説明

固体支持体

ビーズがビーズ中の孔及び孔内に配置されたポリマーを有するポリマー含浸ビーズを含む固体支持体が記載される。その支持体は特にペプチドの、固相合成、及び分子、特に酵素の固定だけでなく、或る範囲の更なる適用に有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマーを含む固体支持体、支持体の調製方法及び固相方法における支持体の使用に関する。支持体は基質との相互作用が必要とされる広範囲の物理的方法及び化学的方法、例えば、固相有機合成、固相抽出、固相試薬、種の固定、細胞培養、触媒作用、クロマトグラフィー及び医療診断に有益である。
【背景技術】
【0002】
固相合成方法に有益な固体支持体材料が知られている。広範囲の物理的方法及び化学的方法(例えば、有機分子、特にペプチド及びオリゴヌクレオチドの合成、種の固定、触媒作用における支持体、イオン交換、材料からの種の抽出及びクロマトグラフィーを含む)が固体支持体材料を使用する。
多段階の有機分子の合成は典型的には夫々の段階で生成された、中間体をその後の段階(中間体が供給原料として利用される)に進行する前に、分離するための多くの単離工程を伴なう。これらの方法は時間を浪費し、高価であるかもしれず、また収率に関して有効ではないかもしれない。中間体は過剰の試薬及び反応副生物を除去するための精製をしばしば必要とし、操作、例えば、沈殿、濾過、2相溶媒抽出、固相抽出、結晶化及びクロマトグラフィーが使用されるかもしれない。
固相合成は液相合成に対し幾つかの利点を与える。例えば、液相合成に使用される単離操作は標的分子を固体支持体に可逆的に結合することにより或る程度回避されるかもしれない。過剰の試薬及び副生物の一部は濾過及び固体支持体の洗浄により除去し得る。標的分子は幾つかの方法で高収率又は更には実質的に定量的な収率で回収し得る。液相合成における高収率の回収はしばしば困難である。加えて、固体支持体に関する操作を行なうのに必要とされる時間は典型的には液相合成における匹敵する段階を行なうのに必要とされる時間よりも極めて少ない。
或る範囲の方法における種の固定がまた知られている。例えば、ポリマー支持体が伝統的な有機化学(化学触媒作用及びバイオ触媒作用を含む)における使用のための触媒の固定のために普通に使用される。固定化酵素が広範囲の方法(有機化学反応を含む)に、又はキラル分割、例えば、二級アルコールの分割のための固定化ペニシリンアミダーゼの使用(E. Baldaroら, Tet. Asym. 4, 1031, (1993))のために使用されてもよく、また固定化ペニシリンGアミダーゼがアモキシシリンの製造におけるベンジルペニシリンの加水分解のために使用されている(Carleysmith, S.W.及びLilly, M.D., Biotechnol. Bioeng., 21, 1057-73, 1979)。
【0003】
固体支持体、例えば、ポリマービーズはまた医療適用及び診断適用のために生物学的巨大分子を固定するのに使用されてもよい。この適用の例として、タンパク質、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の固定が挙げられる。細胞培養は特定の表面特性及び形態を有する固体支持体で普通行なわれる。固定化酵素はシグナルを発生するためのセンサー、例えば、グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ結合酵素系(これはグルコースの存在下で過酸化水素を発生し、これは順に着色された、蛍光又は発光シグナルを与えるための多種の基質の酸化のためのペルオキシダーゼの基質である)によるグルコースの検出として使用されてもよい。
種々の蛍光体(その蛍光は特定のカチオン又はアニオンに感受性である)はpH測定のための水素イオンを含む特定のイオンの濃度を示すためにポリマービーズに固定されてもよい。
ポリマー粒子は固体支持体が静止相と称されるクロマトグラフィーにしばしば使用される。クロマトグラフィーの或る様式では、静止相のコストが高く、使用を制限するかもしれない。静止相の物理的性質は或る適用では完全有効性を得るのに適しないかもしれない。例えば、軟質ポリマーがアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル透過クロマトグラフィーにしばしば使用されるが、粒子の変形し得る性質のために高流量では有効に使用されないかもしれない。クロマトグラフィーのその他の様式に使用される硬質マクロ細孔のポリマーはしばしば機械的にもろいかもしれず、その後に短い寿命を問題としている。
【0004】
クロマトグラフィー分離における固体支持体又は静止相の適用(例えば、分取クロマトグラフィーを使用する高価な製品の精製のために医薬工業及びバイオテクノロジー工業で使用される複雑な高技術分離及び鉱業で使用される大規模分離を含む)は非常に広範囲にわたる。触媒コンバーター及びその他の工業方法における重要な成分である、世界のパラジウムの大部分が固定化クラウンエーテルを使用して精製し得る(Traczyk, F.P.; Bruening, R.L.; Izatt, N.E.“水溶液からの金属イオンの除去及び回収のための分子認識技術(MRT)の適用”; In Fortschritte in der Hydrometallurgie; 1998, Vortrage beim 34. Metallurgischen Seminar des Fachausschusses fuer Metallurgische Aus-und Weiterbildung der GDMB; 18-20 November 1998; Goslar)。
固相抽出及び固相試薬の調製におけるポリマー粒子の使用がまた化学工業、医薬工業及びバイオテクノロジー工業で知られている。
既知の固相支持体は一般に適用に適した特別なサイズ及び物理的性質のポリマー粒子を含む。使用の容易さのために、これらのポリマー粒子はしばしば球形であり、かつ特定の粒子サイズ分布を有する。粒子の球形の性質がポリマーの流動特性及び濾過特性を改良する。固体支持体の使用は操作上の利点を有するが、固相アプローチに不利がある。例えば、ペプチド及びオリゴヌクレオチドの固相合成に普通使用される市販の支持体は高価であるかもしれない。ポリマー粒子は典型的にはモノマーの溶液が重合の開始の前に不混和性溶媒(連続相)中に分散される分散又は乳化重合方法によりつくられてもよい。生成されたポリマー粒子は典型的にはその後に濾過され、洗浄され、分類される。これらの方法は連続相へのモノマー損失、或る範囲の粒子サイズの発生及び重合中の微細な粒子の発生を含む幾つかの点で不利である。連続相へのモノマーの損失は原料コスト及び環境上のコストの両方に関して有効ではないかもしれない。特別な適用に必要とされる粒子サイズを分離するためのポリマー粒子の分類は労力を要し、かつ複雑なプロセスであるかもしれず、典型的には篩分け及び(又は)空気分級(これらは収率の損失をもたらし得る)を伴なう。“微細な”粒子が通常生成される。これらの微粉はポリマービーズの分離に問題であるかもしれず、また付加的な加工、例えば、それらの除去のための沈降及びデカントを必要とするかもしれない。
製造の望ましくないコスト及び調製中の廃物に加えて、或る種の欠点が既知のポリマー粒子の物理的性質により生じるかもしれない。微孔性ポリマー及びマクロ細孔ポリマーが一般に使用され、それらの製造が高価かつ複雑であるかもしれない。
微孔性ポリマーは比較的低いレベルの架橋剤(これはポリマー粒子が好適な溶媒中で溶媒和し、従って膨潤することを可能にする)を有する。しかしながら、微孔性ポリマー粒子は一般に軟質であり、一般に充填されたカラム床中の高い流量における使用に適さない。加えて、軟質ポリマーは望ましくない程に圧縮されるかもしれず、例えば、濾過中に汚損を生じ、使用されるシンター又はメッシュへの圧縮貫入をしばしばもたらす。
