説明

固形状の皮膚外用剤

【課題】本発明は、化粧品/医薬部外品分野の皮膚外用剤において、セロオリゴ糖を加えることで、べたつきが少なく、さらさら感を有し、さらに液状又は半固形状の活性成分の保持性、及び圧縮成形性を有する固形状の皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)セロオリゴ糖と、(b)液状又は半固形状の活性成分とを含有する固形状の皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品/医薬部外品の皮膚外用剤において、常温で液状又は半固形状の活性成分を含有する皮膚外用剤に、セロオリゴ糖を加えることで、べたつきが少なく、さらさら感を有し、さらに活性成分の保持性、及び圧縮成形性を有する固形状の皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーションのような固形状の皮膚外用剤は、仕上げ化粧品として広く使用されている。また、油脂類は、肌に保湿性を与えるエモリエント剤、メークアップ時の粉体の結合剤等に利用されている。例えば、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂の効果としては、プロスタグランジンによる各種のホルモン様物質の合成、細胞膜の強化、組織の再生促進による老化防止が代表的である(非特許文献1)。
【0003】
さらに植物抽出物の主な有効成分としては、植物の根、茎、葉、樹皮、花、果実、全草から抽出されたものであり、特にポリフェノール(フラボノイド、タンニン等)、カロチノイド、サポニン、精油等は、老化防止作用、美白作用、保湿作用、抗アレルギー作用、スリミング作用、皮脂ケア、ニキビケア、リラックス効果、抗菌、防腐効果、コンディショニング効果等が知られている(非特許文献1)。
炭化水素には、乳化がしやすい、皮膚に疎水性の皮膜を形成して水分の蒸散を防ぐなどの特徴があるため、化粧品の活性成分として広く使用されている。化粧品には、一般に、感触などの理由から、エステル類や植物油などと併用されることが多い(非特許文献1)。
【0004】
水溶性高分子には、合成又は天然の高分子がある。代表的な、合成の水溶性高分子では、ポリエチレングリコール等が、医薬品成分等の有効成分の肌への塗布を容易にすることが知られている。また、天然の水溶性高分子は、動物や、植物に存在する親水性のタンパク質や多糖類、あるいは微生物の産生する多糖類などである。天然物であるということから、安全性の要求される化粧品の分野で広く使用されている(非特許文献1)。
これらの成分の中でも、特に常温で液状、半固形状のものは、粘着性がつよいものが多く、これらをパウダー、固形ファンデーションのような皮膚外用剤として利用するためには、基材側を工夫する必要があった。
【0005】
【非特許文献1】「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、化粧品/医薬部外品分野の皮膚外用剤において、セロオリゴ糖を加えることで、べたつきが少なく、さらさら感を有し、さらに液状又は半固形状の活性成分の保持性、及び圧縮成形性を有する固形状の皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、油脂及び植物抽出物から選ばれる1種以上を含む皮膚外用剤において、セロオリゴ糖を配合することによって、液状又は半固形状の活性成分の染み出しを防止し、圧縮成形性を向上させることができることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
【0008】
(1)(a)セロオリゴ糖と、(b)液状又は半固形状の活性成分とを含有する固形状の皮膚外用剤。
(2) (b)液状又は半固形状の活性成分が油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミンから選ばれる1種以上である、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3) セロオリゴ糖の含有量が1〜99質量%であり、液状又は半固形状の活性成分の含有量が少なくとも0.01質量%以上である、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4) セロオリゴ糖におけるセロビオース含有量が70質量%以上である、(1)から(3)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(5) 皮膚外用剤におけるグルコース含有量が30質量%以下である、(1)から(4)の何れかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、化粧品/医薬部外品の皮膚外用剤において、油脂及び植物抽出物を含む皮膚外用剤に、セロオリゴ糖を加えることで、べたつきが少なく、さらさら感を有し、さらに液状又は半固形状の活性成分の保持性、及び圧縮成形性を有する固形状の皮膚外用剤の提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、セロオリゴ糖を含むことが必要である。セロオリゴ糖は、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオース等の2分子以上のグルコースがβ―1,4結合した糖類の総称であり、本発明では、これらのうち一種以上を含むものである。
【0011】
本発明のセロオリゴ糖におけるセロビオース含量は70質量%以上であることが好ましい。セロビオースには、液状又は半固形状の活性成分の染み出し防止作用と、保湿作用があり、この含量が高いほど、本発明の効果が高められるため好ましい。従って、該セロビオース含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
【0012】
本発明の皮膚外用剤におけるグルコース含量は30質量%以下であることが好ましい。グルコースは、アミノ酸、蛋白質糖のアミノ基を揺する構成成分と反応し、製剤の褐変、および有効成分の失活の原因となる。また、液状又は半固形状の活性成分の染みだし防止効果が小さいため、セロオリゴ糖中のグルコース含量が低いほど、本発明の効果が高まる。また、グルコース含量が多くなると、圧縮成形により固形製剤を得る際に、成形体に充分な硬度を与えることができない。さらにグルコースが上述の範囲を満たすことで、本皮膚外用剤を使用した際の、べたつきが少なく、さらさら感が良好である。グルコース含量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
【0013】
