圧力容器
【課題】 無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、しかも大容量化を図ることができる圧力容器を提供する。
【解決手段】 両端が開口した非円筒状ライナ3A、3Bおよびライナ3A、3Bの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層4よりなる複数の容器構成体2を並べて一体化することにより構成された圧力容器1である。容器構成体2のライナ3A、3Bの両端部に跨って外方に膨出したドーム状連通部材6を固定することにより、これらのライナ3A、3Bの内部どうしを連通させるとともにこれらのライナ3A、3Bの両端開口を閉鎖する。
【解決手段】 両端が開口した非円筒状ライナ3A、3Bおよびライナ3A、3Bの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層4よりなる複数の容器構成体2を並べて一体化することにより構成された圧力容器1である。容器構成体2のライナ3A、3Bの両端部に跨って外方に膨出したドーム状連通部材6を固定することにより、これらのライナ3A、3Bの内部どうしを連通させるとともにこれらのライナ3A、3Bの両端開口を閉鎖する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵する圧力容器、または酸素ガスを貯蔵する圧力容器に用いられる圧力容器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、この明細書および特許請求の範囲において、図3、図12および図14の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、自動車排気ガス等による大気汚染対策として、排気ガスのクリーンな天然ガス自動車や、燃料電池自動車の開発が進められている。これらの自動車は、燃料となる天然ガスや水素ガスを高圧で充填した圧力容器を搭載している。
【0004】
従来、このような圧力容器用ライナとして、円筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、両端が開口した円筒状体からなりかつ胴を構成するアルミニウム押出形材製の第1ライナ構成部材と、略椀状でかつ第1ライナ構成部材の両端部に溶接されて鏡板を構成する2つのアルミニウムダイキャスト製第2ライナ構成部材とにより形成され、第1ライナ構成部材の内面に、横断面放射状の複数の補強壁が一体に形成され、第2ライナ構成部材の内面における第1ライナ構成部材の補強壁と対応する位置に補強壁が一体に形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
この圧力容器用ライナは、補強繊維を両第2ライナ構成部材にかかるようにして第1ライナ構成部材の長さ方向に巻き付けるとともにエポキシ樹脂で含浸固定してなるヘリカル巻繊維強化樹脂層と、補強繊維を第1ライナ構成部材の周りに周方向に巻き付けるとともにエポキシ樹脂で含浸固定してなるフープ巻繊維強化樹脂層とが設けられて、圧力容器として用いられるようになっている。
【0006】
特許文献1記載の圧力容器用ライナによれば、補強壁の働きにより、径方向の力に対する耐圧強度は十分である。
【0007】
ところで、自動車においては、航続距離を延ばすことを目的として、圧力容器の大容量化が要求されている。特許文献1記載の圧力容器用ライナを用いた圧力容器において大容量化を図るためには、胴の直径を大きくするとともに長さを長くすればよいのであるが、自動車の車幅には制限があるので、胴の長さを長くすることにも限界があることから、胴の直径を大きくすることにより、圧力容器の大容量化に対応しなければならない。しかしながら、胴の直径を大きくすると、自動車に存在する空いているスペースを有効に利用することができず、車載状態において無駄なスペースが生じ、車室の居住性が低下するという問題がある。しかも、胴の直径を大きくすると、車高を高くする必要があってセダン型等の車高の低い自動車には用いることができないという問題がある。
【特許文献1】特開平9−42595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、しかも大容量化を図ることができる圧力容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えている圧力容器。
【0011】
2)左右両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びている上記1)記載の圧力容器。
【0012】
3)隣り合う2つの容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっている上記1)または2)記載の圧力容器。
【0013】
4)各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0014】
5)隣り合う少なくとも2つの容器構成体が、ライナの開口端部が同一側に来るように配置され、これらの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って外方に膨出したドーム状連通部材が固定されることにより、これらのライナの内部どうしが連通させられるとともにライナの開口が閉鎖されている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0015】
6)ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部に跨ってエンドプレートが固定状に設けられ、ドーム状連通部材の周縁部がエンドプレートの周縁部に接合されている上記5)記載の圧力容器。
【0016】
7)エンドプレートが、ライナの開口端部に一体に形成された外向きフランジどうしが接合されることにより形成されている上記6)記載の圧力容器。
【0017】
8)ライナおよび外向きフランジがアルミニウムよりなり、外向きフランジどうしが摩擦攪拌接合されている上記7)記載の圧力容器。
【0018】
9)エンドプレートが、ライナの開口端部を嵌め入れる貫通穴を有する1枚の板からなり、当該板における貫通穴の周囲の部分とライナの開口端部とが接合されている上記6)記載の圧力容器。
【0019】
10)ライナおよび板がアルミニウムよりなり、ライナと板とが摩擦攪拌接合されている上記9)記載の圧力容器。
【0020】
11)ドーム状連通部材およびエンドプレートがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とエンドプレートとが摩擦攪拌接合されている上記6)〜10)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0021】
12)ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部間に、両側のライナの開口端部が嵌る切り欠きを有する板状連結部材が配置されるとともに、連結部材における切り欠きの周囲の部分とライナの開口端部とが接合され、ドーム状連通部材の周縁部が連結部材およびライナの開口端部に接合されている上記5)記載の圧力容器。
【0022】
13)ライナおよび連結部材がアルミニウムよりなり、ライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている上記12)記載の圧力容器。
【0023】
14)ドーム状連通部材、連結部材およびライナがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている上記12)または13)記載の圧力容器。
【0024】
15)ライナの両端が開口しているとともにすべての容器構成体のライナの長さが等しくなっており、すべての容器構成体のライナの両端部に跨ってそれぞれ外方に膨出したドーム状連通部材が固定され、いずれか一方のドーム状連通部材に口部が設けられている上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0025】
16)すべての容器構成体のうちの少なくとも1つの容器構成体のライナの長さが異なっている上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0026】
17)すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層が形成されている上記1)〜16)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0027】
18)2次繊維強化樹脂層が、補強繊維をライナの長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層、補強繊維をライナの長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維をすべてのライナの長さ方向と直交する方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、各繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる上記17)記載の圧力容器。
【0028】
19)燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0029】
20)上記19)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0030】
21)上記19)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0031】
22)天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0032】
23)上記22)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0033】
24)上記22)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0034】
25)酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0035】
上記1)の圧力容器によれば、少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えているので、各容器構成体の横断面の大きさおよびライナ周壁の横断面形状や、長さや、すべての容器構成体の並べ方を、設置すべき装置、たとえば自動車の空きスペースに合わせて適宜変更することにより、無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、しかも大容量化を図ることができる。また、各容器構成体のライナの周壁外周面が繊維強化樹脂層により覆われているので、耐圧性も優れたものになる。さらに、1つの口部を備えているだけであるので、用いられるバルブも1つで済み、コストが安くなる。
【0036】
上記2)の圧力容器によれば、並び方向の両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びているので、耐圧性が優れたものになる。
【0037】
上記3)の圧力容器によれば、隣り合う容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっているので、各ライナの内圧が高くなった場合にも、隣り合う容器構成体のライナの上記直線状部分どうしが当たる。したがって、上記直線状部分に作用する内圧が相殺され、耐圧性が向上する。
【0038】
上記4)の圧力容器によれば、各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっているので、ライナの上下方向の変形を抑制することができ、ライナの耐圧性が向上する。
【0039】
上記5)の圧力容器によれば、すべての容器構成体のライナにより、1つの閉空間を比較的簡単に形成することができる。
【0040】
上記6)の圧力容器によれば、隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って、ドーム状連通部材を比較的簡単に固定することができる。
【0041】
上記7)の圧力容器によれば、エンドプレートを比較的簡単に形成することができる。
【0042】
上記8)の圧力容器によれば、外向きフランジどうしの接合を強固に行うことができる。
【0043】
上記9)の圧力容器によれば、エンドプレートを比較的簡単に形成することができる。
【0044】
上記10)の圧力容器によれば、ライナと板との接合を強固に行うことができる。
【0045】
上記11)の圧力容器によれば、ドーム状連通部材とエンドプレートとの接合を強固に行うことができる。
【0046】
上記12)の圧力容器によれば、隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って、ドーム状連通部材を比較的簡単に固定することができる。
【0047】
上記13)の圧力容器によれば、ライナと連結部材との接合を強固に行うことができる。
【0048】
上記14)の圧力容器によれば、ドーム状連通部材とライナと連結部材との接合を強固に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0050】
なお、以下の説明において、図2、図10、図11および図13の左側を前、右側を後というものとする。
【0051】
実施形態1
この実施形態は図1〜図7に示すものである。図1〜図3は圧力容器を示し、図4〜図6は圧力容器の製造方法を示す。また、図7はさらなる耐圧性が要求される場合の対応例を示す。
【0052】
図1〜図3において、圧力容器(1)は、前後方向に伸びかつ両端が開口したアルミニウム製非円筒状ライナ(3A)(3B)およびライナ(3A)(3B)の周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層(4)よりなり、かつライナ(3A)(3B)の中心線が同一水平面内に位置するように左右方向に複数列、ここでは3列に並べられた容器構成体(2A)(2B)と、すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の前後両端部に跨ってそれぞれ固定状に設けられたアルミニウム製エンドプレート(5)と、各エンドプレート(5)に固定され、かつすべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の内部どうしを連通させるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前後両端開口を閉鎖する外方に膨出したアルミニウム製ドーム状連通部材(6)とを備えている。すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)により1つの閉空間が形成され、一方の連通部材(6)に、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部(7)が設けられている。
