説明

圧縮された冷凍麺塊、及びその製造方法

【課題】コンパクトな、しかも解凍調理後の食感にも優れた冷凍麺塊及びその製造方法を提供する。また、より効率的でロスの少ない、包装された冷凍食品の製造方法を提供する。
【解決手段】加熱調理済みの麺塊を圧縮冷凍した麺塊であって:重量が、100g〜300gであり;圧縮が、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされ;容積圧縮率が35%以下であり、かつ重量当たりの麺塊表面積が1.85cm2/g以上である麺塊、及びボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材と、トップフィルムからなるトップ材とを、熱接着した包装体により包装された食品の製造方法であって:
ボトム材収納部に食品を充填し;充填された食品を冷凍し;そして ボトム材周縁部とトップ材とを熱接着して、包装された冷凍食品とする工程を含む、製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮された冷凍麺塊、及びその製造方法に関する。本発明はまた、冷凍食品の深絞り包装(ブリスター包装)にも関する。本発明は、冷凍食品に関連した分野で有用である。
【従来技術】
【0002】
食品の冷凍は、鮮度やおいしさを保ち、また腐敗防いで長期間保存可能とすることを目的に行われる。うどんなどの麺帯からなる食品は、冷凍する際の形状を目的に合わせて設計することもできる。
【0003】
例えば、特許文献1には、短い凍結時間で生産でき、しかも解凍復元を自然解凍で行うのに適した形に整形された冷凍茹麺塊として、上面および/または下面に溝を有する整形体であることを特徴とする冷凍茹麺塊が提案されている。また、特許文献2には、効率よく冷凍でき、また「てぼ」と呼ばれる業務用のすくいざるにそのまま納まるよう、一束の麺ごとに、概形が略円筒形状であって、中心軸線に沿って略円筒形状の穴が空けられた形状であることを特徴とする冷凍麺が提案されている。さらに特許文献3には、麺塊凍結時に凍結所要時間が短縮され、かつ調理時に調理ムラがなくて均一に調理でき、さらに麺塊の体積が嵩張らず、麺折れ等による商品価値の低下を起こしにくく、さらには調理復元性が改善された冷凍麺塊として、水分が25〜25%のα化処理を施した麺線からなる麺塊を圧縮成型して凍結する工程を有する冷凍麺類の製造方法が提案されている。
【0004】
一方、包装された冷凍麺類を製造する場合、典型的には、茹で上げた麺類を一定量に分割後、トレー等に充填して冷凍し、冷凍後にトレーから食品を離脱させ(脱パン)、冷凍食品は改めて包装材料に封入され、一方脱パン後のトレーはラインに返送され、再使用される。このような製造方法に関しては、様々な方法が提案されてきた。
【0005】
例えば、特許文献4は、「空気冷却器(11)と送風機(12)とからなる冷気供給装置(10)の複数基を備えた冷凍処理部(5)内の長手方向にトレー(6)を装備させたエンドレスの水平搬送体(1)を貫通させ、計量分別された麺類を水平搬送体(1)の始端部においてトレー(6)に供給し、前記冷凍処理部(5)を通過する移送往路で、冷気供給装置(10)からの冷気を多数の噴射口(15)からトレー(6) 内の麺類に噴射して麺類を冷凍処理し、水平搬送体(1)の後端部においてターンさせるとともに、トレー(6) から冷凍麺類を離脱させて冷凍麺受け取り搬送部の始端部上へ移送し、コンベア(3) の麺類供給側始端部の下部の移動復路でトレー(6) を洗浄装置(24)により洗浄するようにした一連の冷凍麺類用フリーザーにおいて、前記エンドレスの水平搬送体(1) が、冷風通過を許容するベルト又はネット等からなるコンベア(3) に、ステンレス線材又は合成樹脂からなるネットで形成又は多数の通気孔(17)を穿設したトレー(6) を、往路において麺類の供給される口を上面として開口状態に維持するように、且つ進行方向に沿って複数列に結合支持した構成とするとともに、水平搬送体(1) の後端部でターンしたトレー(6) を冷凍処理部(5) 内を通して始端部へ戻すようにしたことを特徴とする冷凍麺類専用フリーザー」を提案する。ここでは、容器をフリーザーのベルト部分と一体化し、容器返送工程をなくすことが考案されている。
【0006】
また、特許文献5は「多数の金属製容器を備えたコンベアが冷凍装置からその外側に延び、このコンベアの走行路と中に冷凍麺類の入った前記容器を反転させてその開口面を下方に向ける容器反転手段を備え、前記コンベアの走行路における容器反転手段の後段に、走行する前記容器の開口に対抗して移動する麺類受けが設けられ、且つこの麺類受けが容器の開口と対抗している前記走行路中に、反転した前記容器の上方からこの容器と冷凍麺類とを付着させている氷層を解凍するための水を浴びせるシャワー装置が装備されていることを特徴とする冷凍麺類の連続排出装置」を、特許文献6は「冷凍装置から外側に延びるコンベアの走行路を有し、そのコンベアに多数備えられた冷凍麺類入りの容器が、コンベアの走行路の途中に設けられた転向部分によって反転されて、容器内の冷凍麺類が連続的に排出される冷凍麺類の連続排出装置において、上記走行路の転向部分と上記冷凍装置から出た部分との間の領域に、上記冷凍麺類の入った容器と冷凍麺類とを付着させている氷層を解かす加熱手段を設け、かつ、この加熱手段と上記走行路の転向部分との間に、冷凍麺類の入った容器に繰り返し衝撃を与える衝撃力付与手段を設けたことを特徴とする冷凍麺類の連続排出装置」を提案する。これらにおいては、脱パン工程を容易にするための工程が付け加えられている。
【0007】
さらに特許文献7は、「下面に底口部を開口した内トレーの外側に、外トレーを重ねてなる2重トレーと、前記2重トレーと共に該2重トレー内に入れられた塊状の冷凍食品を搬送する搬送手段と、前記内トレーから前記外トレーを離反させる第1の離反手段と、前記内トレー内の前記冷凍食品を前記底口部の下方から突き上げることにより、前記冷凍食品を前記内トレーから離反させる第2の離反手段とを含み、前記搬送手段が、前記冷凍食品を水平方向に搬送させる手段であり、前記第1の離反手段が、前記内トレーの側部から突出したフランジと前記外トレーの側部から突出したフランジとの間の高さ位置に、前記搬送方向へ下面が下降傾斜したガイド片を配置し、このガイド片で前記内トレーのフランジを支持すると共に、前記ガイド片の下面に沿って前記外トレーのフランジを摺接させることで、前記内トレーを保持しつつ前記外トレーを下方へ案内することによって前記内トレーと前記外トレーを離反させる離反手段であり、前記第2の離反手段が、前記内トレーを保持しつつ前記内トレー内の前記冷凍食品を前記底口部の下方から突き上げることにより、前記冷凍食品を前記内トレーから離反させる離反手段である冷凍食品の脱パン装置」を提案する。ここでは、容器を反転することなく脱パンする手段が考案されている。
【0008】
