固体撮像装置
【課題】偏光測定の高精度化を図ることができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る固体撮像装置は、上面に複数の画素が形成された撮像基板と、前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、を備える。一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する。
【解決手段】実施形態に係る固体撮像装置は、上面に複数の画素が形成された撮像基板と、前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、を備える。一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
システムコストを抑えるため、参照光を用いない距離測定方式として、視差を利用した三角測量方式がある。三角測量を行う場合、画質が悪いと、被写体間距離を測定する精度が低下する。また、色の近い被写体同士は分離が難しく算出できる被写体間距離の精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、偏光測定の高精度化を図ることができる固体撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る固体撮像装置は、上面に複数の画素が形成された撮像基板と、前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、を備える。一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示するブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
【図3】(a)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板を例示する上面図であり、(b)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板及びマイクロレンズアレイ基板を例示する斜視図である。
【図4】(a)は、第1の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)において、1つの偏光軸をもつ偏光板により偏光された光による画像を例示する図であり、(c)は、(b)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【図5】第2の実施形態において、撮像した画像から偏光情報を得る方法を例示するフローチャート図である。
【図6】(a)は、第2の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【図7】第2の実施形態における偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図8】(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図9】(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図10】第3の実施形態における画像マッピングの方法を例示するフローチャート図である。
【図11】第3の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図である。
【図12】第2及び第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示するブロック図である。
図2は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
図3(a)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板を例示する上面図であり、(b)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板及びマイクロレンズアレイ基板を例示する斜視図である。
図4(a)は、第1の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)において、1つの偏光軸をもつ偏光板により偏光された光による画像を例示する図であり、(c)は、(b)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【0008】
図1に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置1には、撮像モジュール部10と、ISP(Image Signal Processor:画像信号処理部)11とが設けられている。
撮像モジュール部10には、結像レンズ12、偏光板アレイ基板13、マイクロレンズアレイ基板14、撮像基板15及び撮像回路16が設けられている。
結像レンズ12は、被写体からの光を撮像基板15へ取り込む光学素子である。撮像基板15は、結像レンズ12により取り込まれた光を電荷に変換する素子として機能する。撮像基板15には、複数の画素が2次元アレイ状に配列されている。結像レンズ12と撮像基板15との間には、偏光板アレイ基板13及びマイクロレンズアレイ基板14が配置されている。偏光板アレイ基板13及びマイクロレンズアレイ基板14の位置関係は必ずしも図1に制限されるものではなく、順番が入れ替わっても良い。
【0009】
撮像回路16には、撮像基板15の上面にアレイ状に配置された各画素を駆動する駆動回路部と、画素から出力される信号を処理する画素信号処理回路部とが設けられている。駆動回路部には、例えば駆動させる画素を垂直方向に行単位で順次選択する垂直選択回路と、水平方向に列単位で順次選択する水平選択回路と、それらを各種パルスにて駆動するタイミングジェネレータ回路とが設けられている。画素信号処理回路部には、画素領域からのアナログ電気信号をデジタル変換するAD変換回路及びゲインを調整しアンプ動作を行うゲイン調整・アンプ回路が設けられている。
【0010】
ISP11には、カメラモジュールインターフェース17、画像取り込み部18、信号処理部19及びドライバインターフェース20が設けられている。撮像モジュール部10での撮像により得られたRAW画像は、カメラモジュールインターフェース17から画像取り込み部18へ取り込まれる。
信号処理部19は、画像取り込み部18へ取り込まれたRAW画像について、信号処理を実施する。ドライバインターフェース20は、信号処理部19での信号処理を経た画像信号を、固体撮像装置1の外部、例えば、記憶装置(図示せず)や表示ドライバ(図示せず)へ出力する。表示ドライバは、撮像モジュール部10により撮像され、ISP11で処理された画像を表示する。
【0011】
次に、固体撮像装置1における撮像モジュール部10の光学系について説明する。
図2に示すように、固体撮像装置1には、撮像基板15が設けられている。撮像基板15の上面21には、複数の画素が2次元アレイ状に配置されている。
撮像基板15の上面21側には、マイクロレンズアレイ基板14が設けられている。マイクロレンズアレイ基板14は、撮像基板15に対して平行に配置されている。マイクロレンズアレイ基板14には、複数のマイクロレンズ22がマイクロレンズアレイ基板14の上面23に平行な面内において2次元的に配置されている。マイクロレンズアレイ基板14の上面23側には、偏光板アレイ基板13が設けられている。