【0053】
すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の長さは等しく、その前後両端がそれぞれ同一垂直面内に位置するように配置されている。左右両端の容器構成体(2A)におけるライナ(3A)周壁の左右方向外側部分は、横断面において上下方向の中央部が左右方向外側に突出するように丸みを帯びており、ここではライナ(3A)の横断面形状は、だ円を短軸上で切断したような略半楕円状となっている。ライナ(3A)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。左右両端の容器構成体(2A)を除いた他の容器構成体(2B)における周壁の横断面形状は、角部に丸みが付与された縦長方形である。ライナ(3B)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。そして、隣り合う2つの容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な上下方向に伸びる直線状となっている。
【0054】
各ライナ(3A)(3B)の両端部にはそれぞれ外向きフランジ(8A)(8B)が一体に形成されている。左右両端の容器構成体(2A)におけるライナ(3A)の外向きフランジ(8A)は、ライナ(3A)周壁の横断面よりも若干大きくかつライナ(3A)周壁の横断面形状と相似した形状となっている。また、他のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)は、ライナ(3B)周壁の横断面よりも若干大きくかつライナ(3B)周壁の横断面形状と相似した縦長方形である。すべてのライナ(3A)(3B)の外向きフランジ(8A)(8B)の高さは等しくなっている。
【0055】
繊維強化樹脂層(4)は、ライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直角をなすように周方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させることにより形成されたものであり、外向きフランジ(8A)(8B)の部分を除いて各ライナ(3A)(3B)の周壁外周面全体を覆っている。繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。
【0056】
そして、隣り合うライナ(3A)(3B)の外向きフランジ(8A)(8B)どうしが適当な方法、ここでは摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されてすべての容器構成体(2A)(2B)が一体化されており、すべての外向きフランジ(8A)(8B)によってライナ(3A)(3B)の両端部に跨るエンドプレート(5)が固定状に設けられている。外向きフランジ(8A)(8B)どうしの接合ビードを(9)で示す。なお、外向きフランジ(8A)(8B)どうしを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0057】
ドーム状連通部材(6)は鍛造、ダイカストまたは切削により形成されたものであり、エンドプレート(5)の外形と同形同大の外形を有している。一方の連通部材(6)に形成された口部(7)には、その外端から貫通穴(7a)が形成されており、貫通穴(7a)の内周面に、たとえば制御バルブを取り付けるのに利用されるめねじ(7b)が形成されている。連通部材(6)は、周壁の端面がエンドプレート(5)の前後方向外面の周縁部に密着した状態で、適当な方法、ここでは摩擦攪拌接合法により外周側からエンドプレート(5)に接合されている。連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合ビードを(10)で示す。なお、連通部材(6)とエンドプレート(5)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0058】
ライナ(3A)(3B)および両連通部材(6)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。すべてのライナ(3A)(3B)および両連通部材(6)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは少なくとも1つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0059】
圧力容器(1)は、以下に述べる方法によって製造される。
【0060】
まず、図4および図5に示す方法により容器構成体(2A)(2B)を製造する。なお、図4は左右方向(並び方向)の一端部に位置する容器構成体(2A)を製造する方法を示し、図5は左右方向の中間部に位置する容器構成体(2B)を製造する方法を示す。
【0061】
すなわち、横断面の外形が外向きフランジ(8A)(8B)の外形と同形同大であり、かつ横断面形状が外向きフランジ(8A)(8B)の外形と相似形状である貫通穴(16A)(16B)を有するアルミニウム製中空押出形材(15A)(15B)を形成する(図4(a)および図5(a)参照)。ついで、中空押出形材(15A)(15B)の外周面にその両端部を除いて切削加工を施すことにより、両端が開口した非円筒状ライナ(3A)(3B)とライナ(3A)(3B)の両端部の外向きフランジ(8A)(8B)とを同時に形成する(図4(b)および図5(b)参照)。ついで、ライナ(3A)(3B)の外周に、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた強化繊維、あるいは樹脂を含浸させた強化繊維の束をライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直交するように周方向に巻き付けることによりフープ巻繊維層を形成した後、樹脂を硬化させて繊維強化樹脂層(4)を形成することにより容器構成体(2A)(2B)を製造する(図4(c)および図5(c)参照)。
【0062】
また、鍛造、ダイカストまたは切削により2つのドーム状連通部材(6)を製造しておく。一方の連通部材(6)には口部(7)を形成しておく。
【0063】
ついで、すべての容器構成体(2A)(2B)を、その中心線が同一水平面内に位置するとともに前後両端が同一垂直面内に位置するように並列状に並べ、隣り合う容器構成体(2A)(2B)の外向きフランジ(8A)(8B)の側縁部どうしを当接させる。そして、隣り合う容器構成体(2A)(2B)の外向きフランジ(8A)(8B)どうしを、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から摩擦攪拌接合することにより、エンドプレート(5)を固定状に設ける(図6参照)。
【0064】
その後、両連通部材(6)の周壁端面を両エンドプレート(5)の前後方向外面の周縁部に当接させた状態で、連通部材(6)とエンドプレート(5)とを外周側から摩擦攪拌接合する。
【0065】
こうして、圧力容器(1)が製造される。
【0066】
圧力容器(1)にさらなる耐圧性が要求される場合には、図7に示すように、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0067】
2次繊維強化樹脂層(20)は、補強繊維をすべての容器構成体(2A)(2B)を連結するようにライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直交するように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻繊維強化樹脂層(21)と、補強繊維をライナ(3A)(3B)の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻繊維強化樹脂層(23)と、補強繊維をライナ(3A)(3B)の長さ方向と平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたインプレーン巻繊維強化樹脂層(22)とよりなる。各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた強化繊維、あるいは樹脂を含浸させた強化繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。
【0068】
実施形態1において、ライナ(3A)(3B)および外向きフランジ(8A)(8B)は、中空押出形材(15A)(15B)に切削加工を施すことにより一体に形成されているが、これに代えて、ダイカストによりライナ(3A)(3B)および外向きフランジ(8A)(8B)が一体に形成されていてもよい。
【0069】
また、実施形態1において、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、外向きフランジ(8A)(8B)が樹脂により一体に形成されることがある。この場合、外向きフランジ(8A)(8B)どうしが溶接または接着により接合されてエンドプレート(5)が形成され、連通部材(6)として樹脂製のものが用いられてエンドプレート(5)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、外向きフランジ(8A)(8B)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえば外向きフランジ(8A)(8B)をインサートとしてライナ(3A)(3B)を射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)と外向きフランジ(8A)(8B)とが一体化される。なお、この場合、外向きフランジ(8A)(8B)どうしの接合、および連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合は、実施形態1の場合と同様にして行われる。
【0070】
実施形態2
この実施形態は図8に示すものである。
【0071】
この実施形態の圧力容器の場合、各エンドプレート(5)は、ライナ(3A)(3B)の両端部を嵌め入れる貫通穴(31A)(31B)を有する1枚の金属板、ここではアルミニウム板(30)からなる。そして、各ライナ(3A)(3B)の両端部がそれぞれアルミニウム板(30)の貫通穴(31A)(31B)内に嵌め入れられ、アルミニウム板(30)における貫通穴(31A)(31B)の周囲の部分とライナ(3A)(3B)の開口端部とが、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されている。なお、ライナ(3A)(3B)の両端部におけるアルミニウム板(30)の貫通穴(31A)(31B)内に嵌め入れられる部分には繊維強化樹脂層(4)は形成されていない。アルミニウム板(30)とライナ(3A)(3B)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0072】
アルミニウム板(30)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0073】
その他の構成は実施形態1の圧力容器(1)と同様であり、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0074】
上記実施形態2においては、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、すべてのライナ(3A)(3B)とエンドプレート(5)とが樹脂により一体成形されることがある。この場合、連通部材(6)も樹脂製のものとされ、エンドプレート(5)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、エンドプレート(5)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえばエンドプレート(5)をインサートとしてすべてのライナ(3A)(3B)を同時に射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)とエンドプレート(5)とが一体化される。なお、この場合、連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合は、実施形態1の場合と同様にして行われる。
【0075】
実施形態3
この実施形態は図9に示すものである。
【0076】
この実施形態の圧力容器の場合、エンドプレート(5)は用いられておらず、隣り合う容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の両端部どうしが金属製、ここではアルミニウム製板状連結部材(35)を介して連結一体化されている。すなわち、連結部材(35)の両側には、それぞれ隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前後両端部における一部分が嵌る切り欠き(36)が形成されている。そして、ライナ(3A)(3B)の前後両端部が連結部材(35)の切り欠き(36)内に嵌め入れられ、連結部材(35)における切り欠き(36)の周囲の部分とライナ(3A)(3B)の両端部とが、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されている。なお、ライナ(3A)(3B)の両端部における連結部材(35)の切り欠き(36)内に嵌め入れられる部分には繊維強化樹脂層(4)は形成されていない。連結部材(35)とライナ(3A)(3B)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0077】
ドーム状連通部材(6)は、すべてのライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とを合わせたものの外形と同形同大の外形を有している。連通部材(6)は、周壁端面をすべてのライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とを合わせたものの端面の周縁部に当接させられた状態で、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されている。連通部材(6)とライナ(3A)(3B)および連結部材(35)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0078】
