説明

圧延方法

【課題】高次関数ロールを用いてクラウン制御能力の高い圧延を安定して行うに好適な手段を提供する。
【解決手段】ワークロールとこれに接触するバックアップロールとのすべり率と、ワークロールとこれに接触するバックアップロールとの間の線圧の1/2乗と、ミル中心からの距離の積をワークロールとバックアップロールとの接触域全幅にわたって積分した時の積分値が0となるように、ロールバレル外形を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板等の被圧延材を圧延する圧延方法に関し、特に、ロールバレル外形がS字形状に形成された上下一対のロールを互いに逆向きに該軸方向に移動させ、ロールギャップの修正を行いつつ前記被圧延材を圧延する圧延方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板等の被圧延材の熱間圧延や厚板圧延、あるいは冷間圧延においては、被圧延材の板クラウンや形状を制御する方法として、凸や凹形状のイニシャルクラウンをワークロールに付与する方法、ワークロールを水平面内で互いにクロスさせる方法、ロールベンディングによる方法、ワークロールをロール軸方向に上下で互いに逆向きに移動させる方法が採用されている。
【0003】
このうち、図1に示すように、ロールバレル外形3、4がS字形状に形成された上下一対のロール1、2を圧延スタンドに組み込んで、ロール1、2の軸芯5、6の軸方向に互いに逆向きに移動させる方法が特許文献1に開示されている。図中、符号Bはロールバレル長、Lは圧下スクリュウ間距離であり、1A、2Aは圧下スクリュウの左圧下位置を示し、1B、2Bは圧下スクリュウの右圧下位置を示している。このようなロールは、一般にCVCロールと称され、ロール1、2をそれぞれ軸方向逆向きに移動すると、図1中符号Aで示す被圧延材位置のロールギャップAの形状が変化する上下で互いに補完し合うイニシャルロールカーブを有する。この場合、CVCロールは被圧延材と接触するワークロールであるが、CVCロールは4段圧延機のバックアップロール、あるいは6段圧延機の中間ロールにも適用されている。
【0004】
形状制御能力が高いCVCロールのイニシャルロールカーブとして、特許文献2には2次以下の項を含む3次関数曲線が、特許文献3には4次式以下の項を含む5次関数曲線が示されている。このような高次奇関数のイニシャルロールカーブで形成されたワークローロールは、形状制御能力が高いことで知られており、シフト量δに対応して2次曲線等の偶関数で表される左右対称な凸型のイニシャルクラウンから凹形のイニシャルクラウンにまで変更可能である。また、CVCロールによる被圧延材位置のロールギャップAの修正は、ロールシフト機構を設けることにより比較的簡易な設備で行える。
【0005】
なお、[発明の概要]において、下記の特許文献4〜6、非特許文献1〜3を引用するので、ここに記載しておく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−091807号公報
【特許文献2】特公平05−071322号公報
【特許文献3】特公平07−102377号公報
【特許文献4】特公平05−071323号公報
【特許文献5】特開昭61−296904号公報
【特許文献6】特許第3053313号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】F.W.Carter, Proc. Roy. Soc. London, A112, 760 (1926) 151
【非特許文献2】J.Halling, Wear, 24 (1973) 127
【非特許文献3】日本鉄鋼協会、板圧延の理論と実際 (1984) 94
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このようにワークロールに軸心方向で径差分布があると、バックアップロールとの間に周速差分布が生じ、水平面内でワークロールが微小に回転するいわゆるスキューが発生しやすくなる。スキューが発生すると、ワークロールギャップが左右非対称となり、製品が幅方向に楔状となって板厚偏差が悪化するばかりか、圧延中に曲がりを発生して圧延が不安定となる問題があった。また、ワークロールの周速方向とバックアップロールとの周速方向とが一致しなくなるため、ロール軸心方向にスラスト力が発生し、ワークロールおよびバックアップロールの軸受や、ワークロールのシフト機構の寿命が短くなったり、場合によっては破損するなどの設備上の問題もあった。
【0009】
