説明

固体酸化物形燃料電池システム

【課題】排気ガスの温度を低下させ、排気ガスに含まれる水分を低減させ、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制させる固体酸化物形燃料電池システムを提供する。
【解決手段】制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知した排気ガスの温度Tに基づいて水搬送源72のポンプ出力を制御し、排気ガスの温度Tが相対的に高いとき、水搬送源72のポンプ出力を増加させて熱交換器74における熱交換量を増加させる。制御部100は、排気ガスの温度Tが相対的に低いとき、水搬送源72のポンプ出力を減少またはゼロとさせて熱交換器74における熱交換量を減少させるかゼロとさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の発電運転により発生した排気ガスを通過させる排気ガス通路を有する固体酸化物形燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池と、貯湯タンクと、熱交換器とを有する燃料電池システムが開示されている。このものによれば、燃料電池からの高温の排気ガスと貯湯タンクの水とを熱交換器により熱交換させて、水を温水とさせる。特許文献2には、燃料電池と、貯湯タンクと、熱交換器と、循環ポンプと、熱交換器の入口水温および出口水温を検知する温度センサとを有する燃料電池システムが開示されている。このものによれば、熱交換器の出口水温が入口水温よりも所定温度以上高くなるように循環ポンプを制御し、熱交換器から吐出された温水の温度を安定的に維持させることにしている。
【0003】
特許文献3には、燃料電池と、貯湯タンクと、熱交換器と、熱交換器に水を循環させる循環ポンプと、循環ポンプの回転数を検知する回転数センサと、循環流量を検知する流量センサとを有する燃料電池システムが開示されている。このものによれば、制御部は、回転数センサから水の理論流量を求め、流量センサで水の実流量を求め、実流量が理論流量よりも小さいとき、循環ポンプの出力を強制的に増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127784号公報
【特許文献2】特開2006−24430号公報
【特許文献3】特開2006−24431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した技術によれば、燃料電池システムから排出される高温の排気ガスから熱回収して貯湯タンクに温水として溜める旨の記載が認められるものの、熱交換器から吐出された排気ガスの温度が高温であるか低温であるかについては、必ずしもわからない。外気に吐出された排気ガスの温度が高温であると、排気ガスに含まれている水分が外気に捨てられることになり、排気ガスに含まれている水分が充分にシステム内に改質水として回収されていないことになる。この場合、システムに改質水として水道水などから水を補給させる補給操作の頻度が増加するおそれがある。更に、水分を多く含む排気ガスが排気ガスの排気口から外気に放出されると、冬季や寒冷地では、排気ガスが排気口から白煙となって外気に放出され易くなるおそれがある。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、燃料電池が発電運転しているとき、外気に排出される排気ガスの温度を低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させ、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利な固体酸化物形燃料電池システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)様相1に係る固体酸化物形燃料電池システムは、燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと貯湯タンクに対して循環する循環通路と循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、排気ガス通路および循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと循環通路を流れる水とを熱交換させて循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、排気ガス温度センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
制御部は、排気ガス温度センサで検知した排気ガスの温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御し、排気ガスの温度がこれの目標温度よりも相対的に高いとき、水搬送源の駆動出力を増加させて熱交換器における熱交換量を増加させ、且つ、排気ガスの温度が相対的に低いとき、水搬送源の駆動出力を減少またはゼロとさせて熱交換器における熱交換量を減少させるかゼロとさせる制御部とを具備する。
【0008】
様相1によれば、排気ガスの温度が相対的に低いときとは、排気ガスの温度が目標温度よりも相対的に低いときを意味する。排気ガスの温度が相対的に高いときとは、排気ガスの温度が目標温度よりも相対的に高いときを意味する。目標温度はシステムや発電条件やシステムの設置場所等に応じて適宜選択される。例えば冬季や寒冷地等であっても、排気口から外気に排出される排気ガスが白煙化しないように、目標温度が設定されることが好ましい。
【0009】
排気ガス温度センサで検知した排気ガスの温度に基づいて、制御部は、水搬送源の駆動出力を制御する。すなわち、制御部は、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が目標温度よりも相対的に高いとき、水搬送源の駆動出力を増加させて熱交換器における熱交換量を増加させ、熱交換器から吐出される排気ガスの温度を低下させる。これにより排気ガス通路から吐出される排気ガスの過熱が抑制される。従って、高温の排気ガスが放出されることによる不具合が改善される。このように外気に排出される排気ガスの温度を低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【0010】
制御部は、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度がこれの目標温度よりも相対的に低いとき、水搬送源の駆動出力を減少またはゼロとさせて熱交換器における熱交換量を減少またはゼロとさせる。水搬送源の駆動出力が低減されるため、水搬送源の駆動エネルギが節約される。
【0011】
(2)様相2に係る固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと貯湯タンクに対して循環する循環通路と循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、排気ガス通路および循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと循環通路を流れる水とを熱交換させて循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、熱交換器で熱交換される循環通路の水の温度を検知する水温センサと、排気ガス温度センサおよび水温センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
制御部は、(i)排気ガスの温度が排気ガス第1閾値温度未満であるとき、水温センサで検知される水の温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御し、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内に維持させる第1制御を実行し、且つ、(ii)排気ガスの温度が排気ガス第1閾値温度以上であるとき、第1制御を中止し、水温センサで検知される水の温度の制御よりも、排気ガス温度センサで検知される排気ガスの温度の制御を優先させ、排気ガスセンサで検知される排気ガスの温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御し、水搬送源の駆動出力を第1制御よりも増加させることにより、熱交換器から吐出された排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内に維持させると共に、熱交換器から吐出された温水の温度低下を許容させる第2制御を実行する。
