正確に移動することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、変更方向を示す座標系と変更項目を統合した3次元形状として可視化したツールを選択する操作を行なうことなく、図形の平行移動、回転移動またはスケール変更の方向を制御できる図形処理装置を得ることを目的としており、さらに、操作性を向上することができる図形処理方法を提供するものである。
【0006】
また、第2の目的は、数値入力による移動距離、回転角度もしくはスケール幅を指定することなく、または特殊なマウス装置を使用することなく、図形を意図した正確な位置に移動することができる図形処理装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る図形処理装置においては、選択情報、操作距離情報および操作方向情報を含む信号を入力するための入力部と、複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、選択情報に基づき選択した図形を検出する選択図形検出部、操作距離情報に基づきマウスの移動量を検出するマウス移動量検出部、操作方向情報に基づきマウスの初期移動方向を検出するマウス初期移動方向検出部、選択図形検出部からの選択図形データに基づき寸法拘束データ部から寸法拘束データを読み出す寸法拘束データ取得部、寸法拘束データ取得部からの第1のデータおよびマウス初期移動方向検出部からの第2のデータにより図形の移動方向を算出する移動方向算出部、並びに移動方向算出部からの第3のデータに基づき図形の移動方向に沿って目盛を表示する目盛表示部を有する演算部と、演算部での演算結果を制御する表示制御部と、表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部とを備えたものである。
【0008】
また、この発明に係る図形処理方法においては、入力部が、表示部の表示画面上で入力部の動きに連動する指示手段を介して、図形を選択する第1のステップと、演算部が、選択された図形に付加されている寸法拘束データを寸法拘束データ部から読み出し、図形に対して指示手段の初期移動方向により、図形の移動方向を算出する第2のステップと、表示部が、図形の移動方向に沿って目盛を表示する第3のステップと、入力部が、指示手段を介して、図形を目盛上の所定の位置に移動する第4のステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、選択情報、操作距離情報および操作方向情報を含む信号を入力するための入力部と、複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、選択情報に基づき選択した図形を検出する選択図形検出部、操作距離情報に基づきマウスの移動量を検出するマウス移動量検出部、操作方向情報に基づきマウスの初期移動方向を検出するマウス初期移動方向検出部、選択図形検出部からの選択図形データに基づき寸法拘束データ部から寸法拘束データを読み出す寸法拘束データ取得部、寸法拘束データ取得部からの第1のデータおよびマウス初期移動方向検出部からの第2のデータにより図形の移動方向を算出する移動方向算出部、並びに移動方向算出部からの第3のデータに基づき図形の移動方向に沿って目盛を表示する目盛表示部を有する演算部と、演算部での演算結果を制御する表示制御部と、表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部とを備えたことにより、選択した図形の移動方向をマウスの初期移動により決定することができ、図形の移動方向に沿って表示された目盛により正確な位置に図形を移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は図形がX軸方向に平行移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図2は図形がX軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図3は図形がX軸方向に平行移動およびX軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図4は図形がY軸方向に平行移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図5は図形がZ軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図6は図形がZ軸方向に平行移動およびZ軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図、図7は図形が移動することができない寸法拘束を説明するための説明図である。
【0011】
図1〜図7において、図形1は平行移動、回転移動またはスケール変更などの処理(以下、移動処理と称す)を行なう対象となる図形である。また、基準図形2は寸法拘束により図形1を拘束するための基準となる図形である。ここで、寸法拘束とは、図形1に移動処理を行なう場合に、移動方向を特定するために、図形1と基準図形2との関係付けを行なった配置条件であり、例えば、図1〜図7に示すように、図形1の移動方向を制限する寸法拘束が挙げられる。
【0012】
なお、図形1および基準図形2は説明を簡単にするために直方体で示しているが、図形1および基準図形2は直方体に限られるものではなく、例えば、直線もしくは曲線からなる線分や、多角形もしくは曲線で囲まれた面からなる平面または曲面や、多面体もしくは球体からなる立体であってもよい。
また、図1〜図7において、実線で示した矢印のうち、XはX軸、YはY軸およびZはZ軸を示し、それぞれの矢印の向きは正の方向を示している。また、二点鎖線で示した矢印は図形1の移動可能な方向を示している。
【0013】