かかる問題は高次関数ロールと接触ロールの間に発生する接線力に対し、ロール中心まわりのモーメントが0となれば解決できる。
【0010】
高次関数のロールカーブを上下で点対称に配置する場合、高次関数中の1次項はロールギャップの分布には影響しないため、クラウンや形状制御には無関係に決定される。例えば特許文献4にはロールの径差が最小となるように決定する方法が、特許文献5にはイニシャルクラウンの点対称の原点を中心に、その左右において摩擦力が釣り合うように、ロール軸に平行な直線との間に形成される間隔の面積またはこれのロール外周全体でとらえた体積の絶対値を同等とする方法などが提案されているが、これらはいずれもロール中心まわりの接線力のモーメントを0とする思想のものではなかった。
【0011】
特許文献6には3次以上の多項式関数をプロフィルとするロールについて、ロール半径と、ロール中心からのロール軸心方向距離との積を、このロールに接触しているロールとの軸心方向接触領域全長に渡って積分した時の積分値が0となるようにプロフィルを決定する方法が提案されている。このロール形状は、高次関数ロール半径と接触ロールの間の圧延方向動摩擦力が高次関数ロール半径と高次関数ロールと接触ロールとの接触域における軸心方向平均半径の差に比例するとの考えを元にロール中心まわりのモーメント0とするべく導出されたものである。
【0012】
この方法は従来の技術と比較してスキューを低減する効果があったが、特にクラウン制御能力を増大する目的でロール径差を拡大した場合に過大なスラスト力が発生してワークロールの軸受が損傷したり、圧延が不安定となる現象が依然発生するという欠点があった。
【0013】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高次関数ロールを用いてクラウン制御能力の高い圧延を安定して行うに好適な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明者らはこの問題に対し弾性論を元に検討を加えた結果、ロール軸心方向にロール径偏差分布を有するロールの接触状態は微小すべり状態にあり、周速差に起因するトラクションを考慮することが不可欠であるという結論を得、本発明に至った。
【0015】
すなわち、本発明は、ロールバレル外形がS字形状であって、軸方向位置で上下で互いに補完し合う形状のイニシャルロールカーブで形成された上下一対のワークロールを4重式の圧延スタンドに組み込み、互いに逆向きに軸方向に移動させ、ロールギャップの修正を行いつつ被圧延材を圧延する圧延方法において、前記イニシャルロールカーブが3次以上の高次関数曲線であり、要求されるクラウン制御能力から前記高次関数曲線の2次以上の係数を定め、さらに、前記ワークロールとこれに接触するバックアップロールとのすべり率と、前記ワークロールとこれに接触するバックアップロールとの間の線圧の1/2乗と、ミル中心からの距離の積をワークロールとバックアップロールとの接触域全幅にわたって積分した時の積分値が0となるように、前記高次関数曲線の1次の係数を定めて、被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、高次関数ロールを用いてクラウン制御能力の高い圧延を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】CVCロールによるロールギャップ形状の修正作用を示す模式図であって、(a)はシフト量δ=0の場合、(b)はシフト量δ>0の場合である。
【図2】上ロールのワークロールとバックアップロールの接触状態を示す模式図であって、(a)は正面図、(b)はミル中心から軸心方向にx位置での断面図である。
【図3】イニシャルロールカーブを例示したグラフである。
【図4】ワークロールとバックアップロール間の線圧分布を例示したグラフである。
【図5】スキューモーメントを例示したグラフである。
【図6】スラスト力の実測値を例示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、ワークロールとバックアップロールとの接触は、ワークロール駆動の圧延機で、ロール軸心方向にロール径の偏差分布がない場合は単純なころがり摩擦状態と見なせるが、ロール軸方向にロール径差分布が存在する場合には、局所的に周速の違うロール同士が接触している状態にあるため、ころがり−すべり接触状態にあると仮定するのが妥当である。
【0019】
ここで、完全なすべり状態の場合、ロール間に発生する接線力はいわゆるクーロン摩擦則に従うため、単位長さあたりの接線力Fは線圧pおよび摩擦係数μから式1で表される。
【0020】
【数1】

