説明

土壌試料採取装置及び土壌試料採取工法

【課題】土壌試料採取について誘導掘削による有用性だけでなく高い効率性をも実現する。
【解決手段】地上から地盤中のサンプリング地点まで誘導掘削で掘削ツール1を推進させる。掘削ツール1のアウタツール6の中に地上から長尺筒状のサンプリング管Bを送り込む。そしてアウタツール6の先端にあるアウタビット8の貫入口8aを通じてその先の地盤中へと推進させる。こうして多量の土壌試料柱52をサンプリング管Bのサンプラー44の中に取り込むことができる。したがって土壌試料採取について高い効率性をも実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有害物質で汚染された土壌の汚染状況を調査する等のために、地盤の所望位置から土壌試料を採取する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤の土壌汚染状況調査では地盤の調査対象域から土壌試料を採取する。既存の土壌試料採取工法には、調査対象の地盤を地盤面から深度方向で大きく開削して土壌試料を採取する工法がある。ところが例えば稼働中の工場などの障害物があると地盤面からの開削ができず、掘削自由度の高い調査環境での実施にその適用が制限されてしまう。また地上に障害物が無くても大きく地盤を開削するには多大な時間と費用が必要とされてしまう。こうした制約を克服すべく、地盤面を開削しない土壌試料採取工法が提案されている(特許文献1,2)。
【0003】
この工法では、サンプリング機構を備えるドリルヘッドを地盤面から貫入させ、ドリルヘッドの先端から掘削流体を噴射して行う直線掘削と曲線掘削とを組み合わせた「誘導掘削(曲がりボーリング)」によって地盤内の調査対象域まで掘削し、サンプリング機構に土壌試料を取り込んで採取する。そして掘削と採取のプロセスを複数のサンプリング地点ごとに繰り返し行うことで土壌試料を採取し、その土壌試料から汚染物質の種類や濃度に関する二次元平面内又は三次元空間内の多点データを取得することで土壌汚染の分布状況を把握する。
【特許文献1】特開2001−64956号公報
【特許文献2】特開2001−64957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この工法は、非開削且つ任意のサンプリング地点で土壌試料を採取することができるため、より有用性の高い土壌汚染状況調査が可能である反面、効率性という点での課題がある。すなわちこの工法ではドリルヘッドそれ自体の中に土壌試料を取り込んで採取する。このため1回で多くの土壌試料を採取するのが困難であり、実際に現場での1日あたりの採取回数は数回程度が作業限界である。よって調査に有用な密度で土壌試料を採取するには、多くの作業日数が必要となってしまう。
【0005】
以上のような既存工法の課題を背景としてなされたのが本発明であり、その目的は土壌試料採取の効率性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
【0007】
(1)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削(曲がりボーリング)にて敷設する筒状のロッドと、
先端に土壌採取口を有し、サンプリング地点に敷設した前記ロッドに地上側から内挿されて前記ロッドの先にある土壌試料を前記土壌採取口から取り込んで採取するサンプリング管と、を備える土壌試料採取装置を提供する。
【0008】
本発明では、サンプリング地点に敷設したロッドに地上側からサンプリング管を送り込み土壌試料を採取するものであり、したがって既存技術のように地盤中のサンプリング地点まで誘導掘削にて敷設したロッドによっては土壌試料を採取しない。このため土壌試料の採取量をサンプリング管の長さに依存させることができ、1回のサンプリングで多量の土壌試料柱を採取することができる。よってドリルヘッドそれ自体によって土壌試料を採取する前述の既存技術よりも土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
【0009】
(2)また前記本発明のサンプリング管は先端に前記土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有する。
サンプリング管が延長ロッドを有することから敷設したロッドに対しサンプリング管の挿抜を自由に行うことができる。よってサンプリング管を一旦回収した後に再度サンプリング管で土壌試料を採取するというような採取作業の自由度も高めることができる。
【0010】
(3)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されて前記土壌試料採取口から土壌試料を採取するサンプリング管とを備える土壌試料採取装置を提供する。
【0011】
誘導掘削時にはアウタロッドにインナロッドを装着して土壌試料のサンプリング地点まで掘削し、土壌試料採取時にはインナロッドに換えてサンプリング管を送り込み土壌試料を採取する。つまりアウタロッドを地盤に敷設したままとして、掘削又は採取に応じてインナロッドとサンプリング管とを入れ替えることができる。よって効率的に掘削と採取を行うことができる。また土壌試料の採取量をサンプリング管の長さに依存させることができるため、1回のサンプリングで多量の土壌試料柱を採取することができる。よってドリルヘッドそれ自体によって土壌試料を採取する前述の既存技術よりも土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
【0012】
(4)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されて、前記土壌採取口から土壌試料を前記サンプラーに採取するサンプリング管とを備える土壌試料採取装置を提供する。
【0013】
誘導掘削時にはアウタロッドにインナロッドを装着して土壌試料のサンプリング地点まで掘削し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜去したインナロッドに換えてサンプリング管をアウタロッドに送り込み土壌試料を採取する。したがって前記本発明と同様に、掘削又は採取に応じてインナロッドとサンプリング管とを入れ替えることができ、掘削又は採取を効率的に行うことができる。また土壌試料の採取量をサンプリング管の長さに依存させることができ、土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
そして本発明ではさらに、サンプリング管が延長ロッドを有することからアウタロッドに対するサンプリング管の挿抜を自由に行うことができる。よってサンプリング管を一旦回収した後に再度サンプリング管で土壌試料を採取するというような採取作業の自由度も高めることができる。
【0014】