さらに、特許文献8においては、「麺分塊を収容して搬送するトレー列の走行路を形成する往路と復路とよりなる往復循環路を冷凍室内に貫通させるとともにその両端側を冷凍室より外方に延在させ、冷凍室外に延在させた往路終端側で第1の反転路により反転させて復路を冷凍室内に再導入し、該冷凍室より導出させた復路終端側を第2の反転路を介して往路始端側に戻してなる往復循環搬送路を形成し、冷凍室に導入前の搬送路の往路始端上に前記トレー上に計量分別した麺分塊を供給する麺供給部を、一方前記冷凍室に再導入前の搬送路の復路始端側に前記冷凍室内で凍結された冷凍麺をトレーより分離排出する冷凍麺排出部を備えてなる冷凍麺用フリーザ装置において、前記搬送路は、エンドレス搬送チェーンに一定ピッチで設けたゴンドラと該ゴンドラに着脱可能に配設した搬送トレー列を具えるとともに、前記冷凍室より第1の反転路に導かれる冷凍室より導出された往路終端側に、トレーにひねりを与えて麺のトレーよりの剥離を促すひねり剥離部を、該ひねり剥離部と前記搬送路の復路始端側に設けた冷凍麺排出部との間の第1の反転路上に、ひねり剥離部で剥離した麺類のトレー反転中におきる外部脱落を防止するリターンガイドを設けるとともに、冷凍麺排出部と冷凍室の間の復路始端側に、前記トレーより脱麺ミスしたトレー処理装置を設け、脱麺ミスを検知する脱麺ミストレー検出センサに基づき、脱麺ミストレーをゴンドラより離脱可能に構成したことを特徴とする冷凍麺用フリーザ装置」が提案されている。これにより、冷凍麺製造システムとしてトラブルなく高効率で安定運転を可能であることが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-203887公報(特許第3030761号)
【特許文献2】特開平11-56279公報(特公平4-79627公報)
【特許文献3】特開2001-211845公報(特許第3891751)
【特許文献4】特開平9-121827公報(特許第3030761号)
【特許文献5】特開平3-272659公報(特公平4-79627公報)
【特許文献6】特開平3-232469公報(特公平8-22217公報)
【特許文献7】特開2003-259849公報(特許第4092424号)
【特許文献8】特開2000-166495公報(特許第3913914号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
冷凍麺塊において、特許文献1及び2のように、解凍調理に適することを主眼に形状を設計すると、麺塊の体積は増加し、冷凍保管スペースを要することとなる。この点、特許文献3の方法は、圧縮することとして嵩張らないようにしているが、ここでの麺線は、水分値が25%〜45%であり、通常の加熱調理された麺線とは異なる。通常の方法で製造された水分値の高い麺線は、柔らかく、また表面はでん粉質が溶けだした状態となっているために粘着性があり、圧縮時に麺線が相互に密着する。これを避けるために、水分値が低く抑えられているが、そのために麺の食感が通常とは異なるものとなっている。一方、讃岐うどんのような食感が特に重視される麺類食品について、優れた技術により食感を保持しつつ冷凍されたものが市販されているが、圧縮はされていない。輸送・保管の観点からは、よりコンパクトな形状であることが望ましいが、圧縮されており、しかも解凍調理後の食感にも優れた冷凍麺塊は未だ実現していない。
【0011】
冷凍麺塊の製造方法に関しては、特許文献4においては、脱パン工程が重力に依存しているため、脱パンが確実ではなく、また特許文献4〜7の方法に共通して、脱パンに際しては、トレーが反転して冷凍された食品が落下するため、衝撃で食品の一部が破損してしまう可能性がある。特許文献7の方法は、トレーを反転せずに物理的に突き上げることで脱パンを図るが、そのために二重のトレーが必要となり、トレーの返送ラインが複雑化する。
【0012】
他方、単にトレーに充填され、冷却硬化した食品の表面は、通常、平らでなく、突出部分があり、そのような部分が包装材料を傷つけたり、包装ライン内で引っかかったりし、またそのような部分をカバーするために、余分な包装材料を要していた。このような問題点は、上述の先行技術文献のいずれにおいても着目すらされていなかった。突出部分による包装材料への損傷等を避けるためには、冷凍前の柔らかい状態で密封包装する方法も選択可能であるが、このような方法によると、密封包装しない場合の1.5〜3倍の冷凍時間が必要になってしまう。
【0013】
本発明者らの検討によると、従来の脱パン工程を含む包装された冷凍麺塊の製造方法には、下記のような課題があった。
1)冷凍後に容器から脱パンする際に、物理的な衝撃により冷凍食品の一部が破損し、製品形状が損なわれたり、製品重量が不足したりする。飛散した食品が、製造ラインにおいて、衛生上のリスク源となる。
2)トレーは、脱パン後、洗浄工程を経て、再利用されるが、繰り返し使用により、トレーが破損し、製品へ異物として混入するリスクが増す。またトレーは洗浄を充分にして衛生性を担保しなければならない。また、トレーを再利用するためのラインの設置は、製造工程を複雑にし、大きなスペースを要し、またトレーの詰まりや落下等のトラブル発生の機会を増す。
3)脱パン後の冷凍食品は、次の包装工程へ搬送されるが、コンベアの乗り継ぎ部で、冷凍食品が破損し、製品形状が損なわれたり、製品重量が不足したりする。飛散した食品が、製造ラインにおいて、衛生上のリスク源となる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、最近の冷凍技術により解凍後の食感が充分に実現される冷凍麺塊を起点とし、冷凍時に圧縮することを試みた。そして、特定の圧縮率や形状に圧縮することにより、また圧縮手段や包装形態を特殊なものとすることにより、種々の解決ができることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明は、以下を提供する:
[1] 加熱調理済みの麺で構成される麺塊を圧縮冷凍した麺塊であって:
圧縮が、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされ;
容積圧縮率が35%以下であり(好ましくは容積圧縮率が32%以下であり、より好ましくは容積圧縮率が28%以下である)、かつ重量当たりの麺塊表面積が1.85cm2/g以上である、麺塊。
[2] 加熱調理済みの麺で構成される麺塊を圧縮冷凍した麺塊であって:
圧縮が、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされ;
麺塊密度が、0.65g/ cm3以下(好ましくは0.63g/ cm3以下)である、麺塊。
[3] 麺塊が、うどん、そば、ラーメン及びパスタからなる群より選択される一の麺で構成され;麺塊密度が、
うどんの場合、0.53 〜0.65g/ cm3、好ましくは0.55g/cm3〜0.63g/ cm3であり
そばの場合、0.50 〜0.66g/ cm3、好ましくは0.51 〜0.58g/ cm3であり、
ラーメンの場合、0.50 〜0.63g/ cm3、好ましくは0.55〜0.59g/ cm3であり、
