圧力調理器
【課題】複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することができ、ロックの一部のみが解除されることによって一箇所のみから圧力が抜けていくことによる危険性や蓋体、容器、固定具等の破損を防止することができる圧力調理器を提供する。
【解決手段】容器の開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ蓋体を閉位置において容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、ロック機構は、蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、蓋体側クラッチ爪と係合するとともに容器外周面に沿ってスライドすることによって蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器とする。
【解決手段】容器の開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ蓋体を閉位置において容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、ロック機構は、蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、蓋体側クラッチ爪と係合するとともに容器外周面に沿ってスライドすることによって蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋を閉状態でロックする機構を有する圧力調理器に関し、より詳しくは複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することを可能とする圧力調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力調理器は、容器と蓋体とを密閉することによって空気や液体が逃げないようにし、加熱をすることによって封入した液体の沸点を高めることで調理器内を大気圧以上の圧力、例えば調理器内圧力を1.4〜1.5気圧程度までに上昇可能とする。調理器内の圧力を上昇させることができることから、110℃前後での加熱調理が可能となり、一般的な鍋による加熱調理と比較して約1/3程度の加熱時間で調理を行うことができる。そのため、圧力調理器を使用すると、各種ビタミン、ミネラル等の栄養素が調理の段階で失われていくのを防止することができ、これら栄養素を効率的に摂取することを可能とする。また、一般的な鍋では調理できない、又は調理が可能であったとしても多くの調理時間を必要とするスジ肉やスネ肉、魚の骨等といった硬い素材でも、圧力調理器を使用すれば風味を損ねることなく柔らかく且つ美味しく調理できる。このように、圧力調理器は、一般的な鍋等と比較して多くの利点を有しているため、今日では広く一般に普及している。
【0003】
しかしながら、圧力調理器の使用時においては、圧力調理器内は高温で内圧が高くなっているため、使用時に圧力調理器の蓋体が不意に開放されると、熱湯及び加熱された被調理物が外へ飛散して、場合によっては圧力調理器の使用者に接触し火傷させる恐れがある。このため、圧力調理器には、通常、蓋体ロック機構が付設され、圧力調理器の作動中に蓋体が不意に開放されないようになっている。
【0004】
従来は、圧力調理器を使用する調理者の安全性への配慮から、確実に圧力調理器の容器と蓋体とをロックするために、複数箇所をネジやボルトとナット等の固定具によって固定することにより圧力調理器の容器と蓋体とをロックしていた。固定具によるロックでは、ドライバーや六角レンチ等を使用しながら1箇所ずつロックの作動や解除を行うことを必要とすることから、蓋体のロックの作動や解除に時間を要し大変手間がかかるという問題がある。また、調理中は当然のこと、調理終了後であったとしても圧力調理器内に圧力が残存している場合があり、このような場合において使用者がロックを解除すると、最初に固定具をはずした一箇所のみから圧力が抜けていくため大変危険であり、また、蒸気圧の力により蓋体、容器、固定具等の破損へとつながるという問題も生じている。
【0005】
この問題を解決するために、特許文献1では、基台部と柱状部を備える枠体と、基台部に据え付けられたガスコンロと、柱状部の上方に設けられた回動レバーと、回動レバーの回動操作によって上下するロッドの下端に取り付けられてガスコンロ上で上下に可動であり且つ最下位置でガスコンロに載置された圧力鍋に圧着して密閉する鍋蓋と、鍋蓋が圧力鍋に圧着した状態で前記回動レバーを固定するロックピンを備えるロック機構と、を有する圧力鍋が提案されている。この圧力鍋では、容器と蓋体とを固定具によって複数箇所固定する必要はなく、回動レバーを回転させることによってロッドの下端に取り付けられた蓋体が容器に圧着することにより圧力調理器を密閉することができるため、蓋体の着脱が容易となっており、また、使用者がロックを解除しようとした場合であったとしても、蓋体全体が上下するため一箇所のみから圧力が抜けていくこともない。
【0006】
しかしながら特許文献1記載の圧力調理器は、圧力調理器本体に枠体が備えられているため非常に大掛かりな装置となっており、構成も複雑であり、省スペース化を行うことができない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−230482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであって、複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することができ、ロックの一部のみが解除されることによって一箇所のみから圧力が抜けていくことによる危険性や蓋体、容器、固定具等の破損を防止することができ、ロックの作動や解除を容易にし、且つ構成が単純であり省スペース化を図ることができる圧力調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、上側に開口部を有する有底円筒形状の容器と、該容器の前記開口部を開閉する蓋体と、前記開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ前記蓋体を閉位置において前記容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、前記ロック機構は、前記蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、前記容器開口部近傍に外周面に沿って前記蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、前記蓋体側クラッチ爪と係合するとともに前記容器外周面に沿ってスライドすることによって前記蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、前記係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記駆動機構は、エアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器に関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、該駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力調理器に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、複数の係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることから、複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することができる。また、係合部材自体や、係合部材に付設されている駆動機構の一部が壊れていたとしても、係合部材が互いに連結部材によって連結されているため、一部のみが非係合となることを防止することができる。