連結部材(35)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0079】
その他の構成は実施形態1の圧力容器(1)と同様であり、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0080】
上記実施形態3においては、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、連結部材(35)がすべてのライナ(3A)(3B)に一体に形成されることがある。この場合、連通部材(6)も樹脂製のものとされ、連結部材(35)およびライナ(3A)(3B)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、連結部材(35)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえば連結部材(35)をインサートとしてすべてのライナ(3A)(3B)を射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とが一体化される。なお、この場合、連通部材(6)とライナ(3A)(3B)および連結部材(35)との接合は、適当な方法、たとえば接着により行われる。
【0081】
上記実施形態1〜3において、左右両端の容器構成体(2A)を除いた左右方向(並び方向)の中間部の容器構成体(2B)の数は適宜変更可能である。
【0082】
図10は、複数の容器構成体(2A)(2B)を、左右方向に3列以上並べた場合の圧力容器の変形例を示す。図10においては、上側が左、下側が右となる。
【0083】
なお、図10において、左右両端に位置する容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面形状および並び方向の中間部に位置する容器構成体(2B)のライナ(3B)周壁の横断面形状は実施形態1〜3の場合と同じである。また、図10においては、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0084】
図10(a)に示す圧力容器(40)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが等しく、すべてのライナ(3A)(3B)は前後両端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0085】
右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしは、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、両ライナ(3A)(3B)の後端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、両ライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。左端のライナ(3A)の後端部には閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造によりこのライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。
【0086】
また、口部(7)は、前側の連通部材(6)に代えて、後側の連通部材(6)または閉鎖部材(41A)に形成されていてもよい。
【0087】
なお、図10(a)に示す圧力容器の場合、後側エンドプレート(5)の外形および後側連通部材(6)の外形は、一端のライナ(3A)の外向きフランジ(8A)に、中間部のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)を付け加えたような形状となる。
【0088】
図10(b)に示す圧力容器(42)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが等しく、すべてのライナ(3A)(3B)は前後両端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0089】
各ライナ(3A)(3B)の後端部には閉鎖部材(41A)(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)(41B)により各ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造により各ライナ(3A)(3B)と閉鎖部材(41A)(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0090】
また、口部(7)は、連通部材(6)に代えて、いずれかの閉鎖部材(41A)(41B)に形成されていてもよい。
【0091】
図10(c)に示す圧力容器(43)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが異なっており、すべてのライナ(3A)(3B)は、前端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0092】
各ライナ(3A)(3B)の後端部には閉鎖部材(41A)(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)(41B)により各ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造により各ライナ(3A)(3B)と閉鎖部材(41A)(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0093】
また、口部(7)は、連通部材(6)に代えて、いずれかの閉鎖部材(41A)(41B)に形成されていてもよい。
【0094】
図10(d)に示す圧力容器(44)の場合、右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前端が同一垂直面内に位置するとともに、左側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端が同一垂直面内に位置するように並べられている。右側の2つのライナ(3A)(3B)の前端部どうし、および左側の2つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに、右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前端開口および左側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0095】
また、右端のライナ(3A)の後端部および左端のライナ(3A)の前端部には、それぞれ閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)における連通部材(6)とは反対側の端部の開口が閉鎖されている。なお、鍛造によりこれらのライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。そして、左端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)に口部(7)が形成されている。
【0096】
また、口部(7)は、左端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)に代えて、右端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)やいずれかの連通部材(6)に形成されていてもよい。
【0097】
なお、図10(d)に示す圧力容器の場合、エンドプレート(5)の外形および連通部材(6)の外形は、一端のライナ(3A)の外向きフランジ(8A)に、中間部のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)を付け加えたような形状となる。
【0098】
図10(e)に示す圧力容器(45)の場合、長さの等しい2つのライナ(3A)が、左右方向に間隔をおいて前後両端が同一垂直面内に位置するように配置され、両ライナ(3A)間に、短い2つのライナ(3B)が前後方向に伸びる同一直線上に位置するように配置されている。一方の短いライナ(3B)の前端は2つの長いライナ(3A)の前端と同一垂直面内に位置しており、これら3つのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して口部(7)を有するドーム状連通部材(6)がすべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように接合され、3つのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに3つのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。他方の短いライナ(3B)の後端は2つの長いライナ(3A)の後端と同一垂直面内に位置しており、これら3つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)がすべてのライナ(3A)(3B)の後端部に跨るように接合され、3つのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに3つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0099】
また、2つの短いライナ(3B)の連通部材(6)とは反対側の端部には閉鎖部材(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により接合されており、閉鎖部材(41B)によりライナ(3B)の当該端部側の開口が閉鎖されている。なお、鍛造により短いライナ(3B)と閉鎖部材(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0100】
また、口部(7)は、後側の連通部材(6)に代えて、前側の連通部材(6)またはいずれかの閉鎖部材(41B)に形成されていてもよい。
【0101】
実施形態4
この実施形態は図11および図12に示すものである。なお、図11および図12において、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0102】
図11および図12において、圧力容器(50)は、前後方向に伸びかつ両端が開口したアルミニウム製非円筒状ライナ(3A)およびライナ(3A)の周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層(4)よりなり、かつライナ(3A)の中心線が同一水平面内に位置するように左右方向に2列に並べられた2つの容器構成体(2A)を備えている。すなわち、圧力容器(50)においては、容器構成体(2A)は、実施形態1の圧力容器(1)から中間部の容器構成体(2B)を省き、両容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面直線状部分が互いに近接するように配置されている。
【0103】
両容器構成体(2A)のライナ(3A)の前後両端部どうしは、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、両ライナ(3A)の前後両端部に跨るようにそれぞれドーム状連通部材(6)が接合され、両ライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)の前後両端開口が閉鎖されている。そして、一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。なお、エンドプレート、連結部材の形状は、両ライナ(3A)の横断面形状に適応した形状となっている。
【0104】
なお、エンドプレート(5)、連結部材(35)の形状は、両ライナ(3A)の横断面形状に適応した形状となっている。すなわち、連通部材(6)の外形は図12に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0105】
実施形態4の圧力容器(50)において、両ライナ(3A)のいずれか一端部においては、両ライナ(3A)に跨って連通部材(6)が接合されておらず、ここにそれぞれ閉鎖部材(41A)が接合、または鍛造により一体に形成されていてもよい。
【0106】
図13は、複数の容器構成体(2A)を、左右方向に2列並べた場合の圧力容器の変形例を示す。図13において、上側が左、下側が右となる。
【0107】
なお、図13において、両容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面形状は実施形態4の場合と同じである。また、図12においては、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0108】
図13に示す圧力容器(51)の場合、1つのライナ(3A)の左側に、短い2つのライナ(3A)が前後方向に伸びる同一直線上に位置するように配置されている。一方の短いライナ(3A)の前端は長いライナ(3A)の前端と同一垂直面内に位置しており、これら2つのライナ(3A)の前端部どうしが、実施形態4の場合と同様にして連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が隣り合う2つのライナ(3A)の前端部に跨るように接合され、2つのライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに2つのライナ(3A)の前端開口が閉鎖されている。他方の短いライナ(3A)の後端は長いライナ(3A)の後端と同一垂直面内に位置しており、これら2つのライナ(3A)の後端部どうしが、実施形態4の場合と同様にして連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が隣り合う2つのライナ(3A)の右端部に跨るように接合され、2つのライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに2つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0109】