マクロ細孔ポリマーはポリマーマトリックス中に高レベルの架橋剤を有し、大きい孔を含む。これらのポリマー粒子は一般に硬質であり、かつ充填カラム中で良好な流動特性を有する。硬質マクロ細孔粒子及びマクロ網状粒子は充填カラム床中の高流量に一層適している。しかしながら、硬質の性質のために、粒子が脆く、物理的応力下で構造的に破損するかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造のコスト、廃物、支持体の物理的保全性及び不十分な製品性能と関連する課題がポリマー支持体の容器として有効に使用される孔を有する予備形成された固体ビードを提供することにより軽減されるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の局面において、本発明はビーズがビーズ中の、好ましくはビーズを貫通する一つ以上の孔及びその一つ以上の孔内に配置されたポリマーを有することを特徴とするポリマー含浸ビーズを含む固体支持体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の固体支持体の例示実施態様を平面図、側面図及び断面図で示す。
【図2】ポリマープラグ3が一般に円筒形である支持体を示す。
【図3】ポリマープラグ4が一般に円筒形であり、かつビーズ1が管形である支持体を示す。
【図4】ビーズ1中にふくれた形状の孔2を有する本発明の固体支持体を示す。
【図5】エッチングされたガラスビーズを示す。
【図6】エッチングされたガラスビーズを示す。
【図7】ビーズの孔中にポリマープラグを有する15/0のエッチングされたガラスビーズを示す。
【図8】ビーズの孔中にポリマープラグを有する15/0のガラスビーズのグループを示す。
【図9】ビーズの孔をライニングするニンヒドリンで染色されたポリマーのリングを有する15/0のエッチングされたガラスビーズを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に使用される“ポリマー”という用語は無機ポリマー(その中で、シリカが一例であろう)及び有機ポリマー(その中で、ポリスチレンが一例であろう)を含む。
有利には、ビーズが硬質であり、機械的に丈夫であり、また充填カラム床中で高流量で利用し得る。ビーズはまた容易にバッチ様式の操作で濾過して迅速な加工を可能にする。
ビーズは不活性材料を含むことが好適である。不活性材料はガラス、セラミック、ポリマー、金属、例えば、鋼、木材及びその他の天然材料から選ばれることが好適である。好ましい実施態様において、ビーズはガラスから予備形成される。装身具工業で普通使用されるガラス種ビーズがこの適用に特に有益である。それらは大規模で製造され、コストがかからず、しかも有益な寸法及び構造保全性の支持体を与える。
ビーズは球形、ほぼ球形又は楕円形であることが好適である。ビーズの球形の性質は多くの適用で有利であり、例えば、カラム中の充填を促進し、また濾過中に床にわたって流動特性を改良する。しかしながら、不規則な形状、卵形及びその他の形状のビーズが使用されてもよい。
別の実施態様において、管材料の短い片が使用されてもよい。
本発明はあらゆるサイズのビーズを使用してもよいが、ビーズ中の孔中のポリマープラグが大きい程、ポリマーへの物質の拡散が有効ではない。ビーズ中の孔はビーズ中の孔の軸に垂直の寸法で好ましくは2mm未満、特に1mm未満、更に好ましくは0.01〜0.75mm、0.01〜0.5mm、特に0.05〜0.5mmの直径を有する。ビーズが小さい程、物質が結合又は吸収されているポリマー内の拡散が良好であり、そしてまたビーズ間の充填が緊密である。
ビーズは直径が好適には2mm以下、好ましくは1.5mm以下、望ましくは1.2mm以下である。ビーズは直径が好ましくは少なくとも0.01mm、望ましくは少なくとも0.05mmである。好ましい実施態様において、ビーズは直径が0.1〜1.2mm、更に好ましくは0.1〜1.0mm、望ましくは0.3〜0.8mmである。一般に、ビーズは機能の面からできるだけ小さい直径であることが好ましいが、これは一層小さいビーズを製造することの経済性とバランスされるべきである。最適には、ビーズは0.4〜0.7mmの直径を有する。
【0009】
本発明はビーズが好ましくは単一の孔を含み、更にその孔が典型的には多孔性材料と関連する寸法よりも大きい寸法のものである点で多孔性支持体から区別される。固体支持体は孔内にポリマーの単一プラグ又は塊を含むことが好適である。ビーズは多孔性であってもよいが、それはまた存在し得る細孔に加えて孔を有することが必要である。孔は好適にはダンベル形又はふくらんでおり(中央で一層広い)、これが孔中のポリマーの物理的保持を助け、又は孔は円筒形であってもよい。
好ましい実施態様において、ビーズの孔がポリマーでライニングされ、その結果、基質がポリマーライニングを有するビーズを通過し得る。これは接触のための一層接近可能な表面積を与え、ビーズ中の基質の流れを改良し得る。
好適なビーズは、例えば、ミユキビーズ及びトーホービーズから商業上得られてもよく、又はキャピラリー管材料を短い片に切断し、次いでこれらをガラスが融解する点より丁度下の温度に加熱することによりつくられてもよい。この温度で、キャピラリー管材料の小片が元に収縮してビーズを形成する。
典型的には、11/0及び15/0のサイズのガラス種ビーズが容易に入手し得る。例えば、15/0サイズのビーズは孔の方向に約1.15mmの寸法であり、約1.55mmの幅である。
ポリマーはビーズの孔中に生成されることが好適である。ポリマーは直接又は間接にビーズに共有結合されてもよい。ビーズが活性部位を有する材料からつくられ、例えば、木材がセルロース材料中にヒドロキシル基を与える場合、そのポリマーは直接に結合されてもよい。ビーズが一層不活性の材料、例えば、ガラスからつくられる場合、ビーズを処理してポリマーが結合し得る活性部位を与えることが望ましいかもしれない。ビーズがガラスを含む場合、それはエッチング剤、好ましくはフッ化物エッチング溶液、例えば、フッ化水素溶液及び二フッ化アンモニウム溶液で処理されて誘導体との反応に適した表面を与えることが好適である。
【0010】
ビーズが誘導体化されてポリマーとの反応のための活性部位を与えることが望ましい。ガラス表面を誘導体化するための既知の材料及び方法が使用されてもよい。特に好ましい実施態様において、誘導体はシランを含み、ポリマーに結合するための活性部位を含む。活性部位はビニル基であることが好ましい。
シラン基は式-(O)nSi[(CH2)p[Z]qCR=CR2](4-n)(式中、nは1から3までであり、pは0から6までであり、Rは独立にH又はアルキルであり、qは0又は1であり、かつZは2価の結合基である)の基であることが好適である。
Zが式-(CH2)rNRC(O)-(式中、rは1から6までである)の基であることが好ましい。
特に好ましい実施態様において、支持体がそれに結合されたシラン基を有するガラスビーズを含み、そのシラン基が-O3SiCH=CH2及び-O3Si(CH2)3NHCOCH=CH2から選ばれる。-O3SiCH=CH2基はトリエトキシビニルシランから誘導されることが好ましい。-O3Si(CH2)3NHCOCH=CH2基はアミノプロピルトリメトキシシランから誘導されることが好ましく、これがガラスと反応させられ、次いでそのアミン基がアクリロイルクロリドと反応させられる。
ポリマーは所望の適用に従ってあらゆる好適な材料であってもよい。好ましい実施態様において、ポリマーは有機ポリマーであり、ポリマー樹脂、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、セルロース、ポリジメチルアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ尿素、ポリアクリロイルモルホリン及びポリベータヒドロキシエステル、ポリハイプ、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール並びに多糖、例えば、アガロースから選ばれる。
ポリマーは無機ポリマーであってもよく、好適にはアルミナ、シリカ及びその他の金属酸化物から選ばれる。
【0011】
ポリマーは更に反応させられて所定の適用のための特別な機能性を得てもよい。好適には、ポリマーが少なくとも二つの官能基を有する化合物と反応させられ、一つの官能基はポリマーと反応するためであり、その他の官能基は所望の適用における使用のための自由な機能性を与えるためである。好ましい実施態様において、ポリマー、例えば、N-アクリロイルサルコシンメチルエステルとのポリジメチルアクリルアミドコポリマー及びポリアクリロイルモルホリンコポリマーが、ジアミン化合物、例えば、エチレンジアミンと反応させられる。例えば、アミン官能化支持体はペプチド合成、オリゴヌクレオチド合成及び固相有機化学における使用に適している。
