説明

固形製剤



(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、Rはシクロアルキル、−(CH−Rまたは上記式(II)を表す)
製剤特性(例えば硬度、崩壊性、溶出性、安定性等)に優れた上記式(I)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩および結晶セルロースを含有する固形製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、キサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤に関する。
【背景技術】
後述する式(I)で表されるキサンチン誘導体[以下、化合物(I)と称する]またはその薬理学的に許容される塩はアデノシンA受容体拮抗作用を示し、アデノシンA受容体の機能亢進作用に基づく各種疾患、例えばパーキンソン病、老人性痴呆症、うつ病等の治療等に有用であることが知られている(例えば欧州特許第0590919号明細書等)。
また、例えば乳糖、馬鈴薯デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよび(E)−8−(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3−ジエチル−7−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(以下、化合物1と称する)を含有する錠剤等が知られている(特開平6−211856号公報)。しかし、特開平6−211856号公報に記載されているような一般的な組成を有する化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤は、その製剤特性として(a)硬度が不十分である、(b)崩壊時間が長い、(c)溶出が遅延する傾向にある、(d)安定性が悪い等の課題を有しており、これらの課題を克服した化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤の開発が望まれている。
【発明の開示】
本発明の目的は、製剤特性(例えば硬度、崩壊性、溶出性、安定性等)に優れた化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(22)に関する。
(1) 式(I)

[式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、Rはシクロアルキル、−(CH−R(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、nは0〜4の整数を表す)または式(II)

(式中、YおよびYは同一または異なって水素原子、ハロゲンまたは低級アルキルを表し、Zは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表す]で表されるキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩および結晶セルロースを含有する固形製剤。
(2) Rが式(II)

(式中、Y、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)である上記(1)記載の固形製剤。
(3) YおよびYが水素原子である上記(2)記載の固形製剤。
(4) Zが置換もしくは非置換のアリールまたは式(III)

(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロまたはアミノを表し、mは1〜3の整数を表す)である上記(2)または(3)記載の固形製剤。
(5) 式(IA)

で表される(E)−8−(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3−ジエチル−7−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンまたはその薬理学的に許容される塩および結晶セルロースを含有する固形製剤。
(6) 糖類を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
(7) 糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.0〜9.0重量部である上記(6)記載の固形製剤。
(8) 糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.0〜5.0重量部である上記(6)記載の固形製剤。
(9) 糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.5〜3.0重量部である上記(6)に記載の固形製剤。
(10) 糖類が乳糖、白糖、ブドウ糖、シクロデキストリンまたはマンニトールである上記(6)〜(9)のいずれかに記載の固形製剤。
(11) 糖類が乳糖である上記(6)〜(9)のいずれかに記載の固形製剤。
(12) 結合剤を含有する上記(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤。
(13) 結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールである上記(12)記載の固形製剤。
(14) 結合剤がポリビニルアルコールである上記(12)記載の固形製剤。
(15) 結合剤の含有量が固形製剤の総重量の0.1〜10.0%である上記(13)〜(14)のいずれかに記載の固形製剤。
(16) 崩壊剤を含有する上記(1)〜(15)のいずれかに記載の固形製剤。
(17) 崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムである上記(16)記載の固形製剤。
(18) 崩壊剤がクロスポビドンである上記(16)記載の固形製剤。
(19) 崩壊剤の含有量が固形製剤の総重量の0.5〜20.0%である上記(16)〜(18)のいずれかに記載の固形製剤。
(20) 固形製剤の剤形が錠剤である上記(1)〜(19)のいずれかに記載の固形製剤。
(21) 固形製剤がフィルムコーティングされている固形製剤である上記(1)〜(20)のいずれかに記載の固形製剤。
(22) 式(I)

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤に結晶セルロースを存在させることを特徴とする該固形製剤中のキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の安定化方法。
式(I)の各基の定義において、
低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等があげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニルがあげられ、具体的にはビニル、アリル、メタクリル、クロチル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル等があげられる。
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルがあげられ、具体的にはエチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニル等があげられる。
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。
複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性複素環基等があげられ、具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、ピラニル、チオピラニル、ピリジル、ピリミジニル、トリアジニル、プリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,4−ベンゾジオキサニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾピラニル等があげられる。
置換アリールおよび置換複素環基における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、具体的には低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、アロイル、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイル、ジ低級アルキルスルファモイル等があげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ハロゲン、低級アルケニルおよび低級アルキニルはそれぞれ前記と同義である。ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルカルバモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。アリールおよびアリールオキシのアリール部分は前記アリールと同義であり、アラルキルおよびアラルキルオキシのアラルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。アロイルおよびアロイルオキシのアロイル部分としては、例えばベンゾイル、ナフトイル等があげられる。アリールアルカノイルオキシのアリールアルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。置換低級アルコキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、具体的にはヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アジド、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル等があげられる。ここで、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ハロゲンは前記と同義である。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
本発明の固形製剤において、
(i)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩、例えば式(IA)