【0012】
様相2によれば、排気ガスの温度が排気ガス第1閾値温度未満であるとき、排気ガスの温度は過熱されていない。そこで制御部は、水温センサで検知される水の温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御する第1制御を実行する。排気ガス第1閾値温度は、システムの発電条件、システムの設置場所、季節等に応じて適宜選択され、排気口から外気に排出される排気ガスが人に影響を与えないように設定されることが好ましく、例えば50〜60℃(例えば50℃)にできる。但しこれに限定されるものではない。
【0013】
このような第1制御によれば、水温センサで検知される水の温度が相対的に高いとき、制御部は、水搬送源の駆動出力を増加させ、熱交換器から吐出された水の過熱を抑制させ、水の温度を適温化させる。これに対して、水温センサで検知される水の温度が相対的に低いとき、制御部は、水搬送源の駆動出力を減少(ゼロを含む)させる。これにより水搬送源の駆動出力が低減されるため、水搬送源の駆動エネルギが節約されるばかりか、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度が過剰に低温化することが抑制される。この結果、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内に維持させる。
【0014】
これに対して、排気ガスの温度が排気ガス閾値温度以上であるとき、排気ガスの温度は過熱されている。そこで制御部は、第1制御を中止し、水温センサで検知される水の温度の制御よりも、排気ガス温度センサで検知される排気ガスの温度の制御を優先させる第2制御を実行する。第2制御によれば、制御部は、排気ガスセンサで検知される排気ガスの温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御し、水搬送源の駆動出力を第1制御よりも増加させる。これにより、単位時間当たり熱交換器を流れる水の流量が増加し、熱交換器における熱交換量が増加し、排気ガスの温度が低下される。この結果、熱交換器から吐出された排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内に維持させる。この場合、熱交換器から吐出された温水の温度が低いときもあるが、これは許容される。上記したように外気に排出される排気ガスの温度を低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【0015】
(3)様相3に係る固体酸化物形燃料電池システムは、燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、前記改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、前記燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと貯湯タンクに対して循環する循環通路と循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、排気ガス通路および循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと循環通路を流れる水とを熱交換させて循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、熱交換器で熱交換される循環通路の水の温度を検知する水温センサと、排気ガス温度センサおよび水温センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
制御部は、(i)排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が排気ガス第2閾値温度未満であるとき、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を制御対象とし、水温センサで検知された水の温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御することにより、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内とさせる第3制御を実行し、且つ、(ii)排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が排気ガス第2閾値温度以上であるとき、熱交換器から吐出された水の温度よりも、熱交換器から吐出された排気ガスの温度を制御対象に切り替え、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御することにより、熱交換器から吐出された排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内とさせる第4制御を実行する。
【0016】
様相3によれば、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が排気ガス第2閾値温度未満であるとき、排気ガスは過熱されていない。そこで制御部は、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を制御対象とし、水温センサで検知された水の温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御する第3制御を実行する。排気ガス第2閾値温度は、システムの発電条件、システムの設置場所、季節等に応じて適宜選択され、排気口から外気に排出される排気ガスが人に影響を与えないように設定されることが好ましく、例えば50〜60℃(例えば60℃)にできる。但しこれに限定されるものではない。なお、様相3の場合の方が様相2の場合より温度上昇を抑え込みやすいため、排気ガス第2閾値温度の方が排気ガス第1閾値温度より高く設定できる。
【0017】
このような第3制御によれば、水温センサで検知された水の温度が相対的に高温のとき、水搬送源の駆動出力を増加させるように水搬送源を制御する。これに対して、水温センサで検知された水の温度が相対的に低温のとき、貯湯タンクの水の温度が低下するおそれがある。そこで制御部は、搬送源の駆動出力を減少させるように水搬送源を制御する。これにより循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を適温化させて、温水目標温度範囲内とさせる。
【0018】
排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が排気ガス第2閾値温度以上であるとき、排気ガスは過熱されている。そこで制御部は、熱交換器から吐出された水の温度よりも、熱交換器から吐出された排気ガスの温度を制御対象に切り替える第4制御を実行する。このような第4制御によれば、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度に基づいて水搬送源の駆動出力を制御する。すなわち、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が相対的に高いとき、制御部は、水搬送源の駆動出力を増加させるように水搬送源を制御する。これにより単位時間あたり熱交換器に流れる水の流量が増加し、外気に排出される排気ガスの温度を低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【0019】