そのため、使用者の安全を確保し、圧力調理器の破損を防止することができる。圧力調理器には特に枠体等を必要とせず、係合部材を連結させることのみによってすべてのロック機構の作動又は解除を行うことができるため、単純な構成とすることができ、圧力調理器の省スペース化を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、駆動機構は、エアシリンダであることから、単純な構成にて迅速に係合部材をスライドさせることができ、係合部材と蓋体側クラッチ爪とを係合させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーを有することから、駆動機構へゴミ等が混入するのを防止することができる。駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーを備えており、該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことから、開口部が開放状態のときにはクラッチカバーが係合部材を覆い、係合箇所へゴミ等が混入するのを防止することができる。駆動機構や係合箇所へゴミ等が混入するのを防止することができるため、駆動機構や係合箇所が破損するのを防止することができ、ロック機構によるロックの作動や解除をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る圧力調理器の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器のロック機構の図である。図2は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の側面図である。図3は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体の平面図である。図4は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体側クラッチ爪の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。図5は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器側クラッチ爪の図であって(a)は側面図、(b)は斜視図である。図6は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の係合部材の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。図7は、蓋体で開口部を閉塞した時において蓋体側クラッチ爪が係合部材の下フランジ内面に当接した状態で係合箇所を上側から上フランジを透過して見た図である。図8は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器の平面図であって、(a)はロック機構と連結部材を配置した図、(b)は駆動機構(エアシリンダ)を配置した図である。図9は、本発明に係る第1の実施形態におけるロック機構の側面図であって、(a)はエアシリンダが収縮している図、(b)はエアシリンダが伸長している図である。
【0016】
本発明に係る圧力調理器100は、容器1と、蓋体2と、ロック機構3と連結部材8を備えている。
【0017】
容器1は、有底円筒形状であってその上側には開口部を有し、開口部から内部へと被調理物と水とが投入される。容器1の材質は、容器1内の圧力が高くなるため強度が強いものを使用することが必要であり、例えば、クラッド鋼板、ステンレス、鉄、アルミニウム合金等を使用することができる。容器1の容積は、用途によって適宜選択されるが、例えば圧力調理器100が業務用の場合は200Lのものを使用することができる。容器1は図8(a)(b)においてA−A´線を軸として揺動可能となっており、被調理物の投入時にはB側を下げ、被調理物の取出時にはB´を下げることができる。これにより被調理物の出し入れを容易にしている。尚、図8(a)(b)において、蓋体2はAの位置に回動可能に取り付けられている。
【0018】
蓋体2は、図2に示す通り、容器1の開口部近傍に設けられた回動軸を介して取り付けられており、回動軸を支点としてパワーシリンダの駆動により回動することによって容器1の開口部を開閉する。蓋体2が容器1の開口部を閉塞したときには、蓋体2の周縁部は容器1の開口部の周縁部と密着する。蓋体2と容器1とが密着する部分においては、容器1内を完全密封するために、図1の通り、蓋体2の周縁部に沿ってパッキン21が設けられている。パッキン21の材質は、容器1内を完全密封することができるもの、例えばゴムや合成樹脂等を使用することができるが、容器1内の温度が110〜120℃まで上昇するため、耐熱性を必要とする。蓋体2の材質は、容器1の材質と同様強度が強いもの、例えば、クラッド鋼板、ステンレス、鉄、アルミニウム合金等を使用することができる。
【0019】
ロック機構3は、容器1の開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられており、蓋体2を閉位置において容器1に固定するものである。ロック機構3は周方向に沿って等間隔に備えられていることにより、容器1が揺動するのを妨げることがなく、被調理物の投入や取出を妨げることもない。ロック機構3は、蓋体側クラッチ爪4と、容器側クラッチ爪5と、係合部材6と、駆動機構7を備えている。
【0020】
蓋体側クラッチ爪4は、図1に示す通り、側面視略鍵型状に形成されており、一端部である鍵型基部41が蓋体2に取り付けられており、他端部である先端部42は容器1側へ曲げられて略コの字型となっている。蓋体側クラッチ爪4は、蓋体2の外周面に沿って等間隔で複数箇所取り付けられ、図3では4箇所取り付けられている。但し、蓋体側クラッチ爪4の取り付け箇所は、2箇所以上であれば特に限定されることはない。しかし、容器2が揺動するのを妨げない位置に取り付ける必要がある。
蓋体側クラッチ爪4の他端部である先端部42は、後述する係合部材6と係合するために、図4(c)に示す通り長手方向(蓋体2の外周面に沿う方向)に間隔を空けて複数箇所切り欠かれており、櫛歯状となっている。蓋体2によって、容器1の開口部を閉塞した場合は、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の下面43が係合部材6の下部フランジ内面61に当接するまで蓋体2が下降する。
【0021】
容器側クラッチ爪5は、蓋体側クラッチ爪4と対応するように容器1の外周面に沿って取り付けられ、後述する係合部材6と一体となって、係合箇所を形成する。図5(a)、(b)に示す通り、容器側クラッチ爪5には外側へ突出する係合突条51が全長に亘って(容器1の外周面に沿う方向に)設けられ、図1に示す通り、常時係合部材6と係合している。
【0022】
係合部材6は、上下にフランジを有する側面視略エの字型の部材であり、蓋体側クラッチ爪4の先端部42と容器側クラッチ爪5の係合突条51とが上下のフランジ間に係合することによって、蓋体2と容器1がロックされている。図6に示す通り、係合部材6の上フランジ62の長手方向(容器1の外周面に沿う方向)に間隔を空けて複数箇所切り欠かれており、櫛歯状となっている。蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分は切り欠かれており(図6(a)(c)のiの部分)、逆に、蓋体側クラッチ爪4の切欠部(図4(c)(d)のjの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分が切り欠かれていないことによって(図6(a)(c)のkの部分)、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の櫛歯と係合部材6の上フランジ62の櫛歯とは互いにずれている。これにより、蓋体側クラッチ爪4の先端部42は、係合部材6の上フランジ62上面63とは接触せず、係合部材6の下フランジ内面61と当接するまで下降することが可能となる。この状態を上側から上フランジを透過して見た図を図7に示す。その後、係合部材6が容器1の外周面に沿う方向にスライドすることによって蓋体側クラッチ爪4と係合部材6とが上下のフランジ間に係合することができる。蓋体2の開閉を容易にするために、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)は、係合部材6の切欠部(図6(a)(c)のiの部分)よりも狭くなっている。