アミン官能化支持体は、例えば、所望によりコハク酸を使用してカルボン酸への変換により更に官能化されてもよい。例として、アミン官能化支持体がタンパク質、例えば、プロテインAを固定するための調製においてN-ヒドロキシスクシンイミド及び1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩で処理されてもよい。
更なる実施態様において、支持体がビーズ並びにビーズの孔内の、ポリマー及び付加的な材料を含む。付加的な材料の例として、不活性材料、例えば、高い吸収性を有する化学的に不活性な材料が挙げられる。特に好ましい不活性材料はポリハイプである。ポリハイプは多孔性かつ高度に吸収性である。この材料は物質が支持体により吸収される適用に特に好ましい。
本発明の固体支持体はまたポリマーにより支持された機能性材料を含んでもよい。好適な機能性材料の例として、触媒、有機合成、例えば、ペプチド合成のための開始剤種、医薬活性物質、農業化学活性物質、巨大分子、酵素、核酸配列及びタンパク質が挙げられる。
本発明は貴金属触媒、例えば、パラジウム触媒を支持するのに特に有益である。特別な有利な例は酢酸パラジウムである。好ましい実施態様において、酢酸パラジウムがポリ尿素で支持される。
【0012】
本発明の固体支持体は有効かつ比較的簡単な方法により製造されてもよい。本発明は、第二の局面において、孔をその中に有するビーズを用意する工程、ビーズをモノマー又はモノマーの溶液と接触させる工程、ポリマーを生成するようにモノマーの重合を行なう工程及び必要によりポリマーを含むビーズを更なる処理にかけてポリマーをビーズの表面から除去する工程を含むことを特徴とする、固体支持体材料の製造方法を提供する。
その重合は当業者に知られている方法により開始されることが好適である。例えば、モノマー又はモノマーの溶液を含むビーズがモノマー溶媒と不混和性である溶媒に添加され、加熱されて重合を行なう。モノマー溶液が水性である場合、溶媒が、例えば、ケロセンである。
ポリマーは通常の手段、例えば、加熱及び紫外線照射により乾燥又は硬化されてもよい。
好ましくは、ポリマーが一旦生成されると、ポリマーを含むビーズがポリマーをビーズの外表面から除去してビーズの一つ以上の孔に配置されたポリマーを残すように、例えば、ロールミル中で、物理的磨耗にかけられる。
好適には、ビーズが意図されるポリマー支持体の成分モノマー又は成分モノマーの溶液に暴露される際に、キャピラリー作用がこの溶液を一つ以上の孔中に保持し、ポリマーが重合の当業者に知られている既知の開始方法により生成される。
必要により、固体支持体材料の製造方法はビーズをモノマー又はモノマーの溶液と接触させる前にビーズの表面を処理して活性部位を与える工程を含んでもよい。
装身具及び織物トレードに使用されるガラスビーズが種ビーズとして普通知られている。種ビーズの使用はポリマープラグが好適にはダンベル形であり、又はふくれている点で特別な利点を有し、このようなものとして、ポリマーがその形状のために物理的に拘束されるであろう。ポリマープラグそれ自体は好適にはその形状のためにビーズの孔内に固定される。
【0013】
好ましい場合には、ポリマープラグが重合中又は重合に続いて硬質ビーズに共有結合されてもよい。また、一種以上の成分モノマーが重合の開始前にビーズ表面に共有結合し得る。
ポリマーが物理的拘束のために孔中に拘束され、ビーズの表面に共有結合される場合、ポリマー-ビーズ組み合わせは特に丈夫である。
本発明の固体支持体は固体支持体が使用されるあらゆる化学方法又は物理方法に使用されてもよい。
別の実施態様において、本発明はビーズがビーズ中に孔を有し、かつ孔の壁がポリマーのリングをビーズの孔中に与えるようにポリマーの層を含む、ポリマー含浸ビーズを含む固体支持体を提供する。
プラグではなくポリマーのライニング又はリングを有する支持体が一層希薄なポリマー溶液を使用することによる以外はポリマーのプラグを有するものと同じ方法により製造し得る。ポリマー溶液の濃度を適応させることにより、ライニングの厚さが調節し得る。好ましい実施態様において、ライニングは少なくとも1ミクロンであり、望ましくは少なくとも5ミクロンの厚さであり、ビーズ中の孔のサイズと同じくらいに厚くて固体プラグではなくポリマーのリングが依然としてあることを確実にすることを可能にし得る。好適には、ライニングは100ミクロンまで、好ましくは50ミクロンまで、更に好ましくは20ミクロンまでの厚さである。特に好ましい範囲は1〜100ミクロン、5〜100ミクロン、及び5〜50ミクロンの厚さである。
例えば、1ミクロンから20ミクロンまでの厚さのポリマーのライニングを有する支持体が、細胞培養適用及び医療診断適用に特に有利である。
【0014】
固体支持体は有機種、特に巨大分子の固相合成に特に有益である。好ましい実施態様において、固体支持体はペプチド、オリゴヌクレオチド又はオリゴ糖の合成に使用されてもよい。ポリマー支持体としてのポリジメチルアクリルアミドがペプチドの合成に特に有利である。
本発明の固体支持体はまた支持体と接触させられる液(バッチ形態又は支持体上の流れとして)から種を除去するための固相抽出、例えば、イオン抽出及びイオン交換に有益である。
本発明の固体支持体は固相試薬、金属触媒及びその他の触媒、バイオ触媒、酵素、タンパク質、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含む抗体、全細胞並びにポリマーを含む種を固定するのに特に有益である。本発明は、特にポリジメチルアクリルアミド及びその他の同様の親水性ポリマーと組み合わせて、酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びグルコースオキシダーゼを支持するのに特に有利である。
本発明はアフィニティークロマトグラフィー、例えば、プロテインAのアフィニティーリガンドの固定に特に有益である。アフィニティークロマトグラフィーは生物学的製品、例えば、バイオ医薬品の分離に主に使用される。アフィニティーリガンドは静止相に固定されることが好適である。このリガンドは支持体と接触させられる生物学的混合物の成分に特別なアフィニティーを有する。アフィニティーはあらゆる形態の相互作用、例えば、酵素と基質、受容体とリガンドそして抗原と抗体で見られるような特異的な生物学的相互作用に基づいてもよい。
好ましい実施態様において、アフィニティーリガンドはプロテインAを含み、免疫グロブリンと相互作用するのに使用される。プロテインAは幾つかの免疫グロブリン抗体のFc領域に結合し、多くのバイオ医薬品が免疫グロブリンをベースとする。
更なる実施態様において、本発明はビーズがビーズ中の孔及びその孔内に配置されたポリマーを含み、そのポリマーが固定化プロテインAを含むポリマー含浸ビーズを含む固体支持体を提供する。
当業界では、大きい分子、例えば、プロテインAを有する静止相は支持体がマクロ細孔樹脂又は低レベルの架橋を有する一層軟質の支持体である二つの形態で利用できる。マクロ細孔樹脂は低表面積続いて低ローディングを問題としている。一層軟質の支持体は低〜中間圧力クロマトグラフィーにおける使用に充分な剛性を与えるのに充分な架橋剤を用いて製造される。しかしながら、これらは依然として比較的高度に架橋され、生物学的巨大分子により容易に浸透し得ない。結果として、クロマトグラフィー分離で観察されるバンドは比較的広く、固定化リガンドの全てが接近し得るとは限らない。
【0015】
有利には、本発明は極めて低いレベルの架橋を含む好適なポリマーの固定を可能にし、従ってポリマー中の全ての活性部位への改良された拡散及び接近を与える。
更に好ましい実施態様において、本発明はビーズがビーズ中に孔を有し、孔の壁がビーズの孔中にポリマーのリングを与えるようにポリマーの層を含み、そのポリマーが固定化プロテインAを含むポリマー含浸ビーズを含む固体支持体を提供する。
更なる実施態様において、固体支持体は細胞培養、特に幹細胞培養の分野で支持体として使用されてもよい。ブロック又は被覆プレートとしてのポリヒドロキシエステルが幹細胞の培養にしばしば使用される。これらの系では、細胞がしばしば回収し難く、またしばしば物理的応力によりポリマー表面から取りはずされる。この系では、細胞-ポリマー相互作用に対する物理的応力がケージ環境のために軽減され、即ち、ポリマーがビーズの外表面ではなくビーズ内にあり、更にポリマーがブロックポリマー又は被覆プレートと較べて一層使用できる物理的形態で提供される。
固体支持体は電気伝導ポリマー及び発光ポリマーを伴なう適用に使用されてもよい。発光ポリマーを含む固体支持体がディスプレーパネル上に配置されてもよい。
