説明

圧力パッドを有しプラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形するための装置

【課題】圧力パッド配列の圧力パッドは、少なくとも一方のブロー金型運搬部と当該ブロー金型運搬部に配置されたブロー金型部とを両者の間に作用する力によって互いに引き離すために、流動性を有する圧力媒体を作用されることができる、プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形するための装置を提供する。
【解決手段】圧力パッド配列は、ブロー金型運搬部6aとブロー金型部4aとの間に作用する力が、ブロー金型部4aの周囲方向の第1の所定の領域B1に作用する第1の力成分F1と、ブロー金型部4aの周囲方向の第2の所定の領域B2に作用する第2の力成分F2とを有し、第1の領域B1と第2の領域B2とが互いに離れて位置し、第1の力成分F1および第2の力成分F2の方向が互いに対して0°ではない角度をなすように設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置および方法は、従来技術から長きにわたって知られている。このように、例えば、ブロー金型またはブロー金型部を運搬装置に配置するとともにこれらの運搬装置と一緒に開閉可能とし、ブロー金型が閉じた状態にあるときにプラスチック製予備成形物をこのブロー金型の内部で具体的には圧縮空気を作用させることによって膨張させて、プラスチック製容器を形成することが知られている。
【0003】
この場合、原則として2つの金型運搬枠が設けられ、それぞれにブロー金型部が固定して配置される。次いで、これらの金型運搬枠が、ブロー金型運搬装置またはブロー金型運搬部にそれぞれ配置される。この場合、金型運搬枠の片枠をその外径において囲む三次元の打ち込みシールを、例えばこのブロー金型運搬装置と金型運搬枠との間の圧力パッドの側に配置できることも知られている。この場合、このシールが、ブロー成型の工程において圧縮空気を作用させることができる空洞を形成する。この圧縮空気の作用の結果として、実際の成型工程において2つのブロー金型部が互いに押し合わされることで、具体的には2つのブロー金型部の境目において、形成される容器の精度を保証することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、金型運搬枠をブロー金型運搬装置に固定する手段が、通常は上述のシール窓の外側に取り付けられる。しかしながら、金型運搬装置上および金型運搬枠上のこれらの地点は、ブロー成型プロセスによって強く影響され、ブロー成型プロセスの最中に比較的大きな変形を生じる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、PET製の瓶について絶えず高まる品質の要件を満たすとともに、上述のブロー成型プロセスによってさらに高い品質等級の製品を製造することにある。製造されるプラスチック製容器のさらに高い品質を、具体的には2つのブロー金型部が接触することによって形成される境目の領域において達成すべきである。さらに、ブロー成型プロセスの最中の金型運搬装置および金型運搬枠における安定性を向上させる機会も提供されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、これらの目的は、独立請求項の主題によって達成される。
【0007】
従属請求項の主題は、好ましい実施形態およびさらなる展開からなる。
【0008】
プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形するための本発明に係る装置は、少なくとも2つのブロー金型部を有するブロー金型を有しており、前記ブロー金型部は、互いに対して可動であるように配置されるとともに前記ブロー金型の閉状態において空洞を形成し、該空洞の内部において、流動性を有する媒体(具体的には気体の媒体であり、とりわけ空気である)を作用させることによってプラスチック製予備成形物を膨張させてプラスチック製容器を形成することができ、前記第1のブロー金型部が、第1のブロー金型運搬部に配置され、前記第2のブロー金型部が、第2のブロー金型運搬部に配置され、前記第1のブロー金型運搬部が、前記ブロー金型を開閉するために、前記第2のブロー金型運搬部に対して可動である。
【0009】
さらに、圧力パッド配列が、少なくとも一方のブロー金型運搬部と当該ブロー金型運搬部に配置されたブロー金型部との間に配置され、この圧力パッド配列の圧力チャンバまたは圧力パッド装置に流動性を有する圧力媒体を作用させることで、前記少なくとも一方のブロー金型運搬部と当該ブロー金型運搬部に配置されたブロー金型部とを、両者の間に作用する力によって互いに引き離すことができる。
【0010】
本発明によれば、前記圧力パッド配列は、前記ブロー金型運搬部と前記ブロー金型部との間に作用する力が、前記ブロー金型部の周囲方向の第1の所定の領域(好ましくは、空間的に定義または画定できる)に作用する第1の力成分と、前記ブロー金型部の周囲方向の第2の所定の領域に作用する第2の力成分とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが互いに離れて位置し、前記第1の力成分および前記第2の力成分の方向が互いに対して0°ではない角度をなすように設計される。このように、力成分が作用する所定の領域は、好ましくは圧力パッド配列の形状、特に幾何学的な形状によってもたらされる。
【0011】