これに対して、排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が相対的に低いとき、制御部は、水搬送源の駆動出力を減少またはゼロとさせるように水搬送源を制御する。これにより水搬送源の駆動出力が減少されるため、水搬送源の駆動エネルギが節約されるばかりか、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度が過剰に低温化することが抑制される。この結果、循環通路のうち熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内に維持させる。熱交換器から吐出された排気ガスの温度を適温化させ、排気ガス目標温度範囲内とさせる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、排気ガス通路の排気口から外気に排出される排気ガスの温度を低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、本発明は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。
【図2】実施形態1に係り、発電室に収容されているスタックおよび改質器付近を示す図である。
【図3】実施形態1に係り、熱交換器付近を示す図である。
【図4】実施形態1に係り、制御部のメモリ100mに格納されているマップを示す図である。
【図5】実施形態3に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図6】実施形態4に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図7】実施形態6係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。
【図8】実施形態7に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。
【図9】実施形態8に係り、燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい形態によれば、循環通路は、貯湯タンクを迂回する迂回通路と、迂回通路を開閉させる迂回バルブとをもつ。この場合、熱交換器から吐出された水の温度が第1温水閾値温度よりも低いとき、その水は低温であるため、貯湯タンクに戻すには好ましくない。そこで制御部は、迂回バルブを開放させて、熱交換器で加熱された温水を迂回通路に流して貯湯タンクに流入させることを制限または禁止させる制御を実行する。このため、貯湯タンクの温水を消費するとき、貯湯タンクの温水の温度が確保される。
【0023】
好ましい形態によれば、循環通路は、熱交換器の上流に設けられた放熱器と、放熱器に送風して放熱器を冷却させる送風部とを有する。この場合、迂回通路を流れた温水の温度が第2温水閾値温度よりも高いとき、制御部は、送風部を作動させて放熱器からの放熱量を増加させることにより、迂回通路を流れた温水の温度を低下させる放熱制御を実行する。このため放熱させた水を熱交換器に供給できるため、熱交換器において排気ガスを冷却させる効率が高まる。
【0024】
好ましい形態によれば、システムは、排気ガスが熱交換器を流れるときにおいて排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水が流れる凝縮水通路と、凝縮水通路に接続され凝縮水を改質用の改質水として溜める改質水タンクと、凝縮水通路に設けられ凝縮水通路を流れる凝縮水を排気ガス通路の排気ガスと熱交換させて加熱させる凝縮水用熱交換器とを有する。この場合、凝縮水通路を流れる凝縮水を凝縮水用熱交換器で加熱させることができる。排気ガスを過剰に冷却させると、排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水が過剰に低温であることがある。凝縮水が改質水として使用される場合、改質水を水蒸気化させる効率が低下するおそれがある。そこで凝縮水を凝縮水用熱交換器で排気ガスと熱交換させて加熱させることができる。
【0025】
(実施形態1)
図1〜図4は実施形態1を示す。図1は固体酸化物形の燃料電池システムの概念を示す。図2はスタック1付近を示す。図2に模式的に示すように、固体酸化物形燃料電池システムにおいて搭載されているスタック1は、スタック1を収容する発電室32において、カソードガスが通過できる通路32rを形成するように複数の燃料電池セル10を並設して形成されている。隣設する燃料電池セル10は図示しない導電部材によって電気的に接続されている。燃料電池セル10は、アノードガスが供給される燃料極として機能するアノード11と、カソードガスが供給される酸化剤極として機能するカソード12と、アノード11およびカソード12で挟まれた固体酸化物を母材とする電解質膜15と、アノードガスを流す通路11rをもつ多孔性導電部11wと、コネクタ10xとを有する。カソード12は、カソードガスが流れる通路32rに対面する。電解質膜15を構成する固体酸化物は、酸素イオン(O2−)を伝導させる性質性をもつものであり、イットリアを添加した安定化ジルコニア系、ランタンガレート系が例示される。多孔質導電部11wは、通路11rに供給されたアノードガスをアノード11に供給するとともにアノード11、電解質15、カソード12およびコネクタ10xを支持するものであり、材質はガス透過性と導電性を有する。多孔質導電部11wは、金属と希土類酸化物との複合体が例示される。アノード11は、ニッケル等の金属相とジルコニアとが混在するサーメットが例示される。カソード12は、サマリウムコバルタイト、ランタンマンガナイトが例示される。コネクタ10xは、ガス不透過性と導電性を有し、通路11rから多孔質導電部26に拡散されたアノードガスと、カソードガスの通路32rに供給されたカソードガスを遮断するものである。コネクタ10xは、ペロブスカイト型酸化物が例示される。材質は上記に限定されるものではない。なお、スタック1の下部には、改質器2からアノードガス通路14を介して供給されたアノードガスをスタック1の入口に案内するアノードガスマニホルド13が配置されている。
【0026】
図2に示すように、改質器2は、蒸発部20と、燃料原料が供給される改質部22とを備えている。蒸発部20は、改質水系4から蒸発部20に供給される液相状の改質水を水蒸気化させる。改質部22は蒸発部20の下流に設けられており、蒸発部20で生成された水蒸気でガス状または液状の燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素リッチのため還元性雰囲気)を生成させ、アノードガスをアノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介してアノード11側の多孔質導電部11wの通路11rに供給させる。アノードガスは水素ガスまたは水素含有ガスである。
【0027】
図1に示すように、筐体9は、筐体9の収容室91と、外気とを連通させる外気取込口92と、外気連通口93とをもつ。燃料電池モジュール3は筐体9の内部に収容されており、発電室32を形成する断熱材で形成された容器状の断熱壁30を有する。断熱壁30の発電室32にスタック1および改質器2を燃焼用空間23を介して収容することにより、燃料電池モジュール3は形成されている。
【0028】
燃料電池モジュール3では、スタック1の上側には改質器2(改質部22および蒸発部20)が配置されている。燃料電池モジュール3では、スタック1と改質器2(改質部22および蒸発部20)との間には、燃焼用空間23が形成されている。殊に、スタック1の上部と改質器2(改質部22および蒸発部20)の下部との間には、燃焼用空間23が形成されている。
【0029】
図1に示すように、改質水系4は、改質部22における水蒸気改質において水蒸気として消費される液相状の改質水を蒸発部20を介して改質部22に供給するものであり、水精製器40と改質器2の蒸発部20とを結ぶ改質水供給通路41と、改質水ポンプ42(改質水搬送源)と、給水バルブ43とを有する。水精製器40は、水を浄化させ得るイオン交換樹脂等の水精製材40aを有する。
【0030】
図1に示すように、燃料原料供給系5は、炭化水素系の燃料原料を改質器2に供給させるために燃料源50に繋がる燃料原料供給通路51と、入口バルブ52と、流量計53、脱硫器54と、燃料原料ポンプ55(燃料原料搬送源)とを有する。カソードガス供給糸6は、空気であるカソードガスを燃料電池モジュール3の発電室32に供給するカソードガス供給通路60と、除塵フィルタ61と、カソードガスポンプ62(カソードガス搬送源)と、流量計63とを有する。
