説明

固定式の印刷ヘッド及び可動式の真空プラテンを備える印刷システム

【課題】固定式の印刷ヘッド及び可動式の真空プラテンを備える、優れた印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷ヘッドアセンブリと、媒体経路に沿って媒体を供給する駆動ローラと、固定式の印刷ヘッドアセンブリに対して動くように構成された真空プラテンアセンブリとを有する印刷システム、が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット印刷に関し、詳細には、大判印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷は、SOHO(small office, home office)向け印刷機の市場によく適している。それぞれの印刷される画素は、印刷ヘッド上の1つ又は複数のインクノズルから導出される。この形式の印刷は、安価で、多用途であり、したがってますます人気を博している。インクの射出は、連続式(Sweetによる米国特許第3596275号参照)、又はより主流の「ドロップオンデマンド」型で行うことができる。ドロップオンデマンド型では、各ノズルは、1滴のインクを必要とする媒体基板位置を横切ると、1滴のインクを射出する。ドロップオンデマンド式の印刷ヘッドは通常、インクを射出する各ノズルに対応するアクチュエータを有する。アクチュエータは、米国特許第3946398号にKyserらによって開示されているものなどのように、圧電式とすることができる。しかし最近では、熱電作動式の印刷ヘッドが、インクジェット印刷の分野で最も普及してきた。熱電式のアクチュエータは、Canon(登録商標)及びHewlett Packard(登録商標)などの製造者によって好まれている。インクジェット印刷ヘッド内でのこのタイプのアクチュエータの基本的な動作については、Vaughtらが米国特許第4490728号に開示している。
【0003】
大判印刷は、インクジェットの用途が拡大している別の市場である。「大判」とは、印刷幅が17”(438.1mm)より大きいあらゆる印刷機を指すことができる。しかし、大部分の市販の大判印刷機の印刷幅は、36”(914mm)〜54”(1372mm)の範囲内である。残念なことに、大判印刷機は、印刷ヘッドがページの端から端まで一連の横方向の帯状エリア(swath)内に印刷するため、極度に遅い。これを克服するために、ページの幅全体に同時に印刷できる印刷機を設計する試みがなされてきた。知られているページ幅加熱式インクジェット印刷機の例は、Rangappanの米国特許第5,218,754号及びPondらの米国特許第5,367,326号に記載されている。ページ幅印刷ヘッドは、ページの端から端まで前後に横断しないため、それによって印刷速度を著しく増大させる。しかし、ページ幅印刷ヘッドアセンブリに対する提案は、標準的な印刷ヘッド技術によって課される機能上の制限のため、商業的に成功していない。幅1372mm(54インチ)の標準的なロール紙の幅全体に延びるように構成された600dpiの加熱式バブルジェット(登録商標)印刷ヘッドは、136,000個のインクジェットノズルを必要とするはずであり、動作中には24キロワットの熱を生成するはずである。これは、24台の家庭用バーヒータによって生じる熱にほぼ同等であり、強制的な空冷又は水冷などの熱交換システムを使用して能動的に冷却することが必要になるはずである。印刷機向けの冷却システムはおそらく、何らかのタイプの外部排気を必要とするはずであるため、これは、大部分の家庭用及び商業用の環境では実用的でない。外部排気がなければ、印刷機を収容している部屋が過熱する可能性が高い。
【0004】
上記からわかるように、多くの異なるタイプの印刷技術が利用可能である。理想的には、印刷技術は、複数の所望の属性を有するべきである。これらの属性には、安価な構造及び動作、高速動作、安全な連続する長期的動作などが含まれる。各技術は、コスト、速度、品質、信頼性、電力使用、構築動作の簡単さ、耐久性、及び消耗品の領域で、独自の利点及び欠点を有することがある。永続的な問題及び進行中の設計上の課題のいくつかは、本発明の態様によって対処又は改善される。これらの設計上の問題について、以下に論じる。
【0005】
1.媒体の供給
大部分のインクジェット印刷機は、媒体が媒体供給経路に沿って漸増的に進むと印刷幅の端から端まで往復する走査式の印刷ヘッドを有する。これによって、小型で低コストの印刷機構成が可能になる。しかし、走査式の印刷ヘッドに基づく印刷システムは、機械的に複雑であり、走査運動の精密な制御を維持するために遅くなる。時間遅延はまた、走査ごとの媒体の漸増的な停止及び開始にも起因する。ページ幅印刷ヘッドは、媒体に広がる固定式の印刷ヘッドを提供することによって、この問題を解決する。そのような印刷機は高性能であるが、大きなインクジェットノズルのアレイは、保守するのが困難である。例えば、媒体が広いのと同程度にノズルのアレイも長いとき、拭取り、キャップ締め、及び吸取りが一際困難になる。保守ステーションは通常、印刷ヘッドからずれて位置する必要がある。これにより、印刷機の寸法が増し、また印刷ヘッドの保守を実行するために印刷ヘッド又は補修要素を平行移動させる複雑さが増す。より簡単でより小型のページ幅の解決策を有することが必要とされている。
【0006】
2.媒体供給エンコーダ
同様に、印刷品質には媒体供給の高精度の制御が不可欠である。従来、媒体シートが印刷ヘッドを越えて進むことは、媒体供給経路内のスパイクホイールとローラの対によって実現される。通常、あるスパイクホイール及びローラが、印刷ヘッドの上流にあるシートを監視し、別のスパイクホイール及びローラが印刷ヘッドの下流にあり、したがってシートの後方端が正確に印刷される。これらのスパイクホイールは、いかなる駆動ローラにも組み込むことができず、したがって印刷機構に相当な嵩を加える。
【0007】
3.印刷機の動作
インク射出ノズルと媒体表面の間の間隙は、印刷量を維持するため、一定のままにする必要がある。媒体シートが印刷ヘッドを通過するときに媒体シートを高精度に制御することが、非常に重要である。媒体が折れ曲がったり、印刷区間内で前方端又は後方端の位置制御が不十分になったりすると、目に見えるアーチファクトが生じる可能性がある。
【0008】
4.補修モジュール
印刷ヘッドの保守(すなわち、定期的な拭取り、キャップ締め、及び吸取りなど)には保守ステーションが必要であり、保守ステーションは、印刷機に嵩及び複雑さを加える。例えば、走査式の印刷ヘッドの補修モジュールは通常、媒体供給経路の片側に位置し、印刷ヘッドから横方向にずれている。これにより、印刷機には横方向の寸法が加わり、補修モジュールには、保守を実行するために印刷ヘッドを平行移動させる複雑さが加わる。印刷ヘッドは、印刷していないとき、これらの補修モジュールの方へ動くことが多い。各印刷ヘッドがその動作位置に戻ったときは、他の印刷ヘッドとの位置合わせがずれやすく、最終的には、目に見えるアーチファクトのために、すべての印刷ヘッドを再度位置合わせすることが必要になる。他の場合、補修モジュールは、印刷ヘッドが媒体の上へ十分に引き上げられるまで、両側から平行移動して印刷ヘッドを補修する。これらのシステム設計にはどちらも、印刷機幅の寸法が大きいこと、設計及び制御が複雑であること、並びに印刷ヘッドの位置合わせを維持するのが困難であることという欠点がある。
【0009】
5.エアロゾルの除去
エアロゾルの生成とは、空気で運ばれる粒子になるのに十分なほど小さいインク滴が意図せずに生成されることを指す。エアロゾルは、システム速度及び分解能が増大すると増大する。分解能が増大するにつれて、滴の体積は低減され、エアロゾルになりやすくなる。システム速度が増大するにつれて、媒体の速度が増大して滴の発生率が増大し、したがってエアロゾルも増大する。
【0010】
この問題に対する解決策は、エアロゾル収集システムである。これらのシステムの設計は、印刷システムが様々な媒体幅の使用を可能にする媒体経路に広がる固定式の印刷ヘッドアセンブリを利用するとき、より困難になる。媒体幅が紙の全経路幅より小さいとき、印刷ヘッドアセンブリの一部だけが動作する。印刷ヘッドアセンブリのうち媒体を越えて延びる部分は、ノズル内の水が蒸発して局部的なインクの粘性が増大すると、詰まる可能性がある。最終的には、ノズルにおける粘性が、射出アクチュエータが射出するには大きくなりすぎる。したがって、エアロゾル生成の問題、及び液滴生成器を媒体の端から端まで、そして媒体を越えて実施する必要があるという関連する問題がある。これらの問題は、適切に対処されていない。従来の解決策には、2つの例を挙げると、(1)通常単一のダクトからエアロゾルを収集するエアロゾル収集システムダクト、(2)印刷機が印刷していないときにのみ利用される、印刷区間の外に配置されたスピツーン(spittoon)が含まれる。
【0011】
6.インクの送達
より大きい印刷ヘッドは、印刷ヘッドが従来の走査タイプであるか、それともページ幅印刷ヘッドであるかにかかわらず、印刷速度を増大させるのに役立つ。しかし、より大きい印刷ヘッドは、より大きいインク供給流量を必要とし、印刷ヘッド上のインク入口から入口とは離れたノズルへのインクの圧力が降下することで、液滴射出特性が変化する可能性がある。
【0012】
大きい供給流量は大きいインクタンクを必要とし、大きいインクタンクでは、インクタンクが一杯のときに生成される静水圧と比較すると、インクレベルが低いときには圧力降下が大きくなる。各印刷ヘッド内に組み込まれる個々の圧力調整器は、多色印刷ヘッドの場合、特に4つ以上のインクを有するものの場合、扱いにくく、高価である。5つのインク及び5つの印刷ヘッドをもつシステムは、25個の調整器を必要とするはずである。さらに、単一の調整されたインク源を使用すると、長い印刷ヘッドで圧力降下が大きくなる傾向がある。多数のより小さいインク供給タンクでは交換率が高くなり、印刷機の動作に混乱を生じさせる。
【0013】
7.プライミング/デプライミング(DEPRIMING)及び気泡の除去
プライミングし、デプライミングし、且つ印刷ヘッドから気泡をパージすることができるインクジェット印刷機は、使用者に固有の利点を提供する。古い印刷ヘッドを取り外すと、印刷機から切り離す前にデプライミングされていなかった場合、残留インクを不注意でこぼす可能性がある。もちろん、新しく設置された印刷ヘッドはプライミングする必要があるが、このプライミングは、毛管作用を使用する受動システムではなく、印刷機が印刷ヘッドを能動的にプライミングする場合、より迅速に行われる。
【0014】
能動的なプライミングは、インクがノズルアレイ全体に吸い込まれるまでノズルをスピツーン内へ噴射させるため、大量のインクを無駄にする傾向がある。圧力下でインクをノズルへ押し込むと、ノズル面にインクをあふれさせやすい。インクのあふれを追加の拭取り動作で修正しなければ、印刷を始めることができない。
【0015】
印刷ヘッドが長時間にわたって非活動状態になるとき、この待機期間中に印刷ヘッドをデプライミングすると有益であろう。デプライミングにより、乾燥したインクがノズル及び非常に小さい射出チャンバ内に詰まるのが回避される。待機のためにデプライミングすると、次に印刷機を使用するときに能動的で適時な再プライミングが必要になる。
【0016】
印刷ヘッド内に閉じ込められた気泡は永続的な問題であり、印刷アーチファクトの一般的な原因である。気泡を印刷ヘッドから能動的且つ急速に除去することで、使用者は、印刷ヘッドを交換することなく印刷上の問題を修正することができる。能動的なプライミング、デプライミング、及び空気パージは通常、特に印刷ヘッドのキャッパ内の真空によってインクがノズルを通って吸い込まれる場合、大量のインクを使用する。これは、ノズルの数が増大するとより多くのインクが失われるため、ノズルのアレイが大きいことによって悪化する。
【0017】
8.キャリアアセンブリ
ノズルと印刷媒体の表面の間の間隙を制御することは、印刷品質にとって非常に重要である。知られているように、この「印刷間隙」の変動は、インク液滴の飛翔時間に影響を与える。ノズルと媒体基板が互いに対して動くと、液滴の飛翔時間が変動することで、媒体表面上にドットで印刷される位置が変わる。
【0018】
ノズルアレイの寸法を増大させ、又はいくつかの異なるノズルアレイを提供することで、印刷速度を増大させる。しかし、より大きいノズルアレイ及び複数の別個のノズルアレイは、一定の印刷間隙を維持する困難さを大いに増大させる。通常、精密な機器の公差に関連する生産コストと、印刷品質及び/又は印刷速度の間には妥協がある。
【0019】
9.インク導管の経路指定
ノズルアレイ内のすべてのノズルへのインクの供給は、インク圧力及び補充流量の点から均一に行うべきである。インク供給におけるこれらの特性を変化させると、ノズルの液滴射出特性を変える可能性がある。これはもちろん、印刷内に目に見えるアーチファクトをもたらす可能性がある。
【0020】
より大きいノズルアレイは、印刷速度の点では有益であるが、インク供給の点では問題である。インク供給導管から比較的離れたノズルでは、より近傍のノズルによってインクが消費されるため、インクが不足する可能性がある。
【0021】
より一般的なレベルでは、カートリッジ又は他の供給タンクから印刷ヘッドへのインク供給ラインは、可能な限り短くしなければならない。印刷ヘッドのプライミング動作は、インク貯蔵器からの流れ経路が最も長いインク色に合わせて構成する必要がある。これは、他のインク貯蔵器によって供給されるアレイ内のノズルは、必要以上に長くプライミングすることがあることを意味する。これによって、ノズルがあふれたり、インクが無駄になったりする可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】米国特許第3596275号
【特許文献2】米国特許第3946398号
【特許文献3】米国特許第4490728号
【特許文献4】米国特許第5218754号
【特許文献5】米国特許第5367326号
【発明の概要】
【0023】
1.給紙
第1の態様によれば、本発明は、
印刷ヘッドアセンブリと、
媒体経路に沿って媒体を供給する駆動ローラと、
固定式の印刷ヘッドアセンブリに対して動くように構成された真空プラテンアセンブリと、を備える印刷システムを提供する。
【0024】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、互いに重複して間に間隙なく媒体経路に集合的に広がる互い違いの印刷ヘッドのアレイを含む。
【0025】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドのアレイから媒体を受け取るように構成された真空作動式の媒体輸送区間をさらに備える。
【0026】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の補修モジュールを備え、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドアレイのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせするように構成された真空プラテンをもつ。
【0027】
一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0028】
一実施形態では、システムは、真空作動式の媒体輸送区間に隣接するスキャナをさらに備える。
【0029】
一実施形態では、真空作動式の媒体輸送区間は、複数の個々の真空ベルトを有する。
【0030】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、共通のベルト駆動機構を共用する。
【0031】
一実施形態では、システムは、真空プラテンアセンブリ内に埋め込まれた媒体エンコーダをさらに備える。
【0032】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、固定式の真空プラテンをさらに備え、固定式の真空プラテン内には補修モジュールが埋め込まれ、固定式の真空プラテンは、媒体経路のうち印刷区間を画定する区分に隣接して位置決めされ、印刷区間は、印刷ヘッドによって同時に印刷可能な領域を含む。
【0033】
本発明のこの態様は、媒体経路が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0034】
一実施形態では、媒体経路は、幅914mm(36インチ)〜1372mm(54インチ)である。
【0035】
一実施形態では、印刷区間の面積は、129032平方mm(200平方インチ)未満である。
【0036】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.2psi未満の圧力差を生成するように構成される。
【0037】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.036psi〜0.116psiの圧力差を生成するように構成される。
【0038】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体上に4ポンド〜13.5ポンドの法線力を生成するように構成される。
【0039】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、駆動ローラより速い速度で媒体を輸送するように構成される。
【0040】
一実施形態では、媒体は、駆動ローラと個々の真空ベルトの両方と同時に係合し、したがって媒体は、個々の真空ベルトに対して滑る。
【0041】
第2の態様によれば、本発明は、
印刷区間と、
印刷区間の入力側に位置決めされた駆動ローラと、
印刷区間より下に位置決めされた真空プラテンアセンブリと、
印刷区間に重なって広がる印刷ヘッドアセンブリと
印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトアセンブリと、を備える印刷システムを提供する。
【0042】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、使用中に媒体に集合的に広がる互い違いの印刷ヘッドのアレイを有する。
【0043】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、複数の補修モジュールを備え、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドアレイのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせするように構成された真空プラテンをもつ。
【0044】
一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0045】
一実施形態では、システムは、真空ベルトアセンブリに隣接するスキャナをさらに備える。
【0046】
一実施形態では、真空ベルトアセンブリは、複数の個々の真空ベルトを有する。
【0047】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、共通のベルト駆動機構を共用する。
【0048】
一実施形態では、システムは、真空プラテンアセンブリ内に埋め込まれた媒体エンコーダをさらに備える。
【0049】
一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0050】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、固定式の真空プラテンをさらに備え、固定式の真空プラテン内には補修モジュールが埋め込まれ、固定式の真空プラテンは、媒体経路のうち印刷区間を画定する区分に隣接して位置決めされ、印刷区間は、印刷ヘッドによって同時に印刷可能な領域を含む。
【0051】
本発明のこの態様は、媒体経路が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0052】
