説明

固形剤溶解機およびその使用方法

本発明は、施設用水系および工業用水系からなる群から選択される一の水系へ分配するために、固形ケミカルブロックから水処理用溶液を作製するための装置、を提供する。この装置は、固形ケミカルブロックを収容できるハウジングを具備する。流体(好ましくは環境温度の水)は、該ブロックを溶解するためにハウジング内へ導入され、施設用水系又は工業用水系のいずれかに配合されてもよい溶液をなす。装置を用いた溶液の配合方法も、また、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、水系に配合するための処理剤の固形ケミカルブロックから液処理溶液を製造する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配合装置は、施設的および工業的環境に設けられた水系を処理する際に、化学物質を加えるために一般に使用されている。配合装置は、一般に、処理剤を配送して、水系内での水垢の発生、腐食、汚染、および微生物の成長等の好ましくない現象を抑制する。この処理剤は、通常、水のような流体を利用して、粉末状、ブリケット状、又はブロック状の固形化学物質へと調整され、これら固形材料から溶液を得る。こうして得られた溶液は、その後、水系に配送される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の配合装置は、施設的および工業的環境における多くの小規模な水系には不適当であった。多くの施設的および工業的環境には、設備に対して常設用に設計された現行の配合装置を適切に確保する場所や容量が単に欠如している。また、従来の配合装置は、通常、化学溶液を作製するために用いる流体、すなわち水、のための様々なシステム制御(例えば、温度制御、液体流速制御、液体配送調節)に関与している。このことは、残念ながら、外部電源(設備的又は工業的環境において、資源はすぐに入手可能でないかもしれない。)へのアクセス追加要求だけでなく、運転者の注意をも要求する。
【0004】
それゆえに、安全で、効果的で、且つ、メンテナンスの必要が少なく、工業用水系への配送を目的として、固形化学物質から溶液を作製するために、即時可動な装置に対するニーズが存在する。環境温度で一般の水道水が使われたときに、安定的で効果的な水処理溶液を提供できる化学組成物に対してのニーズが、さらに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明の実施態様によれば、固形ケミカルブロックから化学溶液を配合するための容器が提供される。この容器は、室を画定する内面を含んでいる。複数のガイド部材は、内面に沿って間隙を介して配置される。ガイド部材は、室の内面とブロックの外周との間に隙間を形成するように、室内の少なくとも一のケミカルブロックに位置する。多孔質支持部材は、室内の少なくとも一のケミカルブロックを支持する。スプレー部材は、支持部材の下に位置し、スプレーを内室の垂直方向長さに沿って上方に方向付けている。このスプレーは、溶液を作製するために、ブロックの表面に接触する。
【0006】
本発明の他の実施態様によれば、固形ケミカルブロックから溶液を作製するための容器は、室を画定する内面を有している。テーパー壁を有する環状スリーブはその室内に配置されている。それによって、テーパー壁はスリーブを貫くじょうご状の通路を形成する。この通路の径は、テーパー壁がその内面から径方向の内側および下側に延在するにつれて、小さくなる。少なくとも一のケミカルブロックの周辺端部は、テーパー壁の内面に支持的に接触して配置され、特にブロックの底面において表面を露出している。スリーブの下に位置しているスプレー部材は、スプレーをスリーブの垂直方向長さに沿って上方に方向付ける。スプレーは、ブロックの表面に接触し、溶液をなす。テーパー壁は、スプレー部材に向かって内面から下方向内向きに延在している。
【0007】
さらに、本発明のその他の実施態様によれば、固形ケミカルブロックから化学溶液を作製する装置が提供される。この装置は、内室を有するハウジングと、内室中のケミカルブロックを支持しているハウジング内の多孔質支持部材と、を有する。流体注入口は、流体を室内へ、およびケミカルブロック上に導入し、ケミカルブロックの少なくとも一部を溶解して溶液を作製する。コンテナは、溶液を受容する。また、この装置は、コンテナ内に存在する溶液の量を検出するための検出装置を有する。この検出装置は、流体注入口と作動中に連通しており、コンテナ内の溶液の量が閾値を下回るとき、流体を導入するために流体注入口を方向付ける。
【0008】
本発明の他の実施態様によれば、固形ケミカルブロックから化学溶液を作製するための装置が提供される。この装置は、室を画定するハウジングと、この室内に配置されている複数の固形ケミカルブロックと、を有している。流体を室内に導入するための流体注入口は、ハウジングの入射端部上に配置されている。少なくとも二のブロックは、流体との接触により、実質同時に溶解し、化学物質又は固形ブロックの化学薬品を含有する溶液をなす。この装置は、さらに、溶液を室から放出するために、室と液体で連通している排出部材を有する。排出部材は、入射端部に対向するハウジングの一端部上に配置されていてもよい。
【0009】
さらに、本発明の他の実施態様によれば、固形ケミカルブロックから化学溶液を作製する装置が提供される。この装置は、室を有するハウジングと、室内に配置された固形ケミカルブロックと、を有している。流体を室内に導入するための流体注入口は、室の第1端部に位置している。室内に導入された流体は、ケミカルブロックに接触し、該ブロックの少なくとも一部を溶解して溶液をなす。溶液を室から放出するための流体排出口は、室の第1端部に対向する一端部に位置している。流体注入口と流体排出口との対向関係は、室を通じた流体の逆流をつくり出す。
【0010】
本発明のさらなる実施態様によれば、室を画定している内面を持った容器を有し、処理を要求する水系を有する、施設用の又は工業用の設備が提供される。内面に沿って間隙を介して配置されている複数のガイド部材は、少なくとも一のケミカルブロックを位置づけ、内面とブロックの外周との間に隙間を形成している。多孔質支持部材は、室内で少なくとも一のケミカルブロックを指示するために、ハウジング中に配置されている。この支持部材の下に配置されている水注入口は、水が、内室の垂直方向長さに沿って上方に流れることを許容する。この水は、一又は二以上のブロックの表面に接触し、溶液をなす。この設備は、また、上記容器と液体で連通している、施設用水系又は工業用水系を含んでいる。溶液は、系内の水を処理するために、容器から、施設用水系又は工業用水系に、配合されていてもよい。
【0011】
また、本発明は、固形の水処理剤を、施設用水系および工業用水系からなる群から選択される水系へ配合する方法を提供する。この方法は、
(i)水処理剤を含有しており、ハウジング内に配置されている、少なくとも二の固形ケミカルブロックを有するハウジングを提供することと、
(ii)流体をハウジング内へ導入することと、
(iii)少なくとも二のケミカルブロックのそれぞれ一部を同時に溶解して、水処理剤を含有する溶液をなすために、流体とこの少なくとも二のケミカルブロックとを接触させることと、
(iv)この溶液を工業用水系に配合することと、
を含んでいる。
【0012】
固形ケミカルブロックは、マトリックス成分と、圧縮成分と、防蝕剤と、黄色金属防蝕剤と、探知剤と、を含有する、水処理組成物であってもよい。その組成物は、分散剤や水垢抑制剤を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、固形ケミカルブロックから液体水処理剤を作製するために用いる可動な装置を、有利に提供する。この装置は、その運転に際し、運搬および組み立てが簡易である。この装置は、外部のエネルギー源を全く必要としないため、運転のためのメンテナンスをほとんど又はまったく要さない。この装置は、まったくの重力駆動型であってもよい。固形ケミカルブロックは、環境温度の通常の水道水が接触したときに、直ちに溶解するようになっていてもよい。
【0014】
本発明の追加的特徴および利点は、以下の、現時点で好ましい実施形態の詳細な説明中に記載されており、これから明らかとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図の全般において、符号は構造や要素を意味する。特に図1〜3では、化学溶液を配合するための、本発明の容器10を示している。容器10は、室16を画定する内面14を有するハウジング12を含んでいる。ハウジング12は、形状が環状で、実質的に垂直方向に配置されていてもよく、また、例えば、円筒形のような、他のいかなる適切な形状であってもよい。ハウジング12は、当業分野において周知のように、高度の苛性、および/又は、腐蝕性の組成物および溶液に対する露出に耐え得る、いかなる適切な材料から構成されていてもよい。ハウジング12は、変性ステンレス鋼、又は、不活性重合体又はプラスチック剤を含む、ステンレス鋼でつくられていてもよい。ハウジング12は、室16の中身が運転者から直ちに見えるように、透明又は半透明な材質で構成されていてもよい。