(5)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有するサンプラー及びアウタロッドに対して係脱可能なラッチ部を有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されるとともに前記ラッチ部の係合によりアウタロッドの先端側内部に固定されて、前記土壌採取口から土壌試料を前記サンプラーに採取するサンプリング管と、を備える土壌試料採取装置を提供する。
【0015】
誘導掘削時にはアウタロッドにインナロッドを装着して土壌試料のサンプリング地点まで掘削し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜去したインナロッドに換えてサンプリング管をアウタロッドに送り込み、アウタロッドに対するラッチ部の係合によりアウタロッドの先端側内部にサンプリング管を固定した状態を得て土壌試料を採取する。したがって前記本発明と同様に、掘削又は採取に応じてインナロッドとサンプリング管とを入れ替えることができ、掘削又は採取を効率的に行うことができる。また土壌試料の採取量をサンプラーの長さに依存させることができるため、土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
そして本発明ではさらに、アウタロッドに対するラッチ部の係合によりサンプリング管をアウタロッドの先端側内部に固定することができる。このような確実な固定が得られることから、本発明では掘削時も採取時もアウタロッドに対して推進力を加えればよく、掘削と採取という作業の違いに応じて推進力を加える対象物を変更する必要が無い。このため本発明ならば掘削と採取を効率的に行うことができる。
【0016】
(6)また前記本発明のサンプリング管は、管内に取り込んだ土壌試料が土壌採取口から抜け出さないように留める逆止弁を備える。
逆止弁によって確実に土壌試料をサンプリング管又はサンプラーの中に保持できるので土壌試料を効率的に採取できる。
【0017】
(7)さらに前記本発明のインナロッドは、地上に延在する延長ロッドと、地盤を掘削するインナビットとを備える。
このためアウタロッドとインナロッドのインナビットとの双方で効率的な掘削を行える。また延長ロッドが地上に延在する場合には、地盤掘削の際に推進力を付与する対象としてインナロッドを活用できる。
【0018】
(8)そして前記本発明のインナロッドは、アウタロッドに対して係脱可能なラッチ部と、地盤を掘削するインナビットとを備える。
このためアウタロッドとインナロッドのインナビットとの双方で効率的な掘削を行える。またアウタロッドに対して係脱可能なラッチ部をインナロッドに備えるので、誘導掘削時にはインナロッドを確実に固定することができる。
【0019】
(9)さらに前記本発明のインナロッドは、アウタロッドの先端側内部に収容される長さとなっている。
このためアウタロッドの全長に亘って二重管構造にならない。したがって全長に亘って二重管構造となる場合と比べて、アウタロッドとインナロッドとが軽量であることから、掘削推進装置の大型化に依存しなくても、地盤掘削のための推進力を十分に伝達することができ、掘削効率を高めることができる。また誘導掘削時には、アウタロッドとインナロッドとが軽量であり、自重によって地盤から受ける推進抵抗を小さくできることから方向制御に対する応答性を高めることができる。
【0020】
(10)また前記本発明は、アウタロッド又はインナロッドの少なくとも何れかに、それらの軸方向に沿う打撃を伴う片押し推進力を付与する掘削推進装置を備える。
このため誘導掘削時に掘削難度の高い礫層や建設廃材を含むガラに突き当たった場合でも打撃によって突破することができる。
【0021】
(11)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設した筒状のロッドの管内に、土壌採取口を有する筒状のサンプリング管を送り込み前記ロッドの先にある土壌試料を前記土壌採取口から取り込んで採取する土壌試料採取工法を提供する。
【0022】
この工法では地盤中のサンプリング地点まで敷設した前記ロッドによっては土壌試料を採取しないでサンプリング管によって土壌試料を取り込んで採取する。このため土壌試料の採取量を地盤に貫入させるサンプリング管の長さに依存させることができることから、地盤中に推進させるサンプリング管の長さに応じて多量の土壌試料柱を採取することができる。したがって既存工法よりも土壌試料採取の効率性を大幅に高めることができる。
【0023】
(12)前記本発明はさらに、前記サンプリング管が前記土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有しており、サンプリング地点に敷設した前記ロッドの管内に、そのサンプリング管を送り込むとともに、前記ロッドの先端開口を通じてその先の地盤中へと推進させることで、土壌試料を前記土壌採取口からサンプラーに取り込んで採取する。
このように延長ロッドを有することから敷設したロッドに対しサンプリング管の挿抜を自由に行いながら土壌試料を採取することができる。よってサンプリング管を一旦回収した後に再度サンプリング管で土壌試料を採取するというような採取作業の自由度も高めることができる。
【0024】
(13)前記本発明はまた、地盤中へ推進させたサンプリング管に沿って前記ロッドを推進させて敷設長を延長した後、さらにサンプリング管を推進させて土壌試料を該サンプリングに取り込んで採取する。
このため土壌試料の採取を連続性をもって大幅に長延長化することができる。したがって点のデータではなく線のデータに基づいて土壌汚染の分布状況をより正確に把握できる。
【0025】
(14)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設した二重管状の掘削ロッドのうちのインナロッドを地上へ引き戻して回収し、地盤に残存するアウタロッドの管内に、筒状のサンプリング管を送り込み前記ロッドの先にある土壌試料を採取する土壌試料採取工法を提供する。
【0026】
この工法では、地上の発進側から地盤中のサンプリング地点まで、先端開口をインナロッドで閉塞した筒状のアウタロッドを誘導掘削にて敷設する。そしてアウタロッドを地盤に敷設したままとして、掘削又は採取に応じてインナロッドとサンプリング管とを入れ替えることで効率的に掘削と採取を行うことができる。また土壌試料の採取量をサンプリング管の長さに依存させることができ、1回のサンプリングで多量の土壌試料柱を採取できる。よってドリルヘッドそれ自体によって土壌試料を採取する前述の既存技術よりも土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
【0027】
(15)前記本発明はさらに、サンプリング管が先端に土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有しており、
サンプリング地点に残存する前記アウタロッドの管内に、そのサンプリング管を送り込むとともに、前記アウタロッドの先端開口を通じてその先の地盤中へと推進させることで、土壌試料を前記土壌採取口からサンプラーに取り込んで採取する。
このようにサンプリング管のみに推進力を加えることで土壌試料を採取できるので、アウタロッドを推進させない分、小さな推進力で土壌試料を採取できる。