【0021】
線圧pはロール間のばね定数をk、ロール間の軸心接近量をδとして
【0022】
【数2】

【0023】
ワークロールとバックアップロールのロール軸心が平行を保って接近するとすれば、軸心方向の無次元化座標x(−1≦x≦1)におけるワークロール半径r(x)、平均ワークロール半径rm、平均軸心接近量δmを用いて、
【0024】
【数3】

【0025】
したがって、
【0026】
【数4】

【0027】
この接線力によるロール中心まわりのモーメントMは、
【0028】
【数5】

【0029】
摩擦係数μとばね定数kが一定値であるとすれば、M=0を満足するロール外形はロール半径とロール中心からのロール軸心方向距離との積の積分値が0となる場合であって、これは従来技術の条件に他ならない。すなわち、従来技術の思想はロール間の接触状態がクーロン摩擦状態にあることを想定して導き出されたものと等価である。
【0030】
ところが、微小な周速差で接触しているころがり−すべり接触状態では、ロールの周速差をロールの弾性変形が吸収し、この弾性変形に基づく接線力、いわゆるトラクションが発生する。Carterによる理論(非特許文献1又は非特許文献2参照)によれば、半径rの2円筒間に接線力Fを与えた場合に発生する周速差率s(周速差/平均周速:すべり率、あるいはクリープ速度とも言われる)は式6で与えられる。
【0031】
【数6】

【0032】
これは鉄道の駆動車輪のような駆動トルクを受ける円筒に適用される理論で、半無限遠円筒を前提としたものであるが、この理論をロール軸心方向分布の各位置について適用できるものとして考える。図2に示すように高次関数のイニシャルロールクラウンよりなるワークロール1がδだけシフトした状態で、バックアップロール7と接触しているものとする。ミル中心よりロール軸心方向にxの位置における単位長さあたりのトラクションF(x)は、
【0033】
【数7】

【0034】
ここで、RD(x)は等価ロール半径で、ワークロールの半径rW(x)とバックアップロールの半径rB(x)を用いて式9で与えられる。
【0035】
【数8】

【0036】
弾性接触部の半幅a(x)はHertzによる半無限長円筒の解を用いて、
【0037】
【数9】

【0038】
ここで、νWおよびνBはワークロールおよびバックアップロールのポアソン比、EWおよびEBはワークロールおよびバックアップロールの縦弾性係数である。
【0039】
ロール胴長方向の圧力分布p(x)はロールカーブを構成する高次関数のうち、2次以上の分布から計算できる。すなわち、ワークロールとバックアップロールとが圧延荷重Pを受けて接触する場合には、ロール間の線圧分布が式12の荷重の釣り合い条件と式13のモーメントの釣り合い条件を満たすようにワークロールは剛体回転する。
【0040】
【数10】

【0041】
したがって、線圧分布p(x)を求める際には、ロールカーブの1次項は未知の状態でよいことになる。線圧分布の計算には、例えば分割モデル(例えば、非特許文献3参照)などの公知の技術が用いられるが、熱延ミルのように比較的ワークロール径が大きい場合には、高次関数カーブによる線圧分布のみを考慮してもよい。すなわち、
【0042】
【数11】

【0043】
として、式12および13の条件から平均ロール半径rWmおよび線圧分布の傾きcpを決定することで式14から線圧分布が求められる。ロール間のばね定数kはFopplによる無限長2円柱の軸心接近量についての解を用いて式16で求められる。
【0044】
【数12】

【0045】
この場合のロール半径rW、rBは代表値を用いても問題ない。また、接触半幅aには式10に示したように線圧p(x)自体が含まれるが、式16を計算する上では式15に示した平均線圧pmを用いても問題ない。
また、すべり率s(x)は、位置xにおけるワークロールおよびバックアップロールの周速をUW(x)およびUB(x)として、
【0046】
【数13】