また、図形1の6つの面は、X軸に垂直な面であり対向する面1aおよび面1b、Y軸に垂直な面であり対向する面1cおよび面1d、並びに、Z軸に垂直な面であり対向する面1eおよび面1fからなり、それぞれの軸の正方向側にある面をそれぞれ面1a、1cおよび1eとしている。
さらに、基準図形2の6つの面は、X軸に垂直な面であり対向する面2aおよび面2b、Y軸に垂直な面であり対向する面2cおよび面2d、並びに、Z軸に垂直な面であり対向する面2eおよび面2fからなり、それぞれの軸の正方向側にある面をそれぞれ面2a、2cおよび2eとしている。
【0014】
図1に示すように、図形1における面1cと面1eとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2dと面2eとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあり、図形1における面1dと基準図形2における面2dとが平行であることにより、図形1はX軸方向にのみ平行移動できる寸法拘束が付加されている。
また、図2に示すように、図形1における面1cと面1fとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2dと面2fとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあり、図形1における面1bと基準図形2における面2bとが同一平面上にあることにより、図形1はX軸回りにのみ回転移動できる寸法拘束が付加されている。
【0015】
また、図3に示すように、図形1における面1cと面1fとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2dと面2fとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあることにより、図形1はX軸方向に平行移動およびX軸回りに回転移動できる寸法拘束が付加されている。
なお、図1〜図3においては、図形1の線分(辺)と基準図形2の線分(辺)との関係、または図形1の面と基準図形2の面との関係により、図形1に寸法拘束を付加しているが、図形1の点(頂点)と基準図形2の点(頂点)との関係により、図形1に寸法拘束を付加してもよい。また、図形1の点に対して基準図形2の線分または面を関係付けたり、図形1の線分に対して基準図形2の面または点を関係付けたり、図形1の面に対して基準図形2の点または線分を関係付けたり、または複数の関係付けを組み合わせることにより、図形1に寸法拘束を付加してもよい。
【0016】
また、図形1と基準図形2の具体的な関係として、例えば、点と点とにおいては一致もしくは不一致の関係、点と線分とにおいては点が線分上、線分を含んだ直線上もしくは直線上にない関係、点と面とにおいては点が面上、面を含んだ同一平面上もしくは平面上にない関係、線分と線分とにおいては一致、それぞれの線分の延在方向が平行、それぞれの線分が同一直線上、それぞれの線分の延在方向が不一致もしくはそれぞれの線分が交差する関係、線分と面とにおいては線分が面上、線分が面を含んだ同一平面上、線分と面とが平行、線分と面とが交差もしくは線分と面を含んだ平面とが交差する関係、または、面と面とにおいては一致、同一平面上、平行もしくは交差する関係などが挙げられる。
【0017】
また、図1〜図3においては、X軸を基準とした平行移動、回転移動、または平行移動および回転移動について説明したが、Y軸またはZ軸を基準とした平行移動、回転移動、または平行移動および回転移動についても同様に図形1に寸法拘束を付加することができる。
【0018】
例えば、図4に示すように、図形1における面1bと基準図形2における面2bとが同一平面上にあり、図形1における面1eと基準図形2における面2eとが平行であることにより、図形1はY軸方向にのみ平行移動できる寸法拘束が付加されている。
【0019】
また、図5に示すように、図形1における面1bと面1cとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2bと面2dとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあり、図形1における面1eと基準図形2における面2eとが同一平面上にあることにより、図形1はZ軸回りにのみ回転移動できる寸法拘束が付加されている。
また、図6に示すように、図形1における面1bと面1cとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2bと面2dとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあり、図形1における面1eと基準図形2における面2eとが平行であることにより、図形1はZ軸方向に平行移動およびZ軸回りに回転移動できる寸法拘束が付加されている。
【0020】
また、図7に示すように、図形1における面1bと面1cとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2bと面2dとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあり、図形1における面1cと面1eとに接する線分(辺)と、基準図形2における面2dと面2eとに接する線分(辺)と、が同一直線上にあることにより、図形1は移動することができない寸法拘束が付加されている。
【0021】
つぎに、この実施の形態1における図形処理装置のシステム構成を、図8および図9により説明する。
図8はこの発明を実施するための実施の形態1における図形処理装置のシステムの全体構成を示すブロック図、図9は図8に示す図形処理装置の演算部の詳細構成を示すブロック図である。
入力部3は、図形1を選択した場合の選択情報3a、選択した図形1を移動した場合の操作方向情報3bおよび操作距離情報3cを含む信号を入力する入力手段であり、例えば、マウスなどが挙げられる。
【0022】