一実施形態では、媒体経路は、幅36インチ〜1372mm(54インチ)である。
【0053】
一実施形態では、印刷区間の面積は、129032平方mm(200平方インチ)未満である。
【0054】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.2psi未満の圧力差を生成するように構成される。
【0055】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.036psi〜0.116psiの圧力差を生成するように構成される。
【0056】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体上に4ポンド〜13.5ポンドの法線力を生成するように構成される。
【0057】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、駆動ローラより速い速度で媒体を輸送するように構成される。
【0058】
一実施形態では、媒体は、駆動ローラと個々の真空ベルトの両方と同時に係合し、したがって媒体は、個々の真空ベルトに対して滑る。
【0059】
第3の態様によれば、本発明は、
印刷ヘッドアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリに対向する真空プラテンアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリと真空プラテンの間の媒体経路と、
媒体経路に沿って媒体を動かす駆動ローラと、
真空プラテンアセンブリから媒体を離す真空ベルトアセンブリと、
真空ベルトに隣接し、印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナと、を備える印刷システムを提供する。
【0060】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、使用中に媒体に集合的に広がる互い違いの印刷ヘッドのアレイを有し、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0061】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、複数の補修モジュールを備え、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドアレイのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせするように構成された真空プラテンをもつ。
【0062】
一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0063】
一実施形態では、真空ベルト区間は、複数の個々の真空ベルトを有する。
【0064】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、共通のベルト駆動機構を共用する。
【0065】
一実施形態では、システムは、真空プラテン内に埋め込まれた媒体エンコーダをさらに備える。
【0066】
一実施形態では、駆動ローラは、媒体供給軸に沿って印刷ヘッドを越えて媒体を動かし、印刷ヘッドは2列に構成され、互いに対して互い違いであり、媒体供給軸に対して横方向に重複する。
【0067】
一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0068】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、固定式の真空プラテンをさらに備え、固定式の真空プラテン内には補修モジュールが埋め込まれ、固定式の真空プラテンは、媒体経路のうち印刷区間を画定する区分に隣接して位置決めされ、印刷区間は、印刷ヘッドによって同時に印刷可能な領域を含む。
【0069】
本発明のこの態様は、媒体経路が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0070】
一実施形態では、媒体経路は、幅36インチ〜1372mm(54インチ)である。
【0071】
一実施形態では、印刷区間の面積は、129032平方mm(200平方インチ)未満である。
【0072】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.2psi未満の圧力差を生成するように構成される。
【0073】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.036psi〜0.116psiの圧力差を生成するように構成される。
【0074】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体上に4ポンド〜13.5ポンドの法線力を生成するように構成される。
【0075】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、駆動ローラより速い速度で媒体を輸送するように構成される。
【0076】
一実施形態では、媒体は、駆動ローラと個々の真空ベルトの両方と同時に係合し、したがって媒体は、個々の真空ベルトに対して滑る。
【0077】
入力駆動ローラ、印刷ヘッドアセンブリ及び真空プラテンをもつ印刷区間、並びに真空ベルトにより、垂直作動式の補修モジュールの使用が可能になる。これは、横方向にずらした補修ステーションを有するシステムより小型の構成である。補修モジュールを真空プラテン内へ埋め込むことで、全体的な構成をさらに凝縮し、印刷ヘッドの保守の自動化を簡略化する。
【0078】
2.媒体供給エンコーダ
第4の態様によれば、本発明は、
真空プラテンアセンブリと、
真空プラテンアセンブリから隔置された印刷ヘッドアセンブリと、
真空プラテンアセンブリ内に埋め込まれた媒体エンコーダとを備えるインクジェット印刷システムを提供する。
【0079】
一実施形態では、インクジェット印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリとプラテンの間に延びる媒体供給軸をさらに備え、印刷ヘッドアセンブリは、複数の印刷ヘッドを有し、媒体エンコーダは、2つの印刷ヘッド間で媒体と係合するように位置決めされる。
【0080】
一実施形態では、インクジェット印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリと真空プラテンアセンブリの間に印刷区間をさらに備え、この印刷区間で、使用中、媒体は、印刷ヘッドアセンブリからインクで印刷され、媒体エンコーダは、印刷区間の上流側近傍で媒体と係合するように位置決めされる。
【0081】
一実施形態では、インクジェット印刷システムは、
媒体を真空プラテン上へ動かす駆動ローラと、
真空プラテンから媒体を離す真空ベルトアセンブリと、
真空アセンブリに隣接し、印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナと、をさらに備える。
【0082】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、使用中に媒体に集合的に広がる互い違いの印刷ヘッドのアレイを有し、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0083】
一実施形態では、駆動ローラは、媒体供給軸に沿って印刷ヘッドを越えて媒体を動かし、印刷ヘッドは2列に構成され、互いに対して互い違いであり、媒体供給軸に対して横方向に重複する。
【0084】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、複数の補修モジュールを備え、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドアレイのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせするように構成された真空プラテンをもつ。
【0085】
一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0086】
一実施形態では、真空ベルトアセンブリは、複数の個々の真空ベルトを含む。
【0087】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、固定式の真空プラテンをさらに備え、固定式の真空プラテン内には補修モジュールが埋め込まれ、固定式の真空プラテンは、媒体経路のうち印刷区間を画定する区分に隣接して位置決めされ、印刷区間は、印刷ヘッドによって同時に印刷可能な領域を含む。
【0088】
本発明のこの態様は、媒体経路が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0089】
一実施形態では、媒体経路は、幅36インチ〜1372mm(54インチ)である。
【0090】
一実施形態では、印刷区間の面積は、129032平方mm(200平方インチ)未満である。
【0091】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.2psi未満の圧力差を生成するように構成される。
【0092】
一実施形態では、印刷システムは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.036psi〜0.116psiの圧力差を生成するように構成される。
【0093】
一実施形態では、真空プラテンアセンブリは、媒体が固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、媒体上に4ポンド〜13.5ポンドの法線力を生成するように構成される。
【0094】
一実施形態では、個々の真空ベルトは、駆動ローラより速い速度で媒体を輸送するように構成される。
【0095】
一実施形態では、媒体は、駆動ローラと個々の真空ベルトの両方と同時に係合し、したがって媒体は、個々の真空ベルトに対して滑る。
【0096】
エンコーダを印刷区間内の真空プラテン内へ埋め込むことで、星形のホイールなどの使用を回避することによって、全体的な構成をさらに凝縮する。
【0097】
3.印刷機の動作
第5の態様によれば、本発明は、
インクの液滴が媒体上に印刷される印刷区間と、
媒体を印刷区間内へ平行移動させるように構成された駆動ローラと、
媒体の片側と真空係合して印刷区間から媒体を引き離す可動式の媒体係合アセンブリとを備える印刷システムを提供する。
【0098】
本発明のこの態様は、印刷区間が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0099】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。
【0100】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。
【0101】
一実施形態では、印刷システムは、媒体に印刷するときに印刷区間に対して固定されるページ幅印刷ヘッドアセンブリをさらに備える。
【0102】
一実施形態では、ページ幅印刷ヘッドアセンブリは、媒体供給方向に対して横方向に互いに対して互い違いになるように位置決めされた複数の印刷ヘッドである。
【0103】
一実施形態では、駆動ローラ、印刷区間、及び真空ベルトは、媒体が第1の期間中に真空ベルトではなくドライバローラによって係合されるように位置決めされる。
【0104】
一実施形態では、真空ベルト及び入力駆動ローラは、第2の期間中に媒体と係合するように構成される。一実施形態では、媒体は、第2の期間中に真空ベルトに対して滑る。一実施形態では、媒体は、第3の期間中に入力駆動ローラではなく真空ベルトによって係合される。
【0105】
一実施形態では、印刷システムは、ページ幅印刷ヘッドアセンブリの動作制御のためのタイミング信号を提供するように構成された媒体センサをさらに備える。
【0106】
一実施形態では、タイミング信号は、第1の時間間隔中に提供され、第1の時間間隔は、第1の期間の端部部分、第2の期間のすべて、及び第3の期間の最初の部分に広がる。
【0107】
一実施形態では、真空ベルトは、第1の平行移動速度より速い第2の平行移動速度で回転する。
【0108】
一実施形態では、印刷区間は、ページ幅印刷ヘッドアセンブリから隔置されたプラテンを有し、媒体センサは、プラテン内に埋め込まれた媒体エンコーダである。
【0109】
一実施形態では、印刷システムは、ページ幅印刷ヘッドアセンブリとプラテンの間に延びる媒体供給経路をさらに備え、ページ幅印刷ヘッドアセンブリは、複数の印刷ヘッドを有し、媒体エンコーダは、2つの印刷ヘッド間で媒体と係合するように位置決めされる。
【0110】
一実施形態では、媒体エンコーダは、印刷区間の上流側近傍で媒体と係合するように位置決めされる。一実施形態では、プラテンは真空プラテンである。
【0111】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。
【0112】
一実施形態では、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0113】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の個々の真空プラテンを備え、真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせされ、個々の真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドに対して可動式である。
【0114】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の補修モジュールを含み、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの1つに対応しており、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0115】
第6の態様によれば、本発明は、
駆動ローラの角速度に基づいて、第1の速度で印刷区間の端から端まで媒体を平行移動させるステップと、
それに続いて、媒体の片側と係合するように構成された可動式の媒体係合アセンブリによって決定される第2の速度で媒体を平行移動させるステップとを含む印刷方法を提供する。
【0116】
一実施形態では、方法は、媒体と可動式の媒体係合アセンブリの間の係合より強く媒体と係合するように駆動ローラを構成するステップをさらに含み、したがって媒体が駆動ローラと同時に係合されるときはいつでも、媒体と可動式の媒体係合アセンブリの間に滑りが生じる。
【0117】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。
【0118】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から印刷媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。一実施形態では、第2の速度は、真空ベルトのベルト速度に基づく。一実施形態では、第2の速度は、第1の速度より速い。
【0119】
一実施形態では、方法は、印刷区間内にページ幅印刷ヘッドアセンブリを提供するステップをさらに含み、ページ幅印刷ヘッドアセンブリは、媒体供給方向に対して横方向に互いに対して互い違いになるように位置決めされた複数の印刷ヘッドである。
【0120】
一実施形態では、方法は、媒体が第1の期間中に真空ベルトではなくドライバローラによって係合されるように、駆動ローラ、印刷区間、及び真空ベルトを位置決めするステップをさらに含む。
【0121】
一実施形態では、方法は、第2の期間中に媒体と同時に係合するように真空ベルト及び駆動ローラを位置決めするステップをさらに含む。
【0122】
一実施形態では、媒体は、第2の期間中に真空ベルトに対して滑る。
【0123】
一実施形態では、方法は、媒体が第3の期間中に駆動ローラではなく真空ベルトによって係合されるように、駆動ローラ、印刷区間、及び真空ベルトを位置決めするステップをさらに含む。
【0124】
一実施形態では、方法は、ページ幅印刷ヘッドアセンブリの動作制御のためのタイミング信号を生成するために媒体センサを提供するステップをさらに含む。
【0125】
一実施形態では、方法は、第1の時間間隔中にタイミング信号を提供するステップをさらに含み、第1の時間間隔は、第1の期間の端部部分、第2の期間のすべて、及び第3の期間の最初の部分に広がる。
【0126】
一実施形態では、方法は、第1の平行移動速度より速い第2の平行移動速度で真空ベルトを回転させるステップをさらに含む。
【0127】
一実施形態では、方法は、印刷区間内でページ幅印刷ヘッドアセンブリから隔置されたプラテンを提供するステップをさらに含み、媒体センサは、プラテン内に埋め込まれた媒体エンコーダである。
【0128】
一実施形態では、方法は、印刷区間の上流側近傍で媒体と係合するように媒体エンコーダを位置決めするステップをさらに含む。
【0129】
一実施形態では、プラテンは真空プラテンである。
【0130】
一実施形態では、方法は、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナを提供するステップをさらに含む。
【0131】
一実施形態では、方法は、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせするステップをさらに含む。
【0132】
一実施形態では、方法は、真空プラテン内で補修モジュールを提供するステップをさらに含み、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの1つに対応しており、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0133】
真空ベルトを使用することで、媒体とのある程度の滑りを可能にするが、入力ローラが媒体を印刷区間内へ供給するより速い速度で、印刷区間から媒体を引き出す。これによって、印刷中、プラテンに対して同じ高さで媒体を維持し、印刷区間の両側の入力ドライブと出力ドライブの間で高精度の同期の必要を回避する。
【0134】
第7の態様によれば、本発明は、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとを備える印刷システムを提供する。
【0135】
本発明のこの態様は、印刷区間が幅432mm(17インチ)より大きい大判印刷機として使用するのに適している。
【0136】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。
【0137】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。
【0138】
一実施形態では、媒体の前方端は、第1の期間中に駆動ローラから真空ベルトへ横断する。
【0139】
一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。
【0140】
一実施形態では、真空ベルトは、入力ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0141】
一実施形態では、印刷システムは、
真空プラテンと、
印刷ヘッドアセンブリと、
真空プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダとをさらに備える。
【0142】
一実施形態では、真空プラテンは固定されており、印刷ヘッドアセンブリは、真空プラテンに重なって印刷区間に広がる。
【0143】
一実施形態では、媒体エンコーダは、印刷媒体と係合される間にタイミング信号を提供するように構成される。
【0144】
