説明

圧力波発生素子及びそれを搭載したデバイス

【課題】発熱効率を高めることのできる圧力波発生素子及びそれを搭載したデバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】圧力波発生素子は、シリコン基板1と、シリコン基板に形成された孔6と、孔6を覆うように形成された膜とを有し、膜は、発熱体5と断熱層7との積層膜からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気等の気体を加熱することにより発生した圧力波を物体に照射し、物体から反射された圧力波を検知するデバイスに関し、特に、超音波(周波数20kHz以上)の発信と受信とを行うデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波発生装置は、圧電効果による機械的振動を利用したものが多い。しかし、圧電効果を生じさせるためには、鉛(Pb)等の環境負荷の大きい圧電材料を用いなければならず、環境負荷の観点からは、鉛(Pb)を用いない超音波発生方法が求められてきた。また、超音波発生装置を構成する圧電素子を形成するためには、圧電材料を焼結して固めて素子形状とすることが一般的である。しかし、このような形成方法は、半導体製造方法とは相容れない製造方法であり、この方法では微細構造を作りにくいという欠点があった。
【0003】
そこで、上記の問題を解決するために、空気等の媒介を加熱して圧力波を発生させる熱誘起圧力波発生装置が提示されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1等を参照)。例えば、特許文献1においては、基板の上に断熱層を設け、さらに断熱層の上に発熱電極を設けたスピーカが提示されている。また、特許文献2及び非特許文献1においては、断熱層の材料として、ポーラスシリコンを用いることが提示されている。また、特許文献3〜5においては、断熱層の断熱性を改善する技術や、断熱層又は発熱電極に発生するクラックを抑制する技術等が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−186097号公報
【特許文献2】特許第3705926号公報
【特許文献3】特許第3845077号公報
【特許文献4】特許第3865736号公報
【特許文献5】特開2008−161816号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Nature,Vol.400(26AUGUST1999),pp853-855,"Thermally induced ultrasonic emission from porous silicon"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の技術においては、発熱体の発熱効率を検討していないという問題がある。また、従来の技術においては、超音波発生装置に関する記載はあるものの、超音波を受信する機構に関する記載が無い。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、半導体製造技術を用いることにより、超音波発生部等に相当する圧力波発生素子における発熱体の発熱効率を向上することを目的とする。また、圧力波発生素子における発熱体又は断熱層のクラックを抑制することを目的とする。また、超音波等の圧力波の発生と受信とを1つの装置で行うデバイスを提供することを目的とする。
【0008】
なお、本発明においては、前記の目的の全てを達成しなければならない訳ではなく、一つでも達成できればよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、以下のように、圧力波発生素子に関する発明と圧力波発生素子を搭載するデバイスに関する発明とを発明者は行った。以下、それぞれの発明について簡単に説明する。
【0010】
本発明に係る圧力波発生素子は、シリコン基板と、シリコン基板に形成された孔と、孔を覆うように形成された膜とを有し、膜は、発熱体と断熱層との積層膜からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の圧力波発生素子によると、熱誘起型圧力波発生装置を構成するため、Pb等の環境負荷材料を用いることがなく、環境負荷を低減することができる。さらに、圧力波発生部位を発熱体と断熱層とから構成される質量の小さい膜とすることにより、発熱体の熱容量を低減し、発熱効率を高めることができるという効果がある。
【0012】
また、発熱体は、ボロン又はリンがドープされたポリシリコンからなることが好ましい。
【0013】
また、発熱体における断熱層が形成されている側とは反対側の面及び発熱体の側面は、絶縁膜からなるバリア層により覆われていることが好ましい。
【0014】
また、断熱層は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜であることが好ましい。
【0015】
また、シリコン酸化膜は、シリコン窒化膜により、覆われていることが好ましい。
【0016】
また、膜において、孔が形成されている側から、発熱体、断熱層の順に積層されていることが好ましい。
【0017】
また、発熱体は、断熱層が形成されている側とは反対側に圧力波を発生することが好ましい。
【0018】
また、発熱体にはパッドが形成されており、パッドを介して、発熱体に交流電流が印加されることが好ましい。
【0019】
本発明に係る圧力波発生素子を搭載するデバイスは、前記の圧力波発生素子と、圧力波受信素子とを備え、圧力波受信素子は、振動膜と固定膜とからなる一対のコンデンサから構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明のデバイスによると、圧力波発生素子と圧力波受信素子とを一つのデバイス内に有しているため、デバイス全体の小型化に適し、圧力波発生素子と圧力波受信素子との制御をしやすくなるという効果がある。