なお、入力部3がマウスの場合には、後述する表示部7の表示画面上で、マウスの動きに連動する指示手段8、例えばマウスポインタを図形1に重ね、クリックすることで、図形1を選択する。これにより選択情報3aが得られる。また、マウスポインタを図形1に重ね、クリックしたままドラッグを開始(始点)し、所望の位置でドロップすること(終点)で、図形1が移動する。これにより、始点からの移動方向から操作方向情報3bが得られ、始点と終点とを結んだ直線距離から操作距離情報3cが得られる。
【0023】
寸法拘束データ部4は前述した複数の寸法拘束データ4aが格納された記憶手段である。演算部5は寸法拘束データ4aを参照して演算する演算手段であり、入力部3から入力された選択情報3aに基づき選択した図形1を検出する選択図形検出部51と、入力部3から入力された操作方向情報3bに基づきマウスの初期移動方向を検出するマウス初期移動方向検出部52と、入力部3から入力された操作距離情報3cに基づきマウスの移動量を検出するマウス移動量検出部53とを有する。なお、初期移動方向とは、始点から最初に入力手段3であるマウスに与えた方向であり、入力手段3の動きに連動する指示手段8であるマウスポインタに与えた方向でもある。
【0024】
また、演算部5は、選択図形検出部51からの選択図形データ51aに基づき、選択した図形1における固有の寸法拘束データ4aを寸法拘束データ部4から読み出す寸法拘束データ取得部54と、寸法拘束データ取得部54からの第1のデータ54aおよびマウス初期移動方向検出部52からの第2のデータ52aにより図形1の移動方向を算出する移動方向算出部55と、移動方向算出部55からの第3のデータ55aに基づき図形1の移動方向に沿って目盛を表示するデータ56aを後述する表示制御部6に送る目盛表示部56とを有する。
【0025】
表示制御部6は、演算部5における演算結果であるマウス移動量検出部53からのデータ53a、移動方向算出部からのデータ55b、および目盛表示部からのデータ56aを制御し、表示部7で画面表示する。なお、表示部7はCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置である。
【0026】
つぎに、図形1の移動処理を行なう場合における、図形処理装置の動作および図形処理方法を、図10〜図13により説明する。
図10はこの発明を実施するための実施の形態1における図形処理装置の動作を示すフローチャート図、図11(a)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第1のステップS1を示した説明図、図11(b)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図12(a)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図12(b)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第3のステップS3を示した説明図、図13は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第4のステップS4を示した説明図である。図10〜図13において、図1〜図9と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。
【0027】
まず、入力部3により、表示部7の表示画面上に表示されている図形のうち、移動処理を行ないたい図形1を選択する。この場合に、入力部3は、表示部7の表示画面上で入力部3の動きに連動する指示手段8を介して図形1を選択する(第1のステップS1、図11(a))。なお、入力部3がマウスの場合には、表示部7の表示画面上で、マウスポインタを図形1に重ね、クリックすることで、図形1を選択する。
【0028】
つぎに、演算部5が、選択された図形1に付加されている寸法拘束データ4aを寸法拘束データ部4から読み出し、図形1に対して指示手段8の初期移動方向により、図形1の移動方向を移動方向算出部55によって算出する(第2のステップS2、図11(b)、図12(a))。なお、入力部3がマウスの場合には、マウスポインタを図形1に重ね、クリックしたままドラッグを開始した方向が初期移動方向である。
【0029】
また、図11〜図13においては、図形1にはX軸方向にのみ平行移動できる寸法拘束が付加されているため、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から右寄り(右、右上または右下)の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の正方向が図形1の移動方向となる。これに対して、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から左寄り(左、左上または左下)の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の負方向が図形1の移動方向となる。
【0030】
つぎに、表示部7が、図形1の移動方向に沿って目盛9を表示する(第3のステップS3、図12(b))。すなわち、図12(b)においては、図形1の移動方向である、X軸に対して平行でありX軸の正方向に沿って、長さ目盛9を表示する。
最後に、入力部3が、指示手段8を介して、移動の目安となる目盛9上の所望の位置に図形1を移動する(第4のステップS4、図13)。なお、入力部3がマウスの場合には、マウスを所望の位置でドロップすることで、図形1が移動する。
【0031】
以上のように、この発明の実施の形態1にかかわる図形処理装置および図形処理方法によれば、選択した図形1の移動方向を入力部3の初期移動方向により自動的に決定することができ、図形1の移動方向に沿って表示された目盛9により正確な位置に図形1を移動することができる。
【0032】
実施の形態2.