【0023】
図8(a)に示すとおり、本発明において、周方向に隣り合う係合部材6は互いに連結部材8によって連結されている。係合部材6が連結部材8によって連結されていることにより、複数箇所存在するロック機構3によるロックを同時に作動又は解除することができる。また、係合部材6自体や、係合部材6に付設されている駆動機構7の一部が壊れていたとしても、係合部材6が互いに連結部材8によって連結されているため、一部のみが非係合となることを防止することができる。これにより使用者の安全を確保し、圧力調理器100の破損を防止することができる。圧力調理器100には特に枠体等を必要とせず、係合部材6を連結させることのみであるため、単純な構成とすることができ、圧力調理器100の省スペース化を図ることができる。
【0024】
連結部材8は、連結棒81と接続コネクタ82とからなっている。
連結棒81は、連結部材8同士を平面視円状の容器1を取り囲むように架け渡す必要があることから、両端部において内側へ僅かに折り曲げられる。折り曲げられた両端部には、接続コネクタ82が取り付けられる。
接続コネクタ82は、係合部材6との接続部83において水平面内において回動自在となっている。水平面内において回動自在とすることにより、係合部材6全体がスライドする際に、スムーズに円周方向に全ての係合部材6をスライドさせることができる。
【0025】
駆動機構7は、図9(a)(b)においてはエアシリンダを使用しており、エアシリンダの一端部は容器1の側面部に固定され、スライドする他端部は係合部材6に固定されている。エアシリンダが伸縮することによって、係合部材6は容器1の外周面に沿う方向にスライドする。スライドする距離は、蓋体側クラッチ爪4と係合部材6とが係合する程度である。係合する程度とは、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)と係合部材6の上フランジ62の非切欠部(図6(a)(c)の部分)とが重なることによって係合する程度、つまり蓋体側クラッチ爪4の先端部42と係合部材6の上フランジ62の互いにずれた櫛歯が重なる程度である。
【0026】
駆動機構7の駆動手段については特に限定されず、手動方式、ギアモータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等を使用することができるが、図9(a)(b)に示す通り、エアシリンダを使用することが好ましい。単純な構成にて迅速に係合部材6を係脱させることができるからである。駆動機構7は、図8(b)に示す通り、各係合箇所ごとに付設しても良いし、係合部材6は互いに連結されているため、駆動機構7を1箇所設け、他の係合箇所については連動させてもよい。
【0027】
本発明においては、図8(b)に示す通り、A−B間とA´−B´間ではエアシリンダ71が、B´−A間とB−A´間ではエアシリンダ72が容器1の外周方向に沿って交互に配置される。エアシリンダ71は、図9(a)に示す通り、ロック機構3の解除時にはシリンダが収縮しており、ロック機構3の作動時にはシリンダが伸長することによって、係合部材6をスライドさせるものである。一方、エアシリンダ72は、図9(b)に示す通り、ロック機構3の解除時にはシリンダが伸長しており、ロック機構3の作動時にはシリンダが収縮することによって、係合部材6をスライドさせるものである。このようにエアシリンダ71とエアシリンダ72とを交互に配置することによって、ロック機構の作動時の衝撃を緩和することができる。
【0028】
以下、本発明に係る圧力調理器の動作について説明する。図10は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞する直前の係合箇所の図である。図11は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞した図である。図12は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体をロックした図である。
【0029】
蓋体2を上方向に回動させ容器1の開口部を開放した状態とし、米、豆、野菜類、肉類、魚類等の被調理物を容器1内に図8(a)(b)に示すB方向から所定量投入し、その後所定量水を投入する。被調理物に味付けを行う場合は、塩、しょうゆ、砂糖、みりん、酒、化学調味料等を適宜所定量投入する。
【0030】
その後、蓋体2を下方に回動させることによって容器1の開口部を閉塞する。その際、図10に示す通り、蓋体側クラッチ爪4が上方から係合部材6側へと下がってくる。前述の通り、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分は切り欠かれており(図6(a)(c)のiの部分)、逆に、蓋体側クラッチ爪4の切欠部(図4(c)(d)のjの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分が切り欠かれていないことにより(図6(a)(c)のkの部分)、蓋体側クラッチ爪4の下面43と係合部材上面63が接触することなく、図11の通り、蓋体側クラッチ爪4の下面43が係合部材6の下フランジ内面61と当接するまで下降することが可能となる。
【0031】
その後、図9(a)に示すエアシリンダ71を伸長させ、図9(b)に示すエアシリンダ72を収縮させることにより、係合部材6を図9(a)(b)の右方向にスライドさせ、蓋体2のロックを行う。図8(a)を用いて説明した如く、係合部材6は、連結部材8を介して全て架け渡すように連結されており、A−B間とA´−B´間のエアシリンダ71が伸長し、B´−A間とB−A´間のエアシリンダ72が収縮することによりすべての係合部材6が同時に反時計回り方向にスライドされる。係合部材6スライド後の係合箇所は、図11の状態から係合部材6が図面右側へスライドすることにより、図12の状態となり、蓋体側クラッチ爪4の先端部42が係合部材6の上フランジ62と係合している。これにより、蓋体2のロックが行われている。すべての係合部材6が同時にスライドするため、全てのロック機構3によって同時に蓋体2は容器1にロックされる。その後、ロックが解除されないようにするため、ロックピン31を挿入する。
【0032】
蓋体2のロック後に圧力調理器100の加熱を行い、容器1内に投入された被調理物の調理を開始する。調理時間は容器1内部の被調理物によって適宜選択される。調理終了後は、圧力調理器100内部の圧力が外部の圧力と同等となるまでは、蓋体2のロックは解除せず、外部の圧力と同等となった場合に、ロックの解除を行う。まずロックピン31を取り外し、図9(a)に示すエアシリンダ71を収縮させ、図9(b)に示すエアシリンダ72を伸長させることにより、係合部材6を図9(a)(b)の左方向にスライドさせ、蓋体2のロックの解除を行う。図8(a)を用いて説明した如く、係合部材6は、連結部材8を介して全て架け渡すように連結されており、A−B間とA´−B´間のエアシリンダ71が収縮し、B´−A間とB−A´間のエアシリンダ72が伸長することによりすべての係合部材6が同時に時計回り方向にスライドされ、ロックが解除される。その後蓋体2を回動させることにより容器1の開口部を開放し、調理後の被調理物を容器1から図8(a)(b)に示すB´方向へと取り出す。
【0033】
図13は本発明に係る圧力調理器の第2の実施形態を示したロック機構の図であって(a)は蓋体を閉塞する前の状態を、(b)は蓋体を閉塞した後の状態を示した図である。図14は、第2の実施形態に使用されるクラッチカバーの構成図であって(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