ブロー金型部のブロー金型運搬部への配置は、このブロー金型部がブロー金型運搬部に少なくとも間接的に(すなわち、さらなる部材を介して)配置されるものであると理解すべきである。ブロー金型部が運搬枠に配置され、好ましくはこの運搬枠がブロー金型運搬部に配置され、ブロー金型運搬部と上述の運搬枠との間に上述の圧力パッド配列が形成されることが通例である。従来技術において、ブロー金型運搬部とブロー金型部との間に、圧縮空気を作用させることができる1つだけの一様な圧力パッドを配置することが通常である。したがって、圧力パッドの作動時に、結果としての力が1つだけの方向に作用し、ブロー金型およびブロー金型運搬装置がこの結果としての方向に押し離される。この場合に、この1つだけの力の印加がブロー成型の工程において応力を生じさせ、最終的にこの手法で形成されるプラスチック製容器の形状に影響を及ぼす可能性がある。圧力パッドに作用する流動性の媒体は、具体的には気体の媒体であり、好ましくは空気であり、適宜無菌の空気である。
【0012】
本発明によって提案される手順によれば、圧力パッドの位置および設計は、金型運搬装置および(金型)運搬枠における変形が小さくなるような形態にて構成される。さらに詳しくは、圧力パッドによって加えられる力が、異なる角度で運搬枠またはブロー金型に作用する少なくとも2つの成分へと分割され、結果として膨張の工程の最中の応力のリスクが軽減される。好ましい態様において、2つの力成分は互いに独立であり、特にこれらの大きさに関して、互いに独立に設定可能であることが好ましい。
【0013】
ブロー金型部とブロー金型運搬部とを互いから押し離そうとする力は、少なくとも周囲方向における前記2つの領域の間においては少なくとも局所的には(前記力成分からベクトル的に形成される力の他には)まったく作用せず、あるいは前記力成分よりも大幅に小さいことが好ましい。
【0014】
好ましい態様において、プラスチック製予備成形物を成形するための装置は、膨張の工程においてプラスチック製予備成形物を膨張させるためにプラスチック製予備成形物に気体の媒体を作用させ、具体的には圧縮空気を作用させる加圧装置をさらに有する。
【0015】
さらに、装置は、好ましくは膨張の工程においてプラスチック製予備成形物をこれらの長手方向に引き伸ばす伸展棒をさらに有する。
【0016】
さらなる好ましい態様において、特に膨張の工程において金型運搬部を一体に固定する固定装置がさらに設けられる。この場合に、この固定を、カムによって制御される方式で係合させることができ、2つの金型運搬部が膨張の工程の開始時に一体に固定され、膨張の工程の間も一体に固定されるような形態で構成することができる。上述のように、2つの力成分を有する設計によって、2つのブロー金型部をさらに均一に押し合わせることができる。
【0017】
さらなる好ましい態様において、装置は、2つの金型運搬部のうちの一方にこの形式の圧力パッド配列を1つだけ有する。
【0018】
さらなる好ましい態様において、前記第1の力成分の方向と前記第2の力成分の方向との間の角度が、10°から170°までの間、好ましくは20°から160°までの間、好ましくは30°から150°までの間、好ましくは45°から135°までの間、好ましくは60°から120°までの間、特に好ましい態様では75°から105°までの間である。力の方向をこのようにすることで、きわめて有効な方法で2つのブロー金型部を互いに対して効果的に押し合わせることが可能となる。このようにして、具体的には、2つの力が互いに対して上述の角度に位置するように、圧力パッドがV字の構成に配置される。好ましい態様において、運搬枠は、上述の圧力パッドが所定の位置に位置決めされるように、確実に固定できる保持手段によってブロー金型運搬部に保持される。
【0019】
ブロー金型運搬部の少なくとも一方、好ましくは両方のブロー金型運搬部は、少なくともブロー金型部および/または金型運搬枠に面する側に、V字形の構造を有することが可能である。また、一方のブロー金型運搬部だけが上述のV字形の構造を有し、他方のブロー金型運搬部が、例えば円形の構造または長円形の構造(一般的には、少なくとも断面において湾曲した構造)などの別の構造を有してもよい。したがって、この場合には、ブロー金型を受け入れるためのブロー金型運搬部の収容領域が、他方のブロー金型運搬部の収容領域とは異なる構造を有する。特に、圧力パッドが配置されるブロー金型運搬部が、V字形の構造を有する。
【0020】
V字形の構造は、互いに対して角度をなす2つのアームを備えるより狭い意味でのV字形の形態、ならびに、角度をなしたこれらアームが、2つのアームの間に形成される角度の二等分線に対して垂直な、少なくとも1つ、好ましくは1つのさらなる部位によって接続されている構造であると理解されるべきである。
【0021】
また、ブロー金型部は、ブロー金型運搬部に面する側に、湾曲した(例えば、円形の)構造またはV字形の構造を有することができる。さらに、2つのブロー金型部のうちの一方がV字形の構造を有し、他方が湾曲した構造または円形の構造を有してもよい。円形またはV字形の構造は、特にブロー金型の長手方向に対して垂直な平面における幾何学的形状を意味すると理解される。
【0022】
また、1つのブロー金型部をブロー金型運搬部によって直接受け入れること、すなわちブロー金型運搬枠を備えないことも可能である。この場合、該当のブロー金型部をブロー金型運搬部に直接接触させることができ、あるいはブロー金型部とブロー金型運搬部との間に圧力パッドを配置することができる。
【0023】