また、2つの短いライナ(3A)の連通部材(6)とは反対側の端部には閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)の当該端部側の開口が閉鎖されている。なお、鍛造により短いライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。
【0110】
また、口部(7)は、左側の連通部材(6)に代えて、右側の連通部材(6)またはいずれかの閉鎖部材(41A)に形成されていてもよい。
【0111】
図14は、複数の容器構成体を並べた場合の圧力容器の変形例を示す。なお、図14においては、繊維強化樹脂層(4)の図示は省略されている。
【0112】
図14(a)に示す圧力容器(55)の場合、実施形態1の右端のライナ(3A)の左側に、周壁の横断面形状が、だ円を上下方向に伸びる長軸上で切断したような略半楕円状でかつ横断面において上下方向の中央部が左側に突出するように丸みを帯びているライナ(56)が配置されている。ライナ(56)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。両ライナ(3A)(56)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な上下方向に伸びる直線状となっている。
【0113】
これらのライナ(3A)(56)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(56)の両端部どうしが、それぞれ実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が両ライナ(3A)(56)の前後両端部に跨るように接合され、両ライナ(3A)(56)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)(56)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(a)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0114】
なお、図14(a)に示す圧力容器において、両ライナの長さを異なるものとしておき、図13に示すように並べることも可能である。
【0115】
図14(b)の圧力容器(57)の場合、実施形態1の左右両端のライナ(3A)が相互に間隔をおいて配置され、両ライナ(3A)間に、周壁の横断面形状が角部に丸みが付与された二等辺三角形状であるライナ(58)が配置されている。中央部のライナ(58)周壁の横断面における互いに等しい二辺の長さは、左右両端のライナ(3A)周壁の横断面における直線状部分の長さと等しくなっている。ライナ(58)の周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(58)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0116】
これらのライナ(3A)(58)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(58)の両端部どうしが、それぞれ実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が両ライナ(3A)(58)の前後両端部に跨るように接合され、すべてのライナ(3A)(58)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(58)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(b)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0117】
なお、図14(b)に示す圧力容器において、ライナの配置の仕方は、図10に示すようにも変更可能である。
【0118】
図14(c)に示す圧力容器(60)の場合、図14(b)に示す圧力容器(57)における左右両端部のうちのいずれか一方のライナ(3A)と、中央のライナ(58)との間に、実施形態1の圧力容器(1)における左右方向の中間部に位置するライナ(3B)が配置されている。すべてのライナ(3A)(3B)(58)の長さは等しくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(58)および(3A)(3B)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0119】
すべてのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)(58)の内部どうしが連通させられるとともに全ライナ(3A)(3B)(58)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(c)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0120】
なお、図14(c)に示す圧力容器において、ライナの配置の仕方は、図10に示すようにも変更可能である。
【0121】
図14(d)に示す圧力容器(61)の場合、実施形態1の左端のライナ(3A)の右側に同じく左右方向の中間部のライナ(3B)が配置され、このライナ(3B)の右側に、周壁の横断面形状が角部に丸みが付与された略扇形であるライナ(62)が、横断面における一方の半径部分が左側を向くとともに他方の半径部分が上方を向くように配置され、このライナ(62)の上側に実施形態1の左右方向の中間部のライナ(3B)が横断面における長辺部分を左右方向に向けて配置され、さらにこのライナ(3B)の上側に実施形態1の右端のライナ(3A)が横断面における直線状部分を下方に向けて配置されている。ライナ(62)周壁の横断面における半径部分の長さは、ライナ(3B)周壁の横断面における長辺部分の長さと等しくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(3B)および(3B)(62)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0122】
すべてのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)(62)の内部どうしが連通させられるとともに全ライナ(3A)(3B)(62)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(d)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0123】
図10〜図14に示す圧力容器においても、樹脂製ライナが用いられることもある。この場合、実施形態1〜3で述べたようにライナが連結一体化される。
【0124】
また、図10〜図14に示す圧力容器において、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】この発明の実施形態1の圧力容器を示す斜視図である。
【図2】同じく水平断面図である。
【図3】同じく横断面図である。
【図4】並び方向の端に位置する容器構成体を製造する方法を示す斜視図である。
【図5】並び方向の中間に位置する容器構成体を製造する方法を示す斜視図である。
【図6】連結一体化された複数の容器構成体に連通部材を接合する状態を示す斜視図である。
【図7】実施形態1の圧力容器にさらなる耐圧性が要求された場合の対応例を示す平面図である。
【図8】この発明の実施形態2の圧力容器を示し、連通部材を省略した分解斜視図である。
【図9】この発明の実施形態3の圧力容器を示し、連通部材を省略した分解斜視図である。
【図10】複数の容器構成体を左右方向に3列以上並べた場合の圧力容器の変形例を示す一部を省略した平面図である。
【図11】この発明の実施形態4の圧力容器を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図12】図11の圧力容器の横断面図である。
【図13】複数の容器構成体を左右方向に2列並べた場合の圧力容器の変形例を示す一部を省略した平面図である。
【図14】長さの等しいライナを有する複数の容器構成体を並べた場合の圧力容器の変形例を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0126】
(1)(40)(42)〜(45)(50)(51)(55)(57)(60)(61):圧力容器
(2):容器構成体
(3A)(3B)(56)(58)(62):ライナ
(4):繊維強化樹脂層
(5):エンドプレート
(6):ドーム状連通部材
(7):口部
(8A)(8B):外向きフランジ
(20):2次繊維強化樹脂層
(21):フープ巻繊維強化樹脂層
(22):インプレーン巻繊維強化樹脂層
(23):ヘリカル巻繊維強化樹脂層
(30):アルミニウム板
(31A)(31B):貫通穴
(35):連結部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵する圧力容器、または酸素ガスを貯蔵する圧力容器に用いられる圧力容器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、この明細書および特許請求の範囲において、図3、図12および図14の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、自動車排気ガス等による大気汚染対策として、排気ガスのクリーンな天然ガス自動車や、燃料電池自動車の開発が進められている。これらの自動車は、燃料となる天然ガスや水素ガスを高圧で充填した圧力容器を搭載している。
【0004】
従来、このような圧力容器用ライナとして、円筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、両端が開口した円筒状体からなりかつ胴を構成するアルミニウム押出形材製の第1ライナ構成部材と、略椀状でかつ第1ライナ構成部材の両端部に溶接されて鏡板を構成する2つのアルミニウムダイキャスト製第2ライナ構成部材とにより形成され、第1ライナ構成部材の内面に、横断面放射状の複数の補強壁が一体に形成され、第2ライナ構成部材の内面における第1ライナ構成部材の補強壁と対応する位置に補強壁が一体に形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
この圧力容器用ライナは、補強繊維を両第2ライナ構成部材にかかるようにして第1ライナ構成部材の長さ方向に巻き付けるとともにエポキシ樹脂で含浸固定してなるヘリカル巻繊維強化樹脂層と、補強繊維を第1ライナ構成部材の周りに周方向に巻き付けるとともにエポキシ樹脂で含浸固定してなるフープ巻繊維強化樹脂層とが設けられて、圧力容器として用いられるようになっている。
【0006】
特許文献1記載の圧力容器用ライナによれば、補強壁の働きにより、径方向の力に対する耐圧強度は十分である。
【0007】
ところで、自動車においては、航続距離を延ばすことを目的として、圧力容器の大容量化が要求されている。特許文献1記載の圧力容器用ライナを用いた圧力容器において大容量化を図るためには、胴の直径を大きくするとともに長さを長くすればよいのであるが、自動車の車幅には制限があるので、胴の長さを長くすることにも限界があることから、胴の直径を大きくすることにより、圧力容器の大容量化に対応しなければならない。しかしながら、胴の直径を大きくすると、自動車に存在する空いているスペースを有効に利用することができず、車載状態において無駄なスペースが生じ、車室の居住性が低下するという問題がある。しかも、胴の直径を大きくすると、車高を高くする必要があってセダン型等の車高の低い自動車には用いることができないという問題がある。
【特許文献1】特開平9−42595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、しかも大容量化を図ることができる圧力容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えている圧力容器。
【0011】
2)左右両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びている上記1)記載の圧力容器。
【0012】
3)隣り合う2つの容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっている上記1)または2)記載の圧力容器。
【0013】
4)各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0014】
5)隣り合う少なくとも2つの容器構成体が、ライナの開口端部が同一側に来るように配置され、これらの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って外方に膨出したドーム状連通部材が固定されることにより、これらのライナの内部どうしが連通させられるとともにライナの開口が閉鎖されている上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0015】
6)ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部に跨ってエンドプレートが固定状に設けられ、ドーム状連通部材の周縁部がエンドプレートの周縁部に接合されている上記5)記載の圧力容器。
【0016】
7)エンドプレートが、ライナの開口端部に一体に形成された外向きフランジどうしが接合されることにより形成されている上記6)記載の圧力容器。
【0017】
8)ライナおよび外向きフランジがアルミニウムよりなり、外向きフランジどうしが摩擦攪拌接合されている上記7)記載の圧力容器。
【0018】
9)エンドプレートが、ライナの開口端部を嵌め入れる貫通穴を有する1枚の板からなり、当該板における貫通穴の周囲の部分とライナの開口端部とが接合されている上記6)記載の圧力容器。
【0019】
10)ライナおよび板がアルミニウムよりなり、ライナと板とが摩擦攪拌接合されている上記9)記載の圧力容器。
【0020】
11)ドーム状連通部材およびエンドプレートがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とエンドプレートとが摩擦攪拌接合されている上記6)〜10)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0021】
12)ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部間に、両側のライナの開口端部が嵌る切り欠きを有する板状連結部材が配置されるとともに、連結部材における切り欠きの周囲の部分とライナの開口端部とが接合され、ドーム状連通部材の周縁部が連結部材およびライナの開口端部に接合されている上記5)記載の圧力容器。