図14はこの発明を実施するための実施の形態2における図形処理装置のシステムの全体構成を示すブロック図、図15は図14に示す図形処理装置の演算部の詳細構成を示すブロック図である。図14および図15において、図1〜図13と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。
エクステントデータ部10は複数のエクステントデータ10aが格納された記憶手段である。
【0033】
演算部5は、選択図形検出部51からの選択図形データ51bに基づきエクステントデータ部10からエクステントデータ10aを読み出すエクステントデータ取得部57と、表示制御部6からのデータ6aに基づき画面拡大縮小状態データを算出する画面拡大縮小状態データ算出部58と、エクステントデータ取得部57からの第4のデータ57aおよび画面拡大縮小状態データ取得部58からの第5のデータ58aに基づき目盛9の間隔を算出する目盛間隔算出部59とを有している。
【0034】
なお、この実施の形態2における図形処理装置においては、実施の形態1における図形処理装置に、エクステントデータ部10、エクステントデータ取得部57、画面拡大縮小状態データ算出部58および目盛間隔算出部59を追加するところのみが実施の形態1と異なるところであり、後述するエクステントデータ部10、エクステントデータ取得部57、画面拡大縮小状態データ算出部58および目盛間隔算出部59による作用効果以外は、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0035】
この発明の実施の形態2の図形処理装置によれば、選択した図形1における固有のエクステントデータと、表示部7の画面状態を示している画面拡大縮小状態データとに基づき、目盛間隔算出部59で目盛9の間隔を算出し、図形1の移動間隔に対応できる間隔の目盛を表示部7に表示することで、図形1をさらに正確な位置に移動することができる。
【0036】
つぎに、図形1の移動処理を行なう場合における、図形処理装置の動作および図形処理方法を、図16〜図23により説明する。
図16はこの発明を実施するための実施の形態2における図形処理装置の動作を示すフローチャート図、図17(a)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第1のステップS1を示した説明図、図17(b)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図18(a)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図18(b)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第3aのステップS3aを示した説明図、図19(a)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第3bのステップS3bを示した説明図、図19(b)は図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第4のステップS4を示した説明図、図20(a)は表示画面の拡大縮小状態からの移動間隔について説明するための図であり、表示画面の拡大表示前の状態を示した説明図、図20(b)は表示画面の拡大縮小状態からの移動間隔について説明するための図であり、表示画面の拡大表示後の状態を示した説明図である。
【0037】
図21(a)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第1のステップS1を示した説明図、図21(b)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図22(a)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第2のステップS2を示した説明図、図22(b)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第3aのステップS3aを示した説明図、図23(a)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第3bのステップS3bを示した説明図、図23(b)は図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、第4のステップS4を示した説明図である。図16〜図23において、図1〜図15と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。
【0038】
まず、入力部3により、表示部7の表示画面上に表示されている図形のうち、移動処理を行ないたい図形1を選択する。この場合に、入力部3は、表示部7の表示画面上で入力部3の動きに連動する指示手段8を介して図形1を選択する(第1のステップS1、図17(a))。
つぎに、演算部5が、選択された図形1に付加されている寸法拘束データ4aを寸法拘束データ部4から読み出し、図形1に対して指示手段8の初期移動方向により、図形1の移動方向を移動方向算出部55によって算出する(第2のステップS2、図17(b)、図18(a))。
【0039】
なお、図17〜図19においては、図形1はX軸方向にのみ平行移動できる寸法拘束が付加されているため、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から右寄り(右、右上または右下)の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の正方向が図形1の移動方向となる。これに対して、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から左寄り(左、左上または左下)の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の負方向が図形1の移動方向となる。