【0028】
(16)前記本発明はさらに、地盤中へ推進させたサンプリング管に沿って前記アウタロッドを推進させて敷設長を延長した後、さらにサンプリング管を推進させて土壌試料を該サンプリング管に取り込んで採取する。
このため土壌試料の採取を連続性をもって大幅に長延長化することができる。したがって点のデータではなく線のデータに基づいて土壌汚染の分布状況をより正確に把握することができる。
【0029】
(17)前記本発明はさらに、地上から地盤中のサンプリング地点に、先端開口をインナロッドで閉じた状態として前記アウタロッドを誘導掘削にて敷設し、サンプリング地点に到達したならば、インナロッドを地上側に後退させてから、アウタロッドを推進させて先端開口から土壌試料を取り込み、アウタロッドに送り込んだサンプリング管にてアウタロッドに取り込んだ土壌試料を採取する。
アウタロッドを推進させて先端開口から土壌試料を取り込み、アウタロッドに送り込んだサンプリング管にてアウタロッドに取り込んだ土壌試料を採取するため、サンプリング管に加わる推進負荷や土圧等を小さくすることができる。よってサンプリング管そのものを直接地盤に推進させる場合と比較して反りや変形の発生を防止できる。よって薄肉で採取容量の大きいサンプリング管を使用できる。
【0030】
(18)本発明は、地上から地盤中のサンプリング地点に、先端開口をインナロッドで閉塞した状態で筒状のアウタロッドを誘導掘削にて敷設し、サンプリング地点に到達したならば、アウタロッドからインナロッドを抜き取り、それに換えて土壌採取口を有するサンプラーとアウタロッドに対して係脱可能なラッチ部とを備えるサンプリング管を送り込むとともに、該ラッチ部にてアウタロッドの先端側内部にサンプリング管を固定し、アウタロッドを推進させることでサンプラーにて土壌試料を採取する土壌試料採取工法を提供する。
【0031】
前記本発明と同様に、インナロッドとサンプリング管との入替により掘削又は採取を行えるので効率的に掘削と採取を行える。また土壌試料の採取量がサンプリング管の長さに依存するので、土壌試料の採取効率を大幅に高めることができる。
そして本工法ではさらに、アウタロッドに対するラッチ部の係合によりサンプリング管をアウタロッドの先端側内部に固定することができる。このような確実な固定が得られることから、本工法では掘削時も採取時もアウタロッドに対して推進力を加えればよく、掘削と採取という作業の違いに応じて推進力を加える対象物を変更する必要が無いので、掘削と採取を効率的に行うことができる。
【0032】
(19)また前記本発明は、ラッチ部の係合解除により土壌試料を採取したサンプリング管をアウタロッドから抜去した後、アウタロッドにインナロッドを送り込むとともにアウタロッドを推進させて次のサンプリング地点まで掘削する。
このためアウタロッドの敷設長を延長することができ、土壌試料の採取を連続的に長延長化することができる。したがって点のデータではなく線のデータに基づいて土壌汚染の分布状況をより正確に把握することができる。
【0033】
(20)前記本発明はさらに、アウタロッド又はインナロッドの少なくとも何れかに、それらの軸方向に沿う打撃を伴う片押し推進力を付与して誘導掘削する。
これによれば、地盤掘削時に掘削難度の高い礫層や建設廃材を含むガラに突き当たった場合でも打撃によって突破することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の土壌試料採取装置及び土壌試料採取工法によれば、サンプリング地点の上方に障害物(稼働中の工場など)がある場合でも非開削且つ任意経路でサンプリング地点に到達できる。つまり誘導掘削による高い有用性を備える。このことに加えて地盤に推進させるサンプリング管の長さに応じて土壌試料の採取量を大きく増量できることから、短時間・短期間で多くの土壌試料を採取できる。つまり高い効率性を実現できる。したがって本発明によれば、正確な土壌汚染状況調査を経済的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明による土壌試料採取装置と土壌試料採取工法の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0036】
第1実施形態の土壌試料採取装置〔図1〜図6〕
土壌試料採取装置は誘導掘削装置Aとサンプリング管Bとを備える。
【0037】
誘導掘削装置A
誘導掘削装置Aは掘削ツール1(図1)とロッド部2(図2)を備える。後述の回収用ロッド3、オーバーショット4(図5)、掘削推進装置5(図9)も誘導掘削装置Aの構成要素として備えている。
【0038】
掘削ツール1
掘削ツール1は何れも鋼製のアウタツール6(図1,2)とインナツール7(図1,3)とで構成される。
【0039】
アウタツール6
アウタツール6は先端側から順にアウタビット8、カップリング9、ゾンデケース10、レジューサ11を連結して備える。アウタツール6はロッド部2とともに本発明の「ロッド」及び「アウタロッド」を構成する。
【0040】
アウタビット8は略円筒状に形成されており、その先端には超鋼チップ12が植設され、筒軸方向に対して傾斜する土圧受け面13が形成されている。アウタビット8の内面には、インナツール7が掘削方向で突き当たり抜止めする前側係合受け部14が形成されている。符号15(図2)はインナビット7が係合してアウタビット8の内部でインナビット7を回り止めする係合溝である。
【0041】
カップリング9は略円筒状に形成されており、その内面にはインナツール7が引き戻し方向で突き当たり抜止めする後側係合受け部16が形成されている。
【0042】
ゾンデケース10は地盤を誘導掘削(曲がりボーリング)により掘進するために掘削ツール1の位置情報を地上に送出するゾンデ17を収容する略円筒状のものである。そのためゾンデ17の発信信号を通しやすくするための硬質樹脂等でなる信号透過部18が設けられている。またゾンデケース10には長手方向に沿って肉厚を貫通する掘削流体の通路19が形成されている。
【0043】
レジューサ11は略円筒状に形成されており、その後端にはロッド部2が連結される。
【0044】
インナツール7
インナツール7は先端側から順にインナビット20、ラッチ部21、関節部22、ゾンデ格納部23を連結して備える。インナツール7は前述のアウタツール6とロッド部2に対して挿抜可能となっている。インナツール7は本発明における「インナロッド」を構成する。
【0045】
インナビット20は前述のアウタビット8とともに地盤を掘削する。したがってその先端には超鋼チップ12が植設され、また土圧受け面24が形成されている。土圧受け面24は、アウタビット8の土圧受け面13と傾斜角が同一で、面一の掘削面を形成する。インナビット20の後端部外周面には、複数の係合突起25が周方向で離間して形成されている。係合突起25は、アウタビット8の前側係合受け部14に対して掘削方向で突き当たり、インナビット20を抜止めする。隣接する係合突起25間に形成される溝は掘削流体の通路となり、インナビット20の内部に形成された通路26へと通じている。通路26の末端には噴射口27が開口しており、掘削流体はここから斜め前方へジェット噴射される。