以下に、本発明の皮膚外用剤におけるセロオリゴ糖、グルコース含量の分析法を記す。本発明のセロオリゴ糖は、純水に1質量%濃度で溶解させた後、高速液体クロマトグラフィー(クロマトグラフィーシステム:島津製作所(株)製 商品名 SCL−10A、カラム:島津製作所製 商品名 Asahipak NH2P−50、移動相:アセトニトリル/水=75/25(容積比))で分析できる。セロオリゴ糖の糖組成は、上述の方法で得られたクロマトグラムにおけるセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースのピーク面積を質量換算し、総質量に占める、それぞれの質量百分率で表される。グルコースの含有率も、同様の方法で求められ、セロビオースとグルコースのピーク面積から算出される総質量に対するグルコースの質量の百分率で表される。
【0014】
本発明におけるセロオリゴ糖の液状成分保持量は、0.5g/g以上であることが好ましい。ここでいう液状成分保持量とは、セロオリゴ糖粉末2gをガラス版上に置いて、粉末状からピペットでナタネ油(日清製 キャノーラ油)を滴下しながら、スパチュラで混錬し、粉体表面に油分が染み出した点を終点として測定した粉末1g当たりの吸油量のことであり、液状成分保持量(g/g)=滴下した液状成分量(g)/セロオリゴ糖粉末量(g)で表される。この値が大きいほど、常温で液状又は半固形の活性成分を含む処方において、活性成分の分離、染み出しを防止できるため好ましい。より好ましい範囲としては0.7g/g以上であり、特に好ましくは0.9g/g以上である。
【0015】
次に、本発明のセロオリゴ糖の製造方法について説明する。
本発明のセロオリゴ糖の起源には、特に制限はなく、セルロース系物質の加水分解で製造されたもの、グルコース等の単糖類またはその誘導体を縮合または糖転移させ製造されたものでもよいが、酵素分解法で得られたものが、安全性の点で好ましい。
【0016】
酵素分解に使用するセルロース系物質としては、植物性でも、動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、麦、稲、バクテリアセルロース等の含有する天然物由来の繊維質物質、またそれらを一端溶剤に溶解させ再生させた再生セルロースでも、それらの化学処理を施しセルロース誘導体としたものでもよく、上記のうち、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解または化学処理を経ない、天然セルロース系物質を用いると、得られたセロオリゴ糖に人体に有害な溶剤または化学物質が含まれないため好ましい。また、セルロース系物質は精製パルプの状態で使用することが好ましく、パルプの精製方法には特に制限はなく、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
【0017】
また、セルロース系物質を酵素分解する場合には、使用するセルロース系物質としては、一端加水分解し、平均重合度を700以下に部分加水分解したセルロース系物質を用いると、セロオリゴ糖の収率を向上させる上で好ましい。さらに、該特定の重合度を有するセルロース系物質は、平均粒子径を100μm以下、コロイド状セルロース成分含有量を10質量%以上に制御したものを用いることが、酵素分解速度の向上、セロオリゴ糖選択率が向上するため好ましい。
【0018】
本発明では、セルロース系物質の加水分解に用いる酵素をセルラーゼといい、本発明で使用するセルラーゼとは、セルロースを分解する酵素の総称であり、セルロースへの分解活性を有していれば、本発明でいうセルラーゼに含まれる。セルラーゼ酵素源としては、例えば、セルラーゼ産生生菌体そのもの、セルラーゼ産生菌が分泌する酵素を精製したもの、精製酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。セルラーゼ製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、顆粒、液体等いずれでもよい。
【0019】
セルラーゼの起源についても、特に制限はないが、例えば、公知のセルラーゼを生産する微生物としては、トリコデルマ(Tricoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pse−udomonas)属、ペニシリウム(Penicillium)属、アエロモナス(Aeromonus)属、イルペックス(Irpex)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属、フミコーラ(Humicola)属、セロビブリオ(Cellovibrio)属等の「セルラーゼ」(講談社サイエンティフィック発行(1987))、「セルロースの事典」(朝倉書店発行(2000))に記載される菌が生産するセルラーゼを挙げることができるが、セルロースを分解する酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明のセルラーゼに含まれる。
【0020】
酵素分解方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、セルロース系物質を水性媒体中に懸濁させ、セルラーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温して糖化反応を行う方法が挙げられる。
【0021】
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよい。また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。
【0022】
上述の酵素分解により得られたセロオリゴ糖水溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
セロオリゴ糖の精製方法の中でも、晶析処理は、セロオリゴ糖の組成、液状成分の保持量を制御しやすいため好ましい。
【0023】
本発明の晶析においては、セロオリゴ糖水溶液に、1種もしくは2種以上の溶剤を混合し、Hildebrandの溶解度パラメータδが8.0〜22.2の状態から、セロオリゴ糖を晶析させることが好ましい。この溶解度パラメータδが、本発明の範囲を満たすことで、得られるセロオリゴ糖の液状成分の保持量を制御でき、セロオリゴ糖粉末の流動性が向上する。この溶解度パラメータは、10〜20が好ましく、12〜18がより好ましい。
【0024】
本発明でいう溶解度パラメータは、Hildebrandの溶解度パラメータδであり、下記の式(1)で表される。
δ=(ΔEV/V)1/2 (1)
ここで、ΔEVは、25℃における溶媒の蒸発熱(cal/mol)、Vは溶剤のモル容積(cm3/mol)である。ΔEVは、下記の式(2)で計算される。
