説明

固形化粧料

【課題】 意匠性に特徴のあるメークアップ化粧料に於いて、使用性を向上させる手段を提供する。
【解決手段】 1)表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%と、2)球状粉体5〜15質量%と、3)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%とを含有させて、造粒組成物とする。前記球状粉体は、シリカ、ナイロンパウダー、アクリル樹脂粉体及びメチルシロキサン網状重合体から選択される1種乃至は2種以上であることが好ましく、1気圧25℃で液体のオイルはシリコーン及び/又は分岐脂肪酸のエステルのみで構成されていることことが好ましい。これをメークアップ化粧料を製造するための中間原料として、加圧成形しメークアップ化粧料に加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関し、更に詳細には、立体的形状或いは多色構造など、その意匠性に特徴のある化粧料に好適な化粧料の製造法並びに該製造法によって製造される化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料、特にメークアップ化粧料に於いて、その製品形態が多色構造であったり、或いは、立体的な特徴のある構造であったり意匠性の高いものであることは、使用するインセンティブを高めると同時に、化粧仕上がりの満足感をより高いものにすることが知られている。加えて、多色化粧料では、使用者の思いのままに色の調合が出来ることから、実際の演色性そのものも高まっている。この様な観点から、メークアップ化粧料に於いては、意匠性の高い形状のものを製造する試みが為されてきた。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)しかしながら、この様な技術では、多色化粧料や立体化粧料も実現されているものの、従来から存した金皿に於いて加圧成型したものとの差異はあまり大きいとは言い難かった。
【0003】
意匠性を著しく高める方法としては、石膏のバインダー特性を利用して顆粒を作り、湿潤状態で該顆粒を成形し、乾燥固化する技術が開発された。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)この方法で意匠性は著しく高まったが、石膏に由来する使用性の損失は否めない状況にあり、使用性に及ぼす石膏の影響を減じる技術の開発が望まれていた。
【0004】
表面処理されていても良いマイカ、マイカチタニアを、球状粉体、1気圧25℃で液体のオイルの何れもが化粧料の分野で一般的に使用されている成分であるが、1)表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%と、2)球状粉体5〜15質量%と、3)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%とを含有する造粒物を加工した化粧料については全く知られていない。この様な造粒物を経由することにより、意匠性、使用性ともに優れた化粧料が得られることも全く知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平5−201829号公報
【特許文献2】特開2003−338号公報
【特許文献3】特開平6−179607号公報
【特許文献4】特開2005−023047号公報
【特許文献5】特開2005−023046号公報
【特許文献6】特開2004−300039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、意匠性に特徴のあるメークアップ化粧料に於いて、使用性を向上させる手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、意匠性に特徴のあるメークアップ化粧料に於いて、使用性を向上させる手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%と、2)球状粉体5〜15質量%と、3)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%とを含有する造粒組成物を経由して、これを用いて製剤化することにより、使用性が向上された意匠性に特徴のあるメークアップ化粧料が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%と、2)球状粉体5〜15質量%と、3)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%とを含有することを特徴とする、造粒組成物。
(2)前記球状粉体が、シリカ、ナイロンパウダー、アクリル樹脂粉体及びメチルシロキサン網状重合体から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(1)に記載の造粒組成物。
(3)1気圧25℃で液体のオイルがシリコーン及び/又は分岐脂肪酸のエステルのみで構成されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の造粒組成物。
(4)更に、石膏を含有することを特徴とする(1)〜(3)何れか1項に記載の造粒組成物。
(5)メークアップ化粧料を製造するための中間原料であることを特徴とする(1)〜(4)何れか1項に記載の造粒組成物。
(6)(1)〜(5)何れか1項に記載の造粒組成物を含有するメークアップ化粧料。
(7)アイカラーであることを特徴とする、(6)に記載のメークアップ化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、意匠性に特徴のあるメークアップ化粧料に於いて、使用性を向上させる手段を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料用の造粒組成物の必須成分であるマイカ、マイカチタニア