【0046】
ラッチ部21はインナビット20がアウタビット8に対して係脱(係合による固定・係合解除による抜去)するために必要である。ラッチ部21にはシャフト28を備えており、その先端部はインナビット20の後端部開口に差込まれて連結される。シャフト28には2つの係合翼片29が回動支軸30により取付けてある。したがって係合翼片29は回動支軸30を開閉軸として、シャフト28の軸心に対して外向きに開き、また軸心に対して内向きに閉じるように開閉動作が可能となっている。開状態にある各係合翼片29は、その肩部29aが前述したカップリング9の後側係合受け部16に対して係合する。これによってインナビット20は掘削時に土圧を受けてもアウタビット8に対して後退しないようになっている。また、開状態にある各係合翼片29はアウタビット8の後端部内周面に形成された係合溝15(図2)に対して入り込んで係合する。これによってインナビット20はアウタビット8に対して相対回転しないように回り止めされる。なお、インナビット20の係合突起25に対応する係合部をアウタビット8の内周面に設けてインナビット20を回り止めすることもできる。しかし、回転止めのためには係合に高さが必要であり、係合突起25に対応する係合部をアウタビット8に設けてしまうと、アウタツール6の内径が小さくなり、アウタツール6に内挿可能な管も小さくなってしまう。この不都合があることから本形態では係合翼片29をインナビット20の回り止めにも兼用し、これをアウタビット8の係合溝15に対して係合させるようにしている。
【0047】
そして係合翼片29の内側に内蔵してあるばね31は、内向きに閉じようとする係合翼片29どうしを外向きに開かせるように弾発的に付勢する。ばね31によって開状態となる係合翼片29どうしの間に進入し、開状態を保持するのが尖頭形状の作動ロッド32である。作動ロッド32はシャフト28の後端部28aのガイド内面28b(図4)のガイドを受けて、シャフト28(係合翼片29どうしの間)に対して進退可動となっている。具体的には、作動ロッド32の後端部32aには、シャフト28及びこれに固定した係合翼片29を収納するラッチケース33の後端部が固定されている。ここで作動ロッド32をシャフト28に対して押し込むと、図3で示すように作動ロッド32が係合翼片29の間に進入して開状態が保持される。他方、作動ロッド32をシャフト28に対して引き戻すと、図4で示すように作動ロッド32がシャフト28に対して後退して係合翼片29の間から離脱する。これとともに作動ロッド32に固定したラッチケース33も後退する。この後退により、ラッチケース33の開孔縁33aが開状態の係合翼片29を閉じるように内向きに押し込む。こうして係合翼片29の閉状態が固定される。なお、ラッチケース33の内部にはばね34が取付けてあり、ラッチケース33は図1,3で示す係合翼片29が開状態となるように位置するのを常態としている。
【0048】
関節部22は1つの回動支軸35で屈曲可能なユニバーサルジョイントであり、インナツール7を長手方向で折れるようにしている。
【0049】
ゾンデ格納部23はインナゾンデケース36の内部にゾンデ17を収納する。符号37はゾンデ17の保護材である。インナゾンデケース36の後端部にはスピア38が取付けてあり、その係合頭部38aにはインナツール7の回収時に使うオーバーショット4が連結される。連結動作は具体的には図5のようである。
【0050】
オーバーショット4
すなわちオーバーショット4の後端部には回収用ロッド3が連結されている。発進側にはロッド部2(42)が延在しており、その開口端から管内へオーバーショット4とワイヤライン3が送り込まれる。すると図5(A)で示すように、オーバーショット4はアウタツール5のレジューサ11に到達する。そのままオーバーショット4を送り込むと、ケース39のガイド傾斜面付きの挿通孔39aをスピア38が通り、その奥にあるラッチ片40に対して突き当たる。その衝撃によって回動支軸41を介してラッチ片40が開き、図5(B)のようにスピア38の係合頭部38aと係合する。あとは発進側から回収用ロッド3を引き戻す。この引き戻しをするだけで、前述の機構によって係合翼片39が閉じ、係合翼片39の係合溝15に対する係合と肩部39aの後側係合受け部16に対する係合とが外れ、インナツール7をアウタツール6から引抜けるようになる。
【0051】
ロッド部2
ロッド部2は、図2で示すように、掘削長に応じて複数本の延長ロッド42を長手方向で連結して構成される。各延長ロッド42は中空円筒状であり、内部が掘削流体の通路となる。ここを通る掘削流体は、ゾンデケース10の通路19を含む掘削ツール1の内部を通り、インナビット20の通路26を通じ、噴射口27から斜め前方へ噴射される。また延長ロッド42はその中間部分を薄肉として曲線掘削時に撓み易くしている。
【0052】
掘削推進装置5
掘削推進装置5は、ロッド部2の軸回りに沿う連続回転若しくは連続回転停止と、ロッド部2の軸方向に沿う打撃若しくは打撃停止と、の少なくとも何れかの組み合わせを伴う片押し推進力をロッド部2に加えて、直接的にアウタツール6へ伝達する。インナツール7へはアウタツール6を通じて間接的に伝達する。このため掘削推進装置5には、回転機構と打撃機構を備える給進装置を備えている。掘削流体の給水機構もまた備えている。
【0053】
サンプリング管B〔図6〕
サンプリング管Bは、前述のロッド部2と同様に複数本の円筒形状の延長ロッド43を長手方向で連結し、その先端に延長ロッド43より大径のサンプラー44を連結して構成される。これら延長ロッド43及びサンプラー44は前述のアウタツール6に対して挿抜可能である。サンプラー44の先端には土壌採取口44aが開口している。ここからサンプラー44の管内に土壌を取り込むことができる。
【0054】
第2実施形態の土壌試料採取装置〔図7,図8〕
土壌試料採取装置は誘導掘削装置Cとサンプリング管Dとを備える。
【0055】
誘導掘削装置C〔図7〕
誘導掘削装置Cは掘削ツール1(図7)とロッド部2(図2)を備える。第1実施形態で説明した回収用ロッド3、オーバーショット4(図5)、掘削推進装置5(図9)も誘導掘削装置Cの構成要素として備えている。このうち第1実施形態と相違するのは掘削ツール1の構成である。
【0056】
本実施形態の掘削ツール1は第1実施形態と同様にアウタツール6とインナツール7で構成される。しかしながらそのアウタツール6は、アウタビット45の構成と、カップリング46を備える点とについて第1実施形態と異なっている。またインナツール7はインナビット47に掘削流体の通路が無い点で第1実施形態と相違する。その他は第1実施形態と実質的に同様であるため重複説明を省略する。
【0057】
アウタビット45には掘削流体の通路48が形成されており、掘削流体はその噴射口49から前方へジェット噴射される。したがって本実施形態のインナビット47には掘削流体の通路がない。カップリング46には、後述するサンプリング管Dと係合する後側係合受け部50が形成されている。
【0058】
サンプリング管D〔図8〕