【0031】
カソードガスポンプ62が駆動すると、外気は外気取込口92から収容室91に流入し、除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介してカソードガスとして燃料電池モジュール3の発電室32に供給される。外気取込口92から取り込まれる外気(カソードガス)の温度を検知する温度センサ102が、筐体9の外気取込口92付近において設けられている。蒸発部20で生成される水蒸気の温度を検知する温度センサ103が蒸発部20に設けられている。改質器2の改質部22の温度を検知する温度センサ104が改質器22に設けられている。
【0032】
スタック1の温度を検知する温度センサ105がスタック1に設けられている。センサ102,103,104,105の各信号は制御部100に入力される。
【0033】
図1に示すように、貯湯系7は、熱交換器74および貯湯タンク70を循環する循環通路71と、貯湯タンク70と、循環通路71に設けられた貯湯ポンプ72(貯湯用水の水搬送源)とを有する。循環通路71は、貯湯タンク70の下側の出水ポート70pから導出された往路71aと、貯湯タンク70の上側の入水ポート70iに導入された復路71cとを有する。貯湯ポンプ72が作動すると、貯湯タンク72の水は、出水ポート70pおよび循環通路71の往路71aを介して熱交換器74の水通路74wに供給され、熱交換器74のガス通路74gにおける排気ガスとの熱交換により加熱され、復路71cおよび入水ポート70iから貯湯タンク70に帰還する。これにより貯湯タンク70は温水を貯留させる。
【0034】
貯湯タンク70の上部には温水取出通路70mが接続され、下部には新水通路70kが接続されている。貯湯タンク70では、上部の温水は下部よりも暖かいため、温水取出通路70mから取り出される。貯湯タンク70の水が不足するとき、新しい水が新水通路70kから貯湯タンク70の下部に導入される。
【0035】
燃料電池モジュール3の近傍には熱交換器74が設けられている。熱交換器74は、燃料電池モジュール3から排出される排気ガス(スタック1の発電運転に伴い発生する高温の排気ガスが通過するガス通路74gと、貯湯系7の循環通路71の水が通過する水通路74wとをもつ。そして、熱交換器74のガス通路74gを流れる排気ガスの熱は、貯湯系7の循環通路71の水に伝達される。熱交換器74のガス通路74gから排気ガス通路75が筐体9の排気口76に向けて延設されている。燃料電池モジュール3の発電室32で生成された排気ガスは、熱交換器74で冷却された後、排気ガス通路75を介して排気口76から外気に排出される。熱交換器74のガス通路74gから凝縮水通路77が水精製器40に向けて延設されている。従って排気ガスに含まれている気相状の水分は、熱交換器74において冷却されて凝縮水を生成する。凝縮水は凝縮水通路77から重力等により水精製器40に供給される。
【0036】
図3に示すように、排気ガス通路75のうち熱交換器74で熱交換された直後の排気ガスの温度Tを検知する排気ガス温度センサ201が設けられている。排気ガス温度センサ201は、循環通路71において熱交換器74のガス通路74gの出口側に配置されている。循環通路71のうち熱交換器74の水通路74wで熱交換された直後の水の温度を検知する水温センサ203が設けられている。水温センサ203は、循環通路71において熱交換器74の出口側に配置されている。排気ガス温度センサ201の温度信号、水温センサ203の温度信号は制御部100に入力される。
【0037】
さて、スタック1の発電運転時には、バルブ52が開放した状態で燃料原料ポンプ55が駆動し、ガス状または液状の燃料原料が燃料原料供給通路51を介して改質器2の蒸発部20に供給される。また改質水ポンプ42が駆動し、改質水タンク44の液相状の改質水が改質水供給通路41を介して蒸発部20に供給される。ここで、蒸発部20は改質水を水蒸気化させる。水蒸気は改質部22に供給される。改質部22は燃料原料を水蒸気改質させ、アノードガスを生成させる。燃料原料がメタン系である場合には、水蒸気改質ではアノードガスの生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。固体酸化物形のスタック1では、Hの他にCOも燃料となりうる。
【0038】
(1)…CH+2HO→4H+CO
CH+HO→3H+CO
生成されたアノードガスは、アノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介して、スタック1のアノード11側の通路11rに供給されて発電に使用される。またカソードガスポンプ62が駆動しているため、筐体9の外部の外気がカソードガスとして除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介して燃料電池モジュール3の発電室32に供給され、通路32rを介してカソード12に供給される。これによりスタック1が電力負荷と接続されている状態において、スタック1はアノードガスとカソードガスとにより発電する。
【0039】
発電反応においては、水素含有ガスで供給されるアノード11では基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。酸素が供給されるカソード12では基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード12において発生した酸素イオン(O2−)がカソード12からアノード11に向けて電解質膜15を伝導する。
【0040】
(2)…H+O2−→HO+2e
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO+2e
(3)…1/2O+2e→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、スタック1の上方の燃焼用空間23に排出され、発電反応後のカソードオフガスおよび発電反応を経ていないカソードガスにより燃焼し、燃焼火炎24を燃焼用空間23において形成し、その後、排気ガスとして、熱交換器74を経て排気ガス通路75の先端の排気口76から筐体9の外部に放出される。排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水は、熱交換器74から導出される凝縮水通路77から水精製器40に供給され、水精製器40で精製される。精製された水は、改質水タンク44に改質水44wとして貯留される。
【0041】
なお、アノードガス(燃料原料)の流量としては、スタック1のアノード11における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23においてアノードオフガスが燃焼火炎24を形成する流量とを加算した流量が設定されている。カソードガスの流量としては、スタック1のカソード12における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23において燃焼用空気として燃焼火炎24を形成する流量と、余裕流量とを加算した流量が設定されている。蒸発部20は、燃焼用空間23の燃焼火炎24により加熱される。蒸発部20は、炭化水素系の燃料原料を水蒸気改質させる改質触媒部220を有する水蒸気改質反応室(吸熱室)を有する改質部22に繋がる。改質触媒部220は、水蒸気改質反応を促進させる改質触媒と、改質触媒を担持するセラミックス担体(例えばアルミナ、マグネシア)とを有する。触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、金等の貴金属系、または、ニッケル等の卑金属系等の公知のものが例示される。
【0042】
さて、本実施形態を特徴づける制御について説明する。排気ガス温度センサ201で検知した排気ガスの温度Tに基づいて、制御部100は、貯湯ポンプ72の駆動出力を制御する。すなわち、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tがこれの目標温度よりも相対的に高いとき、貯湯ポンプ72の駆動出力を増加させて熱交換器74の水通路74wにおける熱交換量を増加させ、熱交換器74のガス通路74gから吐出された排気ガスの温度Tを低下させる。これにより排気ガス通路75の排気口76から外気に放出される排気ガスの過熱が抑制される。従って、高温の排気ガスが放出されることによる不具合が改善される。このように排気口76から外気に排出される排気ガスの温度Tを低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、本実施形態は、冬季や寒冷地であっても排気ガスが白煙となって排気口76から外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【0043】
