説明

固定具付き望遠鏡。

【課題】バードウオッチャーにとって偶然に見かけた小鳥を撮影する事は機器を常時持ち歩く事の難しさから困難な事であった。そのため小型の望遠鏡を用いて携帯電話機のカメラで撮影する方法が求められており、キーホルダーにぶら下げる程度の小型望遠鏡や魚眼レンズなどのアクセサリーレンズを用いてコリメート撮影が簡単に出来る、携帯電話機に付属したカメラと組み合わせて利用する為の固定具付き望遠鏡を提供する。
【解決手段】小型望遠鏡1の接眼レンズ部側面に固定用の保持部3を設け、該保持部と組み合わされる押さえ板5を組み合わせ、カメラのレンズ8前面に望遠鏡を片手で固定する事を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機に付属したデジタルカメラのレンズ前面に小型望遠鏡を固定してコリメート撮影を行う為のものである。コリメート撮影とは、望遠鏡の接眼レンズ側にカメラを取り付けて、望遠鏡を望遠レンズの代わりとして撮影する方法であるが、昨今の携帯電話機には高性能のデジタルカメラが内蔵され、それを利用した画像の印刷も高画質になってきている。それと平行してバードウオッチングの愛好家が携帯電話機に内蔵されたカメラでの小鳥のコリメート撮影も試みられ、それが広まってきていた。
【背景技術】
【0002】
従来、バードウオッチングの愛好家はカメラと望遠鏡は必需品であり、それなりの設備を用意して出かけるものであった。従って、日常の生活において偶然に珍しい小鳥と出会った時は何の用具も持ち合わせておらず残念な気持ちを味わうものであった。手持ちの携帯電話機に付属したカメラで写真撮影を試みるしか出来ないのであるが望遠倍率は低くとても満足できるものでは無かった訳である。
【0003】
そのような背景も相まって、カメラ付携帯電話機のレンズを望遠レンズに交換できるようにする事もすぐに考えられ、携帯電話機に付帯したカメラ用のアクセサリーレンズの発明などが多数出願されている。
【0004】
以下は携帯電話機に組み込まれたデジタルカメラに関する特許文献である。
【特許文献1】特許公開2005−101874
【特許文献2】特許公開2005−099473
【特許文献3】特許公開2004−233722
【特許文献4】特許公開2003−259166
【特許文献5】特許公開2002−271679
【0005】
近年は公園などの整備も進み身近なところに思いがけない珍しい小鳥を見る機会も多いが、常に望遠鏡やカメラを持ち歩く訳にはいかず偶然にめぐり合えた時に望遠鏡を持ち合わせていない残念さを味わう事は愛好家達は誰でも経験のある事であった。携帯電話機に付属するカメラが高倍率の望遠レンズも備えられればすべて解決できる事ではあるが、そのためには機器自体が高価となり現実的には難しい事であった。
【0006】
特許公開2004−233722による望遠レンズの出願はカメラ専用の望遠レンズに関わるものであり携帯電話機のカメラの機構に関した出願である。従来のレンズを交換できるカメラを携帯電話機に組み込む発想の出願であり、当然それらの装置も大掛かりになり高価なものなることは避けられない事であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
小型望遠鏡を携帯電話機にぶら下げておき、何時でも小鳥を見かけた時に望遠鏡として利用が出来、しかも手持ちの携帯電話機のカメラに組み合わせて、きれいな望遠画像が撮れるという事が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決する為の本発明は携帯電話機などにぶら下げておける程度の小型望遠鏡と携帯電話機に付属したカメラを組み合わせて利用する事を特徴とする。本発明は、望遠鏡(1)の鏡筒(2)の接眼レンズ側に保持部A(3)を設け、前記保持部A(3)に組み合わせた保持部B(3’)を有した押さえ板(4)を組み合わせた事を特徴とする固定具付き望遠鏡である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、小型望遠鏡を携帯電話機のカメラのレンズ面に片手で固定できるようになり、簡単にコリメート撮影を楽しめるようになった。また望遠鏡の代わりに魚眼レンズ等を組み合わせたアクセサリーレンズを用いて面白い写真を撮る事も可能になったものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図において実施例を説明する。望遠鏡(1)の鏡筒(2)の接眼レンズ側にネジ穴を設け保持部Aとする。次に押さえ板(4)先端部側面に穴を開け保持部Bとして、段付きネジ(9)で保持部Aと保持部Bを結合し関節を構成する。望遠鏡(1)の接眼レンズ部には滑り止めゴムリング(4)を、押さえ板(4)にはストラップ取り付け部(5)と滑り止めクッション(6)が接着して設けられる。