さらに好ましい態様において、圧力パッド配列が、互いに少なくとも部分的または局所的に分離した、好ましくは完全に分離した第1の圧力パッド装置および第2の圧力パッド装置を有する。これらの上述の圧力パッド装置によって、上述の2つの力を、適宜ブロー金型または運搬枠へと互いに独立に加えることも可能である。しかしながら、圧力パッド装置を1つだけ設け、上述の2つの力を生み出すように配置することも可能である。これは、例えば、圧力パッド装置の内側に設けられ、ブロー金型の周囲方向における上述の2つの力成分の間の中央領域に加わる力が皆無またはわずかであるように保証する横断部材によって達成することができる。
【0024】
圧力パッド装置が少なくとも部分的に分離して構成されることに関し、特に、これらの圧力パッド装置が接続部によって互いに接続されていてもよいと理解すべきである。この接続部は、少なくとも一方の圧力パッド装置の側縁全体にわたって延びることなく、その側縁の一部のみ、好ましくは、側縁の50%未満、好ましくは側縁の30%未満、好ましくは側縁の20%未満だけ延びている。
【0025】
換言すると、部分的に分離している圧力パッド装置は、好ましくは、2つの圧力パッド装置のうちの少なくとも一方の圧力パッド装置の外周の20%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満にわたって延びる接続部によってのみ、互いに接続される。
【0026】
さらに好ましい態様において、装置は、流動性を有する媒体を第1の圧力パッド装置に供給するための第1の供給装置と、該第1の供給装置とは別体であって流動性を有する媒体を第2の圧力パッド装置に供給するための第2の供給装置とを備える。このようにして、2つの圧力パッド装置について異なる制御が可能である。さらに、2つの圧力パッド装置のための供給ダクトを互いに完全に別にすることができるが、流動性を有する媒体、すなわち圧縮空気を、2つの圧力パッド装置に共通の接続によって供給することも可能である。
【0027】
さらに好ましい態様において、圧力パッド配列は、流動性を有する圧力媒体が作用する空間、すなわち圧力チャンバを画定する連続的な一続きのシール装置を有し、該シール装置が平坦な壁の領域に接している。従来技術において、三次元的に接するシール装置を使用することが通常であり、すなわち、具体的には運搬枠またはブロー金型あるいはブロー金型運搬装置の湾曲した部分にも広がるシール装置を使用することが通常である。この態様において、シール装置を1つの平面だけに、すなわち真っ直ぐな平面に、したがって二次元の範囲だけに広げることが提案される。このようにして、シール効果の改善が可能である。
【0028】
さらに好ましい態様において、圧力パッド配列が、ブロー金型運搬部と、ブロー金型部を保持する運搬枠との間に配置される。この場合には、この運搬枠は、ブロー金型部がこの運搬枠から解放可能であるように設計されることができる。
【0029】
さらに好ましい態様において、装置が、ブロー金型部をブロー金型運搬部に保持するための保持装置を備え、この保持装置が、ブロー金型の周囲方向において圧力パッド配列の領域の間に配置される。この態様の場合には、保持装置を好ましくは圧力パッド配列に対して真ん中に配置することが提案され、例えば圧力パッド装置が1つだけしか設けられない場合には、対応する境界の横断部材に設けることが可能である。
【0030】
しかしながら、保持装置を第1の圧力パッド装置と第2の圧力パッド装置との間に配置することが好ましい。この保持装置の領域において圧力パッドそのものによってブロー金型の方向に力が加えられないことが好ましい。
【0031】
さらに本発明は、プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形する方法であって、2つのブロー金型部を有するブロー金型が備えられ、前記ブロー金型部が、互いに対して可動であるように配置されるとともに前記ブロー金型の閉状態において空洞を形成し、この空洞の内部において、流動性を有する媒体、具体的には圧縮空気を作用させることによってプラスチック製予備成形物が膨張させられてプラスチック製容器が形成される方法に関する。
【0032】
この場合において、第1のブロー金型部が第1のブロー金型運搬部に配置され、第2のブロー金型部が第2のブロー金型運搬部に配置される。第1のブロー金型運搬部が、ブロー金型を開閉するために第2のブロー金型運搬部に対して移動する。さらに、圧力パッド配列が、少なくとも一方のブロー金型運搬部と当該ブロー金型運搬部に(少なくとも間接的に)配置されたブロー金型部との間に配置され、該圧力パッド配列の圧力チャンバまたは圧力装置に流動性を有する圧力媒体を作用させることで、前記少なくとも一方のブロー金型運搬部と当該ブロー金型運搬部に配置されたブロー金型部とがこれらの間に作用する力によって互いに引き離される。
【0033】
本発明によれば、前記圧力パッド配列は、前記ブロー金型運搬部と前記ブロー金型部との間に作用する力が、該ブロー金型部の周囲方向の第1の所定の領域に作用する第1の力成分と、前記ブロー金型部の周囲方向の第2の所定の領域に作用する第2の力成分とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが互いに離れて位置し、前記第1の力成分および前記第2の力成分の方向が互いに対して0°ではない角度をなすように設計される。
【0034】
したがって、上記方法に関して、圧力パッド配列を、ブロー金型部またはブロー金型部を保持する運搬枠に作用する少なくとも2つの力成分がもたらされるような形態で設計することが提案される。
【0035】
上記方法において、好ましくは、ブロー金型部とブロー金型運搬部との間に作用する保持力が、前記第1の力成分と前記第2の力成分との間においてブロー金型の周囲方向に作用する。
【0036】
