説明

圧力式炊飯器

【課題】炊き上がりのご飯の粘り、硬さ、弾力などを調整し、炊き分け性能を向上させた圧力式炊飯器を提供すること。
【解決手段】鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、制御手段は、炊飯コースに応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の閉時間を変えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋内を高温・加圧状態にして炊飯を行うことにより、短時間で美味しいご飯を炊き上げる圧力式の炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在販売されている圧力式炊飯器では、鍋内で米に水を吸水させる吸水工程、吸水工程後に急速に加熱・昇温し、鍋内を加圧しながら沸騰状態に至らせる立上加熱工程、立上加熱工程で加圧された鍋内でこの沸騰状態を保って米を炊き続ける沸騰維持工程、沸騰維持工程の終了後に米を蒸らす蒸らし工程の各工程を経てご飯を炊いている。
【0003】
この圧力式炊飯器の特徴は、炊飯時、特に、沸騰開始前や沸騰中に鍋内の圧力を高くし、加熱と圧力との相乗効果によって水を米粒内に短時間で浸透させて炊飯時間を短縮し、結果として軟らかいご飯を炊き上げるところにある。
【0004】
また、近年、消費者の嗜好の多様化により、炊き上がりのおいしさに対する要求は様々なものがあり、ご飯の硬さだけでなく、その他の甘み、粘り、旨味、香り、弾力性、つや等においても細分化されており、これらの炊き分けに対応するため、種々の炊飯コースを設けた圧力式炊飯器が開発されている。
【0005】
例えば、下記特許文献1に開示された圧力式炊飯器は、甘みの強いご飯を炊飯するため、立上加熱工程において少なくとも30秒かけて被炊飯物を75℃から85℃に上昇させるよう加熱量を制御して、甘み成分を増加させた甘み炊き炊飯コースを設けている。
【0006】
又、この圧力式炊飯器は、立上加熱工程において吸水工程が終了すると、通常炊飯コースでは図12に示すようにフルパワーで鍋を加熱して昇温させるのに対し、甘み炊きコースは図13に示すように加熱量を制御して、ゆっくりと昇温させることにより、75℃から85℃の温度領域を通過する時間を長くし、ご飯に含まれるブドウ糖を増加させる。またこの炊飯器は、立上加熱で圧力弁を閉動して鍋内を約1.2気圧に昇圧して該立上加熱工程を実行し、次の沸騰維持工程では圧力弁を少なくとも1回強制的に開放させて、沸騰中の鍋内の圧力を大気圧近傍まで一気に低下させて鍋内の米粒を攪拌する制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3831714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の圧力式炊飯器は、沸騰工程における電力を制御するもので、これによりご飯の甘み成分を増加させ、通常の炊飯コースと比較して甘みが強いご飯を炊くことが可能である。しかしながら、この圧力式炊飯器の炊きわけは、沸騰工程以外の工程は同じ制御をしており、触感については大差があるものではない。甘み等の味に加えて、粘りや弾力等の触感についても差をつければ、より高度な炊き分けをすることができる。
【0009】
そこで本発明は、前記従来課題を解決するもので、炊飯コースに応じて沸騰維持工程における圧力弁の開閉サイクル時間を変動或いは、閉じる時間を従来に比べて長くすることにより、粘り、硬さ、弾力等の特徴が異なるご飯を炊飯し、炊き分け性能を向上させた圧力式炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、制御手段と、を有し、前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、前記制御手段は、前記炊飯コースに応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の開閉サイクル時間を変えていることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、沸騰維持工程における、圧力弁の開閉サイクル時間を炊飯コースに応じて変更することにより、粘りや弾力が強く甘みを感じるやわらかめのご飯にしたり、逆に粘りや弾力を抑え噛むほどに味が出てくるしゃっきりとしたご飯にしたりと、特徴の異なるご