【0021】
また、圧力波発生素子及び圧力波受信素子を覆うようなカバーをさらに備え、圧力波発生素子及び圧力波受信素子は、プリント基板に搭載されていることが好ましい。
【0022】
また、カバーは、圧力波発生素子及び圧力波受信素子のそれぞれに対応する開口部を有していることが好ましい。
【0023】
また、カバーは、圧力波発生素子に対応する第1の開口部と、圧力波受信素子に対応する第2の開口部とを有していてもよい。
【0024】
また、プリント基板は、圧力波発生素子に対応する第1の開口部と、圧力波受信素子に対応する第2の開口部とを有していてもよい。
【0025】
また、第1の開口部及び第2の開口部には、それぞれメッシュが形成されていることが好ましい。
【0026】
また、圧力波発生素子と圧力波受信素子とは同一のシリコン基板に形成されていることが好ましい。
【0027】
また、圧力波受信素子は、孔を備えたシリコン基板をさらに有し、圧力波受信素子が有するシリコン基板の孔と、圧力波発生素子が有するシリコン基板の孔は、空間を共有していることが好ましい。
【0028】
また、圧力波受信素子は、プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、プリント基板の上に一列になるように配置されていることが好ましい。
【0029】
また、圧力波受信素子は、プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、プリント基板の上に十字状に配置されていてもよい。
【0030】
また、圧力波受信素子は、プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、プリント基板の上にL字状に配置されていてもよい。
【0031】
また、プリント基板及びカバーにおいて、プリント基板における圧力波発生素子が搭載される面と垂直な面で、他の電子デバイスと電気的に接続されていてもよい。
【0032】
また、プリント基板において、プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面と反対側の面で、他の電子デバイスと電気的に接続されていてもよい。
【0033】
また、他の電子デバイスには、圧力波発生素子と圧力波受信素子とを制御する制御部が形成されていてもよい。
【0034】
また、プリント基板において、プリント基板における圧力波発生素子が搭載される面とは反対側の面に形成されたバンプにより、他の電子デバイスと電気的に接続されていてもよい。
【0035】
また、発熱体の材料と前記振動膜を構成する振動電極の材料とが同一であり、断熱層の材料と前記振動膜を構成する前記振動電極以外の材料とが同一であることが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、人体に対して有害物質である鉛(Pb)を用いない圧力波発生素子、及び圧力波発生素子を搭載するデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子の構造を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子から圧力波が発生している様子を示す概略図であり、(b)及び(c)は本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子により発生可能な圧力波のパターンを示し、(b)は連続波を示す図であり、(c)は単パルス波を示す図である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る圧力波発生素子を示す平面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る圧力波発生素子を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係る圧力波発生素子を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第4の変形例に係る圧力波発生素子を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るデバイスの斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るデバイスを用いることによる検出対象の検出のメカニズムを説明する図である。
【図8】(a)及び(b)は圧力波受信素子の配置例を示す斜視図である。
【図9】(a)及び(b)は圧力波受信素子の構造を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIXb−IXb線における断面図である。
【図10】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の変形例に係るデバイスを示す断面図である。
【図11】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の変形例に係るデバイスを示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
【図12】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の変形例に係るデバイスを示し、(a)は(b)のXIIa−XIIa線における断面図であり、(b)は底面図である。
【図13】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の変形例に係るデバイスを示し、(a)は(b)のXIIIa−XIIIa線における断面図であり、(b)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明で用いている材料及び数値は好ましい例を示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲において適宜変更は可能である。また、他の実施形態との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0039】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0040】