サンプリング管Dは、先端側から順に土壌採取口51aを有する円筒形状のサンプラー51と、アウタツール6に対して係脱可能なラッチ部21を連結して構成される。
【0059】
サンプラー51には、土壌採取口51aの中にゴムや金属等で開閉する逆止弁51bが取付けてあり、中に取り込んだ土壌試料の抜け出しを阻止するようになっている。サンプラー51の外周面には複数の係合突起51cが周方向で離間して形成されている。係合突起51cは、アウタビット45の前側係合受け部14に対して掘削方向で突き当たり、サンプリング管Dを抜け止めするようになっている。隣接する係合突起51cの間に形成される溝は掘削流体の通路となり、アウタビット45の通路48へと連通している。
【0060】
ラッチ部21の基本構成と動作は第1実施形態のインナツール7に備えるラッチ部21と同じであるが、本実施形態では係合翼片29がカップリング46の後側係合受け部50に対して係脱するようになっている。このラッチ部21と前述のサンプラー51は第2実施形態のアウタツール6に対して挿抜可能となっている。ラッチ部21の後端には、第1実施形態のインナゾンデケース36の後端に取付けたのと同様のスピア38が取付けてある。その係合頭部38aには、前述したインナツール7の回収時に使うオーバーショット4が連結される。したがってサンプリング管Dは、インナツール7と同じようにしてオーバーショット4で回収できるようになっている。
【0061】
第1実施形態による土壌試料採取工法〔図9〜図12〕
第1実施形態の誘導掘削装置Aとサンプリング管Bとを利用する土壌試料採取工法の第1実施形態を説明する。
【0062】
まず誘導掘削装置Aによって、土壌試料を採取する地盤のサンプリング地点まで掘進する。発進側でアウタツール6にインナツール7を挿入して固定し、アウタツール6に延長ロッド42を連結する。これらを掘削推進装置5を使って片押し推進で地盤に貫入させる。直線掘削では延長ロッド42を複数本連結したロッド部2を連続回転させてアウタビット8とインナビット20の土圧受け面13,24を特定の回転角に固定させないようにする。また曲線掘削ではロッド部2の回転を停止させて土圧受け面13,24を特定の回転角に固定する。すると傾斜する土圧受け面13,24が地盤からの土圧を継続的に受けて、推進方向が掘削流体の噴射方向へ変化する。これをそのまま継続することで曲線掘削がなされる。
【0063】
そして掘削ツール1のみが二重構造であり、ロッド部2は単管構造で軽装であるため、曲線掘削時に曲がりやすく誘導掘削の優位性たる曲線掘削を十分に発揮できる。これに加え、ロッド部2の重量減による推進抵抗の低下によって、掘削推進装置5の大型化に依存しなくても誘導掘削の掘削効率を向上することができる。
【0064】
以上の直線掘削と曲線掘削の過程で掘削難度の高い礫層や建設廃材を含むガラに突き当たった時には、ロッド部2を通じてアウタビット8とインナビット20に打撃を加える。このときロッド部2は単管構造で軽装であるため、その重量減による推進抵抗の低下によって、掘削推進装置5における高出力の打撃機構に依存しなくても、強力な打撃力をアウタビット8とインナビット20に伝達できる。よって、一旦引き戻して方向修正をしたりせずに、難所を突破し掘進し続けることができる。なお、こうした打撃掘削は掘削難度が低い地盤でも実施できる。
【0065】
以上のような直線掘削と曲線掘削の組み合わせにより、図9で示すように地盤のサンプリング地点の上方に稼働中の工場Fのような障害物があっても、非開削・任意経路でサンプリング地点まで掘進することが可能であり、且つ掘進を一工程で実施できる利点がある。
【0066】
そして土壌試料を採取するサンプリング地点に到達したならば(図9)、ここでアウタツール6からインナツール7を回収する。回収は、既に図5を示して説明したように回収用ロッド3を連結したオーバーショット4をロッド部2に送り込み、オーバーショット4をスピア38に連結し、回収用ロッド3を引き戻して行う。
【0067】
次にサンプリング管B(図6)を使って土壌試料を採取する。このためにはロッド部2の後端部からサンプリング管Bを挿入する。挿入にあたっては、延長ロッド43を継ぎ足しては掘削推進装置5によってサンプリング管Bを全長に亘って給進させる作業を、繰り返し行うようにする。これを繰り返し行うとサンプリング管Bのサンプラー44がインナツール7の回収により中空となったアウタツール6の内部に到達する(図10)。そしてさらに延長ロッド43を継ぎ足して給進させることで、サンプラー44がアウタビット8の先端に開口する貫入口8aを通じて地盤を推進する(図11,図12)。これによってサンプラー44の土壌採取口44aを通じて管内に土壌試料柱52が取り込まれて採取される(図11)。最後にサンプリング管Bを発進側へ引き戻して回収すれば、地上で土壌試料柱52につき必要な調査を行うことができる。こうして本実施形態では多量の土壌試料を効率的に採取することができる。
【0068】
以上のようにサンプリング管Bを推進させる際には、図11のようにサンプラー44に土壌試料を採取できるまでサンプリング管Bに途切れなく連続する給進を加えるようにしてサンプリング管Bを推進させることができる。こうすると土壌試料の採取を効率的に行える。また給進と一時停止を繰り返すようにサンプリング管Bを推進させることもできる。こうすることで途切れなく連続推進させる際に生じる過剰な推進負荷の作用によるサンプラー44の反りや変形などを防止することができる。
【0069】
第2実施形態による土壌試料採取工法〔図13〕
誘導掘削装置Aとサンプリング管Bによる土壌試料採取工法の第2実施形態を説明する。
【0070】
本実施形態の工法では、アウタツール6の内部にサンプリング管Bのサンプラー44を推進させるまでが第1実施形態と同じである(図10)。次に本実施形態ではアウタツール6を直線掘削にて推進させる(図13(A))。するとアウタツール6には貫入口8aから土壌試料が取り込まれる。そしてアウタツール6の管内でサンプリング管Bを推進させる(図13(B))。これによりサンプラー44には土壌採取口44aを通じてアウタツール6に取り込ませた土壌試料が取り込まれる。そしてサンプリング管Bをアウタツール6の先端の貫入口8aに到達するまで推進させれば、サンプラー44の中に土壌試料柱52を採取することができる。最後はサンプリング管Bを地上に回収すればよい。
【0071】
以上のようにして本実施形態による工法は、第1実施形態と同様に多量の土壌試料を効率的に採取することができる利点に加えて、サンプリング管Bに作用する推進負荷を小さくできる効果がある。つまりアウタツール6の中に一旦取り込んだ土壌試料を採取するようにサンプリング管Bを推進させるため、直接地盤内を推進させる場合の土圧や推進負荷がサンプリング管Bに掛からない。したがってサンプリング管Bを薄肉化して採取容量を増量することが可能であり、第1実施形態よりも多くの土壌試料を採取することができる。
【0072】
第3実施形態による土壌試料採取工法〔図14〕
誘導掘削装置Aとサンプリング管Bによる土壌試料採取工法の第3実施形態を説明する。
【0073】