で表される(E)−8−(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3−ジエチル−7−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(化合物1)またはその薬理学的に許容される塩の製造法は特に限定されないが、例えば特開平6−211856号公報、欧州特許第0590919号明細書、特開平9−040652号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得られる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、固体であれば粉末状、結晶性、塊状のいずれでも本発明の固形製剤に用いることができ、特に限定されないが、具体的には、例えば結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩があげられる。中でも結晶化度が30%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が好ましく、さらに結晶化度が40%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が好ましい。化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の結晶化度とは、「化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩」における「結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩」の含有率を意味し、下記の式により算出される。

「化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩」の量とは、「結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩」と「非晶性の化合物1またはその薬理学的に許容される塩」の総量を意味する。
該結晶化度は、例えば粉末X線回折装置(例えばJDX8030;日本電子株式会社製等)により特定の回折角2θにおける回折ピークの積分強度を測定することにより算出される。つまり、該結晶化度は「結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩」の含有率が100%である標準試料(結晶化度100%)の回折ピークの積分強度に対する測定した試料の回折ピークの積分強度の比率として求められる。これら結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、例えば特開平6−211856号公報、欧州特許第0590919号明細書、特開平9−040652号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得られる。
また、結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の中でも、さらに平均粒径が50μm未満である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が好ましく、中でも0.5〜20μmの平均粒径を有する結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が好ましい。なお、これらの平均粒径は、例えばレーザー回折・錯乱式粒度分布測定装置(例えばMASTERSIZER 2000 Ver.2.00J;MALVERN社製等)や画像解析装置(例えばLUZEX登録商標 AP;株式会社ニレコ社製等)等を用いて測定され、粒度分布から求められる平均値として算出される。これらは、例えば特開平6−211856号公報、欧州特許第0590919号明細書、特開平9−040652号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得られる結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を粉砕および/または篩い分けすることにより調製され、粉砕および/または篩い分けは適宜組み合わせて数回行ってもよい。粉砕は一般的に使用される粉砕機、例えば乳鉢、メカノミル登録商標(岡田精工株式会社製)、ジェットミル等の粉砕機を用いて行うことができる。該粉砕において、例えば粉砕機の回転速度、結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の供給速度、粉砕の時間等の粉砕条件を適宜調整することにより所望の平均粒径および/または結晶化度を有する化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を得ることができる。中でもジェットミルによる粉砕が好ましく、例えば結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の供給速度10〜1000g/分、粉砕圧力0.01〜1.0MPaで、結晶化度が20%以上である結晶性の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を粉砕することができる。
本発明の固形製剤中の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の含有量は特に制限されないが、例えば化合物1の場合、好ましくは固形製剤の総重量の1〜50%、より好ましくは2〜30%、さらに好ましくは5〜20%である。
(ii)結晶セルロースとしては、経口投与用製剤に通常用いられるものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えば市販の結晶セルロース、粉末セルロース等が用いられる。
本発明の固形製剤中の結晶セルロースの含有量は、特に制限されないが、好ましくは固形製剤の総重量の1〜75%、より好ましくは5〜50%、さらに好ましくは10〜30%である。
本発明の固形製剤は、経口投与用製剤に通常用いられる添加剤を含有していてもよく、例えばデンプン、糖類等の賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有する固形製剤が好ましく、賦形剤の中でも糖類が好ましい。
(iii)糖類としては、経口投与用製剤に通常用いられるものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、シクロデキストリン、マンニトール等が用いられ、中でも乳糖が好ましい。
本発明の固形製剤中の糖類の含有量は、特に制限されないが、好ましくは固形製剤の総重量の1〜95%、より好ましくは5〜80%、さらに好ましくは20〜65%である。