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の圧力波発生素子は、孔6を有するシリコン基板1と、シリコン基板1の上に形成されたシリコン酸化膜2と、孔6を覆うように形成された発熱体5及び断熱層7とから構成されている。断熱層7は、第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bからなる積層膜である。ここで、孔6は、半導体製造プロセスにより、シリコン基板1をエッチングすることにより形成されている。なお、図1(b)に示すように、孔6はシリコン基板1を貫通する方が好ましい。また、発熱体5は、ボロン又はリンがドープされたポリシリコン膜を材料とする発熱体であることが好ましい。減圧化学気相成長(low pressure-chemical vapor deposition:LP−CVD)法等の半導体プロセスを用いて形成することが容易だからである。なお、発熱体の抵抗値は、ボロン又はリンのドープ量により調整されることとなる。また、ニッケルクロム(NiCr)及びタンタル(Ta)等の高抵抗金属、窒化タンタル(TaN)等の窒化物、並びにTa−酸化シリコン(SiO)等のサーメット材料を用いても構わない。特に、サーメット材料は抵抗率が高いため、高精細に高抵抗な発熱体を形成することが可能である。また、薄膜抵抗体に使用されるサーメット材料としては、Ta−SiOのほか、Cr−SiO、ニオブ(Nb)−SiO等があり、これらは一般に、金属とSiOとの焼結体からなるターゲットを用いたRFスパッタ法により成膜される。第1の絶縁膜4はシリコン酸化膜からなることが好ましく、第2の絶縁膜3a、3bはシリコン窒化膜からなることが好ましい。また、第2の絶縁膜3a、3bは第1の絶縁膜4を完全に覆うように配置されている方が好ましい。
【0041】
ここで、発熱体5には、パッド8、9を介して交流電流が流れるようになっている。発熱体5に交流電流が印加されると、発熱体5は加熱され、発熱体5の上部の空気等の気体を加熱することとなる。ここで、第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bは、発熱体5よりも熱伝導率が小さいため、発熱体5において発熱した熱を他の構造部に伝えない断熱層としての働きをする。断熱層7が設けられていることにより、発熱体5において発生させた熱エネルギーを、高効率に断熱層7が形成されている面とは反対側に位置する周辺の気体に伝え、該周辺の気体を効率良く加熱させることができ、気体の膨張及び収縮に伴う圧力波を発生させることが可能となる。
【0042】
なお、シリコン酸化膜の熱伝導率は1.3W/m・Kであり、シリコン及びポリシリコンの熱伝導率は168W/m・Kとなっており、シリコン酸化膜の熱伝導率はシリコン及びポリシリコンの熱伝導率の100分の1以下の値となっている。なお、シリコン窒化膜もシリコン酸化膜と同程度の熱伝導率である。このように、発熱体5の熱伝導率は、断熱層7の熱伝導率の100倍以上であることが好ましいが、この形態に限られるわけではない。
【0043】
次に、図2を用いて、圧力波発生素子から圧力波が発生される原理を簡単に説明する。図2(a)に示すように、発熱体5に形成されたパッド8、9に交流電流を印加することにより、発熱体5を加熱し、発熱体上部の空気等の媒体を加熱することで圧力波10を発生することができる。本発明に係る圧力波発生素子により発生可能な圧力波のパターンは、例えば図2(b)に示すような連続波、及び図2(c)に示すような単パルス波である。入力する交流電流の種類を変えることにより、所望の圧力波を発生させることが可能となる。
【0044】
本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子によると、発熱体5、第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bからなる積層膜が、孔6の周辺部で支えられる中空構造となっている。そのため、発熱部全体の質量を小さくすることができ、熱容量の小さい構造体とすることができる。これは、中空構造とすることによりダイアフラム状の積層膜の質量を小さくすることができ、熱容量は構成部材の比熱と質量の積により決定されるからである。こうすることにより、圧力波発生部の熱容量が低いほど、発熱体を昇温する時間を短くすることができるため、エネルギー効率を高めることができ、発熱効率を向上させることが可能となる。
【0045】
なお、断熱層としては、単層の絶縁膜を用いても構わないが、絶縁膜の積層膜を用いることが好ましい。より具体的には、シリコン酸化膜等の圧縮応力の高い絶縁膜を単体で用いるよりも、シリコン窒化膜等の引張り応力の高い絶縁膜をさらに積層させた積層膜を用いることが好ましい。シリコン酸化膜は、例えば、LP−CVD法により形成した場合には、−120N/m程度の圧縮応力を有している。一方、シリコン窒化膜は、LP−CVD法により形成した場合には、1400N/m程度の引張り応力を有している。従って、例えば、シリコン窒化膜単体で1μm程度の厚い断熱層を形成しようとすると、自らの膜応力によって膜が破壊されてしまう。これは、膜端部で発生する膜の張力が、構成する膜の応力と膜厚の積により決定されるからである。従って、断熱層7としては、第1の絶縁膜4として圧縮応力の高い絶縁膜を用いる場合には、第2の絶縁膜3a、3bとして引張り応力の高い絶縁膜を用い、積層膜として用いる方が好ましい。なお、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の順に積層する場合には、張力の大きさの関係から、シリコン酸化膜がシリコン窒化膜よりも厚い方が好ましい。また、この他にも第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bの膜厚を調整することにより、共振周波数を制御することも可能となる。