制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tがこれの目標温度よりも相対的に低いとき、貯湯ポンプ72の駆動出力を減少またはゼロとさせて熱交換器74の水通路74wを流れる水の流量を減少させ、熱交換器74における熱交換量を減少またはゼロとさせる。この場合、貯湯ポンプ72の駆動出力が低減されるため、貯湯ポンプ72の駆動エネルギが節約される。
【0044】
(実施形態2)
本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。制御部100に搭載されているメモリ100mには、図4に示すマップが格納されている。図4は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tと貯湯ポンプ72のポンプ出力との関係を示す。排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが高くなるにつれて、貯湯ポンプ72のポンプ出力が増加されている。すなわち、排気ガスの温度Tが低くなるにつれて、貯湯ポンプ72のポンプ出力が減少されている。
【0045】
上記したマップに基づけば、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが相対的に高いとき、貯湯ポンプ72のポンプ出力を増加させて熱交換器74の水通路74wを流れる水の流量を増加させ、熱交換器74における熱交換量を増加させ、熱交換器74から吐出された排気ガスの温度Tを低下させる。これにより排気口76から吐出される排気ガスの過熱が抑制される。従って、高温の排気ガスが放出されることによる不具合が改善される。このように外気に排出される排気ガスの温度Tを低下させ、排気口76から外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部100は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制するのに有利となる。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。まず、図5に示すように、スタック1の発電運転において排気ガス温度の制御を実行するにあたり、制御部100は、排気ガス温度センサ201および水温センサ203を含む各種センサの信号を読み込む(ステップS104)。次に、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tと排気ガス第1閾値温度Taとを比較する(ステップS106)。
【0047】
排気ガス第1閾値温度Taは、システムの発電条件、システムの設置場所、季節等に応じて適宜選択され、排気口76から外気に排出される排気ガスが人に影響を与えないように設定されることが好ましく、例えば50〜60℃(例えば50℃)にできる。但しこれに限定されるものではない。
【0048】
排気ガスの温度Tが排気ガス第1閾値温度Ta未満であるとき、排気ガスは過熱されていないため、制御部100は第1制御を実行する(ステップS108)。このような第1制御では、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tではなく、水温センサ203で検知される水の温度Twに基づいて貯湯ポンプ72のポンプ出力を制御する。このような第1制御によれば、排気ガスの温度Tが排気ガス第1閾値温度Ta未満である場合において、水温センサ203で検知される水の温度Twが相対的に高いとき、制御部100は、貯湯ポンプ72のポンプ出力を増加させ、単位時間当たり熱交換器74の通路74wに供給する水の流量を相対的に増加させる。この場合、メモリ100mに予め格納されているマップに基づいてあるいは演算式に基づいて、制御部100は、貯湯ポンプ72のポンプ出力を増加させることにすることが好ましい。これにより熱交換器74の水通路74wの出口から吐出された水の過熱が抑制され、水の温度Twが適温化される。この結果、適温化された温水が貯湯タンク70に蓄積される。
【0049】
一方、第1制御によれば、水温センサ203で検知される水の温度Twが相対的に低いとき、温度が過剰に低い温水が貯湯タンク70に供給されるおそれがある。そこで制御部100は、貯湯ポンプ72のポンプ出力を相対的に減少(ゼロを含む)させる。この場合、メモリ100mに予め格納されているマップに基づいてあるいは演算式に基づいて、制御部100は、貯湯ポンプ72のポンプ出力を減少させることが好ましい。このように貯湯ポンプ72のポンプ出力が低減(ゼロを含む)されるため、貯湯ポンプ72の駆動エネルギが節約されるばかりか、循環通路71のうち熱交換器74の水通路74wの出口から吐出された水の温度Twが過剰に低温化することが抑制される。この結果、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twを温水目標温度範囲内に維持させる。この結果、適温化された温水が貯湯タンク70に蓄積される。なお、ハンチングを防止するため、制御部100は所定時間待機(ステップS110)した後に、ステップS104に戻り、上記した制御を繰り返す。
【0050】
これに対して、排気ガスの温度Tが排気ガス第1閾値温度Ta以上のとき、排気ガスは過熱されている。このため制御部100は、上記した第1制御を中止し(ステップS112)、第2制御を実行する(ステップS114)。第2制御によれば、制御部100は、水温センサ203で検知される水の温度Twの安定化よりも、排気ガス温度センサ201で検知される排気ガスの温度Tを低下させることを優先させる。このような第2制御によれば、排気ガスは過熱されているため、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知される排気ガスの温度Tに基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を制御し、貯湯ポンプ72のポンプ出力を第1制御よりも増加させ、熱交換器74の水通路74wを通過する単位時間当たりの水の流量を増加させる。この場合、メモリ100mに予め格納されているマップに基づいてあるいは演算式に基づいて、制御部100は、貯湯ポンプ72のポンプ出力を増加させることにしても良い。
【0051】
この結果、排気ガスの温度Tが排気ガス第1閾値温度Ta以上で過熱されている場合であっても、排気ガスの温度Tが相対的に高いときには、熱交換器74の水流路74wに流れる水の流量が増加し、熱交換器74における熱交換量が増加し、排気口76から外気に排出される排気ガスの温度Tが低下される。この結果、熱交換器74のガス通路74gから吐出された排気ガスの温度、すなわち、排気口76から外気に排出される排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内に維持させることができる。この場合、排気ガスの温度Tを低下させることを優先させるため、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された温水の温度Twが過剰に低いときもあるが、これは許容される。なお、この場合、低温の水が貯湯タンク70に流入されるおそれがある。この場合、必要に応じて、貯湯タンク70を追い炊きバーナで追い炊きしても良い。
【0052】
上記したように本実施形態によれば、排気ガスの温度Tが排気ガス第1閾値温度Ta以上であり、排気ガスが過熱されているときであっても、排気口76から外気に排出される排気ガスの温度Tを低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部100は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって排気口76から外気に放出されることを抑制される。