【0047】
ワークロールおよびバックアップロールの角速度をωWおよびωBとすれば、
【0048】
【数14】

【0049】
今、簡単のためにバックアップロールの半径は一定値rBとし、ワークロールとバックアップロールの周速が等しくなる周速同期ワークロール半径をrWmとおくと、
【0050】
【数15】

【0051】
式18および式20を式17に代入すれば、下式を得る。
【0052】
【数16】

【0053】
ここで、周速同期ワークロール半径rWmはトラクションの総和がロール間の伝達力に一致する条件から定められる。すなわち、伝達トルクをTとすれば、
【0054】
【数17】

【0055】
であるので、一般的にワークロール駆動の場合にはT=0(厳密にはバックアップロールの転動トルク)の条件から周速同期ワークロール径rWmが定められる。なお、バックアップロール駆動の場合には、T=圧延トルクの条件となる。
【0056】
以上により、式8を用いて軸方向x位置でのトラクションを計算することができる。ミル中心まわりのトラクションによるモーメント、すなわちスキューモーメントは式23で計算される。
【0057】
【数18】

【0058】
M=0を満足するrW(x)が求めるロールカーブである。
【0059】
今、高次関数ワークロールのカーブΔrが式24のような3次関数である場合には、
【0060】
【数19】

【0061】
ワークロールをδだけシフトした場合のロールギャップgは、
【0062】
【数20】

【0063】
となり、クラウン・形状制御に影響するロール軸心方向のロールギャップの分布には2次および3次の係数が関係し、1次の係数C1はクラウン・形状制御能力と関係なく定めることができる。したがって、本発明においては2次および3次の係数は要求されるクラウン制御能力から定め、1次の係数をスキューモーメントが0となるように定めるのである。
【0064】
さて、本発明の本旨を明確化させるため、式8を吟味する。
【0065】
まず、等価ロール半径RD(x)はロール軸心方向で一定とおいても結果に及ぼす影響は少ない。すなわち、ワークロールおよびバックアップロールの代表半径をrWmおよびrBmとすれば、式9は、
【0066】
【数21】