飯が炊飯でき、炊き分け性能を向上することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、制御手段と、を有し、前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、前記制御手段は、前記炊飯コースに応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の閉時間を変えていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、沸騰維持工程における、圧力弁の閉じる時間を炊飯コースに応じて変更することにより、粘りや弾力が強く甘みを感じるやわらかめのご飯にすることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の圧力式炊飯器であり、前記複数の炊飯コース夫々は、前記吸水工程、立上加熱工程、沸騰維持工程、のいずれかの工程において前記制御手段が炊飯の制御を異ならせていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の圧力式炊飯器であり、前記複数の炊飯コースは、前記吸水工程において温度に応じて吸水時間を変える第1のコースと、前記吸水工程において吸水時間が一定である第2のコースを少なくとも有することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、鍋内の被炊飯物の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、制御手段と、を有し、前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、前記炊飯量判定手段の判定した炊飯量に応じて、前記制御手段が、沸騰維持工程における前記圧力弁の開閉サイクル時間を変えていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、沸騰維持工程における、圧力弁の開閉サイクル時間を炊飯量に応じて変更することにより、粘りや弾力が強く甘みを感じるやわらかめのご飯にしたり、逆に粘りや弾力を抑え噛むほどに味が出てくるしゃっきりとしたご飯にしたりと、特徴の異なるご飯が炊飯でき、炊き分け性能を向上することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、鍋内の被炊飯物の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、制御手段と、を有し、前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、前記制御手段は、前記炊飯量判定手段の判定した炊飯量に応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の閉時間を変えていることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、沸騰維持工程における、圧力弁の閉じる時間を炊飯量に応じて変更することにより、粘りや弾力が強く甘みを感じるやわらかめのご飯にしたり、逆に粘りや弾力を抑え噛むほどに味が出てくるしゃっきりとしたご飯にしたりと、特徴の異なるご飯が炊飯でき、炊き分け性能を向上することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の圧力式炊飯器であり、前記複数の炊飯コース夫々は、前記吸水工程、立上加熱工程、沸騰維持工程、のいずれかの工程において前記制御手段が炊飯の制御を異ならせていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の圧力式炊飯器であり、前記複数の炊飯コースは、前記吸水工程において温度に応じて吸水時間を変える第1のコースと、前記吸水工程において吸水時間が一定である第2のコースを少なくとも有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、沸騰維持工程における、圧力弁の開閉サイクル時間や閉じる時間を炊飯コースや炊飯量等に応じて変更することにより、圧力弁を閉じる時間を長くすることにより粘りや弾力が強く甘みを感じるやわらかめのご飯にしたり、圧力弁を開く時間を長くすることにより粘りや弾力を抑え噛むほどに味が出てくるしゃっきりとしたご飯にしたりと、特徴の異なるご飯が炊飯でき、炊き分け性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る圧力式炊飯器の正面図