本発明の固形製剤が糖類および結晶セルロースを両方とも含有する場合、本発明の固形製剤中の糖類と結晶セルロースの配合比率は、好ましくは結晶セルロース1.0重量部に対し糖類が1.0〜9.0重量部、より好ましくは1.0〜5.0重量部、さらに好ましくは1.5〜3.0重量部である。
(iv)結合剤としては、経口投与用製剤に通常用いられるものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール等が用いられ、中でもポリビニルアルコールが好ましい。また、ポリビニルアルコールとしては、重合度が250〜5,000であるものが好ましく、中でも重合度が500〜5,000であるものがより好ましい。
本発明の固形製剤中の結合剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは固形製剤の総重量の0.1〜10.0%、より好ましくは0.5〜7.0%、さらに好ましくは1.0〜5.0%である。
(v)崩壊剤としては、経口投与用製剤に通常用いられるものであればいずれでもよく、特に限定されないが、例えばアルギン酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(商品名:アクチゾル、旭化成(株)製等)、デンプングリコール酸ナトリウム(商品名:エクスプロタブ、Penwest Pharmaceuticals製等)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスポビドン等が用いられ、中でもクロスポビドンが好ましい。
本発明の固形製剤中の崩壊剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは固形製剤の総重量の0.5〜20.0%、より好ましくは1.0〜15.0%、さらに好ましくは3.0〜10.0%である。
本発明の固形製剤の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤等があげられる。
本発明の錠剤は、例えば圧縮成形等の製剤学の技術分野において一般的に用いられる方法により製造することができ、具体的な方法としては、上記の各成分を混合機等で混合し、圧縮打錠機を用いて、得られた混合物をそのまま打錠することにより錠剤を形成させる方法、上記の各成分から一旦顆粒を調製し、得られた顆粒を打錠することにより錠剤を形成させる方法等があげられる。打錠圧は、例えば300〜3000kg/cmの範囲から適当に選択できる。錠剤のサイズは特に制限されないが、例えば1錠あたりの重量が20〜3000mg、錠剤の直径が5〜15mmであるものが好ましい。
顆粒の調製は、例えば湿式造粒法、乾式造粒法等により行うことができる。湿式造粒法としては、例えば流動層造粒等があげられるが、より具体的には、例えば(1)化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩、糖類および結晶セルロースならびに必要に応じて崩壊剤を混合し、(2)得られた混合物に結合剤の溶液をスプレーすることで造粒し、(3)得られた造粒物を乾燥する方法等があげられる。スプレーで使用する結合剤の溶液としては、例えば水、エタノール、イソプロピルアルコール、またはこれらの混合溶媒に結合剤を溶解したもの等があげられるが、結合剤の水溶液が最適である。乾式造粒法としては、例えば(1)市販の乾式造粒機を用いフレークを形成するか、打錠機によってペレットを形成させ、(2)得られたフレークまたはペレットを市販の解砕機または整粒機で破砕することで顆粒を得る方法等があげられる。
顆粒剤の調製は、例えば上記錠剤の製造における顆粒の調製方法と同様にして行うことができる。
カプセル剤の調製は、例えば上記錠剤の製造における顆粒の調製方法と同様にして得られた顆粒を、カプセルに充填することにより行うことができる。
また、本発明の固形製剤は、上記で得られる顆粒剤、錠剤等を核部として、剤皮(皮膜形成性物質)でコーティングし、皮膜形成されたものであってもよい。該剤皮としては、コーティング剤を含有するコーティング組成物であればいずれでもよく、特に限定されない。該コーティング剤としては、経口投与用製剤に通常用いられるものであればいずれでもよく、特に限定されないが、固形製剤を投与した後に速やかに活性成分が溶出するような、例えば水溶性、胃溶性、腸溶性等であるコーティング剤が好ましい。
具体的には、乳糖、HPMC、HPC、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー(商品名:オイドラギット E、オイドラギット L、ロームアンドファーマ社製等)等があげられる。
コーティング組成物の使用量は、好ましくは核部に対して1〜20重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
また、本発明の固形製剤には、例えば滑沢剤、界面活性剤、可塑剤等の他の通常用いられる添加剤が、必要に応じてさらに配合されていてもよい。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等があげられる。界面活性剤としては、例えばリン脂質、グリセリン脂肪酸エステル(例えばトリアセチン等)、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等があげられる。可塑剤としては、例えばトリアセチン、植物油、ポリエチレングリコール等があげられる。
また、これら固形製剤は、必要に応じて製剤学の技術分野においてよく知られている混合工程、粉砕工程、篩い分け工程、造粒加工工程、整粒加工工程、打錠工程、乾燥工程、カプセル充填工程、コーティング工程等の製剤化工程を適宜組み合わせて製造してもよい。
本発明の安定化方法は、例えば上記で述べた本発明の固形製剤の調製方法により実施できる。つまり、結晶セルロースを存在させるように化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を製剤化することにより実施できる。 以下の試験例により本発明の効果を具体的に説明する。
試験例1(錠剤硬度測定)
錠剤硬度計(PTB−311;Pharmatest製)を用いて、実施例1で得られた錠剤1と比較例1および2でそれぞれ得られた錠剤2および3の錠剤硬度をそれぞれ測定した。
試験例2(崩壊試験)
第14局改正日本薬局方第一部の崩壊試験に記載の方法に従って、実施例1で得られた錠剤1と比較例1および2でそれぞれ得られた錠剤2および3の崩壊に要した時間(崩壊時間)をそれぞれ測定した。試験は、試験液として精製水を用いて行った。
上記試験例1の錠剤硬度測定および試験例2の崩壊試験の結果を第1表に示す。