【0016】
多孔質支持部材又はスクリーン18は、内室16中に取り付けられ、固形ケミカルブロック20の実質水平支持を提供している。スクリーン18は、当業分野において周知のように、内室16に、常設的に又は可動的に確保されていてもよい。スクリーン18は、内面14に取り付けられた周フランジ(不図示)で支持されていてもよく、それによって、スクリーン18を、洗浄やメンテナンスのために、ハウジング12から直ちに取り外すことができる。スクリーン18は、また、ブラケット、バー、又は、スクリーン18を所定の位置に保持することができるその他のいかなる固定具、によって支持されていてもよい。スクリーン18は、スクリーン18の下に配置されているスプレー部材又はノズル26からケミカルブロック20上へなされる、流体スプレー24の作用および接触に干渉しない、複数の孔22を有している。
【0017】
スクリーン18は、容器10を、上部28および下部30に分割する。複数のガイド部材32、34、36、および38は、図1および2に示すように、上室部28において、内面14に沿って延在している。ガイド部材は、内面14又はスクリーン18のいずれか又は両方に、要望に応じて常設的に又は可動的に取り付けられていてもよい。ガイド部材32、34、36、および38は、ケミカルブロック20を室16の略中心に配置するために、内面14に沿って間隙を介して配置されている。ケミカルブロック20は、通常、スクリーン18の中心部上で重ねて置かれつつ、上室部28に留め置かれる。
【0018】
ガイド部材は、図1に示すように、上室部28の一部に沿って延在していてもよい。あるいは、ガイド部材は、スクリーン18からハウジング12の上端76までの上室部28の全長に亘って延在していてもよい。ガイド部材32、34、36、および38は、ハウジング12の材質と同一の又は異なる材質でつくられてもよい。ケミカルブロック20は、一又はすべてのガイド部材と接触しうるため、斯かるガイド部材は、例えば、ステンレス鋼、変性ステンレス鋼、又は重合体のように、ケミカルブロック20の組成に対して実質的に不活性な材質から構成されていてもよい。あるいは、ガイド部材は、上室部28の全長に亘って延在していてもよい。
【0019】
ガイド部材32、34、36、および38は、ケミカルブロック20を、上室部28の略中心部およびスクリーン18の略中心部に配置する、又は据えるために、いかなる形状および/又は大きさに形成されていてもよい。図1は、略正方形の断面形状を有するガイド部材32、34、36、および38を示す。ガイド部材32、34、36、および38は、このことにより、図2で示すように、内面14とケミカルブロック20の外周との間に隙間を形成する。ガイド部材は、多角形、三角形、弓状、円形、又は楕円形のものを含む、しかし、これらに限定されない、いかなる適切な断面形状を有していてもよいと理解される。ガイド部材の大きさは、容器10の運転要求によって変わるため、様々であってよい。例えば、ガイド部材32、34、36、および38は、ケミカルブロック20の外端48とそれぞれ接している内面40、42、44、および46を有している。あるいは、ガイド部材は、内面40、42、44、および46、並びにケミカルブロック20の外端48との間に、実質まったく接触しないように採寸されていてもよい。当業者は、本発明の範囲を減縮しなくとも、このハウジング12は少なくとも二のガイド部材、又は多くとも六以上のガイドメンバーを有していることに気づくであろう。すべてのガイド部材は容器自体の中に形成されていてもよいし、また、別途に加工されて後で追加されてもよい。
【0020】
本発明の実施例において、ガイド部材50、52、および54は、図3に示すように、ケミカルブロック20が、上室部28の略中心部にくるように、これを保持又は配置する。ガイド部材のそれぞれは、内面14および保持部材58に接触している支持アーム56を含んでいる。それぞれの保持部材58は、図3に示すような弓形をしているが、当業者は、この保持部材が、例えば、直線のような、いかなる形状であってもよいということを察するであろう。ガイド部材50、52、および54は、ブロックの外端48と内面14との間に隙間を提供する。図2および3から明らかなように、ガイド部材50、52、および54は、ガイド部材32、34、36、および38を用いる場合よりも、ブロック20の相当少ない領域を覆っている。ガイド部材50、52、および54は、それによって、ガイド部材32、34、36、および38が用いられるときに曝されるブロック20の領域と比較して、ブロック20のより広い領域が流体スプレー24に曝されることを許容している。このことは、ケミカルブロック20を迅速に溶解することが必要である、高需要の工業的利用において有利である。
【0021】
流体配送システム60は、図1に示すように、流体をノズル26に配送するために、該ノズル26と液体で連通している。流体配送システム60は、バルブ63と流体源(不図示)とを含んでいる。本発明の流体は、ケミカルブロック20を溶解することができれば、液体、又は液体および気体の組み合わせのように、当業分野で知られている、いかなる流体であってもよい。この流体は、例えば、水でもよいし、通気されたもの、又は圧縮空気と水の流体混合物、等であってもよい。流水は、圧力下、ノズル26まで配送されてもよい。
【0022】
流体源は、例えば、タンクに貯蔵されている水や井戸水、又は地域行政が供給する水のように、いかなる水源であってもよい。実施例の中では、流体源は市の水系である。このように、本発明の利点は、本発明で用いられる水が、容器10に導入される前に一切処理が要求されないという点にある。さらに、ケミカルブロック20は、市の上水道からの水のような一般的な水道水との接触で、即時に溶解することを許容する組成を有していてもよい。このように、ケミカルブロック20は、環境温度において一般的な水道水との接触で即時に溶解してもよい。通常の水道水は、概して、その温度が約1℃から約60℃の範囲内にある。それゆえに、この温度範囲にある水道水はケミカルブロック20を即時に溶解させる。このことは、本発明の利点を明示し、それによって容器10が通常の水道水の供給に即時に連結され、水温制御システムの使用なしで運転されることを意味する。
【0023】
ハウジング12は、ケミカルブロック20の量が閾値を下回るときを検出するための、ケミカル検出器21を備えていてもよい。ケミカル検出器21は、運転者が容器10に注意を向けるように警告するとき、信号(例えば、光又は警報音)を発生する。
【0024】
ノズル26は、流体スプレー24がスクリーン18を通じて容器上部28へ上方に届くように、スクリーン18の下の下部30に配置されている。流体スプレー24は、ケミカルブロック20と接触し、該ブロックは溶解する。ケミカルブロック20の溶解は、ケミカルブロック20から溶解したケミカルを含む溶液61をなす。流体スプレー24がケミカルブロック20に接触し続けているとき、溶液の溶滴がケミカルブロック20上に形成され、その溶滴がスクリーン18を通じて、スクリーン18の下に配置されているコンテナ62中に滴下される。溶液61は、容器10の下部、さもなければ、容器下部30に位置するコンテナ62にまとまる。
【0025】
ノズル26内のスプレー圧は、約1psiから約100psiの範囲に及ぶことがある。好ましくは、約10psiから約30psi、さらに好ましくは、約20psiである。
【0026】
ガイド部材によって内面14とブロック20との間に隙間を形成するケミカルブロック20の配置は、流体スプレー24をケミカルブロック表面の広い領域と接触することを有利に可能とする。図1に示すように、流体スプレー24は、ケミカルブロック20の底面64に直接作用する。加えて、流体スプレー24の一部は内面14に作用し、その後、偏向してケミカルブロック20に接触する。この偏向した流体スプレーは、ケミカルブロック20の側面66に接触してもよい。偏向した流体スプレーは、さらにケミカルブロック20の上面68に作用および接触してもよい。偏向した流体スプレーはまた、ケミカルブロックの底面64に接触してもよい。ケミカルブロックは、流体スプレー24の直接的又は間接的接触に対して、より大きな領域を露出するために、中心に配置されているとよい。流体スプレー24の一部は、また、一の、いくつかの、又はすべてのガイド部材から偏向があってもよく、その後、同様にケミカルブロック20に接触してもよい。このように、ガイド部材、並びに、ブロック20および内面14との間にできる隙間の提供は、固形物の一の表面のみが流体スプレーに曝されている配合装置と比べたときに、ケミカルブロックのより迅速な溶解を有利に提供する。このように、容器10は、化学処理の高い要求をするシステムにも、うまく適応する。