パスタの場合、0.46 〜0.66g/ cm3、好ましくは0.50 〜0.63g/ cm3である、[2]に記載の麺塊。
[4] 容器圧縮率が、5%以上である、[1]〜[3]のいずれか一に記載の麺塊。
[5] 麺塊が、うどんで構成される、[1]〜[4]のいずれか一に記載の麺塊。
[6] [1]から[5]のいずれか一に記載の麺塊を、ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材とトップ材とを熱接着した包装体により包装した、包装圧縮冷凍麺塊。
[7] [1]〜[5]のいずれか一に記載の圧縮冷凍麺塊、又は請求項6に記載の包装圧縮冷凍麺塊の、製造方法であって:
板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることにより、麺塊を圧縮し;
板状体で圧縮したまま冷却硬化させ、圧縮形状を安定させ;
圧縮形状安定後に、麺塊から板状体を除き;そして
圧縮形状の麺塊を、冷凍する、
工程を含む、製造方法。
【0016】
[8] ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材と、トップフィルムからなるトップ材とを、熱接着した包装体により包装された食品の製造方法であって:
ボトム材収納部に食品を充填し;
充填された食品を冷凍し;そして
ボトム材周縁部とトップ材とを熱接着して、包装された冷凍食品とする
工程を含む、製造方法。
【0017】
[9] [8]に記載された製造方法であって:
食品が圧縮可能なものであり;
ボトム材収納部に充填された食品を冷凍する際、食品が圧縮されている、製造方法。
【0018】
[10] [9]に記載された製造方法であって:
食品の圧縮が、板状体を用いて行われ;
板状体で、ボトム材収納部に充填された食品の開口部面を均しつつボトム材開口部以内に抑えることにより圧縮する、製造方法。
【0019】
[11] [10]に記載の製造方法であって:
食品をボトム材収納部に充填する際に、開口部に設置した充填ガイドを用い;
充填ガイドの内寸が、開口部の内寸以下であり;
板状体が、充填ガイド内を通過可能な大きさであり;
食品の圧縮が、充填ガイドを設置したまま、充填ガイド内を通過した板状体により行われる、製造方法。
【0020】
[12] 食品を、板状体で圧縮したまま冷却硬化させ、圧縮形状を安定させ;
圧縮形状安定後に、食品開口部面から板状体及び充填ガイド(もしあれば)を除き;そして
圧縮形状の食品を、冷凍する、
工程をさらに含む、[9]〜[11]のいずれか一に記載の製造方法。
【0021】
[13] 食品が、加熱調理済み麺で構成される麺塊である、[8]〜[12]のいずれか一に記載の製造方法
[14] 麺塊が、うどんで構成される、[8]〜[13]のいずれか一に記載の製造方法。
【0022】
[15] ボトム材支持部;
食品をボトム材に充填する、食品充填部;
ボトム材に充填された食品を圧縮する手段を有する、圧縮部;
ボトム材に充填され、圧縮された食品を冷凍する、冷凍部;
トップフィルム材を、圧縮冷凍された食品をボトム材に熱接着する、接着部;及び
を備える、冷凍食品の包装システム。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】板状体の一例を示した図である。灰色部分が板状体である。
【図2】充填ガイドの一例を示した図である。灰色部分が充填ガイドである。
【図3】本発明のシステムの構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための態様】
【0024】
[圧縮冷凍麺塊]
本発明は、加熱調理済みの麺で構成される麺塊を圧縮冷凍した麺塊を提供する。
本発明で「麺で構成される麺塊」というときは、特に記載した場合を除き、麺(麺線ということもある。)の塊をいう。麺塊は、通常、麺と麺との間に、ある程度の空隙を有し、そのため、ある程度の圧縮が可能である。本発明で「圧縮」というときは、特に記載した場合を除き、麺間の空隙を少なくするように麺塊の容積を減じることをいう。なお、本発明に関連した麺塊についての説明は、特に記載した場合を除き、麺塊以外の圧縮可能な食品にも当てはまる。圧縮可能な食品については、後述する。
【0025】
本発明において麺塊を構成する麺の種類に特に制限はないが、うどん(例えば、讃岐うどん、稲庭うどん)、そば(例えば、十割蕎麦、二八蕎麦)、中華麺(例えば、ラーメン)及びパスタ(例えば、スパゲッティ、スパゲッティーニ、タリアテッレ、リングイネ等のロングパスタ;マカロニ等のショートパスタ;ラザニア、ニョッキ)からなるものとすることができる。麺の太さについても、麺食品として通常の許容される太さであれば、特に制限はなく、例えば、厚みが3.5mm以下であれば、種々の麺幅のものについて本発明を適用できる。好適に適用できることが確認されている麺の例は、幅3.3mm×厚み2.8のうどん、幅1.5mm×厚み1.5のそば、幅1.5mm×厚み1.5のラーメン、幅2.1mm×厚み2.0のパスタである。
【0026】
うどんとは、一般に、小麦粉に食塩水を加えて混捏し、平板上に延ばしてから細長く切断するか、細長く引き伸ばして麺線としたものをいい、通常、茹で調理後に、つけ汁にひたすか、汁とともに似て喫食するものである。本発明において「うどん」は通常の意味で用いている。冷凍うどんとしては、200g〜250gの麺塊を冷凍したものが流通している。従来の冷凍うどん塊の大きさは、鍋に投入しやすいように、典型的には、縦130〜140mm、横90〜100mm、高さ25〜32mmであり、麺塊密度は0.55〜0.60(g/cm3)、重量あたりの麺塊表面積は1.8〜2.0(cm2/g)である。
【0027】
そばは、原料粉にそば粉を多く含む麺をいう。そばは、一般には、そば切りとも呼ばれる。本発明において「そば」は通常の意味で用いている。冷凍そばとしては、160g〜200gのものが流通している。従来の冷凍そば塊の大きさは、典型的には、縦130〜140mm、横90〜100mm、高さ25〜32mmである。
【0028】
「ラーメン」は、中華麺の一種であり、中華麺は、一般には、中華そばと称されることもある。中華麺は、タンパク質含量の高い強力粉や準強力粉を用い、かんすいを添加する点に特徴がある。本発明において「ラーメン」「中華麺」は通常の意味で用いている。本明細書の実施例においては、ゆで調理されるラーメンについて検討しているが、焼きそばや湯揚調理に用いられる蒸し用の中華麺においても同様に本発明を適用することができると考えられる。冷凍ラーメンとしては、160g〜200gのものが流通している。従来の冷凍ラーメン塊の大きさは、典型的には、縦130〜140mm、横90〜100mm、高さ25〜32mmである。
【0029】
そば及びラーメンのような比較的細い麺は、太麺のうどんの場合と比較して、冷凍麺塊に高さ(厚み)が出やすい。そのため、従来品においては、一般に、製品重量を少なくすることにより製品嵩が抑えられている。
【0030】