【0012】
偏光板アレイ基板13は、マイクロレンズアレイ基板14に対して平行に配置されている。偏光板アレイ基板13には、複数の偏光板24が偏光板アレイ基板13の上面25に平行な面内において2次元的に配置されている。偏光板アレイ基板13の上面25側には、結像レンズ12が配置されている。また、結像レンズ12を透過した光による各マイクロレンズ22の結像面28は、撮像基板15の上面21に設定されている。
【0013】
図3(a)に示すように、偏光板アレイ基板13を面に対して垂直方向から見ると、各偏光板24は、マトリックス状に配置されている。各偏光板24には偏光軸が設けられている。以下、偏光板アレイ基板13を説明するために、XY直交座標系を採用する。このXY直交座標系においては、図面の上方を+Y方向、その逆方向を−Y方向とする。「+Y方向」及び「−Y方向」を総称して「Y方向」ともいう。+Y方向から時計の針が回転する方向に90度回転した方向を+X方向、その逆方向を−X方向とする。「+X方向」及び「−X方向」を総称して「X方向」ともいう。
【0014】
1つの偏光板24aの偏光軸の方向29は、Y方向とされている。この方向29の角度を「0度」とする。偏光板24aの+X方向に隣接する偏光板24bの偏光軸の方向30は、0度の方向29から、時計の針の回転する方向に45度傾けた方向とされている。この方向30の角度を「45度」とする。偏光板24aの−Y方向に隣接する偏光板24cの偏光軸の方向31は、0度の方向29に直交する方向とされている。この方向31の角度を「90度」とする。偏光板24cの+X方向に隣接する偏光板24dの偏光軸の方向32は、方向30に直交する方向とされている。この方向32の角度を「135度」とする。偏光軸の方向を、「偏光軸角度」ともいう。
図3(b)に示すように、各偏光板24は、各マイクロレンズ22上に対応づけられて配置されている。これにより、各偏光板24を透過した偏光光は、対応づけられた各マイクロレンズ22を透過する。
【0015】
次に、本実施形態に係る固体撮像装置1の動作について説明する。
図2に示すように、被写体33からの光は、結像レンズ12を透過することによって一旦集光し、結像面28の背後に配置された偏光板アレイ基板13に入射する。偏光板アレイ基板13に入射した光は、偏光板24a、偏光板24b、偏光板24c及び偏光板24dによってそれぞれ偏光し、各偏光板24に対応づけられた各マイクロレンズ22に入射する。そして、各マイクロレンズ22に入射した光は、それぞれのマイクロレンズ22を透過することによってマイクロレンズ22ごとに集光し、撮像基板15の上面21において、マイクロレンズ22毎に結像する。マイクロレンズ22毎に結像させた画像をマイクロレンズ像34という。
【0016】
図4(a)に示すように、偏光軸が0度、45度、90度及び135度の偏光板24a、偏光板24b、偏光板24c及び偏光板24dによって偏光させた光を、各偏光板24に対応づけたマイクロレンズ22によって結像させたマイクロレンズ像34a、マイクロレンズ像34b、マイクロレンズ像34c及びマイクロレンズ像34dは、撮像基板15の上面21にマトリックス状に配置される。
被写体「A」の像は、複数のマイクロレンズ22によって集光され結像されている。この像は、撮像回路16によって電気信号に変換されて、ISP11に対して出力される。ISP11においては、この電気信号がカメラモジュールインターフェース17を介して画像取り込み部18に蓄積される。そして、信号処理部19が、各マイクロレンズ22によって結像された像のうち、偏光軸が同じ方向のマイクロレンズ像34を拡大して合成することにより、特定の偏光軸による2次元画像を取得する。この2次元画像を、必要に応じてドライバインターフェース20を介して外部に出力する。
【0017】
図4(b)に示すように、0度の偏光軸のマイクロレンズ像34aを取り出すと、各マイクロレンズ像34aには、被写体「A」において重複して撮像されている部分がある。そして、各マイクロレンズ像34aにおける重複している部分を重ね合わせるように合成する。
このようにして、図4(c)に示すように、0度の偏光軸をもつ複数のマイクロレンズ像34aが合成された2次元画像を得る。さらに、45度の偏光軸、90度の偏光軸、135度の偏光軸の各マイクロレンズ像34の2次元画像を構成する。
【0018】
次に、本実施形態の効果について説明する。
偏光板の偏光軸毎に合成された2次元画像を得ることができる。このような画像を用いて、例えば窓ガラスの反射光など偏光軸に依存性を持つ光を除去可能であるので、特に、防犯カメラにおける視認性を高めることができる。
また、偏光主軸を例えばカラーコンター等で二次元画像に可視化すると、被写体の表面の凹凸を被写体の色に関係なく際立たせる。よって、物品の検査において、表面にキズのある物品を見落とすことが少ない画像を提供することができる。
【0019】
さらに、偏光板を機械的に回転させるような方式ではなく、偏光軸が相互に異なる複数の種類の偏光板をマトリクス状に配列させた偏光板アレイ基板を用いているため、偏光板を回転させる機構が不要であり、固体撮像装置を小型化できる。可動部分も少なく金属疲労による故障を防ぐことができる。
なお、本実施形態において、偏光板アレイ基板13をマイクロレンズアレイ基板14上に配置したが、マイクロレンズアレイ基板14の下に配置してもよい。また、偏光板アレイ基板13における偏光板の偏光軸は、0度、45度、90度及び135度の4方向に限らない。さらに、偏光板アレイ基板13とマイクロレンズアレイ基板14とは必ずしも同一基板に形成されている必要はなく、それぞれ分離していてもよい。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、固体撮像装置1で撮像した画像から偏光主軸を得る方法及び偏光主軸の2次元画像を得る方法についてのものである。
図5は、第2の実施形態において、撮像した画像から偏光主軸を得る方法を例示するフローチャート図である。
図6(a)は、第2の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
図7は、第2の実施形態における偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
本実施形態における構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0021】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図5のステップS10に示すように、先ず、偏光主軸を得るための再構成用の画像を撮像する。次に、ステップS11に示すように、マイクロレンズ像34の輝度補正を行う。
そして、図6(a)及び図5のステップS12に示すように、一定の範囲35のマイクロレンズ像34を抜き出す。
【0022】
その後、図6(b)及び図5のステップS13に示すように、マイクロレンズ像34の中心位置の並び替えを行う。すなわち、マイクロレンズアレイ基板14、撮像基板15の取り付け誤差や結像レンズ12に起因する像歪みを補正する。次に、ステップS14に示すように、マイクロレンズ像34の撮像基板15の上面21における画素の位置の補正を行う。そして、ステップS15に示すように、マイクロレンズ像34の拡大処理を行う。その後、ステップS16に示すように、画素毎にマイクロレンズ像34の重なりがあるか判断する。マイクロレンズ像34の重なりがない場合は、ステップS16に示すように、処理が終了される。