【0053】
(実施形態4)
本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。まず、図6に示すように、スタック1の発電運転において、制御部100は、排気ガス温度センサ201および水温センサ203を含む各種センサの信号を読み込む(ステップS204)。制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tと排気ガス第2閾値温度Tbとを比較する(ステップS206)。排気ガス第2閾値温度Tbは、システムの発電条件、システムの設置場所、季節等に応じて適宜選択され、排気口から外気に排出される排気ガスが人に影響を与えないように設定されることが好ましく、例えば50〜60℃(例えば60℃)にできる。但しこれに限定されるものではない。
【0054】
排気ガスの温度Tが排気ガス第2閾値温度Tb未満であるとき、排気口76から排出される排気ガスは過熱されておらず、問題がない。このため、制御部100は、循環通路71のうち熱交換器74の水通路74wから吐出された水の温度Twを制御対象とし、水の温度Twの安定的維持を優先させる。すなわち、制御部100は、水温センサ203で検知された水の温度Twに基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を制御する第3制御を実行する(ステップS208)。このような第3制御によれば、水温センサ203で検知された水の温度Twが相対的に高温のとき、制御部100は、マップあるいは演算式等に基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を増加させるように貯湯ポンプ72を制御する。また第3制御によれば、水温センサ203で検知された水の温度Twが相対的に低温のとき、制御部100は、マップあるいは演算式等に基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を減少させるかまたはゼロとさせるように、貯湯ポンプ72を制御する。これにより貯湯ポンプ72の駆動エネルギを節約させるばかりか、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twを適温化させて、温水目標温度範囲内とさせることができ、貯湯タンク70の温水温度が維持される。なお、制御部100は所定時間待機(ステップS210)した後に、ステップS204に戻り、上記した制御を繰り返す。
【0055】
これに対して、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが排気ガス第2閾値温度Tb以上となるとき、排気ガスは過熱されている。そこで制御部100は温水温度を安定化させる第3制御を止め(ステップS212)、排気ガスの温度を低下させる第4制御を実行する(ステップS214)。このような第4制御によれば、制御部100は、熱交換器74から吐出された水の温度Twよりも、熱交換器74のガス通路74gから吐出された排気ガスの温度Tを優先させるべく、排気ガスの温度Tに制御対象に切り替える。
【0056】
このような第4制御によれば、制御部100は、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tに基づいて貯湯ポンプ72のポンプ出力を制御する。すなわち、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが相対的に高いとき、制御部100は、マップあるいは演算式等に基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を相対的に増加させるように、貯湯ポンプ72を制御する。これにより外気に排出される排気ガスの温度Tが低下され、外気に排出される排気ガスに含まれる水分が低減される。従って、制御部100は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制できる。
【0057】
上記した第4制御によれば、排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが相対的に低くなるときには、制御部100は、マップあるいは演算式等に基づいて、貯湯ポンプ72のポンプ出力を減少またはゼロとさせるように、貯湯ポンプ72のポンプ出力を制御する。これにより貯湯ポンプ72のポンプ出力が次第に減少されるため、貯湯ポンプ72の駆動エネルギが節約されるばかりか、循環通路71のうち熱交換器74の水通路74wから吐出された水の温度Twが過剰に低温化することが抑制される。この結果、制御部100は、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twを温水目標温度範囲内に維持させることができる。従って、熱交換器74から吐出された排気ガスの温度Tが適温化され、排気ガス目標温度範囲内とされる。
【0058】
(実施形態4)
本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが異状判定温度Tf以上の状態となることは、好ましくない。ここで、Tf>Ta、Tf>Tbの関係となる。この状態が所定時間tf継続するとき、制御部100はシステム異状が発生していると判定し、発電運転を停止させると共に、警告を出力する。排気ガスの温度Tが異状となる要因としては、貯湯ポンプ72の劣化や故障等の不具合、循環通路71における異物詰まり、空気巻き込み等により、熱交換器74の水通路74wに水が良好に流れなかったことが例示される。上記したシステム異状判定処理を、全ての実施形態に適用しても良い。
【0059】
(実施形態5)
本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。排気ガス温度センサ201で検知された排気ガスの温度Tが異状判定温度Tf以上となり、且つ、貯湯ポンプ72が最大出力で駆動している状態となることは、好ましくない。この状態が所定時間th継続するとき、制御部100はシステム異状が発生していると判定と、発電運転を停止させると共に、警告を出力する。上記したシステム異状判定処理を、全ての実施形態に適用しても良い。
【0060】
(実施形態6)
図7は実施形態6を示す。本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図2および図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。図7に示すように、循環通路71は、貯湯タンク70を迂回する迂回通路71rと、迂回通路71rを開閉させる迂回バルブ71vとをもつ。迂回バルブ71vは、熱交換器74に連通する熱交換ポート711と、貯湯タンク70に連通する貯湯ポート712と、迂回通路71rに連通する迂回ポート713とを有する。循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twが第1温水閾値温度Twaよりも低いとき、低温の温水が貯湯タンク70に供給されるおそれがある。そこで、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twが第1温水閾値温度Twa(例えば40℃)未満であるとき、制御部100は、迂回バルブ71vの貯湯ポート712を閉鎖し、熱交換ポート711および迂回ポート713を開放させる。これにより、熱交換器74で加熱された温水を迂回通路71rに流し、貯湯タンク70に流入させることを禁止(制限)させる。この場合、迂回通路71rを通過した水は熱交換器74の水通路74wに再び送られ、排気ガス通路75の排気ガスと熱交換され、暖められる。なお、第1温水閾値温度Twaはシステムの種類、システムの設置場所、季節等に応じて適宜選択される。
【0061】
なお、迂回通路71rを複数回通過すると、循環通路71の水も熱交換器74の水通路74wを複数回流れて熱交換するため、昇温する。この場合、水温センサ203が検知する水の温度Twが第1温水閾値温度Twa以上になったら、制御部100は、迂回ポート713を閉鎖させ、且つ、熱交換ポート711と貯湯ポート712とを所定時間だけ連通させるように迂回バルブ71vを制御し、循環通路71の温水を貯湯タンク70に供給させる通水制御を実行しても良い。