パスタは、一般に、デュラム小麦のセモリナ粉に、水を加えて混捏した生地を押し出し成形したものをいい、それを乾燥した物(乾麺)も多く流通している。本発明において「パスタ」は通常の意味で用いている。冷凍パスタの従来品は、家庭用には、具材の入った電子レンジ調理用のものが主流である。業務用においては、茹で調理対応の冷凍麺が流通している。
【0031】
本発明に用いる麺塊を構成する麺は、特に好ましい態様においては、うどん、特に讃岐うどん、稲庭うどんなどからなるものである。
なお、本明細書の実施例では、調製した生麺から圧縮冷凍麺塊を調製しているが、本発明に用いられる原料麺は、性状(生麺であるか、乾麺であるか等)、製法(機械延であるか、押出成形であるか、手延であるか、等)に特に制限はない。特に、生麺のみならず、乾麺からも同様に調製することができる。
【0032】
本発明で「加熱調理済み」というときは、特に記載した場合を除き、原料麺に、喫食可能なまでに加熱調理が施されていることをいう。加熱調理の例としては、茹でる、蒸す、焼く、揚げる、を掲げることができる。加熱調理の条件は、当業者であれば、麺の種類に応じ、通常の調理条件を参考に、適宜決定できる。加熱調理の後、必要に応じ、湯切り、水洗、冷却等を行うことができる。
【0033】
本発明の冷凍麺塊は、圧縮されている。圧縮の程度は、容積圧縮率で、35%以下、好ましくは32%以下であり、より好ましくは28%以下である。本発明で麺塊に関し、圧縮率をいうときは、特に記載した場合を除き、麺塊としての容積に基づいた圧縮率をいう。圧縮しない場合の麺塊容積を100として、圧縮により減じた容積の割合(%)をいう。麺塊容積は、麺塊としての容積をいい、麺及び麺間の空隙を含む容積であり、麺そのものの容積とは異なる。麺塊容積は、具体的には、麺塊全体を包含する最小の立体(例えば、直方体、円柱)を想定し、その立体の容積として定義される。例えば、麺塊が100 mm×100mm×20mmにちょうど包含される麺塊の麺塊容積は、200cm3と計算される。そして、底面積100cm2、高さ20mmの麺塊を、底面積はそのままで高さを15mmとなるまで圧縮した場合、圧縮率は25%と計算される。
【0034】
本発明においては、圧縮の程度を、圧縮率に代えて、麺塊密度で表すこともできる。本発明の圧縮冷凍麺塊の麺塊密度は、0.65g/ cm3以下であり、好ましくは0.63g/ cm3以下である。本発明で「麺塊密度」というときは、特に記載した場合を除き、麺塊の重量を麺塊容積で割ることにより求められる麺塊容積あたりの重量をいう。麺塊容積は、上で説明したとおりである。麺塊密度は、通常、麺そのものの密度より小さい値となる。
【0035】
本発明においては、圧縮の上限(圧縮率の上限、麺塊密度の上限)は、解凍時の麺塊のほぐれ性、及び/又は食感により、決定することができる。圧縮しすぎると、解凍時のほぐれが悪くなり、解凍に時間を要することとなる。その結果、麺が茹で延びし、柔らかくなって食感を損なう。なお、ほぐれ性を無視した場合、圧縮は、理論的には、麺の間にまったく空隙が無くなった状態まで行うことができ、圧縮率は麺そのものの容積に基づいた値になる。またそのような場合の麺塊密度は、麺密度そのものであり、実施例で用いたゆでうどんの場合は、約0.80 g/cm3である。
【0036】
また、本発明者らの検討によると、解凍時のほぐれのよさは、麺の種類によって異なることがある。概して、パスタは高い圧縮率でも、解凍時ほぐれのよさを保持しており、うどんでは高い圧縮によりほぐれが悪くなる傾向がある。これは、麺の種類によりでん粉とそれを支持するタンパク質の状態が異なることに起因すると考えられる。うどんにおいては表面へのでん粉の溶出量が比較的多く、そのため麺の粘着性が高いためにほぐれが悪くなるに対し、表面へのでん粉の溶出が起こりにくいパスタは、麺の粘着力が多く、より圧縮してもほぐれがよいと考えられる。
【0037】
好ましい麺塊密度を、麺の種類に応じて規定すると、うどんの場合、0.53 〜0.65g/cm3、好ましくは0.55g/cm3〜0.63g/cm3であり、そばの場合、0.50 〜0.66g/cm3、好ましくは0.51 〜0.58g/cm3であり、ラーメンの場合、0.50 〜0.63g/cm3、好ましくは0.55〜0.59g/cm3であり、パスタ(好ましくはスパゲッティ)の場合、0.46 〜0.66g/cm3、好ましくは0.50 〜0.63g/cm3である。
【0038】
その一方で、本発明者らの検討によると、重量あたりの麺塊表面積を1.85cm2/g以上、好ましくは1.9cm2/g以上とすれば、麺の種類に関わらず、ほぐれのよさを維持でき、食感も損なわれにくいことが見出されている。本発明で「麺塊表面積」というときは、特に記載した場合を除き、麺塊としての表面積をいい、麺そのものの表面積とは異なる。麺塊表面積は、より具体的には、麺塊全体を包含する最小の立体(例えば、直方体、円柱)を想定し、その立体の表面積として定義される。例えば、麺塊が100mm×100mm×10mmにちょうど包含される麺塊の麺塊表面積は、240cm2と計算される。
【0039】
本発明においては、麺塊の圧縮は、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされる。これにより、麺立ち(一部の麺が、周囲に比較して、5mm以上突出すること。)の発生が防止される。突出した麺は、冷凍固化すると、包装材料を損傷することがあり、また破損しやすいために端材(麺の破片)を生じさせることがあり、製造上好ましくない。麺塊の圧縮は、麺立ちを抑えるために、有効であり、また特に、特定の手段による麺塊の圧縮は、この目的のためにより有効である。本発明に用いることのできる圧縮板については、後述する。「枠内又は開口部を有する容器内」というときの「容器」には、後述する深絞り包装におけるボトム材が含まれる。枠又は容器の内寸は、当業者であれば、得ようとする圧縮麺塊の底面の形状・大きさに基づき、適宜設計できる。枠又は開口部を有する容器の素材も、当業者であれば、麺が付着しにくいこと等の必要な性質を適宜考慮し、選択できる。
【0040】
本発明における圧縮は、少なくとも麺立ち抑制上有効な程度まで、行われる。圧縮の下限はこのような観点から決定することができる。本発明者らの検討によると、容積圧縮率を5%以上とすると、麺立ちが顕著に防止できた(実施例2参照)。同様の効果は、容積圧縮率4%であっても達成可能であろう。したがって本発明の特に好ましい態様において、容積圧縮率は4%以上であり、好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは6%以上である。
【0041】
本発明においては、麺塊を構成する加熱調理済み麺の量は、適宜設定することができる。麺量の下限は、特に制限はないが、例えば30g、50g、80gとすることができる。上限も様々とすることができるが、例えば1000g、500g、300gとすることができる。麺量範囲の例は、一〜三人前程度の量、重量としては100g〜300gである。圧縮するので、麺塊あたりの重量を従来の冷凍麺塊より増すことができる。
【0042】