本実施形態の工法は、アウタツール6からインナツール7を回収するまでは第1実施形態と同じである。次に本実施形態ではアウタツール6を直線掘削にて推進させる。するとアウタツール6には貫入口8aから土壌試料が取り込まれる(図14(A))。そしてアウタツール6の管内にサンプリング管Bを挿入し(図14(B))、貫入口8aに到達するまで推進させると、サンプラー44には土壌採取口44aを通じてアウタツール6に取り込ませた土壌試料が取り込まれる(図14(C))。このようにすればサンプラー44の中に土壌試料柱52を採取できる。最後はサンプリング管Bを地上に回収すればよい。
【0074】
以上のようにして本実施形態による工法は、第1実施形態と同様に多量の土壌試料を効率的に採取できることに加えて、第2実施形態と同様にアウタツール6の中の土壌試料をサンプリング管Bで採取するため、サンプリング管Bに加わる推進負荷や土圧等を小さくできる。よってサンプリング管Bそのものを直接地盤に推進させる場合と比較して反りや変形の発生を防止でき、薄肉で採取容量の大きいサンプリング管Bを使用できる。
【0075】
本実施形態による工法では、第2実施形態のようにアウタツール6をさらに推進させて敷設長を延長した後、サンプリング管Bを推進させて土壌試料をサンプリング管Bの中に取り込んで採取することができる。これによれば、土壌試料の採取を連続性をもって大幅に長延長化することができる。したがって点のデータではなく線のデータに基づいて土壌汚染の分布状況をより正確に把握することができる。
【0076】
第4実施形態による土壌試料採取工法〔図15〕
誘導掘削装置Cとサンプリング管Dによる土壌試料採取工法の第4実施形態を説明する。
【0077】
本実施形態の工法は、アウタツール6及びインナツール7(図7)でサンプリング地点まで掘削し、サンプリング地点でインナツール7をオーバーショット4にて回収するまでは第1実施形態と同じである。次に本実施形態では図8で説明したサンプリング管Dを使って土壌試料を採取する。このためにはロッド部2の後端部からサンプリング管Dを挿入するとともに棒やパイプ、掘削流体の水圧などを利用してアウタツール6の先端側に向けて押込むようにし、カップリング46の後側係合受け部50にラッチ部21の係合翼片29を係合させることで、サンプリング管Dをアウタツール6の先端側内部に固定する。サンプリング管Dは固定状態で先端側がアウタビット45の先端から突出する長さとなっているため、サンプリング管Dの先端が掘削方向で最先端に位置する状態となる(図15)。その後、掘削推進装置5でロッド部2に推進力を加えてアウタツール6を推進させると、アウタツール6とともに推進するサンプリング管Dが地盤を掘削し、そのサンプラー51の土壌採取口51aを通じて管内に土壌試料柱52が取り込まれて採取される(図15)。最後にオーバーショット4によってサンプリング管Dをアウタツール6から分離し、発進側へ引き戻して回収すれば、地上で土壌試料柱52につき必要な調査を行うことができる。
【0078】
以上のようにして本実施形態による工法は、第1実施形態と同様に多量の土壌試料を効率的に採取することができる利点に加えて、アウタツール6のカップリング46の後側係合受け部50に対するラッチ部21の係合翼片29の係合により、サンプリング管Dのサンプラー51をアウタツール6の先端側内部に固定することができる。このような確実な固定が得られることから、掘削時も採取時もロッド部2を介してアウタツール6に推進力を加えればよい。つまり掘削と採取という作業の違いに応じて推進力を加える対象物を変更する必要が無いので、掘削と採取を効率的に行うことができる。
【0079】
サンプリング管Dの先端がアウタビット45の先端から突出しており、アウタツール6を推進させるとサンプリング管D(サンプラー51)が地盤を掘削する。このためアウタビット45によって削られて崩れた土壌をサンプラー51で回収するのではなく、自然な地盤状況のまま土壌をサンプラー51で採取することができ、土壌汚染等の状況調査を精度良く行うことができる。また図15で示すようなサンプリング管Dの先端がアウタビット45の先端から突出しており、アウタビット45の土圧受け面13と不連続面とする状態では、掘削ツール1全体として土圧受け面13,24の面積が少なくなり、アウタビット45の土圧受け面13だけでは方向制御に不十分となるため、サンプリング管Dによる直線掘削が可能となる。したがって掘削推進装置5によってアウタツール6を回転させる操作を行わなくてもよい。
【0080】
第1実施形態と異なりアウタビット45に掘削流体の通路48があり、インナビット47には設けていない。このためサンプリング管Dで地盤を掘削する際にも掘削流体を通路48の噴射口49から噴射させて地盤を軟弱化することができる。したがって土壌試料の採取を効率的に行うことができ、掘削負荷が掛かるサンプラー51の損傷も抑えることができる。
【0081】
サンプラー51の採取口51aに逆止弁51bを備えるため、内部に取り込んだ土壌試料柱52を確実に保持することができるから土壌試料を効率的に採取できる。
【0082】
サンプリング管Dは土壌試料柱52を採取した後、ラッチ部21の係合解除によりアウタツール6から回収できる。したがってアウタツール6にインナツール7を送り込むとともにアウタツール6を推進させて次のサンプリング地点まで掘削することができる。これによれば、アウタツール6の敷設長を延長できることから、土壌試料の採取を連続的に長延長化することができる。したがって点のデータではなく線のデータに基づいて土壌汚染の分布状況をより正確に把握することができる。
【0083】
他の実施形態
以上説明した実施形態による土壌試料採取装置と土壌試料採取工法は一例である。
【0084】
誘導掘削装置Aの他の実施形態
まず誘導掘削装置Aについて以下の実施形態として構成できる。
【0085】
前記実施形態ではインナツール7に1つの間接部22を設けたが複数箇所に設ける構成として、曲線掘削への追従性を高めることができる。
【0086】
前記実施形態ではインナツール7の最後部となるスピア38がアウタツール6の最後部となるレジューサ11の管内に位置するが、実質的にはアウタツール6(レジューサ11)の管内に位置し、部分的にロッド部2に突出する形態としてもよい。
【0087】
前記実施形態では回収用ロッド3を用いるが、これに換えてワイヤラインをオーバーショット4に連結してもよい。また回収用ロッド3とオーバーショット4に換えて、スピア38に直結可能な中空又は中実のロッドを用いてもよい。さらにスピア38については係合頭部38aに換えて螺合部を有するものとし、これと連結可能な螺合部を有するロッド等を使用してもよい。
【0088】
誘導掘削装置Aについては、以上のごとく様々な他の形態での実施が可能であるが、基本的には誘導掘削の後にサンプリング管Bを挿入して地盤に貫入することができれば良い。誘導掘削装置Aは、発進側から削孔しつつ推進する「片押し推進」を行うものであるが、これと同様の装置として例えば本出願人による特開2004−232304号公報に記載の装置を、誘導掘削装置Aに代えて使用することも可能である。
【0089】