本発明に係る第2の実施形態に係る圧力調理器100は、駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、クラッチカバーは、ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆っている。以下、第2の実施形態について説明を行うが、第1の実施形態と同一の構成については、上記と同様であるため説明を省略する。
【0034】
駆動機構カバー9は、駆動機構7内に容器1からこぼれた被調理物等がゴミとして混入しないようにするために駆動機構7を保護するものである。駆動機構カバー9が設けられることにより、駆動機構7が破損するのを防止することができる。
駆動機構カバー9の材質は特に限定されることはないが、例えばステンレスやアルミニウム曲板等を使用することができる。
【0035】
ヒンジ10は、回動軸を挟んだ一方の部分は駆動機構カバー9に固定され、他方の部分はクラッチカバー11に固定される。これによりクラッチカバー11は、回動自在となる。
【0036】
クラッチカバー11は、係合部材6に容器1からこぼれた被調理物等がゴミとして混入しないようにするために係合部材6を保護するものである。クラッチカバー11が設けられることにより、係合部材6が破損するのを防止することができる。クラッチカバー11は、ヒンジ10によって一方向(図13にて時計回り方向)に回動するように付勢されている。
【0037】
クラッチカバー11は、図14(a)(b)(c)に示される通り、ステンレスやアルミニウム等の金属の曲板からなるクラッチカバー本体111と、クラッチカバー本体111の上端部側辺に取り付けられている三角形板状の三角プレート112からなっている。三角プレート112は、係合部材6を覆った状態において、外側から内側へと向かって下がる傾斜辺を備えている。
【0038】
以下、蓋体2を容器1に着脱する際の、クラッチカバー11の動作について説明する。
蓋体2を上方向に回動させることによって容器1の開口部が開放されている状態では、図13(a)に示す通り、係合部材6は、クラッチカバー11によって覆われている。蓋体2を下方向に回動させることによって、容器1の開口部を閉塞させる際、蓋体側クラッチ爪4はクラッチカバー11の三角プレート112の傾斜辺113と当接する。その後、さらに蓋体側クラッチ爪4は、ヒンジ10の付勢方向と反対方向へとクラッチカバー11を押しつつ、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の下面43と係合部材6の下フランジ内面61に当接するまで三角プレート112の側辺113と摺動しながら下がり、図13(b)の状態となる。ロック後この状態において圧力調理器で調理が開始される。
調理終了後は、ロックの解除後蓋体側クラッチ爪4が上昇することによって、蓋体側クラッチ爪4が次第に三角プレート112から離間し、蓋体側クラッチ爪4の押圧力が減少するため、クラッチカバー11は、付勢方向に従って起き上がるように元の状態に戻り、図13(a)の状態となり、係合部材6は再びクラッチカバー11によって覆われる。
【0039】
第2の実施形態において、図13に示す通り蓋体側クラッチ爪4には、クラッチカバー11の三角プレート112の傾斜辺113と摺接する位置(蓋体2を閉塞した時に傾斜辺113の上端に当接する位置)に、円筒形状の摺接部材44が設けられるのが好ましい。摺接部材44が設けられることにより、蓋体2によって容器1の開口部を閉塞させる際に、蓋体側クラッチ爪4はクラッチカバー11をよりスムーズに押すことが可能となるからである。
摺接部材44は、例えば図13では、直径6mm、長さ10mmの円筒形状の部材が使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、一般的な鍋では調理できない、又は調理が可能であったとしても多くの調理時間を必要とするスジ肉やスネ肉、魚の骨等といった硬い素材を調理する圧力調理器に好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器のロック機構の図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の側面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体の平面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体側クラッチ爪の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器側クラッチ爪の図であって(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の係合部材の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【図7】蓋体で開口部を閉塞した時において蓋体側クラッチ爪が係合部材の下フランジ内面に当接した状態で係合箇所を上側から上フランジを透過して見た図である。
【図8】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器の平面図であって、(a)はロック機構と連結部材を配置した図、(b)は駆動機構(エアシリンダ)を配置した図である。
【図9】本発明に係る第1の実施形態におけるロック機構の側面図であって、(a)はエアシリンダが収縮している図、(b)はエアシリンダが伸長している図である。
【図10】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞する直前の係合箇所の図である。
【図11】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞した図である。
【図12】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体をロックした図である。
【図13】本発明に係る第2の実施形態における圧力調理器の係合箇所周りの図であって(a)は蓋体を閉塞する前の状態を、(b)は蓋体を閉塞した後の状態を示した図である。
【図14】本発明に係る第2の実施形態における圧力調理器に使用されるクラッチカバーの構成図であって(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1. 容器
2. 蓋体
3. ロック機構
4. 蓋体側クラッチ爪
5. 容器側クラッチ爪
6. 係合部材
7. 駆動機構
8. 連結部材
9. 駆動機構カバー
10. ヒンジ
11. クラッチカバー
100.圧力調理器
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋を閉状態でロックする機構を有する圧力調理器に関し、より詳しくは複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することを可能とする圧力調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力調理器は、容器と蓋体とを密閉することによって空気や液体が逃げないようにし、加熱をすることによって封入した液体の沸点を高めることで調理器内を大気圧以上の圧力、例えば調理器内圧力を1.4〜1.5気圧程度までに上昇可能とする。調理器内の圧力を上昇させることができることから、110℃前後での加熱調理が可能となり、一般的な鍋による加熱調理と比較して約1/3程度の加熱時間で調理を行うことができる。そのため、圧力調理器を使用すると、各種ビタミン、ミネラル等の栄養素が調理の段階で失われていくのを防止することができ、これら栄養素を効率的に摂取することを可能とする。また、一般的な鍋では調理できない、又は調理が可能であったとしても多くの調理時間を必要とするスジ肉やスネ肉、魚の骨等といった硬い素材でも、圧力調理器を使用すれば風味を損ねることなく柔らかく且つ美味しく調理できる。このように、圧力調理器は、一般的な鍋等と比較して多くの利点を有しているため、今日では広く一般に普及している。