一実施形態では、駆動ローラは、可動式の媒体係合アセンブリより強く媒体と係合するように構成され、したがって使用中、媒体は、駆動ローラと同時に係合されるときはいつでも、可動式の媒体係合アセンブリに対して滑る。
【0145】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から印刷媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。
【0146】
一実施形態では、媒体エンコーダは、真空プラテン内に埋め込まれる。一実施形態では、印刷システムは、ページ幅印刷ヘッドアセンブリと真空プラテンの間に延びる媒体供給経路をさらに備え、ページ幅印刷ヘッドアセンブリは、複数の印刷ヘッドを有し、媒体エンコーダは、2つの印刷ヘッド間で媒体と係合するように位置決めされる。一実施形態では、媒体エンコーダは、印刷区間の上流側近傍で媒体と係合するように位置決めされる。一実施形態では、プラテンは真空プラテンである。
【0147】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。一実施形態では、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0148】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の個々の真空プラテンを備え、真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせされ、個々の真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドに対して可動式である。一実施形態では、真空プラテンは、複数の補修モジュールを含み、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの1つに対応しており、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0149】
2つの供給機構を使用して印刷区間を通って媒体を輸送することで、媒体が折れ曲がるのを効果的に回避する小型であるが高性能のページ幅印刷システムが得られる。補修モジュールを印刷ヘッドアセンブリの下でプラテン内に埋め込むことで、設計が集約される。媒体基板を切り離すまで入力駆動ローラに媒体速度を制御させることで、目に見えるアーチファクトを低減させる。エンコーダホイールは、媒体速度制御が入力駆動ローラから真空ベルトへ切り換わる前後で媒体基板速度を監視し、これによって、印刷品質に与える視覚的な影響を最小にするように、媒体速度の変化を管理する。
【0150】
4.補修モジュール
第8の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って供給される媒体に印刷する印刷ヘッドアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリに対する複数の補修モジュールであって、補修モジュールがそれぞれ、複数の異なるモードで動作するように構成される、複数の補修モジュールとを備え、
補修モジュールがそれぞれ独立して動作可能である、印刷システムを提供する。
【0151】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広い大判印刷機として使用するのによく適している。
【0152】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に広がるように位置決めされた複数の印刷ヘッドを有し、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちのそれぞれ1つを補修するように構成される。
【0153】
一実施形態では、印刷システムは、開口付きプラテン面を有するプラテンをさらに備え、複数の補修モジュールは、開口付きプラテン面を通って印刷ヘッドにアクセスできるように位置決めされる。一実施形態では、開口付きプラテン面は、複数の補修モジュールのそれぞれに対してそれぞれ開口を有する。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって完全に覆われるときに使用するためのプラテンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって部分的に覆われるときに使用するためのスピツーンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが不活動状態であるときに使用するためのキャップ締めモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。
【0154】
一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0155】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとをさらに備える。
【0156】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。一実施形態では、媒体の前方端は、第1の期間中に駆動ローラから真空ベルトへ横断する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、入力ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0157】
一実施形態では、印刷システムは、真空プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。
【0158】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。一実施形態では、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0159】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の個々の真空プラテンを備え、真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせされ、個々の真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドに対して可動式である。一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0160】
第9の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って媒体を輸送するように構成された媒体輸送システムと、
媒体経路に対して固定された印刷ヘッドアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリに対する複数の補修モジュールであって、補修モジュールがそれぞれ媒体経路に対して独立して可動式である、複数の補修モジュールとを備える印刷システムを提供する。
【0161】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広い大判印刷機として使用するのによく適している。
【0162】
一実施形態では、補修モジュールはそれぞれ、複数の異なるモードで動作するように構成される。一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に広がるように位置決めされた複数の印刷ヘッドを有し、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちのそれぞれ1つを補修するように構成される。一実施形態では、印刷システムは、開口付きプラテン面を有するプラテンをさらに備え、補修モジュールは、開口付きプラテン面を通って印刷ヘッドにアクセスできるように位置決めされる。一実施形態では、開口付きプラテン面は、複数の補修モジュールのそれぞれに対してそれぞれ開口を有する。
【0163】
一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって完全に覆われるときに使用するためのプラテンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって部分的に覆われるときに使用するためのスピツーンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが不活動状態であるときに使用するためのキャップ締めモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0164】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとをさらに備える。
【0165】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、真空ベルトは、印刷区間から媒体を受け取るように構成される。一実施形態では、媒体の前方端は、第1の期間中に駆動ローラから真空ベルトへ横断する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、入力ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0166】
一実施形態では、印刷システムは、真空プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。
【0167】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。
【0168】
一実施形態では、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。
【0169】
一実施形態では、真空プラテンは、複数の個々の真空プラテンを備え、真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせされ、個々の真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドに対して可動式である。
【0170】
第10の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って寸法の異なる媒体を輸送するように構成された媒体輸送システムと、
媒体経路に沿って輸送される媒体に印刷する印刷ヘッドアセンブリであって、媒体経路が、媒体の寸法に応じて異なる幅を有する、印刷ヘッドアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリに対する複数の補修モジュールであって、補修モジュールがそれぞれ、複数の異なるモードで動作するように構成される、複数の補修モジュールとを備え、使用中、
媒体経路が、印刷ヘッドアセンブリと、媒体経路を越えているあらゆる補修モジュールが別のモードで動作する間にモードの1つで動作するように構成された補修モジュールの少なくともいくつかとの間に延びる、印刷システムを提供する。
【0171】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0172】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に広がるように位置決めされた複数の印刷ヘッドを有し、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちのそれぞれ1つを補修するように構成される。
【0173】
一実施形態では、印刷システムは、開口付きプラテン面を有するプラテンをさらに備え、補修モジュールは、開口付きプラテン面を通って印刷ヘッドにアクセスできるように位置決めされる。一実施形態では、開口付きプラテン面は、複数の補修モジュールのそれぞれに対してそれぞれ開口を有する。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって完全に覆われるときに使用するためのプラテンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する開口が媒体によって部分的に覆われるときに使用するためのスピツーンモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが不活動状態であるときに使用するためのキャップ締めモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0174】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとをさらに備える。
【0175】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。
【0176】
一実施形態では、媒体の前方端は、第1の期間中に駆動ローラから真空ベルトへ横断する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、入力ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0177】
一実施形態では、印刷システムは、真空プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。
【0178】
一実施形態では、スキャナによって捕獲された情報を使用して、それぞれの印刷ヘッドからの印刷をアレイ内の隣接する印刷ヘッドの印刷と位置合わせする。一実施形態では、真空プラテンは、複数の個々の真空プラテンを備え、真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせされ、個々の真空プラテンはそれぞれ、印刷ヘッドに対して可動式である。一実施形態では、補修モジュールは、キャップ締め又は補修動作中に媒体経路を交差して印刷ヘッドと係合するように構成される。
【0179】
独立して動作可能な複数の補修モジュールを使用して印刷ヘッドアセンブリを保守することによって、印刷ヘッド全体を再プライミングすることなく、印刷ヘッドアセンブリの個々の部分を交換することができる。同様に、印刷ヘッドの区分は、特定の寸法の媒体に印刷するのに必要でない場合、キャップを締めたままにすることができる。
【0180】
5.エアロゾルの除去
第11の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する媒体供給アセンブリであって、媒体経路の幅が、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応する、媒体供給アセンブリと、
媒体経路の第1の側に位置決めされ、媒体経路の幅に広がる印刷ヘッドアセンブリと、
媒体経路の第1の側に開口をもつエアロゾル収集ダクトと、
第1の側とは反対側の媒体経路の第2の側に位置決めされたスピツーンシステムとを備え、
印刷ヘッドアセンブリが、最大幅より小さい媒体に印刷する必要がないいずれかの区分から印刷用ではないインク滴を射出するように構成され、スピツーンシステムが、印刷用ではないインク滴を収集するように構成される、印刷システムを提供する。
【0181】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0182】
一実施形態では、媒体供給アセンブリは、媒体供給方向に媒体経路に沿って媒体を供給し、印刷ヘッドアセンブリは、1群の前方印刷ヘッド及び1群の後方印刷ヘッドの形に構成された複数の印刷ヘッドを有し、前方印刷ヘッドは、媒体供給方向に対して後方印刷ヘッドの上流にある。一実施形態では、エアロゾル収集ダクトの開口は、後方印刷ヘッドの下流にある。
【0183】
一実施形態では、スピツーンシステムは、スピツーンモードで動作する少なくとも1つの補修モジュールである。
【0184】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドに対してそれぞれ提供され、使用中、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0185】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に広がるように位置決めされた複数の印刷ヘッドを有し、補修モジュールはそれぞれ、印刷ヘッドのうちのそれぞれ1つを補修するように構成される。
【0186】
一実施形態では、印刷システムは、開口付きプラテン面を有するプラテンをさらに備え、補修モジュールは、開口付きプラテン面を通って印刷ヘッドにアクセスできるように位置決めされる。一実施形態では、開口付きプラテン面は、複数の補修モジュールのそれぞれに対してそれぞれ開口を有する。
【0187】
一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが不活動状態であるときに使用するためのキャップ締めモードである。一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0188】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとをさらに備える。
【0189】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、駆動ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0190】
一実施形態では、印刷システムは、プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。
【0191】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕獲するスキャナをさらに備える。
【0192】
第12の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って供給される媒体に印刷するインクジェット印刷ヘッドアセンブリと、
印刷ヘッドアセンブリによって生成されるインクのエアロゾルを収集するエアロゾル収集システムと、を備え、
印刷ヘッドアセンブリが、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムが、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する、印刷システムを提供する。
【0193】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0194】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、インクジェット印刷ヘッドアセンブリから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0195】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に対して固定された複数の別個の印刷ヘッドを有し、スピツーンシステムは、それぞれの印刷ヘッドに対してそれぞれ対応する複数の補修モジュールを有し、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが印刷用ではないインク滴を射出するとき、スピツーンモードで動作するように構成される。
【0196】
一実施形態では、印刷システムは、媒体供給方向に媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する媒体供給アセンブリであって、媒体経路の幅が、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応する、媒体供給アセンブリをさらに備え、
最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。