ΔEV(cal/mol)=−3.542+23.7Tb+0.020Tb (2)
ここで、Tbは絶対温度で表した溶媒の沸点である。
【0025】
また、混合溶媒の溶解度パラメータδmixは、各溶媒の溶解度パラメータより下記の式(3)で計算される。
δmix=(X11δ1+X22δ2+X33δ3+・・・+Xnnδn) (3)
ここでXは各溶媒のモル分率(mol%)であり、V(cm3/mol)は各溶媒のモル容積を表す。
【0026】
本発明の晶析で用いる溶媒は、溶解度パラメータが8.0〜22.2のものであればその種類には特に制限はない。ここで用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類、アセトニトリルのニトリル類等が挙げられる。特に、有機溶剤は、医薬品、食品およびそれらの添加剤を製造する工程で使用されるものが好ましく、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(いずれも廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤は、それらを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
【0027】
ここで用いる晶析法には、特に制限はないが、好ましい方法としては、溶媒蒸発濃縮晶析法(濃縮晶析法)、冷却晶析法、貧溶媒添加晶析法(抽出晶析法)、加圧晶析法、反応晶析法が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせたものでもよく、母液として使用する溶媒、晶析装置、晶析条件は、セロオリゴ糖結晶が本発明の平均L/Dの範囲を満たすよう適宜調整されるものである。特に、水系での濃縮晶析法、冷却晶析法、またはそれらを組み合わせた方法は、セロオリゴ糖の結晶化速度、平均L/Dを制御しやすいため好ましい。
【0028】
ここで用いる晶析装置にも、特に制限はないが、静置式晶析装置、通常攪拌型晶析装置、ドラフトチューブ攪拌型晶析装置、オスロ型晶析装置、間接冷却式晶析装置、掻取式晶析装置、カランドリア型晶析装置、ブローディー型晶析装置、連続溶融精製式晶析装置等のいずれの装置も使用でき、これらは単独または2種以上を組み合わせたものを使用してもよい。特に水系で濃縮、冷却晶析を行い、結晶径を大きく、平均L/Dを小さく制御する場合は、静置式が好ましく、攪拌式を使用する場合は、攪拌速度は極力小さい方ことが好ましい。また、冷却晶析で上記を制御する場合は、冷却速度を小さくすることが好ましい。抽出晶析を行う場合は、貧溶媒の添加速度を小さくすることが好ましい。
【0029】
上記の方法で精製されたセロオリゴ糖は、そのまま使用することができるが、必要に応じて、乾燥してもよい。乾燥方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
【0030】
本発明の皮膚外用剤は、上述のセロオリゴ糖に加え、常温で液状又は半固形状の活性成分を含有するものである。この液状又は半固形状の活性成分としては、化粧品における有効成分である油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミンから選ばれる1種以上が用いられる。これらの成分を、セロオリゴ糖と共存させることで、液状又は半固形状の活性成分の染み出し防止に加え、べたつきが少なく、さらさら感等の使用感に優れ、保湿性の相乗効果が得られる。なお、本発明の各種活性成分は、それぞれを単独で使用しても、併用してもよく、希釈等の操作により、取り扱い性を工夫された形態で使用してもよい。
ここでいう液状又は半固形状の活性成分とは、常温(25℃)で液状又は半固形状のものを指す。
【0031】
本発明においては、油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミンから選ばれる1種以上を配合することで、皮膚外用剤を使用した際に、ホルモン様物質の合成、細胞膜の強化、組織の再生促進による老化防止等の効果が得られるものである。油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミンから選ばれる1種以上の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01質量%以上である。より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは5.0質量%以上であり、特に好ましくは10.0質量%以上である。これらの成分は多い程、上述の効果が高まるため、好ましいが、製剤の安定性を考慮すると、90質量%以下が好ましい。
【0032】
本発明の油脂とは、脂肪酸とグリセリンとのトリエステル又は、リン脂質を意味する。また、上述の脂肪酸は、飽和脂肪酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、及びドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等の高度不飽和脂肪酸が該当する。本発明でいう油脂とは、例えば、アルガニアスピノサ核油、ククイナッツ油、クランベアビシニカ種子油、コムギ胚芽油、コメヌカ油、コメ胚芽油、シアバター、月見草油、ハイオレイックヒマワリ油、ピスタシオ種子油、マカデミアナッツ油、マンゴーバター、メドウホーム油、卵黄油、ローズヒップ油等を用いることができる。油脂の中でも、乾性植物油としては、サフラワー油、大豆油、ブドウ種子油、アサ種子油、アマニ油、ヒマワリ油等を用いることができ、半乾性植物油としては、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、ゴマ油等を用いることができ、不乾性植物油としては、オリブ油、ヒマシ油、落花生油、ツバキ油、サザンカ油等を用いることができ、植物脂としては、カカオ脂、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油等を用いることができ、動物油脂としては、牛脂、豚脂、馬脂、羊脂等を用いることができ、魚油としては、コイ油、マグロ油、メンヘーデン油等を用いることができる。ここで、植物性、動物性の起源、物質は、目的とする効果に併せ、自由に選択されるものである。上記以外にも、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に油脂として分類されるものを用いてもよい。
【0033】