【0003】
しかしながら、圧力調理器の使用時においては、圧力調理器内は高温で内圧が高くなっているため、使用時に圧力調理器の蓋体が不意に開放されると、熱湯及び加熱された被調理物が外へ飛散して、場合によっては圧力調理器の使用者に接触し火傷させる恐れがある。このため、圧力調理器には、通常、蓋体ロック機構が付設され、圧力調理器の作動中に蓋体が不意に開放されないようになっている。
【0004】
従来は、圧力調理器を使用する調理者の安全性への配慮から、確実に圧力調理器の容器と蓋体とをロックするために、複数箇所をネジやボルトとナット等の固定具によって固定することにより圧力調理器の容器と蓋体とをロックしていた。固定具によるロックでは、ドライバーや六角レンチ等を使用しながら1箇所ずつロックの作動や解除を行うことを必要とすることから、蓋体のロックの作動や解除に時間を要し大変手間がかかるという問題がある。また、調理中は当然のこと、調理終了後であったとしても圧力調理器内に圧力が残存している場合があり、このような場合において使用者がロックを解除すると、最初に固定具をはずした一箇所のみから圧力が抜けていくため大変危険であり、また、蒸気圧の力により蓋体、容器、固定具等の破損へとつながるという問題も生じている。
【0005】
この問題を解決するために、特許文献1では、基台部と柱状部を備える枠体と、基台部に据え付けられたガスコンロと、柱状部の上方に設けられた回動レバーと、回動レバーの回動操作によって上下するロッドの下端に取り付けられてガスコンロ上で上下に可動であり且つ最下位置でガスコンロに載置された圧力鍋に圧着して密閉する鍋蓋と、鍋蓋が圧力鍋に圧着した状態で前記回動レバーを固定するロックピンを備えるロック機構と、を有する圧力鍋が提案されている。この圧力鍋では、容器と蓋体とを固定具によって複数箇所固定する必要はなく、回動レバーを回転させることによってロッドの下端に取り付けられた蓋体が容器に圧着することにより圧力調理器を密閉することができるため、蓋体の着脱が容易となっており、また、使用者がロックを解除しようとした場合であったとしても、蓋体全体が上下するため一箇所のみから圧力が抜けていくこともない。
【0006】
しかしながら特許文献1記載の圧力調理器は、圧力調理器本体に枠体が備えられているため非常に大掛かりな装置となっており、構成も複雑であり、省スペース化を行うことができない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−230482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであって、複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することができ、ロックの一部のみが解除されることによって一箇所のみから圧力が抜けていくことによる危険性や蓋体、容器、固定具等の破損を防止することができ、ロックの作動や解除を容易にし、且つ構成が単純であり省スペース化を図ることができる圧力調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、上側に開口部を有する有底円筒形状の容器と、該容器の前記開口部を開閉する蓋体と、前記開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ前記蓋体を閉位置において前記容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、前記ロック機構は、前記蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、前記容器開口部近傍に外周面に沿って前記蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、前記蓋体側クラッチ爪と係合するとともに前記容器外周面に沿ってスライドすることによって前記蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、前記係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記駆動機構は、エアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器に関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、該駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力調理器に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、複数の係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることから、複数箇所存在するロック機構によるロックを同時に作動又は解除することができる。また、係合部材自体や、係合部材に付設されている駆動機構の一部が壊れていたとしても、係合部材が互いに連結部材によって連結されているため、一部のみが非係合となることを防止することができる。そのため、使用者の安全を確保し、圧力調理器の破損を防止することができる。圧力調理器には特に枠体等を必要とせず、係合部材を連結させることのみによってすべてのロック機構の作動又は解除を行うことができるため、単純な構成とすることができ、圧力調理器の省スペース化を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、駆動機構は、エアシリンダであることから、単純な構成にて迅速に係合部材をスライドさせることができ、係合部材と蓋体側クラッチ爪とを係合させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーを有することから、駆動機構へゴミ等が混入するのを防止することができる。駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーを備えており、該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことから、開口部が開放状態のときにはクラッチカバーが係合部材を覆い、係合箇所へゴミ等が混入するのを防止することができる。駆動機構や係合箇所へゴミ等が混入するのを防止することができるため、駆動機構や係合箇所が破損するのを防止することができ、ロック機構によるロックの作動や解除をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る圧力調理器の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器のロック機構の図である。図2は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の側面図である。図3は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体の平面図である。図4は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体側クラッチ爪の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。図5は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器側クラッチ爪の図であって(a)は側面図、(b)は斜視図である。図6は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の係合部材の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。図7は、蓋体で開口部を閉塞した時において蓋体側クラッチ爪が係合部材の下フランジ内面に当接した状態で係合箇所を上側から上フランジを透過して見た図である。図8は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器の平面図であって、(a)はロック機構と連結部材を配置した図、(b)は駆動機構(エアシリンダ)を配置した図である。図9は、本発明に係る第1の実施形態におけるロック機構の側面図であって、(a)はエアシリンダが収縮している図、(b)はエアシリンダが伸長している図である。
