説明

圧縮天然ガスまたは水素用の高圧貯蔵タンクの溶融/凝固媒体を用いるガス冷却方法

【課題】エネルギー損失を最小化し、システムの補給効率を増大させる。
【解決手段】搭載型燃料貯蔵タンクを有する車両における、タンク内に導入される燃料ガスの圧縮にて生じる燃料タンク内の熱を除去するシステム。本システムは、高圧燃料ガスを受け容れかつ貯蔵するためにステーション補給コンポーネントに対して接続可能な入口ならびに車両のエンジンに対して燃料ガスを選択的に供給するための出口を有する燃料貯蔵タンクと、このタンク内に配置された溶融/凝固熱吸収媒体であって、その中の熱が所定レベルを超えたときに、固体から液体へと変化しかつタンク内の燃料ガスから熱を吸収する溶融/凝固熱吸収媒体と、タンク外部に配置されたヒートシンクと、熱吸収媒体から外部に配置された熱交換器へと延在する伝熱体であって、熱吸収媒体が固体から液体へと変化するときにそれによって吸収された熱をヒートシンクへ伝達する伝熱体とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)に基づいて2005年5月9日に米国に出願された第60/679,102号明細書、名称「圧縮天然ガスまたは水素用に溶融/凝固媒体を用いる高圧貯蔵タンク用のガス冷却方法」の米国特許仮出願に関し、当該出願における全ての利益を有することを主張する。
本発明は、圧縮天然ガスまたは水素用の高圧貯蔵タンクの溶融/凝固媒体を用いるガス冷却方法に関するものである。特に、本発明は、燃料補給ステーションまたは燃料補給所で使用される高圧貯蔵タンクに車両が燃料補給されているときに、水素および/または圧縮天然ガス(CNG)用の車両搭載用のガスタンクに効率的に燃料補給するための搭載用システムおよび装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
水素が自動車の燃料として使用される場合には、燃料補給用の水素燃料貯蔵設備も開発しなければならない。一般には、燃料電池で作動する燃料電池車両への水素の使用、または、自動車の内燃機関へのCNGの使用において、現行では、CNGは、約3600psiの範囲の最高使用圧力を有する搭載用燃料タンク中に貯蔵され、水素は、約5000psiの範囲の最高使用圧力を有する搭載用燃料タンク中に貯蔵されている。設計仕様に対してタンク中にガスの満充填の実現、および、燃料貯蔵の全体的なシステムおよび車両タンクおよびこれらの相互関係におけるエネルギー効率の増大が、望まれる目標である。
【0003】
水素駆動車は、高圧で搭載用の水素燃料を格納するために、軽量のポリマー/合成水素貯蔵タンクを使用し得る。ここで、水素駆動車両に関して、圧縮天然ガス駆動車両(CNGVs)を有する本発明の用法にも関連がある。明確性のために、水素は明細書中で言及され、内容から全体的に明らかであるように、水素は圧縮天然ガス、高圧ガス、またはガスと代替可能であることを意図した用語である。単一の大型タンクよりも複数の円筒形小型タンクの使用が車両の設計目的に対して好ましい。高圧水素燃料補給システムに対してさまざまな設計が提案されている。水素駆動車に水素が充填された場合、ガス用の加圧搭載タンクは、(車両の作動中に消費される)ガス自体からの化学的エネルギー、および、ガスが単数または複数の車両タンクに燃料補給されて貯蔵される下での高圧に関する、力学的エネルギーおよび熱的エネルギーを有するものとして特徴付けられ得る。
【0004】
水素およびCNGでの高圧燃料補給処理中に、搭載用のタンクの内部は、すなわち、ガス自体は、タンク圧力が増大するため、そして、他の補給パラメータがこの処理に影響するため、ガス圧縮によって加熱される。補給処理の後、タンクの内部のガス温度および圧力は、燃料ガスが車両作動中に消費されるにつれて、緩やかに減少する。従来においては、補給の過程中に圧力補正を行うことなしに設計最大高圧の十分な補給タンク圧力を得ることは通常は可能ではない。燃料補給の過程中における圧力補正の一例において、タンク中に注入され格納される充填は、圧縮/加熱のため、補給時初期にはタンクの設計圧力を超えていなければならない。温度が増大すると、タンクの単位体積当たりの受け容れ可能な燃料が減少するからである。二次的処理における他の例において、燃料ガスは、タンク中に注入される前に予備冷却される。燃料が満充填されなければ、航続距離(ビークルレンジ)に関する車両の燃費は減少する。高圧設計圧力の使用は、この状態を悪化させる。この満充填を減少させるという問題を解決しようとする第三の変形例は、補給期間中における流速をより緩やかにすることで、初期のタンクの温度の低下をもたらすというものである。しかしながら、この緩やかな(緩慢な)充填は、望ましくないし実用的ではない。加熱を避けるための燃料補給中における緩慢な流速による望ましくない結果は、燃料補給の長期化である。燃料補給前にガスを冷却して実質的な必要エネルギーを過剰にして、これにより、水素エコノミーの全体的な効率を減少させる解決策が提案されている。充填圧力が3600psiまたは5000psiまたはより低い場合に、燃料補給における圧縮熱の蓄積は、一般的に考慮しなくてよい。しかしながら、燃料補給およびタンク圧力が3600psiを超えるとともに5000psiを超えて、そして、10,000psiに接近または超える場合には、温度補正および冷却は、タンク容量の完全な充填(満充填)を得るために、補給処理において重要な要素になる。満充填が達成される場合、これにより各タンクの補給毎の全体的な航続距離(ビークルレンジ)が増大し、全体的な顧客満足が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、水素駆動車両の設備および燃料補給所に全体的なエネルギー効率を考慮したときに、エネルギー使用を最小化して高圧ガス燃料補給システムの補給効率を増大させることである。