本発明の造粒組成物は、表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%、より好ましくは、35〜55質量%を必須成分として含有することを特徴とする。前記表面処理としては、赤色226号等の色素や酸化鉄などの金属酸化物による着色処理、メチコンやジメチコンによる焼き付け処理、金属石鹸被覆処理、アシルグルタミン酸塩被覆処理、リン脂質被覆処理などが好適に例示できる。この様な表面処理はマイカ及び/又はマイカチタニアに対して1〜40質量%行うことが好ましい。マイカチタニアは、マイカを基体にして二酸化チタンを被覆せしめた形態のもので有れば、パール感を有していても、有していなくても良いが、パール感を有するものが好ましい。パール感を有するマイカチタニアには、虹彩箔も包含される。この様なマイカ、或いはマイカチタニアは既に化粧料用原料として市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することが出来る。本発明に於いては、かかるマイカ及び/又はマイカチタニアは、光学的に艶感を付与する効果を奏するとともに、かかる粉体同志がオイルを介在することで生じる接着性を呈し、この接着性を利用して顆粒を形成する応力を生じせしめる作用を有する。これにより、粉体間のバインダーでこの様な効果を発現させるためには、前記の含有量が必要となる。
【0010】
(2)本発明の化粧料用の造粒組成物
本発明の化粧料用の造粒組成物は、前記必須成分であるマイカ、マイカチタニアを、1)球状粉体5〜15質量%、より好ましくは7〜13質量%と、2)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%、より好ましくは12〜18質量%とともに造粒してなることを特徴とする。前記球状粉体としては、化粧料原料として使用されている粉体であって、球状の形状を有するもので有れば、中実、中空にかかわらず使用することが出来る。この様な球状粉体としては、具体的にはシリカ、ナイロンパウダー、松本交商株式会社より販売されている「マイクロバルーン」、「チュウクウビーズ」等のアクリル樹脂粉体、東芝シリコーン株式会社より販売されている「トスパール」などのメチルポリシロキサン網状重合体やTORAY株式会社より販売されている「トレフィル」等の架橋型のジメチルポリシロキサン、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適に例示でき、中でもシリカ、ナイロンパウダー、アクリル樹脂粉体及びメチルシロキサン網状重合体から選択される1種乃至は2種以上が特に好ましい。かかる球状粉体は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の造粒組成物に於いては、かかる粉体は、前記マイカ及び/又はマイカチタニアの間にオイル分とともに存在しバインダーとして働く。これにより、バインダーとしての石膏を代替することが出来る。又、前記オイルとしては、1気圧25℃で液体の性状を有するものであって、化粧料で使用されうるもので有れば特段の限定無く使用することが出来る。例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、ジメチコン、フェニルメチコン、シクロメチコン、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等が好ましく例示できる。これらの中では、ジメチコン、フェニルメチコン、シクロメチコン等のシリコーン、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の分岐脂肪酸のエステルがより好ましく例示できる。中でもジメチコン、イソオクタン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリンが特に好ましい。かかる成分は直接的なバインダーとして働く。
【0011】
本発明の造粒組成物は、前記成分を任意の成分とともに造粒することにより製造することが出来る。造粒は、通常知られている方法で有れば特段の限定はなく、例えば、流動層造粒、転動層造粒、押出造粒などが例示でき、所望により、「マルメライザー」(不二パウダル株式会社製)などを用いて、形状を粒径に揃えることも出来る。この様な造粒には例えば、水やエタノールのような揮発性の成分を加えることも出来、この様な揮発成分を造粒の時にのみ介在させ、しかる後に揮散させることにより、適度のバインドを形成することが出来る。所望により、この時石膏を加え、バインド力を高めることも出来る。石膏は多くとも全質量の10質量%以下であることが好ましい。これより多くなると使用性を損なう場合が存する。この様に製造された造粒組成物は、適宜整粒、分級し粒度を合わせることが好ましい。好ましい粒径は、0.5mm〜0.85mmの顆粒である。かかる造粒組成物は、後記化粧料の製造のための中間仕掛品とすることが好ましい。
【0012】
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記造粒組成物を含有してなる。含有の形態としては、所望により、滑沢剤などの任意成分を、本願発明の効果を損なわない程度に配合し、しかる後に成形、加工することが好ましく例示できる。形状としては意匠性に優れるものが好ましく、多色形態及び/又は立体的特徴を有した形態に加工することが好ましい。加工は、例えば多色で有れば、色の異なる造粒組成物を混合し、加圧成型することが例示できるし、立体的特徴を有した形態に金型などを用いて加圧成型することが出来る。成形工程においては、前記本発明の造粒組成物は湿潤した状態で成形して、しかる後に乾燥させることも出来るし、乾燥させた造粒組成物を加圧成形することも出来る。
【0013】
本発明の化粧料に於いては、前記の成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲に於いて、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
【0014】
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0015】
下記に示す処方に従って、本発明の造粒組成物を製造した。即ち、処方成分イをヘンシェルミキサーで混合し、0.7mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーに仕込み、これを攪拌下、ロを噴霧してコーティングし、これを0.7mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、該粉砕物の内の20質量部をヘンシェルミキサーに戻し、混合しながら、ハの成分を噴霧し造粒を行った。造粒物は40℃で24時間送風乾燥した後、分級機にかけて、粒径0.5〜0.85mmに揃え、造粒組成物1を得た。
【0016】