【0011】
保持部Aと保持部Bはお互いが穴の場合はネジを用い、いずれか一方が凸部であるピンの場合は片方が穴になる。またその混合形式で片方にネジを用い,もう一方に穴とピンの組み合わせを用いて両者をヒンジ状に結合して関節部を構成出来ればよい部分である。要するに自由に回転する関節を構成すればよい。軸受、ボルト継手、蝶番などこの部分の形式は自由に選択できる。押さえ板を介して望遠鏡の接眼レンズ部をカメラのレンズ部に押し付けるようにして固定する。押さえ板は弾力性の有るプラスチック、金属板が利用できる。
【実施例1】
【0012】
本発明による一実施例を説明する。
(1)は倍率6倍の望遠鏡。(2)は鏡筒、(3)は鏡筒に設けられたネジ穴、 ポリカーボネイトによる押さえ板(4)は先端部側面に保持部B(3’)を設け、段付きネジ(9)を介して望遠鏡(1)に組み立られる。
(5)はストラップ取り付け穴であり 携帯電話機用のストラップ取り付け穴となる。(4)は滑り止めゴムリング、(7)は弾性材による滑り止めクッションである
【0013】
非使用時には、図2に示すように押さえ板(5)の長手中心線と望遠鏡(1)の長手中心線が平行になる位置で落ち着き、使用時には図3に示すように直角位置付近で落ち着くように補助的な引っかかりを設ける事など、補助的要素は多くの方法があるがどれを追加しても良いのは当然である。
【0014】
滑り止めクッション(7)は 発泡体や皮革など自由に選択でき、接着剤で固定しておく。遠鏡接眼レンズ部にはカメラレンズに密着しやすいようにゴム質のリングを取り付けておく。使用時には押さえ板を携帯電話機に平行にして重ね持ち、望遠鏡はカメラレンズに直角に固定する。しかる後押さえ板を強く電話機に押し付けると保持部(3)が押さえられる事になり結果として望遠鏡がレンズに垂直に押さえられる事になる。
【0015】
この動作は全て片手で操作が可能である事が本発明の目的とするところである。携帯電話機は非常に多くの機種がありそのデザインもまちまちである為、当然にカメラレンズ部の形状や位置も異なっている。それらに対して何らかの補助具を取り付けて機械的に固定しようとするすると大変であるが、本発明のように単に上から押さえるだけであればどのような位置でも凹凸でも問題なく使用でき、操作も全く簡単な為大変便利な物となる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明により、改めて本格的機器を持ち運ばなくても安易に望遠鏡を利用したバードウオッチングが可能となり、その望遠鏡を利用して拡大されたきれいな写真を撮影する事が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】請求項1の実施例を示した説明図である。
【図2】請求項1の実施例を示した側面図である。
【図3】請求項1の実施例を示した側面図である。
【図4】押さえ板の正面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 望遠鏡
2 鏡筒
3 保持部A
3´ 保持部B
4 滑り止めゴムリング
5 押さえ板
6 紐取り付け部
7 滑り止めクッション
8 カメラレンズ
9 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
望遠鏡(1)の鏡筒(2)の接眼レンズ側に保持部A(3)を設け、前記保持部A(3)に組み合わせられる保持部B(3´)を有した押さえ板(4)を組み合わせた事を特徴とする固定具付き望遠鏡。
【請求項2】
アクセサリーレンズ(5)の鏡筒(2)の接眼レンズ側に保持部A(3)を設け、前記保持部A(3)に組み合わせられる保持部B(3´)を有した押さえ板(4)を組み合わせた事を特徴とする固定具付きアクセサリーレンズ。
【請求項3】
押さえ板(4)にストラップ取り付け部(5)を設けた事を特徴とした特許請求項1の固定具付き望遠鏡。
【請求項4】
押さえ板(4)にストラップ取り付け部(5)を設けた事を特徴とした特許請求項2の固定具付きアクセサリーレンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−39012(P2010−39012A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199100(P2008−199100)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000217468)
【Fターム(参考)】