【0062】
この場合、通水制御を所定時間経過すれば、あるいは、水温センサ203で検知された水の温度Twが第1温水閾値温度Twa(例えば40℃)未満となったら、暖かい温水が貯湯タンク70に供給されたと推定される。このため、制御部100は、迂回バルブ71vの熱交換ポート711と貯湯ポート712とを非連通とさせ、熱交換ポート711と迂回ポート713とを連通させ、循環通路71の水が貯湯タンク70に供給されることを禁止する禁止制御を実行する。このように禁止制御および通水制御を交互に繰り返すことができる。本実施形態においても、上記したように外気に排出される排気ガスの温度Tを低下させ、外気に排出される排気ガスに含まれる水分を低減させることができる。従って、制御部は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制できる。なお上記した迂回構造を全ての実施形態に適用しても良い。
【0063】
(実施形態7)
図8は実施形態7を示す。本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図2および図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。上記したように循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twが第1温水閾値温度Twaよりも低いとき、低温の温水が貯湯タンク70に供給されるおそれがある。そこで、循環通路71のうち熱交換器74から吐出された水の温度Twが第1温水閾値温度Twa(例えば40℃)未満であるとき、制御部100は、迂回バルブ71vの貯湯ポート712を閉鎖し、熱交換ポート711および迂回ポート713を開放させる。これにより、熱交換器74で加熱された温水を迂回通路71rに流して貯湯タンク70に流入させることを禁止(制限)させる。この場合、迂回通路71rを通過した水は熱交換器74の水通路74wに送られ、排気ガス通路75の排気ガスと熱交換される。このため、熱交換器74の水通路74wを流れる水の温度Twが上昇して第2温水閾値温度以上Twc(Twc>Twa)となり、熱交換器74のガス通路74gを通過する排気ガスの温度Tが低下しにくくなるおそれがある。この場合には、制御部100は以下のような制御を実施する。ここで、循環通路71の往路71aは、熱交換器74の上流に設けられ放熱フィンをもつ放熱器780と、放熱器780に送風して放熱器780を冷却させる送風部782とを有する。
【0064】
迂回通路71rが通水可能に開放されている条件において、迂回通路71rを流れた温水の温度Tw(水温センサ203で検知された温度)が第2温水閾値温度Twc(Twc>Twa)以上となったとき、制御部100は送風部782を作動させて放熱器780からの放熱量を増加させる。これにより制御部100は、迂回通路71rを流れた温水の温度Twを放熱器780において低下させる放熱制御を実行する。これにより熱交換器74の水通路74wに流入する水の温度が低下するため、熱交換器74のガス通路74gを流れる排気ガスを効率よく冷却できる。これにより排気口76から排出される排気ガスの温度Tが低下され、排気ガスに含まれる水分が低減される。従って、制御部100は、冬季や寒冷地であっても、排気ガスが白煙となって外気に放出されることを抑制できる。なお、迂回通路71rを流れた温水の温度(水温センサ203で検知された温度)が第2温水閾値温度Twc未満である、排気ガスを熱交換器74で冷却できるため、制御部100は送風部782の送風作動を中止させることができる。なお上記した迂回構造および放熱構造を全ての実施形態に適用しても良い。
【0065】
(実施形態8)
図9は実施形態8を示す。本実施形態は基本的には実施形態1と同様の構成および同様の作用効果を有するため、図2および図3を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水が流れる凝縮水通路77が設けられている。凝縮水通路77に接続され凝縮水を水精製器40で精製させた後に改質用の改質水として溜める改質水タンク44が設けられている。凝縮水用熱交換器79が熱交換器74の下流に設けられている。凝縮水用熱交換器79は、凝縮水通路77を流れる凝縮水と排気ガス通路74の排気ガスとを熱交換させ、凝縮水を加熱させる。
【0066】
排気ガス通路75の排気ガスは、熱交換器74のガス通路74gで循環通路71の水と熱交換して冷却される。このとき排気ガスの温度Tが過剰に低下すると、排気ガスに含まれている水分が凝縮して生成された凝縮水の温度も過剰に低くなるおそれがある。凝縮水は改質水として使用される。このため改質水タンク44内の改質水(凝縮水)の温度が過剰に低いと、蒸発部20の蒸発能、ひいては改質部22の改質能に影響を与えるおそれがある。
【0067】
そこで本実施形態は、排気ガスが凝縮して生成された凝縮水を、重力等により凝縮水通路77を介して凝縮水用熱交換器79に流す。これにより熱交換器74のガス通路74gから吐出された排気ガスと凝縮水とが熱交換され、凝縮水が暖められる。このように暖められた凝縮水が凝縮水通路77を経て水精製器40で精製された後、改質水として改質水タンク44に貯留される。この場合、冬季や寒冷地等において、改質水タンク44内の改質水が必要以上に低温となることが抑制される。なお、上記した凝縮水昇温構造を全ての実施形態に適用しても良い。
【0068】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。排気ガス温度センサ201を、排気ガス通路76において熱交換器74のガス通路74gと排気口76との間に設けても良い。あるいは、排気口76に設けても良い。水温センサ203を、循環通路71において熱交換器74の水通路74wと入水ポート70iとの間に設けても良い。スタック1は平板のアノード11、カソード12を組み付けて形成された平板積層構造であるが、これに限らず、チューブ型でも良い。蒸発部20は改質部22と一体的に形成されているが、これに限らず、蒸発部20は改質部22から物理的に分離されていても良い。改質水ポンプ42、燃料原料ポンプ55およびカソードガスポンプ62はポンプに限らず、コンプレッサ、ファンでも良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
【0069】
[付記項1]燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される燃料電池と、燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させる排気ガス通路と、貯湯タンクと貯湯タンクに対して循環する循環通路と循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、排気ガス通路および循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと循環通路を流れる水とを熱交換させて循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、熱交換器で熱交換された排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、排気ガス温度センサの温度信号が入力される制御部とを具備する燃料電池システム。排気ガスの温度が高ければ、制御部は水搬送源の出力を増加させる。