【0197】
一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0198】
一実施形態では、印刷ヘッドは、1群の前方印刷ヘッド及び1群の後方印刷ヘッドの形に構成され、前方印刷ヘッドは、媒体供給方向に対して後方印刷ヘッドの上流にある。一実施形態では、第1及び第2のエアロゾル収集開口は、後方印刷ヘッドの下流にある。
【0199】
一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0200】
一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、印刷システムは、
媒体と係合して印刷区間内へ押し入れるように構成された駆動ローラと、
駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリとをさらに備える。
【0201】
一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、駆動ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0202】
一実施形態では、印刷システムは、プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。
【0203】
一実施形態では、印刷システムは、真空ベルトに隣接し、ページ幅印刷ヘッドアセンブリのフィードバック制御のための情報を媒体から捕促するスキャナをさらに備える。
【0204】
第13の態様によれば、本発明は、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体に印刷するインクジェット印刷ヘッドアセンブリと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、を備え、
インクのエアロゾル収集システムが、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される、印刷システムを提供する。
【0205】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0206】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。
【0207】
一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0208】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、インクジェット印刷ヘッドアセンブリから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0209】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に対して固定された複数の別個の印刷ヘッドと、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応する補修モジュールの1つとを有し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0210】
一実施形態では、印刷ヘッドは、1群の前方印刷ヘッド及び1群の後方印刷ヘッドの形に構成され、前方印刷ヘッドは、媒体供給方向に対して後方印刷ヘッドの上流にある。一実施形態では、第1及び第2のエアロゾル収集開口は、後方印刷ヘッドの下流にある。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0211】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0212】
一実施形態では、モードの1つは、補修モジュールに対応する印刷ヘッドが新しく設置された交換用の印刷ヘッドであるときに使用するためのプライミングモードである。一実施形態では、新しく設置された交換用の印刷ヘッドに対応しない補修モジュールは、新しく設置された交換用の印刷ヘッドがプライミングされる間、キャップ締めモードで動作するように構成される。
【0213】
一実施形態では、印刷システムは、駆動ローラが媒体と係合したままである間に媒体の片側と係合して媒体を引くように構成された可動式の媒体係合アセンブリを、さらに備える。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、媒体係合側と媒体係合側の反対側の低圧領域とを有する開口付き表面を有する。一実施形態では、可動式の媒体係合アセンブリは、印刷区間から媒体を受け取るように構成された真空ベルトを有する。一実施形態では、駆動ローラは、媒体が駆動ローラから切り離されるまで、媒体の平行移動速度を制御するように構成される。一実施形態では、真空ベルトは、駆動ローラから媒体を切り離した後、媒体輸送速度を制御するように構成される。
【0214】
一実施形態では、印刷システムは、プラテン内に位置決めされ、印刷ヘッドアセンブリを動作させるためのタイミング信号を生じさせるように構成された媒体エンコーダをさらに備える。
【0215】
この印刷システムは、媒体が媒体幅に完全に広がるかどうかにかかわらず、そしてノズルが詰まるのを防止する目的のために印刷ヘッドが印刷用ではない液滴を射出しているかどうかにかかわらず、媒体経路に広がる固定式の印刷ヘッドアセンブリを有する印刷システムからインクのエアロゾルを効果的に除去する。
【0216】
6.インクの送達
第14の態様によれば、本発明は、
インクを射出するノズルをもつ印刷ヘッドアセンブリと、
複数のインク容器と、
複数の蓄積貯蔵器とを備え、蓄積貯蔵器がそれぞれ、インク容器の1つに接続するための入口と、印刷ヘッドアセンブリに接続するための出口と、制御された流体レベル範囲内で貯蔵器内の流体レベルを維持する流体レベル調整器とを有し、使用中、
複数のインク蓄積貯蔵器が、ノズルでの静水力学的な流体圧力が所定の範囲内で維持されるように、ノズルに対して固定式の高さに取り付けられる、印刷システムを提供する。
【0217】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0218】
一実施形態では、流体レベル調整器は、それぞれの蓄積貯蔵器に対する入口に入口バルブを有し、入口バルブは、流体レベルが制御された流体レベル範囲の下限に近づいたとき、対応するインク容器との流動的連通を開くように構成される。
【0219】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に集合的に広がる個々の互い違いの印刷ヘッドの構成を有する。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドは、複数の平行なノズル列を有し、それぞれの列は、インク容器の1つ及び蓄積貯蔵器の1つに対応する。一実施形態では、入口バルブは、流体レベルの変化に応答して対応するインク容器との流動的連通を開閉する浮遊機構を有する。一実施形態では、平行なノズル列はそれぞれ、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部と第2の端部の両方で対応する蓄積貯蔵器の出口バルブに結合される。
【0220】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドをプライミングするように構成されたポンプシステムをさらに備える。一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドを順次プライミングするように構成される。一実施形態では、ポンプシステムは、蠕動ポンプを有する。
【0221】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0222】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0223】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、インクジェット印刷ヘッドアセンブリから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0224】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に対して固定された複数の別個の印刷ヘッドと、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応する補修モジュールの1つとを有し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。
【0225】
一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0226】
インク容器を使用して各インクタイプに対する蓄積器に供給することで、ノズルにおける実際的で信頼性が高い静水圧調整を行う。ノズルに対する蓄積貯蔵器の流体レベルの高さの固定式の低下を維持することによって、各ノズルのインク圧力が負になる。インク容器から蓄積貯蔵器への流入は、流体レベルを狭い制御範囲内で保持するように、浮遊バルブを用いてフィードバック制御される。
【0227】
各蓄積貯蔵器からの出力は、対応する印刷ヘッドの各端部に別個に結合される。これにより、それぞれの円柱状の液滴生成器群の両端部にインクが供給される。プライミングは、インクが両端部から供給されると、閉じ込められた気泡が形成される可能性がより低いため、より信頼性が高い。また、長手方向の両端部へインクを供給することで、長い印刷ヘッドによって引き起こされるあらゆる圧力降下及び流れの抑制が低減される。これらの圧力降下は、ノズルをデプライミングして補充インクを不足させるのに十分な可能性がある。
【0228】
第15の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、
それぞれ別個の結合部を介して供給ライン及び戻りラインに流動的に結合された複数の印刷ヘッドと、を備え、印刷中に、
それぞれの印刷ヘッドが、供給ラインと戻りラインの両方からインクを受け取る、印刷システムを提供する。
【0229】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0230】
一実施形態では、印刷システムは、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通を選択的に開閉するバルブをさらに備える。
【0231】
一実施形態では、印刷システムは、複数のインク容器及び複数の蓄積貯蔵器をさらに備え、それぞれの印刷ヘッドは、インクを射出するノズルを有し、蓄積貯蔵器はそれぞれ、インク容器の1つに接続するための入口と、印刷ヘッドに接続するための出口と、制御された流体レベル範囲内で貯蔵器内の流体レベルを維持する流体レベル調整器とを有し、使用中、
複数のインク蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的な流体圧力が所定の範囲内で維持されるように、ノズルに対して固定式の高さに取り付けられる。
【0232】
一実施形態では、流体レベル調整器は、それぞれの蓄積貯蔵器に対する入口に入口バルブを有し、入口バルブは、流体レベルが制御された流体レベル範囲の下限に近づいたとき、対応するインク容器との流動的連通を開くように構成される。
【0233】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路に集合的に広がる互い違いの構成を有する。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドは、複数の平行なノズル列を有し、ノズル列の1つは、それぞれのインク容器及び蓄積貯蔵器の1つにそれぞれ対応する。
【0234】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドをプライミングするように構成されたポンプシステムをさらに備える。一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドを順次プライミングするように構成される。一実施形態では、ポンプシステムは、蠕動ポンプを有する。
【0235】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0236】
一実施形態では、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0237】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、インクジェット印刷ヘッドアセンブリから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0238】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、印刷ヘッドアセンブリは、媒体経路に対して固定された複数の別個の印刷ヘッドと、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応する補修モジュールの1つとを有し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0239】
第16の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、
それぞれ第1のライン及び戻りラインに流動的に結合された複数の印刷ヘッドと、
供給ラインを戻りラインに結合させるバイパスラインと、を備える印刷システムを提供する。
【0240】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0241】
一実施形態では、戻りラインは、印刷動作中にバイパスラインを通ってインク供給部からインクを受け取るように構成される。
【0242】
一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドは、供給ラインと戻りラインの両方からインクを受け取る。
【0243】
一実施形態では、印刷システムは、バイパスライン内に、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通を選択的に開閉するバルブをさらに備える。
【0244】
一実施形態では、印刷システムは、複数のインク容器及び複数の蓄積貯蔵器をさらに備え、それぞれの印刷ヘッドは、インクを射出するノズルを有し、蓄積貯蔵器はそれぞれ、インク容器の1つに接続するための入口と、印刷ヘッドに接続するための出口と、制御された流体レベル範囲内で貯蔵器内の流体レベルを維持する流体レベル調整器とを有し、使用中、
複数のインク蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的な流体圧力が所定の範囲内で維持されるように、ノズルに対して固定式の高さに取り付けられる。
【0245】
一実施形態では、流体レベル調整器は、それぞれの蓄積貯蔵器に対する入口に入口バルブを有し、入口バルブは、流体レベルが制御された流体レベル範囲の下限に近づいたとき、対応するインク容器との流動的連通を開くように構成される。
【0246】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドをプライミングするように構成されたポンプシステムをさらに備える。一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドを順次プライミングするように構成される。一実施形態では、ポンプシステムは、蠕動ポンプを有する。
【0247】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0248】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0249】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0250】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0251】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0252】
第17の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
蓄積貯蔵器と、
インク供給部に蓄積貯蔵器を結合させるバルブであって、蓄積貯蔵器内のインクレベルが所定のインクレベル範囲の下限に到達すると開き、蓄積貯蔵器内のインクレベルがインクレベル範囲の上限に到達すると閉じるように構成されたバルブと、
蓄積貯蔵器と流動的に連通する複数の印刷ヘッドであって、それぞれの印刷ヘッドが媒体上へインクを射出するノズルを有する、複数の印刷ヘッドとを備え、印刷中に、
ノズルでの静水力学的なインク圧力がノズルの高さに対する蓄積貯蔵器内のインクレベルの高さによって生成されるように、蓄積貯蔵器が印刷ヘッドに対して固定される、印刷システムを提供する。
【0253】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0254】
一実施形態では、バルブは、インクレベルが下限に到達するとバルブを開き、インクレベルが上限に近づくとバルブを閉じるように蓄積貯蔵器内のインク上で浮力のあるフロートをもつ浮遊バルブである。
【0255】
一実施形態では、印刷システムは、蓄積貯蔵器に結合された供給ラインと、蓄積貯蔵器に結合された戻りラインとをさらに備え、それぞれの印刷ヘッドは、別個の結合部を介して供給ラインと戻りラインの両方に接続される。
【0256】
一実施形態では、印刷システムは、供給ラインを戻りラインに結合させるバイパスラインをさらに備える。一実施形態では、戻りラインは、印刷動作中にバイパスラインを通ってインク供給部からインクを受け取るように構成される。
【0257】
一実施形態では、印刷システムは、バイパスライン内に、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通を選択的に開閉するバイパスバルブをさらに備える。
【0258】
一実施形態では、蓄積貯蔵器はそれぞれ、インク容器の1つに接続するための入口と、印刷ヘッドに接続するための出口と、制御された流体レベル範囲内で貯蔵器内の流体レベルを維持する流体レベル調整器とを有し、使用中、
複数のインク蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的な流体圧力が所定の範囲内で維持されるように、ノズルに対して固定式の高さに取り付けられる。
【0259】
一実施形態では、バルブは、それぞれの蓄積貯蔵器への入口にある入口バルブであり、入口バルブは、流体レベルが制御された流体レベル範囲の下限に近づいたとき、対応するインク容器との流動的連通を開くように構成される。
【0260】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドを順次プライミングするように構成されたポンプシステムをさらに備える。
【0261】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0262】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。
【0263】
一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0264】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0265】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。