【0023】
マイクロレンズ像34の重なりがある場合には、ステップ17に示すように、各画素における偏光軸のフィッティングを行う。マイクロレンズ像34a、マイクロレンズ像34b、マイクロレンズ像34c及びマイクロレンズ像34dの4つの画像34がオーバーラップする領域内の画素Pには、被写体の同一点が複数のマイクロレンズ22によって結像されている。これは、結像レンズ12を透過した光がマイクロレンズアレイ基板14における複数のマイクロレンズ22にそれぞれ入射して、マイクロレンズ22毎に撮像基板15の上面21に結像する際、各マイクロレンズ14の配置された位置の違いに起因して、各マイクロレンズ22の相互間に視差が生じるが、視差の違いは微少なので、被写体33の像は、微少にズレながら、複数のマイクロレンズ像34に現れるためである。
【0024】
図7に示すように、画素Pに重複するマイクロレンズ像34の偏光軸がそれぞれ0度の方向29、45度の方向30、90度の方向31及び135度の方向32であるので、偏光板24の偏光軸の角度θとそのときの光強度Iの関係をプロットし、このプロットに対するフィッティングにより偏光カーブを求める。フィッティングは、正弦関数I=α+βsin(2θ+γ)を用いる。ここで、3つの偏光軸の角度θとそのときの光強度の関係を上記正弦関数に代入することにより、値α、値β及び値γを求めることができる。
その後、求めた正弦関数により、最も光強度が大きい偏光軸角度θ1、すなわち偏光主軸θ1を求める。このようにして、固体撮像装置1により撮像した画像から、偏光主軸を求めることができる。
【0025】
さらに続けて、マイクロレンズ像34がオーバーラップしている全ての画素で偏光主軸を求める。そして、ステップS18に示すように、得られた偏光主軸を、例えば、カラーコンターにより表示する。これにより、偏光主軸の2次元画像を得ることができる。
そして、ステップS19に示すように、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がない場合は終了する。被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がある場合は、ステップS20に進む。ステップ20については、後述する。
【0026】
次に、本実施形態の効果について説明する。
偏光主軸の2次元画像を得ることができる。このような画像も、被写体の表面の凹凸を被写体の色に関係なく際立たせる。よって、物品の検査において、表面にキズのある物品を見落とすことが少ない高画質な画像を提供することができる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0027】
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。
図8(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
図9(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【0028】
図8(a)に示すように、本変形例においては、0度の方向29の偏光軸の他、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度及び160度の偏光軸をもつ偏光板24が設けられている。
そして、図8(b)に示すように、被写体「A」が、0度、40度、80度及び120度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応づけられた各マイクロレンズ22によって結像されている。
その後、前述の第2の実施形態と同様に、正弦関数にフィッティングすることにより、偏光主軸を求めることができる。
【0029】
次に、図9(a)〜(c)に示すように、結像レンズ12とマイクロレンズアレイ基板15との間の距離及びマイクロレンズアレイ基板14と撮像基板15との間の距離のうち少なくともいずれかの距離を、移動部36(図2参照)により変化させて、マイクロレンズ像34の結像倍率を拡大させる。これにより、被写体「A」が、0度、40度、80度及び120度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応付けられたマイクロレンズ22に加えて、20度、60度、100度、140度、160度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応付けられたマイクロレンズ22によっても結像される。
その後、前述の第2の実施形態と同様に、正弦関数にフィッティングすることにより、偏光主軸を求める。
【0030】
次に、本変形例の効果について説明する。
本変形例によれば、多数のマイクロレンズ22に被写体33が写るよう調節することができる。よって、多数のデータを用いてフィッティングをすることができるため、偏光主軸の決定をより高精度に行うことができる。これにより、偏光主軸による2次元画像を高画質化することができる。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を得る方法についてのものである。
図10は、第3の実施形態における画像マッチングの方法を例示するフローチャート図である。
図11は、第3の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図である。
【0032】
前述の図2に示すように、結像レンズ12と被写体33との間の距離を距離Aとし、結像レンズ12と結像面27との間の距離を距離Bとし、結像レンズ12の結像面27とマイクロレンズアレイ基板14との間の距離を距離Cとし、マイクロレンズアレイ基板14と撮像基板15との間の距離を距離Dとし、結像レンズ12とマイクロレンズアレイ基板14との間の距離を距離Eとする。また、結像レンズ12の焦点距離を距離fとし、マイクロレンズ22の焦点距離を距離gとする。
【0033】
結合レンズ12と被写体33との間の距離Aが変化すると、下記数式(1)に示すレンズの式から距離Bの値が変化する。
【数1】
【0034】
図2に示すように、光学系の位置関係から、距離B+距離C=距離Eであるため、距離Bの変化に伴って距離Cの値も変化する。マイクロレンズ22における下記数式(2)に示すレンズの式より、距離Cの値の変化に伴って、距離Dの値も変化する。
【数2】
【0035】
この結果、各マイクロレンズ22を通って結像する像は、結像レンズ12の仮想イメージである結像面27を、縮小倍率M倍に縮小した像となる。ここで、縮小倍率Mは、距離D/距離Cであり、式で表すと下記数式(3)で表される。
【数3】
【0036】
この様に、結合レンズ12と被写体33との間の距離Aが変化すると、それに伴って距離B、距離C、距離Dの値も変化する。したがって、マイクロレンズ22像の縮小倍率Mも変化する。
上記数式(3)を距離Aについて整理すると、下記数式(4)が得られる。
【数4】
したがって、距離D、距離E、距離fの値が既知であるので、マイクロレンズ22による像の縮小倍率Mを算出すれば、上記数式(4)から距離Aの値を導くことが可能である。
【0037】
縮小倍率Mは光の幾何的関係からマイクロレンズ22間の像ずれ量をずれΔ、マイクロレンズ間の中心間距離を距離Lとおくと、下記数式(5)で表すことができる。
【数5】