この場合、排気口から外気に排出される排気ガスの白煙化が抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は例えば定置用、車両用、電子機器用、電気機器用の固体酸化物形燃料電池システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1はスタック、11はアノード、12はカソード、2は改質器、20は蒸発部、22は改質部、220は改質触媒部、23は燃焼用空間、24は燃焼火炎、3は燃料電池モジュール、30は断熱壁、32は発電室、32rは通路、4は改質水系、40は水精製器、41は改質水供給通路、42は改質水ポンプ(改質水搬送源)、44は改質水タンク、5は燃料原料供給系、51は燃料原料供給通路、55は燃料原料ポンプ(燃料原料搬送源)、6はカソードガス供給系、60はカソードガス供給通路、62はカソードガスポンプ(カソードガス搬送源)、7は貯湯系、70は貯湯タンク、71は循環通路、71aは往路、71cは復路、71rは迂回通路、71vは迂回バルブ、72は貯湯ポンプ(水搬送源)、74は熱交換器、74gはガス通路、74wは水通路、75は排気ガス通路、76は排気口、77は凝縮水通路、780は放熱器、782は送風部、100は制御部、201は排気ガス温度センサ、203は水温センサを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、前記改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、前記燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと前記貯湯タンクに対して循環する循環通路と前記循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、前記排気ガス通路および前記循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと前記循環通路を流れる水とを熱交換させて前記循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、前記熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、前記排気ガス温度センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
前記制御部は、
前記排気ガス温度センサで検知した排気ガスの温度に基づいて前記水搬送源の駆動出力を制御し、排気ガスの温度がこれの目標温度よりも相対的に高いとき、前記水搬送源の駆動出力を増加させて前記熱交換器における熱交換量を増加させ、且つ、排気ガスの温度がこれの目標温度よりも相対的に低いとき、前記水搬送源の駆動出力を減少またはゼロとさせて前記熱交換器における熱交換量を減少させるかゼロとさせる燃料電池システム。
【請求項2】
燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、前記改質器で生成されたアノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、前記燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと前記貯湯タンクに対して循環する循環通路と前記循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、前記排気ガス通路および前記循環通路に設けられ前記排気ガス通路を流れる排気ガスと前記循環通路を流れる水とを熱交換させて前記循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、前記熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、前記熱交換器で熱交換される前記循環通路の水の温度を検知する水温センサと、前記排気ガス温度センサおよび前記水温センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
前記制御部は、
排気ガスの温度が排気ガス第1閾値温度未満であるとき、前記水温センサで検知される水の温度に基づいて前記水搬送源の駆動出力を制御し、前記循環通路のうち前記熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内に維持させる第1制御を実行し、且つ、排気ガスの温度が前記排気ガス第1閾値温度以上であるとき、前記第1制御を中止し、前記水温センサで検知される水の温度の制御よりも、前記排気ガス温度センサで検知される排気ガスの温度の制御を優先させ、前記排気ガスセンサで検知される排気ガスの温度に基づいて前記水搬送源の駆動出力を制御し、前記水搬送源の駆動出力を前記第1制御よりも増加させることにより、前記熱交換器から吐出された排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内に維持させると共に、前記熱交換器から吐出された温水の温度低下を許容させる第2制御を実行する燃料電池システム。
【請求項3】
燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、前記アノードガスとカソードガスとで発電される固体酸化物形の燃料電池と、前記燃料電池の発電運転に伴って発生した排気ガスを通過させて排気口から排出させる排気ガス通路と、貯湯タンクと前記貯湯タンクに対して循環する循環通路と前記循環通路の水を循環させる水搬送源とをもつ貯湯系と、前記排気ガス通路および前記循環通路に設けられ排気ガス通路を流れる排気ガスと前記循環通路を流れる水とを熱交換させて前記循環通路の水を加熱させて温水とする熱交換器と、前記熱交換器で熱交換される排気ガスの温度を検知する排気ガス温度センサと、前記熱交換器で熱交換される前記循環通路の水の温度を検知する水温センサと、前記排気ガス温度センサおよび前記水温センサの温度信号が入力される制御部とを具備しており、
前記制御部は、
前記排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が排気ガス第2閾値温度未満であるとき、前記循環通路のうち前記熱交換器から吐出された水の温度を制御対象とし、前記水温センサで検知された水の温度に基づいて前記水搬送源の駆動出力を制御することにより、前記循環通路のうち前記熱交換器から吐出された水の温度を温水目標温度範囲内とさせる第3制御を実行し、且つ、
前記排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度が前記排気ガス第2閾値温度以上であるとき、前記熱交換器から吐出された水の温度よりも、前記熱交換器から吐出された排気ガスの温度を制御対象に切り替え、前記排気ガス温度センサで検知された排気ガスの温度に基づいて前記水搬送源の駆動出力を制御することにより、前記熱交換器から吐出された排気ガスの温度を排気ガス目標温度範囲内とさせる第4制御を実行する燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記循環通路は、前記貯湯タンクを迂回する迂回通路と、前記迂回通路を開閉させる迂回バルブとをもち、
前記熱交換器から吐出された水の温度が第1温水閾値温度よりも低いとき、前記制御部は、前記迂回バルブを開放させて、前記熱交換器で加熱された温水を前記迂回通路に流して前記貯湯タンクに流入させることを制限または禁止させる制御を実行する燃料電池システム。
【請求項5】
請求項4において、前記循環通路は、前記熱交換器の上流に設けられた放熱器と、前記放熱器に送風して前記放熱器を冷却させる送風部とを有しており、前記迂回通路を流れた温水の温度が第2温水閾値温度よりも高いとき、前記送風部を作動させて前記放熱器からの放熱量を増加させることにより、前記迂回通路を流れた水の温度を低下させて前記熱交換器に流入させる放熱制御を実行する燃料電池システム。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの一項において、排気ガスが前記熱交換器を流れるときにおいて排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水が流れる凝縮水通路と、前記凝縮水通路に接続され凝縮水を改質用の改質水として溜める改質水タンクと、前記凝縮水通路に設けられ前記凝縮水通路を流れる凝縮水を前記排気ガス通路の排気ガスと熱交換させて加熱させる凝縮水用熱交換器とを有する燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−272342(P2010−272342A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122938(P2009−122938)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】