【0067】
また、式8においてすべり率s(x)の2乗項を微小項として省略すれば、式26、式10より
【0068】
【数22】

【0069】
したがって、式23は、
【0070】
【数23】

【0071】
となる。すなわち、スキューモーメントが0となる条件は、高次関数からなるワークロールとこれに接触するバックアップロールとのすべり率と、前記ワークロールとこれに接触するバックアップロールとの間の線圧の1/2乗と、ミル中心からの距離の積をワークロールとバックアップロールとの接触域全幅に渡って積分した時の積分値が0となることから決定できるのである。
【0072】
以上のように、本発明においては高次関数からなるワークロールとバックアップロールとの線圧分布を考慮することにより、ころがり−すべり摩擦状態のトラクションによるモーメントを0とするロールカーブを決定することができ、従来のクーロン摩擦を仮定した場合よりもより厳密にスキューモーメントを0としうるロールカーブが提供できるのである。特にクラウン制御能力を大きくするためにロール径差を大きくした場合にはバックアップロールとの線圧分布も拡大するため、線圧分布の考慮は不可欠である。
【0073】
また、本発明には式28で表される簡易形の適用で十分な精度が得られるが、もちろん式8〜23のように厳密に求めても差し支えない。
【0074】
また、逆に、式21のすべり率や、式14の線圧分布の計算においてはバックアップロールが平坦であるとの仮定を置いたが、バックアップロールが平坦でない場合にはその考慮をすることが望ましい。
【実施例1】
【0075】
以降、実施例に沿って本発明による効果を説明する。
【0076】
適用する圧延機のロールは表1に示す寸法および物性値のものである。
【0077】
また、高次関数からなるワークロール形状は式24に示したような3次関数とし、ワークロールを±100mmシフトした時に、単純な凹凸イニシャルロールカーブ換算として、+1000μm/直径〜−600μm/直径を達成しうるように2次の係数C2と3次の係数C3を決定した。この結果を表2に示す。なお、これらの係数はロールカーブを表す軸心方向の座標xに±B/2で±1となる無次元化座標を用いた時の値である。
【0078】
まず、比較例として、式5で表されるモーメント=0を満足する1次の係数C1を求めた。その値を表2に合わせて示し、ロールカーブを図3に示す。なお、図中の軸心方向マイナス側の端部は過大なヘルツ圧を防止するために150mmの平坦部を設けてある。
【0079】
このロールカーブに対し、圧延荷重2000tfの条件の下にワークロールシフト量を±100mmの範囲で変更した時のワークロールとバックアップロール間の線圧分布を図4に示す。線圧分布は100〜1800kgf/mmという非常に大きい分布を呈する。このロールカーブに対し、式28によって計算されるスキューモーメントを図5に示す。約15〜24tf・mものスキューモーメントが発生することがわかる。
【0080】
次に、本発明例として、本発明によってスキューモーメントを0にするロールカーブを設定した。ただし、ワークロールシフトによる変動までを抑止することはできないため、ワークロールシフト量が±100mmの範囲内で極力スキューモーメントが最小となるように、ワークロールシフト量が−50mmにおいて式28によるモーメントが0となるように高次関数のうち1次の係数C1を決定した。また、線圧分布は1次の係数C1が変化しただけなので、図4に示したものと変化はない。この結果求められた1次の係数C1を表2に、ロールカーブを図3に、スキューモーメントを図5にそれぞれ併せて示す。
【0081】
この本発明例では、軸心方向マイナス座標側のロール半径を大径化することによってスキューモーメントの絶対値の最大値を従来(比較例)の約1/5に低減可能となる。
【0082】
本結果を実機の圧延機を用いて検証した。図3に示したそれぞれの形状のワークロールを7スタンドからなる熱間圧延仕上ミルの第3スタンドに組み込み、それぞれほぼ同じ厚・幅構成からなる約200コイルの圧延を行い、ワークロールシフト用の油圧シリンダの圧力からスラスト力を測定した。
【0083】
この結果を図6に示す。従来カーブ(比較例)では圧延荷重が大きくなるほどスラスト力が大きくなり、スキューが防止できていないことがわかる。これに対し、本発明例によれば圧延荷重によらずスラスト力はほぼ一定であり、本発明による効果は明瞭である。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【符号の説明】
【0086】
1、2 ロール(CVCロール)
3、4 ロールバレル外形
5、6 軸心
1A、2A 左圧下位置
1B、2B 右圧下位置
L 圧下スクリュウ間距離
CL ミル中心線
B ロールバレル長
A 被圧延材位置のロールギャップ
W 幅
δ シフト量
x ミル中心を原点とする軸心方向座標
、x ミル中心からの位置を表す軸心方向座標
、r 半径
ω、ω 角速度
p ロール間線圧
a 接触半幅
F トラクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールバレル外形がS字形状であって、軸方向位置で上下で互いに補完し合う形状のイニシャルロールカーブで形成された上下一対のワークロールを4重式の圧延スタンドに組み込み、互いに逆向きに軸方向に移動させ、ロールギャップの修正を行いつつ被圧延材を圧延する圧延方法において、前記イニシャルロールカーブが3次以上の高次関数曲線であり、要求されるクラウン制御能力から前記高次関数曲線の2次以上の係数を定め、さらに、前記ワークロールとこれに接触するバックアップロールとのすべり率と、前記ワークロールとこれに接触するバックアップロールとの間の線圧の1/2乗と、ミル中心からの距離の積をワークロールとバックアップロールとの接触域全幅にわたって積分した時の積分値が0となるように、前記高次関数曲線の1次の係数を定めて、被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−25319(P2011−25319A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250465(P2010−250465)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【分割の表示】特願2005−48478(P2005−48478)の分割
【原出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】