【0027】
ハウジング12は、図1に示すように、複数のケミカルブロック20a、20b、および20cを好適に含んでいてもよい。ブロック20と同様に、ケミカルブロック20a、20b、および20cは、ガイド部材32、34、36、および38によって、上室部28の略中央部に配置される。ブロックは、ケミカルブロック20aの底面70が上面68に支持され、ブロック20bの底がブロック20aの上面で支持されるといったように、実質的に垂直に積み重なった構造で配置される。
【0028】
本発明において有用なケミカルブロックの形状は、室16の内寸によってのみ限定される。これらの図面に描かれているように、ケミカルブロック20は一般的に、円筒台形(cylindrically trapezoidal shape)となるように描かれる。他の可能な形状として、円錐台形(truncated cones)、角柱円筒(prismatic cylinders)、球形、立方体、円盤形状のような、しかしこれらに限定されない、積み重ねることができるいかなる形状をも含む。
【0029】
流体スプレー24が上室部28に導入されるとき、スプレーの一部がブロック20a、20b、および20cの表面に接触してもよい。流体スプレー24は、ブロック20、20a〜20cのいずれかに直接的に作用し、接触してもよく、又は、第1作用内面24によって、いずれかのケミカルブロック、および/又はいずれか又はすべてのガイド部材32、34、36、および38に間接的に接触して、その後ブロック20、20a〜20cに作用してもよい。当業者は、スプレーのパターンおよび流体スプレー24の出口圧力が、一又は二以上のケミカルブロックに要求どおり接触し又は濡れるように調整されることを、考慮するであろう。
【0030】
図1では、溶液が、容器から設計された排出ポート72を通じて排出されないで容器中に残る、バルブの不具合が、万一発生したときに、溶液の排水を許容するように設計された、随意的越流ポート35が容器に設けられている。
【0031】
本発明は、容器10が、化学処理を要求する装置に即時に接続又は切断してもよい、一体型の、又は、自立型のユニットであってもよいことを意図する。自立型容器10は、移動可能又は携帯可能であるため、有利である。移動可能とは、装置10が、建物又は他の支持基盤等のいかなる支持構造にも永久的に固定されないことを、意味する。その結果、容器10は、携帯型にするために、車輪付き基礎の上に設けられてもよいし、また、容器10を移動させるために、フォークリフト又は他のいかなる種類の持ち上げ装置によっての持ち上げをも許容する、持ち上げ台等の上に取り付けられてもよい。又は、車輪は、容器の下部に固定してもよく、そうすることで該容器を所望の場所へ移動させることができる。
【0032】
本発明の鍵となる有用な特徴は、容器10が完全に重力駆動型であって、操作に外部電源を一切必要としない点にある。
【0033】
コンテナ62は、溶液61を排出するための排出ポート72を含んでいる。排出ポート72は、周知のような化学処理を要求している水系と液体で連通するように、好適に配置されている。排出ポート72は、施設用水系および工業用水系からなる群から選択される水系との流動的連通の中に配置されていてもよい。
【0034】
配合容器10によって処理されるであろう、例に限定されない好適な施設用水系は、ホテル、病院、保険施設、養護施設、教育機関構内、およびレクリエーション施設、を含む。施設用水系の広範な小口の下を通って来る他の水系は、装飾的噴水、入浴槽、渦流浴の浴槽、水泳プール、親水公園、および、多量の非飲料水を要求するテーマパークの娯楽施設を含む。
【0035】
配合容器10によって処理されるであろう、例に限定されない好適な工業用水系は、開放再循環冷却水系、閉鎖冷却水系、および貫流冷却水系、を含む冷却水系;ボイラーおよびボイラー水系;石油坑水系、油井穴形成、地熱井、および他の油田用途;鉱物洗浄系、浮遊水系、施し水系(benefaction water systems)を含む選鉱水系;製紙用装置、洗浄機、漂白装置、白水系;パルプ工業の黒液蒸発機;ガス洗浄機および空気洗浄機;冶金の連続鋳造プロセス;空調装置および冷凍装置;工業加工用および石油精製用水系;殺菌水のような間接接触冷却水系および間接接触温水系;水再生および浄化水系、膜ろ過水系;食品加工水流(肉、野菜、甜菜、さとうきび、穀物、家禽、果物および大豆);および浄化器とともにある廃棄物処理装置、液体−固体散布、市の汚水処理、および、工業水系又は市の水系を含む。
【0036】
具体例であるがこれらに限定されないものとして、容器10は、約2フィート(60cm)から約7フィート(213cm)の高さにすることができる。容器10のこのコンパクトさおよび携帯性が、容器10を、例えば、一棟の建物又は一の噴水に供給される水系のような少量の工業用水系に、理想的に適したものとしている。単に水道水の供給における連結を運転するための容器10は、容器10を非常に多用途化し、そして、施設に取り外し可能に設置し、且つ、ほとんどあるいは全く人間が関与しないで運転することを可能としている。
【0037】
容器10は、図1に示すように、ハウジング12の上端76に枢動可能に取り付けられたカバー74を含んでいてもよい。カバー74は、ブロック20がスプレーされている間、すべての流体スプレーおよびハウジング12内の空中の溶液を、実質的に含んでいる。閉鎖位置において、カバー74は、運転者の周辺および容器10の周辺領域を、ハウジング12の上部からの腐蝕剤、又は腐蝕性のケミカルスプレー、および/又は溶液の誤った排出、から保護する、安全装置の役割を果たす。系10に追加のケミカルブロックが設けられているとき、カバー74は、室16への接近手段を提供する開放位置へ移動する。
【0038】
さらなる安全対策として、容器10は、カバー74の位置を探知するための探知装置78を備えていてもよい。探知装置78は、ヒンジ部材80および流体配送システム60と作動中に連通するように設定されている。カバー74が開放位置にあるとき、探知装置78は、流体配送システム60がノズル26へ流体を配送することを妨げる。これに対応して、カバー74が閉鎖位置にあるとき、探知装置78は流体配送システムが流体をノズル26へ配送することを許容する。探知装置78は、機械的に、又は、電気的に作動されてもよく、また、バルブ63を通じた流体の流れを調整するために、周知のように、バルブ63と電気的又は機械的連通をしていてもよい。探知装置78は、バルブ61の開放メカニズムを遮断するための突出部材を動かす、周知のような機械的スイッチ、ヒンジ、又は枢動ピンであってもよい。単純で信頼性のある機械的な探知装置は、便利さ、メンテナンスの少なさ、および使用の容易さといった、本発明の利点に沿って使用されてもよい。
【0039】
探知装置がない場合は、カバー74は、ロック、および、「水が止まるまで、このカバーのロックを解除しないでください。」という旨の警告表示と共に、安全が確保されていてもよい。
【0040】
容器10は、コンテナ62中に存在する溶液の量を検出するための検出装置82を、周知のように、さらに含んでいてもよい。検出装置82は、流体配送システム60と、作動中に連通しており、コンテナ62中に存在する溶液61の量が閾値を下回るとき、バルブ63を開放するように設定されている。検出装置82が、溶液が閾値を下回っていることを検出するとき、検出装置82は、流体がシステム60から流れ、上記のようにケミカルブロック20を溶解するノズル26へ配送されることを、許容する。このことにより、追加の溶液が作製され、コンテナ62中に蓄積される。一旦、コンテナ62中の蓄積された溶液61の量が、閾値より上で溶液の水面を上昇させる程度十分になると、検出装置82はバルブ63を閉鎖するように設定される。この検出装置は、電気的又は機械的装置であってもよい。
【0041】
一実施例において、検出装置82は、図1で示すように、溶液61の表面上で浮いている浮き84を備えた機械的装置である。浮き84は、バルブ63に枢動自在に設けられたアーム86に連結している。溶液61は排出ポート72を通じて排出されるため、コンテナ中の溶液の水面は低下する。一旦、この水面が閾値よりも下へ下がると、アーム86によって伝えられる枢動運動は、バルブ63を閉鎖するための閾値より上に浮き84を上げるのに十分な溶液がコンテナ62に補充されるまで、バルブ63を十分開放する。探知装置78又は検出装置82の片方又は両方は、周知のように、