【0022】
13)ライナおよび連結部材がアルミニウムよりなり、ライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている上記12)記載の圧力容器。
【0023】
14)ドーム状連通部材、連結部材およびライナがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている上記12)または13)記載の圧力容器。
【0024】
15)ライナの両端が開口しているとともにすべての容器構成体のライナの長さが等しくなっており、すべての容器構成体のライナの両端部に跨ってそれぞれ外方に膨出したドーム状連通部材が固定され、いずれか一方のドーム状連通部材に口部が設けられている上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0025】
16)すべての容器構成体のうちの少なくとも1つの容器構成体のライナの長さが異なっている上記1)〜14)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0026】
17)すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層が形成されている上記1)〜16)のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【0027】
18)2次繊維強化樹脂層が、補強繊維をライナの長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層、補強繊維をライナの長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維をすべてのライナの長さ方向と直交する方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、各繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる上記17)記載の圧力容器。
【0028】
19)燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0029】
20)上記19)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0030】
21)上記19)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0031】
22)天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0032】
23)上記22)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0033】
24)上記22)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0034】
25)酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が上記1)〜18)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0035】
上記1)の圧力容器によれば、少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えているので、各容器構成体の横断面の大きさおよびライナ周壁の横断面形状や、長さや、すべての容器構成体の並べ方を、設置すべき装置、たとえば自動車の空きスペースに合わせて適宜変更することにより、無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、しかも大容量化を図ることができる。また、各容器構成体のライナの周壁外周面が繊維強化樹脂層により覆われているので、耐圧性も優れたものになる。さらに、1つの口部を備えているだけであるので、用いられるバルブも1つで済み、コストが安くなる。
【0036】
上記2)の圧力容器によれば、並び方向の両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びているので、耐圧性が優れたものになる。
【0037】
上記3)の圧力容器によれば、隣り合う容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっているので、各ライナの内圧が高くなった場合にも、隣り合う容器構成体のライナの上記直線状部分どうしが当たる。したがって、上記直線状部分に作用する内圧が相殺され、耐圧性が向上する。
【0038】
上記4)の圧力容器によれば、各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっているので、ライナの上下方向の変形を抑制することができ、ライナの耐圧性が向上する。
【0039】
上記5)の圧力容器によれば、すべての容器構成体のライナにより、1つの閉空間を比較的簡単に形成することができる。
【0040】
上記6)の圧力容器によれば、隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って、ドーム状連通部材を比較的簡単に固定することができる。
【0041】
上記7)の圧力容器によれば、エンドプレートを比較的簡単に形成することができる。
【0042】
上記8)の圧力容器によれば、外向きフランジどうしの接合を強固に行うことができる。
【0043】
上記9)の圧力容器によれば、エンドプレートを比較的簡単に形成することができる。
【0044】
上記10)の圧力容器によれば、ライナと板との接合を強固に行うことができる。
【0045】
上記11)の圧力容器によれば、ドーム状連通部材とエンドプレートとの接合を強固に行うことができる。
【0046】
上記12)の圧力容器によれば、隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って、ドーム状連通部材を比較的簡単に固定することができる。
【0047】
上記13)の圧力容器によれば、ライナと連結部材との接合を強固に行うことができる。
【0048】
上記14)の圧力容器によれば、ドーム状連通部材とライナと連結部材との接合を強固に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0050】
なお、以下の説明において、図2、図10、図11および図13の左側を前、右側を後というものとする。
【0051】
実施形態1
この実施形態は図1〜図7に示すものである。図1〜図3は圧力容器を示し、図4〜図6は圧力容器の製造方法を示す。また、図7はさらなる耐圧性が要求される場合の対応例を示す。
【0052】
図1〜図3において、圧力容器(1)は、前後方向に伸びかつ両端が開口したアルミニウム製非円筒状ライナ(3A)(3B)およびライナ(3A)(3B)の周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層(4)よりなり、かつライナ(3A)(3B)の中心線が同一水平面内に位置するように左右方向に複数列、ここでは3列に並べられた容器構成体(2A)(2B)と、すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の前後両端部に跨ってそれぞれ固定状に設けられたアルミニウム製エンドプレート(5)と、各エンドプレート(5)に固定され、かつすべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の内部どうしを連通させるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前後両端開口を閉鎖する外方に膨出したアルミニウム製ドーム状連通部材(6)とを備えている。すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)により1つの閉空間が形成され、一方の連通部材(6)に、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部(7)が設けられている。
【0053】
すべての容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の長さは等しく、その前後両端がそれぞれ同一垂直面内に位置するように配置されている。左右両端の容器構成体(2A)におけるライナ(3A)周壁の左右方向外側部分は、横断面において上下方向の中央部が左右方向外側に突出するように丸みを帯びており、ここではライナ(3A)の横断面形状は、だ円を短軸上で切断したような略半楕円状となっている。ライナ(3A)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。左右両端の容器構成体(2A)を除いた他の容器構成体(2B)における周壁の横断面形状は、角部に丸みが付与された縦長方形である。ライナ(3B)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。そして、隣り合う2つの容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な上下方向に伸びる直線状となっている。
【0054】
各ライナ(3A)(3B)の両端部にはそれぞれ外向きフランジ(8A)(8B)が一体に形成されている。左右両端の容器構成体(2A)におけるライナ(3A)の外向きフランジ(8A)は、ライナ(3A)周壁の横断面よりも若干大きくかつライナ(3A)周壁の横断面形状と相似した形状となっている。また、他のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)は、ライナ(3B)周壁の横断面よりも若干大きくかつライナ(3B)周壁の横断面形状と相似した縦長方形である。すべてのライナ(3A)(3B)の外向きフランジ(8A)(8B)の高さは等しくなっている。
【0055】
繊維強化樹脂層(4)は、ライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直角をなすように周方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させることにより形成されたものであり、外向きフランジ(8A)(8B)の部分を除いて各ライナ(3A)(3B)の周壁外周面全体を覆っている。繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。
【0056】
そして、隣り合うライナ(3A)(3B)の外向きフランジ(8A)(8B)どうしが適当な方法、ここでは摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されてすべての容器構成体(2A)(2B)が一体化されており、すべての外向きフランジ(8A)(8B)によってライナ(3A)(3B)の両端部に跨るエンドプレート(5)が固定状に設けられている。外向きフランジ(8A)(8B)どうしの接合ビードを(9)で示す。なお、外向きフランジ(8A)(8B)どうしを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0057】
ドーム状連通部材(6)は鍛造、ダイカストまたは切削により形成されたものであり、エンドプレート(5)の外形と同形同大の外形を有している。一方の連通部材(6)に形成された口部(7)には、その外端から貫通穴(7a)が形成されており、貫通穴(7a)の内周面に、たとえば制御バルブを取り付けるのに利用されるめねじ(7b)が形成されている。連通部材(6)は、周壁の端面がエンドプレート(5)の前後方向外面の周縁部に密着した状態で、適当な方法、ここでは摩擦攪拌接合法により外周側からエンドプレート(5)に接合されている。連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合ビードを(10)で示す。なお、連通部材(6)とエンドプレート(5)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0058】
ライナ(3A)(3B)および両連通部材(6)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。すべてのライナ(3A)(3B)および両連通部材(6)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは少なくとも1つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0059】
圧力容器(1)は、以下に述べる方法によって製造される。
【0060】
まず、図4および図5に示す方法により容器構成体(2A)(2B)を製造する。なお、図4は左右方向(並び方向)の一端部に位置する容器構成体(2A)を製造する方法を示し、図5は左右方向の中間部に位置する容器構成体(2B)を製造する方法を示す。
【0061】
すなわち、横断面の外形が外向きフランジ(8A)(8B)の外形と同形同大であり、かつ横断面形状が外向きフランジ(8A)(8B)の外形と相似形状である貫通穴(16A)(16B)を有するアルミニウム製中空押出形材(15A)(15B)を形成する(図4(a)および図5(a)参照)。ついで、中空押出形材(15A)(15B)の外周面にその両端部を除いて切削加工を施すことにより、両端が開口した非円筒状ライナ(3A)(3B)とライナ(3A)(3B)の両端部の外向きフランジ(8A)(8B)とを同時に形成する(図4(b)および図5(b)参照)。ついで、ライナ(3A)(3B)の外周に、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた強化繊維、あるいは樹脂を含浸させた強化繊維の束をライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直交するように周方向に巻き付けることによりフープ巻繊維層を形成した後、樹脂を硬化させて繊維強化樹脂層(4)を形成することにより容器構成体(2A)(2B)を製造する(図4(c)および図5(c)参照)。
【0062】
また、鍛造、ダイカストまたは切削により2つのドーム状連通部材(6)を製造しておく。一方の連通部材(6)には口部(7)を形成しておく。
【0063】
ついで、すべての容器構成体(2A)(2B)を、その中心線が同一水平面内に位置するとともに前後両端が同一垂直面内に位置するように並列状に並べ、隣り合う容器構成体(2A)(2B)の外向きフランジ(8A)(8B)の側縁部どうしを当接させる。そして、隣り合う容器構成体(2A)(2B)の外向きフランジ(8A)(8B)どうしを、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から摩擦攪拌接合することにより、エンドプレート(5)を固定状に設ける(図6参照)。