【0016】
本発明に係る圧力調理器100は、容器1と、蓋体2と、ロック機構3と連結部材8を備えている。
【0017】
容器1は、有底円筒形状であってその上側には開口部を有し、開口部から内部へと被調理物と水とが投入される。容器1の材質は、容器1内の圧力が高くなるため強度が強いものを使用することが必要であり、例えば、クラッド鋼板、ステンレス、鉄、アルミニウム合金等を使用することができる。容器1の容積は、用途によって適宜選択されるが、例えば圧力調理器100が業務用の場合は200Lのものを使用することができる。容器1は図8(a)(b)においてA−A´線を軸として揺動可能となっており、被調理物の投入時にはB側を下げ、被調理物の取出時にはB´を下げることができる。これにより被調理物の出し入れを容易にしている。尚、図8(a)(b)において、蓋体2はAの位置に回動可能に取り付けられている。
【0018】
蓋体2は、図2に示す通り、容器1の開口部近傍に設けられた回動軸を介して取り付けられており、回動軸を支点としてパワーシリンダの駆動により回動することによって容器1の開口部を開閉する。蓋体2が容器1の開口部を閉塞したときには、蓋体2の周縁部は容器1の開口部の周縁部と密着する。蓋体2と容器1とが密着する部分においては、容器1内を完全密封するために、図1の通り、蓋体2の周縁部に沿ってパッキン21が設けられている。パッキン21の材質は、容器1内を完全密封することができるもの、例えばゴムや合成樹脂等を使用することができるが、容器1内の温度が110〜120℃まで上昇するため、耐熱性を必要とする。蓋体2の材質は、容器1の材質と同様強度が強いもの、例えば、クラッド鋼板、ステンレス、鉄、アルミニウム合金等を使用することができる。
【0019】
ロック機構3は、容器1の開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられており、蓋体2を閉位置において容器1に固定するものである。ロック機構3は周方向に沿って等間隔に備えられていることにより、容器1が揺動するのを妨げることがなく、被調理物の投入や取出を妨げることもない。ロック機構3は、蓋体側クラッチ爪4と、容器側クラッチ爪5と、係合部材6と、駆動機構7を備えている。
【0020】
蓋体側クラッチ爪4は、図1に示す通り、側面視略鍵型状に形成されており、一端部である鍵型基部41が蓋体2に取り付けられており、他端部である先端部42は容器1側へ曲げられて略コの字型となっている。蓋体側クラッチ爪4は、蓋体2の外周面に沿って等間隔で複数箇所取り付けられ、図3では4箇所取り付けられている。但し、蓋体側クラッチ爪4の取り付け箇所は、2箇所以上であれば特に限定されることはない。しかし、容器2が揺動するのを妨げない位置に取り付ける必要がある。
蓋体側クラッチ爪4の他端部である先端部42は、後述する係合部材6と係合するために、図4(c)に示す通り長手方向(蓋体2の外周面に沿う方向)に間隔を空けて複数箇所切り欠かれており、櫛歯状となっている。蓋体2によって、容器1の開口部を閉塞した場合は、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の下面43が係合部材6の下部フランジ内面61に当接するまで蓋体2が下降する。
【0021】
容器側クラッチ爪5は、蓋体側クラッチ爪4と対応するように容器1の外周面に沿って取り付けられ、後述する係合部材6と一体となって、係合箇所を形成する。図5(a)、(b)に示す通り、容器側クラッチ爪5には外側へ突出する係合突条51が全長に亘って(容器1の外周面に沿う方向に)設けられ、図1に示す通り、常時係合部材6と係合している。
【0022】
係合部材6は、上下にフランジを有する側面視略エの字型の部材であり、蓋体側クラッチ爪4の先端部42と容器側クラッチ爪5の係合突条51とが上下のフランジ間に係合することによって、蓋体2と容器1がロックされている。図6に示す通り、係合部材6の上フランジ62の長手方向(容器1の外周面に沿う方向)に間隔を空けて複数箇所切り欠かれており、櫛歯状となっている。蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分は切り欠かれており(図6(a)(c)のiの部分)、逆に、蓋体側クラッチ爪4の切欠部(図4(c)(d)のjの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分が切り欠かれていないことによって(図6(a)(c)のkの部分)、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の櫛歯と係合部材6の上フランジ62の櫛歯とは互いにずれている。これにより、蓋体側クラッチ爪4の先端部42は、係合部材6の上フランジ62上面63とは接触せず、係合部材6の下フランジ内面61と当接するまで下降することが可能となる。この状態を上側から上フランジを透過して見た図を図7に示す。その後、係合部材6が容器1の外周面に沿う方向にスライドすることによって蓋体側クラッチ爪4と係合部材6とが上下のフランジ間に係合することができる。蓋体2の開閉を容易にするために、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)は、係合部材6の切欠部(図6(a)(c)のiの部分)よりも狭くなっている。
【0023】
図8(a)に示すとおり、本発明において、周方向に隣り合う係合部材6は互いに連結部材8によって連結されている。係合部材6が連結部材8によって連結されていることにより、複数箇所存在するロック機構3によるロックを同時に作動又は解除することができる。また、係合部材6自体や、係合部材6に付設されている駆動機構7の一部が壊れていたとしても、係合部材6が互いに連結部材8によって連結されているため、一部のみが非係合となることを防止することができる。これにより使用者の安全を確保し、圧力調理器100の破損を防止することができる。圧力調理器100には特に枠体等を必要とせず、係合部材6を連結させることのみであるため、単純な構成とすることができ、圧力調理器100の省スペース化を図ることができる。
【0024】
連結部材8は、連結棒81と接続コネクタ82とからなっている。
連結棒81は、連結部材8同士を平面視円状の容器1を取り囲むように架け渡す必要があることから、両端部において内側へ僅かに折り曲げられる。折り曲げられた両端部には、接続コネクタ82が取り付けられる。
接続コネクタ82は、係合部材6との接続部83において水平面内において回動自在となっている。水平面内において回動自在とすることにより、係合部材6全体がスライドする際に、スムーズに円周方向に全ての係合部材6をスライドさせることができる。
【0025】
駆動機構7は、図9(a)(b)においてはエアシリンダを使用しており、エアシリンダの一端部は容器1の側面部に固定され、スライドする他端部は係合部材6に固定されている。エアシリンダが伸縮することによって、係合部材6は容器1の外周面に沿う方向にスライドする。スライドする距離は、蓋体側クラッチ爪4と係合部材6とが係合する程度である。係合する程度とは、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)と係合部材6の上フランジ62の非切欠部(図6(a)(c)の部分)とが重なることによって係合する程度、つまり蓋体側クラッチ爪4の先端部42と係合部材6の上フランジ62の互いにずれた櫛歯が重なる程度である。
【0026】
駆動機構7の駆動手段については特に限定されず、手動方式、ギアモータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等を使用することができるが、図9(a)(b)に示す通り、エアシリンダを使用することが好ましい。単純な構成にて迅速に係合部材6を係脱させることができるからである。駆動機構7は、図8(b)に示す通り、各係合箇所ごとに付設しても良いし、係合部材6は互いに連結されているため、駆動機構7を1箇所設け、他の係合箇所については連動させてもよい。