本発明の支持体は抗体、オリゴヌクレオチド、酵素又は蛍光体を含む種を固定するのに使用されてもよく、アレイ中に位置されてもよく、夫々の支持体が溶液の異なる成分をアッセイする。表面に結合されたポリマーに共有結合されたリガンドを有するビーズが“ウェル”として使用されてもよい。次いで抗原又は相補DNAもしくはRNA配列の如き標的リガンドの特異的結合が確立された方法を使用して検出し得る。
本発明の固体支持体はクロマトグラフィー分離、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、通常の相クロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー及びゲル透過クロマトグラフィーのための静止相の調製に有益である。
【0016】
更なる適用において、固体支持体は吸収剤として使用されてもよい。この適用では、支持体がビーズ(それらにポリマーが結合されている)に結合された不活性吸収材を含むことが特に有利である。ポリハイプが特に好ましい不活性材料である。固体支持体は家庭のこぼれた物、例えば、茶、コーヒー及びワインを吸収するのに使用されてもよく、又は大規模適用で、例えば、流出物から油を吸収するのに使用されてもよい。吸収剤支持体はこぼれた物を吸収するのに使用され、次いで物理的に除去されてもよく、又は水本体中の流出油の場合には、油を有効にトラップし、次いで水本体の底部に沈む。
本発明の固体支持体は時間の期間にわたって放出される化合物、例えば、医薬又は農業化学の化合物又は組成物を運ぶためのキャリヤーとして使用されてもよい。この使用は支持体中の化合物のローディングに従って化合物の用量レジームを調整する手段を与える。医薬品の場合、これは患者に、例えば、化学療法で周期的な大用量を服用するように要求するのではなく、例えば、連続の徐々の放出で活性物質の正確な用量を助ける点で有利であるかもしれない。
好ましい実施態様において、本発明はビーズがビーズ中の孔及びその孔内に配置され、更に医薬化合物又は組成物を含むポリマーを有するポリマー含浸ビーズを含む固体支持体を提供する。
本発明の固体支持体はポリマー支持体が現在使用されているあらゆる化学的、生物学的又は物理的固体方法に適用されてもよい。
本発明はイムノアッセイの如き医療診断試験に特に有益である。従って、更に本発明はポリマー含浸ビーズを含む固体支持体(そのビーズはビーズ中の孔及びその孔内に配置されたポリマー並びにサンプル中の化合物と選択的に反応又は結合するための支持体中のポリマーにより支持された、機能性材料、例えば、酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼを有する)を用意し、そしてそのサンプルを固体支持体と接触させる、サンプル中の化合物の存在を検出するための医療診断方法を提供する。
【0017】
ビーズはまたポリマーで充填されたカラム並びに孔及び間隙スペースにローディング又は充填されてモノリスを形成してもよい。更に、本発明は塊、例えば、カラム配置中に充填され、必要により間隙スペース中にポリマーを含んでもよい本発明の複数の固体支持体材料ビーズを含む固体支持体モノリスを提供する。
所望されるように、モノリス中のビーズ間の間隙スペースはビーズの孔内に保持されたポリマーと異なるポリマーで充填し得る。別の実施態様において、モノリス中のビーズ間の間隙スペースは異なる成分、例えば、細胞培養栄養素で充填されてもよい。この例では、細胞が孔内のポリマーマトリックス上で培養されてもよい。
ビーズの孔中のポリマーは、例えば、染料を使用して着色されて美観特性又は機能特性を与えてもよい。
また、本発明はポリマープラグ又はライニングを有するビーズが一層大きいビーズの孔内にポリマープラグ又はライニングを有する一層小さいビーズを更に含む実施態様を含む。一層小さいビーズ中のポリマーは一層大きいビーズ中のポリマーと同じであってもよく、また異なっていてもよい。
図1〜4は夫々本発明の固体支持体の例示実施態様を平面図、側面図及び断面図で示す。図5及び図6は本発明における使用のためのエッチングされたガラスビーズを示す。図7〜9は本発明の固体支持体の写真を示す。
図1中、ビーズ1中の孔2はその中に配置されたポリマー3を有する。断面図から、ポリマーの端部4はポリマーの中央5よりも大きい直径であり、ダンベル形断面を与え、ポリマー3は孔2内に物理的に保持されて高められた強度を支持体に与える。
図2はポリマープラグ3が一般に円筒形である支持体を示す。
図3中、ポリマープラグ4が一般に円筒形であり、かつビーズ1が管形である。
図4はビーズ1中にふくれた形状の孔2を有する本発明の固体支持体を示し、ポリマー3はポリマープラグを孔2中に物理的に保持する手段を与えるように端部よりも孔内で厚い。
図5及び図6中のエッチングされたガラスビーズがポリマープラグ又はライニングを受け取る前に示される。図5中、エッチングされた15/0ビーズが一層小さい0.25mmのガラスビーズの隣に示され、図6中では、一層小さい0.65mmのガラスビーズの隣に示される。
図7はビーズの孔中にポリマープラグを有する15/0のエッチングされたガラスビーズを示す。
図8はビーズの孔中にポリマープラグを有する15/0のエッチングされたガラスビーズのグループを示し、そのポリマーがポリマーを一層明らかに示すためにニンヒドリンで着色されていた。
図9はビーズの孔をライニングするニンヒドリンで染色されたポリマーのリングを有する15/0のエッチングされたガラスビーズを示す。
本発明が下記の非限定実施例により説明される。
【実施例】
【0018】
実施例1−活性表面を有するビーズの調製
1.ビーズエッチング
サイズ15/0のガラスビーズ(144g)を250cm3のポリプロピレンびんに入れ、二フッ化アンモニウムの溶液であるDip'n Etch(100cm3)で覆った。びんを6時間にわたって超音波浴に入れ、16時間放置した。
ビーズを水(10x50cm3)、水酸化ナトリウム水溶液(15%w/v、10x50cm3)、水(10x50cm3)、塩酸水溶液(1モル/dm3、10x50cm3)、次いで水(10x50cm3)で洗浄した。次いでビーズを100℃で1時間乾燥した(収量138g、BI)。
同じ操作を使用して、サイズ11/0のビーズ(100g)のバッチをエッチングしてエッチングされたビーズ(BII)97gを得た。
2.エッチングされたビーズとビニルトリエトキシシランの反応
エッチングされたサイズ15/0のビーズ30gをポリプロピレンびんに入れ、メタノール中のビニルトリエトキシシランの溶液(40cm3、1:1v/v)で覆い、水(1cm3)を添加した。その混合物を1時間にわたって超音波浴に入れ、次いでアセトンで洗浄し、窒素の流れの下で乾燥させてビニル官能性ビーズ(BVI)を得た。
3.エッチングされたビーズとアミノプロピルトリメトキシシランの反応
エッチングされたサイズ15/0のビーズ(30g、BI)30gをポリプロピレンびんに入れ、メタノール中のアミノプロピルトリメトキシシランの溶液(40cm3、1:1v/v)で覆い、水(1cm3)を添加した。その混合物を1時間にわたって超音波浴に入れ、次いでアセトンで洗浄し、窒素の流れの下で乾燥させてアミノプロピル官能性ビーズ(BAmI)を得た。
4.アミノプロピル官能化ビーズとアクリロイルクロリドの反応
先に調製されたアミノプロピル官能化ビーズ(30g、BAmI)をジクロロメタン(30cm3)中で覆い、アクリロイルクロリド(5cm3)続いて4-メチルモルホリン(5cm3)を添加した。その混合物をかき混ぜ、1時間放置し、次いでジクロロメタン(3x30cm3)で洗浄し、その後に窒素の流れ中で乾燥させてアクリルアミド官能性ビーズ(BAcI)を得た。
【0019】
実施例2−固体支持体の調製
1.ポリジメチルアクリルアミドの重合
N,N-ジメチルアクリルアミド(100ミリモル、9.9g)、N-アクリロイルサルコシンメチルエステル(13ミリモル、2.0g)及びビス-アクリロイルエチレンジアミン(5ミリモル、0.82g)並びに水(3cm3)を丸底フラスコに入れた。過硫酸アンモニウム水溶液(2cm3中0.75g)を添加した。先の実施例1の4節で調製されたアクリルアミドビーズ(30g、BAcI)をモノマー溶液に直ちに添加し、わずかな真空を適用して気泡をビーズの孔から除去した。
ステンレス鋼篩を使用して過剰のモノマー溶液を排出した。次いでビーズを含む篩を80℃のケロセンの浴に入れて、ビーズの全てがケロセン中に浸漬されることを確実にした。