第1表より、従来の一般的な組成からなる錠剤2および3は崩壊時間が20分以上であり、速やかに崩壊しないことがわかった。一方、本発明の組成からなる錠剤1は錠剤2および3よりも高い硬度を有しかつ短時間で速やかに崩壊することがわかった。
試験例3(溶出試験)
第14局改正日本薬局方第一部の溶出試験法に記載の第2法(パドル法)に従って、実施例1で得られた錠剤1と比較例1および2でそれぞれ得られた錠剤2および3に関し、それぞれ溶出試験を行った。試験液として2.0重量%Tween80(和光純薬(株)製)の水溶液900mLを用い、パドルの回転数は毎分50回転で試験を行った。溶出試験を開始してから、経時的に試験液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によってそれぞれの錠剤からの化合物1の溶出量を求めた。HPLC分析条件は以下の通りである。
<HPLC分析条件>
カラム:イナートシル(Inertsil ODS−2:ジーエルサイエンス社製)
4.6mm ID.×150mm
カラム温度:25℃
展開溶媒:0.05mol/L リン酸緩衝液(pH6.1)/アセトニトリル=3/2
展開溶媒の流量:化合物1の保持時間が約12分になるように調整
(1.2mL/分)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:250nm)
溶出試験の結果を図1に示す。図1より、従来の一般的な組成からなる錠剤2および3では、速やかな溶出はみられないことがわかった。一方、本発明の組成からなる錠剤1では、30分間で80%以上の溶出率を示し、化合物1は錠剤1から速やかに溶出することがわかった。
試験例4(固形製剤の安定性試験)
日米EU三極医薬品承認審査調和国際会議(ICH)における新原薬及び新製剤の光安定性試験ガイドライン(1996年11月6日)に従って、実施例1で得られた錠剤1ならびに比較例1〜3でそれぞれ得られた錠剤2〜4に関し、それぞれ安定性試験を行った。光源としてキセノンランプを用いて、1200000Lux・hr以上の総照度でそれぞれの錠剤を曝光した。曝光した後、サンプリングを行い、HPLC分析によって各製剤中における光分解過程で生じる化合物1の分解物の総量を求めた。HPLC分析条件は試験例3で示した条件と同じである。
安定性試験の結果を第2表に示す。