【0027】
本発明においては、図8(b)に示す通り、A−B間とA´−B´間ではエアシリンダ71が、B´−A間とB−A´間ではエアシリンダ72が容器1の外周方向に沿って交互に配置される。エアシリンダ71は、図9(a)に示す通り、ロック機構3の解除時にはシリンダが収縮しており、ロック機構3の作動時にはシリンダが伸長することによって、係合部材6をスライドさせるものである。一方、エアシリンダ72は、図9(b)に示す通り、ロック機構3の解除時にはシリンダが伸長しており、ロック機構3の作動時にはシリンダが収縮することによって、係合部材6をスライドさせるものである。このようにエアシリンダ71とエアシリンダ72とを交互に配置することによって、ロック機構の作動時の衝撃を緩和することができる。
【0028】
以下、本発明に係る圧力調理器の動作について説明する。図10は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞する直前の係合箇所の図である。図11は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞した図である。図12は、本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体をロックした図である。
【0029】
蓋体2を上方向に回動させ容器1の開口部を開放した状態とし、米、豆、野菜類、肉類、魚類等の被調理物を容器1内に図8(a)(b)に示すB方向から所定量投入し、その後所定量水を投入する。被調理物に味付けを行う場合は、塩、しょうゆ、砂糖、みりん、酒、化学調味料等を適宜所定量投入する。
【0030】
その後、蓋体2を下方に回動させることによって容器1の開口部を閉塞する。その際、図10に示す通り、蓋体側クラッチ爪4が上方から係合部材6側へと下がってくる。前述の通り、蓋体側クラッチ爪4の非切欠部(図4(c)(d)のhの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分は切り欠かれており(図6(a)(c)のiの部分)、逆に、蓋体側クラッチ爪4の切欠部(図4(c)(d)のjの部分)に対応する係合部材6の上フランジ62の部分が切り欠かれていないことにより(図6(a)(c)のkの部分)、蓋体側クラッチ爪4の下面43と係合部材上面63が接触することなく、図11の通り、蓋体側クラッチ爪4の下面43が係合部材6の下フランジ内面61と当接するまで下降することが可能となる。
【0031】
その後、図9(a)に示すエアシリンダ71を伸長させ、図9(b)に示すエアシリンダ72を収縮させることにより、係合部材6を図9(a)(b)の右方向にスライドさせ、蓋体2のロックを行う。図8(a)を用いて説明した如く、係合部材6は、連結部材8を介して全て架け渡すように連結されており、A−B間とA´−B´間のエアシリンダ71が伸長し、B´−A間とB−A´間のエアシリンダ72が収縮することによりすべての係合部材6が同時に反時計回り方向にスライドされる。係合部材6スライド後の係合箇所は、図11の状態から係合部材6が図面右側へスライドすることにより、図12の状態となり、蓋体側クラッチ爪4の先端部42が係合部材6の上フランジ62と係合している。これにより、蓋体2のロックが行われている。すべての係合部材6が同時にスライドするため、全てのロック機構3によって同時に蓋体2は容器1にロックされる。その後、ロックが解除されないようにするため、ロックピン31を挿入する。
【0032】
蓋体2のロック後に圧力調理器100の加熱を行い、容器1内に投入された被調理物の調理を開始する。調理時間は容器1内部の被調理物によって適宜選択される。調理終了後は、圧力調理器100内部の圧力が外部の圧力と同等となるまでは、蓋体2のロックは解除せず、外部の圧力と同等となった場合に、ロックの解除を行う。まずロックピン31を取り外し、図9(a)に示すエアシリンダ71を収縮させ、図9(b)に示すエアシリンダ72を伸長させることにより、係合部材6を図9(a)(b)の左方向にスライドさせ、蓋体2のロックの解除を行う。図8(a)を用いて説明した如く、係合部材6は、連結部材8を介して全て架け渡すように連結されており、A−B間とA´−B´間のエアシリンダ71が収縮し、B´−A間とB−A´間のエアシリンダ72が伸長することによりすべての係合部材6が同時に時計回り方向にスライドされ、ロックが解除される。その後蓋体2を回動させることにより容器1の開口部を開放し、調理後の被調理物を容器1から図8(a)(b)に示すB´方向へと取り出す。
【0033】
図13は本発明に係る圧力調理器の第2の実施形態を示したロック機構の図であって(a)は蓋体を閉塞する前の状態を、(b)は蓋体を閉塞した後の状態を示した図である。図14は、第2の実施形態に使用されるクラッチカバーの構成図であって(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
本発明に係る第2の実施形態に係る圧力調理器100は、駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、クラッチカバーは、ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆っている。以下、第2の実施形態について説明を行うが、第1の実施形態と同一の構成については、上記と同様であるため説明を省略する。
【0034】
駆動機構カバー9は、駆動機構7内に容器1からこぼれた被調理物等がゴミとして混入しないようにするために駆動機構7を保護するものである。駆動機構カバー9が設けられることにより、駆動機構7が破損するのを防止することができる。
駆動機構カバー9の材質は特に限定されることはないが、例えばステンレスやアルミニウム曲板等を使用することができる。
【0035】
ヒンジ10は、回動軸を挟んだ一方の部分は駆動機構カバー9に固定され、他方の部分はクラッチカバー11に固定される。これによりクラッチカバー11は、回動自在となる。
【0036】
クラッチカバー11は、係合部材6に容器1からこぼれた被調理物等がゴミとして混入しないようにするために係合部材6を保護するものである。クラッチカバー11が設けられることにより、係合部材6が破損するのを防止することができる。クラッチカバー11は、ヒンジ10によって一方向(図13にて時計回り方向)に回動するように付勢されている。
【0037】
クラッチカバー11は、図14(a)(b)(c)に示される通り、ステンレスやアルミニウム等の金属の曲板からなるクラッチカバー本体111と、クラッチカバー本体111の上端部側辺に取り付けられている三角形板状の三角プレート112からなっている。三角プレート112は、係合部材6を覆った状態において、外側から内側へと向かって下がる傾斜辺を備えている。
【0038】
以下、蓋体2を容器1に着脱する際の、クラッチカバー11の動作について説明する。
蓋体2を上方向に回動させることによって容器1の開口部が開放されている状態では、図13(a)に示す通り、係合部材6は、クラッチカバー11によって覆われている。蓋体2を下方向に回動させることによって、容器1の開口部を閉塞させる際、蓋体側クラッチ爪4はクラッチカバー11の三角プレート112の傾斜辺113と当接する。その後、さらに蓋体側クラッチ爪4は、ヒンジ10の付勢方向と反対方向へとクラッチカバー11を押しつつ、蓋体側クラッチ爪4の先端部42の下面43と係合部材6の下フランジ内面61に当接するまで三角プレート112の側辺113と摺動しながら下がり、図13(b)の状態となる。ロック後この状態において圧力調理器で調理が開始される。
調理終了後は、ロックの解除後蓋体側クラッチ爪4が上昇することによって、蓋体側クラッチ爪4が次第に三角プレート112から離間し、蓋体側クラッチ爪4の押圧力が減少するため、クラッチカバー11は、付勢方向に従って起き上がるように元の状態に戻り、図13(a)の状態となり、係合部材6は再びクラッチカバー11によって覆われる。