2時間後、ビーズを含む篩を冷水の浴に入れ、1時間放置した。今、孔内に封入されたポリマーを含むビーズを磁気撹拌棒とともに三角フラスコに移した。水(50cm3)を添加し、その混合物を磁気撹拌機で5分間撹拌した。ビーズの表面から侵食されたポリマーの小さい不規則な粒子を含む上澄みをデカントにより除去した。上澄みがポリマーの認められる粒子を含まなくなるまで、この洗浄プロセスを繰り返した。ビーズ-ポリマー複合固体支持体(BPI)を水の下に貯蔵した。
【0020】
2.ビーズ-ポリマー複合材料とエチレンジアミンの反応
先に調製されたビーズ-ポリマー複合材料(約33g、BPI)の上の水を排出し、ビーズをエチレンジアミンで覆った。その混合物を一夜(約16時間)放置し、次いで水(10x50cm3)で洗浄した。
そのアミン官能性ビーズ(BPAmI)を水の下に貯蔵した。その固体支持体はペプチド合成における使用に適している。
3.11/0のビーズ中のポリハイプの重合
スチレン(3cm3)、ジビニルベンゼン(7cm3)及びソルビタンモノオレエート(スパン80)(2cm3)をビーカーに入れ、200rpmで撹拌し、滑らかなエマルションが生成するまで過硫酸アンモニウム(0.75g)を含む水(300cm3)を徐々に添加した。
サイズ11/0のエッチングされたビーズ(30g、BII)を丸底迅速フィットフラスコ中でこのエマルション約50cm3と混合した。わずかな真空を適用して空気をビーズの孔から排除し、その混合物を60℃で2時間加熱した。
生成した固体ブロックをスパチュラで破壊し、水(約50cm3)を添加した。水(50cm3)を添加し、その混合物を5分間にわたって磁気撹拌機で撹拌した。ビーズの表面から侵食されたポリマーの小さい不規則な粒子を含む上澄みをデカントにより除去した。上澄みがポリマーの認められる粒子を含まなくなるまで、この洗浄プロセスを繰り返した。ビーズ-ポリマー複合材料を100℃で一夜乾燥させ、乾燥貯蔵した(BPII)。
【0021】
4.15/0のビーズ中のポリハイプの重合
サイズ15/0のエッチングされたビーズ(34g)を先に実施例2-3で調製されたエマルション約50cm3と混合し、同じ操作にかけた。生成されたビーズ-ポリマー複合材料を100℃で一夜乾燥させ、乾燥貯蔵した(収量34.5g、BPIII)。
5.BPIII内のポリアクリロイルモルホリンの重合
4-アクリロイルモルホリン(90ミリモル、12.65g)、N-アクリロイルサルコシンメチルエステル(15ミリモル、2.36g)及びビス-アクリロイルエチレンジアミン(2ミリモル、0.35g)並びに水(1cm3)を丸底フラスコに入れた。過硫酸アンモニウム水溶液(1cm3中0.5g)を添加した。先の実施例2-4で調製されたポリハイプビーズ(34.55g、BPIII)をモノマー溶液に直ちに添加し、わずかな真空を適用して残っている気泡をビーズの孔から排除した。
ステンレス鋼篩を使用して過剰のモノマー溶液を排出した。次いでビーズを含む篩を80℃のケロセンの浴に入れて、ビーズの全てがケロセン中に浸漬されることを確実にした。ケロセン中の浸漬のもとに加熱することの別法として、ビーズを室温で紫外線照射にかけることができた。
2時間後、ビーズを含む篩を冷水の浴に入れ、1時間放置した。今、孔内に封入されたポリマーを含むビーズを磁気撹拌棒とともに三角フラスコに移した。水(50cm3)を添加し、その混合物を磁気撹拌機で5分間撹拌した。ビーズの表面から侵食されたポリマーの小さい不規則な粒子を含む上澄みをデカントにより除去した。上澄みがポリマーの認められる粒子を含まなくなるまで、この洗浄プロセスを繰り返した。ビーズ-ポリマー複合材料 (BPIV)を水の下に貯蔵した。
50のビーズを除去し、100℃で一夜乾燥させた(181mg)。最終重量はガラスビーズ10g当りポリマー1gの添加に相当した。
6.ビーズ-ポリマー複合材料とエチレンジアミンの反応
先に調製されたビーズ-ポリマー複合材料(BPIV)の上の水を排出し、ビーズをエチレンジアミンで覆った。その混合物を一夜(約16時間)放置し、次いで水(10x50cm3)で洗浄した。そのアミン官能性ビーズ(BPAmII)を水の下に貯蔵し、ペプチド合成における使用に適していた。
【0022】
実施例3−Leu-エンケファリンアミドの合成
1.内部基準アミノ酸のカップリング
アミノ官能性ビーズ(11.8cm3、実施例2-6で生成されたBPAmII)をガラスクロマトグラフィーカラム(直径17mm)に入れ、重力下でN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)のアリコート(10x10cm3)で洗浄した。
Fmoc-Ala-OH(1.25g、4ミリモル)(Fmoc=9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)及び2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(1.21g、3.8ミリモル)をDMF(3cm3)に溶解した。4-メチルモルホリン(NMM)(0.528cm3、4.8ミリモル)を添加し、その混合物を2-3分間にわたって予備活性化し、その後にカラムに添加し、重力下でビーズに排出した。
そのカップリング反応は3時間以内にニンヒドリンアッセイにより完結した。ビーズを重力下でDMFのアリコート(10x10cm3)で洗浄した。
ピペリジン/DMF(10cm3、20%v/v)をカラムに添加し、重力下でビーズに排出した。その反応を10分間放置した。20分間にわたるピペリジン/DMF(10cm3、20%v/v)による2回目の処理を行ない、ビーズをDMF(10x10cm3)で洗浄した。
2.結合剤のカップリング
Fmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Am-Rink-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Am-Rink-OH(2.05g、3.8ミリモル)をアッセイされるように5時間カップリングし、次いでピペリジン/DMFで処理した。
【0023】
3.Fmoc-Leu-OHのカップリング
次いでFmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Leu-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Leu-OH(1.32g、4ミリモル)をアッセイされるように4時間カップリングし、ピペリジン/DMFで処理した。
4.Fmoc-Phe-OHのカップリング
次いでFmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Phe-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Phe-OH(1.55g、4ミリモル)をアッセイされるように16時間カップリングし、ピペリジン/DMFで処理した。
5.Fmoc-Gly-OHのカップリング
次いでFmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Gly-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Gly-OH(1.19g、4ミリモル)をアッセイされるように16時間カップリングし、ピペリジン/DMFで処理した。
6.Fmoc-Gly-OHのカップリング
次いでFmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Gly-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Gly-OH(1.19g、4ミリモル)をアッセイされるように16時間カップリングし、ピペリジン/DMFで処理した。
7.Fmoc-Tyr(tBu)-OHのカップリング
次いでFmoc-Ala-OHに代えてFmoc-Tyr(tBu)-OHを使用した以外は実施例3-1に示された操作を使用してFmoc-Tyr(tBu)-OH(1.84g、4ミリモル)をアッセイされるように16時間カップリングし、ピペリジン/DMFで処理した。
8.ペプチド開裂