したがって、縮小倍率Mを求めるためには画像マッチングによるマイクロレンズ22間のずれ量をもとめればよい。これにより、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を求めることができる。
【0038】
次に、画像マッチングの方法について説明する。
前述の図5のステップS19に示すように、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がある場合には、ステップ20に示すように、偏光画像マッチングに進む。
図10のステップS31に示すように、異なる偏光軸の画像を比較することによるミスマッチングを防止するため、マイクロレンズ22間の画像マッチングでは偏光軸が等しいマイクロレンズ像34同士を比較する。
【0039】
次に、ステップS32に示すように、画像マッチングによりマイクロレンズ像34のズレを計算する。
図11に示すように、偏光軸が0度のマイクロレンズ像34a同士のズレ量を測定する。同じ偏光軸の偏光イメージ同士であればSADまたはSSDといった画像マッチング評価値を用いてマッチング位置を求める事が可能である。これにより、マイクロレンズ22間の像ずれ量を求めることができる。
そして、図10のステップS33に示すように、上記数式(5)の値を上記数式(4)に代入して、被写体33と固体撮像装置間1との間の距離を求めることができる。
【0040】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、同じ偏光軸のマイクロレンズ像34を画像マッチングに用いているので、一般的な画像マッチングの手法を用いて距離情報を算出することができる。また、前述した通りマイクロレンズ像の重なりを利用して各マイクロレンズ像ごとに偏向主軸プロットの二次元画像を作成して画像マッチングを適用することにより、偏光情報を用いてズレ量を求める事が出来る。この場合、可視光画像では困難な被写体と背景が同色の場合や被写体に出来たキズなどについても画像マッチングが可能であり、距離精度が向上する。 単一の結像レンズ12及び単一の撮像素子15によって、距離の測定をすることができるので、複数の結像レンズ12及び複数の撮像素子15を用いるものと比べて、装置を小型化することができる。
【0041】
(第2及び第3の実施形態の変形例)
図12は、第2及び第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置2を例示する光学モデル図である。
図12に示すように、本変形例に係る固体撮像装置2においては、結像レンズ12の結像面27が撮像基板15の背後に配置されている。すなわち、距離E+距離C=距離Bである。この場合、マイクロレンズに関するレンズの式は下記数式(6)で表される。
【数6】
したがって、この場合には、距離Aと縮小倍率Mの関係は、下記数式(7)で表すことができる。
【数7】
本変形例における上記以外の構成及び動作は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0042】
次に、本実施形態の効果について説明する。
結像面35を結像レンズ16に近い結像面36まで近づけることができる。この結果、固体撮像装置2を小型化することができる。本変形例における上記以外の効果は、前述の第2及び第3の実施形態と同様である。
【0043】
以上説明した実施形態によれば、偏光測定の高精度化を図ることができる固体撮像装置を提供することができる。
【0044】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
1、2:固体撮像装置、10:撮像モジュール部、11:ISP、12:結像レンズ、13:偏光板アレイ基板、14:マイクロレンズアレイ基板、15:撮像基板、16:撮像回路、17:カメラモジュールインターフェース、18:画像取り込み部、19:信号処理部、20:ドライバインターフェース、21:上面、22:マイクロレンズ、23:上面、24:偏光板、24a:偏光板、24b:偏光板、24c:偏光板、24d:偏光板、25:上面、26:光軸、27:結像面、28:結像面、29:方向、30:方向、31:方向、32:方向、33:被写体、34:マイクロレンズ像、34a:マイクロレンズ像、34b:マイクロレンズ像、34c:マイクロレンズ像、34d:マイクロレンズ像、35:範囲、36:移動部、A:距離、B:距離、C:距離、D:距離、E:距離、f:距離、g:距離、L:距離、M:縮小倍率、α:値、β:値、γ:値、θ1:偏光主軸
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
システムコストを抑えるため、参照光を用いない距離測定方式として、視差を利用した三角測量方式がある。三角測量を行う場合、画質が悪いと、被写体間距離を測定する精度が低下する。また、色の近い被写体同士は分離が難しく算出できる被写体間距離の精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、偏光測定の高精度化を図ることができる固体撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る固体撮像装置は、上面に複数の画素が形成された撮像基板と、前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、を備える。一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示するブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
【図3】(a)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板を例示する上面図であり、(b)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板及びマイクロレンズアレイ基板を例示する斜視図である。
【図4】(a)は、第1の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)において、1つの偏光軸をもつ偏光板により偏光された光による画像を例示する図であり、(c)は、(b)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【図5】第2の実施形態において、撮像した画像から偏光情報を得る方法を例示するフローチャート図である。
【図6】(a)は、第2の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【図7】第2の実施形態における偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図8】(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図9】(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【図10】第3の実施形態における画像マッピングの方法を例示するフローチャート図である。
【図11】第3の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図である。
【図12】第2及び第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示するブロック図である。