【0040】
つぎに、演算部5が、選択された図形1に付加されているエクステントデータ10aをエクステントデータ部10から読み出し、表示制御部6からのデータ6aに基づき画面拡大縮小状態データを算出し、読み出したエクステントデータおよび算出した画面拡大縮小状態データに基づき、図形1の移動間隔に対応できる目盛間隔を算出する(第3aのステップS3a、図18(b))。なお、図18(b)においては、100立方mmのエクステント11を例示している。
【0041】
ここで、例えば、図20(a)に示すように、表示部7の表示画面上に表示された目盛9の目盛間隔d1が100mmであった場合に、目盛9を目安にして図形1を正確に移動することができるのは、100mm単位での移動に限られる。そこで、図20(b)に示すように、図形1を拡大して表示すると、拡大表示に対応して、図形1の大きさと表示画面の拡大表示状態から目盛間隔d2を10mmとすることで、目盛9を目安にして図形1を10mm単位で移動することができる。すなわち、図形1のエクステント11と表示画面の拡大縮小状態から目盛間隔を決めることで、図形1の微小な移動間隔に対応した移動処理が可能となり、図形1をさらに正確な位置に移動することができる。
つぎに、表示部7が、図形1の移動方向に沿って、算出した目盛間隔で目盛9を表示する(第3bのステップS3b、図19(a))。
最後に、入力部3が、指示手段8を介して、移動の目安となる目盛9上の所望の位置に図形1を移動する(第4のステップS4、図19(b))。
【0042】
つぎに、図21〜図23に示すように、図形1に平行移動および回転移動できる寸法拘束が付加されている場合について、図形処理装置の動作および図形処理方法を説明する。
まず、入力部3により、表示部7の表示画面上に表示されている図形のうち、移動処理を行ないたい図形1を選択する。この場合に、入力部3は、表示部7の表示画面上で入力部3の動きに連動する指示手段8を介して図形1を選択する(第1のステップS1、図21(a))。
【0043】
つぎに、演算部5が、選択された図形1に付加されている寸法拘束データ4aを寸法拘束データ部4から読み出し、図形1に対して指示手段8の初期移動方向により、図形1の移動方向を移動方向算出部55によって算出する(第2のステップS2、図21(b)、図22(a))。
【0044】
なお、図21〜図23においては、図形1はX軸方向に平行移動およびX軸に対して回転移動できる寸法拘束が付加されているため、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から上側の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸回りに負方向に回転する方向が図形1の移動方向となる。これに対して、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から下側の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸回りに正方向に回転する方向が図形1の移動方向となる。
【0045】
また、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から右側の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の正方向が図形1の移動方向となる。これに対して、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から左側の方向に指示手段8をドラッグすれば、X軸に対して平行でありX軸の負方向が図形1の移動方向となる。
【0046】
なお、指示手段8の初期移動方向を表示画面において始点から真上側、真下側、真右側または真左側に指示手段8を正確にドラッグするのは困難であるので、上側、下側、右側または左側としての領域を設定するのが好ましい。例えば、図23(a)に示すように、XZ平面において、始点で交差する二本の一点鎖線で区切った4つの領域を、図形1をX軸に対して負方向に回転移動させる第1の領域12と、図形1をX軸の負方向に平行移動させる第2の領域13と、図形1をX軸に対して正方向に回転移動させる第3の領域14と、図形1をX軸の正方向に平行移動させる第4の領域15として設定することで、図形1の平行移動方向または回転移動方向を正確に識別することができる。
【0047】
また、平行移動と回転移動とを同時に移動処理する場合には、例えば、支持手段8の初期移動方向をX軸とZ軸に分解し、始点からX軸上の分解された方向に基づき平行移動の正または負方向が決まり、始点からZ軸上の分解された方向に基づき回転移動の正または負方向が決まる。
【0048】
つぎに、演算部5が、選択された図形1に付加されているエクステントデータ10aをエクステントデータ部10から読み出し、表示制御部6からのデータ6aに基づき画面拡大縮小状態データを算出し、読み出したエクステントデータおよび算出した画面拡大縮小状態データに基づき、図形1の移動間隔に対応できる目盛間隔を算出する(第3aのステップS3a、図22(b))。
【0049】
つぎに、表示部7が、図形1の移動方向に沿って、算出した目盛間隔で目盛9を表示する(第3bのステップS3b、図23(a))。すなわち、図23(a)においては、図形1の移動方向である、X軸回りに負方向に回転する方向に沿って、角度目盛9を表示する。
【0050】