第2表より、結晶セルロースを含有する錠剤1では結晶セルロースを含有しない錠剤2〜4と比較して、化合物1の分解物の生成が顕著に抑制されることが判明した。
以上のことから、本発明の固体製剤は、良好な硬度、崩壊性、溶出性、安定性等の優れた製剤特性を有することが判明した
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られた錠剤1と比較例1および2でそれぞれ得られた錠剤2および3それぞれにおける化合物1の溶出性を示したものである。縦軸は化合物1の溶出率(%)を表し、横軸は溶出時間(分)を表す。グラフ上の各シンボルの意味は、以下の通りである。
−●−:錠剤1における化合物1の溶出率(%)
−○−:錠剤2における化合物1の溶出率(%)
−△−:錠剤3における化合物1の溶出率(%)
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 錠剤(20mg、素錠)の調製
後述の第3表に記載の処方に従って、錠剤を以下のようにして調製した。すなわち、流動層造粒コーティング装置(FLO−5型、フロイント産業(株)製)を用いて、特開平9−040652号公報に記載の方法に準じて得られた化合物1(230.8g)、乳糖(804.2g、Parmatose、200M Lactose、DMVインターナショナル製)、結晶セルロース(345.0g、アビセルPH301、旭化成(株)製)およびクロスポビドン(75.0g、PVPP、XL−10、ISP製)を混合し、混合物にポリビニルアルコール(EG−05、日本合成化学(株)製)の8.0重量%水溶液(375.0g)をスプレーして造粒した。乾燥した後、得られた造粒顆粒を整粒機(フィオーレF−0型、徳寿製作所(株)製)で解砕し、整粒顆粒とした。混合機(V型混合機V−10型、徳寿製作所(株))を用いて、得られた整粒顆粒(1358.8g)およびステアリン酸マグネシウム(13.7g、HyQual登録商標、マリンクロット製)を混合することにより打錠用顆粒を得た。打錠機(コレクト12、菊水製作所(株)製)を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより、錠剤1(錠剤の重量:130.0mg、錠剤の形状:円形錠(7.0mmφ))を得た。
実施例2 フィルムコーティング錠(10mg錠)の調製
後述の第3表に記載の処方に従って、素錠を以下のようにして調製した。すなわち、流動層造粒コーティング装置(グラットWSG−15型、パウレック(株)製)を用いて、特開平9−040652号公報に記載の方法に準じて得られた化合物1(1153.8g)、乳糖(8850.0g、Parmatose、200M Lactose、DMVインターナショナル製)、結晶セルロース(3796.2g、アビセルPH301、旭化成(株)製)およびクロスポビドン(750.0g、PVPP、XL−10、ISP製)を混合し、ポリビニルアルコール(EG−05、日本合成(株)製)の8.0重量%水溶液(3750.0g)をスプレーして造粒した。乾燥した後、得られた造粒顆粒を整粒機(フィオーレF−0型、徳寿製作所(株)製)で解砕し、整粒顆粒とした。混合機(TBM−25型、徳寿製作所(株))を用いて、得られた整粒顆粒(6930.0g)およびステアリン酸マグネシウム(70.0g、HyQual登録商標、マリンクロット製)を混合し、打錠用顆粒を得た。打錠機(コレクト12、菊水製作所(株)製)を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより、素錠(重量:130.0mg、錠剤の形状:円形錠(7.0mmφ))を得た。第2表に記載の処方に従って調製されたコーティング組成物を、精製水に溶解および分散し、固形分濃度10重量%のコーティング液を調製した。ハイコーター(HCT−30、フロイント産業(株))を用いて、上記で得られた素錠(1000.0g)に素錠100重量部に対して剤皮が乾燥状態で5重量部になるようにコーティングを行うことにより、フィルムコーティング錠を得た。
比較例1 錠剤2(20mg、素錠)の調製
後述の第3表に記載の処方に従って、錠剤を以下のようにして調製した。すなわち、攪拌造粒装置(VG−05型、パウレック(株)製)を用いて、特開平9−040652号公報に記載の方法に準じて得られた化合物1(100.0g)、乳糖(717.0g、Parmatose、200M Lactose、DMV製)、馬鈴薯デンプン(150.0g、日澱化学(株)製)およびヒドロキシプロピルセルロース(20.0g、HPC−L、日本曹達(株)製)を混合し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)の7.7重量%水溶液(130.0g)をスプレーし練合した。乾燥した後、得られた造粒顆粒を整粒機(コーミル197S型、パウレック(株)製)で解砕し、整粒顆粒とした。
混合機(V型混合機V−10型、徳寿製作所(株))を用いて、得られた整粒顆粒(802.1g)およびステアリン酸マグネシウム(2.4g、HyQual登録商標、マリンクロット製)を混合することにより、打錠用顆粒を得た。打錠機(コレクト12、菊水製作所(株)製)を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより錠剤2(重量:200.0mg、錠剤の形状は円形錠(8.0mmφ))を得た。
比較例2 錠剤3(20mg、素錠)の調製
後述の第3表に記載の処方に従って、錠剤を以下のようにして調製した。すなわち、攪拌造粒装置(VG−05型、パウレック(株)製)を用いて、特開平9−040652号公報に記載の方法に準じて得られた化合物1(200.0g)、乳糖(734.0g、Parmatose、200M Lactose、DMVインターナショナル製)、馬鈴薯デンプン(300.0g、日澱化学(株)製)およびヒドロキシプロピルセルロース(50.0g、HPC−L、日本曹達(株)製)を混合し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)の5.0重量%水溶液(200.0g)をスプレーし練合した。乾燥した後、得られた造粒顆粒を整粒機(コーミル197S型、パウレック(株)製)で解砕し、整粒顆粒とした。
混合機(V型混合機V−10型、徳寿製作所(株))を用いて、得られた整粒顆粒(1196.6g)およびステアリン酸マグネシウム(7.2g、HyQual登録商標、マリンクロット製)を混合することにより、打錠用顆粒を得た。打錠機(コレクト12、菊水製作所(株)製)を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより錠剤3(重量:130.0mg、錠剤の形状:円形錠(7.0mmφ))を得た。
比較例3 錠剤4(20mg、素錠)の調製
後述の第3表に記載の処方に従って、錠剤を以下のようにして調製した。すなわち、流動層造粒コーティング装置(FLO−2型、フロイント産業(株)製)を用いて、特開平9−040652号公報に記載の方法に準じて得られた化合物1(200.0g)、乳糖(697.0g、Parmatose、200M Lactose、DMVインターナショナル製)、部分アルファー化デンプン(299.0g、Starch 1500G、Colorcon製)およびクロスポビドン(65.0g、PVPP、XL−10、ISP製)を混合し、得られた混合物にポリビニルアルコール(EG−05、日本合成化学(株)製)の8.0重量%水溶液(325.0g)をスプレーして造粒した。乾燥した後、得られた造粒顆粒を整粒機(コーミル197S型、パウレック(株)製)で解砕し、整粒顆粒とした。
混合機(TBM−8型、徳寿製作所(株))を用いて、得られた整粒顆粒(990.0g)およびステアリン酸マグネシウム(10.0g、HyQual登録商標、マリンクロット製)を混合することにより、打錠用顆粒を得た。打錠機(コレクト12、菊水製作所(株)製)を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより、錠剤4(錠剤の重量:130.0mg、錠剤の形状:円形錠(7.0mmφ))を得た。