【0039】
第2の実施形態において、図13に示す通り蓋体側クラッチ爪4には、クラッチカバー11の三角プレート112の傾斜辺113と摺接する位置(蓋体2を閉塞した時に傾斜辺113の上端に当接する位置)に、円筒形状の摺接部材44が設けられるのが好ましい。摺接部材44が設けられることにより、蓋体2によって容器1の開口部を閉塞させる際に、蓋体側クラッチ爪4はクラッチカバー11をよりスムーズに押すことが可能となるからである。
摺接部材44は、例えば図13では、直径6mm、長さ10mmの円筒形状の部材が使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、一般的な鍋では調理できない、又は調理が可能であったとしても多くの調理時間を必要とするスジ肉やスネ肉、魚の骨等といった硬い素材を調理する圧力調理器に好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器のロック機構の図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の側面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体の平面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体側クラッチ爪の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器側クラッチ爪の図であって(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の係合部材の図であって(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【図7】蓋体で開口部を閉塞した時において蓋体側クラッチ爪が係合部材の下フランジ内面に当接した状態で係合箇所を上側から上フランジを透過して見た図である。
【図8】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の容器の平面図であって、(a)はロック機構と連結部材を配置した図、(b)は駆動機構(エアシリンダ)を配置した図である。
【図9】本発明に係る第1の実施形態におけるロック機構の側面図であって、(a)はエアシリンダが収縮している図、(b)はエアシリンダが伸長している図である。
【図10】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞する直前の係合箇所の図である。
【図11】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体を閉塞した図である。
【図12】本発明に係る第1の実施形態における圧力調理器の蓋体をロックした図である。
【図13】本発明に係る第2の実施形態における圧力調理器の係合箇所周りの図であって(a)は蓋体を閉塞する前の状態を、(b)は蓋体を閉塞した後の状態を示した図である。
【図14】本発明に係る第2の実施形態における圧力調理器に使用されるクラッチカバーの構成図であって(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1. 容器
2. 蓋体
3. ロック機構
4. 蓋体側クラッチ爪
5. 容器側クラッチ爪
6. 係合部材
7. 駆動機構
8. 連結部材
9. 駆動機構カバー
10. ヒンジ
11. クラッチカバー
100.圧力調理器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に開口部を有する有底円筒形状の容器と、該容器の前記開口部を開閉する蓋体と、前記開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ前記蓋体を閉位置において前記容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、
前記ロック機構は、前記蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、前記容器開口部近傍に外周面に沿って前記蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、前記蓋体側クラッチ爪と係合するとともに前記容器外周面に沿ってスライドすることによって前記蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、
前記係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器。
【請求項2】
前記駆動機構は、エアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器。
【請求項3】
前記駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、該駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、
該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力調理器。
【請求項1】
上側に開口部を有する有底円筒形状の容器と、該容器の前記開口部を開閉する蓋体と、前記開口部の外周面に沿って複数箇所取り付けられ前記蓋体を閉位置において前記容器に固定するロック機構とからなる圧力調理器であって、
前記ロック機構は、前記蓋体の外周面に沿って複数箇所取り付けられた蓋体側クラッチ爪と、前記容器開口部近傍に外周面に沿って前記蓋体側クラッチ爪と夫々対応する位置に取り付けられた容器側クラッチ爪と、前記蓋体側クラッチ爪と係合するとともに前記容器外周面に沿ってスライドすることによって前記蓋体側クラッチ爪と係合する複数の係合部材と、該係合部材をスライドさせる駆動機構とからなり、
前記係合部材は、連結部材によって互いに連結されていることを特徴とする圧力調理器。
【請求項2】
前記駆動機構は、エアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の圧力調理器。
【請求項3】
前記駆動機構の外面側を覆う駆動機構カバーと、該駆動機構カバーの外面にヒンジを介して回動可能に取り付けられたクラッチカバーとを備えており、
該クラッチカバーは、前記ヒンジにより一方向に回動するように付勢されてなるとともに、該一方向への回動終端位置において前記係合部材を覆うことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−172018(P2009−172018A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10993(P2008−10993)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【特許番号】特許第4203604号(P4203604)
【特許公報発行日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(591174553)ニチワ電機株式会社 (28)
【出願人】(392023625)わらべや日洋株式会社 (4)
【出願人】(599122835)株式会社プロシスタス (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【特許番号】特許第4203604号(P4203604)
【特許公報発行日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(591174553)ニチワ電機株式会社 (28)
【出願人】(392023625)わらべや日洋株式会社 (4)
【出願人】(599122835)株式会社プロシスタス (4)
【Fターム(参考)】
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