図2は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を例示する光学モデル図である。
図3(a)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板を例示する上面図であり、(b)は、第1の実施形態における偏光板アレイ基板及びマイクロレンズアレイ基板を例示する斜視図である。
図4(a)は、第1の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)において、1つの偏光軸をもつ偏光板により偏光された光による画像を例示する図であり、(c)は、(b)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
【0008】
図1に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置1には、撮像モジュール部10と、ISP(Image Signal Processor:画像信号処理部)11とが設けられている。
撮像モジュール部10には、結像レンズ12、偏光板アレイ基板13、マイクロレンズアレイ基板14、撮像基板15及び撮像回路16が設けられている。
結像レンズ12は、被写体からの光を撮像基板15へ取り込む光学素子である。撮像基板15は、結像レンズ12により取り込まれた光を電荷に変換する素子として機能する。撮像基板15には、複数の画素が2次元アレイ状に配列されている。結像レンズ12と撮像基板15との間には、偏光板アレイ基板13及びマイクロレンズアレイ基板14が配置されている。偏光板アレイ基板13及びマイクロレンズアレイ基板14の位置関係は必ずしも図1に制限されるものではなく、順番が入れ替わっても良い。
【0009】
撮像回路16には、撮像基板15の上面にアレイ状に配置された各画素を駆動する駆動回路部と、画素から出力される信号を処理する画素信号処理回路部とが設けられている。駆動回路部には、例えば駆動させる画素を垂直方向に行単位で順次選択する垂直選択回路と、水平方向に列単位で順次選択する水平選択回路と、それらを各種パルスにて駆動するタイミングジェネレータ回路とが設けられている。画素信号処理回路部には、画素領域からのアナログ電気信号をデジタル変換するAD変換回路及びゲインを調整しアンプ動作を行うゲイン調整・アンプ回路が設けられている。
【0010】
ISP11には、カメラモジュールインターフェース17、画像取り込み部18、信号処理部19及びドライバインターフェース20が設けられている。撮像モジュール部10での撮像により得られたRAW画像は、カメラモジュールインターフェース17から画像取り込み部18へ取り込まれる。
信号処理部19は、画像取り込み部18へ取り込まれたRAW画像について、信号処理を実施する。ドライバインターフェース20は、信号処理部19での信号処理を経た画像信号を、固体撮像装置1の外部、例えば、記憶装置(図示せず)や表示ドライバ(図示せず)へ出力する。表示ドライバは、撮像モジュール部10により撮像され、ISP11で処理された画像を表示する。
【0011】
次に、固体撮像装置1における撮像モジュール部10の光学系について説明する。
図2に示すように、固体撮像装置1には、撮像基板15が設けられている。撮像基板15の上面21には、複数の画素が2次元アレイ状に配置されている。
撮像基板15の上面21側には、マイクロレンズアレイ基板14が設けられている。マイクロレンズアレイ基板14は、撮像基板15に対して平行に配置されている。マイクロレンズアレイ基板14には、複数のマイクロレンズ22がマイクロレンズアレイ基板14の上面23に平行な面内において2次元的に配置されている。マイクロレンズアレイ基板14の上面23側には、偏光板アレイ基板13が設けられている。
【0012】
偏光板アレイ基板13は、マイクロレンズアレイ基板14に対して平行に配置されている。偏光板アレイ基板13には、複数の偏光板24が偏光板アレイ基板13の上面25に平行な面内において2次元的に配置されている。偏光板アレイ基板13の上面25側には、結像レンズ12が配置されている。また、結像レンズ12を透過した光による各マイクロレンズ22の結像面28は、撮像基板15の上面21に設定されている。
【0013】
図3(a)に示すように、偏光板アレイ基板13を面に対して垂直方向から見ると、各偏光板24は、マトリックス状に配置されている。各偏光板24には偏光軸が設けられている。以下、偏光板アレイ基板13を説明するために、XY直交座標系を採用する。このXY直交座標系においては、図面の上方を+Y方向、その逆方向を−Y方向とする。「+Y方向」及び「−Y方向」を総称して「Y方向」ともいう。+Y方向から時計の針が回転する方向に90度回転した方向を+X方向、その逆方向を−X方向とする。「+X方向」及び「−X方向」を総称して「X方向」ともいう。
【0014】
1つの偏光板24aの偏光軸の方向29は、Y方向とされている。この方向29の角度を「0度」とする。偏光板24aの+X方向に隣接する偏光板24bの偏光軸の方向30は、0度の方向29から、時計の針の回転する方向に45度傾けた方向とされている。この方向30の角度を「45度」とする。偏光板24aの−Y方向に隣接する偏光板24cの偏光軸の方向31は、0度の方向29に直交する方向とされている。この方向31の角度を「90度」とする。偏光板24cの+X方向に隣接する偏光板24dの偏光軸の方向32は、方向30に直交する方向とされている。この方向32の角度を「135度」とする。偏光軸の方向を、「偏光軸角度」ともいう。
図3(b)に示すように、各偏光板24は、各マイクロレンズ22上に対応づけられて配置されている。これにより、各偏光板24を透過した偏光光は、対応づけられた各マイクロレンズ22を透過する。
【0015】
次に、本実施形態に係る固体撮像装置1の動作について説明する。
図2に示すように、被写体33からの光は、結像レンズ12を透過することによって一旦集光し、結像面28の背後に配置された偏光板アレイ基板13に入射する。偏光板アレイ基板13に入射した光は、偏光板24a、偏光板24b、偏光板24c及び偏光板24dによってそれぞれ偏光し、各偏光板24に対応づけられた各マイクロレンズ22に入射する。そして、各マイクロレンズ22に入射した光は、それぞれのマイクロレンズ22を透過することによってマイクロレンズ22ごとに集光し、撮像基板15の上面21において、マイクロレンズ22毎に結像する。マイクロレンズ22毎に結像させた画像をマイクロレンズ像34という。
【0016】
図4(a)に示すように、偏光軸が0度、45度、90度及び135度の偏光板24a、偏光板24b、偏光板24c及び偏光板24dによって偏光させた光を、各偏光板24に対応づけたマイクロレンズ22によって結像させたマイクロレンズ像34a、マイクロレンズ像34b、マイクロレンズ像34c及びマイクロレンズ像34dは、撮像基板15の上面21にマトリックス状に配置される。
被写体「A」の像は、複数のマイクロレンズ22によって集光され結像されている。この像は、撮像回路16によって電気信号に変換されて、ISP11に対して出力される。ISP11においては、この電気信号がカメラモジュールインターフェース17を介して画像取り込み部18に蓄積される。そして、信号処理部19が、各マイクロレンズ22によって結像された像のうち、偏光軸が同じ方向のマイクロレンズ像34を拡大して合成することにより、特定の偏光軸による2次元画像を取得する。この2次元画像を、必要に応じてドライバインターフェース20を介して外部に出力する。