それぞれの装置および流体配送システム60と作動中に連通するように配置されるかもしれない制御装置88によって作動されてもよい。
【0042】
本発明の一実施例において、化学溶液を配合するための容器110が、図4で示すように、提供される。容器110は、室116を画定する内面114を備えたハウジング112を含んでいる。ハウジング112は、円筒状であってもよく、上記のように実質的に垂直方向に配置される。支持部材又はスクリーン118は、永久的に又は取り外し可能に、実質水平になるように、内室116内に取り付けられている。
【0043】
図4では、溶液が、容器から設計された排出ポート144を通じて排出されないで容器中に残る、バルブの不具合が、万一発生したときに、溶液の排水を許容するように設計された、随意的越流ポート156が設けられている。
【0044】
テーパー壁122を有するスリーブ120は、スクリーン118上の内室116中に配置されている。スリーブ120の上端124は、内面114と接しており、内面114で固定されていても、されていなくてもよい。下端126はスクリーン118へ接しており、スクリーン118に固定されていても、されていなくてもよい。このように、スクリーン118は、要求どおり、内面114又は下端126へ固定されていてもよい。あるいは、下端126がどの構造にも取り付けられていない場合もある。テーパー壁122は、内面114から径方向内側の室116内部に向かって延在していてもよい。テーパー壁122は、それゆえに、上端124から下端126にかけて段階的な又は可変の径を有する通路128を形成する。上端124の通路128の径は、下端126のそれよりも大きい。通路128の径は、上端124から下端126へと、スリーブ120を提供しながらも、図4で示すように、略フラストコニカル形状(frustconical shape)を維持したまま、実質一定の形状で減少する。
【0045】
固形ケミカルブロック130は室116内に配置され、上端124で通路128に入る。ケミカルブロック130は、図4に示すように、略台形縦長断面形状を有しているように描かれる。ケミカルブロック130の他の可能な形状は、円錐台形(truncated cones)、角柱円筒(prismatic cylinders)、球形、立方体、円盤形状のような、しかしこれらに限定されない、積み重ねることができるいかなる形状をも含む。
【0046】
どのような形状のケミカルブロック130が選択されても、上端124は、ケミカルブロック130の最大径よりも大きく、下端126はケミカルブロック130の最大径よりも小さい径を有している。ケミカルブロック130は、室116中に配置されてもよく、このとき、最も外側の周辺端部132は、通路128に入る際におけるブロックの最初の部分となる。ケミカルブロック130は、通路128の径が最も外側の周辺端部132に沿ったケミカルブロック130の径と同等か、あるいはやや小さくなるまで、通路128を継続して通る。ケミカルブロックが通路128中にあるとき、最も外側の周辺端部132は、テーパー壁122の内面と、支持的な接触がある。このように、ケミカルブロック130は、テーパー壁122において、その最も外側の周辺端部132の実質全周に沿って、支持的な接触がある。この配置により、ケミカルブロック130の底面134の実質すべての領域が曝される。
【0047】
容器110の下部に設けられたスプレー部材又はノズル136は、スクリーン118を通じてスリーブ120内へ入ろうとする実質一定の流体スプレー138を、上方に届くように、スクリーン118の下に配置される。流体スプレー138は、ケミカルブロック130の底面134に作用し、それによって、上記のように該ブロックは溶解する。ケミカルブロック130の溶解は、溶解された化学物質を含有する溶液140をなす。溶液140はスクリーン118を通じて滴下し、スクリーン118を通じて、スクリーン118の下に配置されているコンテナ142中でまとまる。
【0048】
ケミカルブロック130は底面に沿って溶解するため、最も外側の周辺端部が溶解する。これが起こるため、ブロックは、ブロック130の加重によって、通路128を通じて下方向へ移動し、ブロックの最下端周辺をテーパー壁122の内面と共になす支持接触に対して継続的に押される。これで、ケミカルブロックの底面の領域を実質均一に、又は、ブロック130が消滅するまで一定に露出することにより、ケミカル配合装置を有利に作製する。流体スプレー138のスプレーパターンに対する実質均一な底面暴露の条件は、各スプレーの塗布と共にコンテナ142へ配送される化学物質の量を、実質一定に確保する。ブロック130が、テーパー壁122によって支持できなくなるまで溶解されたとき、ブロックは完全に溶解するまで、スクリーン118によって保持される。
【0049】
積み重ねられた、又は、実質垂直方向に配置された複数のケミカルブロックは、スリーブ120内に配置されてもよい。最も下に位置するブロックの最も外側の周辺端部は、複数のブロックを支持するために、テーパー壁122の内面と共になす支持接触をしてもよい。最も下のブロックが流体スプレーとの接触によって溶解するため、複数のブロックの重量は、最も下のブロックを、スリーブを通じて下方向へ移動させ、最終的にはスクリーン118上へ移動させる。一旦、最も下のブロックがテーパー壁122によって支持されなくなると、垂直方向に配列された次のブロックの周辺端部が、テーパー壁122の内面と共に支持接触をなす。
【0050】
コンテナ142は、工業用水系と液体で連通するように容器110を配置するための排出ポート144を含んでいてもよい。容器110は、上記のように、移動可能である。
【0051】
容器110は、ノズル136と液体で連通して、流体をノズルへ配送するための、流体配送システム146も含む。流体配送システム146は、バルブ148と、上記の流体源と、を備えている。流体配送システム146は、環境温度の水道水をノズル136へ配送してもよい。
【0052】
容器110は、カバー150、および、カバー150と流体配送システム146とに運転可能に接続された探知装置152も、さらに含んでいてもよい。コンテナ142中の溶液および流体配送システム146と作動中に連通している検出装置154もまた、コンテナ142中に存在する溶液のレベルを検出するために、供給されてもよいし、溶液のレベルが上記閾値を下回ったときに、流体を配送するために、流体配送システム146の設定又は方向付けをしてもよい。容器110は、安全機能として、越流ポート156を含んでいてもよい。
【0053】
本発明の一実施形態において、図5および図6は、化学溶液を固形ケミカルブロックから作製するための装置200を描いている。装置200は、内室212を画定しているハウジング210を備えている。多孔質支持部材214は、室212内で、一以上の固形ケミカルブロック216を支持している。支持部材214は、図5に示すように、平面スクリーン218であってもよい。あるいは、支持部材214は、図6に示すように、スクリーン・バスケット220であってもよい。スクリーン218および/又はスクリーン・バスケット220は複数のブロックを支持してもよい。
【0054】
流体注入口222は上記ケミカルブロック216の上に配置されており、流体224をケミカルブロック216上にて導入する。流体注入口222は、流体源と液体で連通しており、室212内への流体224の流れを制御するために、バルブ238を備えていてもよい。ケミカルブロックの上に配置されているため、流体注入口222は、流体224をブロック上に注ぐ方法、すなわち、流体が単に重力によって流れ落ちる方法、で導入できる。あるいは、流体注入口222は、例えばノズルのように、流体224をスプレー又は加圧スプレーとして導入するための、スプレー部材であってもよい。流体224は、市の上水道からの水道水で、上記のように、該流体は環境温度であってもよい。
【0055】
ケミカルブロック216との接触で、流体224は、溶滴として多孔質支持部材214を通じて滴下し、コンテナ228中でまとまって、溶液226をなす。コンテナ228中に存在する溶液の量を検出するための検出装置230は、流体注入口222と作動中に連通している。検出装置230は、コンテナ228中の溶液226の量又はレベルを検出又は探知できる、周知のような、いかなる装置であってもよい。結果として、検出装置230は、機械的装置、光学装置、又は重量、容積、又は液体探知の装置であってよく、溶液226と液体で連通していてもしていなくてもよい。このようにして、検出装置230は、周知のように、流体注入口222と、機械的、電気的、光学的連通をなしていてもよい。
【0056】