なお、平行移動と回転移動とを同時に移動処理する場合には、支持手段8の初期移動方向を分解し得られた平行移動の方向および回転移動の方向に基づき、例えば、X軸に対して平行な方向に沿って長さ目盛を表示し、X軸回りに回転する方向に沿って角度目盛を表示する。
最後に、入力部3が、指示手段8を介して、移動の目安となる目盛9上の所望の位置に図形1を移動する(第4のステップS4、図23(b))。
【0051】
以上のように、この発明の実施の形態2にかかわる図形処理装置および図形処理方法によれば、選択した図形1の移動方向を入力部3の初期移動方向により自動的に決定することができるうえ、図形1の移動方向に沿って表示された目盛9を、図形1の移動間隔に対応できる間隔で表示することにより、さらに正確な位置に図形1を移動することができる。
なお、実施の形態1および2においては、X軸を基準とした平行移動、回転移動、または平行移動および回転移動について説明したが、Y軸またはZ軸を基準とした平行移動、回転移動、または平行移動および回転移動についても同様に、図形1に移動条件に合わせた寸法拘束を付加することで、図形1に移動処理を行なうことができる。
【0052】
[付記] 上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 選択情報、操作距離情報および操作方向情報を含む信号を入力するための入力部と、複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、前記選択情報に基づき選択した図形を検出する選択図形検出部、前記操作距離情報に基づきマウスの移動量を検出するマウス移動量検出部、前記操作方向情報に基づきマウスの初期移動方向を検出するマウス初期移動方向検出部、前記選択図形検出部からの選択図形データに基づき前記寸法拘束データ部から寸法拘束データを読み出す寸法拘束データ取得部、前記寸法拘束データ取得部からの第1のデータおよび前記マウス初期移動方向検出部からの第2のデータにより前記図形の移動方向を算出する移動方向算出部、並びに前記移動方向算出部からの第3のデータに基づき前記図形の移動方向に沿って目盛を表示する目盛表示部を有する演算部と、前記演算部での演算結果を制御する表示制御部と、前記表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部とを備えた図形処理装置。
【0053】
(付記2) 複数のエクステントデータが格納されたエクステントデータ部を備えた図形処理装置において、前記演算部が、前記選択図形検出部からの選択図形データに基づき前記エクステントデータ部からエクステントデータを読み出すエクステントデータ取得部、前記表示制御部からのデータに基づき画面拡大縮小状態データを算出する画面拡大縮小状態データ算出部、並びに前記エクステントデータ取得部からの第4のデータおよび前記画面拡大縮小状態データ算出部からの第5のデータに基づき前記目盛の間隔を算出する目盛間隔算出部を有することを特徴とする付記1記載の図形処理装置。
【0054】
(付記3) 前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、が平行であることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記1または2に記載の図形処理装置。
【0055】
(付記4) 前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分と、が同一直線上にあることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記3記載の図形処理装置。
【0056】
(付記5) 前記図形および基準図形は平面または立体であり、前記寸法拘束データは、前記図形における少なくとも1つの面と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの面と、が平行であることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記1、2、3または4のいずれか1項に記載の図形処理装置。
【0057】
(付記6) 前記図形および基準図形は平面または立体であり、前記寸法拘束データは、前記図形における少なくとも1つの面と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの面と、が同一平面上にあることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記5に記載の図形処理装置。
【0058】
(付記7) 複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、前記寸法拘束データを参照して演算する演算部と、前記演算部での演算結果を制御する表示制御部と、前記表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部と、前記表示部に画面表示された図形を選択する入力部とにより、図形の状態を変化させる図形処理方法において、前記入力部が、前記表示部の表示画面上で前記入力部の動きに連動する指示手段を介して、前記図形を選択する第1のステップと、前記演算部が、選択された前記図形に付加されている寸法拘束データを前記寸法拘束データ部から読み出し、前記図形に対して前記指示手段の初期移動方向により、前記図形の移動方向を算出する第2のステップと、前記表示部が、前記図形の移動方向に沿って目盛を表示する第3のステップと、前記入力部が、前記指示手段を介して、前記図形を前記目盛上の所定の位置に移動する第4のステップとを有することを特徴とする図形処理方法。
【0059】