【0266】
一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0267】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0268】
インクタンクと印刷ヘッドの中間で蓄積貯蔵器を使用することで、印刷機が動作している間に、枯渇したタンクを新しいタンクに「ホットスワップ」することができる。ホットスワップにより、印刷機の休止時間が回避される。
【0269】
7.プライミング/デプライミング及び気泡の除去
第18の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、
それぞれ供給ライン及び戻りラインに結合された複数の印刷ヘッドと、
供給ラインから印刷ヘッドを介して戻りラインへ流れる流体の流れを生成して印刷ヘッドをプライミングするように構成されたポンプシステムと、を備える印刷システムを提供する。
【0270】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0271】
一実施形態では、印刷システムは、ポンプシステムに印刷ヘッドを順次プライミングさせるように構成された複数の可変の流れ抑制器をさらに備える。一実施形態では、可変の流れ抑制器はピンチバルブである。一実施形態では、印刷システムは、蓄積貯蔵器と、インク供給部に蓄積貯蔵器を結合させるバルブであって、蓄積貯蔵器内のインクレベルが所定のインクレベル範囲の下限に到達すると開き、蓄積貯蔵器内のインクレベルがインクレベル範囲の上限に到達すると閉じるように構成されたバルブとをさらに備え、印刷ヘッドは、蓄積貯蔵器と流動的に連通し、それぞれの印刷ヘッドは、媒体上へインクを射出するノズルを有し、印刷中に、
蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的なインク圧力がノズルの高さに対する蓄積貯蔵器内のインクレベルの高さによって生成されるように、印刷ヘッドに対して固定される。
【0272】
一実施形態では、バルブは、インクレベルが下限に到達するとバルブを開き、インクレベルが上限に近づくとバルブを閉じるように蓄積貯蔵器内のインク上で浮力のあるフロートをもつ浮遊バルブである。
【0273】
一実施形態では、印刷システムは、蓄積貯蔵器に結合された供給ラインと、蓄積貯蔵器に結合された戻りラインとをさらに備え、それぞれの印刷ヘッドは、別個の結合部を介して供給ラインと戻りラインの両方に接続される。一実施形態では、印刷システムは、供給ラインを戻りラインに結合させるバイパスラインをさらに備える。一実施形態では、戻りラインは、印刷動作中にバイパスラインを通ってインク供給部からインクを受け取るように構成される。一実施形態では、印刷システムは、バイパスライン内に、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通を選択的に開閉するバイパスバルブをさらに備える。
【0274】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0275】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。
【0276】
一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0277】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0278】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、対応する印刷ヘッドが媒体に印刷する必要がないとき、キャップ締めモードで動作するように構成される。一実施形態では、補修モジュールは、独立して動作可能である。
【0279】
一実施形態では、印刷システムは、印刷ヘッドアセンブリの反対側に真空プラテンをさらに備え、真空プラテンは、補修モジュールが位置決めされた複数の開口を有する。
【0280】
第19の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、
それぞれ供給ライン及び戻りラインに結合された複数の印刷ヘッドと、
印刷ヘッド交換動作中に供給ラインと戻りラインの間に圧力差を生成するポンプシステムとを備える印刷システムを提供する。
【0281】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0282】
一実施形態では、ポンプシステムは、印刷動作中は動作不能である。
【0283】
一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドを個々にデプライミングしてから印刷ヘッドを印刷システムから取り外すように構成される。一実施形態では、ポンプシステムは、設置後、印刷ヘッドのうちのいずれか1つを個々にプライミングするように構成される。一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドのいずれかから戻りラインを通って泡をパージするように構成される。一実施形態では、印刷システムは、複数の蓄積貯蔵器をさらに備え、蓄積貯蔵器の1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ接続され、使用中、蓄積貯蔵器は、プライミング動作中にそれぞれの印刷ヘッドから空気を受け取る。
【0284】
一実施形態では、印刷システムは、インクが供給ラインから戻りラインへ流れるときに印刷ヘッドを迂回できるように供給ラインと戻りラインを接続するバイパスラインをさらに備える。
【0285】
一実施形態では、印刷システムは、供給ラインと戻りラインの間のあらゆる流動的連通が印刷ヘッドの1つ又は複数を介するようにバイパスラインを閉じるバイパスバルブをさらに備える。一実施形態では、印刷システムは、ポンプシステムに印刷ヘッドを順次プライミングさせる複数の可変の流れ抑制器をさらに備える。一実施形態では、可変の流れ抑制器はピンチバルブである。
【0286】
一実施形態では、印刷システムは、それぞれの蓄積貯蔵器をインク供給部に結合させるバルブをさらに備え、それぞれのバルブは、蓄積貯蔵器内のインクレベルが所定のインクレベル範囲の下限に到達すると開き、蓄積貯蔵器内のインクレベルがインクレベル範囲の上限に到達すると閉じるように構成され、それぞれの印刷ヘッドは、媒体上へインクを射出するノズルを有し、蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的なインク圧力がノズルの高さに対する蓄積貯蔵器内のインクレベルの高さによって生成されるように、印刷ヘッドに対して固定される。
【0287】
一実施形態では、バルブは、インクレベルが下限に到達するとバルブを開き、インクレベルが上限に近づくとバルブを閉じるように蓄積貯蔵器内のインク上で浮力のあるフロートをもつ浮遊バルブである。一実施形態では、供給ライン及び戻りラインは、別個の結合部を介してそれぞれの蓄積貯蔵器に結合される。
【0288】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0289】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0290】
一実施形態では、請求項16に記載の印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0291】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。
【0292】
一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。
【0293】
第20の態様によれば、本発明は、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、
それぞれ供給ライン及び戻りラインに流動的に結合された複数の印刷ヘッドと、
供給ラインを戻りラインに結合させるバイパスラインと、
最初に供給ライン、戻りライン、及びバイパスラインを通ってインクをプライミングしてからそれぞれの印刷ヘッドをプライミングするように構成されたポンプシステムと、を備える印刷システムを提供する。
【0294】
本発明のこの態様は、印刷ヘッドが432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である媒体経路に広がる大判印刷機として使用するのによく適している。
【0295】
一実施形態では、印刷システムは、供給ラインとインク供給部の間の流動的連通並びに戻りラインとインク供給部の間の流動的連通を閉じる供給バルブをさらに備える。一実施形態では、印刷システムは、バイパスライン内にバイパスバルブをさらに備える。一実施形態では、供給ライン、戻りライン、及びバイパスラインは、バイパスバルブが開き、供給バルブが閉じているとき、閉ループを形成する。一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドのいずれかから戻りラインを通って泡をパージするように構成される。
【0296】
一実施形態では、印刷システムは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ接続された蓄積貯蔵器をさらに備え、使用中、蓄積貯蔵器は、プライミング動作中にそれぞれの印刷ヘッドから空気を受け取る。
【0297】
一実施形態では、印刷システムは、インクが供給ラインから戻りラインへ流れるときに印刷ヘッドを迂回できるように供給ラインと戻りラインを接続するバイパスラインをさらに備える。一実施形態では、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通は、バイパスバルブが閉じているとき、印刷ヘッドの1つ又は複数を介する。
【0298】
一実施形態では、印刷システムは、ポンプシステムに印刷ヘッドを順次プライミングさせる複数の可変の流れ抑制器をさらに備える。一実施形態では、可変の流れ抑制器はピンチバルブである。一実施形態では、供給バルブは、蓄積器をインク供給部に流動的に接続し、供給バルブは、蓄積貯蔵器内のインクレベルが所定のインクレベル範囲の下限に到達すると開き、蓄積貯蔵器内のインクレベルがインクレベル範囲の上限に到達すると閉じるように構成される。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドは、媒体上へインクを射出するノズルを有し、蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的なインク圧力がノズルの高さに対する蓄積貯蔵器内のインクレベルの高さによって生成されるように、印刷ヘッドに対して固定される。一実施形態では、供給バルブは、インクレベルが下限に到達すると供給バルブを開き、インクレベルが上限に近づくとバルブを閉じるように蓄積貯蔵器内のインク上で浮力のあるフロートをもつ浮遊バルブである。
【0299】
一実施形態では、供給ライン及び戻りラインは、別個の結合部を介して蓄積貯蔵器に結合される。
【0300】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0301】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0302】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0303】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。
【0304】
このインク供給部の構成により、複数印刷ヘッドのシステム内で印刷ヘッドを個々に取り外して交換することができる。個々のプライミング及びデプライミングにも対応する。
【0305】
8.キャリアアセンブリ
第21の態様によれば、本発明は、
印刷区間と、
用紙軸に沿って印刷区間を通って延びる媒体経路と、
印刷ヘッドモジュールが媒体経路に集合的に広がり、用紙軸に対して互い違いになるように、印刷区間に隣接して複数の印刷ヘッドモジュールを取り付ける印刷ヘッドキャリッジであって、印刷ヘッドモジュールがそれぞれ、平行な列の形で構成されたノズルを有する、印刷ヘッドキャリッジと、
平行な列が給紙軸に対して垂直に延びるように、印刷ヘッドキャリッジを保持する複数の基準フィーチャと、を備える印刷システムを提供する。
【0306】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0307】
一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、印刷ヘッドモジュールを支持する床区分を有し、基準フィーチャは、床区分に固定される。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、媒体経路に広がるように、給紙軸に対して、並びに給紙軸に横方向に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュールは、端部と端部が接するように位置決めされ、用紙軸に対して横方向と平行に延びる一連の細長い印刷ヘッド集積回路を有する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、基準フィーチャのうちの3つを有し、基準フィーチャのうちの2つは、印刷ヘッドモジュールの片側に位置決めされ、残りの基準フィーチャは、用紙軸に横方向に対して印刷ヘッドモジュールの反対側に位置決めされる。一実施形態では、印刷システムは、基準フィーチャと係合する3つの基準点をさらに備え、基準点のうちの2つは、媒体経路の片側に位置決めされ、残りの基準点は、媒体経路の反対側に位置決めされる。
【0308】
一実施形態では、印刷システムは、
インク供給部と、
インク供給部に結合された供給ラインと、
インク供給部に結合された戻りラインと、をさらに備え、
印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、供給ライン及び戻りラインに流動的に結合されており、印刷システムはまた、
供給ラインを戻りラインに結合させるバイパスラインと、
最初に供給ライン、戻りライン、及びバイパスラインを通ってインクをプライミングしてからそれぞれの印刷ヘッドモジュールをプライミングするように構成されたポンプシステムと、をさらに備える。
【0309】
一実施形態では、印刷システムは、供給ラインとインク供給部の間の流動的連通並びに戻りラインとインク供給部の間の流動的連通を閉じる供給バルブをさらに備える。一実施形態では、印刷システムは、バイパスライン内にバイパスバルブをさらに備える。一実施形態では、供給ライン、戻りライン、及びバイパスラインは、供給バルブが閉じ、バイパスバルブが開いているとき、閉ループを形成する。
【0310】
一実施形態では、ポンプシステムは、印刷ヘッドのいずれかから戻りラインを通って泡をパージするように構成される。
【0311】
一実施形態では、印刷システムは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ接続された蓄積貯蔵器をさらに備え、使用中、蓄積貯蔵器は、プライミング動作中にそれぞれの印刷ヘッドから空気を受け取る。
【0312】
一実施形態では、供給ラインと戻りラインの間の流動的連通は、バイパスバルブが閉じているとき、印刷ヘッドの1つ又は複数を介する。
【0313】
一実施形態では、印刷システムは、ポンプシステムに印刷ヘッドを順次プライミングさせる複数の可変の流れ抑制器をさらに備える。一実施形態では、可変の流れ抑制器はピンチバルブである。一実施形態では、供給バルブは、蓄積器をインク供給部に流動的に接続し、供給バルブは、蓄積貯蔵器内のインクレベルが所定のインクレベル範囲の下限に到達すると開き、蓄積貯蔵器内のインクレベルがインクレベル範囲の上限に到達すると閉じるように構成される。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドは、媒体上へインクを射出するノズルを有し、蓄積貯蔵器は、ノズルでの静水力学的なインク圧力がノズルの高さに対する蓄積貯蔵器内のインクレベルの高さによって生成されるように、印刷ヘッドに対して固定される。一実施形態では、供給バルブは、インクレベルが下限に到達すると供給バルブを開き、インクレベルが上限に近づくとバルブを閉じるように蓄積貯蔵器内のインク上で浮力のあるフロートをもつ浮遊バルブである。
【0314】
一実施形態では、供給ライン及び戻りラインは、別個の結合部を介して蓄積貯蔵器に結合される。
【0315】
一実施形態では、印刷システムは、
媒体経路に沿って異なる寸法の媒体を供給する駆動ローラと、
媒体経路に隣接する領域からインクのエアロゾルを除去するインクのエアロゾル収集システムと、をさらに備え、
インクのエアロゾル収集システムは、媒体寸法の増大に応答してより速い速度でエアロゾルを除去するように構成される。
【0316】
一実施形態では、印刷ヘッドは、媒体経路の第1の側に位置決めされ、エアロゾル収集システムは、媒体経路の第1の側に位置決めされた第1のエアロゾル収集開口と、媒体経路の第2の側に位置決めされた第2のエアロゾル収集開口とを有する。一実施形態では、媒体経路の幅は、印刷システムによって印刷できる媒体の最大幅に対応し、エアロゾル収集システムは、印刷されている媒体が最大幅より小さいとき、第1及び第2のエアロゾル収集開口からインクのエアロゾルを収集するように構成される。
【0317】
一実施形態では、印刷システムは、
印刷中に媒体を支持するプラテンをさらに備え、
プラテンは、印刷ヘッドから射出された印刷用ではないインク滴を収集するスピツーンシステムを有する。
【0318】
一実施形態では、印刷システムは、複数の補修モジュールをさらに備え、補修モジュールの1つは、それぞれの印刷ヘッドにそれぞれ対応し、補修モジュールは、スピツーンシステムを提供するためにスピツーンモードで動作するように構成される。
【0319】
一実施形態では、最大幅より小さい媒体に印刷する必要が必ずしもない印刷ヘッドはいずれも、スピツーンモードで動作する対応する補修モジュールを有する。
【0320】
一実施形態では、補修モジュールは、すべての対応する印刷ヘッドが媒体に印刷しているとき、プラテンモードで動作するように構成される。
【0321】
基準フィーチャを使用することで、ページ幅印刷ヘッド全体にわたって印刷間隙の精密な制御を提供しながら、紙詰まりなどにアクセスできるように印刷ヘッドをプラテンから周期的に離すことができる。
【0322】
9.キャリッジアセンブリチューブの経路指定
第22の態様によれば、本発明は、
印刷区間と、
用紙軸に沿って印刷区間を通って延びる媒体経路と、
印刷ヘッドモジュールが媒体経路に集合的に広がるように印刷区間に隣接して複数の印刷ヘッドモジュールを取り付ける複数の印刷ヘッド取付け位置をもつ印刷ヘッドキャリッジと、
それぞれの印刷ヘッドモジュールにインクを供給し、それぞれの印刷ヘッドモジュールからインクを受け取る複数の境界面とを備えるインクジェット印刷機を提供する。
【0323】
一実施形態では、それぞれの境界面は、印刷ヘッドモジュールに異なるインク色を供給するように構成される。一実施形態では、それぞれの境界面は、2つの別個の流体結合部を有し、それぞれの流体結合部は複数の導管を有し、それぞれの導管は、異なるインク色のうちの1つに専用のものである。一実施形態では、流体結合部の一方は、印刷ヘッドモジュールにインクを供給し、他方は、印刷ヘッドモジュールからインクを受け取る。一実施形態では、取付け位置はそれぞれ、それぞれの印刷ヘッドモジュール上の接触パッドとそれぞれ係合する電極を有し、電極は、印刷ヘッドモジュールの第1の長手方向側に沿って接触パッドと係合し、境界面は、印刷ヘッドモジュールの第2の長手方向側と係合し、第1の長手方向側は、第2の長手方向側の反対側である。