検出装置230は、コンテナ中の溶液の量が閾値を下回ったときに流体を導入するために、流体注入口222を方向付ける。例えば、検出装置230は、溶液226と液体で連通し、また、流体注入口222のバルブ238と機械的に連通している浮遊アーム型装置であってもよい。溶液のレベルが閾値を下回ったとき、流体注入バルブ上で浮遊装置によって負荷されるトルクが、上記のようにバルブ238を開く。
【0057】
あるいは、検出装置230は、溶液226のレベルが閾値を下回るとき、信号を発してもよい。流体注入口222は、信号に反応し、該信号に応答して流体224を室212へ導入するように設定されてもよい。例えば、検出装置230は、溶液のレベルが閾値を下回るとき、電子信号を発生してもよい。流体注入口222は、検出装置230が発生する電子信号に応答して、流体を導入するためにバルブを開放することができ、且つ、電子的に作動する、ソレノイドと共に設定されていてもよい。検出装置230は、光学信号を発してもよく、これに対して、流体注入口222は、流体224を室212へ同様の方法で導入するために、該光学信号を受信し、応答するように設定されていてもよい。
【0058】
装置200は、室212中へ導入される流体の量を制御するために、制御装置232と共に設定されてもよい。制御装置232は、検出装置230が流体注入口222を開放するたびに、均一な又は一定の流体量が室212中へ導入されることを確保するために、使用されてもよい。制御装置232は、流体注入口222又はバルブ238を通じて流れている流体の量を測定する水量計であってもよい。水量計は、所定量の流体を室212へ導入することを許容するために、流体注入口222を開放してもよい。あるいは、制御装置232は、流体注入口222を所定の時間内において開放する、タイマーであってもよい。もし、流体注入口222での流速が一定ならば、流体注入口の所定時間における開放により、流体注入口222が開放されるたびに一定量の流体を室212へ導入することになる。
【0059】
装置200は、装置200に可動性又は携帯性を持たせる内蔵型ユニットであってもよい。コンテナ228は、装置200が工業用水系と液体で連動するように配置されることを可能とする、排出ポート234を備えていてもよい。コンテナ228は、さらに、越流排出口236を備えていてもよい。
【0060】
図7は、本発明の他の実施形態に従って化学溶液を作製するための装置300を示す。装置300は、室312を画定しているハウジング310を備えている。複数の固形ケミカルブロック314、316、318および320は、室312内に配置されている。図7は、四のブロックしか示していないが、室312は、少なくとも一から十以上のブロックを保持するように設定されていてもよいと、理解される。
【0061】
流体注入口322は、室312内へ流体を導入するために、ハウジング310の注入側324上に配置されている。流体注入口322は、ハウジング310に取り付けられていてもよいし、そうでなくてもよい。流体は、例えば、水道水のように、市の上水道からの水で、且つ、該流体は環境温度であってもよい。
【0062】
流体注入口322は、重力下、注ぐ(又は流し込む)方法によって、流体を室312内へ導入してもよい。流体は、例えば滴下のように、低流速で、継続的に導入されてもよい。流体は、また、間欠的に又は断続的に、いかなる所望の流速で導入されてもよい。あるいは、流体は、例えばノズルのようなスプレー部材と共に、スプレーとして導入されてもよい。少なくとも、複数のブロック314、316、318および320の一部は、溶液をなすために流体と接触するとき、溶解する。一の実施形態において、少なくとも二つのブロックは、溶液をなすための流体との接触によって、実質同時に溶解する。装置300は、一つ、いくつか、又はすべてのブロック314、316、318、および320が流体に接触するように設定されてもよいことが分かる。図7は、ブロック314、316、318、および320が、実質垂直方向に積み重なるように配置されていることを示す。流体注入口322は、流体を、該積み重ね全体の上から導入して流体が各ブロックに接するように、この積み重ねの上部に設けられている。あるいは、ブロック314、316、318、および320は、室312内において、積み重ねない方法で、水平方向に配置してもよい。
【0063】
排出部材326は、室から溶液を排出するために、室312と液体で連通している。排出部材326は、流水式配置を提供している注入側324と対向する端部に配置されていてもよい。流水式配置は、流体を、装置300の第一側および第一端上に導入し、流体を、第一側と対向する第二側および第一端と対向する第二端から排出する。流体は、それゆえに、ハウジング310の実質全長を通じて流れる。この配置は、排出部材326を通じて存在する溶液中に、大量の化学物質が溶解されることを確実とする。排出部材326を出ていく溶液は、化学物質又はケミカルブロック314、316、318、および320の化学物質によって飽和させることができる。流体注入口322は、ハウジング310の上端328およびハウジング310の対向する下端330上に配置されている排出部材326の上に、配置することができる。あるいは、流体注入口322および排出部材326は、複数のブロックの一部が流体に接触するように、互いに関連して配置されていてもよい。
【0064】
排出部材326は、工業用水系と液体で連通するように配置されていてもよい。装置300は、低需要水系に好適である。装置300の運転に必要な流体力は、電源を必要としない重力駆動によるものである。さらに、流体注入口322は、実質継続的又は断続的な所望の流体の流れを提供するように設定されている。環境水道水の使用は、水の前処理又は温度制御装置の必要を減少させる。装置300は、独立型ユニットであり、且つ、可動であってもよい。結果的に、装置300は、施設用水系および工業用水系で構成される群から選択される水系の化学処理において、簡易であり、管理の必要が非常に少ない装置を提供する。
【0065】
図8は、本発明の他の実施例に基づいた、化学溶液を固形ケミカルブロックから作製するための装置400を描いている。装置400は、室412を有するハウジング410を含んでいる。ハウジング410は、室412を溶液434から分離している。
【0066】
固形ケミカルブロック414、416、418、420、422、424、426は、室412内に配置されている。図8は、積み重なって、又は、実質垂直に配置されているブロックを示す。しかし、これらブロックは、室412内に、実質水平に配置されていてもよいし、又は、本発明の範囲を損なわないで複数の垂直積み重ねとなるように配置されていてもよい。ケミカルブロックの個数は、1から約10、20又はそれ以上の範囲であってもよい。ケミカルブロックは、多孔質支持部材又は平面スクリーン430によって、支持されていてもよい。あるいは、ブロックは、室412の内面によって支持されていてもよい。
【0067】
流体注入口428は、流体429を、室412の端部432へ導入する。流体注入口428は、環境温度の水道水を流体注入口へ供給する、市の上水道と液体で連通していてもよい。流体注入口412は、一又は二以上のブロック414〜428の少なくとも一部に接触し、溶解して、溶液434をなすために、流体を端部432へ導入する。
【0068】
流体排出口436は、溶液434を室412からコンテナ440へ排出するために、端部432と反対側にある反対端部438に配置されている。一の実施例において、端部432は室の下端であり、反対端部438は室の上端である。この低位置注入、高位置排出という配置は、室412を通じて逆流を提供する。すなわち、流体および/又は溶液434は、室412を通じた流体逆流を形成するために、重力に対向して室412を通じて流れる。流体は、流体排出口436を通じて室から出るために、流体注入口428から室412を通じて、上向きに流れる。この逆流配置は、溶液434が、化学物質又は薬品により飽和又はほぼ飽和であることを確保する。流体は、必要に応じて、室412へ継続的に又は断続的に導入される。
【0069】
溶液434と接触しているブロックが溶解するとき、上部に高く積み重ねられているブロックは、最終的に溶液中へと降下する。ブロック424および426のような、少なくとも一のブロックは、溶液434とは接触しないであろう。これは、将来の使用のための室412内におけるブロックの直接的内部的な供給を提供する。したがって、装置400を運転するために要求されるメンテナンスの量を減らす。流体排出口436は、ブロック414〜426の浸水レベルを所望の値に設定するために、垂直方向長さのハウジング410に沿ってどこに配置されていてもよい。
【0070】