本発明でいう植物抽出物、海藻抽出物とは、植物または海藻の根、茎、葉、樹皮、花、果実、全草から抽出されたものであり、特にポリフェノール(フラボノイド、タンニン等)、カロチノイド(カロテノイド)、サポニン、精油、フコイダン(フコイジン)、ラミナリン(ラミナラン)、タンパク質、ペプチド、ミネラル等を含有するものである。また、この抽出物は、油溶性であっても、水溶性であってもよく、常温で、液状、半固形状のものが適している。植物エキスとしては、例えば、アシタバエキス、アマチャヅルエキス、アルニカエキス、油溶性アルニカエキス、アルモンドエキス、アロエエキス、イチョウエキス、エゾコウギエキス、オウゴンエキス、オクラエキス、オレンジエキス、カキタンニン、カッコンエキス、ガマエキス、カモミラエキス、カリンエキス、カンゾウエキス、カンゾウ抽出末、熊笹エキス、グレープフルーツエキス、クワエキス、ケイヒエキス、コーヒーエキス、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、コメヌカ発酵エキス、サフランエキス、ジオウエキス、始祖エキス、シラカンバエキス、ステビアエキス、セイヨウノコギリソウエキス、センブリエキス、ツバキエキス、テンチャエキス、油溶性トウキエキス、トウヒエキス、ニンジンエキス、油溶性ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ブッチャーブルームエキス、バラエキス、ヒノキエキス、ヘチマエキス、ヘチマ水、ベニバナエキス、ムラサキセンブリエキス、油溶性モモバエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、ラベンダー水、ローズマリーエキス、ローズマリー水等を用いることができる。海藻エキスとしては、海藻エキス(1)〜(5)(褐藻エキス、紅藻エキス)、クロレラエキス(1)〜(2)、藍藻エキス等を用いることができる。上記以外にも、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に植物・海草エキスとして分類されるものを用いてもよい。
【0034】
本発明でいう炭化水素とは、動植物油脂中の脂肪族炭化水素、サメ肝油中のスクアレン、グリセリルエーテル類等を含有するものである。例えば、動植物油脂中の脂肪族炭化水素としては、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクラワン、植物性スクラワン、スクラワン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、流動イソパラフィン、流動パラフィン、ワセリン、n−アルカン類、n−アルケン類、ハイポゲン、オレアトレデカジエン、オレアヘキサデカジエン、n−ヘキサデセン、n−ヘキサデカン、カズセン、オレアノナデカジエン、ザメン、アラキジン、プリスタン、ラウラン、オレアスタン、オレアトリコサトリエン、セロテン、オレアオクタコサテトラエン、スクアレン等を用いることができ、ウバザメ、シラツブザメ、ハダカカスミザメ、バケヨナイチザメ、ミツクリザメ、ココノホシギンザメ等のサメ肝油中のスクアレンおよびグリセリルエーテル類等を用いることができる。上記以外にも、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に炭化水素として分類されるものを用いてもよい。
【0035】
本発明でいう水溶性高分子とは、天然の水溶性高分子、合成の水溶性高分子のいずれでもよい。天然の水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ファーセレラン等の海藻から抽出した水溶性高分子類、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム等の種子粘質物類、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガントガム等の樹液粘質物類、アラビノガラクタン、ペクチン、マルメロ等の果実粘質物類、小麦タンパク質、大豆タンパク質等の植物性タンパク質類、アルブミン、カゼイン、ゼラチン等の動物性タンパク質類、キトサン、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストラン、プルラン等の産生粘質物類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体類、デンプンリン酸エステル、デンプングルコール酸ナトリウム等のデンプン誘導体類、カチオン化グアーガム、カルボキシメチルヒドロイキシプロピル化グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガム等のグアーガム誘導体 等を用いることができる。合成の水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、カルボキシビニルポリマー、クインスシード、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン・ビニルアルコール共重合体、ポリメチルビニルエーテル、アルギン酸プロピレングリコール等を用いることができる。上記以外にも、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に水溶性高分子として分類されるものを用いてもよい。
【0036】
本発明でいうビタミンとは、ビタミンA、カロチノイド等のビタミンA群、ビタミンB1類、チアミン類、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンB12類、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類等のビタミンB群、ビタミンC群、ビタミンD群、ビタミンE群、ビタミンK群、必須脂肪酸、ユビキノン類、カルニチン類、αリポ酸、オロット酸、パンガミン酸、コリン、イノシトール、p−アミノ安息香酸、ビタミンP、ビタミンU等のビタミン様作用物質等、およびそれらの誘導体を用いることができる。中でも、ビタミンA1類に属するパルミチン酸レチノール、ビタミンB12類に属するシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、ニコチン酸類に属するニコチン酸アミド、パントテン酸類に属するD−パントテン酸、D−パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール、D−パンテサイン、D−パンテチン、パントテニルエチエーテル、ビタミンE類に属するdl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ユビキノン類に属する補酵素Q10、αリポ酸等は、常温で液状または半固形状である、または吸湿性を有するため、総じて粘着性がつよく、本発明に用いると効果が大きい成分である。また、これらの単独の成分以外にも、常温で結晶性のものであっても、バイオアベイラビィティーを高める等の目的で、溶剤に溶解または分散させた、液状または半固形状のビタミン組成物も、本発明に用いると効果が大きい。上記以外にも、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )にビタミンとして分類されるものを用いてもよい。