【産業上の利用可能性】
本発明により、製剤特性(例えば硬度、崩壊性、溶出性、安定性等)に優れた化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤が提供される。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

[式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、Rはシクロアルキル、−(CH−R(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、nは0〜4の整数を表す)または式(II)

(式中、YおよびYは同一または異なって水素原子、ハロゲンまたは低級アルキルを表し、Zは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表す]で表されるキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩および結晶セルロースを含有する固形製剤。
【請求項2】
が式(II)

(式中、Y、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲1記載の固形製剤。
【請求項3】
およびYが水素原子である請求の範囲2記載の固形製剤。
【請求項4】
Zが置換もしくは非置換のアリールまたは式(III)

(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロまたはアミノを表し、mは1〜3の整数を表す)である請求の範囲2または3記載の固形製剤。
【請求項5】
式(IA)

で表される(E)−8−(3,4−ジメトキシスチリル)−1,3−ジエチル−7−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオンまたはその薬理学的に許容される塩および結晶セルロースを含有する固形製剤。
【請求項6】
糖類を含有する請求の範囲1〜5のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項7】
糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.0〜9.0重量部である請求の範囲6記載の固形製剤。
【請求項8】
糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.0〜5.0重量部である請求の範囲6記載の固形製剤。
【請求項9】
糖類の含有量が結晶セルロース1.0重量部に対し1.5〜3.0重量部である請求の範囲6記載の固形製剤。
【請求項10】
糖類が乳糖、白糖、ブドウ糖、シクロデキストリンまたはマンニトールである請求の範囲6〜9のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項11】
糖類が乳糖である請求の範囲6〜9のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項12】
結合剤を含有する請求の範囲1〜11のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項13】
結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールである請求の範囲12記載の固形製剤。
【請求項14】
結合剤がポリビニルアルコールである請求の範囲12記載の固形製剤。
【請求項15】
結合剤の含有量が固形製剤の総重量の0.1〜10.0%である請求の範囲12〜14のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項16】
崩壊剤を含有する請求の範囲1〜15のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項17】
崩壊剤がクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムである請求の範囲16記載の固形製剤。
【請求項18】
崩壊剤がクロスポビドンである請求の範囲16記載の固形製剤。
【請求項19】
崩壊剤の含有量が固形製剤の総重量の0.5〜20.0%である請求の範囲16〜18のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項20】
固形製剤の剤形が錠剤である請求の範囲1〜19のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項21】
固形製剤がフィルムコーティングされている固形製剤である請求の範囲1〜20のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項22】
式(I)

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する固形製剤に結晶セルロースを存在させることを特徴とする該固形製剤中のキサンチン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の安定化方法。

【国際公開番号】WO2005/007167
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【発行日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511923(P2005−511923)
【国際出願番号】PCT/JP2004/010530
【国際出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】