装置400は、コンテナ440中に存在する溶液の量を検出するための、検出装置442を含んでいてもよい。検出装置442は、バルブ448と作動中に連通している。検出装置442は、コンテナ440中の溶液434の量が閾値を下回ったとき、バルブ448を開放する又は流体を導入する設定をとってもよい。検出装置442は、上記流体注入口428への流体の流れを制御するために、機械的、電気的、又は光学的な方法で、バルブ448と作動中に接続している。
【0071】
コンテナ440は、溶液434を工業用水系へ配合するために、工業用水系と液体で連通しているかもしれない排出ポート444を含んでいてもよい。装置400は、それ自体を可動な又は携帯性のあるものとする、内蔵型ユニットであってもよい。
【0072】
本発明の固形ケミカルブロックは、当業分野で周知のような、施設用水系又は工業用水系の水へ供給する水処理製剤であってもよい。本発明の固形ケミカルブロックの利点は、環境温度の水道水が接触するとき、即時に可溶であることである。
【0073】
一の実施例において、固形のケミカルブロックは、不活性蛍光トレーサーを周知の割合で含んでいる。ここで容器又は装置と説明されているいずれかから配合される溶液中の不活性蛍光トレーサーの存在は、施設用水系又は工業用水系中で、溶液が監視され、評価されることを許容する。配合された溶液から発せられる、不活性蛍光化学物質の蛍光信号を監視するために、蛍光光度計が使用されてもよい。この技術は、ナルコ カンパニー(アメリカ合衆国,60563,イリノイ州,ネイパーヴィル,W.ディール ロード 1601、(630)305−1000)の登録商標である、TRASAR(R)として、商業的に使用可能である。2004年2月3日に発行され、参考文献として、そっくりそのまま包含される、米国特許番号6,685,840、「硬水処理剤の溶解速度の決定方法」、を参照されたい。
【0074】
不活性蛍光化学物質の蛍光信号は、どれだけの不活性蛍光トレーサーが存在しているかを測定するために使用される。存在している不活性蛍光トレーサーの量を知ることにより、工業用水系中に存在する処理剤の量を測定することができる。もし、存在する処理剤の量が所望の量に満たない場合、所望の量の処理剤を供給するために、処理剤の投入量を調整することができる。
【0075】
本発明の他の実施例において、本発明の固形ケミカルブロックは、マトリックス成分と、圧縮成分と、防蝕剤と、黄色金属防蝕剤と、探知剤と、を有する、水処理用の組成物である。この組成物は、環境温度の水と接触するとき、即時に溶解する。
【0076】
マトリックス成分は、組成中の水活性成分を浮遊させるのに好適な、水溶性成分であってもよい。マトリックス成分は、平均分子量が約2500から約20000であり、さらに、約4600のときが最も好ましく、融点が50℃より高い、ポリエチレングリコールであってもよい。マトリックス成分は、組成物の約34質量%から約56質量%を占めてもよい。一の実施例では、マトリックス成分は、ダウケミカル カンパニー社(ミシガン中部)製のCarbowax 4600TMを用いることができる。
【0077】
圧縮成分はマトリックス成分を補完し、組成物を凝結する。圧縮成分は、組成物の体積を減らし、密度を高める。圧縮成分は、商業的に入手可能な尿素であってよい。一の実施例において、圧縮成分は、組成物の3質量%から7.5質量%を占めていてもよい。
【0078】
防蝕剤は、当業分野において周知の、炭酸カルシウム安定剤および鉄防蝕剤の組み合わせであってよい。防蝕剤は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジスルホン酸、および、ホスホノコハク酸オリゴマー、からなる群から選択されてもよい。一の実施例において、防蝕剤は、組成物の約14質量%から約35質量%を占めていてもよい。
【0079】
黄色金属防蝕剤は、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、および、ハロゲン化トリルトリアゾール、からなる群から選択されてもよい。黄色金属防蝕剤は、組成物の約2質量%から約15質量%を占めていてもよい。ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0080】
一の実施例において、探知剤は、ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩、フルオレセイン、モリブデン酸、バナジン酸塩、およびナフタレンジスルホン酸ナトリウム塩、からなる群から選択されてもよい。一の実施例において、探知剤は、組成物の約0.15質量%から1.1質量%を占めている。ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩が、探知剤として好ましい。
【0081】
本発明の組成物は、さらに、分散剤を含んでいてもよい。分散剤は、標識化されたスルホメチル化アクリルアミド/アクリル酸、部分ナトリウム塩、ターポリマーとして周知の、スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマーを含みつつ、なお且つこれに限定されない、アミン置換スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、ポリアクリレート、硫酸スチレン無水マレイン酸、および、スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、からなる群から選択される。分散剤は、組成物の約9質量%から約42質量%を占めていてもよい。一の実施例において、分散剤は、標識化されたスルホメチル化アクリルアミド/アクリル酸、部分ナトリウム塩、ターポリマーとして周知の、スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマーである。
【0082】
本発明の組成物は、また、水垢抑制剤を含んでいてもよい。水垢抑制剤は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸四ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、および、アミノトリメチレンリン酸、からなる群から選択されてもよい。一の実施例において、水垢抑制剤は、組成物中に約14質量%から約16質量%存在していてもよい。水垢抑制剤は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸四ナトリウム塩であることが、好ましい。
【0083】
以下の処方は、本発明で有用であると分かったケミカルブロック中で、組成可能であることが分かった。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

【0087】
【表4】

【0088】
【表5】

【0089】
以上、現時点において、もっとも好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、これに対して、様々な変更および修正がなされ得ることが、当業者によって理解される。このような変更および修正は、本発明の請求の範囲から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で、また、これに付随する利益を縮小しないで、なすことができる。したがって、このような変更や修正は、添付の請求の範囲によって網羅される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明における、固形ケミカルブロックから溶液を作製するための、容器の断面図である。
【図2】図1の容器の上面図である。
【図3】本発明の容器の他の実施例の上面図である。
【図4】本発明の他の実施例における、固形ケミカルブロックから溶液を作製するための、容器の断面図である。
【図5】本発明の他の実施例における、ケミカルブロックから化学溶液を作製するための装置の断面図である。
【図6】本発明の容器の、他の実施例の断面図である。
【図7】本発明における、ケミカルブロックから化学溶液を作製するための装置の、他の実施例の断面図である。
【図8】本発明における、ケミカルブロックから化学溶液を作製するための装置の、他の実施例の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室を画定する内面と、
内面とケミカルブロックの外周との隙間を形成するために、少なくとも一のケミカルブロックを設置するための内面に沿って間隙を介して配置されている複数のガイド部材と、
少なくとも一のケミカルブロックを室内で支持するための多孔質支持部材と、