【0324】
一実施形態では、流体結合部は、後退した位置と延びた位置の間で可動式であり、延びた位置は、後退した位置より第1の長手方向側に近い。
【0325】
一実施形態では、インクジェット印刷機は、それぞれの印刷ヘッドモジュールに対するそれぞれ複数の印刷ヘッドドライバプリント回路基板(PCB)をさらに備え、それぞれの印刷ヘッドドライバPCBは、使用中に接続される印刷ヘッドモジュール上のノズルの動作を制御する印刷エンジン制御装置を有する。
【0326】
一実施形態では、インクジェット印刷機は、それぞれの印刷ヘッドモジュールに印刷データを転送するために複数の印刷ヘッドドライバPCBに接続された監視ドライバPCBをさらに備える。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、インクを射出するノズルのアレイを有し、それぞれの取付け位置は、すべての印刷ヘッドモジュール上のノズルアレイの相対的な位置決めを制御するように取付け位置で印刷ヘッドモジュールと係合する基準表面を有する。一実施形態では、取付け位置は、用紙軸に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュール上のノズルは、用紙軸に対して横方向に、印刷ヘッドモジュールのうちの少なくとも1つの他の印刷ヘッドモジュール上のノズルと重複する。一実施形態では、監視PCBは、印刷ヘッドモジュール間の重複に対応して印刷データを配分する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、用紙軸に対して横方向に延びる後壁を有し、後壁は、それぞれ流体結合器の1つに対応する複数の開口を有する。
【0327】
一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、平行な列の形で構成されたノズルを有し、印刷ヘッドキャリッジは、平行な列が給紙軸に対して垂直に延びるように印刷ヘッドキャリッジを保持する複数の基準フィーチャを有する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、印刷ヘッドモジュールを支持する床区分を有し、基準フィーチャは、床区分に固定される。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、媒体経路に広がるように、給紙軸に対して、並びに給紙軸に横方向に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュールは、端部と端部が位置決めされ、用紙軸に対して横方向と平行に延びる一連の細長い印刷ヘッド集積回路を有する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、基準フィーチャのうちの3つを有し、基準フィーチャのうちの2つは、印刷ヘッドモジュールの片側に位置決めされ、残りの基準フィーチャは、用紙軸に横方向に対して印刷ヘッドモジュールの反対側に位置決めされる。
【0328】
一実施形態では、インクジェット印刷機は、基準フィーチャと係合する3つの基準点をさらに備え、基準点のうちの2つは、媒体経路の片側に位置決めされ、残りの基準点は、媒体経路の反対側に位置決めされる。
【0329】
一実施形態では、インクジェット印刷機は、
インク供給部と、
それぞれの境界面上で流体結合部の一方に結合された供給ラインと、
境界面上で流体結合部の他方に結合された戻りラインとをさらに備える。
【0330】
それぞれの印刷ヘッドモジュールに対する個々のインク供給部の境界面により、あらゆる欠陥のあるモジュールを個々に取り外して交換することができる。これにより、プライミングするときに大量のインクを消費する、ページ幅印刷ヘッド全体を交換する必要をなくす。
【0331】
第23の態様によれば、本発明は、
印刷区間と、
用紙軸に沿って印刷区間を通って延びる媒体経路と、
印刷ヘッドモジュールが媒体経路に集合的に広がるように印刷区間に隣接して複数の印刷ヘッドモジュールを取り付ける複数の印刷ヘッド取付け位置をもつ印刷ヘッドキャリッジであって、印刷ヘッドキャリッジが用紙軸に対して横に延びる長い側面を有し、長い側面がインク導管に対するアクセス配列を有する、印刷ヘッドキャリッジと、
それぞれの印刷ヘッドモジュールにインクをそれぞれ供給するようにインク導管に接続するための複数の境界面と、を備え、
複数の印刷ヘッドモジュールに対するすべてのインクが、印刷ヘッドキャリッジの前記長い側面上のアクセス配列を通って延びるインク導管によって供給される、印刷システムを提供する。
【0332】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0333】
一実施形態では、それぞれの境界面は、印刷ヘッドモジュールに異なるインクを供給するように構成された流体結合器を有する。一実施形態では、インク導管は、それぞれ対応する流体結合器に結合され、印刷ヘッドキャリッジの片側からインクを経路指定するように構成された複数のチューブバンドルである。一実施形態では、インク境界面はまた、印刷ヘッドモジュールからインクを受け取るように構成される。一実施形態では、それぞれの境界面は、2つの別個の流体結合部を有し、それぞれの流体結合部は複数の導管を有し、それぞれの導管は、異なるインク色のうちの1つに専用のものである。一実施形態では、流体結合部の一方は、印刷ヘッドモジュールにインクを供給し、他方は、印刷ヘッドモジュールからインクを受け取る。
【0334】
一実施形態では、取付け位置はそれぞれ、それぞれの印刷ヘッドモジュール上の接触パッドとそれぞれ係合する電極を有し、電極は、印刷ヘッドモジュールの第1の長手方向側に沿って接触パッドと係合し、境界面は、印刷ヘッドモジュールの第2の長手方向側と係合し、第1の長手方向側は、第2の長手方向側の反対側である。一実施形態では、流体結合部は、後退した位置と延びた位置の間で可動式であり、延びた位置は、後退した位置より第1の長手方向側に近い。
【0335】
一実施形態では、印刷機システムは、それぞれの印刷ヘッドモジュールに対するそれぞれ複数の印刷ヘッドドライバプリント回路基板(PCB)をさらに備え、それぞれの印刷ヘッドドライバPCBは、使用中に接続される印刷ヘッドモジュール上のノズルの動作を制御する印刷エンジン制御装置を有する。一実施形態では、印刷機システムは、それぞれの印刷ヘッドモジュールに印刷データを転送するために複数の印刷ヘッドドライバPCBに接続された監視ドライバPCBをさらに備える。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、インクを射出するノズルのアレイを有し、それぞれの取付け位置は、すべての印刷ヘッドモジュール上のノズルアレイの相対的な位置決めを制御するように取付け位置で印刷ヘッドモジュールと係合する基準表面を有する。一実施形態では、取付け位置は、用紙軸に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュール上のノズルは、用紙軸に対して横方向に、印刷ヘッドモジュールのうちの少なくとも1つの他の印刷ヘッドモジュール上のノズルと重複する。一実施形態では、監視PCBは、印刷ヘッドモジュール間の重複に対応して印刷データを配分する。
【0336】
一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、平行な列の形で構成されたノズルを有し、印刷ヘッドキャリッジは、平行な列が給紙軸に対して垂直に延びるように印刷ヘッドキャリッジを保持する複数の基準フィーチャを有する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、印刷ヘッドモジュールを支持する床区分を有し、基準フィーチャは、床区分に固定される。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、媒体経路に広がるように、給紙軸に対して、並びに給紙軸に横方向に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュールは、端部と端部が位置決めされ、用紙軸に対して横方向と平行に延びる一連の細長い印刷ヘッド集積回路を有する。
【0337】
一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、基準フィーチャのうちの3つを有し、基準フィーチャのうちの2つは、印刷ヘッドモジュールの片側に位置決めされ、残りの基準フィーチャは、用紙軸に横方向に対して印刷ヘッドモジュールの反対側に位置決めされる。
【0338】
一実施形態では、印刷機システムは、基準フィーチャと係合する3つの基準点をさらに備え、基準点のうちの2つは、媒体経路の片側に位置決めされ、残りの基準点は、媒体経路の反対側に位置決めされる。
【0339】
第24の態様によれば、本発明は、用紙軸に沿って印刷ヘッドアセンブリを越えて延びる媒体経路を画定するインクジェット印刷機向けの印刷エンジンであって、
用紙軸に対して横に延びる細長い印刷ヘッドキャリッジと、
使用中、印刷ヘッドモジュールが媒体経路に広がるように、印刷ヘッドキャリッジに沿って隔置されたそれぞれの印刷ヘッドモジュールにインクを供給する一連の境界面と、
印刷ヘッドモジュールにインクを供給する境界面に接続されたインク導管と、を備え、
印刷ヘッドキャリッジが、長手軸に対して横方向に境界面から離れて印刷ヘッドキャリッジの共通の側面にすべて延びるようにインク導管を位置決めする一連の配列を有する、印刷エンジンを提供する。
【0340】
本発明のこの態様は、媒体経路が432mm(17インチ)より広く、通常36インチ〜1372mm(54インチ)である大判印刷機として使用するのによく適している。
【0341】
一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジの共通の側面とは側壁であり、配列とは側壁内の開口である。一実施形態では、それぞれの境界面は、用紙軸に沿って境界面のうちの隣接する境界面から隔置される。一実施形態では、境界面は、2つの群に分けられる。第1の群は、用紙軸に対して比較的上流にあり、第2の群は、用紙軸に対して比較的下流にあり、各群の境界面は、用紙軸に対して垂直の線上で互いと位置合わせされる。一実施形態では、それぞれの境界面は、接続される印刷ヘッドモジュール内へインクを供給し、印刷ヘッドモジュールからインクを受け取るように構成される。一実施形態では、それぞれの境界面は、複数の流体結合器を有し、各流体結合器は、側壁内の開口のうちの1つに対応する。
【0342】
一実施形態では、インク導管は可撓性のチューブであり、流体結合器のいずれか1つに接続する可撓性のチューブを集めてチューブバンドルにし、それぞれのチューブバンドルは、側壁内の開口のうちの1つを通ってそれぞれ延びる。一実施形態では、流体結合部は、後退した位置と延びた位置の間で可動式であり、延びた位置は、後退した位置より第1の長手方向側に近い。
【0343】
一実施形態では、印刷エンジンは、それぞれの印刷ヘッドモジュールに対するそれぞれ複数の印刷ヘッドドライバプリント回路基板(PCB)をさらに備え、それぞれの印刷ヘッドドライバPCBは、使用中に接続される印刷ヘッドモジュール上のノズルの動作を制御する印刷エンジン制御装置を有する。
【0344】
一実施形態では、印刷エンジンは、それぞれの印刷ヘッドモジュールに印刷データを転送するために複数の印刷ヘッドドライバPCBに接続された監視ドライバPCBをさらに備える。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、インクを射出するノズルのアレイを有し、それぞれの取付け位置は、すべての印刷ヘッドモジュール上のノズルアレイの相対的な位置決めを制御するように取付け位置で印刷ヘッドモジュールと係合する基準表面を有する。一実施形態では、取付け位置は、用紙軸に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュール上のノズルは、用紙軸に対して横方向に、印刷ヘッドモジュールのうちの少なくとも1つの他の印刷ヘッドモジュール上のノズルと重複する。一実施形態では、監視PCBは、印刷ヘッドモジュール間の重複に対応して印刷データを配分する。
【0345】
一実施形態では、印刷ヘッドモジュールはそれぞれ、平行な列の形で構成されたノズルを有し、印刷ヘッドキャリッジは、平行な列が給紙軸に対して垂直に延びるように印刷ヘッドキャリッジを保持する複数の基準フィーチャを有する。一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、印刷ヘッドモジュールを支持する床区分を有し、基準フィーチャは、床区分に固定される。一実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、媒体経路に広がるように、給紙軸に対して、並びに給紙軸に横方向に対して互い違いである。一実施形態では、それぞれの印刷ヘッドモジュールは、端部と端部が位置決めされ、用紙軸に対して横方向と平行に延びる一連の細長い印刷ヘッド集積回路を有する。
【0346】
一実施形態では、印刷ヘッドキャリッジは、基準フィーチャのうちの3つを有し、基準フィーチャのうちの2つは、印刷ヘッドモジュールの片側に位置決めされ、残りの基準フィーチャは、用紙軸に横方向に対して印刷ヘッドモジュールの反対側に位置決めされる。一実施形態では、印刷エンジンは、基準フィーチャと係合する3つの基準点をさらに備え、基準点のうちの2つは、媒体経路の片側に位置決めされ、残りの基準点は、媒体経路の反対側に位置決めされる。
【0347】
ページ幅印刷ヘッドに対していくつかのインク境界面を使用することで、いずれのノズルも、印刷ジョブ中に不足するほどインク供給ラインから遠くならないようにすることができる。印刷ヘッドモジュールから筐体の共通の側面へ横方向に延びるようにインク供給部ラインを構成することで、供給ラインのいくつかを短くし、供給ラインのすべてにわたって長さの変動を低減させる。
【0348】
本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して、例示のみを目的として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0349】
【図1】ロールが供給された大判印刷機の斜視図である。
【図2】本発明によるロールが供給された大判印刷機の主要な構成要素の図である。
【図3】印刷区間、印刷ヘッドモジュール、真空ベルト、及び入力駆動ローラの図である。
【図4】図3に示す断面4−4の図である。
【図5】印刷エンジンの前面及び上面斜視図である。
【図6】印刷エンジンの側面及び上面斜視図である。
【図7】図5に示す印刷エンジンの分解斜視図である。
【図8】下部の用紙経路アセンブリの分解斜視図である。
【図9】上部の用紙経路アセンブリの斜視図である。
【図10】ページ幅印刷ヘッドアセンブリの斜視図である。
【図11】印刷ヘッドモジュールの前面斜視図である。
【図12】印刷ヘッドモジュールの背面斜視図である。
【図13】印刷ヘッドクレードル及び印刷ヘッドモジュールの背面斜視図である。
【図14】印刷ヘッドクレードル及び印刷ヘッドモジュールの底面斜視図である。
【図15】上部の用紙経路アセンブリの分解背面斜視図である。
【図16】分離した補修カルーセルの斜視図である。
【図17】補修モジュールの上面斜視図である。
【図18】補修モジュールの底面斜視図である。
【図19】補修モジュールの別の実施形態の部分断面図である。
【図20】図17及び18の補修モジュールの分解斜視図である。
【図21】真空プラテン内の補修モジュールの図である。
【図22】全幅媒体シートで覆われた固定式の真空プラテンの図である。
【図23】最大印刷幅より小さい媒体に印刷するときの固定式の真空プラテンの図である。
【図24】真空ベルトアセンブリの斜視図である。
【図25】真空ベルトアセンブリの分解斜視図である。
【図26】インク分配システムの分解部分斜視図である。
【図27】インク供給回路の一部の図である。
【図28】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図29】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図30】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図31】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図32】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図33】プライミング及びデプライミングプロトコルの概略図である。
【図34】ピンチバルブアセンブリの斜視図である。
【図35】ピンチバルブアセンブリの正面図である。
【図36】ピンチバルブアセンブリの分解斜視図である。
【図37】蓄積貯蔵器の分解斜視図である。
【図38】蓄積貯蔵器の断面斜視図である。
【図39】印刷エンジンに対する制御電子回路のケーブル図である。
【発明を実施するための形態】
【0350】
概要
図1は、媒体ロール4によって供給されるタイプの大判印刷機1を示す。しかし、上記で論じたように、本明細書の目的のため、大部分の市販の大判印刷機の印刷幅は36”(914mm)〜54”(1372mm)の範囲内であるが、大判印刷機は、印刷幅が17”(438.1mm)を超過する任意の印刷機を意味するものとする。印刷エンジン(すなわち、印刷機の主要な機能上の構成要素)は、脚部3によって両端で支持された細長い筐体2内に収容される。媒体4(通常、紙)のロールは、筐体2の下で脚部3間に延びる。媒体5の前方端8は、筐体2の後部にある供給スロット(図示せず)を通り、印刷エンジン(後述)の用紙経路を通って供給され、出口スロット9から出て収集トレイ(図示せず)へ進む。筐体2の両側には、インクタンクラック7(1つのみを示す)が位置する。インクタンク60は、異なる色のインクを貯蔵し、インクは、チューブシステム10を介して印刷ヘッドモジュール(後述)へ供給される。ユーザインタフェース6は、操作者による制御及び操作者への診断フィードバックのためのタッチスクリーン又はキーパッド及びスクリーンである。
【0351】
本明細書の目的のため、「インク」への言及は、媒体基板上に画像及び印を作り出す液体の着色剤、並びに赤外インク、界面活性剤、薬剤などの任意の機能的な流体を含むものとする。
【0352】
図2は、印刷エンジン内の構成要素の図である。媒体送りローラ64及び66が、ロール4から媒体58をほどく。媒体切断機62が、連続する媒体58を切って、所望の長さの別個のシート54を形成する。媒体を切断しているとき、切断機62内で媒体を静止させる必要がある(斜めに切断しないように)。しかし、ロール4は、角運動量を維持するために回転し続ける。この点を考慮して、巻出し機の送りローラ66は一定の速度で動作し、一方切断機の送りローラ64は、切断プロセス中に瞬間的に停止する。これにより、媒体が上方へ湾曲するため、ローラ66及び64間に遅延ループ68が生じる。切断後、連続する媒体58は、巻出し機の送りローラ66の速度より速く切断機62を通って瞬間的に供給され、遅延ループ68を最初の位置に戻す。
【0353】
媒体シートは、砂粒で被覆された駆動ローラ16を通って固定式の真空プラテン26を越えて供給される。真空により、媒体経路54内で媒体を精密に保持するように、媒体経路54をプラテンの上部と同じ高さで保持する。
【0354】
固定式の真空プラテン26の反対側には、媒体経路54の幅に広がる5つの印刷ヘッドモジュール42、44、46、48、及び50が位置する。印刷ヘッドモジュールは、端部と端部が接しておらず、互い違いであり、2つの印刷ヘッドモジュール44、48は、印刷ヘッドモジュール42、46、及び50の上流にある。
【0355】