誘導掘削装置Aのその他の例としては、所謂フローモール工法で使用する誘導掘削装置を利用することもできる(例えば特開平11−190190号公報参照。)。これを利用する土壌試料採取工法の他の実施形態としては、まず図16で示すように掘削ロッド53を誘導掘削にて推進させて、サンプリング地点まで到達させる。掘削ロッド53の先端には直線掘削及び曲線掘削による方向制御を行うための土圧受け面53aが形成されている。そしてサンプリング地点まで到達したならば、発進側からケーシング管54を掘削ロッド53の外側に被せるようにして推進させる。ケーシング管54は先端に装着したリングビット54aで地盤を掘削しながら、図17(A)で示すように掘削ロッド53に沿ってその先端まで推進する。次に掘削ロッド53を発進側へ引き戻して回収してから、図17(B)で示すように前述のサンプリング管Bをケーシング管47の管内を通じてその先端へと推進させる。この後は前述の第1実施形態と同様に、サンプリング管Bを地盤に推進させて土壌試料を採取する方法(図10から図11の工程)、あるいは前述の第2実施形態と同様に、ケーシング管54のみを地盤に直線掘削により推進させて内部に土壌試料を取り込んでからサンプリング管Bをケーシング管54の内部で推進させて土壌試料を採取する方法(図10から図13の工程)、他にも前述の第3実施形態と同様に、ケーシング管54のみを地盤に直線掘削により推進させて内部に土壌試料を取り込んでからサンプリング管Bをケーシング管54に挿入して土壌試料を採取する方法(図14の工程)を実施することで、サンプリング管Bの管内に土壌試料柱52を採取することができる。以上の実施形態によれば、ケーシング管54として口径サイズの大きいものを利用できるので、その内部に挿入するサンプリング管Bも前述の実施形態のものよりも大口径化することが可能となる。したがってより多くの土壌試料を採取できる利点がある。なお本実施形態では、ケーシング管54が本発明における「ロッド」及び「アウタロッド」に対応し、掘削ロッド53が本発明における「インナロッド」に対応することになる。
【0090】
サンプリング管Bの他の実施形態
サンプリング管Bについては、長手方向に沿う部分長又は全長にわたって半割可能なロッドとして構成すれば土壌試料柱の管内からの取り出しや汚染状況の調査を容易に行える。また管内への土壌試料柱52の採取状態を目視可能なスリットを設けるようにしてもよい。
【0091】
誘導掘削装置Cの他の実施形態
誘導掘削装置Cのインナビット47については、図7で示すように土圧受け面24がアウタビット45の土圧受け面13と面一になるものを例示した。しかし直線掘削のみを行う場合であれば、例えば図18で示すようにインナツール7を構成してもよい(アウタツール6は図7と同じ。)。このインナツール7はインナビット55とラッチ部21とを備えている。これは例えばサンプリング地点での土壌試料柱52の採取後に、そのまま直線掘削して他のサンプリング地点に到達させる場合等に好適に使用できる。このようにインナビット55の先端をアウタビット45の土圧受け面13と不連続面(本形態では円柱状)とすることで、掘削ツール1全体として土圧受け面13の面積が少なくなり、アウタビット45の土圧受け面13だけでは方向制御に不十分となるため、アウタツール6を連続回転させなくとも直線掘削することができるようになる。
【0092】
サンプリング管Dの他の実施形態;
前記実施形態ではサンプリング管Dがアウタツール6の先端から突出する長さのものを例示したが突出しない長さのものでもよい。
【0093】
土壌試料採取工法の他の実施形態
以上説明した実施形態では、サンプリング管B,Dの回収後にアウタツール6又はケーシング管54を回収する例を説明したが、サンプリング管B,Dとそれらを同時に引き戻して回収することも可能である。これによれば一工程でサンプリング管Bとアウタツール6又はケーシング管54とを回収することができ、土壌試料採取の作業効率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】一実施形態による掘削ツールの内部構造断面図。
【図2】図1のアウタツール及びロッド部の断面図。
【図3】図1のインナツールの断面図。
【図4】図1のインナツールの動作説明図。
【図5】図1のインナツールと一実施形態によるオーバーショットとの連結動作説明図。
【図6】サンプリング管Bの断面図。
【図7】他の掘削ツールの内部構造断面図。
【図8】サンプリング管Dの断面図。
【図9】第1実施形態による土壌試料採取工法の工程説明図で、サンプリング地点への掘削ツールの到達状態を示す地盤内概略断面図。
【図10】図9に続く工程説明図で、アウタツールへのサンプリング管の敷設状態を説明する地盤内要部断面図。
【図11】図10に続く工程説明図で、サンプリング管Bの地盤への推進状態を示す地盤内要部断面図。
【図12】図11の地盤内概略断面図。
【図13】第2実施形態による土壌試料採取工法の工程説明図で、分図(A)は図9に続くアウタツールの推進状態説明図、分図(B)はその後行うサンプリング管Bの推進説明図、分図(C)はサンプリング管Bの推進の終了状態の説明図。
【図14】第3実施形態による土壌試料採取工法の工程説明図で、分図(A)はアウタツールの推進状態説明図、分図(B)はその後行うサンプリング管Bの推進説明図、分図(C)はサンプリング管Bの推進の終了状態の説明図。
【図15】第4実施形態による土壌試料採取工法の工程説明図で、アウタツールとサンプリング管Dの推進の終了状態を示す説明図。
【図16】他の実施形態による土壌試料採取工法の工程説明図で、掘削ロッドの推進後に行うケーシング管の推進状態を示す地盤内概略断面図。
【図17】図16に続く工程説明図で、分図(A)はケーシング管推進後の地盤内要部断面図、分図(B)はケーシング管へのサンプリング管の敷設過程を示す地盤内要部断面図。
【図18】他の掘削ツールの内部構造断面図。
【符号の説明】
【0095】
A 誘導掘削装置(第1実施形態)
B サンプリング管(第1実施形態)
C 誘導掘削装置(第2実施形態)
D サンプリング管(第2実施形態)
1 掘削ツール
2 ロッド部
3 回収用ロッド(回収用線状体)
4 オーバーショット(回収用線状体)
5 掘削推進装置
6 アウタツール(ロッド,アウタロッド)
7 インナツール(インナロッド)
8 アウタビット
8a 貫入口
9 カップリング
10 ゾンデケース
11 レジューサ
12 超鋼チップ
13 土圧受け面
14 前側係合受け部
15 係合溝
16 後側係合受け部
17 ゾンデ
18 信号透過部
19 通路
20 インナビット
21 ラッチ部(ラッチ)
22 関節部
23 ゾンデ格納部
24 土圧受け面
25 係合突起
26 通路
27 噴射口
28 シャフト
28a 後端部
28b ガイド内面
29 係合翼片
29a 肩部
30 回動支軸
31 ばね
32 作動ロッド
32a 後端部
33 ラッチケース
33a 開口縁
34 ばね
35 回動支軸
36 インナゾンデケース
37 緩衝材
38 スピア
38a 係合頭部
39 ケース
39a 挿通孔
40 ラッチ片
41 回動支軸
42 延長ロッド