スプレーを少なくとも室の垂直方向長さの一部に沿って上方に向けるための支持部材の下に位置しており、溶液をつくるためにスプレーがブロックの表面に接触する、スプレー部材と、
を具備する固形ケミカルブロックから化学溶液を配合するための容器。
【請求項2】
前記容器は可動である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
溶液を受容するための下方区域をさらに具備している、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記容器が、施設用水系および工業用水系からなる群から選択される一の水系と液体で連通する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
流体スプレーの一部が、ブロックの表面に接触する前に前記内面に作用する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
流体スプレーの一部が、ブロックの表面に接触する前に前記複数のガイド部材に作用する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記流体スプレーがブロックの底面および側面に接触する、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記複数のガイド部材の間に実質的に垂直方向に配置されている、複数のケミカルブロックをさらに具備する、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
流体スプレーの一部が第2ブロックの表面に接触する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
流体スプレーの一部が、前記第2ブロックの表面に接触する前に、前記室の内面に接触する、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記多孔質支持部材はスクリーンである、請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記スプレーの温度は環境温度である、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
ハウジングの上端へ枢動可能に取り付けられており、開放位置と閉鎖位置との間で可動であるカバーと、
カバーの位置を探知するための探知装置であって、該探知装置は、スプレー部材と液体で連通している流体源と作動中に連通しており、カバーが開放位置にあるとき、スプレー部材への流体の配送を阻止するように設定されているもの、
をさらに具備する、請求項1に記載の容器。
【請求項14】
コンテナ内に存在する溶液の量を検出するための検出装置であって、該検出装置は、スプレー部材と液体で連通している流体源と作動中に連通しており、溶液の量がコンテナ内で閾値を下回るとき、流体源を開放するように設定されているもの、
をさらに具備する、請求項1に記載の容器。
【請求項15】
室を画定する内面と、
テーパー壁を有する環状スリーブと、
ブロックの表面を露出するためにテーパー壁の内面と支持的に接触する周辺端部を有する、少なくとも一のケミカルブロックと、
スプレーを前記スリーブの垂直方向長さに沿って上方に向けるために前記スリーブの下に位置しているスプレー部材であって、前記スプレーは溶液を作製するために前記ブロックの表面と接触し、前記テーパー壁は前記内面から前記スプレー部材に向けて延在しているもの、
を具備する、固形ケミカルブロックから化学溶液を配合するための容器。
【請求項16】
ブロックの底面が前記スプレー部材に対して露出されている、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記露出された底面の領域は、スプレーが該底面に接触する領域と実質的に同一のままである、請求項15に記載の容器。
【請求項18】
前記スプレー部材は、実質的に均一な流体スプレーをブロック上に向けている、請求項15に記載の容器。
【請求項19】
溶液を受容するためのコンテナをさらに具備する、請求項15に記載の容器。
【請求項20】
前記容器は可動である、請求項15に記載の容器。
【請求項21】
前記スプレーの温度が環境温度である、請求項15に記載の容器。
【請求項22】
互いに上下にくっついている複数のケミカルブロックであって、最も下のブロックは、テーパー壁の内面で支持的に接触する周辺端部を有しているもの、
をさらに具備する、請求項15に記載の容器。
【請求項23】
前記容器は、施設用水系又は工業用水系からなる群から選択される一の水系と液体で連通する、請求項15に記載の容器。
【請求項24】
ハウジングの上端へ枢動可能に取り付けられており、開放位置と閉鎖位置との間で可動であるカバーと、
カバーの位置を探知するための探知装置であって、該探知装置はスプレー部材と液体で連通している流体源と作動中に連通しており、カバーが開放位置にあるとき、スプレー部材への流体の配送を阻止するように設定されているもの、
をさらに具備する、請求項15に記載の容器。
【請求項25】
前記コンテナ内に存在する溶液の量を検出するための検出装置であって、該検出装置は、スプレー部材と液体で連通している流体源と作動中に連通しており、溶液の量がコンテナ内で閾値を下回るとき、流体源を開放するように設定されているもの、
をさらに具備する、請求項15に記載の容器。
【請求項26】
内室を有するハウジングと、
内室中でケミカルブロックを支持するためのハウジング内における多孔質支持部材と、
流体を室に導入するための流体注入口であって、前記流体が、溶液をつくるために、ケミカルブロックの少なくとも一部を溶解するものと、
溶液を受容するためのコンテナと、
前記コンテナ内に存在する溶液の量を検出するための検出装置であって、該検出装置は流体注入口と作動中に連通しており、溶液の量が前記コンテナ内で閾値を下回るとき、流体を導入するように流体注入口を設定しているものと、
を具備する、固形ケミカルブロックから化学溶液を作製するための装置。
【請求項27】
前記流体注入口は所定量の流体を導入する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記流体注入口は流体を所定時間で導入する、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記多孔質支持部材は、スクリーン又はスクリーン・バスケットからなる群から選択される、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
複数のケミカルブロックをさらに具備する、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記装置は可動である、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
前記流体の温度は環境温度である、請求項26に記載の装置。
【請求項33】
前記コンテナは、施設用水系又は工業用水系からなる群から選択される一の水系と液体で連通する、請求項26に記載の装置。
【請求項34】
室を画定するハウジングと、
室内に配置された複数の固形ケミカルブロックと、
流体を室内に導入するための流体注入口であって、少なくとも二以上のブロックが流体と接触して実質同時に溶解し、溶液を作製するものと、
溶液を室から放出するために室と液体で連通している排出部材と、
を具備する、化学溶液の作製装置。
【請求項35】
前記流体注入口は前記ハウジングの注入口側にあり、前記排出部材は前記ハウジングの反対側にある、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記流体注入口は前記ハウジングの上端にある、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記複数のブロックは、実質的に垂直方向にくっつくように配置されている、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記流体は、環境温度の水である、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記排出部材は、施設水系又は工業水系からなる群から選択される水系と液体で連通している、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
前記装置は可動である、請求項34に記載の装置。
【請求項41】
室を有するハウジングと、
室内に配置された固形ケミカルブロックと、
流体を室の第1端部に導入するための流体注入口であって、前記流体は、前記ケミカルブロックと接触して、少なくとも前記ブロックの一部を溶解し、溶液を作製するものと、