さらなる利点および実施形態が、添付の図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来技術に係る容器の処理設備を示している。
【図2】従来技術に係るブロー成型ステーションの図である。
【図3】(a),(b)本発明を説明するための2つの概略図である。
【図4】プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形するための本発明に係るブロー成型ステーションを示している。
【図5】プラスチック製予備成形物をプラスチック製容器に成形するためのブロー成型ステーションの一部分の図である。
【図6】ブロー金型を保持するための運搬枠の図である。
【図7】本発明に係るブロー金型運搬部の図である。
【図8】図7に示したブロー金型運搬部の上面図である。
【図9】本発明に係るブロー金型運搬部のもう1つの図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、プラスチック製容器を製造するための従来技術に係る設備の概略図である。この設備50は、プラスチック製予備成形物10を加熱する加熱装置30を有している。この場合、これらのプラスチック製予備成形物10が、ここでは循環チェーンなどの搬送装置34によってこの加熱装置30を通って搬送され、その際に複数の加熱素子31によって加熱される。この加熱装置30には、プラスチック製予備成形物10を殺菌装置32へ移動させる移動ユニット36が取り付けられている。この場合に、この殺菌装置32も同様に、搬送ホイール37を有しており、殺菌素子をこの搬送ホイール37上に配置でき、あるいは固定した状態で配置することもできる。この領域において、例えば過酸化水素ガスによる殺菌が可能であり、あるいは電磁放射線による殺菌でさえも可能である。具体的には、予備成形物の内部の殺菌を、この領域において行なうことができる。
【0039】
参照番号20はクリーンルームの全体を示しており、クリーンルームの外側の境界が、ここでは点線Lによって示されている。さらに好ましい実施形態において、クリーンルーム20は、搬送ホイール2および充填装置40の領域にだけ配置されるのではなく、可能であれば加熱装置30、殺菌装置32、プラスチック製予備成形物の供給および/またはプラスチック製予備成形物の製造の領域においてすでに始まっている。ここでは、クリーンルーム20は、殺菌ユニット32の領域において始まっていることが分かる。この場合に、クリーンルームの内側を過度に多くの気体が流れて失われることなく、クリーンルーム20へプラスチック製予備成形物を導入するために、この領域に分離装置を設けることができる。
【0040】
破線Lによって示されるとおり、クリーンルームは、設備の個々の構成要素の外形に応じて構成されている。このようにして、クリーンルームの容積を減らすことができる。
【0041】
参照番号1は、複数のブロー成型ステーションまたは成形ステーション8が搬送ホイール2上に配置されている成形装置の全体を示している。ここでは、これらブロー成型ステーション8のうちの1つだけが示されている。プラスチック製予備成形物10が、これらのブロー成型ステーション8によって膨張させられ、容器10aが形成される。ここでは詳しくは示されていないが、搬送装置2の全領域がクリーンルーム20の内側に位置するのではなく、クリーンルーム20またはアイソレータは、いわば装置全体の内側に小型アイソレータの形態にて設計されている。このようにして、クリーンルームを、少なくとも成形装置1の領域において、ダクトの形態で設計することが可能である。
【0042】
参照番号22は、予備成形物を成形装置1へ移動させる供給装置に関し、参照番号24は、製造されたプラスチック製容器20を成形装置1から取り出す取り出し装置に関する。供給装置22および取り出し装置24の領域において、クリーンルーム20がいずれの場合もこれらの装置22、24を受け入れる凹所を有することが分かる。このようにして、プラスチック製予備成形物10の成形装置1への移動、またはプラスチック製容器10aの成形装置1からの移動を、きわめて効果的な方法で実行することができる。
【0043】
膨張後のプラスチック製容器は、移動ユニット42によって充填装置40へ移動され、次いでさらなる搬送ユニット44によってこの充填装置40から取り出される。この場合、充填装置40も、上述のクリーンルーム20の内側に位置している。充填装置について、例えば飲料のリザーバを有する充填装置40の全体を完全にクリーンルーム6の内側に配置するのではなく、この場合には容器が実際に案内される領域だけをクリーンルームの内側に配置することも可能である。この点に関し、充填装置をプラスチック製予備成形物10を成形するための装置1と同様の要領で設計することも可能である。
【0044】
上述のように、クリーンルーム20は、装置1の領域において可能な限り小さな領域へと縮小されており、すなわち実質的にブロー成型ステーション8そのものにまで縮小されている。クリーンルーム20をこのようにコンパクトな設計とすることによって、さらに容易かつさらに迅速な方法でクリーンルームを一般に製造することができることに加え、稼働の段階においてシステムを無菌に保つために必要な経費も少なくて済む。必要とされる無菌の空気もより少なくてよいので、結果としてフィルタユニットが小さくて済み、制御されない渦の形成の恐れも少なくなる。
【0045】