麺量が多い場合、麺塊に高さ(厚み)を持たせず、板状にすることが好ましい場合がある。すなわち、加熱調理済み麺塊を、既に説明したとおりの圧縮率又は密度にまで圧縮するが、圧縮後の高さ(厚み)が、例えば35mm以下、好ましくは33mm以下、より好ましくは31mm以下とするとよい。
【0043】
本発明の冷凍麺塊は、種々の形状でありうる。冷凍麺塊の解凍は沸騰水で茹でることによる場合が多く、その際の用具として、家庭では鍋を、外食産業の調理施設においては業務用の「てぼ」と呼ばれるすくいざるを用いることが多い。従って、冷凍麺塊は、これらのものの中へそのまま入れることができる大きさであることが好ましい。
【0044】
圧縮された冷凍麺塊の評価は、麺立ちの有無や程度、製造工程における端材発生の有無や程度、包装材料の破損によるロスの有無や程度、解凍時のほぐれのよさ、解凍したものの食感等の観点から行うことができる。それぞれの評価の手法及び基準は、本明細書の実施例の記載を参照することができるが、食感に関しては、解凍してほぐれた状態の麺について、圧縮しない冷凍麺塊を基準に、それと同じかどうかで判断することができる。
【0045】
本発明はまた、圧縮された冷凍麺塊の製造方法も提供する。本発明の製造方法は、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑える工程を含み、特に好ましい態様においては、板状体で圧縮したまま冷却硬化させ、圧縮形状を安定させる工程、及び圧縮形状安定後に、麺塊から板状体を除く工程、及び圧縮形状の麺塊を冷凍する工程を含む。これらの各工程の詳細は、次の項[包装された冷凍食品の製造方法]の説明がそのまま当てはまる。
【0046】
本発明の製造方法には、さらに圧縮冷凍麺塊、一又は複数個ずつ包装する工程を組み込んでもよい。包装は、麺塊の包装形態としては、冷凍食品の製造のための種々の手段を適用することができるが、好適な例の一つは、ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材と、トップフィルムからなるトップ材とを、熱接着した包装体による包装、すなわち深絞り包装(ブリスター包装ということもある。)である。深絞り包装の場合は、後述するように、麺塊の圧縮をボトム材の中で行うことができる。このような製造方法は、圧縮された冷凍麺塊の製造のために特に適するが、それ以外の冷凍食品の製造のためにも利用することがで。きる
[包装された冷凍食品の製造方法]
本発明は、包装された冷凍食品の製造方法を提供する。ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材と、トップフィルムからなるトップ材とを、熱接着した包装体により包装された食品の製造方法であって:
1)ボトム材収納部に食品を充填し;
2)充填された食品を冷凍し;そして
3)ボトム材周縁部とトップ材とを熱接着して、包装された冷凍食品とする工程を含む、製造方法を提供する。
【0047】
本発明は、種々の食品に適用することができるが、特に、圧縮可能な食品に適する。圧縮可能な食品は、典型的には、固形物の集合からなる常温において不定形な塊状の食品(集塊食品)であり、固形物間に空隙を有するために、ある程度の圧縮が可能なものである。本発明に適する食品の典型的な例は、麺類、穀飯類(例えば、米飯類、麦飯類)である。また、現在の個別急速凍結(Individual Quick Frozen、IQF)の対象となっている種々の食品、例えば、きんぴらごぼう、カットゆで野菜、魚介類、肉類を本発明において「圧縮可能な食品」として適用することができる。
【0048】
本発明で「食品」というときは、特に示した場合を除き、ヒト又は動物が、日常、経口的に摂取するためのものをいう。食品は、喫食可能な調理済みの食品のほか、食品素材も含む。本発明で、「冷凍(された)食品」というときは、特に記載した場合を除き、冷凍食品として通常許容される程度に凍結された食品を指す。
【0049】
充填:
本発明においては、ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材に、食品が充填される。充填に際しては、板状体及び/又は充填ガイドを用いてもよい。
【0050】
板状体は、ボトム材収納部に充填された食品の開口部面を均しつつボトム材開口部以内に抑えることにより、食品を圧縮するために用いる。板状体の模式図を、図2に示す。
板状体は、従来の冷凍麺塊の製造に際しては用いられておらず、本発明に特有なものである。
【0051】
板状体の材質は、冷凍雰囲気下でも食品が表面に付着しにくいものがよい。樹脂製(例えば、ポリプロピレン)でも、金属製(例えば、ステンレス)でもよく、また表面加工(例えば、エンボス加工)又は表面処理(例えば、コーティング)されていてもよい。
【0052】
板状体の大きさは、食品が充填されている枠、容器開口部又はボトム材開口部を通過可能であるとよい。また、板状体は、後述する充填ガイド内を通過させて使用することもできるように、充填ガイドを通過可能な大きさとすることもできる。
【0053】
板状体の形状は、食品の表面を均しつつ、必要に応じ圧縮することができるのであれば、特に制限はないが、略板状の部分を有し、着脱が容易なように柄を設けてもよい。板状体を取り除く際の食品の付着を防止するために、食品との接着面積が少なくなるような形状としてもよい。このためには、例えば、波板状としたり、板状の部分にスリットを設けたりすることができる。
【0054】
充填ガイドは、食品をボトム材収納部に充填する際に用いるものであり、食品がボトム材周辺部にはみ出さないようにするために用いる。充填ガイドはボトム材中に食品を確実に充填するために用いることができる。充填ガイドは、ボトム材開口部上に、又は収納部内に設置して用いることができる。充填ガイドの模式図を図2に示す。
【0055】
充填ガイドの材質は、冷凍雰囲気下でも食品が表面に付着しにくいものがよい。樹脂製(例えば、ポリプロピレン)でも、金属製(例えば、ステンレス)でもよく、また表面加工(例えば、エンボス加工)又は表面処理(例えば、コーティング)されていてもよい。
【0056】
充填ガイドの大きさは、内寸が開口部の内寸以下であることが好ましく、収納部内に設置することができるとの観点からは、外寸が開口部の内寸以下であることが好ましい。
本発明の好ましい態様においては、食品は、ボトム材に充填ガイドを用いて充填され、次いで充填ガイドを設置したまま、充填ガイド内を通過した板状体により圧縮される。
【0057】
冷凍:
本発明の好ましい態様においては、食品を、板状体により圧縮したまま、圧縮形状が安定するまで冷却硬化し、食品開口部面から板状体及び充填ガイド(もしあれば)を除き、そして圧縮形状の食品を、冷凍する。
【0058】
「圧縮形状が安定するまで冷却硬化(する)」とは、食品全体が完全に冷凍されることまでは要さず、圧縮された食品の開口部に向いた面を含む一部が冷凍し、板状体を取り除いても、圧縮前の形状には戻ることなく、圧縮した形状がそのまま保たれるような状態になるまで固化することを意味する。
【0059】