ビーズをジクロロメタン(5x10cm3)で洗浄し、水を含むトリフルオロ酢酸(TFA)(10cm3、5%v/v)を添加し、重力下でビーズに排出した。ビーズ内のポリマーが赤色に変化し、開裂が進行していることを示した。10分後、TFAの更なるアリコート(10cm3)を添加し、その混合物を1時間にわたって開裂した。
ビーズをTFA(5x10cm3)で洗浄した。合わせたTFA開裂溶液及び洗浄液をロータリーエバポレーターで油に減少した。その油をジエチルエーテルですり砕いて白色の固体を生成した。エーテルをデカントにより除去し、ペプチドを2時間にわたって空気乾燥させた(収量308mg)。
ペプチドは逆相HPLCにより一種の主成分を含むことが示され、MALDI-TOF質量分光分析により測定して予想分子量を有していた。
【0024】
実施例4−酵素の固定
1.固体支持体へのグルコースオキシダーゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼのカップリング
グルコースオキシダーゼ(黒色アスペルギルス、27.6mg)を酢酸ナトリウム(5.5cm3、0.1モル/dm3 pH 5.5)に溶解した。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(25.7mg)を酢酸ナトリウム(5.14cm3、0.1モル/dm3 pH 5.5)に溶解した。
これらの溶液のアリコート(3cm3)を1時間にわたって別々に水(500cm3)に対し透析し、次いで酢酸ナトリウム(500cm3、0.1モル/dm3 pH 5.5)に対し透析した。夫々の製剤を3時間にわたって更に酢酸ナトリウム(200cm3、0.1モル/dm3 pH 5.5)に対し透析した。
冷m-過ヨウ素酸ナトリウムのアリコート(0.27cm3、88ミリモル/dm3)を5cm3のポリプロピレン管中の2.7cm3の容積の夫々の透析された酵素溶液に添加することにより夫々の酵素の炭水化物の過ヨウ素酸塩酸化を行なった。管をアルミニウム箔中に包んで内容物を光から保護し、20分間にわたってびんロールで混合した。その反応を水中のグリセロールの10倍希釈液(20mm3)の添加及び迅速な混合により停止した。
反応副生物をフリッジ中の1時間にわたる300cm3容積の0.1モル/dm3 MES、0.15モル/dm3 NaCl, pH 5.0に対する夫々の酸化された酵素溶液の徹底的な透析により除去した。夫々のビーズ製剤の更なる透析を1時間にわたって300cm3容積のこの緩衝液次いで一夜にわたってフリッジ中で300cm3に対し行なった。400cm3の緩衝液に対する夫々の製剤の最終の透析を行なった。これらの酸化された酵素製剤を必要とされるまで冷凍貯蔵した。
【0025】
実施例2-2で生成されたビーズバッチBPAmIを水中で二重の10cm3のポリプロピレン管に添加して約1cm3の充填容積を得た。上澄みをデカントし、フリッジ中の水(10cm3)に一夜放置した。更なる水洗浄(10cm3)及び0.1モル/dm3リン酸ナトリウム、0.15モル/dm3 NaCl, pH 7.4(3x10cm3)による洗浄をびんロールで毎回10分間の混合で行なった。夫々のビーズ製剤の最後の延長された30分の洗浄を行ない、上澄み容積を約1.5cm3に減少した。
ビーズの一級アミンを保護されたヒドラジンに変換するために、ビーズをスクシンイミジル4-ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン(SANH)で処理した。実際に、SANH(25mg)をジメチルスルホキシド(DMSO)(1.2cm3)に溶解し、アリコート(0.3cm3)をビーズ製剤の夫々に添加し、かき混ぜた。0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M NaCl, pH 7.4緩衝液(1.5cm3)を夫々の管に添加し、室温で4時間にわたってびんロールで混合した。上澄みを吸引し、洗浄(3x10cm3)を緩衝液で行ない、続いて水(3x10cm3)で洗浄した。次いでビーズを0.1モル/dm3 MES、0.15モル/dm3 NaCl, pH 5.0 (4x10cm3)で洗浄してビーズ製剤をペレットとして残した。
夫々のビーズペレットに酸化されたグルコースオキシダーゼ又は酸化されたホースラディッシュペルオキシダーゼ1cm3を適当に添加し、室温で暗所で3時間混合することにより酸化された酵素の夫々の、それらのアルデヒドを経由してのSANH-修飾ビーズへのカップリングを行なった。
上澄みを吸引し、夫々のビーズ製剤をpH 5.0の緩衝液(5x10cm3)続いて水(5x10cm3)で洗浄し、毎回ビーズ懸濁液を素早く振とうし、次いで上澄みを慎重に吸引した。ビーズ製剤をフリッジ中で10cm3容積の水中で貯蔵した(BPAmII-ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びBPAmII-グルコースペルオキシダーゼ)。
【0026】
実施例5−固定化酵素の試験
固定化ホースラディッシュペルオキシダーゼ
実施例4で生成された固定化ホースラディッシュペルオキシダーゼビーズを毎回の洗浄につき2分間で食塩加リン酸緩衝液(PBS)中で3回洗浄した。PBSを注いで除き、クエン酸でpH6.4に調節された過酸化水素(0.35ミリモル/dm3)及びジアミノベンジジン(0.5mg/cm3)を含むリン酸ナトリウム水溶液(0.1モル/dm3)からなる染色媒体を添加した。5分後、ビーズが完全に暗褐色に染色し、酵素の存在を示すとともに、酵素が活性であることを確認した。
染色を37℃で行なった。ビーズを洗浄して染色媒体を除去し、ニコン倒立顕微鏡で50倍で写真を撮った。
固定化グルコースオキシダーゼ
固定化グルコースオキシダーゼビーズを毎回の洗浄につき2分間で食塩加リン酸緩衝液(PBS)中で3回洗浄した。PBSを注いで除き、全てPBS pH6.9中のD-グルコース(42ミリモル/dm3)、フェナジンメソスルフェート(0.1mg/cm3)及びニトロブルーテトラゾリウム(0.5mg/cm3)からなる染色媒体を添加した。5分後、ビーズが完全に暗青色に染色し、酵素の存在を示すとともに、酵素が活性であることを確認した。
染色を37℃で行なった。ビーズを洗浄して染色媒体を除去し、ニコン倒立顕微鏡で50倍で写真を撮った。
【0027】
実施例6−プロテインAの固定
ビーズへのrプロテインAのカップリング
実施例2-6で生成された充填床容積(5cm3)のビーズバッチBPAmIIを50cm3のポリプロピレン管に分配した。過剰水をデカントし、ビーズ製剤を水(5x40cm3)で洗浄し、毎回ビーズを再懸濁させ、それらを重力下で沈降させた。ホウ酸ナトリウム(0.1モル/dm3、pH8.3、4x40cm3)による洗浄を同様に行ない、ビーズを更に50cm3のこの緩衝液中で一夜冷凍して放置した。
ビーズのアミンをカルボン酸基に変換するために、それらを無水コハク酸で処理した。無水コハク酸(1.2g)をDMSO(60cm3)に溶解した。ホウ酸塩緩衝液をビーズからデカントし、この無水コハク酸溶液のアリコート(30cm3)をビーズ製剤に添加し、素早く振とうし、室温で6時間にわたってびんロールで混合した。ビーズ製剤を水(8x40cm3)で洗浄し、毎回素早くビーズを再懸濁させ、上澄みを吸引した。モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液のアリコート(25ミリモル/dm3、pH5.0、40cm3)を添加し、次いでビーズをフリッジ中で一夜放置した。この緩衝液(2x40cm3)によるビーズの更なる洗浄を行ない、ビーズをペレットとして残した。
N-ヒドロキシスクシンイミド(1.6g)を冷MES緩衝液(25ミリモル/dm3、pH5.0、32cm3)に溶解し、この溶液のアリコート(15cm3)をビーズペレットに添加し、素早く混合した。1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC、1.6g)をMES緩衝液(25ミリモル/dm3、pH5.0、32cm3)に溶解し、この溶液のアリコート(15cm3)をビーズ製剤に添加した。ビーズ製剤を30分間にわたってびんロールで混合して活性化した。上澄みをデカントし、夫々の製剤をMES緩衝液(25ミリモル/dm3、pH5.0、5x40cm3)で素早く洗浄してビーズをペレットとして残した。