【図2】図1の圧力式炊飯器を縦方向で切断した断面図
【図3】図2の圧力弁開放機構部分を拡大した拡大断面図
【図4】図1の圧力式炊飯器に収容される制御装置のブロック図
【図5】本発明の第1の形態における炊飯器の制御装置で実行する吸水工程から加熱工程のフローチャート
【図6】本発明の第1の形態における炊飯器の制御装置で実行する沸騰維持工程のフローチャート
【図7】本発明の第1の形態における炊飯器の制御装置で実行する炊飯コースAの鍋内の温度および圧力の変化を示した温度・圧力曲線図
【図8】本発明の第2の形態における炊飯器の制御装置で実行する炊飯コースBの鍋内の温度および圧力の変化を示した温度・圧力曲線図
【図9】本発明の第2の形態における炊飯器の制御装置で実行する沸騰維持工程の圧力弁制御を示したマトリックス図
【図10】本発明の第3の形態における炊飯器の制御装置で実行する沸騰維持工程の圧力弁制御を示したマトリックス図
【図11】本発明の第4の形態における炊飯器の制御装置で実行する沸騰維持工程の圧力弁制御を示したマトリックス図
【図12】図11は従来技術の圧力式炊飯器における、白米・ふつうコースの鍋内の温度および圧力の変化を示した温度・圧力曲線図
【図13】図13は従来技術の圧力式炊飯器における、白米・甘み炊きコースの鍋内の温度および圧力の変化を示した温度・圧力曲線図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこの炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0025】
(実施の形態1)
図1、図2は本発明の実施形態に係る圧力式炊飯器を示し、図1は正面図、図2は図1の圧力式炊飯器を縦方向で切断した断面図である。
【0026】
被炊飯物が投入される鍋10と、前記鍋10が収容される開口部及び鍋10内の被炊飯物を加熱する加熱手段Hを有する炊飯器本体2と、前記本体2の開口部10aを塞ぐ蓋体11と、前記蓋体11に装着されて前記鍋10内の内圧を調整する圧力弁13と、前記圧力弁13を開放させる圧力弁開放機構19と、前記鍋10内の被炊飯物の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、前記炊飯量判定手段で判定した炊飯量により前記加熱手段H及び前記圧力弁開放機構19を制御して前期鍋10内の被炊飯物の吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程及び炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程を含む所定の炊飯工程の実行を伴うと、を備えている。
【0027】
本体2は、図1および図2に示すように、有底箱状の外装ケース3と、この外装ケース3に収容されその中に鍋10が収容される内ケース4とからなり、外装ケース3と内ケース4との間に隙間が形成され、この隙間に存在する制御回路基盤等(図示省略)が配設されている。内ケース4は、その底部4a及び側部4bに加熱手段5、底部4aに鍋底温度を検出するサーミスタ等からなる鍋底センサSen1が設けられている。加熱手段Hには、ドーナツ状に巻装した電磁誘導コイルH1が使用されている。鍋10は、図2に示すように、水及び米からなる所定量の被炊飯物が投入される比較的深底の容器からなり、アルミニウムとステンレスのクラッド材で形成されている。
【0028】
蓋体11は、図2に示すように、鍋10の開口部10aを閉蓋する内蓋12と、本体2の開口部全体を閉蓋する外蓋15等とで構成されている。この蓋体11は、一端が本体2の一端に枢支され、他端が本体の他端に係止機構により係止されるようになっている。内蓋12上部には圧力弁13とこの圧力弁13を開放させる圧力弁開放機構19が設けられている。圧力弁13は、図3に示すように、所定径の弁孔13が形成された弁座13aと、この弁孔を塞ぐように弁座13a上に載置される金属製のボール14と、このボール14の移動を規制しボール14を弁座13aに保持するカバー13bとで構成されている。
【0029】
また、圧力弁開放機構19は、電磁コイルが巻回されたシリンダ20と、このシリンダ20内を電磁コイルの励磁により摺動してボール14を移動されるブランジャ21と、ブランジャ21の先端に装着されたバネ及び作動棹22とで構成されている。