第1端部とは反対端部にある流体排出口であって、室内を通じて流体の逆流をつくり出しているものと、
を具備する、固形ケミカルブロックから化学溶液を製造する装置。
【請求項42】
前記第1端部は室の下端にあり、前記反対の端部は室の上端にある、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
室内で実質的に垂直方向に配置されている、複数のケミカルブロックをさらに具備する、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
少なくとも一のブロックは流体と接触していない、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
流体排出口からの溶液を受容するためのコンテナと、
該コンテナ内に存在する溶液の量を検出するための検出装置であって、該検出装置は流体注入口と作動中に連通しており、溶液の量がコンテナ内の閾値を下回るとき、流体注入口が流体を導入するように設定されているものと、
をさらに具備する、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記流体の温度が環境温度である、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記装置は可動である、請求項41に記載の装置。
【請求項48】
前記排出部材は工業用水系と液体で連通している、請求項41に記載の装置。
【請求項49】
内室を画定する内面と、
前記内面と前記ケミカルブロックの外周との間に隙間を形成して、少なくとも一のケミカルブロックを配置して、内室と前記ブロックの外周との間に間隙を形成するために、室の内面に沿って間隙を介して配置されている複数のガイド部材と、
室内で少なくとも一のケミカルブロックを支持している多孔質支持部材と、
スプレーを内室の垂直方向長さに沿って上方に向けるために支持部材の下に位置しているスプレー部材と、を有しており、
前記スプレーはブロックの表面に接触する、容器と、
前記容器と液体で連通する水系と、
を具備する設備であって、
前記設備は、施設用設備および工業用設備からなる群から選択され、水系は、施設用設備および工業用設備からなる群から選択される設備。
【請求項50】
前記設備は工業用設備であって、その水系は、冷却水系、開放再循環冷却水系、閉鎖冷却水系、貫流冷却水系、ボイラー、ボイラー水系、石油坑水系、油井穴形成、地熱井、油田水系、鉱物洗浄系、浮遊水系、施し水系(benefaction water systems)、製紙用装置、洗浄機、漂白装置、白水系、黒液蒸発機、ガス洗浄機、空気洗浄機、冶金の連続鋳造プロセス、空調装置、冷凍装置、工業加工用水系、石油精製水系、間接接触冷却設備、間接接触温水系、殺菌水系、水再生および浄化装置、膜ろ過水系、食品加工装置および廃棄物処理装置、
からなる群から選択される工業用水系である、請求項49に記載の設備。
【請求項51】
前記設備は、ホテル、病院、保険施設、養護施設、教育機関構内、装飾的噴水、入浴槽、渦流浴の浴槽、水泳プール、親水公園、および多量の非飲料水を要求するテーマパークの娯楽施設、並びに他のレクリエーション施設、からなる群から選択される施設用設備であり、
前記水系は施設用水系である、請求項49に記載の設備。
【請求項52】
内部に水処理剤を含有する、少なくとも二の固形ケミカルブロックを有するハウジングを提供することと、
流体をハウジングに導入することと、
少なくとも二の前記ケミカルブロックを、それぞれの少なくとも一部が同時的に溶解するように流体に接触させて、水処理剤を含有する溶液を作製することと、
水系は施設用水系および工業用水系からなる群から選択される、工業用水系に溶液を配合することと、
を具備する、固形水処理剤を水系に配合するための方法。
【請求項53】
内面に沿って間隙を介して配置されている複数のガイド部材を提供することと、
内面とケミカルブロックの外周との隙間を形成するために、前記ケミカルブロックをガイド部材の間に配置することと、
固形ケミカルブロックを多孔質支持部材とともに室内で支持することと、
流体のスプレーを、前記ブロックの下方から室内へと方向付けることと、
をさらに具備する、前記ハウジングが室を画定する内面を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
スプレーの一部が、前記ブロックに接触する前に、内面に作用することをさらに具備する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
流体スプレーの一部が、前記ブロックに接触する前に、少なくとも複数のガイド部材の一に作用することをさらに具備する、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記スプレーがブロックの側面および底面に接触すること、をさらに具備する、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
テーパー壁を有する環状スリーブを提供することと、
ブロックの表面を露出するために、少なくとも一のブロックの周辺端部をテーパー壁の内面で支持することと、
流体のスプレーをブロックの下方からスリーブ内に方向付けることと、
をさらに具備する、前記ハウジングは内室を画定している内面を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記ブロックが溶解する時に、前記スプレーに対して前記ブロックの底面の実質的に同一の領域を露出すること、をさらに具備する、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
(a)質量平均分子量が約2500から約20000であり、組成物中に約34質量%から約56質量%存在する、ポリエチレングリコールであるマトリックス成分と、
(b)尿素からなり、組成物中に約3質量%から約7.5質量%存在する、圧縮成分と、
(c)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、および、ホスホノコハク酸オリゴマー、からなる群から選択され、組成物中に約14質量%から35質量%存在する防蝕剤と、
(d)ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、およびハロゲン化トリルトリアゾールからなる群から選択され、組織物中に約2質量%から約15質量%存在する、黄色金属防蝕剤と、
(e)ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸ナトリウム塩、フルオレセイン、モリブデン酸、バナジン酸塩、およびナフタレンジスルホン酸ナトリウム塩からなる群から選択され、組成物中に約0.15質量%から約1.1質量%存在する、探知剤と、
を具備する、水処理のための組成物。
【請求項60】
分散剤は、標識化されたスルホメチル化アクリルアミド/アクリル酸、部分ナトリウム塩、ターポリマーを含む、アミン置換スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、ポリアクリレート、硫酸スチレン無水マレイン酸、および、スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、からなる群から選択され、組成物中に約9質量%から約42質量%存在すること、をさらに具備する、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
水垢抑制剤は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸四ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、および、アミノトリメチレンリン酸からなる群から選択され、組成物中に約14質量%から約16質量%存在すること、をさらに具備する、請求項59に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−535404(P2007−535404A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510883(P2007−510883)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/014250
【国際公開番号】WO2005/110574
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】