【0046】
また、第1の絶縁膜4としてシリコン酸化膜を用いる場合には、シリコン窒化膜等の吸湿性の少ない第2の絶縁膜3a、3bにより完全に覆うことが好ましい。シリコン酸化膜は大気中の水分を吸着させる作用が大きいため、大気中の水分から保護するためである。
【0047】
また、発熱体5と断熱層7として機能する第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bからなる積層膜は、シリコン基板1の上に直接形成するのではなく、シリコン基板1の上に形成されたシリコン酸化膜2を介して、孔6の周辺部で支えられる構造とする方が好ましい。
【0048】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子の変形例について図3〜図5を参照しながら説明する。
【0049】
図1(a)においては、発熱体5の形状は蛇行した形状(矩形形状)であったが、図3(a)に示すように、発熱体5は、平板形状となっていてもよい。平面形状にすると、発熱体上部にある空気等の気体を平面的に加熱することができ、温度分布を連続とすることができるという効果がある。
【0050】
また、図1(a)及び(b)においては、断熱層7に相当する第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bはシリコン基板1によって全周を支持されていたが、図3(b)に示すように、断熱層7に相当する第1の絶縁膜4及び第2の絶縁膜3a、3bはシリコン基板1に部分的に支持されていてもよい。すなわち、シリコン基板1と断熱層7のダイアフラム部とが接触しない空隙部14が形成されてもよい。このような形態とすることにより、発熱体5と断熱層7とからなる膜の質量をさらに小さくすることができるため、エネルギー効率をさらに高めることができるようになる。また、シリコン基板1側に熱が逃げるのをより抑えることができるため、エネルギー効率をさらに高めることができるようになる。
【0051】
また、図1(b)においては、発熱体5の上面(断熱層7とは反対側)は、露出していたが、図4に示すように、発熱体5の上面を絶縁膜からなるバリア膜19及びバリア膜20により被覆してもよい。発熱体5が発熱する際には、発熱体5は400℃以上の高温となる。発熱体5は大気中で高温になると、大気中の酸素と反応し抵抗値が初期状態から変化してしまう可能性がある。このような現象を抑制するために、発熱体5の上部をバリア膜により被覆することが好ましい。さらに、発熱体5の側面も被覆することが好ましい。こうすることにより、発熱体5の抵抗値の変動を長期にわたり抑制することが可能となる。なお、図4で示した圧力波発生素子を製造する際には、700℃〜1100℃の窒素雰囲気中でアニールすることにより、700℃以上の耐熱特性を持つ圧力波発生素子を形成することが可能となる。なお、発熱体5の下面をさらに絶縁膜からなるバリア膜18により被覆しても構わない。ここで、例えば、バリア膜18、20はシリコン窒化膜であり、バリア膜19はシリコン酸化膜である。また、発熱体5上面のバリア膜は、単層でも構わない。
【0052】
また、図1(b)においては、発熱体5を断熱層7の上側に形成したが、図5に示すように、発熱体5を断熱層7の下側(孔6側)に形成しても構わない。このようにすることで、圧力波をシリコン基板1に設けられた孔6側に発生させることが可能となる。さらに、圧力波が進行する方向を孔6の形状に限定することが可能となり、圧力波の直進性を高めることができるという効果がある。
【0053】
(製造方法の説明)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子の製造方法の一例を簡単に説明する。まず、シリコン基板1の表面に単層膜又は積層膜の絶縁膜からなる断熱層7を堆積する。次に、断熱層7の上に、ボロン又はリンがドープされたポリシリコン膜等を材料とする発熱体5を形成する。次に、シリコン基板1の裏面からエッチングにより、孔6を形成する。この際、シリコン基板1の表面まで貫通し、断熱層7及び発熱体5からなる膜を露出させる方が好ましい。なお、ここでは、図1に示す構造と対応する説明として、断熱層7、発熱体5の順に形成する工程を説明したが、図5に示す構造と対応するように、発熱体5、断熱層7の順に形成しても構わない。
【0054】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0055】
本実施形態においては、本発明の第1の実施形態に係る圧力波発生素子を搭載したデバイスについて説明する。
【0056】
図6に示すように、プリント基板24の上には、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23、圧力波の発生及び受信を制御する制御部25(例えば、LSIから制御部は構成される)、並びに電気信号を外部に位置する他の電子デバイスに接続するためのピン27を備えたコネクタ26が搭載されている。また、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23、制御部25及びコネクタ26を覆うように、カバー28がプリント基板24の上に接続されることとなる。なお、圧力波受信素子23は、少なくとも1つプリント基板24の上に搭載されていればよい。ただし、検出対象の2次元的及び3次元的情報を精度良く入手するためには、少なくとも一列に配置されるように複数個の圧力波受信素子23が配置されていることが好ましい。
【0057】