【0017】
図4(b)に示すように、0度の偏光軸のマイクロレンズ像34aを取り出すと、各マイクロレンズ像34aには、被写体「A」において重複して撮像されている部分がある。そして、各マイクロレンズ像34aにおける重複している部分を重ね合わせるように合成する。
このようにして、図4(c)に示すように、0度の偏光軸をもつ複数のマイクロレンズ像34aが合成された2次元画像を得る。さらに、45度の偏光軸、90度の偏光軸、135度の偏光軸の各マイクロレンズ像34の2次元画像を構成する。
【0018】
次に、本実施形態の効果について説明する。
偏光板の偏光軸毎に合成された2次元画像を得ることができる。このような画像を用いて、例えば窓ガラスの反射光など偏光軸に依存性を持つ光を除去可能であるので、特に、防犯カメラにおける視認性を高めることができる。
また、偏光主軸を例えばカラーコンター等で二次元画像に可視化すると、被写体の表面の凹凸を被写体の色に関係なく際立たせる。よって、物品の検査において、表面にキズのある物品を見落とすことが少ない画像を提供することができる。
【0019】
さらに、偏光板を機械的に回転させるような方式ではなく、偏光軸が相互に異なる複数の種類の偏光板をマトリクス状に配列させた偏光板アレイ基板を用いているため、偏光板を回転させる機構が不要であり、固体撮像装置を小型化できる。可動部分も少なく金属疲労による故障を防ぐことができる。
なお、本実施形態において、偏光板アレイ基板13をマイクロレンズアレイ基板14上に配置したが、マイクロレンズアレイ基板14の下に配置してもよい。また、偏光板アレイ基板13における偏光板の偏光軸は、0度、45度、90度及び135度の4方向に限らない。さらに、偏光板アレイ基板13とマイクロレンズアレイ基板14とは必ずしも同一基板に形成されている必要はなく、それぞれ分離していてもよい。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、固体撮像装置1で撮像した画像から偏光主軸を得る方法及び偏光主軸の2次元画像を得る方法についてのものである。
図5は、第2の実施形態において、撮像した画像から偏光主軸を得る方法を例示するフローチャート図である。
図6(a)は、第2の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(b)は、(a)の画像を画像処理して得られた2次元画像を例示する図である。
図7は、第2の実施形態における偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
本実施形態における構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0021】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図5のステップS10に示すように、先ず、偏光主軸を得るための再構成用の画像を撮像する。次に、ステップS11に示すように、マイクロレンズ像34の輝度補正を行う。
そして、図6(a)及び図5のステップS12に示すように、一定の範囲35のマイクロレンズ像34を抜き出す。
【0022】
その後、図6(b)及び図5のステップS13に示すように、マイクロレンズ像34の中心位置の並び替えを行う。すなわち、マイクロレンズアレイ基板14、撮像基板15の取り付け誤差や結像レンズ12に起因する像歪みを補正する。次に、ステップS14に示すように、マイクロレンズ像34の撮像基板15の上面21における画素の位置の補正を行う。そして、ステップS15に示すように、マイクロレンズ像34の拡大処理を行う。その後、ステップS16に示すように、画素毎にマイクロレンズ像34の重なりがあるか判断する。マイクロレンズ像34の重なりがない場合は、ステップS16に示すように、処理が終了される。
【0023】
マイクロレンズ像34の重なりがある場合には、ステップ17に示すように、各画素における偏光軸のフィッティングを行う。マイクロレンズ像34a、マイクロレンズ像34b、マイクロレンズ像34c及びマイクロレンズ像34dの4つの画像34がオーバーラップする領域内の画素Pには、被写体の同一点が複数のマイクロレンズ22によって結像されている。これは、結像レンズ12を透過した光がマイクロレンズアレイ基板14における複数のマイクロレンズ22にそれぞれ入射して、マイクロレンズ22毎に撮像基板15の上面21に結像する際、各マイクロレンズ14の配置された位置の違いに起因して、各マイクロレンズ22の相互間に視差が生じるが、視差の違いは微少なので、被写体33の像は、微少にズレながら、複数のマイクロレンズ像34に現れるためである。
【0024】
図7に示すように、画素Pに重複するマイクロレンズ像34の偏光軸がそれぞれ0度の方向29、45度の方向30、90度の方向31及び135度の方向32であるので、偏光板24の偏光軸の角度θとそのときの光強度Iの関係をプロットし、このプロットに対するフィッティングにより偏光カーブを求める。フィッティングは、正弦関数I=α+βsin(2θ+γ)を用いる。ここで、3つの偏光軸の角度θとそのときの光強度の関係を上記正弦関数に代入することにより、値α、値β及び値γを求めることができる。
その後、求めた正弦関数により、最も光強度が大きい偏光軸角度θ1、すなわち偏光主軸θ1を求める。このようにして、固体撮像装置1により撮像した画像から、偏光主軸を求めることができる。
【0025】
さらに続けて、マイクロレンズ像34がオーバーラップしている全ての画素で偏光主軸を求める。そして、ステップS18に示すように、得られた偏光主軸を、例えば、カラーコンターにより表示する。これにより、偏光主軸の2次元画像を得ることができる。
そして、ステップS19に示すように、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がない場合は終了する。被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がある場合は、ステップS20に進む。ステップ20については、後述する。
【0026】
次に、本実施形態の効果について説明する。
偏光主軸の2次元画像を得ることができる。このような画像も、被写体の表面の凹凸を被写体の色に関係なく際立たせる。よって、物品の検査において、表面にキズのある物品を見落とすことが少ない高画質な画像を提供することができる。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0027】
(第2の実施形態の変形例)
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。
図8(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
図9(a)は、第2の実施形態の変形例における偏光板アレイ基板を例示する図であり、(b)は、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図であり、(c)は、偏光板の偏光軸と被写体の光強度の関係を例示するグラフ図であり、横軸は偏光軸の角度を示し、縦軸は光強度を示す。
【0028】
図8(a)に示すように、本変形例においては、0度の方向29の偏光軸の他、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度及び160度の偏光軸をもつ偏光板24が設けられている。