「チミロンスプレンティド・バイオレット」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
「チミロンスプレンティド・レッド」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
「チミロンスプレンティド・ブルー」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
マイカ 16 質量%
セリサイト 30 質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

水 5質量部
【0017】
<比較例1>
造粒組成物1のマイカ及び「チミロンスプレンティド・ブルー」をセリサイトに置換した比較例1を同様に操作したが、造粒が困難で、粒径0.5〜0.85mmの分画は得られなかった。
【0018】
<比較例2>
比較例1のセリサイトの一部を石膏に置換し、造粒をこの石膏を溶かした石膏水で行ったところ、粒径0.5〜0.85mmの分画が得られた。
【0019】

「チミロンスプレンティド・バイオレット」 10 質量%
「チミロンスプレンティド・レッド」 10 質量%
セリサイト 54.6質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

7%石膏水 5質量部
(石膏の最終含有量;1.4質量%)
【実施例2】
【0020】
造粒組成物1を金皿に充填し、加圧成形して、固形粉体化粧料であるアイカラー1を得た。比較例2の造粒組成物を同様に処理して比較アイカラー1も同時に作成した。
【0021】
<試験例1>
前記アイカラー1及び比較アイカラー1の使用性を、連続使用下での状態の変化を指標に試験した。状態の変化は、テカリの出現を見るグロス値の変化と、パフを用いた場合の粉体の取れ量の変化として捉え、使用開始時のグロスと、取れ量に対する、連続使用20回後のグロスと、取れ量の変化として観察した。グロス値としては、グロスメーター VGS−SENSOR(日本電色工業製)にて入射45度、受光45度のグロス値(Gs(45°))を用いた。結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料は連続使用しても使用性が変わらないのに対し、比較例はテカリが生じ、取れ量も著しく減少することが判る。
【0022】
【表1】

【実施例3】
【0023】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、造粒組成物2を製造した。
【0024】

「チミロンスプレンティド・バイオレット」 30 質量%
マイカ 16 質量%
セリサイト 30 質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

水 5質量部
【実施例4】
【0025】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、造粒組成物3を製造した。
【0026】

「チミロンスプレンティド・レッド」 30 質量%
マイカ 16 質量%
セリサイト 30 質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

水 5質量部
【実施例5】
【0027】
実施例1と同様に、下記の処方に従って、造粒組成物4を製造した。
【0028】

「チミロンスプレンティド・ブルー」 30 質量%
マイカ 16 質量%
セリサイト 30 質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

水 5質量部
【実施例6】
【0029】
実施例2と同様に、造粒組成物2〜4を等量混合し、これを加圧成形して、3色の組成物がちりばめられた形態の、美麗な、多色のアイカラー2を得た。
【実施例7】
【0030】
下記に示す処方に従って、実施例1と同様に造粒組成物5を作成した。
【0031】

「チミロンスプレンティド・バイオレット」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
「チミロンスプレンティド・レッド」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
「チミロンスプレンティド・ブルー」 10 質量%
(マイカチタニア;メルク社製)
マイカ 16 質量%
セリサイト 28.6質量%
ナイロンパウダー 5 質量%
シリカ 5 質量%

トリイソオクタン酸グリセリル 5 質量%
イソオクタン酸セチル 3.5質量%
ジメチコン 5.5質量%

7質量%石膏水 5質量部
【実施例8】
【0032】
実施例2と同様に、造粒組成物5を成形しアイカラー3を製造し、使用条件での試験を行った。石膏が存在しても、本発明の効果は認められた。
【0033】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明はアイカラーなどの化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)表面処理されていても良いマイカ及び/又はマイカチタニアを30〜60質量%と、2)球状粉体5〜15質量%と、3)1気圧25℃で液体のオイル10〜20質量%とを含有することを特徴とする、造粒組成物。
【請求項2】
前記球状粉体が、シリカ、ナイロンパウダー、アクリル樹脂粉体及びメチルシロキサン網状重合体から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の造粒組成物。
【請求項3】
1気圧25℃で液体のオイルがシリコーン及び/又は分岐脂肪酸のエステルのみで構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の造粒組成物。
【請求項4】
更に、石膏を含有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の造粒組成物。
【請求項5】
メークアップ化粧料を製造するための中間原料であることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の造粒組成物。
【請求項6】
請求項1〜5何れか1項に記載の造粒組成物を含有するメークアップ化粧料。
【請求項7】
アイカラーであることを特徴とする、請求項6に記載のメークアップ化粧料。

【公開番号】特開2007−55941(P2007−55941A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243523(P2005−243523)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】