【0030】
圧力弁開放機構19は、により制御される。すなわち、制御装置30からの指令に基づいて電磁コイルが励磁されると、ブランジャ21がシリンダ20から飛出してボール14に衝突し、このボール14を横方向に押し出す。この押し出しにより、ボール14は弁孔13上から移動し、弁孔14を強制的に開放させる。また、この開放状態において、電磁コイルへの励磁がストップされると、ブランジャ21がシリンダ20内にばね力により引き戻され、この引っ込みにより、ブランジャ21がボール14を横方向に押す力がなくなり、ボール14は弁孔13上に戻り、弁孔13がボール14により閉塞される。
【0031】
外蓋15には、内蓋12と外蓋15との間の空間と大気と連通するおねば貯蔵タンク24が設けられている。また、内蓋12には、鍋10内の圧力が所定圧力以上の異常圧力に上昇したときに、鍋10内の蒸気を、おねば貯蔵タンク24を介して外部に逃すための安全弁22が設けられている。また、この内蓋12には、蒸気センサSen2(図3参照)が取り付けられている。
【0032】
おねば貯蔵タンク24は、図2に示すように、圧力弁13を介して放出される蒸気などを吐出させる吐出筒24aと、うまみ成分のおねばを一時貯留する空室24bと、蒸気を外部へ放出する蒸気放出口24cとを有し、空室24bの底部には、貯留されたおねばを鍋10内へ戻すおねば戻し弁V2が設けられている。なお、このうまみ成分であるおねばは、圧力弁13から蒸気が噴出する際に、この蒸気と一緒に鍋10内から圧力弁13を通して導出され、このおねば貯留タンク24の空室24bに一時貯留される。この空室24bに貯留されたおねばは、所定量になるとおねば戻し弁V2が開いて鍋10内へ戻される。このおねば貯留タンク24は、このおねば貯留タンク24の吐出筒24が外蓋15の窪み部24’に設けた装着孔15aへ圧入固定される。
【0033】
本体2の前面壁には、各種の炊飯コースが表示され、この表示されたコースから所定のコース等を設定する複数個の操作ボタン等を備えた表示操作部5が設けられている。この表示操作部5は、図1に示すように、各種の炊飯選択コース及び時刻などが表示される表示パネル5bと、この表示パネル5bの左右及び下方に複数個の操作ボタン5が配設されている。
【0034】
図4は本実施例装置の制御部25の周囲のブロック図を示している。図4において、制御部25は各回路の制御を司るマイクロプロセッサであり、コースキー、スタートキー、予約キー等からなる入力部100と、表示パネル5bと、圧力弁開放機構19と、鍋底温度センサSen1と、蒸気温度センサSen2と、底部ヒータH1、側面ヒータH2、内蓋ヒータH3等が接続されている。この制御部25は、例えばフラッシュメモリのような記憶素子(図示せず)に格納されている制御プログラムに基づいて動作する。
【0035】
次に、図5、図6、図7、図8を参照して、この制御装置による炊飯工程の概要を説明する。なお、図5は吸水工程から立上加熱工程におけるフローチャートであり、図6は沸騰維持工程におけるフローチャートである。ここでは、異なる炊飯コースA、炊飯コースBを例として説明する。
【0036】
炊飯コースAは、通常の炊飯コースであり、所定の吸水温度及び時間で米に所定量の水を吸水させる吸水工程Iと、この吸水後に被炊飯物を沸騰温度まで昇温加熱する立上加熱工程IIと、所定の沸騰維持電力で所定時間沸騰状態に維持する沸騰維持工程IIIと、この沸騰維持終了後に炊飯されたご飯を所定時間蒸らす蒸らし工程IV、を有している。
【0037】
一方、炊飯コースBは、よりおいしいご飯を炊くためのコースであり、炊飯コースAと異なる点は、吸水工程Iにおいて、水温を検出し、検出した水温に応じて吸水時間を変えるコースである。例えば、水温が低いときには吸水時間を長くし、一方、水温が高いときには吸水時間を短くするコースである。この技術に関しては、詳しくは特開2009−55937号で開示されている。
【0038】
(a)吸水工程
表示操作部5の操作で炊飯コースを選択すると(S101)、まず、吸水工程Iが実行される。
【0039】
メニューA(炊飯コースA)では、この吸水工程Iは、圧力弁13を開状態にして(S103a)、鍋底ヒータH1への給電を開始し、所定の吸水温度θ2および所定の吸水時間t1を掛けて行われる。吸水温度θ2は、下限値θ21(例えば54℃)及び上限値θ22(例えば55℃)の範囲に設定し、吸水時間t1は例えば15分である。吸水温度θ2は、底センサSen1の検出値K1に基づいてコントロールされ、吸水時間t1は吸水タイマー(図示せず)によって計時される(S104a〜S106a)。