そして、図8(b)に示すように、被写体「A」が、0度、40度、80度及び120度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応づけられた各マイクロレンズ22によって結像されている。
その後、前述の第2の実施形態と同様に、正弦関数にフィッティングすることにより、偏光主軸を求めることができる。
【0029】
次に、図9(a)〜(c)に示すように、結像レンズ12とマイクロレンズアレイ基板15との間の距離及びマイクロレンズアレイ基板14と撮像基板15との間の距離のうち少なくともいずれかの距離を、移動部36(図2参照)により変化させて、マイクロレンズ像34の結像倍率を拡大させる。これにより、被写体「A」が、0度、40度、80度及び120度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応付けられたマイクロレンズ22に加えて、20度、60度、100度、140度、160度の方向の偏光軸をもつ偏光板24に対応付けられたマイクロレンズ22によっても結像される。
その後、前述の第2の実施形態と同様に、正弦関数にフィッティングすることにより、偏光主軸を求める。
【0030】
次に、本変形例の効果について説明する。
本変形例によれば、多数のマイクロレンズ22に被写体33が写るよう調節することができる。よって、多数のデータを用いてフィッティングをすることができるため、偏光主軸の決定をより高精度に行うことができる。これにより、偏光主軸による2次元画像を高画質化することができる。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を得る方法についてのものである。
図10は、第3の実施形態における画像マッチングの方法を例示するフローチャート図である。
図11は、第3の実施形態において、マイクロレンズ毎に結像された画像を例示する図である。
【0032】
前述の図2に示すように、結像レンズ12と被写体33との間の距離を距離Aとし、結像レンズ12と結像面27との間の距離を距離Bとし、結像レンズ12の結像面27とマイクロレンズアレイ基板14との間の距離を距離Cとし、マイクロレンズアレイ基板14と撮像基板15との間の距離を距離Dとし、結像レンズ12とマイクロレンズアレイ基板14との間の距離を距離Eとする。また、結像レンズ12の焦点距離を距離fとし、マイクロレンズ22の焦点距離を距離gとする。
【0033】
結合レンズ12と被写体33との間の距離Aが変化すると、下記数式(1)に示すレンズの式から距離Bの値が変化する。
【数1】
【0034】
図2に示すように、光学系の位置関係から、距離B+距離C=距離Eであるため、距離Bの変化に伴って距離Cの値も変化する。マイクロレンズ22における下記数式(2)に示すレンズの式より、距離Cの値の変化に伴って、距離Dの値も変化する。
【数2】
【0035】
この結果、各マイクロレンズ22を通って結像する像は、結像レンズ12の仮想イメージである結像面27を、縮小倍率M倍に縮小した像となる。ここで、縮小倍率Mは、距離D/距離Cであり、式で表すと下記数式(3)で表される。
【数3】
【0036】
この様に、結合レンズ12と被写体33との間の距離Aが変化すると、それに伴って距離B、距離C、距離Dの値も変化する。したがって、マイクロレンズ22像の縮小倍率Mも変化する。
上記数式(3)を距離Aについて整理すると、下記数式(4)が得られる。
【数4】
したがって、距離D、距離E、距離fの値が既知であるので、マイクロレンズ22による像の縮小倍率Mを算出すれば、上記数式(4)から距離Aの値を導くことが可能である。
【0037】
縮小倍率Mは光の幾何的関係からマイクロレンズ22間の像ずれ量をずれΔ、マイクロレンズ間の中心間距離を距離Lとおくと、下記数式(5)で表すことができる。
【数5】
したがって、縮小倍率Mを求めるためには画像マッチングによるマイクロレンズ22間のずれ量をもとめればよい。これにより、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を求めることができる。
【0038】
次に、画像マッチングの方法について説明する。
前述の図5のステップS19に示すように、被写体33と固体撮像装置1との間の距離を計算する処理がある場合には、ステップ20に示すように、偏光画像マッチングに進む。
図10のステップS31に示すように、異なる偏光軸の画像を比較することによるミスマッチングを防止するため、マイクロレンズ22間の画像マッチングでは偏光軸が等しいマイクロレンズ像34同士を比較する。
【0039】
次に、ステップS32に示すように、画像マッチングによりマイクロレンズ像34のズレを計算する。
図11に示すように、偏光軸が0度のマイクロレンズ像34a同士のズレ量を測定する。同じ偏光軸の偏光イメージ同士であればSADまたはSSDといった画像マッチング評価値を用いてマッチング位置を求める事が可能である。これにより、マイクロレンズ22間の像ずれ量を求めることができる。
そして、図10のステップS33に示すように、上記数式(5)の値を上記数式(4)に代入して、被写体33と固体撮像装置間1との間の距離を求めることができる。
【0040】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、同じ偏光軸のマイクロレンズ像34を画像マッチングに用いているので、一般的な画像マッチングの手法を用いて距離情報を算出することができる。また、前述した通りマイクロレンズ像の重なりを利用して各マイクロレンズ像ごとに偏向主軸プロットの二次元画像を作成して画像マッチングを適用することにより、偏光情報を用いてズレ量を求める事が出来る。この場合、可視光画像では困難な被写体と背景が同色の場合や被写体に出来たキズなどについても画像マッチングが可能であり、距離精度が向上する。 単一の結像レンズ12及び単一の撮像素子15によって、距離の測定をすることができるので、複数の結像レンズ12及び複数の撮像素子15を用いるものと比べて、装置を小型化することができる。
【0041】
(第2及び第3の実施形態の変形例)
図12は、第2及び第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置2を例示する光学モデル図である。
図12に示すように、本変形例に係る固体撮像装置2においては、結像レンズ12の結像面27が撮像基板15の背後に配置されている。すなわち、距離E+距離C=距離Bである。この場合、マイクロレンズに関するレンズの式は下記数式(6)で表される。
【数6】
したがって、この場合には、距離Aと縮小倍率Mの関係は、下記数式(7)で表すことができる。
【数7】
本変形例における上記以外の構成及び動作は、前述の第3の実施形態と同様である。
【0042】
次に、本実施形態の効果について説明する。
結像面35を結像レンズ16に近い結像面36まで近づけることができる。この結果、固体撮像装置2を小型化することができる。本変形例における上記以外の効果は、前述の第2及び第3の実施形態と同様である。
【0043】
以上説明した実施形態によれば、偏光測定の高精度化を図ることができる固体撮像装置を提供することができる。
【0044】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