(付記8) 複数のエクステントデータが格納されたエクステントデータ部により、図形の状態を変化させる図形処理方法において、前記第3のステップにおける前記目盛において、前記演算部が、前記図形に付加されている前記エクステントデータを前記エクステントデータ部から読み出し、前記表示制御部からのデータに基づき画面拡大縮小状態データを算出し、読み出した前記エクステントデータおよび算出した前記画面拡大縮小状態データに基づき、目盛間隔を算出することを特徴とする付記7記載の図形処理方法。
【0060】
(付記9) 前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、が平行であることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記7または8に記載の図形処理方法。
【0061】
(付記10) 前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分と、が同一直線上にあることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記9記載の図形処理方法。
【0062】
(付記11) 前記図形および基準図形は平面または立体であり、前記寸法拘束データは、前記図形における少なくとも1つの面と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの面と、が平行であることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記7、8、9または10のいずれか1項に記載の図形処理方法。
【0063】
(付記12) 前記図形および基準図形は平面または立体であり、前記寸法拘束データは、前記図形における少なくとも1つの面と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの面と、が同一平面上にあることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする付記11に記載の図形処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図形がX軸方向に平行移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図2】図形がX軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図3】図形がX軸方向に平行移動およびX軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図4】図形がY軸方向に平行移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図5】図形がZ軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図6】図形がZ軸方向に平行移動およびZ軸回りに回転移動できる寸法拘束を説明するための説明図である。
【図7】図形が移動することができない寸法拘束を説明するための説明図である。
【図8】この発明を実施するための実施の形態1における図形処理装置のシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す図形処理装置の演算部の詳細構成を示すブロック図である。
【図10】この発明を実施するための実施の形態1における図形処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【図11】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第1のステップS1を示した説明図、(b)は第2のステップS2を示した説明図である。
【図12】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第2のステップS2を示した説明図、(b)は第3のステップS3を示した説明図である。
【図13】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、第4のステップS4を示した説明図である。
【図14】この発明を実施するための実施の形態2における図形処理装置のシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示す図形処理装置の演算部の詳細構成を示すブロック図である。
【図16】この発明を実施するための実施の形態2における図形処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【図17】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第1のステップS1を示した説明図、(b)は第2のステップS2を示した説明図である。
【図18】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第2のステップS2を示した説明図、(b)は第3aのステップS3aを示した説明図である。
【図19】図形が平行移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第3bのステップS3bを示した説明図、(b)は第4のステップS4を示した説明図である。
【図20】表示画面の拡大縮小状態からの移動間隔について説明するための図であり、(a)は表示画面の拡大表示前の状態を示した説明図、(b)は表示画面の拡大表示後の状態を示した説明図である。
【図21】図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第1のステップS1を示した説明図、(b)は第2のステップS2を示した説明図である。