【0040】
一方、メニューB(炊飯コースB)では、この吸水工程Iは、圧力弁13を開状態にして(S103b)、鍋底ヒータH1への給電を開始し、吸水温度θ2および吸水時間t1を掛けて行われる。吸水温度θ2は、底センサSen1の検出値K1に基づいてコントロールされ、更に、底センサSen1の検出値K1に基づいて吸水時間t1もコントロールされる。底センサSen1の検出値K1が高ければ、吸水時間t1が短くなり、一方、底センサSen1の検出値K1が低ければ、吸水時間t1が長くなる。尚、吸水時間t1は吸水タイマー(図示せず)によって計時される(S104b〜S106b)。この吸水工程Iで鍋10内の米に所定量の水が吸水される。
【0041】
(b)立上げ加熱工程
吸水の計時時間Tkが所定の吸水時間t1を通過すると、立上加熱工程IIへ以降する。この立上加熱工程IIでは、前の吸水工程Iで圧力弁13を開にした状態から閉にした状態にして(S107a、S107b)、鍋10を鍋底ヒータH1、側面ヒータH2及び蓋ヒータH3を全てフルパワー給電で加熱する。この状態においては、鍋10内の圧力は弁孔を介してボール14を押し上げ得る圧力に上昇するまで昇圧される。また、蒸気センサSen2により蒸気温度を検出し、この検出値K2が所定の設定基準値θ3に到達すると、被炊飯物が沸騰現象を起こす温度になり、次の沸騰維持工程IIIへ移行する(S109a、S109b、S110a、S110b)。この設定基準値θ3は、例えば75℃である。沸騰時間t2はカウンター(図示せず)により計時される(S108a、S108b)。この計時時間Tfは炊飯量に対応しており、炊飯量が少ないときは短く、多いときは長くなる。この沸騰時間t2の長さにより炊飯量の判定、すなわち炊飯量判定が行われる(S111a、S111b)。また、このときの鍋内の圧力は、圧力弁13により制御され、大気圧以上の所定圧力、例えば約1.2気圧となる。
【0042】
(c)沸騰維持工程
検出蒸気温度K2が設定基準値θ3(例えば75℃)になったことを検出すると、鍋10内で沸騰が始まる沸騰維持工程IIIに移行する。
【0043】
この沸騰維持工程IIIでは、からの指令に基づき、圧力弁開放機構19により圧力弁13の開放制御が行われる(S113a、S113b)。この圧力弁開放制御は、圧力弁13を炊飯コース毎に設定された所定時間単位t3で数回開放させて、鍋10内の圧力を1.2気圧から大気圧近傍へ低下させる。
【0044】
詳述すると、沸騰維持工程IIIへ移行すると、鍋10内の圧力は大気圧以上の約1.2気圧となり、炊飯物はこの圧力に対応する飽和温度で沸騰する。この状態で、圧力弁開放機構19を作動させて金属製ボール14を移動させることで弁孔131を開放させる。この弁孔131の強制的開放により、鍋10内の圧力が大気圧近傍まで一気に低下する。このように鍋10内の圧力を所定沸騰圧力(約1.2気圧)から一気に大気圧近傍まで低下させると、鍋10内は激しい突沸状態となる。この突沸状態になると、鍋10内に泡が発生し、この泡によって米が攪拌される。
【0045】
この圧力弁13の閉動から強制開放までの時間Toは図7、図8に示すように炊飯コース毎に設定されている。コースAは、圧力弁13が閉動を開始してからt3a(例えば28秒)後に圧力弁開放機構を作動させる(S118a)。また、炊飯コースBは圧力弁13が閉動を開始してからt3b(例えば60秒)後に圧力弁開放機構を作動させる(S118b)。
【0046】
弁孔131を強制的に開放するまでの加圧時間は、1回目の弁孔131の強制開動作により鍋10内の圧力が略大気圧に戻る程度の時間(例えば、4秒程度)に定められている(S115a、S115b)。弁孔131を強制的に大気圧に開放する時間をこのように設定することにより、大きな攪拌エネルギーを得ることができる。
【0047】
また、弁孔131の強制的な開放を上記所定時間(4秒間)行った後、圧力弁開放機構19を作動させて再び弁孔131を閉状態とし、所定の時間サイクルに従い、再び加圧する。なお、この閉状態の時間(t3a、t3b)は、鍋10内の圧力が前述の所定圧力(約1.2気圧)まで回復するのに必要な時間を確保している。
【0048】
また、この必要時間は予め実験的に求められる。そして、例えばコースAであれば、このt3a(28秒間)の加熱の後、再びプランジャ21を作動させて上述した突沸を起こさせるようにしてもよい。一方、例えばコースBであれば、このt3b(60秒間)の加熱の後、再びプランジャ21を作動させて上述した突沸を起こさせるようにしてもよい。