【0037】
次に本発明のセロオリゴ糖を含有する皮膚外用剤について説明する。
本発明のセロオリゴ糖を含有する皮膚外用剤は、セロオリゴ糖に加え、液状または半固形状の活性成分を含有する固形状の皮膚外用剤である。
【0038】
本発明の固形状の皮膚外用剤は、水溶液または分散液として使用してもよいし、他の化粧品素材、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分に含有され、顆粒、成型体の化粧品/医薬部外品として使用してもよい。
【0039】
本発明の皮膚外用剤におけるセロオリゴ糖の配合量は、1〜99質量%が好ましい。セロオリゴ糖の配合量が、1質量%未満では、液状成分または半固形状成分の染み出し防止において充分な効果が得られないため好ましくない。
【0040】
本発明の皮膚外用剤は、本発明のセロオリゴ糖及び上述の必須成分に加え、グルコース以外の少糖類を含んでもよい。セロオリゴ糖と少糖類の配合比は、本発明の効果が得られれば制限されるものではないが、例えばセロオリゴ糖/少糖類の質量比で、0.1/99.9〜99.9/0.1である。
【0041】
この少糖類としては、例えば、ガラクトース、フラクトース、マンノース、アラビノース、ラムノース、リボース、キシロース、ソルボース等の単糖類およびそれらの還元物、スクロース、メリビオース、トレハロース、ラクトース、マルトース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、ラクチュロース、キシロビオース等の2糖類およびそれらの還元物、ラクトスクロース、ラフィノース、マルトトトリオース、イソマルトース、パラチノース、ケストース、ゲンチオシルセロビオース等の3糖類およびそれらの還元物、マルトテトラオース、ゲンチオシルセロトリオース、ニストース等の4糖類およびそれらの還元物、マルトペンタオース、マルトヘキサオース等の5または6糖類およびそれらの還元物、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、デキストラン等の環状少糖類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カードラン等の水溶性多糖類およびそれらの還元物、ソルビトール、キシリトール、マルチロール、マンニトール、ラクチトール等の糖アルコールが含まれる。これらの少糖類は、少糖類そのままのものであっても、溶解性等を改善する目的で、その化学構造内の水酸基を、カルボキシル化、エチル化、メチル化、硫酸エステル化等の化学処理を施し、誘導体としたものを使用してもよい。
【0042】
本発明でいう構成成分とは、セロオリゴ糖以外の少糖類、化粧品素材、医薬品薬効成分、色素、香料、金属、セラミックス又は賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤等の添加剤のことであり、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよく、例えば「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )、「日本薬局方」(廣川書店発行)、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に記載のものを用いることが可能である。
【0043】
また、それらは種々の目的でコーティング、リポソーム化等の加工を施したものであってもよい。これらの構成成分は単独で使用しても、複数を併用してもよい。構成成分の添加量としては、0.01%−99%である。
本発明の皮膚外用剤は、溶解、混合、分散、造粒、溶融・固化、圧縮、乾燥等の公知の方法で加工できる。
【0044】
以下に、本発明のセロオリゴ糖を主成分とする皮膚外用剤と、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む組成物の製造方法について記述するが、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
【0045】
各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)セロオリゴ糖と構成成分を同時に添加し、混合/分散しても、2)セロオリゴ糖と特定の構成成分を予め混合/分散した後に、別の構成成分を添加し、混合/分散しても、3)2種以上の構成成分を予め混合/分散した後、セロオリゴ糖を添加し、混合/分散しても、これらの添加方法を組み合わせた方法でもよい。
【0046】
ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。
【0047】
造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式または流動層式のいずれもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。
【0048】
コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーティング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、セロオリゴ糖粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、セロオリゴ糖に担持させてもよく、構成成分溶液/分散液を結合液としてセロオリゴ糖と他の構成成分の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
【0049】
成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いてもよく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
【0050】
次に、上述の皮膚外用剤の製造において使用される構成成分の一例を記す。
例えば、化粧品素材またはそこで使用される添加剤としては、本発明のセロオリゴ糖に加え、必要に応じて、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコン、界面活性剤、pH調整剤、水を添加してもよい。これらの化粧品素材または添加剤は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0051】