1、2:固体撮像装置、10:撮像モジュール部、11:ISP、12:結像レンズ、13:偏光板アレイ基板、14:マイクロレンズアレイ基板、15:撮像基板、16:撮像回路、17:カメラモジュールインターフェース、18:画像取り込み部、19:信号処理部、20:ドライバインターフェース、21:上面、22:マイクロレンズ、23:上面、24:偏光板、24a:偏光板、24b:偏光板、24c:偏光板、24d:偏光板、25:上面、26:光軸、27:結像面、28:結像面、29:方向、30:方向、31:方向、32:方向、33:被写体、34:マイクロレンズ像、34a:マイクロレンズ像、34b:マイクロレンズ像、34c:マイクロレンズ像、34d:マイクロレンズ像、35:範囲、36:移動部、A:距離、B:距離、C:距離、D:距離、E:距離、f:距離、g:距離、L:距離、M:縮小倍率、α:値、β:値、γ:値、θ1:偏光主軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に複数の画素が形成された撮像基板と、
前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、
前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、
前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、
を備え、
一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する固体撮像装置。
【請求項2】
前記マイクロレンズによって結像された複数の像のうち、偏光軸の方向が相互に同じである複数の前記偏光板で偏光された光による複数の像を合成して2次元画像を得る請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記マイクロレンズによって結像された複数の像のうち、偏光軸が相互に異なる複数の前記偏光板で偏光された光による複数の像を重ね合わせ、前記像が結像された前記画素における光強度より、偏光主軸を得る請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記偏光軸の角度と前記光強度との関係を表すプロットを正弦関数にフィッティングして、前記光強度が最大値をとる前記角度を前記偏光主軸の方向とする請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記像が結像される領域に渡る複数の前記画素の前記偏光主軸を求め、前記偏光主軸の2次元画像を得る請求項3または4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記結像レンズと前記マイクロレンズアレイ基板との間の距離及び前記マイクロレンズアレイ基板と前記撮像基板との間の距離のうち少なくともいずれかの距離を変える移動部をさらに備えた請求項3〜5のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
2つの前記マイクロレンズによって結像された像における位置のズレと、前記2つのマイクロレンズ間の距離と、に基づいて、被写体と前記結像レンズとの間の距離を求める請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記2つのマイクロレンズによって結像された像は、前記偏光軸の方向が相互に等しい前記偏光板で偏光された光による像である請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記結像レンズの結像面は、前記偏光板アレイ基板の上方にある請求項1〜8のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記結像レンズの結像面は、前記撮像基板の下方にある請求項1〜8のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【請求項1】
上面に複数の画素が形成された撮像基板と、
前記撮像基板の上方に設けられ、光軸が前記撮像基板の前記上面と交差する結像レンズと、
前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、複数のマイクロレンズが2次元的に配置された面が、前記光軸と交差するマイクロレンズアレイ基板と、
前記撮像基板と前記結像レンズとの間に設けられ、偏光軸の方向が相互に異なる複数の種類の偏光板が2次元的に配置された偏光板アレイ基板と、
を備え、
一つの前記偏光板で偏光された光は、一つの前記マイクロレンズによって集光されて前記撮像基板の前記上面で結像する固体撮像装置。
【請求項2】
前記マイクロレンズによって結像された複数の像のうち、偏光軸の方向が相互に同じである複数の前記偏光板で偏光された光による複数の像を合成して2次元画像を得る請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記マイクロレンズによって結像された複数の像のうち、偏光軸が相互に異なる複数の前記偏光板で偏光された光による複数の像を重ね合わせ、前記像が結像された前記画素における光強度より、偏光主軸を得る請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記偏光軸の角度と前記光強度との関係を表すプロットを正弦関数にフィッティングして、前記光強度が最大値をとる前記角度を前記偏光主軸の方向とする請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記像が結像される領域に渡る複数の前記画素の前記偏光主軸を求め、前記偏光主軸の2次元画像を得る請求項3または4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記結像レンズと前記マイクロレンズアレイ基板との間の距離及び前記マイクロレンズアレイ基板と前記撮像基板との間の距離のうち少なくともいずれかの距離を変える移動部をさらに備えた請求項3〜5のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
2つの前記マイクロレンズによって結像された像における位置のズレと、前記2つのマイクロレンズ間の距離と、に基づいて、被写体と前記結像レンズとの間の距離を求める請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記2つのマイクロレンズによって結像された像は、前記偏光軸の方向が相互に等しい前記偏光板で偏光された光による像である請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記結像レンズの結像面は、前記偏光板アレイ基板の上方にある請求項1〜8のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記結像レンズの結像面は、前記撮像基板の下方にある請求項1〜8のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−74400(P2013−74400A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210936(P2011−210936)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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