固定式の真空プラテン26のすぐ下流には、真空ベルトアセンブリ20が位置する。真空ベルトアセンブリは、第2の媒体輸送区間を提供する(第1の媒体輸送区間は入力駆動ローラ16である)。真空ベルトアセンブリ20により、可動式のプラテンは、媒体5の後方端が入力駆動ローラ16から切り離された後、媒体5の印刷されない側と係合して印刷区間14(図3参照)から引き出す。
【0356】
真空ベルトアセンブリ20の下流には、走査ヘッド18が位置する。新しい印刷ヘッドモジュールが設置されると、走査ヘッド18を通って試験印刷が供給される。試験印刷内のドットパターンが走査され、監視ドライバPCB(後述)が、それぞれの印刷ヘッドモジュールから印刷をデジタルで位置合わせする。
【0357】
図3は、プラテンアセンブリ28の概略図である。5つの印刷ヘッドモジュール42〜50は、幅42”の媒体経路54の端から端まで互い違いに位置する。これらの印刷ヘッドモジュールは、それぞれの補修モジュール22を、端部と端部が接するように同じ高さで位置合わせできないように、互い違いである。各補修モジュール22の長手方向の両端部から、駆動機構(後述)が延びる。さらに、印刷ヘッドモジュールは、給紙軸15に対して横方向17に、互いに重複する必要がある。隣接する印刷ヘッドモジュール間の重複部内の印刷は、アーチファクトを生じることなく印刷をともに「縫い合わせる」ように、監視ドライバPCBによって制御される。
【0358】
図4は、固定式の真空プラテン26内に埋め込まれた補修モジュール22の1つの位置を示す。補修モジュール22の構造及び動作については、より詳細に後述する。これらのモジュールは、媒体供給経路54を通って延び、それぞれの印刷ヘッドモジュール42〜50上のノズルにキャップを締めたり拭き取ったりすることができる。これらのモジュールはまた、印刷ヘッドモジュールから離れるように後退し、スピツーン、真空プラテン、及び/又はエアロゾル収集器を提供することもできる。
【0359】
印刷ヘッドモジュールを互い違いにすることで印刷区間14の寸法が増大するが、これは理想的ではない。印刷区間の面積が増大するにつれて、均一の印刷間隙(ノズルと媒体基板の表面の間の間隙)を維持することがより困難になる。しかし、5つのチャネルに印刷する印刷ヘッドIC(後述)のノズルアレイが狭いため(幅2mm未満)、幅42”の媒体に対するフルカラーの印刷ヘッドアセンブリの印刷区間は、129032平方mm(200平方インチ)未満である。記載した特定の実施形態では、印刷区間14の総面積は、114.5平方インチである。印刷区間14が比較的小さいことで、固定式の真空プラテン26をより小さくすることができ、入力駆動ローラ16によって印刷区間を通って媒体を押すのに必要とされる力がより小さくなる。印刷区間が129032平方mm(200平方インチ)未満である場合、媒体に作用する真空圧を0.2psi未満とすることができる。図示の特有の例では、固定式の真空プラテン26は、0.036psi〜0.116psiの範囲内の真空をもたらす。これは、4ポンド〜13.5ポンドの媒体上の法線力に等しい。
【0360】
入力ドライバローラ16は、印刷区間14内へ媒体を押し込む砂粒シャフトである。入力駆動ローラ16の反対側には入力駆動ピンチローラが位置し、媒体表面と入力駆動ローラの表面砂粒の間で十分な摩擦を確保する。
【0361】
走査区間36は、走査ヘッド18が真空ベルトアセンブリ20を越えて横断する帯状の部分である。真空ベルトは、光学走査中に媒体位置の高精度の制御を保持する。試験ドットパターンの印刷を走査することによって、走査ヘッド18は、監視ドライバPCBへフィードバックを送って隣接する印刷ヘッドモジュールからの液滴射出部を位置合わせし、古くなったノズルマップを更新し、噴射しないノズルを補償し、また他の目的でシステムの印刷品質を最適化する。
【0362】
エンコーダホイール24は、2つの前方印刷ヘッドモジュール44及び48間で固定式の真空プラテン26内に埋め込まれる。前方印刷ヘッドモジュール44及び48間の領域は、印刷されない位置であり、したがってエンコーダホイール24は、エンコーダピンチローラ38に対して回転することができる。これにより、媒体エンコーダを印刷ヘッドに可能な限り近づけることもでき、より精密なタイミング信号を可能にする。監視ドライバPCBは、エンコーダホイール38から出力されたタイミング信号を使用して、印刷ヘッドモジュールからの液滴射出の時間を測る。しかし、タイミングはまた、媒体がエンコーダホイール38に到達していない期間、又は後方端がエンコーダホイール38から切り離されている期間に、入力駆動シャフト16及び真空ベルトの駆動シャフト(下記参照)上のエンコーダ(より詳細に後述)からも導出される。
【0363】
真空ベルトアセンブリ20のベルト速度は、入力駆動ローラ16によって提供される媒体供給速度よりわずかに速い。しかし、入力駆動ローラ16と媒体の間の係合は、媒体と真空ベルトの間の係合より強い。したがって、媒体の後方端が入力駆動ローラから切り離されるまで、媒体とベルトの間で滑りが生じる。真空ベルトは、媒体の片側のみと係合する動くプラテンを提供し、したがって印刷品質に対するリスクはない。さらに、真空ベルトの端から端までの輸送期間によって、インクが乾燥する時間が与えられる。
【0364】
媒体5(図1参照)の前方端は、真空によってベルト上で同じ高さで保持され、したがってスキャナヘッド18は、印刷されたドットパターンを正しく撮像することができる。印刷区間14から媒体を引く真空ベルトアセンブリ20を有することはもう1つの機構であり、それによって媒体は、固定式の真空プラテン26上で同じ高さで保持される。
【0365】
後述の大判印刷機では、幅42”の媒体に印刷しているときの真空ベルトの面積は、42.5平方インチである。真空圧は、0.036psi〜0.45psiであり、比較的小さい。これにより、媒体上の法線力を最大20ポンド未満で保持する。
【0366】
媒体経路54の上から上部のエアロゾル収集器34を使用し、媒体経路の下から補修モジュール22を使用して、エアロゾルが収集される。印刷ヘッドモジュールが速い印刷速度で2ピコリットル未満の液滴を射出する場合、エアロゾルが大量に生成される。エアロゾルとは、噴射されなかった液滴であり、空気で運ばれる粒子になる。エアロゾルは、構成要素上に蓄積し、最終的に媒体表面上を汚すのを防止するために、除去する必要がある。
【0367】
印刷エンジン
図5及び図6は、大判印刷エンジン72の全体的な斜視図である。図7は、大判印刷エンジン72の分解斜視図である。印刷エンジン72の主な構成要素は、基準印刷ヘッドキャリッジ76を含む上部の経路アセンブリ74、真空ベルトアセンブリ20を含む下部の用紙経路アセンブリ78、インクボトル60及びピンチバルブ86を含む上部のインク分配アセンブリ80、並びにインクタンク88を含む下部のインク分配アセンブリ82である。
【0368】
下部の用紙経路アセンブリ
図8は、真空ベルトアセンブリ20又は補修モジュール22なしの下部の用紙経路アセンブリ78の分解斜視図である。入力駆動シャフト16及びピンチローラ52が、左側のシャーシ板96と右側のシャーシ板98の間に支持される。梱送りローラ114が、入力用紙ガイド102を越えて入力駆動ローラ16とピンチローラ52の間のニップ(nip)を通って媒体を動かす。入力駆動ローラ16のすぐ下流には、真空テーブル88が位置する。真空テーブル88内の補修開口108は、5つの補修モジュール22(図5参照)を収容する。真空テーブル88は、シャーシ板96及び98間に取り付けられた基準C字状チャネル100上に直接取り付けられる。真空テーブル88の下では、真空ブロワ94が低圧をもたらし、印刷されない側の媒体を保持する。
【0369】
基準C字状チャネル100の両側には、左の基準板90及び右の基準板92が位置する。左の基準板90は単一の基準位置112を有し、右の基準板は2つの基準位置110を有する。印刷ヘッドキャリッジ(後述)上の基準フィーチャは、基準位置110及び112内に位置し、正しい印刷間隙で印刷ヘッドモジュール42〜50を保持する。下部の用紙経路アセンブリ78上には、掛け金106が、上部の用紙経路アセンブリ74を定位置で保持する。掛け金106を解除することで、上部の用紙経路アセンブリ74を下部の用紙経路アセンブリ78から持ち上げ、ばね式のガス支柱104によって高い位置で保持することができる。
【0370】
上部の用紙経路アセンブリ
図9は、上部の用紙経路アセンブリ74の斜視図である。シャーシ枠126が、印刷ヘッドキャリッジ76及びスキャナアセンブリ18を保持する。シャーシ枠126の両側には、ガス支柱取付け点122が位置し、そこでガス支柱104(図8参照)が接続される。印刷ヘッドキャリッジ76は、5つの印刷ヘッドモジュール42〜50(図3参照)、それぞれのインク境界面124、及び電気接続ユニット120のための筐体である。印刷ヘッドキャリッジ76の後壁128は、インク供給チューブのためのチューブ開口116を有する。電気配線は、各電気接続ユニット120の上側のケーブルソケット124内へプラグ接続される。
【0371】
印刷ヘッドキャリッジ
図10は、印刷ヘッドアセンブリ75の斜視図であり、印刷ヘッドアセンブリ75内では、印刷ヘッドキャリッジ76が、5つの印刷ヘッドモジュール42〜50を支持する。印刷機設計の分野で一般的な向きの従来のXYZ軸も示す。印刷ヘッドキャリッジ76は、機械加工された押出し部であり、3つの基準フィーチャ130が、床区分132の下面に固定される(2つの右側の基準フィーチャ130だけが見られる)。床区分は、印刷ヘッドモジュール42〜50上のノズルを媒体又は補修モジュール22に露出させるための開口(図示せず)を有する。印刷ヘッドモジュール(後述)は、床区分132の上面に当接し、この面をZ基準として使用する。基準フィーチャ130は、基準C字状チャネル100に固定された左のZ基準点110及び右のZ基準点112(図8)内に位置する。基準フィーチャ130は、ノズル271(図27参照)の平行な列270が用紙軸に対して垂直に延びるように、印刷ヘッドキャリッジ76を保持する。これにより、すべての印刷ヘッドモジュールにわたって印刷間隙の高精度の公差を維持する比較的簡単な構造を提供する。隣接するモジュール間の横方向の重複部は、監視ドライバPCBの制御下で各モジュールからの印刷がともに「縫い合わされる」領域であるため、X方向の印刷ヘッドモジュールの位置合わせはそれほど重要ではない。
【0372】
印刷ヘッドモジュール及び印刷ヘッドクレードル
図11及び図12は、印刷ヘッドモジュール42〜50の1つの斜視図である。図13及び図14は、それぞれのインク供給境界面118と電気接続ユニット120の間に設置された印刷ヘッドモジュールを示す。印刷ヘッドモジュールは、印刷機のうち使用者が交換できる構成要素であり、2008年12月19日出願の米国特許出願第12/339,039号(代理人整理番号第RRE058US号)に開示の印刷ヘッドモジュールに非常によく類似している。同願の内容を、参照により本明細書に組み込む。第RRE058US号に示されている印刷ヘッドモジュールは、A4のSOHO(Small Office/Home Office)用の印刷機向けのものであり、一方、図11及び図12に示す印刷ヘッドモジュールでは、ページ幅大判印刷機の複数の印刷ヘッドモジュールへのインクチューブ経路を遮らないように、入口ソケット144及び出口ソケット146をモジュールの中央の方へ移動させている。
【0373】
印刷ヘッドモジュール42〜50は、印刷ヘッドIC(後述)を支持するLCP(液晶ポリマー)成型部138上にポリマー上部成型部134を有する。上部成型部134は、LCP成型部138を通ってインク供給チャネルと流動的に連通する入口ソケット144及び出口ソケット146を有する。上部成型部134はまた、両側に、設置及び取外し中にモジュールを操作するための把持フランジ136を有する。インク入口(144)及び出口ソケット(146)はそれぞれ、5つのインク噴出口142を有し、利用可能なインクチャネルごとに1つの噴出口を有する。この場合、印刷機は、CMYKK(シアン、マゼンタ、黄、黒、及び黒)という5つのチャネルを有する。
【0374】
インク噴出口142は、インク境界面118内の流体結合部148及び150と係合するように円形に構成される。図13は、インク境界面118と電気接続ユニット120の間の印刷ヘッドモジュールを示す。流体結合部148及び150は、後退した位置にあり、インク噴出口142から切り離されている。インクは、チューブバンドル152を介して流体結合部へ供給される(見やすいように、入力流体結合部へのチューブバンドルのみを示す)。流体結合部作動レバー154を押し下げることによって、流体結合部はどちらも、延びた位置へ同時に進み、それぞれのインク噴出口142との封止された流動的連通を形成する。基準C字状チャネル100のインク境界面118、電気コネクタ120、及び床132は、それぞれの印刷ヘッドモジュール42〜50に対するクレードルを形成する。印刷ヘッドモジュールを取り外すには、流体結合部148及び150を後退させ、使用者はフランジ136を把持し、持ち上げて取り出す。
【0375】
図14は、インク境界面118と電気接続ユニット120の間の印刷ヘッドモジュール42の下面を示す。電気接続ユニット120は、1列のばね付きの電極162を通って電力及びデータを印刷ヘッドモジュールへ提供する。電極162は、LCP成型部138に固定された可撓性PCB(可撓性のプリント回路基板)156上の接触パッド140と弾性的に係合するように位置決めされる。可撓性PCB156内の導電トレースは、封入ビード158内に封止された一連のワイアボンドにつながる。ワイアボンドは、可撓性PCB156をこの行の11個の印刷ヘッドIC160に接続する。各印刷ヘッドIC160はノズルアレイを有し、平行な列の形で構成されたノズルは、用紙軸(すなわち、印刷区間内の給紙方向)に対して垂直に延びる。適切な印刷ヘッドIC160を製作するためのリソグラフィエッチング及び堆積ステップは、2006年7月10日出願の米国特許出願第11/482,953号(代理人整理番号第MTD001US号)に開示されている。同願の内容を、全体として本明細書に組み込む。印刷ヘッドIC160は、幅2mm未満であり、それぞれ、各色チャネルに対して少なくとも1つのノズル列を有する。したがって、大判印刷機は、ページ幅印刷ヘッドアセンブリを提供するのに、互い違いの2列の印刷ヘッドモジュールしか必要としない。これにより、印刷区間及び固定式の真空プラテン26の表面積を小さくすることができる。
【0376】
図15は、上部の用紙経路アセンブリ74のより広い斜視図内に印刷ヘッドモジュール46、電気コネクタ120、及びインク境界面118を示す分解斜視図である。それぞれの電気コネクタ120内部には、この行のばね付きの電極162へのトレースをもつ印刷ヘッドドライバPCB164が位置する。印刷ヘッドドライバPCB164は、接続された印刷ヘッドモジュール46の印刷動作を制御する。印刷ヘッドドライバPCB164はすべて、より詳細に後述する監視ドライバPCBの最優先の制御下で、集合的に動作する。
【0377】
上部のエアロゾル収集器
図15はまた、スキャナ18に対するカバー166の前面でシャーシ126に取り付けられる上部のエアロゾル収集器34を示す。エアロゾル排気ファン168は、媒体の印刷された表面から離れる空気の流れを生じさせ、フィルタ170を通って排気する。空気の流れの中には空気で運ばれるインク粒子が同伴されており、フィルタ170内で収集される。
【0378】
印刷ヘッド補修モジュール
図16〜図20は、補修モジュール22の1つを詳細に示す。回転カルーセル172は、キャッパ202、スピツーン/真空プラテン200、及びマイクロファイバ拭取りローラ196という3つの別個の印刷ヘッド保守ステーションを有する。カルーセル172は、2つの摺動式の取付け部174間で回転するように取り付けられる。適当な保守ステーションが印刷ヘッドに提示されるまで、カルーセルモータ192がカルーセル172を回転させる。カルーセル172は、ブロックガイド176内で摺動する摺動式の取付け部174をリフトカム188が圧迫することによって上下される。ブロックガイド176は基部トレイ178に取り付けられ、基部トレイ178は、基準C字状チャネル100(図8参照)の上部内の開口の1つの中に位置する。
【0379】
リフトカム188は、ブロックガイド176内で回転するように、カムシャフト190の取付け部に鍵で止められる。カムシャフトは、リフトモータ194によって駆動される。カムシャフト190の角回転は、リフトカムセンサ186によって感知され、カルーセル172の回転は、カルーセルセンサ198によって監視される。これらのセンサからの出力は補修PCB204に報告され、補修PCB204は、監視ドライバPCB(図39参照)の最優先の制御下で様々な補修機能を提供するように、リフトモータ194とカルーセルモータ192の動作を協働させる。例えば、キャップ締めには、カルーセルモータ192は、カルーセル172を回転させてキャッパ202を印刷ヘッドに提示する必要があり、次いでリフトモータ194は、リフトカム188を持ち上げた角変位まで回転させて、キャッパを真空テーブル88から突出させ、媒体経路54を通って印刷ヘッドモジュール42〜50に接触させる必要がある。
【0380】
カルーセルモータ192はまた、拭取り動作中に拭取りローラ196を回転させて、あふれたインク及び紙の粉塵を取り除く。マイクロファイバは、精巧なノズル構造自体を損傷することなく印刷ヘッドIC160からインク及び汚染物質を容易に除去する適切な吸収体のローラ材料である。マイクロファイバはまた、ブロックガイド176間に固定されたドクタブレード180全体にわたってワイパローラ196が引き込まれるときに蓄積するインクを容易に解放する。
【0381】
カルーセル172の芯はまた、大量の無駄なインクを保持することができる。Porex(商標)などの多孔質の材料から芯を形成し、空胴を組み込むことによって、「キープウェットドロップ」(すなわち、ノズルが乾燥するのを防止する目的で射出されるインク滴)、又は気泡、乾燥したインク堆積物などを除去するためのインクパージ(すなわち、高い頻度のオーバードライブ射出)として射出されたインクに対するカルーセル容量が得られる。無駄なインクは、カルーセル172からインク出口182を通って水溜め供給チューブ184内へ引き込まれる。
【0382】
下部のエアロゾルの除去
図19は、代替のカルーセル172の概略断面図である。ワイパローラの代わりに、カルーセル172は、一連の軟質ポリマーブレード206で印刷ヘッドIC160を拭き取る。真空プラテン200の動作も示す。カルーセル芯210内の中心空胴208から、空気が引き込まれる。これにより、印刷間隙216から一連の中心穿孔212を通って中心空胴208内への空気の流れが生成される。補給空気穿孔214が、中心穿孔212に沿って中間点に中心空胴208を接続する。中心空胴208内への補給空気通路218は、印刷間隙216からの流れに同伴される補給空気を提供する。キープウェットドロップ及びエアロゾルもまた、中心空胴208への空気の流れに同伴される。
【0383】
複数モード印刷ヘッドの補修
図21〜図23は、印刷ヘッドアセンブリの複数モードの補修を概略的に示す。図21は、媒体エンコーダホイール24、入力駆動ローラ16、及び上部のエアロゾル収集区間230に対する固定式の真空プラテン26内の5つの補修モジュール220〜228の位置を示す。用紙経路内に媒体が存在しないとき、補修モジュールは、キャップ締めモード(補修モジュール220、222、224、及び228)又は補修モードの1つ(補修モジュール226)とすることができる。補修モードは、拭取りモード又はスピツーンモードである。大部分の印刷ヘッドモジュールがキャップ締めされているとき、上部のエアロゾル収集システム34(図4参照)は非活動状態である。監視ドライバPCB(図39参照)は、ページ幅印刷ヘッドアセンブリに対してより様々な補修プロトコルを提供するように、補修モジュール220〜228を個々に動作させる。
【0384】