43 延長ロッド(サンプリング管)
44 サンプラー(サンプリング管)
44a 土壌採取口
45 アウタビット
46 カップリング
47 インナビット
48 通路
49 噴射口
50 後側係合受け部
51 サンプラー
51a 土壌採取口
51b 逆止弁
51c 係合突起
52 土壌試料柱
53 掘削ロッド(インナロッド)
53a 土圧受け面
54 ケーシング管(アウタロッド)
54a リングビット
55 インナビット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のロッドと、
先端に土壌採取口を有し、サンプリング地点に敷設した前記ロッドに地上側から内挿されて前記ロッドの先にある土壌試料を前記土壌採取口から取り込んで採取するサンプリング管と、を備える土壌試料採取装置。
【請求項2】
サンプリング管が先端に前記土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有する請求項1記載の土壌試料採取装置。
【請求項3】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されて前記土壌試料採取口から土壌試料を採取するサンプリング管とを備える土壌試料採取装置。
【請求項4】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されて、前記土壌採取口から土壌試料を前記サンプラーに採取するサンプリング管とを備える土壌試料採取装置。
【請求項5】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設する筒状のアウタロッドと、
アウタロッドに対して挿抜可能であり前記誘導掘削時にはアウタロッドの先端開口を閉じるようにアウタロッドに装着するインナロッドと、
先端に土壌採取口を有するサンプラー及びアウタロッドに対して係脱可能なラッチ部を有し、土壌試料採取時にはアウタロッドから抜き取ったインナロッドに換えてアウタロッドに内挿されるとともに前記ラッチ部の係合によりアウタロッドの先端側内部に固定されて、前記土壌採取口から土壌試料を前記サンプラーに採取するサンプリング管とを備える土壌試料採取装置。
【請求項6】
サンプリング管に、管内に取り込んだ土壌試料が土壌採取口から抜け出さないように留める逆止弁を備える請求項1〜請求項5何れか1項記載の土壌試料採取装置。
【請求項7】
インナロッドが、地上に延在する延長ロッドと、地盤を掘削するインナビットとを備える請求項3〜請求項6何れか1項記載の土壌試料採取装置。
【請求項8】
インナロッドが、アウタロッドに対して係脱可能なラッチ部と、地盤を掘削するインナビットとを備える請求項3〜請求項7何れか1項記載の土壌試料採取装置。
【請求項9】
インナロッドがアウタロッドの先端側内部に収容される長さとなっている請求項3〜請求項8何れか1項記載の土壌試料採取装置。
【請求項10】
アウタロッド又はインナロッドの少なくとも何れかに、それらの軸方向に沿う打撃を伴う片押し推進力を付与する掘削推進装置を備える請求項3〜請求項9何れか1項記載の土壌試料採取装置。
【請求項11】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設した筒状のロッドの管内に、土壌採取口を有する筒状のサンプリング管を送り込み前記ロッドの先にある土壌試料を前記土壌採取口から取り込んで採取する土壌試料採取工法。
【請求項12】
前記サンプリング管が前記土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有しており、
サンプリング地点に敷設した前記ロッドの管内に、そのサンプリング管を送り込むとともに、前記ロッドの先端開口を通じてその先の地盤中へと推進させることで、土壌試料を前記土壌採取口からサンプラーに取り込んで採取する請求項11記載の土壌試料採取工法。
【請求項13】
地盤中へ推進させたサンプリング管に沿って前記ロッドを推進させて敷設長を延長した後、さらにサンプリング管を推進させて土壌試料を該サンプリング管に取り込んで採取する請求項11又は請求項12記載の土壌試料採取工法。
【請求項14】
地上から地盤中のサンプリング地点に誘導掘削にて敷設した二重管状の掘削ロッドのうちのインナロッドを地上へ引き戻して回収し、地盤に残存するアウタロッドの管内に、筒状のサンプリング管を送り込み前記ロッドの先にある土壌試料を採取する土壌試料採取工法。
【請求項15】
サンプリング管が土壌採取口を有するサンプラーと地上まで延在する延長ロッドとを有しており、
サンプリング地点に残存する前記アウタロッドの管内に、そのサンプリング管を送り込むとともに、前記アウタロッドの先端開口を通じてその先の地盤中へと推進させることで、土壌試料を前記土壌採取口からサンプラーに取り込んで採取する請求項14記載の土壌試料採取工法。
【請求項16】
地盤中へ推進させたサンプリング管に沿って前記アウタロッドを推進させて敷設長を延長した後、さらにサンプリング管を推進させて土壌試料を該サンプリング管に取り込んで採取する請求項14又は請求項15記載の土壌試料採取工法。
【請求項17】
地上から地盤中のサンプリング地点に、先端開口をインナロッドで閉じた状態として前記アウタロッドを誘導掘削にて敷設し、サンプリング地点に到達したならば、インナロッドを地上側に後退させてから、アウタロッドを推進させて先端開口から土壌試料を取り込み、アウタロッドに送り込んだサンプリング管にてアウタロッドに取り込んだ土壌試料を採取する請求項14記載の土壌試料採取工法。
【請求項18】
地上から地盤中のサンプリング地点に、先端開口をインナロッドで閉塞した状態で筒状のアウタロッドを誘導掘削にて敷設し、サンプリング地点に到達したならば、アウタロッドからインナロッドを抜き取り、それに換えて土壌採取口を有するサンプラーとアウタロッドに対して係脱可能なラッチ部とを備えるサンプリング管を送り込むとともに、該ラッチ部にてアウタロッドの先端側内部にサンプリング管を固定し、アウタロッドを推進させることでサンプラーにて土壌試料を採取する土壌試料採取工法。
【請求項19】
ラッチ部の係合解除により土壌試料を採取したサンプリング管をアウタロッドから抜去した後、アウタロッドにインナロッドを送り込むとともにアウタロッドを推進させて次のサンプリング地点まで掘削する請求項18記載の土壌試料採取工法。
【請求項20】
アウタロッド又はインナロッドの少なくとも何れかに、それらの軸方向に沿う打撃を伴う片押し推進力を付与して誘導掘削する請求項14〜請求項19何れか1項記載の土壌試料採取工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−270608(P2007−270608A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57266(P2007−57266)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000141082)株式会社キャプティ (22)
【Fターム(参考)】