【0064】
その後、両連通部材(6)の周壁端面を両エンドプレート(5)の前後方向外面の周縁部に当接させた状態で、連通部材(6)とエンドプレート(5)とを外周側から摩擦攪拌接合する。
【0065】
こうして、圧力容器(1)が製造される。
【0066】
圧力容器(1)にさらなる耐圧性が要求される場合には、図7に示すように、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0067】
2次繊維強化樹脂層(20)は、補強繊維をすべての容器構成体(2A)(2B)を連結するようにライナ(3A)(3B)の長さ方向とほぼ直交するように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻繊維強化樹脂層(21)と、補強繊維をライナ(3A)(3B)の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻繊維強化樹脂層(23)と、補強繊維をライナ(3A)(3B)の長さ方向と平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたインプレーン巻繊維強化樹脂層(22)とよりなる。各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各繊維強化樹脂層(21)(22)(23)は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた強化繊維、あるいは樹脂を含浸させた強化繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。
【0068】
実施形態1において、ライナ(3A)(3B)および外向きフランジ(8A)(8B)は、中空押出形材(15A)(15B)に切削加工を施すことにより一体に形成されているが、これに代えて、ダイカストによりライナ(3A)(3B)および外向きフランジ(8A)(8B)が一体に形成されていてもよい。
【0069】
また、実施形態1において、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、外向きフランジ(8A)(8B)が樹脂により一体に形成されることがある。この場合、外向きフランジ(8A)(8B)どうしが溶接または接着により接合されてエンドプレート(5)が形成され、連通部材(6)として樹脂製のものが用いられてエンドプレート(5)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、外向きフランジ(8A)(8B)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえば外向きフランジ(8A)(8B)をインサートとしてライナ(3A)(3B)を射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)と外向きフランジ(8A)(8B)とが一体化される。なお、この場合、外向きフランジ(8A)(8B)どうしの接合、および連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合は、実施形態1の場合と同様にして行われる。
【0070】
実施形態2
この実施形態は図8に示すものである。
【0071】
この実施形態の圧力容器の場合、各エンドプレート(5)は、ライナ(3A)(3B)の両端部を嵌め入れる貫通穴(31A)(31B)を有する1枚の金属板、ここではアルミニウム板(30)からなる。そして、各ライナ(3A)(3B)の両端部がそれぞれアルミニウム板(30)の貫通穴(31A)(31B)内に嵌め入れられ、アルミニウム板(30)における貫通穴(31A)(31B)の周囲の部分とライナ(3A)(3B)の開口端部とが、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されている。なお、ライナ(3A)(3B)の両端部におけるアルミニウム板(30)の貫通穴(31A)(31B)内に嵌め入れられる部分には繊維強化樹脂層(4)は形成されていない。アルミニウム板(30)とライナ(3A)(3B)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0072】
アルミニウム板(30)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0073】
その他の構成は実施形態1の圧力容器(1)と同様であり、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0074】
上記実施形態2においては、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、すべてのライナ(3A)(3B)とエンドプレート(5)とが樹脂により一体成形されることがある。この場合、連通部材(6)も樹脂製のものとされ、エンドプレート(5)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、エンドプレート(5)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえばエンドプレート(5)をインサートとしてすべてのライナ(3A)(3B)を同時に射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)とエンドプレート(5)とが一体化される。なお、この場合、連通部材(6)とエンドプレート(5)との接合は、実施形態1の場合と同様にして行われる。
【0075】
実施形態3
この実施形態は図9に示すものである。
【0076】
この実施形態の圧力容器の場合、エンドプレート(5)は用いられておらず、隣り合う容器構成体(2A)(2B)のライナ(3A)(3B)の両端部どうしが金属製、ここではアルミニウム製板状連結部材(35)を介して連結一体化されている。すなわち、連結部材(35)の両側には、それぞれ隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前後両端部における一部分が嵌る切り欠き(36)が形成されている。そして、ライナ(3A)(3B)の前後両端部が連結部材(35)の切り欠き(36)内に嵌め入れられ、連結部材(35)における切り欠き(36)の周囲の部分とライナ(3A)(3B)の両端部とが、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により、ライナ(3A)(3B)の長さ方向外側から接合されている。なお、ライナ(3A)(3B)の両端部における連結部材(35)の切り欠き(36)内に嵌め入れられる部分には繊維強化樹脂層(4)は形成されていない。連結部材(35)とライナ(3A)(3B)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0077】
ドーム状連通部材(6)は、すべてのライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とを合わせたものの外形と同形同大の外形を有している。連通部材(6)は、周壁端面をすべてのライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とを合わせたものの端面の周縁部に当接させられた状態で、適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されている。連通部材(6)とライナ(3A)(3B)および連結部材(35)とを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0078】
連結部材(35)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0079】
その他の構成は実施形態1の圧力容器(1)と同様であり、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体(2A)(2B)に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【0080】
上記実施形態3においては、ライナ(3A)(3B)はアルミニウム製であるが、これに代えて樹脂製のものを用いてもよい。樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合、連結部材(35)がすべてのライナ(3A)(3B)に一体に形成されることがある。この場合、連通部材(6)も樹脂製のものとされ、連結部材(35)およびライナ(3A)(3B)に溶接または接着により接合される。また、樹脂製ライナ(3A)(3B)を用いる場合であっても、連結部材(35)としてライナ(3A)(3B)と別体のアルミニウム製のものがを用いられることがある。この場合、たとえば連結部材(35)をインサートとしてすべてのライナ(3A)(3B)を射出成形することにより、ライナ(3A)(3B)と連結部材(35)とが一体化される。なお、この場合、連通部材(6)とライナ(3A)(3B)および連結部材(35)との接合は、適当な方法、たとえば接着により行われる。
【0081】
上記実施形態1〜3において、左右両端の容器構成体(2A)を除いた左右方向(並び方向)の中間部の容器構成体(2B)の数は適宜変更可能である。
【0082】
図10は、複数の容器構成体(2A)(2B)を、左右方向に3列以上並べた場合の圧力容器の変形例を示す。図10においては、上側が左、下側が右となる。
【0083】
なお、図10において、左右両端に位置する容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面形状および並び方向の中間部に位置する容器構成体(2B)のライナ(3B)周壁の横断面形状は実施形態1〜3の場合と同じである。また、図10においては、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0084】
図10(a)に示す圧力容器(40)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが等しく、すべてのライナ(3A)(3B)は前後両端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0085】
右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしは、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、両ライナ(3A)(3B)の後端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、両ライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。左端のライナ(3A)の後端部には閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造によりこのライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。
【0086】
また、口部(7)は、前側の連通部材(6)に代えて、後側の連通部材(6)または閉鎖部材(41A)に形成されていてもよい。
【0087】
なお、図10(a)に示す圧力容器の場合、後側エンドプレート(5)の外形および後側連通部材(6)の外形は、一端のライナ(3A)の外向きフランジ(8A)に、中間部のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)を付け加えたような形状となる。
【0088】
図10(b)に示す圧力容器(42)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが等しく、すべてのライナ(3A)(3B)は前後両端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0089】
各ライナ(3A)(3B)の後端部には閉鎖部材(41A)(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)(41B)により各ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造により各ライナ(3A)(3B)と閉鎖部材(41A)(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0090】
また、口部(7)は、連通部材(6)に代えて、いずれかの閉鎖部材(41A)(41B)に形成されていてもよい。
【0091】
図10(c)に示す圧力容器(43)の場合、すべてのライナ(3A)(3B)の長さが異なっており、すべてのライナ(3A)(3B)は、前端が同一垂直面内に位置するように並べられている。そして、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が接合され、すべてのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。
【0092】
各ライナ(3A)(3B)の後端部には閉鎖部材(41A)(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)(41B)により各ライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。なお、鍛造により各ライナ(3A)(3B)と閉鎖部材(41A)(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0093】
また、口部(7)は、連通部材(6)に代えて、いずれかの閉鎖部材(41A)(41B)に形成されていてもよい。
【0094】
図10(d)に示す圧力容器(44)の場合、右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前端が同一垂直面内に位置するとともに、左側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端が同一垂直面内に位置するように並べられている。右側の2つのライナ(3A)(3B)の前端部どうし、および左側の2つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに、右側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の前端開口および左側の隣り合う2つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0095】