圧縮形状が安定するまで冷却硬化した後に、板状体及び充填ガイドを除くことにより、より効率的に食品全体を冷凍することができる。
熱接着:
本発明の好ましい態様においては、食品を冷凍した後に、ボトム材とトップ材とをヒートシールする。
【0060】
[冷凍食品包装システム]
図3に本発明の本発明の包装システムの一例の概略図を示した。本発明を概略図に基づいて説明する。
A.ボトムフィルム供給部:任意の厚みの樹脂性ロールフィルムをセットし、フィルム両端をチェーン等でグリップしながらフィルム成型部に送り込む工程。
B.フィルム成型部:任意のサイズのボトム材にフィルムを成型する工程。供給されたフィルムが成型金型内部で加熱され、圧縮空気や真空によって、連続的に下部金型で成型される。
C.充填ガイド装着部:充填時に集塊食品が容器からこぼれない様にするため、ボトム材開口部の内寸に合わせて、上下面が開放された四角筒状型(充填ガイド)をボトム材内に装着する工程。
D.充填部:集塊食品(冷凍前)を充填ガイド内を通じ、ボトム材収納部に充填する工程。
E.圧縮成型板(板状体)装着部:開口部以内に集塊食品を圧縮し、開口部面を均すための板状体を、充填ガイド内に挿入する工程。
F.充填ガイド脱型部:ボトム材内に装着した充填ガイドを脱型する工程。
G.冷却部:集塊食品の圧縮形状が安定するまで、冷却硬化させる工程。
H.圧縮成型板脱型部:板状体を脱型する工程。
I.冷凍部:ボトム材内の集塊食品を-18℃以下まで完全に冷凍する工程。
J.トップ材供給部:任意の厚みの樹脂性ロールフィルムをセットし、フィルムから生るトップ材を、トップシール部へ送り込む工程。
K.トップシール部:トップ材をボトム材周辺部を接着する工程。成型金型の上下動でフィルム容器とトップフィルムをヒートシールする。
L.容器分割部:包装体容個数に合わせて、縦・横方向に分割カットする工程。
【実施例】
【0061】
[実施例1:圧縮冷凍うどん]
澱粉入り小麦粉1000gに、予め水415gに溶解させた塩45gを加え、製麺用の横型真空ミキサーで10分間ミキシングして、そぼろ状の生地を得、圧延・複合し厚み約10mmで、2時間、25℃にて熟成させた。その後、常法にて圧延し、9番の麺線(麺幅3.3mm)にて、厚み2.8mmの生うどんを得た。その後、十分な量の沸騰したお湯で、約11分間茹で調理後、直ちに水洗いして冷水中で冷却し、茹で調理済みのうどん(茹でうどん)を得た。
【0062】
この茹でうどんを200gの麺塊とし、冷凍用の枠(A)〜(F)の各収容スペースの中心付近に麺塊を置き、平均的に均した後、上部からプレス板を置き、その上に様々な重量の重石を置き、-30℃の雰囲気下に約3分間放置後、プレス板をはずし、-40℃にて急速冷凍することにより、(A)〜(F)の形状((A)縦125mm、横90mm;(B)縦135mm、横95mm;(C)縦140mm、横120mm;(D)縦140mm、横110mm;(E)縦140mm、横100mm;(F)縦150mm、横100mm)にて、様々な厚みの冷凍麺塊を得た。そして、冷凍麺塊の形状を測定し、沸騰した十分量のお湯で茹で、完全にほぐれるまでの時間を測定した。
【0063】
各(A)〜(F)にてプレス板の上の重石重量を変更することにより、各枠の大きさにて3〜5種類の重石にて、厚み17〜32mmの冷凍麺塊を作成した。
また、茹でうどんを各枠内に充填する際に、各枠内充填後、表面を均しただけで、プレス板を置かずに、急速冷凍して得られた冷凍麺塊を圧縮率0%とした。そして、プレス板で圧縮され得られた冷凍麺塊の高さを測定し、圧縮率0%のものと比較して、減じた割合を圧縮率として定義した。本試験においては枠を用いて圧縮しているために、底面積は変わらず、高さの変化から求めた圧縮率は、容積についての圧縮率と同じ値となる。
【0064】
結果を下表に示した。
【0065】
【表1】

【0066】
各(A)〜(F)の一段目は、プレス板で押えておらず(圧縮率0.0%)、麺立ちが見られた。(B)の圧縮率0.0%のものが、従来品相当であり、密度0.53g/cm3、重量あたりの麺塊表面積1.95(cm2/g)であり、ほぐれ時間は60.8秒であった。(B)-2〜(B)-4を見ると、厚みが薄くなるに従い、密度は大きくなり、体積にて約12〜20%低下しており、圧縮冷凍ができているが、ほぐれ時間は大幅に増加しており、単純に圧縮するだけでは、麺の戻りを損なうことが分かる。
【0067】
(A)と比較し、重量あたりの麺塊表面積が大きい(C)、(D)、(E)、(F)は、同じ密度ではほぐれ時間が短くなることが分かる。中でも(C)-4や(F)-3において、密度が0.6(g/cm3)以上でも、重量当りの麺塊表面積が1.9(cm2/g)であれば、ほぐれ時間が60秒以内に収まり、より好ましいことが分かる。
【0068】
また、各(A)〜(F)の圧縮率0.0%のものは麺立ちが見られるほか、密度が小さいので保管スペースが多く必要であることがわかる。
なお、本実施例に関し、ほぐれ時間と食感評価について下表にまとめた。
【0069】
【表2】

【0070】
[実施例2:麺立ち試験]
実施例1と同様の茹でうどん200gの麺塊を縦135mm、横95mmの枠のスペースの中心付近に麺塊を置き、平均的に均した後、上部からプレス板を置き、その上に様々な重量の重石を置き、-30℃の雰囲気下に約3分間放置後、プレス板をはずし、-40℃にて急速冷凍することにより、様々な圧縮率の冷凍麺塊を得て、上面の麺立ち(周囲より5mm以上突出している部分の有無)を目視で確認した。
【0071】
結果を下表に示した。表圧縮率5%以上では麺立ちが見られず、圧縮が麺立ちの防止にも有効であることが確認された。
【0072】
【表3】

【0073】
[実施例3:圧縮冷凍そば]
そば粉300g、小麦粉600g、卵白粉10g、小麦蛋白10gに、水360gを加え、製麺用の横型真空ミキサーで10分間ミキシングして、そぼろ状の生地を得、圧延・複合し、常法にて圧延し、20番の麺線(麺幅1.5mm)にて、厚み1.5mmの生そばを得た。その後、十分な量の沸騰したお湯で約1分30秒間茹で調理後、直ちに水洗いして冷水中で冷却し、茹でそばを得た。
【0074】
この茹でそばを170gの麺塊とし、枠の収容スペースの中心付近に麺塊を置き、平均的に均した後、上部からプレス板を置き、その上に様々な重量の重石を置き、-30℃の雰囲気下に約3分間放置後、プレス板をはずし、-40℃にて急速冷凍することにより、様々な形状・厚みの冷凍麺塊を得た。次いで冷凍麺塊を沸騰した十分量のお湯で茹で、完全にほぐれるまでの時間を測定した。
【0075】
結果を下表に示した。圧縮率30%付近でも約60秒でほぐれており、そばの場合は、圧縮率30%以下である場合は、麺の戻りを損なわずに冷凍できることが確認された。
【0076】
【表4】

【0077】
なお、本実施例に関し、ほぐれ時間と食感評価について下表にまとめた。
【0078】
【表5】

【0079】
[実施例4:圧縮冷凍ラーメン]