図2は、ブロー成型ステーション8の領域における装置1の詳細図である。この形式の複数のブロー成型ステーション8は、軸Xを中心にして回転するように、搬送装置2または運搬装置によって移動する。図2から明らかなように、ブロー成型ステーション8は、ここではダクトの形態で設計されたクリーンルーム20の内側を案内される。このクリーンルーム20は、可動の側壁19と、この側壁19に一体に形成されたカバー17とによって閉塞されている。この場合、この側壁19とカバー17は、ブロー成型ステーション8と一緒に回転する。
【0046】
参照番号18は、クリーンルーム16を画定するさらなる壁に関する。この壁18は、ここでは外側に位置する壁であり、固定して配置された壁である。カバー17および壁18の間には、例えば、サージチャンバを使用することによって、上述のように互いに対して可動である部材17および18を互いに密封する密封装置25が設けられている。壁18の下部領域は、床13の上に固定してかつ密閉状態で配置されている。クリーンルーム20の内側には、ブロー成型ステーション8を保持する保持装置23が設けられた運搬装置26が設けられている。運搬装置26は、回転動作可能であるとともに、この場合には壁19に直接接して設けられている。
【0047】
参照番号11は、特にプラスチック製予備成形物をブロー成型ステーションに導入して再び取り出すために、クリーンルーム6を通過するブロー成型ステーションの経路上でブロー成型ステーションを開閉するように案内カム9によって駆動することができる従動装置に関する。この場合には、案内カム9もクリーンルーム20の内側に配置されている。しかしながら、例えば各ブロー成型ステーション8よりも下側の部分11をクリーンルーム20の外部に配置することも可能である。
【0048】
搬送装置2は、クリーンルーム20の上方に配置されるさらなる要素を有することができる。
【0049】
この場合、運搬装置26は保持体29上に固定して配置され、この保持体は床13に対して可動である。この場合、参照番号27は、この領域においても互いに対して可動である領域13および29を密封するさらなる密封装置に関する。
【0050】
参照番号5は、プラスチック製予備成形物10を該予備成形物の長手方向に引き伸ばすように、ブロー成型ステーションに対して移動可能な伸展棒に関する。この場合、ここではスライド12がカバー17上に配置され、このスライド12に対して伸展棒がY方向に移動することができる。参照番号21は、この伸展棒5のスライド12のためのさらなる保持手段に関する。
【0051】
伸展棒の特定の領域が、ブロー成型の工程においてクリーンルーム20の外側およびクリーンルーム20の内側の両方に位置することが明らかである。この目的のために、折り畳み式ベローズなどの保護装置を、クリーンルーム20の外側またはスライド12の上方に設け、折り畳み式ベローズ14が、伸展棒5のいかなる領域も外部の環境に直接触れることがないように伸展棒5の周囲を囲むようにすることも可能である。参照符号Uは、クリーンルーム20の(無菌でない)周囲の環境を示している。参照番号28は、ブロー金型4の構成部品を形成している下部金型を保持する運搬装置を示している。この運搬装置も、この場合には同様にY方向に可動である。
【0052】
参照番号55は、この場合には好ましくはクリーンルーム20の内部に配置され、個々の成形ステーションまたはこれら成型ステーション8の部品を殺菌するために使用される殺菌装置に関する。この殺菌装置55は、この場合には、例えば過酸化水素または他の殺菌剤を成型ステーション8に作用させることができる。この場合に、殺菌装置55は所定位置に固定して配置されることができ、成形ステーションが殺菌装置55に対して移動することができる。この殺菌装置または加圧装置55は、搬送ホイール2または垂直な壁18に配置されることができ、あるいはおおむね所定位置に固定して配置されてノズルなどから構成されることができる。さらに、クリーンルーム20を殺菌するために通気システムによって無菌の空気をクリーンルーム20へ導入することが好ましい。
【0053】
ブロー金型(図示略)は、ブロー金型運搬装置6の内側に配置される。さらに詳しくは、この場合に、互いに対して回転可能な2つのブロー金型運搬部を設けることができ、各々のブロー金型運搬部が1つのブロー金型部を保持することができる。ブロー金型は、プラスチック製予備成形物を導入し、仕上がったブロー成型後の容器を取り出すために、その回転動作によって開くことができる。これらのブロー金型運搬装置およびブロー金型も、やはりこの場合にはクリーンルームの内側に配置される。
【0054】
一方、(図2に示されている以外に)搬送装置2または運搬装置は、クリーンルームの外壁の一部も形成するC字形の外周面を有することも可能であり、好ましい。このようにして、このC字形のクリーンルームの壁が、搬送装置2、すなわちブローホイールと一緒に回転する。この実施形態において、クリーンルームの下部境界は、床13から離れて配置され、床に対して移動する。このようにして、クリーンルームを、図2に示されているものよりもさらに小さくすることができる。この場合、クリーンルームの内壁ならびに下側および上側カバーの両方を形成する搬送装置のこのC字形の外形は、クリーンルームの外壁に対してのみ密封されることが好ましい。この際に、この外壁は、固定して配置されることが好ましい。
【0055】
図1および2に示されている構成は、無菌のブロー成形の構成に関する。しかしながら、本発明は、従来のまたは無菌でないブロー成型装置の場合にも同様に適用可能である。さらに、図1に示した設備の概念は、無菌の装置および無菌でない装置の両方に適用可能である。
【0056】