例えば、保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸、ヨクイニン抽出物、大豆レシチン等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に保湿剤として分類されるものが挙げられる。
【0052】
アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン、アスパラギン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )にアミノ酸として分類されるものが挙げられる。
【0053】
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクラワン、ワセリン等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に炭化水素として分類されるものが挙げられる。
【0054】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に高級脂肪酸として分類されるものが挙げられる。
【0055】
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミスチリン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、鳥居素ステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油四郷産メチルエステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )にエステルとして分類されるものが挙げられる。
【0056】
シリコンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、度デカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、架橋した編み目構造のシリコン樹脂等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に記載されるシリコン類が挙げられる。
【0057】
界面活性剤としては、例えば、アシルグタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩等のアニオン性界面活性剤に加え、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジスステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化(N,N‘−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピチジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等のカチオン性界面活性剤、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホバタイン等のベタイン系両性界面活性剤等の両性界面活性剤、ソルビタンノモオレエート、ソルビタンモノモイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、パンタ−2−エチルヘキシル酸時グリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレン−グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に界面活性剤として分類されるものが挙げられる。
【0058】
pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、Mclvine試薬等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)、「新化粧品ハンドブック」(平成18年10月30日 日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 )に記載される緩衝剤が挙げられる。
【0059】
次に、医薬部外品において使用する添加剤について記載する。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0060】
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0061】
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0062】
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0063】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0064】
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0065】
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0066】
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0067】
溶剤としては、医薬品/医薬部外品に使用されるものであれば、特に制限されるものでは、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0068】
油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ ン酸トリグリセリド、ステア リン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0069】
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0070】
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0071】
ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース、微結晶セルロース等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0072】
以下に、本発明の皮膚外用剤を用いた化粧品/医薬部外品の例を挙げる。