ここで、カバー28は金属製のメタルキャップでも構わないし、外部の電気的ノイズを抑制するために、金属層と絶縁層とが積層されるようなカバーでも構わない。なお、この場合、金属層が、プリント基板24に搭載されている部品全体を覆うように配置されている方がノイズ抑制の観点からは好ましい。
【0058】
また、カバー28における圧力波発生素子22及び圧力波受信素子23に対向する面には、開口部が形成されており、金属製のメッシュ29が開口部に備えられていることが好ましい。開口部を通して、圧力波の受発信が行われるが、カバーの内部にゴミが侵入するのを防ぐ必要があるからである。なお、開口部は、圧力波発生素子22に対応する第1の開口部と圧力波受信素子23に対応する第2の開口部が別々にあっても構わない。その場合、それぞれの開口部にメッシュが形成されていることが好ましい。
【0059】
また、カバー28の側壁部には、開口部30が形成されていることが好ましい。ピン27を含むコネクタ26とカバー28とが接触するのを防ぐためである。このコネクタ26により、本実施形態におけるデバイスは、プリント基板24における圧力波発生素子22が搭載される面と垂直な面で、他の電子デバイスと電気的に接続されることとなる。
【0060】
次に、本発明に係る圧力波発生素子を搭載したデバイスを用いることによる検出対象の検出のメカニズムについて、図7を参照しながら簡単に説明する。図7において、デバイスとしては、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23、開口部、カバー28及びプリント基板24の一部を記載しているのみであり、コネクタ26等の他の部品の記載を一部省略している。
【0061】
図7に示すように、まず、圧力波発生素子22から圧力波(発信信号)を発生させ、検出対象31に圧力波を照射する。次に、検出対象31から反射される圧力波(受信信号)を圧力波受信素子23で受信する。この際、発信信号が圧力波受信素子23に直接に到達するのを防ぐために、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とを隔てるような隔壁が形成されていても構わない。
【0062】
(圧力波受信素子の配置について)
複数の圧力波受信素子をプリント基板に配置する際の配置例について図8を参照しながら説明する。複数の圧力波受信素子23は、例えば、図8(a)に示すように、十字状に配置されてもよく、また、図8(b)に示すように、L字状に配置されてもよい。このように、複数の圧力波受信素子23を縦横に規則正しく配置することにより、各々の圧力波受信素子23が受信する圧力波に時間差が生じるため、受信信号を2次元又は3次元の情報として識別することが可能となる。
【0063】
(圧力波受信素子について)
圧力波受信素子23の構造について図9を参照しながら説明する。図9(a)において、後に説明する固定膜に形成された孔は省略している。
【0064】
図9(a)及び(b)に示すように、シリコン基板32の上に形成されたシリコン酸化膜33を含む基板全体を貫通するような孔39が基板には形成されている。また、孔39を覆うように振動膜が形成され、振動膜はボロン又はリンがドープされたポリシリコン膜等の振動電極36から構成されている。なお、振動膜は、シリコン酸化膜等である絶縁膜35とシリコン窒化膜等である絶縁膜34a、34bをさらに含むことによって多層膜を構成していても構わない。振動膜は孔39の周辺部により支持されることにより、圧力波により振動する膜として機能する。また、振動膜に対向するように、ボロン又はリンがドープされたポリシリコン膜等の固定電極38から構成される固定膜が形成されている。なお、固定膜には複数の孔が形成されており、圧力波が通過することが可能となる。また、振動膜と固定膜との間には、ギャップが形成されており、このギャップは、固定膜を支える支持部37の厚さによって規定されることとなる。なお、ギャップは、もともと固定膜と振動膜との間に形成されていた犠牲膜を半導体プロセスによりエッチングすることによって形成することが可能であり、犠牲膜の一部を支持部37として残存させることも可能である。また、振動電極のパッド41と固定電極のパッド42とにより、圧力波を受信した際の電気信号を圧力波受信素子の外部へ伝達することが可能となる。
【0065】
なお、図9では、振動膜の上方に固定膜が配置されているが、このような形態に限らない。振動膜と固定膜とが一対のコンデンサとして機能するように、対向して配置されていれば構わない。また、支持部37及び犠牲膜はシリコン酸化膜等である。
【0066】
また、振動膜がシリコン酸化膜を含有する場合には、シリコン酸化膜内に永久電荷を蓄えておくことにより、エレクトレットコンデンサマイクロホンとして機能し、外部から電荷を供給する必要が無くなる。この場合は、水分がシリコン酸化膜に吸着するのを防ぐために、シリコン窒化膜により完全に覆うことが好ましい。
【0067】
上記構成の圧力波受信素子に、上側から圧力波が到来することを考えると、固定膜に形成された孔を通過して、圧力波が振動膜に到達することとなる。すると、圧力波により振動膜が振動し、振動電極と固定電極との間の容量が変化することになる。この容量変化を圧力波の受信信号として読み取ることが可能となる。なお、下側(シリコン基板32の裏面、孔39側)から圧力波が到来する場合には、振動膜の振動によるギャップ中の空気が抜ける穴として固定膜に形成された孔は機能する。
【0068】
以下に、圧力波受信素子の製造方法の一例を簡単に説明する。まず、表面が酸化されたシリコン基板32の表面(シリコン酸化膜33の表面)に振動電極36、絶縁膜34b、絶縁膜35及び絶縁膜34aを順次堆積して、振動膜を形成する。次に、振動膜の上に犠牲膜を堆積し、犠牲膜の上に固定電極38を有する固定膜を堆積し、その後に、固定膜に複数の孔を形成する。次に、シリコン基板32の裏面からエッチングにより、孔39を形成する。この際、シリコン基板32を貫通し、振動膜を露出させる方が好ましい。次に、固定膜に形成した複数の孔からウェットエッチング液等により、犠牲膜の一部又は全部を除去することにより、振動膜と固定膜との間にギャップを形成する。なお、この際、犠牲膜の一部を支持部37として残存させてもよい。また、振動膜中の膜の堆積順序は、上記形態に限られない。堆積させた絶縁膜の上に振動電極を形成する等しても構わない。圧力波発生素子と同一のウェハ上に圧力波受信素子を形成する場合には、振動電極と発熱体との材料構成及び積層順等を同一にすることが好ましく、断熱層と振動膜中の絶縁膜との材料構成及び積層順等を同一にすることが好ましい。