図3(a)および図3(b)は、本発明が有する課題およびその解決手段を説明するための2つの概略図である。図3(a)は、従来技術に係る関係を示している。この場合に、同図において、ブロー金型4aが(適宜運搬枠を用いて)配置されるブロー金型運搬ユニット6aが備えられている。しかしながら、ブロー金型を運搬装置に直接固定することも可能である。ブロー金型運搬装置6aとブロー金型4aとの間には、周囲方向URに設けられ、2つのシール部182aおよび182bの間に形成された圧力パッドが配置される。したがって、この圧力パッドは、結果として生じる、ここでは水平方向に作用する力Fresを生成する。ブロー金型の内側の小さな力の矢印は、実際のブロー成型工程によって生じる力に関する。これは、ブロー金型またはブロー金型運搬枠の応力および変形がこのようにして生じ得ることを意味する。
【0057】
図3(b)は、本発明に係る構成を示している。従来技術とは異なり、ここでは2つの圧力パッドが設けられている。これら圧力パッドは、連続的な一続きのシール82、84によって互いから離間して配置され、互いに対して所定の角度を向いた力成分F1およびF2をブロー金型4aまたはブロー金型の運搬枠に作用させる。したがって、参照番号82、84は、2つの圧力パッドを囲み、あるいは形成する密封装置を示している。2つの力成分F1およびF2が作用することによって、全体としてさらに一様な力効果を、ブロー金型4aまたは運搬枠に作用させることができる。力成分が作用するこれら2つの領域B1およびB2は、ここではブロー金型の周囲方向URに互いから離間して配置されている。2つの力F1およびF2が互いに対して延びる角度αは、好ましくは70°から110°までの間の範囲である。
【0058】
周囲方向は、膨張させられるプラスチック製予備成形物またはプラスチック製容器の周囲方向であることが好ましい。上述の角度αは、周囲方向によって形成される平面に形成されることが好ましい。この場合に、この平面は、プラスチック製予備成形物の長手方向に対して直角であることが好ましく、図3(b)の平面に平行であることが好ましい。
【0059】
図4は、本発明に係るブロー成型ステーション8の斜視図である。この場合、このブロー成型ステーション8は、同図において閉じられた状態で図示されている2つのブロー金型部4a、4bを有している。プラスチック製予備成形物を膨張させてプラスチック製容器を形成する上述の空洞が、これら2つのブロー金型部4a、4bの間に形成される。
【0060】
ブロー金型部4aおよびブロー金型部4bは、ブロー金型運搬枠部70a、70bに、例えばクランプやねじ留めによって固定して配置される。そして、これらのブロー金型運搬枠70a、70bは、ブロー金型運搬部6aおよび6bに配置される。これらのブロー金型運搬部は、ブロー金型を開閉するために共通の回転軸取り付け部112に対して回転可能である。
【0061】
参照番号92は、膨張の工程の際にブロー金型を動かないようにするために第2の固定部材94が係合する第1の固定部材に関する。この目的のため、この第2の固定部材94は、回転シャフト105に対して回転可能である。
【0062】
参照番号88は、ブロー金型運搬枠70aおよび70bをそれぞれのブロー金型運搬部6a、6bに固定するために使用される固定手段または保持装置に関する。
【0063】
図5は、図4に示した装置の一部分、すなわちブロー金型枠部が配置されたブロー金型運搬部6aおよびブロー金型部4aの図である。さらに、同図から明らかなように、接続部120によって、例えば加熱された液体のような焼き戻し媒体がブロー金型運搬枠70aに供給可能である。
【0064】
図6は、ブロー金型運搬枠70a、70bの図である。同図から明らかなように、これらは多角形の外周面を有する、すなわち2つの運搬枠部70aおよび70bの各々は、その外面に4つの端を有する。参照番号114および115は、稼働時に圧力パッド(図示されていない)による圧力が作用するブロー金型運搬枠の面に関する。ここで、圧力パッドによって加えられるそれぞれの圧力は、2つの面114および115に略直角に作用する。したがって、圧力パッドは、面114、115またはこれらの面の一部分によっても境界を付けられる。ここで、これらの面は、平坦またはそれぞれ二次元である。シール装置82および84は、これらの面に接している。
【0065】
参照番号116は、ブロー金型部(図示略)をブロー金型運搬枠70a、70bに保持させる保持部材に関する。参照番号118は、ブロー金型部を閉じた状態に保持する爪などの係合手段を示している。この場合、この係合手段は、その回転動作によってブロー金型部を運搬枠から分離することができるように、回転可能であることが好ましい。
【0066】
同様に同図から明らかなように、固定手段88は、ブロー金型運搬枠をブロー金型運搬装置に配置できるようにする。これらの固定手段は、この場合には2つの面115および114の間、したがって稼働時に力成分F1およびF2がそれぞれ加えられる領域の間に配置されている。圧力パッドは、稼働時に第2のブロー金型枠部70bには適用されない、すなわち圧力パッドは、ここでは2つのブロー金型運搬枠部のうちの一方にのみ適用される。しかしながら、これによって2つのブロー金型部を互いに向かって十分に押し付けることができる。
【0067】
図7は、ブロー金型運搬部6aのさらなる図である。同図から明らかなように、この場合、シール装置82、84が、2つの圧力パッド装置62、64をそれぞれ形成または画定している。そして、参照番号102は、これら2つの圧力パッドの間に位置し、金型運搬枠部をブロー金型運搬部6aに固定するために使用される領域を示している。同図において、シール装置82、84は、上述のように平坦な領域に配置され、これによって、例えば湾曲した壁に広がる三次元の形状よりも製造が容易である二次元とされている。
【0068】