【0049】
この圧力弁開放機構19による圧力弁13の強制的開放は複数回、例えば、コースAでは6回、コースBでは4回繰り返される(S119a、S119b)。弁孔131を複数回開放する動作を終えると、圧力弁開放機構19の制御が停止され、弁孔131を閉状態とされる(S120)。圧力弁13の開放に伴って、おねばが吹出されるが、このおねばは貯留タンク24に一時貯留されて、再び、鍋内へ戻る。この工程により、炊飯量の多少にかかわらず、突沸現象を利用した攪拌によって鍋内で米を十分にかき混ぜるようにして炊飯を行うことができる。
【0050】
通常、圧力式の炊飯器では、沸騰中に昇圧させることにより、鍋内の沸点を高くし、高温で米を炊くことが出来る。発明者の経験上、加圧をさせる時間を長くする程、米のデンプンのα化(糊化)が促進され、また高温で多少煮崩れるため、やわらかく、粘りがあり、甘みの感じやすいご飯を炊飯することができる。また、この沸騰維持工程中の圧力弁開放により、沸騰中の鍋内の圧力を大気圧近傍まで一気に低下させて鍋内の米粒を攪拌させると、攪拌により米粒どうしが擦れ合うため、米粒間の粘り成分が結合し、もちもちとした弾力性を感じるご飯になる。
【0051】
前記圧力弁13の閉動から強制開放までの時間(t3a、t3b)により、例えば、時間t3aを標準として設定した場合、時間t3bは弁閉時間が長くなる程、十分に加圧された状態から圧力弁13が開放され、やわらかい米粒同士が突沸現状により擦れ合うため、より粘りが強くもちもちと弾力の強いご飯になる。この圧力閉動から開放作動までの時間サイクルのコース別設定により、硬さや粘りの違うご飯を炊くことができる。
【0052】
(d)蒸らし工程
鍋底温度が所定温度、設定基準値シータ5(例えば130℃)になると、鍋10内の水が枯れて強制ドライアップが終了したと判断されるので、加熱手段による加熱作用が停止される(S121a、S121b、S122a、S122b、S123a、S123b、S124a、S124b)。
【0053】
続いて、蒸らし工程が開始され、蒸らし時間の計時が開始される。所定の蒸らし時間が所定時間、例えば4分経過すると、圧力弁開放機構19により圧力弁13の弁孔131が強制的に開放され、追い炊き工程に移行される。この追炊き工程に入ると、加熱手段により再加熱して米の表面に付着した水を蒸発させると共に、追い炊き(再加熱)時間の計測を行う。そして、所定の追い炊き時間、例えば3分が経過すると、加熱手段による加熱動作が停止され、蒸らし工程に移行され、蒸らし時間が計時される。そして、蒸らし時間が所定時間、例えば6分経つと、炊飯が終了され、保温工程に移行され、標準炊飯工程が終了する。
【0054】
尚、本実施例では、炊飯コースAを通常の炊飯コースとし、炊飯コースBを吸水工程に関して炊飯コースAと異なるコースとしたが、炊飯コースAと炊飯コースBとが、先ほど図6で述べた圧力弁を閉じる時間(のみ)を異ならせた制御としても良い。或いは、炊飯コースAと炊飯コースBとが、圧力弁を開閉するサイクル時間(圧力弁を開く、閉じる、の1回の動作において必要な時間)(のみ)を異ならせた制御としても良い。
【0055】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、本体の構成は実施形態1と同じであるため、説明は省略する。
【0056】
次に実施形態2の動作について図9を参照して説明する。なお炊飯工程の構成は実施例1と同じであるため、(c)沸騰維持工程以外の説明は省略する。ここでは、前記炊飯コースBと例として説明する。
【0057】
沸騰維持工程IIIにおける圧力弁13の閉動から開放作動までの時間t3は、立上加熱工程IIで量判定処理により算出された炊飯量に応じて、基準の時間から微調整を行う。炊飯量が増えていくほど、鍋内の圧力が昇圧するスピードが遅くなるため、圧力弁の閉動から開放作動までの時間を炊飯量に応じた適切な時間に調整することにより、炊飯量の変化による圧力のかかり方のバラつきを抑制することができる。
【0058】
例えば、炊飯コースBにおいて、炊飯量が中間量の場合を基準のt3aとして、立上加熱工程IIの炊飯量判定処理により炊飯量が少量と判定された場合は、基準から一定時間(例えば最大4秒)を差し引いたt3bとする。また、立上加熱工程IIの炊飯量判定処理により炊飯量が多量と判定された場合は、基準の時間60秒から一定時間(例えば最大4秒)を追加したt3cとする。