化粧品としては、例えば、整髪料、養毛料、毛髪着色料、頭皮料、髪洗粉、洗髪料、洗顔料、パック、メイクアップベース、ファンデーション、おしろい、口紅、リップスティック、リップルージュ、リップグロス、リップクリーム等の口紅類、アイシャドー、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧料、アイメイクアップリムーバー、アイメイクアップ、頬紅、アイブロウペンシル、アイブロウブラッシュ、マスカラ等の眉目頬化粧料、美爪料、香水、浴用化粧品、化粧油、日焼け用化粧品、日焼けどめ化粧品、プレシェーブ化粧品、タルカムパウダー、ボディパウダー、バスパウダー、パヒュームパウダー等の打粉等の「化粧品科学ガイドブック」(日本化粧品技術者会編、薬事日報社発行)に記載される化粧品が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。特に、本発明のセロオリゴ糖を含有することで、液状成分または半固形状成分の染み出しが防止できるため、上記のうち固形のものが適している。
【0073】
医薬部外品としては、例えば、エキス剤、懸濁剤、浸剤、煎剤、芳香剤、流エキス剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、リニメント剤等の外用剤等の「薬剤学マニュアル第二版」(南山堂発行)に記載される外用剤等の剤形が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。特に、本発明のセロオリゴ糖を含有することで、液状成分または半固形状成分の染み出しが防止できるため、上記のうち固形のものが適している。
【実施例】
【0074】
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<セロオリゴ糖の製造方法>
[製造例1]
普通寒天培地にトリコデルマ リーセイ(Tricoderma reesei)GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、受領番号FERM BP−10323)を接種し、28℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、塩化カルシウム0.3g、トレースエレメント1mL(硼酸6mg、モリブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量100mLの精製水に溶解させたもの)、アデカノール1mL、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製 商品名PH−101)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、培地のpHを2.8−4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上清を目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)で体積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。
【0075】
次に、市販針葉樹由来の溶解パルプを使用し、加水分解条件を塩酸濃度0.4%塩酸水溶液、120℃、1時間として、加水分解し、酸不溶性残渣を洗浄、ろ過し、ウェットケークを得た。このウェットケークをセルロース10%濃度の水分散体とし、超高性能分散機・湿式微粉砕機(アシザワ(株)製、商品名 パールミルRL φ1mmジルコニアビーズ使用 充填率80%)を使用し、圧密・摩砕処理を施し、セルロース微粒子分散体を得た(平均重合度220、ジエチルエーテル可溶物含有率0.7%、平均粒子径0.7μm、コロイド状成分含有率51.5%)。
【0076】
この摩砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし、ガラス製フラスコに仕込んだ。このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、セロトリオース〜セロヘキサオース0.2質量%、セロビオース1.5質量%、グルコース0.3質量%であった。
該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た。
【0077】
[製造例2]
製造例1で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコに導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノールを水に加え晶析した。水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、製造例2のセロオリゴ糖粉末を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。
【0078】
[製造例3、4、5]
市販のセロビオース、セロトリオース、セロヘキサオース(以上Sigma Aldrich製)及びグルコース(和光純薬製)を、混合し、製造例3、4、5のセロオリゴ糖粉末を得た。得られたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。
【0079】
【表1】

【0080】
〔基礎評価1〕
製造例2又は3で得られたセロオリゴ糖粉末10gをガラス製の平面ミラー上に広げ、市販のビューレットで、ナタネ油(日清キャノーラ油)を滴下しながら、スパチュラで均一に混練した。粉体表面に、液状成分が染み出した滴下量から、以下の式で、液状成分保持量を求めた。液状成分保持量(g/g)=(染み出しが確認された液状成分量(g)/糖の質量(g)
セロオリゴ糖に代えて、糖をラフィノース(オリゴGGF:旭化成ケミカルズ製)、トレハロース(林原商事製)、ショ糖(上白糖)、グルコース(和光純薬製)に代えて、同様に液状成分保持量を評価した。得られた、結果を表2に示す。
【0081】
〔基礎評価2〕
製造例2又は3で得られたセロオリゴ糖を200mgを、φ8.0mmの鋼鉄製円柱状臼に充填し、φ8.0mmの鋼鉄製平面杵で、10kNの圧縮力で、10秒間加圧し、得られた円柱状成型体を、抜圧後2時間放置し、硬度計(フロイント産業(株)製 商品名シュロインゲル6D型)を用いて成型体の直径方向に荷重を加え、破壊したときの荷重を読みとり、試料3個の平均値で測定した。
【0082】
セロオリゴ糖に代えて、糖をラフィノース(オリゴGGF:旭化成ケミカルズ製)、トレハロース(林原商事製)、ショ糖(上白糖)、グルコース(和光純薬製)に代えて、同様に液状成分保持量を評価した。得られた、結果を表2に示す。