直ちに、rプロテインAの溶液(15cm3、25ミリモル/dm3のMES、pH5.0中4mg/cm3)のアリコート(10cm3)をビーズ製剤に添加し、びんロールで混合しながらカップリングを室温で2時間進行させた。上澄みをデカントし、トリズマ-HCl、pH7.4のアリコート(30cm3)を添加し、2時間にわたって混合して残存するN-ヒドロキシスクシンイミドエステルをブロックした。上澄みをデカントし、水洗浄(8x40cm3)をビーズ製剤に行ない、ビーズを水(10cm3)中に残した(BPAmII-プロテインA)。
【0028】
実施例7−吸収剤としての使用
上記実施例2-3で生成された固体支持体を使用して支持体の質量の何倍もの量の赤色油のこぼれを吸収した。固体支持体をこぼれに適用すると、赤色油が固体支持体により完全に吸収され、吸収剤としての使用を例示した。
実施例8−酢酸パラジウムの封入
実施例1、パート3に従って調製されたビーズである、アミノ官能化ビーズ、BAmI(1g)をクロロホルム(0.86g)中の酢酸パラジウム(0.1g)及びポリ(フェニルイソシアネート共ホルムアルデヒド)(0.64g)の溶液に添加し、5分間放置した。真空を瞬間的に適用し、ビーズを篩に移し、過剰の酢酸パラジウム/ポリ(フェニルイソシアネート共ホルムアルデヒド)溶液を排出した。ビーズを含む篩を水浴中に浸漬し、一夜放置して完全に重合させた。ビーズをDMFで洗浄し、更に24時間にわたってDMF中で撹拌して放置して全てのポリマーデブリがビーズの外部から除去されることを確実にした。ビーズを水洗し、空気乾燥させた。
【0029】
実施例9
新しいビーズのガラス表面のエッチング
中空にされた中央を有する小さいガラスビーズ(新しいビーズ、図4、3.86g)を50cm3のポリプロピレンびんに入れ、Dip'n Etch[二フッ化アンモニウム]溶液(10cm3)で覆った。びんを2時間にわたって超音波浴に入れ、次いで16時間放置した。
ビーズを水(10x5cm3)、水酸化ナトリウム水溶液(15%w/v、10x5cm3)、水(10x5cm3)、塩酸水溶液(1モル/dm3、10x5cm3)次いで水(10x5cm3)で洗浄した。次いでビーズを100℃で1時間乾燥させた(収量2.8g)。
エッチングされたビーズとアミノプロピルトリメトキシシランの反応
エタノール:水(5cm3、95:5v/v)中のアミノプロピルトリメトキシシラン(0.1cm3)の溶液を調製し、10分間放置した。先に調製されたエッチングされたビーズ(2g)をポリプロピレンびんに入れ、この予備活性化溶液で覆った。その混合物を1時間にわたって超音波浴に入れ、次いでアセトンで洗浄し、窒素の流れの下で乾燥させてアミノプロピル官能性ビーズを得た。次いでビーズを2時間にわたって110℃で硬化した。
【0030】
アミノプロピル官能化ビーズとアクリロイルクロリドの反応
先に調製されたアミノプロピル官能化ビーズ(2g)を4-メチルモルホリン(0.5cm3)を含むジクロロメタン(2cm3)中で覆い、ジクロロメタン(2cm3)中のアクリロイルクロリド(0.5cm3)の溶液を5分間にわたって徐々に添加した。その混合物をかき混ぜ、1時間放置し、次いでジクロロメタン(3x5cm3)で洗浄し、その後に窒素の流れ中で乾燥させてアクリルアミド官能性ビーズを得た。
ポリジメチルアクリルアミドの重合
N,N-ジメチルアクリルアミド(10ミリモル、1g)、N-アクリロイルサルコシンメチルエステル(1.3ミリモル、0.2g)及びビス-アクリロイルエチレンジアミン(0.25ミリモル、0.04g)並びに水(0.3cm3)を丸底フラスコに入れた。過硫酸アンモニウム水溶液(0.2cm3中0.08g)を添加した。先に調製されたアクリルアミドビーズ(2g)を直ちにそのモノマー溶液に添加し、わずかな真空を適用して気泡をビーズの孔から除去した。
ステンレス鋼篩を使用して過剰のモノマー溶液を排出した。次いでビーズを含む篩をUVランプの下に一夜放置した。
ビーズを含む篩を冷水の浴に入れ、1時間放置した。今、孔内に封入されたポリマーを含むビーズを磁気撹拌棒とともに三角フラスコに移した。水(5cm3)を添加し、その混合物を磁気撹拌機で5分間撹拌した。ビーズの表面から侵食されたポリマーの小さい不規則な粒子を含む上澄みをデカントにより除去した。上澄みがポリマーの認められる粒子を含まなくなるまで、この洗浄プロセスを繰り返した。ビーズ-ポリマー複合固体支持体を水の下に貯蔵した。
【0031】
実施例10
エッチングされたビーズとアミノプロピルトリメトキシシランの反応
エタノール:水(50cm3、95:5v/v)中のアミノプロピルトリメトキシシラン(1cm3)の溶液を調製し、10分間放置した。エッチングされたサイズ15/0のビーズ(30g、BI)をポリプロピレンびんに入れ、この予備活性化溶液で覆った。その混合物を1時間にわたって超音波浴に入れ、次いでアセトンで洗浄し、窒素の流れの下で乾燥させてアミノプロピル官能性ビーズを得た。次いでビーズを2時間にわたって110℃で硬化した。
アミノプロピル官能化ビーズとアクリロイルクロリドの反応
先に調製されたアミノプロピル官能化ビーズ(30g)を4-メチルモルホリン(5cm3)を含むジクロロメタン(15cm3)中で覆い、ジクロロメタン(15cm3)中のアクリロイルクロリド(5cm3)の溶液を5分間にわたって徐々に添加した。その混合物をかき混ぜ、1時間放置し、次いでジクロロメタン(3x30cm3)で洗浄し、その後に窒素の流れ中で乾燥させてアクリルアミド官能性ビーズを得た。
ポリジメチルアクリルアミドの重合
N,N-ジメチルアクリルアミド(100ミリモル、9.9g)、N-アクリロイルサルコシンメチルエステル(13ミリモル、2.0g)及びビス-アクリロイルエチレンジアミン(5ミリモル、0.82g)並びに水(3cm3)を丸底フラスコに入れた。過硫酸アンモニウム水溶液(2cm3中0.75g)を添加した。先に調製されたアクリルアミドビーズ(30g)を直ちにそのモノマー溶液に添加し、わずかな真空を適用して気泡をビーズの孔から除去した。
ステンレス鋼篩を使用して過剰のモノマー溶液を排出した。次いでビーズを含む篩をUVランプの下に一夜放置した。
ビーズを含む篩を冷水の浴に入れ、1時間放置した。今、孔内に封入されたポリマーを含むビーズを磁気撹拌棒とともに三角フラスコに移した。水(50cm3)を添加し、その混合物を磁気撹拌機で5分間撹拌した。ビーズの表面から侵食されたポリマーの小さい不規則な粒子を含む上澄みをデカントにより除去した。上澄みがポリマーの認められる粒子を含まなくなるまで、この洗浄プロセスを繰り返した。ビーズ-ポリマー複合固体支持体を水の下に貯蔵した。
実施例11
ライニングを有する固体支持体を製造した。水及び過硫酸アンモニウムのレベルを夫々6cm3の水及び4cm3の過硫酸アンモニウム溶液中1.5gに2倍にした以外は、実施例2の操作に従った。厚さ約50ミクロンのポリマーライニングを有するビーズを製造した。
【符号の説明】
【0032】
1−ビーズ
2−孔
3−ポリマー
4−ポリマーの端部
5−ポリマーの中央

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーズがビーズ中の孔及びその孔内に配置されたポリマーを有することを特徴とするポリマー含浸ビーズを含む固体支持体。
【請求項2】
ビーズが不活性材料を含む、請求項1記載の固体支持体。
【請求項3】
不活性物質がガラス、セラミック、ポリマー、木材(又はその他の天然材料)及び金属から選ばれる、請求項2記載の固体支持体。
【請求項4】
ビーズが一般に球形又は楕円形である、請求項1から3のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項5】
ビーズが管状である、請求項1から3のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項6】
ビーズが不規則な形状である、請求項1から3のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項7】
ビーズ中の孔が一般にダンベル形の長さ方法の断面を有する、請求項1から6のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項8】
ビーズ中の孔が一般に管状の形状の長さ方向の断面を有する、請求項1から6のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項9】
ビーズ中の孔が一般にふくれた(中央で一層広い)形状の長さ方向の断面を有する、請求項1から6のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項10】