【0059】
このように、実施形態2では、炊飯量が多ければ圧力弁の開閉サイクル時間を長くし、一方、炊飯量が少なければ圧力弁の開閉サイクル時間を短くしている。
【0060】
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。尚、本体の構成は実施形状1と同じであるため、説明は省略する。
【0061】
次に実施形状3の動作について図10を参照して説明する。なお炊飯工程の構成は実施例1と同じであるため、(c)沸騰維持工程以外の説明は省略する。ここでは、前記炊飯コースAと例として説明する。
【0062】
沸騰維持工程IIIにおける閉動した圧力弁13の開放時間t4と開放回数op1は、立上加熱工程IIで炊飯量判定処理により算出された炊飯量に応じて、基準時間及び基準回数から微調整を行う。炊飯量が増えていくほど、圧力弁を開放したときの米粒の攪拌力は落ちていくため、圧力弁の開放時間および開放回数を、炊飯量に応じた適切な時間および回数に調整することにより、炊飯量の変化による攪拌力のバラつきを抑制することが可能である。
【0063】
例えば、炊飯量が中間量の場合を基準時間t4a、基準回数op1aとして、立上加熱工程IIの炊飯量判定処理により炊飯量が少量と判定された場合は、基準の開放時間よりも2秒短いt4bとし、基準開放回数より例えば2回多いop1bとする。また、立上加熱工程IIの炊飯量判定処理により炊飯量が大量と判定された場合は、基準の開放時間より例えば2秒長いt4cとし、基準開放回数より例えば2回多いop1cとする。
【0064】
このように、炊飯量が多ければ圧力弁の開放回数を多くしたり、開放時間を長くしており、一方、炊飯量が少なければ圧力弁の開放回数を少なくしたり、開放時間を短くしている。
【0065】
(実施の形態4)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお本体の構成は実施形状1と同じであるため、説明は省略する。
【0066】
次に実施形態4の動作について図9を参照して説明する。なお炊飯工程の構成は実施例1と同じであるため、(c)沸騰維持工程以外の説明は省略する。ここでは、前記炊飯コースA、炊飯コースBと例として説明する。
【0067】
沸騰維持工程IIIにおける閉動した圧力弁13の開放時間t4と開放回数op1は、圧力弁13の開閉回数及び閉時間の長短により、コースごとに分けられている。例えば、炊飯コースAを標準のコースとした場合、炊飯コースBは、圧力弁の閉動から開放作動までの時間を長くすることにより、よりやわらかく粘りや弾力が多くなる。ここで、炊飯コースBの圧力弁の開放時間および回数を炊飯コースAと同じにした場合、特に中間量以上のとき、圧力弁の開放回数が多いことで、弾力の強すぎる団子状のご飯になってしまう。そこで、炊飯コースBでは中間量以上の圧力弁の開放回数および回数を少し控え目にすることで、炊飯コースAに比べ、もちもちとした粘りと弾力があるが団子状に固まることのない、バランスの良いご飯に仕上げることが可能である。また、かたさの炊き分けとして、かための炊飯コースでは圧力弁の開放回数を通常コースより少なく(例えば中間量で3回)し、その後は圧力弁を開放状態のまま維持し、圧力をかける時間を短くすることでかためのご飯に仕上げることが可能であり、やわらかめの炊飯コースでは圧力弁の開放回数を少なくし(例えば中間量で2回)、その後は圧力弁を閉動したまま維持し、圧力をかける時間を長くすることで、やわらかめのご飯に仕上げることが可能である。このように、圧力弁の閉動から作動までの時間、圧力弁の開放回数および時間の組み合わせにより、様々なコースの炊き分けを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明に係る炊飯器および炊飯方法は、一連の炊飯工程のうち沸騰維持工程において圧力弁の開閉サイクル時間や圧力弁を閉じる時間を炊飯コースや炊飯量等によって変更することにより、硬さや粘りなどの特徴が異なるごはんを炊飯し、高度な炊き分けが出来る機能を有する炊飯器として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 圧力式炊飯器
2 炊飯器本体
3 外装ケース
4 内ケース
5 表示操作部
10 鍋
11 蓋体
12 内蓋
13 圧力弁
15 外蓋
19 圧力弁開放機構
30 制御装置
I 吸水工程
II 立上加熱工程