【0069】
(第2の実施形態の変形例)
以下に、本発明の第2の実施形態に係るデバイスの変形例について図10〜図13を参照しながら説明する。
【0070】
図10(a)に示すように、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とを同一のシリコン基板43に形成しても構わない。このようにすると、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とが分離して搭載されている場合と比較して、デバイス全体の小型化を図ることができるという効果がある。また、図10(b)に示すように、圧力波発生素子22に形成される孔6と圧力波受信素子23に形成される孔39とを共通の空間45として利用することも可能となる。圧力波受信素子23は、圧力波が入ってくる方向と反対側の空間が背気室として機能することとなる。そのため、上側から圧力波が到来する場合、孔39が背気室として機能することとなるが、音響特性を高めるためには、背気室の体積を大きくすることが望ましい。圧力波受信素子23の小型化に従い、背気室が小さくなってしまうため、孔6と孔39とを共通の空間45とすることにより、背気室を十分に大きくして、音響特性を高めることができるという効果がある。
【0071】
図11(b)は、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とをプリント基板24に搭載し、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とに対応する部分に開口部50、51を有するカバー28をプリント基板24に接続したデバイス47を示している。図11(a)は、本発明のデバイス47が、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とを制御するため等の各種信号を処理する制御部等の他の部品を有する他の電子デバイス46とケーブル等の接続部52により電気的に接続されている様子を示している。他の電子デバイス46及び本発明のデバイス47は、孔49にボルト等の接合部材を埋め込むことにより、機械的に接続されている。ここで、本発明のデバイス47がロボット等の他のシステムとして機能する他の電子デバイス46に取り付けられることにより、センサとして機能することが可能である。このようにして、制御機能を他の電子デバイス46に集中させることにより、センサとして機能する圧力波発生素子22を搭載する本発明のデバイス47の小型化に寄与することが可能となる。また、複数個の本発明のデバイス47を用意することにより、1つの本発明のデバイス47を用意するよりも、物体の2次元的及び3次元的距離情報を得ることができるという効果がある。なお、一方の方向側に複数個の本発明のデバイス47を用意するだけでなく、少なくとも反対方向側にも本発明のデバイス47を用意する方が好ましく、他の電子デバイス46における多くの面に本発明のデバイス47を用意することが好ましい。
【0072】
本発明に係る圧力波発生素子を搭載したデバイスの他の例について図12を参照しながら説明する。
【0073】
図12に示すように、プリント基板53の上には、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23及び各種信号を処理する制御部61が搭載されている。また、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23及び制御部61を覆うカバー56がプリント基板53の上に接続している。圧力波発生素子22に対応する第1の開口部58及び圧力波受信素子23に対応する第2の開口部60がカバー56には形成されている。また、圧力波発生素子22、圧力波受信素子23及び制御部61は、プリント基板53中に形成された多層配線54を介して電気的に接続しており、多層配線54は、プリント基板53の裏面に形成されたはんだボール55に電気的に接続されている。なお、多層配線54、圧力波発生素子22及び圧力波受信素子23は、プリント基板53にボンディングワイヤ62によって接続されている。
【0074】
このように、カバーの側壁部側に突き出たコネクタを介して外部のその他のデバイスと本発明に係るデバイスとを電気的に接続するのではなく、プリント基板の裏面に設けられたはんだボールを介して外部のその他のデバイスと本発明に係るデバイスとを電気的に接続してもよい。プリント基板の裏面にはんだボール等の接続部を設けることにより、外部の他のデバイスの回路基板に対し直接に表面実装することが可能となり、大量に本デバイスを搭載することが必要な場合には、製造時間の短縮を図ることができるという効果がある。
【0075】
図12とは異なる例について図13を参照しながら説明する。図13は、図12とは異なり、圧力波発生素子22に対応する第1の開口部65と圧力波受信素子23に対応する第2の開口部66とがプリント基板53に形成されている。図13に示すようなデバイスが外部の他のデバイスと接続される場合に、他のデバイスの基板がポリイミド等を用いたフレキ基板の場合、全体の薄型化に貢献できる。
【0076】
なお、圧力波発生素子22としては、図5に示したように、孔6側から発熱体5、断熱層の順に形成された膜を有する圧力波発生素子を用いることが好ましいが、このような形態に限定されることは無い。例えば、図1に示したような孔6側から断熱層、発熱体5の順に形成された膜を有する圧力波発生素子を、発熱体5が形成されている面をプリント基板に実装すればよい。