ビーズ内のポリマーが2mm未満の粒子サイズを有する、請求項1から9のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項11】
ビーズ内のポリマーが0.01〜0.5mmの粒子サイズを有する、請求項1から10のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項12】
ポリマーがビーズの孔中に生成される、請求項1から11のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項13】
ポリマーが直接又は間接にビーズに共有結合されている、請求項1から12のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項14】
ビーズがガラスを含み、かつポリマーへの結合のための誘導体との反応に適した活性部位を得るためにエッチング剤で処理されている、請求項1から13のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項15】
ビーズがポリマーとの反応のための活性部位を得るためにシランで誘導体化される、請求項1から14のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項16】
活性部位がビニル基である、請求項15記載の固体支持体。
【請求項17】
シラン基が式:-(O)nSi[(CH2)p[Z]qCR=CR2](4-n)(式中、nは1から3までであり、pは0から6までであり、Rは独立にH又はアルキルであり、qは0又は1であり、かつZは2価の結合基である)の基である、請求項15又は16記載の固体支持体。
【請求項18】
Zが式-(CH2)rNRC(O)-(式中、rは1から6までである)の基である、請求項17記載の固体支持体。
【請求項19】
シラン基が-O3SiCH=CH2及び-O3Si(CH2)3NHCOCH=CH2から選ばれる、請求項15から18のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項20】
活性部位がシラン以外の官能基(その官能基はビーズとポリマーの間に共有結合を形成し得る)を含む、請求項1から19のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項21】
ポリマーがポリアクリルアミド、ポリスチレン、セルロース、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルメタクリレート、ポリ尿素、ポリアクリロイルモルホリン、ポリベータヒドロキシエステル、ポリハイプ、ポリアルキレングリコール、及び多糖から選ばれる、請求項1から20のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項22】
支持体がビーズの孔内に不活性材料を含み、かつポリマーがその不活性材料に結合され、又は、不活性材料が多孔性である場合には、その不活性材料の孔内に保持される、請求項1から21のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項23】
不活性材料がポリハイプ又は多孔性無機ポリマー、例えば、多孔性シリカを含む、請求項21記載の固体支持体。
【請求項24】
ポリマーにより支持された機能性材料を更に含む、請求項1から23のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項25】
機能性材料が触媒、ペプチド合成のための開始剤種、オリゴヌクレオチド合成のための開始剤種、固相有機合成のための開始剤種、医薬活性物質、農業化学活性物質、タンパク質又はその他の生物学的巨大分子から選ばれる、請求項24記載の固体支持体。
【請求項26】
ポリマーがビーズ中の孔中の固体プラグの形態である、請求項1から25のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項27】
ビーズがビーズ中に孔を有し、かつ孔の壁がポリマーのリングをビーズの孔中に与えるようにポリマーの層を含む、ポリマー含浸ビーズを含む、請求項1から25のいずれか1項記載の固体支持体。
【請求項28】
ポリマーの層が1〜100ミクロンの厚さを有する、請求項27記載の固体支持体。
【請求項29】
請求項1から25のいずれか1項記載の固体支持体を含み、かつその支持体により結合又は保持された機能性材料(その機能性材料は生物学的サンプル中の化合物との相互作用のための特定の結合部位を有する)を含むことを特徴とする、分析のための生物学的サンプル中の化合物の存在を検出するための医療診断製品。
【請求項30】
機能性材料がポリマーにより支持された酵素を含む、請求項29記載の医療診断製品。
【請求項31】
カラム中に含まれた請求項1から28のいずれか1項記載の固体支持体を含むことを特徴とするモノリス。
【請求項32】
ポリマー含浸ビーズを含む固体支持体(そのビーズはビーズ中の孔及びその孔内に配置されたポリマー並びに生物学的サンプル中の化合物と選択的に反応又は結合するための支持体中のポリマーにより支持された機能性材料を有する)を用意し、そしてその生物学的サンプルを固体支持体と接触させることを特徴とする、生物学的サンプル中の化合物の存在を検出するための医療診断方法。
【請求項33】
孔をその中に有するビーズを用意する工程、ビーズをモノマー又はモノマーの溶液と接触させる工程、ポリマーを生成するようにモノマーの重合を行なう工程及び必要によりポリマーを含むビーズを更なる処理にかけて望ましくないポリマーをビーズの表面から除去する工程を含むことを特徴とする、固体支持体材料の製造方法。
【請求項34】
モノマー又はモノマーの溶液をビーズに添加し、重合を溶媒(これはモノマー又はモノマー溶媒と不混和性である)の存在下で行なう、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ポリマーをビーズの外表面から除去してポリマーをビーズの孔に配置して残すようにポリマーを含むビーズを物理的磨耗にかける、請求項33又は34記載の方法。
【請求項36】
化学的方法、生物学的方法又は物理的方法における請求項1から31のいずれか1項記載の固体支持体の使用。
【請求項37】
ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖から選ばれた種の固相合成のための固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項38】
固相抽出のための固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項39】
固相有機化学のための固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項40】
固相試薬、金属触媒及びその他の触媒、バイオ触媒、酵素、タンパク質、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含む抗体、全細胞並びにポリマーから選ばれた種の固定のための固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項41】
細胞培養のための固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項42】
クロマトグラフィー分離のための静止相の調製における固体支持体の請求項36記載の使用。
【請求項43】
吸収剤としての固体支持体の請求項36記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−500919(P2010−500919A)
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521163(P2009−521163)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006563
【国際公開番号】WO2008/012064
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(509024215)クロマタイド リミテッド (1)
【Fターム(参考)】