III 沸騰維持工程
H1 鍋底ヒータ
H2 側面ヒータ
H3 蓋ヒータ
Sen1 底センサ
Sen2 蒸気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、制御手段と、を有し、
前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、
前記制御手段は、前記炊飯コースに応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の開閉サイクル時間を変えていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項2】
被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、制御手段と、を有し、
前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、
前記制御手段は、前記炊飯コースに応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の閉時間を変えていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の圧力式炊飯器であり、
前記複数の炊飯コース夫々は、前記吸水工程、立上加熱工程、沸騰維持工程、のいずれかの工程において前記制御手段が炊飯の制御を異ならせていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項4】
請求項3に記載の圧力式炊飯器であり、
前記複数の炊飯コースは、前記吸水工程において温度に応じて吸水時間を変える第1のコースと、前記吸水工程において吸水時間が一定である第2のコースを少なくとも有することを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項5】
被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、鍋内の被炊飯物の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、制御手段と、を有し、
前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、
前記炊飯量判定手段の判定した炊飯量に応じて、前記制御手段が、沸騰維持工程における前記圧力弁の開閉サイクル時間を変えていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項6】
被炊飯物が投入される鍋と、当該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、当該本体の開口部を塞ぐ蓋体と、当該蓋体に装着され、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁を有する内蓋と、鍋内の被炊飯物の炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、制御手段と、を有し、
前記鍋内の被炊飯物に吸水させる吸水工程、沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、炊飯物を沸騰状態に維持すると共に前記圧力弁を開閉させて被炊飯物を攪拌させる沸騰維持工程、を含む炊飯工程を実行し、複数の炊飯コースを実行可能な圧力式炊飯器であり、
前記制御手段は、前記炊飯量判定手段の判定した炊飯量に応じて、沸騰維持工程における前記圧力弁の閉時間を変えていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の圧力式炊飯器であり、
前記複数の炊飯コース夫々は、前記吸水工程、立上加熱工程、沸騰維持工程、のいずれかの工程において前記制御手段が炊飯の制御を異ならせていることを特徴とする圧力式炊飯器。
【請求項8】
請求項7に記載の圧力式炊飯器であり、
前記複数の炊飯コースは、前記吸水工程において温度に応じて吸水時間を変える第1のコースと、前記吸水工程において吸水時間が一定である第2のコースを少なくとも有することを特徴とする圧力式炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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