【0077】
また、本実施形態においては、圧力波受信素子23をシリコン基板の裏面をプリント基板24に搭載しているが、固定膜側をプリント基板に実装しても構わない。
【0078】
また、本実施形態においては、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とを同時に半導体プロセスにより形成することにより、圧力波発生素子22の材料及び構成と圧力波受信素子23の材料及び構成とを同一とすることができる。例えば、圧力波発生素子22と圧力波受信素子23とのシリコン基板を同一とすることができるし、それぞれに形成される孔の深さを同等にすることができる。また、圧力波発生素子22の発熱体の材料と圧力波受信素子23の振動電極の材料とを同一とし、さらに、厚さを同等とすることができる。圧力波発生素子22の断熱層の構成材料と圧力波受信素子23の振動膜中の絶縁膜の構成材料とを同一とし、さらにそれぞれの構成材料ごとに厚さを同等とすることができる。以上のように、圧力波発生素子と圧力波受信素子とを同一のウェハ上に形成することにより、コストを抑制することができるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、空気等の気体を加熱して圧力波を発生させ物体に照射し、物体から反射した圧力波を検知するデバイスとして有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 シリコン基板
2 シリコン酸化膜
3a 第2の絶縁膜
3b 第2の絶縁膜
4 第1の絶縁膜
5 発熱体
6 孔
7 断熱層
8 パッド
9 パッド
10 圧力波
14 空隙部
18 バリア膜
19 バリア膜
20 バリア膜
22 圧力波発生素子
23 圧力波受信素子
24 プリント基板
25 制御部
26 コネクタ
27 ピン
28 カバー
29 メッシュ
30 開口部
31 検出対象
32 シリコン基板
33 シリコン酸化膜
34a シリコン窒化膜
34b シリコン窒化膜
35 シリコン酸化膜
36 振動電極
37 支持部
38 固定電極
39 孔
41 振動電極のパッド
42 固定電極のパッド
43 シリコン基板
45 共通の空間
46 他の電子デバイス
47 本発明のデバイス
49 孔
50 第1の開口部
51 第2の開口部
52 接続部
53 プリント基板
54 多層配線
55 はんだボール
56 カバー
58 第1の開口部
60 第2の開口部
61 制御部
62 ボンディングワイヤ
65 第1の開口部
66 第2の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
前記シリコン基板に形成された孔と、
前記孔を覆うように形成された膜とを有し、
前記膜は、発熱体と断熱層との積層膜からなることを特徴とする圧力波発生素子。
【請求項2】
前記発熱体は、ボロン又はリンがドープされたポリシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の圧力波発生素子。
【請求項3】
前記発熱体における前記断熱層が形成されている側とは反対側の面及び前記発熱体の側面は、絶縁膜からなるバリア層により覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力波発生素子。
【請求項4】
前記断熱層は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力波発生素子。
【請求項5】
前記シリコン酸化膜は、前記シリコン窒化膜により、覆われていることを特徴とする請求項4に記載の圧力波発生素子。
【請求項6】
前記膜において、前記孔が形成されている側から、前記発熱体、前記断熱層の順に積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力波発生素子。
【請求項7】
前記発熱体は、前記断熱層が形成されている側とは反対側に圧力波を発生することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧力波発生素子。
【請求項8】
前記発熱体にはパッドが形成されており、前記パッドを介して、前記発熱体に交流電流が印加されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧力波発生素子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧力波発生素子と、
圧力波受信素子とを備え、
前記圧力波受信素子は、振動膜と固定膜とからなる一対のコンデンサから構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
前記圧力波発生素子及び圧力波受信素子を覆うようなカバーをさらに備え、
前記圧力波発生素子及び圧力波受信素子は、プリント基板に搭載されていることを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記カバーは、前記圧力波発生素子及び圧力波受信素子のそれぞれに対応する開口部を有していることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記カバーは、前記圧力波発生素子に対応する第1の開口部と、前記圧力波受信素子に対応する第2の開口部とを有していることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プリント基板は、前記圧力波発生素子に対応する第1の開口部と、前記圧力波受信素子に対応する第2の開口部とを有していることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の開口部及び第2の開口部には、それぞれメッシュが形成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記圧力波発生素子と前記圧力波受信素子とは同一のシリコン基板に形成されていることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記圧力波受信素子は、孔を備えたシリコン基板をさらに有し、