また、右端のライナ(3A)の後端部および左端のライナ(3A)の前端部には、それぞれ閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により外周側から接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)における連通部材(6)とは反対側の端部の開口が閉鎖されている。なお、鍛造によりこれらのライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。そして、左端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)に口部(7)が形成されている。
【0096】
また、口部(7)は、左端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)に代えて、右端のライナ(3A)の閉鎖部材(41A)やいずれかの連通部材(6)に形成されていてもよい。
【0097】
なお、図10(d)に示す圧力容器の場合、エンドプレート(5)の外形および連通部材(6)の外形は、一端のライナ(3A)の外向きフランジ(8A)に、中間部のライナ(3B)の外向きフランジ(8B)を付け加えたような形状となる。
【0098】
図10(e)に示す圧力容器(45)の場合、長さの等しい2つのライナ(3A)が、左右方向に間隔をおいて前後両端が同一垂直面内に位置するように配置され、両ライナ(3A)間に、短い2つのライナ(3B)が前後方向に伸びる同一直線上に位置するように配置されている。一方の短いライナ(3B)の前端は2つの長いライナ(3A)の前端と同一垂直面内に位置しており、これら3つのライナ(3A)(3B)の前端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して口部(7)を有するドーム状連通部材(6)がすべてのライナ(3A)(3B)の前端部に跨るように接合され、3つのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに3つのライナ(3A)(3B)の前端開口が閉鎖されている。他方の短いライナ(3B)の後端は2つの長いライナ(3A)の後端と同一垂直面内に位置しており、これら3つのライナ(3A)(3B)の後端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)がすべてのライナ(3A)(3B)の後端部に跨るように接合され、3つのライナ(3A)(3B)の内部どうしが連通させられるとともに3つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0099】
また、2つの短いライナ(3B)の連通部材(6)とは反対側の端部には閉鎖部材(41B)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により接合されており、閉鎖部材(41B)によりライナ(3B)の当該端部側の開口が閉鎖されている。なお、鍛造により短いライナ(3B)と閉鎖部材(41B)とが一体に形成されていてもよい。
【0100】
また、口部(7)は、後側の連通部材(6)に代えて、前側の連通部材(6)またはいずれかの閉鎖部材(41B)に形成されていてもよい。
【0101】
実施形態4
この実施形態は図11および図12に示すものである。なお、図11および図12において、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0102】
図11および図12において、圧力容器(50)は、前後方向に伸びかつ両端が開口したアルミニウム製非円筒状ライナ(3A)およびライナ(3A)の周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層(4)よりなり、かつライナ(3A)の中心線が同一水平面内に位置するように左右方向に2列に並べられた2つの容器構成体(2A)を備えている。すなわち、圧力容器(50)においては、容器構成体(2A)は、実施形態1の圧力容器(1)から中間部の容器構成体(2B)を省き、両容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面直線状部分が互いに近接するように配置されている。
【0103】
両容器構成体(2A)のライナ(3A)の前後両端部どうしは、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、両ライナ(3A)の前後両端部に跨るようにそれぞれドーム状連通部材(6)が接合され、両ライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)の前後両端開口が閉鎖されている。そして、一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。なお、エンドプレート、連結部材の形状は、両ライナ(3A)の横断面形状に適応した形状となっている。
【0104】
なお、エンドプレート(5)、連結部材(35)の形状は、両ライナ(3A)の横断面形状に適応した形状となっている。すなわち、連通部材(6)の外形は図12に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0105】
実施形態4の圧力容器(50)において、両ライナ(3A)のいずれか一端部においては、両ライナ(3A)に跨って連通部材(6)が接合されておらず、ここにそれぞれ閉鎖部材(41A)が接合、または鍛造により一体に形成されていてもよい。
【0106】
図13は、複数の容器構成体(2A)を、左右方向に2列並べた場合の圧力容器の変形例を示す。図13において、上側が左、下側が右となる。
【0107】
なお、図13において、両容器構成体(2A)のライナ(3A)周壁の横断面形状は実施形態4の場合と同じである。また、図12においては、繊維強化樹脂層の図示は省略されている。
【0108】
図13に示す圧力容器(51)の場合、1つのライナ(3A)の左側に、短い2つのライナ(3A)が前後方向に伸びる同一直線上に位置するように配置されている。一方の短いライナ(3A)の前端は長いライナ(3A)の前端と同一垂直面内に位置しており、これら2つのライナ(3A)の前端部どうしが、実施形態4の場合と同様にして連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して口部(7)を有するドーム状連通部材(6)が隣り合う2つのライナ(3A)の前端部に跨るように接合され、2つのライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに2つのライナ(3A)の前端開口が閉鎖されている。他方の短いライナ(3A)の後端は長いライナ(3A)の後端と同一垂直面内に位置しており、これら2つのライナ(3A)の後端部どうしが、実施形態4の場合と同様にして連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が隣り合う2つのライナ(3A)の右端部に跨るように接合され、2つのライナ(3A)の内部どうしが連通させられるとともに2つのライナ(3A)(3B)の後端開口が閉鎖されている。
【0109】
また、2つの短いライナ(3A)の連通部材(6)とは反対側の端部には閉鎖部材(41A)が適当な方法、たとえば摩擦攪拌接合法により接合されており、閉鎖部材(41A)によりライナ(3A)の当該端部側の開口が閉鎖されている。なお、鍛造により短いライナ(3A)と閉鎖部材(41A)とが一体に形成されていてもよい。
【0110】
また、口部(7)は、左側の連通部材(6)に代えて、右側の連通部材(6)またはいずれかの閉鎖部材(41A)に形成されていてもよい。
【0111】
図14は、複数の容器構成体を並べた場合の圧力容器の変形例を示す。なお、図14においては、繊維強化樹脂層(4)の図示は省略されている。
【0112】
図14(a)に示す圧力容器(55)の場合、実施形態1の右端のライナ(3A)の左側に、周壁の横断面形状が、だ円を上下方向に伸びる長軸上で切断したような略半楕円状でかつ横断面において上下方向の中央部が左側に突出するように丸みを帯びているライナ(56)が配置されている。ライナ(56)周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。両ライナ(3A)(56)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な上下方向に伸びる直線状となっている。
【0113】
これらのライナ(3A)(56)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(56)の両端部どうしが、それぞれ実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が両ライナ(3A)(56)の前後両端部に跨るように接合され、両ライナ(3A)(56)の内部どうしが連通させられるとともに両ライナ(3A)(56)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(a)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0114】
なお、図14(a)に示す圧力容器において、両ライナの長さを異なるものとしておき、図13に示すように並べることも可能である。
【0115】
図14(b)の圧力容器(57)の場合、実施形態1の左右両端のライナ(3A)が相互に間隔をおいて配置され、両ライナ(3A)間に、周壁の横断面形状が角部に丸みが付与された二等辺三角形状であるライナ(58)が配置されている。中央部のライナ(58)周壁の横断面における互いに等しい二辺の長さは、左右両端のライナ(3A)周壁の横断面における直線状部分の長さと等しくなっている。ライナ(58)の周壁の横断面における左右方向の幅は、上下方向の高さよりも小さくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(58)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0116】
これらのライナ(3A)(58)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(58)の両端部どうしが、それぞれ実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用してドーム状連通部材(6)が両ライナ(3A)(58)の前後両端部に跨るように接合され、すべてのライナ(3A)(58)の内部どうしが連通させられるとともにすべてのライナ(3A)(58)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(b)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0117】
なお、図14(b)に示す圧力容器において、ライナの配置の仕方は、図10に示すようにも変更可能である。
【0118】
図14(c)に示す圧力容器(60)の場合、図14(b)に示す圧力容器(57)における左右両端部のうちのいずれか一方のライナ(3A)と、中央のライナ(58)との間に、実施形態1の圧力容器(1)における左右方向の中間部に位置するライナ(3B)が配置されている。すべてのライナ(3A)(3B)(58)の長さは等しくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(58)および(3A)(3B)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0119】
すべてのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)(58)の前後両端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)(58)の内部どうしが連通させられるとともに全ライナ(3A)(3B)(58)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(c)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0120】
なお、図14(c)に示す圧力容器において、ライナの配置の仕方は、図10に示すようにも変更可能である。
【0121】
図14(d)に示す圧力容器(61)の場合、実施形態1の左端のライナ(3A)の右側に同じく左右方向の中間部のライナ(3B)が配置され、このライナ(3B)の右側に、周壁の横断面形状が角部に丸みが付与された略扇形であるライナ(62)が、横断面における一方の半径部分が左側を向くとともに他方の半径部分が上方を向くように配置され、このライナ(62)の上側に実施形態1の左右方向の中間部のライナ(3B)が横断面における長辺部分を左右方向に向けて配置され、さらにこのライナ(3B)の上側に実施形態1の右端のライナ(3A)が横断面における直線状部分を下方に向けて配置されている。ライナ(62)周壁の横断面における半径部分の長さは、ライナ(3B)周壁の横断面における長辺部分の長さと等しくなっている。そして、隣り合う2つのライナ(3A)(3B)および(3B)(62)の周壁における互いに近接した部分は、横断面において互いに平行な直線状となっている。
【0122】
すべてのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端はそれぞれ同一垂直面内に位置しており、これらのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端部どうしが、実施形態1および2のエンドプレート(5)または実施形態3の連結部材(35)を用いて連結一体化されており、エンドプレート(5)または連結部材(35)を利用して、すべてのライナ(3A)(3B)(62)の前後両端部に跨るようにドーム状連通部材(6)が接合され、これらのライナ(3A)(3B)(62)の内部どうしが連通させられるとともに全ライナ(3A)(3B)(62)の両端開口が閉鎖されている。いずれか一方の連通部材(6)に口部(7)が形成されている。連通部材(6)の外形は図14(d)に鎖線で示すような形状であり、エンドプレート(5)または連結部材(35)の形状もこれに対応したものとなる。
【0123】