図22は、媒体経路54の最大幅を覆う媒体シート5に印刷する印刷機を示す。完全に覆われているとき、補修モジュール220〜228は真空プラテンモード(図19参照)である。このモードでは、補修モジュール220〜228は、印刷区間14の固定式の真空プラテン26と協働する真空プラテンとして機能する。媒体シート5の上では、上部のエアロゾル収集システム34がインクのエアロゾルを引き離す。
【0385】
図23は、媒体経路54の最大幅を覆わない媒体シート5に印刷する印刷機を示す。媒体シート5は、補修モジュール222及び226を完全には覆わず、したがってスピツーンモードで動作する。印刷ヘッドモジュール44及び48(図3参照)は、印刷データに従ってインクを部分的に射出しているノズルアレイを有し、ノズルアレイの残りは、キープウェットドロップを印刷して、これらのキャップ締めされていない印刷用ではないノズルが乾燥するのを防止する。補修モジュール224は、媒体シート5によって完全に覆われ、したがって真空プラテンモードで動作する。真空プラテンモードとスピツーンモードではどちらも、図19に示すように、真空プラテン200の中心穿孔212内へ空気が引き込まれる。印刷動作によりエアロゾルが生成され、エアロゾルは、スピツーンモード中に、上部のエアロゾル除去システム34及び真空プラテン200内への空気の流れによって除去される。これにより、下部のエアロゾル除去システムが提供され、上部のエアロゾル除去システム34の動作を補完する。
【0386】
真空ベルトアセンブリ
図24及び図25は、真空ベルトアセンブリ20を示す。C字状チャネルシャーシ242は、7つの開口付き真空ベルト234を支持する。モータ256が、ベルト240を介してプーリ238を駆動させる。プーリ238は、真空ベルト駆動シャフト236を駆動させ、真空ベルト駆動シャフト236は、それぞれの真空ベルト234に対する駆動ローラ262を駆動させる。駆動シャフト236には真空ベルトエンコーダホイール258が取り付けられ、媒体シートの後方端が真空プラテンエンコーダホイール24(図3参照)から切り離された後、監視ドライバPCB(図39参照)にエンコーダパルスを提供して、ノズル噴射クロックを生成する。
【0387】
駆動ローラ262の反対側には、それぞれのアイドラローラ246が位置する。各アイドラローラ246は、正しいベルトの張力を維持するように、ばね式ベルトテンショナ260によって駆動ローラ262から離れるように付勢される。各真空ベルト234の駆動ローラ262とアイドラローラ246の間には、開口付きベルトの両側及び上部区分に対して開いている真空ベルト空胴片254が位置する。各真空ベルト空胴片254間には、両側及び底部に対して開いているプレナム区分244が位置する(外側及び底部が閉じている2つの端部のプレナム区分264とは別)。プレナム区分244の底部開口には、プレナムチャンバ252に対するプレナムチャンバ取入れ口248が位置する。
【0388】
C字状チャネルシャーシ242の下には、3つの真空ブロワ250が取り付けられる。C字状チャネル242の上部内の開口(図示せず)により、真空ブロワ250は、プレナムチャンバ252内で真空を引き込むことができる。プレナムチャンバ252内の圧力を低くすることで、プレナム区分244並びに真空ベルト空胴片254内の空気の圧力を低減させる。各真空ベルト234の上部区分を通って、空気が引き込まれる。媒体シートによって覆われたとき、内部空胴片と大気の間の圧力差により、シートに法線力がかかる。プレナムチャンバ内で引き込まれた真空は、媒体シート5が入力駆動ローラ16(図2参照)のニップ内に位置する間に真空ベルト234に対して滑ることができるように設定される。
【0389】
媒体の後方端が入力ローラから切り離されると、供給速度は真空ベルト速度に一致する。この段階で、真空駆動シャフトエンコーダホイール258を使用して、ノズル噴射パルスの時間が測られる。これによって、媒体シートの後方区分で印刷内のアーチファクトが回避される。
【0390】
インク送達システム
図26は、インク分配システムからの構成要素の背面部分斜視図である。大きなインク貯蔵器266は、ボトル60(図7参照)によって重力供給される。次に、蓄積貯蔵器70が、それぞれのインク貯蔵器266によって重力供給される。各蓄積貯蔵器70は、単一のインクチャネルですべての印刷ヘッドモジュール42〜50(図2参照)に供給する。図27に示すように、印刷ヘッドモジュールは、ノズル271を円柱状の群270の形で構成する。それぞれの平行な円柱状のノズル群270は、インク容器の1つ及び蓄積貯蔵器70の1つにそれぞれ対応する。戻りライン(後述)は、蠕動ポンプ268を介して蓄積器70に戻る。それぞれの印刷ヘッドモジュール42〜50は、それぞれのピンチバルブアセンブリ86(より詳細に後述)を介して、供給ラインと戻りラインの間にバイパスラインを有する。図27は、印刷ヘッドモジュールへの流体回路のほんの一部を示す。バルブ、センサ、及びポンプは省略されている。インク送達システムは精巧且つ多用途であるが、保守、試験、及び生産を容易にするために体系的なチューブ経路指定構成を必要とすることが理解されるであろう。
【0391】
下部の用紙経路アセンブリ78の左側の板69と右側の板98(図8参照)の間に、構造上の交差部材316が延びる。インク貯蔵器266は、蓄積貯蔵器70より高い高さのところに取り付けられ、蓄積貯蔵器70は、チューブ294を介して重力供給するように、交差部材316の下につるされる。チューブを保持するために、チューブカバー318が交差部材316とともに空胴を形成する。蓄積貯蔵器70はまた、ノズル271に対してより低い高さになるように取り付けられる。記載のシステムでは、蓄積貯蔵器70内のインクレベルは、ノズル271から約65mm〜85mm下のところで維持される。これによって、ノズル271でインク内に負の静水圧が生成され、したがってインクのメニスカスは外側に膨らまない。インクのメニスカスが外側に膨らむと、紙の粉塵などとの毛管作用をもたらす接触によって、漏れやすくなるはずである。
【0392】
印刷ヘッドモジュールの連続したプライミング、デプライミング、及び泡パージについて、図28〜図33に示す図を参照して、次に説明する。これらの図は、単一インクチャネル(すなわち、色)に関し、印刷ヘッドモジュール42のみを示す。
【0393】
蓄積貯蔵器70は、流体レベル280を小さい範囲内で維持する浮遊バルブ284を有する。浮遊バルブ284に対する浮遊アクチュエータ286は、流体レベル280をノズル高さ292から約65mm〜85mm下のところで維持するように構成される。
【0394】
蓄積貯蔵器70内の傾斜したフィルタ288が、供給ライン272への出口320を覆う。供給ライン272は、印刷ヘッドモジュール42への供給分岐ライン302を有する。他の供給分岐ライン296は、残りの印刷ヘッドモジュール44〜50(図示せず)へ延びる。供給分岐ライン302内には、供給ラインバルブ298が位置し、印刷ヘッド42と供給ライン272の間の流動的連通を選択的に閉じる。
【0395】
印刷ヘッドからの戻り分岐ライン304、414から、印刷ヘッドをプライミング及びデプライミングするため、そしてシステムから泡を除去するために使用される蠕動ポンプ268へ、戻りライン274がつながっている。供給ライン272はまた、バイパスバルブ278を介して供給ラインを戻りラインに接続するバイパスライン276につながる。
【0396】
ポンプ268は、2組のチェックバルブ324及び326間に位置し、チェックバルブ324及び326はそれぞれ、流出ポンプフィルタ306をもつ。これによって、ポンプがどの方向に動作しているかにかかわらず、ポンプ268内で剥がれ落ちた粒子状の汚染物質が印刷ヘッドに到達しないようにしながら、ポンプはいつでも1つのフィルタだけを通ってインクを流すことができる。安全圧力逃しバルブ308によって、チェックバルブ324及び326が弱まらないようにする。戻りライン274は、インクレベル280から約45mm〜55mm上のところで位置決めされた戻りライン入口322で、蓄積貯蔵器に加わる。これによって、ポンプ268は、バイパスバルブ278が閉じているとき、供給ライン272と戻りライン274の間に静水圧差をもたらすことができる。
【0397】
戻りライン274は、ポンプ268ではなく水溜めへ流れを誘導できる手動式の3路バルブ310を有する。これによって、インクの交差汚染を手動で修正することができる。同様に、蓄積器供給チューブ294はまた、全体的な色交差汚染の場合に水溜めへ流れをそらすための手動式の3路バルブ312を有する。
【0398】
蓄積貯蔵器70内の上部空間は、バルブ290を通って大気へ排気される。このバルブは、蓄積貯蔵器70内のインクから空気で運ばれる粒子を防ぐために、フィルタを組み込む。
【0399】
最初、バイパスバルブ278は開き、各印刷ヘッドに対する供給ラインバルブ298及び戻りラインバルブ300は閉じており、ポンプ268は、供給ライン272、バイパスライン276(図29参照)、及び戻りライン274をプライミングする。戻りライン274は、フィルタ306、チェックバルブ組324及び326、並びにポンプ268自体(図30参照)を含む。次いで、印刷ヘッド42〜50を順次プライミングする。
【0400】
図31を参照すると、バイパスバルブ278は閉じられ、印刷ヘッド42に対する供給ラインバルブ298及び戻りラインバルブ300は開かれている。ポンプ268は、前方へ汲み出し(図に示すように、ポンプが反時計回りに回転する)、供給分岐ライン302を通って印刷ヘッド42内へインクが引き込まれる。ずらされた空気が、戻りライン274内へ引き込まれる。図32に示すように、この空気が戻りライン274からパージされるまで、ポンプ268は継続する。供給ラインバルブ298及び戻りラインバルブ300が再び閉じられ、次の印刷ヘッドをプライミングするためのプロセスが繰り返される。
【0401】
すべての印刷ヘッドをプライミングした後は、ポンプ268は印刷中に動作しない。図28は、印刷ジョブ中の流体の流れを示す。毛管圧力によって印刷ヘッド42〜50へのインク供給を生成させて、ノズルに補充する。毛管作用は、蓄積器インクレベル280との高さの差によって生成される負の静水圧によってインク補充流量に作用し、この流量を低減させる働きをする。この点を考慮して、ノズルで交差汚染を回避するが補充流量を妨げない実現可能な範囲内で高さの差を設定することが、最も実際的な解決策である。
【0402】
図33は、デプライミングプロトコルを示す。バイパスバルブ278は開かれ、すべての印刷ヘッド42〜50に対する供給ラインバルブ298及び戻りラインバルブ300は閉じられている。ポンプ268は逆に動作し、戻りライン274、バイパスライン276、及び供給ライン272を通って空気が引き込まれる。次に、障害のある印刷ヘッドに対する供給ラインバルブ298及び戻りラインバルブ300を開き、バイパスバルブ278を閉じ、ポンプ268をもう少し逆に動作させて、印刷ヘッドをデプライミングすることは簡単である。交換した後、それぞれの印刷ヘッド42〜50に対してプライミングプロトコルを行い、分岐ライン内のはぐれた泡を確実にパージする。
【0403】
ピンチバルブ
図34〜図36は、インク分配システム全体にわたって広く使用されるタイプのピンチバルブアセンブリ86の1つを示す。直流モータ328が、端部キャップ344と側板346の間に取り付けられたカムシャフト330を駆動する。カムシャフト330は、ばね板334を通って延び、したがってカム332は、回転するとばね板334の底部と係合する。バルブ基部340は、チューブ10に対する5つのチューブ開口348を画定する。
【0404】
カム332が最小半径でばね板334と係合するとき、チューブ10は、まったく又はほとんど圧縮されておらず、ピンチバルブは開いている。カムが回転し、最大半径でばね板334の底部と係合すると、ばね板はチューブ10を押し下げ(カバー338に対して圧縮されたばね336の助けによる)、チューブを挟んで閉じる。
【0405】
ピンチバルブは、バルブの中で最も信頼性が高いというわけではなく、わずかな量の漏れは珍しくない。しかし、ピンチバルブアセンブリ86は、特に基本的な設計を有し、単位コストを低減させる。これは、インク分配システム全体にわたって多数のバルブを使用する本明細書に記載の大判印刷機にとって大きな利益である。さらに、様々なインク流れの制御動作に対して、完全に漏れのないバルブ封止は必要でない。印刷機の特定の領域をプライミング(又はデプライミング)するために上流の圧力を上げるには、流れを抑制するだけで十分である。したがって、簡単で安価なピンチバルブアセンブリ86の欠点は、本明細書に記載の大判印刷機1(図1参照)にとって重要ではない。
【0406】
蓄積貯蔵器
蓄積貯蔵器70もまた、動作の複雑さに対して安価である。図37及び図38は、蓄積貯蔵器70の別個の構成要素を示す。タンク356は、フロート286及び浮遊バルブ360を保持する。重量の増大/フロート286の浮力の低減のために、ガラス玉362を追加することができる。フロートは、蓋352及び床342によって封止される。1対のレバーアーム354が、タンク356内の対応する1対のヒンジ点366と係合し、したがってフロート286は、タンク356内で角度的に移動することができる。
【0407】
タンクの蓋350は、タンク356の上部を開くように封止するが、内部はそれでもなお、排気バルブ290によって大気に排気される。入口マニホルド358は、タンク356の底部を封止する。出口は、1つのミクロンフィルタ288によって覆われた簡単なチューブ320である。バルブ棒360は、自由端部近傍でフロート286上にひっかかる。バルブ棒360の底部には、タンク356の底部内の開口を封止する傘状のチェックバルブ364が位置する。
【0408】
タンク356内のインクレベルが低下すると、フロート286も下がり、大理石の砂利362の重量で、バルブ棒360は傘状のバルブ364を開口から開く。これによって、入口マニホルド358内のインクは、インク重力供給からの圧力を受けて、開口を通ってタンク356内へ流れることができる。これによってインクレベル、したがってフロート286が上がり、その結果、バルブ棒360は再び、傘状のバルブ364を持ち上げてタンク356内の開口を封止する。
【0409】
制御電子回路
図39は、電気制御システムのケーブル図である。すべての電気、電子、及び超小型電子構成要素は、直接又は間接的に、監視ドライバPCB400の制御下にある。様々なサブアセンブリは、インク分配ポンプサブシステムPCB370又はさらには印刷ヘッドモジュールPCB372〜380などの独自のPCBによって動作する構成要素を有することができるが、この動作は、監視ドライバPCB400の最優先の制御を通じて協働する。
【0410】
ピンチバルブアセンブリ384及び真空ブロワ382などの他の電動式の構成要素は、監視ドライバPCB400によって直接制御される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッドアセンブリと、
媒体経路に沿って媒体を供給する駆動ローラと、
固定式の前記印刷ヘッドアセンブリに対して動くように構成された真空プラテンアセンブリと、
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記印刷ヘッドアセンブリが、互いに重複して間に間隙なく媒体経路に集合的に広がる互い違いの印刷ヘッドのアレイを含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷ヘッドのアレイから前記媒体を受け取るように構成された真空作動式の媒体輸送区間をさらに備える、請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記真空プラテンアセンブリが、複数の補修モジュールを備え、補修モジュールがそれぞれ、前記印刷ヘッドのアレイのうちの対応する印刷ヘッドと位置合わせするように構成された真空プラテンをもつ、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記補修モジュールが、キャップ締め又は補修動作中に前記媒体経路を交差して前記印刷ヘッドと係合するように構成される、請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
真空作動式の媒体輸送区間に隣接するスキャナをさらに備える、請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記真空作動式の媒体輸送区間が、複数の個々の真空ベルトを有する、請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記個々の真空ベルトが、共通のベルト駆動機構を共用する、請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記真空プラテンアセンブリ内に埋め込まれた媒体エンコーダをさらに備える、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記真空プラテンアセンブリが、固定式の真空プラテンをさらに備え、前記固定式の真空プラテン内に前記補修モジュールが埋め込まれ、前記固定式の真空プラテンが、前記媒体経路のうち印刷区間を画定する区分に隣接して位置決めされ、前記印刷区間が、前記印刷ヘッドによって同時に印刷可能な領域を含む、請求項5に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記媒体経路が432mm(幅17インチ)より大きい、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記媒体経路が、幅914mm(36インチ)〜1372mm(54インチ)である、請求項11に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記印刷区間の面積が、129032平方mm(200平方インチ)未満である、請求項12に記載の印刷システム。
【請求項14】
前記媒体が前記固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、前記媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.2psi未満の圧力差を生成するように構成される、請求項13に記載の印刷システム。
【請求項15】
前記媒体が前記固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、前記媒体の一方の表面と他方の表面の間に0.036psi〜0.116psiの圧力差を生成するように構成される、請求項13に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記真空プラテンアセンブリが、前記媒体が前記固定式の真空プラテンの端から端まで供給されるとき、前記媒体上に4ポンド〜13.5ポンドの法線力を生成するように構成される、請求項13に記載の印刷システム。
【請求項17】
前記個々の真空ベルトが、前記駆動ローラより速い速度で前記媒体を輸送するように構成される、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項18】
使用中、前記媒体が、前記駆動ローラと前記個々の真空ベルトの両方と同時に係合し、したがって前記媒体が、前記個々の真空ベルトに対して滑る、請求項17に記載の印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公表番号】特表2012−529386(P2012−529386A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514298(P2012−514298)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000954
【国際公開番号】WO2011/011824
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】