【図22】図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第2のステップS2を示した説明図、(b)は第3aのステップS3aを示した説明図である。
【図23】図形が平行移動および回転移動できる場合の移動手順を示した図であり、(a)は第3bのステップS3bを示した説明図、(b)は第4のステップS4を示した説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 図形
2 基準図形
3 入力手段
3a 選択情報
3b 操作方向情報
3c 操作距離情報
4 寸法拘束データ部
4a 寸法拘束データ
5 演算部
6 表示制御部
6a データ
7 表示部
8 指示手段
9 目盛
10 エクステントデータ部
10a エクステントデータ
51 選択図形検出部
51a,51b 選択図形データ
52 マウス初期移動方向検出部
52a 第2のデータ
53 マウス移動量検出部
54 寸法拘束データ取得部
54a 第1のデータ
55 移動方向算出部
55a 第3のデータ
56 目盛表示部
57 エクステントデータ取得部
57a 第4のデータ
58 画面拡大縮小状態データ算出部
58a 第5のデータ
59 目盛間隔算出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択情報、操作距離情報および操作方向情報を含む信号を入力するための入力部と、
複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、
前記選択情報に基づき選択した図形を検出する選択図形検出部、前記操作距離情報に基づきマウスの移動量を検出するマウス移動量検出部、前記操作方向情報に基づきマウスの初期移動方向を検出するマウス初期移動方向検出部、前記選択図形検出部からの選択図形データに基づき前記寸法拘束データ部から寸法拘束データを読み出す寸法拘束データ取得部、前記寸法拘束データ取得部からの第1のデータおよび前記マウス初期移動方向検出部からの第2のデータにより前記図形の移動方向を算出する移動方向算出部、並びに前記移動方向算出部からの第3のデータに基づき前記図形の移動方向に沿って目盛を表示する目盛表示部を有する演算部と、
前記演算部での演算結果を制御する表示制御部と、
前記表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部と
を備えた図形処理装置。
【請求項2】
複数のエクステントデータが格納されたエクステントデータ部を備えた図形処理装置において、
前記演算部が、前記選択図形検出部からの選択図形データに基づき前記エクステントデータ部からエクステントデータを読み出すエクステントデータ取得部、前記表示制御部からのデータに基づき画面拡大縮小状態データを算出する画面拡大縮小状態データ算出部、並びに前記エクステントデータ取得部からの第4のデータおよび前記画面拡大縮小状態データ算出部からの第5のデータに基づき前記目盛の間隔を算出する目盛間隔算出部を有することを特徴とする請求項1項記載の図形処理装置。
【請求項3】
前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分の延在方向と、が平行であることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする請求項1または2に記載の図形処理装置。
【請求項4】
前記寸法拘束データは、選択した前記図形における少なくとも1つの線分と、前記図形以外の基準図形における少なくとも1つの線分と、が同一直線上にあることにより、前記図形の移動を拘束するデータであることを特徴とする請求項3記載の図形処理装置。
【請求項5】
複数の寸法拘束データが格納された寸法拘束データ部と、
前記寸法拘束データを参照して演算する演算部と、
前記演算部での演算結果を制御する表示制御部と、
前記表示制御部で制御されたデータに基づいて画面表示する表示部と、
前記表示部に画面表示された図形を選択する入力部と
により、図形の状態を変化させる図形処理方法において、
前記入力部が、前記表示部の表示画面上で前記入力部の動きに連動する指示手段を介して、前記図形を選択する第1のステップと、
前記演算部が、選択された前記図形に付加されている寸法拘束データを前記寸法拘束データ部から読み出し、前記図形に対して前記指示手段の初期移動方向により、前記図形の移動方向を算出する第2のステップと、
前記表示部が、前記図形の移動方向に沿って目盛を表示する第3のステップと、
前記入力部が、前記指示手段を介して、前記図形を前記目盛上の所定の位置に移動する第4のステップと
を有することを特徴とする図形処理方法。
【請求項6】
複数のエクステントデータが格納されたエクステントデータ部により、図形の状態を変化させる図形処理方法において、
前記第3のステップにおける前記目盛において、
前記演算部が、前記図形に付加されている前記エクステントデータを前記エクステントデータ部から読み出し、前記表示制御部からのデータに基づき画面拡大縮小状態データを算出し、読み出した前記エクステントデータおよび算出した前記画面拡大縮小状態データに基づき、目盛間隔を算出することを特徴とする請求項5記載の図形処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−207192(P2007−207192A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28975(P2006−28975)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】