図10〜図14に示す圧力容器においても、樹脂製ライナが用いられることもある。この場合、実施形態1〜3で述べたようにライナが連結一体化される。
【0124】
また、図10〜図14に示す圧力容器において、さらなる耐圧性が要求される場合には、実施形態1の場合と同様に、すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層(20)が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】この発明の実施形態1の圧力容器を示す斜視図である。
【図2】同じく水平断面図である。
【図3】同じく横断面図である。
【図4】並び方向の端に位置する容器構成体を製造する方法を示す斜視図である。
【図5】並び方向の中間に位置する容器構成体を製造する方法を示す斜視図である。
【図6】連結一体化された複数の容器構成体に連通部材を接合する状態を示す斜視図である。
【図7】実施形態1の圧力容器にさらなる耐圧性が要求された場合の対応例を示す平面図である。
【図8】この発明の実施形態2の圧力容器を示し、連通部材を省略した分解斜視図である。
【図9】この発明の実施形態3の圧力容器を示し、連通部材を省略した分解斜視図である。
【図10】複数の容器構成体を左右方向に3列以上並べた場合の圧力容器の変形例を示す一部を省略した平面図である。
【図11】この発明の実施形態4の圧力容器を示す一部を切り欠いた平面図である。
【図12】図11の圧力容器の横断面図である。
【図13】複数の容器構成体を左右方向に2列並べた場合の圧力容器の変形例を示す一部を省略した平面図である。
【図14】長さの等しいライナを有する複数の容器構成体を並べた場合の圧力容器の変形例を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0126】
(1)(40)(42)〜(45)(50)(51)(55)(57)(60)(61):圧力容器
(2):容器構成体
(3A)(3B)(56)(58)(62):ライナ
(4):繊維強化樹脂層
(5):エンドプレート
(6):ドーム状連通部材
(7):口部
(8A)(8B):外向きフランジ
(20):2次繊維強化樹脂層
(21):フープ巻繊維強化樹脂層
(22):インプレーン巻繊維強化樹脂層
(23):ヘリカル巻繊維強化樹脂層
(30):アルミニウム板
(31A)(31B):貫通穴
(35):連結部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えている圧力容器。
【請求項2】
左右両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びている請求項1記載の圧力容器。
【請求項3】
隣り合う2つの容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっている請求項1または2記載の圧力容器。
【請求項4】
各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項5】
隣り合う少なくとも2つの容器構成体が、ライナの開口端部が同一側に来るように配置され、これらの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って外方に膨出したドーム状連通部材が固定されることにより、これらのライナの内部どうしが連通させられるとともにライナの開口が閉鎖されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項6】
ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部に跨ってエンドプレートが固定状に設けられ、ドーム状連通部材の周縁部がエンドプレートの周縁部に接合されている請求項5記載の圧力容器。
【請求項7】
エンドプレートが、ライナの開口端部に一体に形成された外向きフランジどうしが接合されることにより形成されている請求項6記載の圧力容器。
【請求項8】
ライナおよび外向きフランジがアルミニウムよりなり、外向きフランジどうしが摩擦攪拌接合されている請求項7記載の圧力容器。
【請求項9】
エンドプレートが、ライナの開口端部を嵌め入れる貫通穴を有する1枚の板からなり、当該板における貫通穴の周囲の部分とライナの開口端部とが接合されている請求項6記載の圧力容器。
【請求項10】
ライナおよび板がアルミニウムよりなり、ライナと板とが摩擦攪拌接合されている請求項9記載の圧力容器。
【請求項11】
ドーム状連通部材およびエンドプレートがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とエンドプレートとが摩擦攪拌接合されている請求項6〜10のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項12】
ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部間に、両側のライナの開口端部が嵌る切り欠きを有する板状連結部材が配置されるとともに、連結部材における切り欠きの周囲の部分とライナの開口端部とが接合され、ドーム状連通部材の周縁部が連結部材およびライナの開口端部に接合されている請求項5記載の圧力容器。
【請求項13】
ライナおよび連結部材がアルミニウムよりなり、ライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている請求項12記載の圧力容器。
【請求項14】
ドーム状連通部材、連結部材およびライナがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている請求項12または13記載の圧力容器。
【請求項15】
ライナの両端が開口しているとともにすべての容器構成体のライナの長さが等しくなっており、すべての容器構成体のライナの両端部に跨ってそれぞれ外方に膨出したドーム状連通部材が固定され、いずれか一方のドーム状連通部材に口部が設けられている請求項1〜14のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項16】
すべての容器構成体のうちの少なくとも1つの容器構成体のライナの長さが異なっている請求項1〜14のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項17】
すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層が形成されている請求項1〜16のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項18】
2次繊維強化樹脂層が、補強繊維をライナの長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層、補強繊維をライナの長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維をすべてのライナの長さ方向と直交する方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、各繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる請求項17記載の圧力容器。
【請求項19】
燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項20】
請求項19記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【請求項21】
請求項19記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【請求項22】
天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項23】
請求項22記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【請求項24】
請求項22記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【請求項25】
酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【請求項1】
少なくとも一端が開口した非円筒状ライナおよびライナの周壁外周面を覆う繊維強化樹脂層よりなる複数の容器構成体が並べられて一体化されることにより構成されており、すべての容器構成体のライナ内部どうしが連通させられるとともに、すべての容器構成体のライナにより1つの閉空間が形成され、当該閉空間を外部に通じさせる1つの口部を備えている圧力容器。
【請求項2】
左右両端に位置する容器構成体のライナの周壁における外側部分が、横断面において中央部分が外方に突出するように丸みを帯びている請求項1記載の圧力容器。
【請求項3】
隣り合う2つの容器構成体のライナの周壁における互いに近接した部分が、横断面において互いに平行な直線状となっている請求項1または2記載の圧力容器。
【請求項4】
各容器構成体のライナ周壁の横断面における左右方向の幅が上下方向の高さよりも小さくなっている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項5】
隣り合う少なくとも2つの容器構成体が、ライナの開口端部が同一側に来るように配置され、これらの容器構成体のライナの開口端部どうしに跨って外方に膨出したドーム状連通部材が固定されることにより、これらのライナの内部どうしが連通させられるとともにライナの開口が閉鎖されている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項6】
ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部に跨ってエンドプレートが固定状に設けられ、ドーム状連通部材の周縁部がエンドプレートの周縁部に接合されている請求項5記載の圧力容器。
【請求項7】
エンドプレートが、ライナの開口端部に一体に形成された外向きフランジどうしが接合されることにより形成されている請求項6記載の圧力容器。
【請求項8】
ライナおよび外向きフランジがアルミニウムよりなり、外向きフランジどうしが摩擦攪拌接合されている請求項7記載の圧力容器。
【請求項9】
エンドプレートが、ライナの開口端部を嵌め入れる貫通穴を有する1枚の板からなり、当該板における貫通穴の周囲の部分とライナの開口端部とが接合されている請求項6記載の圧力容器。
【請求項10】
ライナおよび板がアルミニウムよりなり、ライナと板とが摩擦攪拌接合されている請求項9記載の圧力容器。
【請求項11】
ドーム状連通部材およびエンドプレートがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とエンドプレートとが摩擦攪拌接合されている請求項6〜10のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項12】
ライナの開口端部が同一側に来るように配置された隣り合う少なくとも2つの容器構成体のライナの開口端部間に、両側のライナの開口端部が嵌る切り欠きを有する板状連結部材が配置されるとともに、連結部材における切り欠きの周囲の部分とライナの開口端部とが接合され、ドーム状連通部材の周縁部が連結部材およびライナの開口端部に接合されている請求項5記載の圧力容器。
【請求項13】
ライナおよび連結部材がアルミニウムよりなり、ライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている請求項12記載の圧力容器。
【請求項14】
ドーム状連通部材、連結部材およびライナがアルミニウムよりなり、ドーム状連通部材とライナと連結部材とが摩擦攪拌接合されている請求項12または13記載の圧力容器。
【請求項15】
ライナの両端が開口しているとともにすべての容器構成体のライナの長さが等しくなっており、すべての容器構成体のライナの両端部に跨ってそれぞれ外方に膨出したドーム状連通部材が固定され、いずれか一方のドーム状連通部材に口部が設けられている請求項1〜14のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項16】
すべての容器構成体のうちの少なくとも1つの容器構成体のライナの長さが異なっている請求項1〜14のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項17】
すべての容器構成体に跨るように2次繊維強化樹脂層が形成されている請求項1〜16のうちのいずれかに記載の圧力容器。
【請求項18】
2次繊維強化樹脂層が、補強繊維をライナの長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層、補強繊維をライナの長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維をすべてのライナの長さ方向と直交する方向に巻き付けてなるフープ巻繊維層と、各繊維層に含浸させて硬化させた樹脂とよりなる請求項17記載の圧力容器。
【請求項19】
燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項20】
請求項19記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【請求項21】
請求項19記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【請求項22】
天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項23】
請求項22記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【請求項24】
請求項22記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【請求項25】
酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が請求項1〜18のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−38154(P2006−38154A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221365(P2004−221365)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
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