澱粉入り小麦粉990g、卵白10gに、予め水380gに溶解させたかんすい15gを加え、製麺用の横型真空ミキサーで10分間ミキシングして、そぼろ状の生地を得、圧延・複合し厚み約10mmとし、30分25℃にて熟成させた。その後、常法にて圧延し、20番の麺線(麺幅1.5mm)にて、厚み1.5mmの生ラーメンを得た。その後、十分な量の沸騰したお湯で約1分30秒間茹で調理後、直ちに水洗いして冷水で冷却し、茹でラーメンを得た。
【0080】
この茹でラーメンを170gの麺塊とし、冷凍用の枠の収容スペースの中心付近に麺塊を置き、平均的に均した後、上部からプレス板を置き、その上に様々な重量の重石を置き、-30℃の雰囲気下に約3分間放置後、プレス板をはずし、-40℃にて急速冷凍することにより、様々な形状・厚みの冷凍麺塊を得た。冷凍麺塊を沸騰した十分量のお湯で茹で、完全にほぐれるまでの時間を測定した。
【0081】
結果を下表に示した。圧縮率が30%より大きい場合は、ほぐれ時間が急激に伸び、茹でる際に茹で伸びをしてしまう。しかし、圧縮率が30%以下の場合は、どの底面積でもほぐれ時間に大きな差はみられず、麺の戻りを損なわずに冷凍できることが確認された。
【0082】
【表6】

【0083】
なお、本実施例に関し、ほぐれ時間と食感評価について下表にまとめた。
【0084】
【表7】

【0085】
[実施例5:圧縮冷凍パスタ(スパゲティ)]
小麦粉980g、全卵粉 20gに、予め水400gに溶解させた塩10g、油10gを加え、製麺用の横型真空ミキサーで10分間ミキシングして、そぼろ状の生地を得、圧延・複合し厚み約10mmとし、30分25℃にて熟成させた。その後、常法にて圧延し、14番の麺線(麺幅2.1mm)にて、厚み2.0mmの生パスタを得た。十分な量の沸騰したお湯で約3分間茹で調理後、直ちに水洗いして冷水中で冷却し、茹でパスタを得た。
【0086】
この茹でパスタを200gの麺塊とし、冷凍用の枠の収容スペースの中心付近に麺塊を置き、平均的に均した後、上部からプレス板を置き、その上に様々な重量の重石を置き、-30℃の雰囲気下に約3分間放置後、プレス板をはずし、-40℃にて急速冷凍することにより、様々な形状・厚みの冷凍麺塊を得た。冷凍麺塊を沸騰した十分量のお湯で茹で、完全にほぐれるまでの時間を測定した。
【0087】
結果を下表に示した。圧縮率が35%ぐらいまでほぐれ時間は60秒以内に収まっていることが確認された。圧縮率35%以下では、どの底面積でもほぐれ時間に大きな差はみられず、麺の戻りを損なわずに、冷凍が可能であることが確認された。
【0088】
【表8】

【0089】
なお、本実施例に関し、ほぐれ時間と食感評価について下表にまとめた。
【0090】
【表9】

【0091】
[実施例6:深絞り包装された冷凍うどんの製造]
製造手順:
下記の工程により、包装された冷凍うどんを製造した。
1)ロールフィルム(共押出し樹脂フィルム、構成:LL(低密度ポリエチレン)/NY(ナイロン)/LL、厚み:60μm、フィルム幅:700mm、三菱樹脂製)をセットし、フィルム両端をグリップ部の付いたチェーンで保持する。
2)両端を保持したフィルムを成型部に供給する。
3)フィルムを成型部の金型(サイズ:650x1300mm、外寸150x128x18mmの成型部、4x10個)上で、100〜200℃にヒーティングする。
4)コンプレッサーで圧縮した空気を金型上部から送り込むと同時に、金型下部の小穴から真空を引いて、熱により軟化したフィルムを所定の形状に成型する。
5)成型金型が下降して、成型されたボトム材を次工程にタクト搬送(搬送単位は1300mm/1タクト)する。
6)ボトム材の内寸に合わせた、上下面が開放された四角筒状の充填ガイド(長辺x短辺x高さ:148x125x30mm)をボトム材開口部に装着し、次工程へタクト搬送する。
7)通常の方法で製麺し、茹で上げて水洗冷却した3mm角x300〜400mm長さのうどんを、予め220g/玉に分割し、充填ガイド内へ投入する。次工程へタクト搬送する。
8)長辺方向に幅2mmのスリットが3mm間隔で並んでいる、145x120x2mmの樹脂製板(板状体)を用いて、充填ガイド内のうどんを、100gfの力で圧縮し、ボトム材内に収めるように圧縮して、次工程へタクト搬送する。
9)ボトム材内に装着してある充填ガイドを引き抜いて(充填ガイド脱型)、次工程へタクト搬送する。
10)フリーザーコンベア上にボトム材を乗り移らせ、-35〜-40℃の冷風により、うどん芯温約0℃、表面温度0〜-20℃となって表面が硬化するまで冷却する。所要時間はフリーザー能力や、冷凍する食品の含水率、初期温度、充填重量や形状によって異なるが、1〜10分であった。
11)食品表面が硬化した後、装着してある圧縮成型板を取り外す(圧縮成型板脱型)。
12)開口部が開放された状態で、更に-35〜-40℃の冷風により、芯温18℃以下まで冷凍させる(第2冷凍)。所要時間はフリーザー能力や、冷凍する食品の含水率、初期温度、充填重量や形状によって異なるが、3〜30分であった。
13)フリーザーコンベアからタクト排出された冷凍うどんを入れたボトム材を、金型(サイズ:650x1300mm、外寸150x128x18mmの成型部:4x10個)上で、上昇する金型内に保持され、供給部から供給されたトップフィルム(ラミネートフィルム、構成:O-NY//LL、厚み:45μm、フィルム幅: 700mm、DNP製)からなるトップ材で、上面をヒートシールする。
14)シール後、金型を下降させ、包装体を次工程へタクト搬送する。
15)進行方向と平行に、包装体を列毎にカッターで分割した後、更に進行方向と垂直に包装体を1個毎にカットして(容器分割部)、検査・包装工程へ搬送する。なお、分割は、任意の列、個数で行うことができ、個別に分割してしまわずに、ミシン目等の切れ目を入れた状態にすることもできる。
16)以下、必要に応じて、金属探知機、X線探知機、重量検知器などの検査工程を経たり、更に数個まとめてさらに包装するなど、製品形態に応じた操作を行う。
【0092】
なお、比較例として、実施例と同様に220gに分割したうどんを従来法で包装・冷凍した。
評価方法等:
各条件で製造した冷凍うどんについて、冷却開始から冷凍後、芯温が-18℃に到達した時間を計測し、ラインでの搬送/包装ロスの発生状況を観測した。また、得られた冷凍品を-18℃の冷凍庫で3日間保存した後、冷凍庫から取り出して20Lの沸騰水中で1玉220g毎、1分30秒間、解凍加熱調理し、次いで水道水で30秒間洗って表面のぬめりを除去した後に、5℃の冷却水に30秒間浸漬して食感評価サンプルとした。
【0093】
食感評価は10人の訓練されたパネラーの官能試験により行った。従来のリサイクルトレー冷凍品をコントロールとして、食感を確認させ、10人中、従来品の食感と同じと答えた人数を記録した。
実施例6-1:上述の製造手順による 。(圧縮加重100gf)
実施例6-2:上述の製造手順による。 (圧縮加重250gf)
実施例6-3:上述の製造手順による 。(圧縮加重800gf)
比較例6-1:冷凍前に上面をシール する以外は、上述の製造手順による。(圧縮加重100gf)
実施例6-4:充填ガイドを用いないこと以外は、上述の製造手順による。(圧縮加重100gf)