【0083】
〔基礎評価3〕
基礎評価2の操作において、使用する粉末原料に質量比で10%分、流動パラフィンを添加し、混練した後、微粒シリカ(アエロジル200)を外割で、2質量%添加、混合することで試料を調整した。また、基礎評価3の方法で、圧縮圧を5kNとして、同様に圧縮した後、成形体表面の油の染み出しを目視で観察した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】

【0085】
表2から、セロオリゴ糖が格段に液状成分保持性に優れ、かつ圧縮成形性も優れることが分かる。また、上述の機能を兼ね備えることで、成形体からの液状成分の染み出しも防止できる。
【0086】
〔実施例1:コンパクトフェイスパウダー〕
A成分として、セロオリゴ糖(製造例2)100部と液状成分としてd−δ−トコフェロール10部を予め混錬し、微粒シリカ(日本アエロジル製アエロジル200)を1部加えさらに混合した。雲母チタン5部、ステアリン酸Mg3部、ナイロン末10部、ポリウレタン5部を混合し、小型粉砕機で粉砕した。この粉砕物と予め混合したセロオリゴ糖粉末とを混合し、A成分とした。B成分として、ジメチコン1部、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル0.5部、パルミチン酸エチルヘキシル2.5部、イソステアリン酸ソルビタン1.5部を混合して、A成分に添加した。
【0087】
これを、5gを、φ8mmの鋼鉄製円柱状中皿に充填し、φ8mmの鋼鉄製平面杵で、5kNの圧縮力で、10秒間加圧し、得られた円柱状成型体を、抜圧後2時間放置し、コンパクトフェイスパウダーを得た。目視の結果、成形体の表面への液状成分の染み出しはなかった。
【0088】
〔比較例1:コンパクトフェイスパウダー〕
実施例1のセロオリゴ糖の代わりに、タルクを使用して、同様に試作した。目視の結果、成形体の表面への液状成分の染み出しが確認された。
【0089】
〔比較例2:コンパクトフェイスパウダー〕
実施例1のセロオリゴ糖に代わりに、トレハロースを使用して、同様に試作した。目視の結果、成形体表面への液状成分の染み出しが確認された。
【0090】
〔実施例2〕
実施例1で得られたコンパクトフェイスパウダーを顔に塗布した後、以下の方法で官能試験を実施した。
その結果、実施例1の試作品は、べたつきが少なく、さらさら感に優れる(いずれも評価平均3.5以上)を示した。
【0091】
<官能試験の方法>
実施例1で得られた皮膚外用剤を、「べたつき」、「滑り(さらさら感)」を評価した。
1)「べたつき」、「滑り(さらさら感)」、「皺のばし性」の評価方法
年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)に、実施例1のコンパクトフェイスパウダーを内腕部に塗布し、以下の評価基準でアンケートをとった。
(べたつき)
1点:べたつく
2点:ややべたつく
3点:どちらともいえない
4点:ややべたつかない
5点:べたつかない
*判断基準は全て水に対してのものである。
(滑り(さらさら感))
1点:悪い
2点:やや悪い
3点:どちらともいえない
4点:やや良い
5点:良い
*判断基準は全て水に対してのものである。
【0092】
[実施例3]
実施例1のセロオリゴ糖を製造例2から製造例3に代えて、トコフェロール10部を、ツバキ油5部に代えて、同様に製剤化した。その結果、成形体表面に液状成分の染み出しはなく。使用感は良好であった(評価平均3.5以上)。
【0093】
[実施例4]
半固形状の活性成分として、ユビデカレノン粉末100gに、軽質無水ケイ酸2.5g、ショ糖脂肪酸エステル5.0gをポリエチレン袋に入れて、手で3分間振とうした後、造粒乳糖50g、セロオリゴ糖(製造例2)50gをさらに添加し、手で1分間振とうした後、混合粉砕(スクリーンミル型 小型粉砕機「RETSCH」(商品名(株)日本精機製作所製)を用い、スクリーン目開き1mmにて粉砕)した。その混合粉体に、造粒乳糖50g、セロオリゴ糖(製造例2)180g、部分アルファー化デンプン50g、軽質無水ケイ酸2.5gを添加し、手で2分間振とうした後、さらにショ糖脂肪酸エステル10gを添加し1分間混合した。(最終剤形における各成分の添加率は、薬物/軽質無水ケイ酸/ショ糖脂肪酸エステル/造粒乳糖/結晶セルロース/部分アルファー化デンプン=20/1.0/3.0/20/46/10重量%である。)得られた粉末を、圧縮機アイコーエンジニアリング(株)製「PCM−1A」(商品名)を使用し、質量150mg、径φ8mm、12Rで直接打錠法により圧縮成型した。その結果、圧縮成形体表面への活性成分の染み出しはなかった。さらに、上記打錠に使用した杵表面の付着状態を目視で観察し、打錠障害性を検証した。杵表面に付着を認めず打錠障害は発生していなかった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、化粧品/医薬部外品の皮膚外用剤において、油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミン等の液状、半固形状の活性成分を含有する皮膚外用剤において、セロオリゴ糖を加えることで、べたつきが少なく、さらさら感を有し、さらに液状成分の保持性、及び圧縮成形性を有する固形状の皮膚外用剤を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)セロオリゴ糖と、(b)液状又は半固形状の活性成分とを含有する固形状の皮膚外用剤。
【請求項2】
(b)液状又は半固形状の活性成分が油脂、植物抽出物、海藻抽出物、炭化水素、水溶性高分子、ビタミンから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
セロオリゴ糖の含有量が1〜99質量%であり、液状又は半固形状の活性成分の含有量が少なくとも0.01質量%以上である、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
セロオリゴ糖におけるセロビオース含有量が70質量%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
皮膚外用剤におけるグルコース含有量が30質量%以下である、請求項1から4の何れかに記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−249338(P2009−249338A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98937(P2008−98937)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】