参照番号72、74は、ブロー金型運搬枠部とブロー金型運搬部6aとを押し離すために、シール装置82によって囲まれて圧力パッド62、64を形成する領域に圧縮空気を作用させる供給装置をそれぞれ示している。参照番号104および106は、固定手段88を差し込むことができる貫通穴に関する。そして、参照番号113は、ブロー金型運搬部6aを回転可能に連結する懸架手段を示している。固定手段は、金型運搬枠70aとブロー金型運搬部6aとを引き寄せる締め付け力を生じさせるばね装置89を有することができる。
【0069】
図8は、図7に示した装置の上面図である。参照番号82は、シール装置を示しており、参照番号75は、シール装置をブロー金型運搬部に保持させる保持装置を示している。この保持装置75は、例えば、ブロー金型運搬部6aに1本以上のねじで留められ、連続した一続きのシール装置82の一部分を固定する板であってよい。シール装置82の一部分82a(やはり連続的である)は、ブロー金型運搬枠(図示されていない)に接している。シール装置は、エラストマから製造されていることが好ましく、1つの平面内で延伸することが好ましい。
【0070】
参照符号α/2は、右側の圧力パッドと垂直二等分線との間に形成された角度を示している。したがって、これら2つの圧力パッドの間の合計の角度は、角度αに相当する。
【0071】
このようにして、圧力パッドは、同図において2つの等しい部分に分割され、最適な角度のV字形の構成に配置される。さらに、上述の確実な固定機能を有する固定手段88または保持手段によって、簡易な二次元のシール82が定位置に配される。さらに正確には、例えば板である保持装置75によって、この定位置を定めることができる。
【0072】
図9は、本発明に係る装置のさらなる実施形態を示している。同図において明らかなように、シール装置82によって囲まれる領域が縮小し、したがって圧力パッド62も縮小している。圧力パッドの領域を、シール装置82を変更することによって変更することで、ブロー金型運搬枠への力の印加の位置ならびに力の大きさを目的に合わせた方法で制御することが可能である。必要に応じて、力をさらに分割するために、横断部材をそれぞれの圧力パッド装置62を通って延ばすこともできる。
【0073】
本出願の出願人は、出願書類に開示したすべての特徴を、それらが個別または組み合わせのいずれかにおいて従来技術と比べて新規である限りにおいて、本発明に不可欠であるとして請求する権利を有する。
【符号の説明】
【0074】
1 成形装置
2 搬送ホイール、搬送装置
4 ブロー金型
4a、4b ブロー金型部
5 伸展棒
6 ブロー金型運搬装置
6a、6b ブロー金型運搬部
8 成形ステーション、ブロー成型ステーション
9 案内カム
10 プラスチック製予備成形物
10a 容器
11 従動装置、従動部
12 スライド
13 床
17 カバー
18 壁
19 可動の側壁
20 クリーンルーム
21 保持手段
22 供給装置
23 保持装置
24 取り出し装置
25 密封装置
26 運搬装置
27 シール装置
28 運搬装置
29 保持体
30 加熱装置
31 加熱素子
32 殺菌装置
34 搬送装置
36 移動ユニット
37 搬送ホイール
40 充填装置
42 移動ユニット
44 搬送ユニット
50 設備
55 殺菌装置
60 圧力パッド配列
62,64 圧力パッド装置
70a、70b ブロー金型運搬枠部
72,74 供給装置
75 保持装置
82,84 シール装置
82a シール部
88 保持装置、固定手段
92 固定部材
94 固定部材
102 圧力パッド間の領域
105 回転シャフト
104,106 貫通穴
112 回転軸取付け部
113 懸架手段
114,115 ブロー金型運搬枠の領域
116 保持部材
118 係合手段
182a、182b シール装置(Std T)
B1、B2 領域
F1、F2 力成分
Fres 力
L 線
UR 周囲方向
Y 方向
α 角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー金型(4)を用いてプラスチック製予備成形物(10)をプラスチック製容器に成形するための装置(1)であって、
前記ブロー金型(4)は、少なくとも2つのブロー金型部(4a、4b)を有し、これらブロー金型部(4a、4b)が、互いに対して可動であるように配置され、前記ブロー金型(4)の閉状態において空洞を形成し、該空洞の内部において、流動性を有する媒体を作用させることによってプラスチック製予備成形物を膨張させてプラスチック製容器を形成することができ、
前記第1のブロー金型部(4a)が、第1のブロー金型運搬部(6a)に配置され、前記第2のブロー金型部(4b)が、第2のブロー金型運搬部(6b)に配置され、前記第1のブロー金型運搬部(6a)が、前記ブロー金型(4)を開閉するために前記第2のブロー金型運搬部(6b)に対して可動であり、
圧力パッド配列(60)が、少なくとも一方のブロー金型運搬部(6a)と当該ブロー金型運搬部(6a)に配置されたブロー金型部(4a)との間に配置され、
前記圧力パッド配列(60)の圧力パッド(62、64)は、前記少なくとも一方のブロー金型運搬部(6a)と当該ブロー金型運搬部(6a)に配置されたブロー金型部(4a)とを、前記ブロー金型運搬部と前記ブロー金型部(4a)との間に作用する力によって互いに引き離すために、流動性を有する圧力媒体が作用されることでき、