実施例6-5:圧縮板を用いないこと以外は、上述の製造手順による。(圧縮加重0gf)
比較例6-2:従来法(トレーを用いて冷凍し、反転して離脱させ、トレーを再使用する) (圧縮加重0gf)
なお、実施例6-1〜6-3に関し、圧縮率は、下表のとおりであった。
【0094】
【表10】

【0095】
結果を下表に示した。
【0096】
【表11】

【0097】
包装として、深絞り成形体を用い、ボトム材に保持した状態で冷凍することにより、製品の食感は良好なままで、冷凍されたうどんをベルトコンベアーで移動させるような、冷凍うどんを破損する危険や衛生性を保つことが難しい工程がなくなった。搬送/包装のロスは、本発明のシステムを利用することによって激減し、生産の効率化が図れることが分かった。本発明のシステムによれば、端材が発生しないため、搬送/包装ラインが汚れず衛生的である。
【0098】
圧縮することによって麺塊上面が均され、突き出しによる包装材料の損傷や包装トラブルが減じた。但し、圧縮することによって、麺が密集し、空隙が少なくなるため、冷凍時間が長くなる傾向があった。また、圧縮率が高いと、食感にもむらが出やすいことが分かった。
【0099】
トップ材でシールした後に冷凍すると、冷凍時間が長くなった。長すぎる冷凍時間は、麺の食感に影響を与えると考えられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理済みの麺で構成される麺塊を圧縮冷凍した麺塊であって:
圧縮が、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされ;
容積圧縮率が35%以下であり(好ましくは容積圧縮率が32%以下であり、より好ましくは容積圧縮率が28%以下である)、かつ重量当たりの麺塊表面積が1.85cm2/g以上である、麺塊。
【請求項2】
加熱調理済みの麺で構成される麺塊を圧縮冷凍した麺塊であって:
圧縮が、板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることによりなされ;
麺塊密度が、0.65g/ cm3以下(好ましくは0.63g/ cm3以下)である、麺塊。
【請求項3】
麺塊が、うどん、そば、ラーメン及びパスタからなる群より選択される一の麺で構成され;麺塊密度が、
うどんの場合、0.53 〜0.65g/ cm3、好ましくは0.55g/cm3〜0.63g/ cm3であり
そばの場合、0.50 〜0.66g/ cm3、好ましくは0.51 〜0.58g/ cm3であり、
ラーメンの場合、0.50 〜0.63g/ cm3、好ましくは0.55〜0.59g/ cm3であり、
パスタの場合、0.46 〜0.66g/ cm3、好ましくは0.50 〜0.63g/ cm3である、請求項2に記載の麺塊。
【請求項4】
容器圧縮率が、5%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麺塊。
【請求項5】
麺塊が、うどんで構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の麺塊。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の麺塊を、ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材とトップ材とを熱接着した包装体により包装した、包装圧縮冷凍麺塊。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧縮冷凍麺塊、又は請求項6に記載の包装圧縮冷凍麺塊の、製造方法であって:
板状体で、枠内又は開口部を有する容器内に充填された加熱調理済みの麺塊の上面又は開口部面を均しつつ抑えることにより、麺塊を圧縮し;
板状体で圧縮したまま冷却硬化させ、圧縮形状を安定させ;
圧縮形状安定後に、麺塊から板状体を除き;そして
圧縮形状の麺塊を、冷凍する、
工程を含む、製造方法。
【請求項8】
ボトムフィルムを熱成形して得られる、周縁部、開口部及び内容物収納部が形成されたボトム材と、トップフィルムからなるトップ材とを、熱接着した包装体により包装された食品の製造方法であって:
ボトム材収納部に食品を充填し;
充填された食品を冷凍し;そして
ボトム材周縁部とトップ材とを熱接着して、包装された冷凍食品とする
工程を含む、製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載された製造方法であって:
食品が圧縮可能なものであり;
ボトム材収納部に充填された食品を冷凍する際、食品が圧縮されている、製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載された製造方法であって:
食品の圧縮が、板状体を用いて行われ;
板状体で、ボトム材収納部に充填された食品の開口部面を均しつつボトム材開口部以内に抑えることにより圧縮する、製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の製造方法であって:
食品をボトム材収納部に充填する際に、開口部に設置した充填ガイドを用い;
充填ガイドの内寸が、開口部の内寸以下であり;
板状体が、充填ガイド内を通過可能な大きさであり;
食品の圧縮が、充填ガイドを設置したまま、充填ガイド内を通過した板状体により行われる、製造方法。
【請求項12】
食品を、板状体で圧縮したまま冷却硬化させ、圧縮形状を安定させ;
圧縮形状安定後に、食品開口部面から板状体及び充填ガイド(もしあれば)を除き;そして
圧縮形状の食品を、冷凍する、
工程をさらに含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項13】
食品が、加熱調理済み麺で構成される麺塊である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法
【請求項14】
麺塊が、うどんで構成される、請求項8〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項15】
ボトム材支持部;
食品をボトム材に充填する、食品充填部;
ボトム材に充填された食品を圧縮する手段を有する、圧縮部;
ボトム材に充填され、圧縮された食品を冷凍する、冷凍部;
トップフィルム材を、圧縮冷凍された食品をボトム材に熱接着する、接着部;及び
を備える、冷凍食品の包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−75403(P2012−75403A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224920(P2010−224920)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000140650)テーブルマーク株式会社 (55)
【Fターム(参考)】