前記圧力波受信素子が有するシリコン基板の孔と、前記圧力波発生素子が有するシリコン基板の孔は、空間を共有していることを特徴とする請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記圧力波受信素子は、前記プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、前記プリント基板の上に一列になるように配置されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記圧力波受信素子は、前記プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、前記プリント基板の上に十字状に配置されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記圧力波受信素子は、前記プリント基板の上に複数搭載されており、且つ、前記プリント基板の上にL字状に配置されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プリント基板及びカバーにおいて、前記プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面と垂直な面で、他の電子デバイスと電気的に接続されることを特徴とする請求項10〜19のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記プリント基板において、前記プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面と反対側の面で、他の電子デバイスと電気的に接続されることを特徴とする請求項10〜19のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記他の電子デバイスには、前記圧力波発生素子と前記圧力波受信素子とを制御する制御部が形成されていることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記プリント基板において、前記プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面とは反対側の面に形成されたバンプにより、前記他の電子デバイスと電気的に接続されることを特徴とする請求項21又は22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記発熱体の材料と前記振動膜を構成する振動電極の材料とが同一であり、
前記断熱層の材料と前記振動膜を構成する前記振動電極以外の材料とが同一であることを特徴とする請求項10〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
圧力波発生素子と、
圧力波受信素子と、
前記圧力波発生素子及び圧力波受信素子が搭載されるプリント基板と、
前記圧力波発生素子及び圧力波受信素子を覆うカバーとを有することを特徴とするデバイス。
【請求項26】
前記圧力波発生素子は、シリコン基板と、前記シリコン基板に形成された孔と、前記孔を覆うように形成された膜とを有し、
前記膜は、前記孔が形成されている側から順に発熱体と断熱層とが形成された積層膜からなることを特徴とする請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記プリント基板には、前記圧力波発生素子に対応する第1の開口部と、前記圧力波受信素子に対応する第2の開口部が形成されていることを特徴とする請求項25又は26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記プリント基板及びカバーにおいて、前記プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面と垂直な面で、他の電子デバイスと電気的に接続されることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記プリント基板において、前記プリント基板における前記圧力波発生素子が搭載される面とは反対側の面で、他の電子デバイスと電気的に接続されることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記他の電子デバイスには、前記圧力波発生素子と前記圧力波受信素子とを制御する制御部が形成されていることを特徴とする請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記他の電子デバイスへの表面実装が可能であることを特徴とする請求項29又は30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記圧力波発生素子を構成する基板の材料と、前記圧力波受信素子を構成する基板の材料とは同一であり、
前記圧力波発生素子を構成する発熱体の材料と、前記圧力波受信素子を構成する振動膜中の振動電極の材料とは同一であり、
前記圧力波発生素子を構成する断熱層の材料と、前記圧力波受信素子を構成する前記振動膜中の前記振動電極以外の膜の材料とは同一であることを特徴とする請求項25に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−171815(P2011−171815A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31251(P2010−31251)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】