前記圧力パッド配列(60)は、前記ブロー金型運搬部(6a)と前記ブロー金型部(4a)との間に作用する力が、前記ブロー金型部(4a)の周囲方向の第1の所定の領域(B1)に作用する第1の力成分(F1)と、前記ブロー金型部(4a)の周囲方向の第2の所定の領域(B2)に作用する第2の力成分(F2)とを有し、前記第1の領域(B1)と前記第2の領域(B2)とが互いから離間して配置され、前記第1の力成分(F1)および前記第2の力成分(F2)の方向が互いに対して0°ではない角度をなすように設計されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の力成分(F1)の方向と前記第2の力成分(F2)の方向との間の角度が、10°から170°までの間、好ましくは20°から160°までの間、好ましくは30°から150°までの間、好ましくは45°から135°までの間、好ましくは60°から120°までの間、特に好ましい態様においては75°から105°までの間であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧力パッド配列が、互いに少なくとも部分的に分離し、好ましくは完全に分離した第1の圧力パッド装置(62)および第2の圧力パッド装置(64)を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
流動性を有する媒体を前記第1の圧力パッド装置(62)に供給するための第1の供給装置(72)と、
該第1の供給装置(72)とは別体であり、流動性を有する媒体を前記第2の圧力パッド装置(64)に供給するための第2の供給装置(74)とを備えることを特徴とする請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記圧力パッド配列(60)が、流動性を有する圧力媒体が作用する空間を画定する一続きのシール装置(82、84)を有し、
該シール装置(82、84)が、平坦な壁の領域に隣接していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記圧力パッド配列(60)が、前記ブロー金型運搬部(6a)と、前記ブロー金型部(4a)を保持する運搬枠(70a)との間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記運搬枠(70a)または前記ブロー金型部(4a)を前記ブロー金型運搬部(6a)に保持するための保持装置(88)を備え、
該保持装置(88)が、前記圧力パッド配列(60)の領域の間において前記ブロー金型(4a)の周囲方向に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記保持装置(88)が、前記第1の圧力パッド装置(62)と前記第2の圧力パッド装置(64)との間に配置されていることを特徴とする請求項3または請求項6に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのブロー金型運搬部が、前記ブロー金型部(4a、4b)に面する側に、V字形の構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ブロー金型(4)を用いてプラスチック製予備成形物(10)をプラスチック製容器に成形する方法であって、
前記ブロー金型(4)は、少なくとも2つのブロー金型部(4a、4b)を有し、これらブロー金型部(4a、4b)が、互いに対して可動であるように配置され、前記ブロー金型(4)の閉状態において空洞を形成し、該空洞の内部において、流動性を有する媒体を作用させることによってプラスチック製予備成形物を膨張させてプラスチック製容器を形成し、
前記第1のブロー金型部(4a)が、第1のブロー金型運搬部(6a)に配置され、前記第2のブロー金型部(4b)が、第2のブロー金型運搬部(6b)に配置され、前記第1のブロー金型運搬部(6a)が、前記ブロー金型(4)を開閉するために前記第2のブロー金型運搬部(6b)に対して移動され、
圧力パッド配列(60)が、少なくとも一方のブロー金型運搬部(6a)と当該ブロー金型運搬部(6a)に配置されたブロー金型部(4a)との間に配置され、
前記圧力パッド配列(60)の圧力パッド装置(62)は、前記少なくとも一方のブロー金型運搬部(6a)と当該ブロー金型運搬部(6a)に配置されたブロー金型部(4a)とを、前記ブロー金型運搬部と前記ブロー金型部(4a)との間に作用する力(F1)によって互いに引き離すために、流動性を有する圧力媒体が作用され、
前記圧力パッド配列(60)は、前記ブロー金型運搬部(6a)と前記ブロー金型部(4a)との間に作用する力が、前記ブロー金型部(4a)の周囲方向の第1の所定の領域(B1)に作用する第1の力成分(F1)と、前記ブロー金型部(4a)の周囲方向の第2の所定の領域(B2)に作用する第2の力成分(F2)とを有し、前記第1の領域(B1)と前記第2の領域(B2)とが互いから離間して配置され、前記第1の力成分(F1)および前記第2の力成分(F2)の方向が互いに対して0°ではない角度をなすように設計されていることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記ブロー金型部(4a)と前記ブロー金型運搬部(6a)との間に作用する保持力が、前記第1の力成分(F1)と前記第2の力成分(F2)との間において前記ブロー金型(4)の周囲方向に作用することを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−49270(P2013−49270A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180017(P2012−180017)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】