典型としては、車両が高圧ガスで燃料補給される度に、圧縮エネルギーがタンク中の加熱をもたらす。それゆえ、本発明の目的は、燃料補給所でのタンクの加熱を最小化して、ガス駆動車両における搭載用燃料貯蔵タンクの効率および補給容量を増大させる搭載用車両システムおよび装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料補給処理の間において搭載用タンクの燃料補給でもたらされる圧縮熱を除去し得るシステムを提供する。公称燃料補給圧力が、3600psiもしくは5000psiを超えるか、または10,000psiもしくはこれを超える範囲の圧力を有する領域において特に、著しい燃料補給時間の迅速化、燃料補給効率および全体の航続距離が、単位体積当たりのタンク容量の増大の結果、向上する。本発明によれば、燃料補給処理の間の燃料タンク加熱に対する有効な解決策は、溶融/凝固媒体を備えるタンク内部熱吸収体が外部熱ラジエータに相互連結されている熱排出用システムを備えるものである。この溶融/凝固媒体は、急速高圧燃料補給中に内部タンクの熱を集める。この自身による溶融/凝固媒体は、燃料補給処理中に十分な熱を吸収することができ、または、吸収した熱は、燃料補給圧縮における吸収熱を分散または使用するのに好適な、周囲の大気または他の車両システムに連結されたヒートパイプを介して放射し得る。本発明の実施例において、タンク内部に冷却媒体を含む中心のチューブ(セントラルチューブ)は、チューブ内に含まれる、ナフタレンのような溶融/凝固媒体を用いた質量熱吸収によって熱を吸収する。燃料補給の間、溶融/凝固媒体は、溶融中に熱を吸収する。この媒体は、液体組成物が燃料補給後に冷却されて、継続する車両動作でタンク中の燃料が消費され、これによりタンク中の温度および圧力が低減したときに、固体状態に復帰する。代換的な実施形態において、内部に同心の溶融/凝固媒体チューブを有するタンク内の中心のヒートパイプは、この媒体によって吸収した熱を、ラジエータまたは他の手段によって、この取り込んだ熱を分散させるタンク外部に伝導する。
【0007】
本発明は、図面を考慮した好ましい実施形態の下記の説明において、より十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】従来技術における加圧水素またはCNGの燃料補給システムの燃料補給中の車両燃料タンクの熱集積および熱放出を示す概略的な線図である。
【図1B】急速充填試験から算出される、時間に対して示された、ガス温度T(℃)およびガス圧力Pのグラフを示す。
【図2A】熱質量の吸収によって燃料補給の圧縮熱を吸収するために用いられる、溶融/凝固媒体で充填された内部冷却チューブを示す。タンク中のガスおよびチューブ中の媒体を燃料補給後に冷却するときに、この媒体は固体状態に戻る。
【図2B】冷媒冷却/ガス加熱段階におけるガス中へ媒体からの熱放射を示す。
【図3A】搭載用タンク内部中心に配設されて、チューブ内からタンク外側の外部ラジエータに延在する内部に同心の伝導ヒートパイプを介して外部ラジエータに動作可能に連結された中心熱吸収媒体チューブを示す。
【図3B】各タンクから導入されるヒートパイプが共通の外部ラジエータに連結されている複数のタンクの実施例を示す。
【図3C】各タンクから導入されるヒートパイプが共通の外部ラジエータに連結されている複数のタンクの実施例を示す。
【図4】タンク内の媒体およびヒートパイプ冷媒システムを固定するために用いられる高圧タンク用の端部キャップ構造の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
要するに、本発明のシステムは、高圧下での燃料ガス貯蔵用の搭載用タンクを有するガス駆動車両用に提供される。タンク燃料補給容量は増大し、1または2以上の搭載用燃料タンクを燃料補給するために必要な時間は減少する。タンク内の溶融/凝固熱吸収媒体は、燃料補給処理からもたらされる圧縮熱を吸収し、この吸収した熱はタンク外部のラジエータに伝導されて、吸収された熱をタンクから外部環境に排出し得る。
【0010】
本発明のシステムは、搭載用タンクから燃料補給圧縮における熱を回収することによって、そして、タンク燃料補給の前に、圧力過剰充填、および/または、ガスの燃料補給所における予備冷却の必要性を除去することによって、ガス駆動車両における燃料補給エネルギー効率を増大させる。このタンクに燃料補給するために必要な圧縮エネルギーが低減される。本発明は、十分な(設計圧力)燃料補給が燃料補給の処理で達成されるように、ステーションで車両に直接的に十分なガスを供給して高圧ガスを有する搭載用タンクに燃料補給するために必要なエネルギーを減少することにより、CNGまたは水素ステーション高圧ガス利用における全体のエネルギー効率を増大する。
【0011】
図1Aは、水素またはCNG車用の従来技術における高圧貯蔵タンクシステムの例を示す。第1の搭載用タンク1は、吸気ステム13sを介して燃料補給ライン13に直列な燃料ラインチェック弁12を有する吸気弁V1を備えている。この燃料補給ラインは、水素11をタンク中に流入できるステーション補給ノズル10に連結可能である。タンク14からの燃料消費ラインは、タンク排気弁V2から制御弁16および圧力レギュレータ16,18を介し、水素燃料電池スタックまたは車両エンジンに燃料ライン17,19を介して延在している。明確性のために以下の図面において、燃料補給側の部材(エレメント)10,11,12,13sおよび消費側の部材15,16,17,18,19は図示されない場合もある。本発明の詳細に関する圧縮加熱燃料補給の現象を例示するものとして、時間に対して示された、システムの急速充填試験から算出されるガス温度T[℃]とガス圧力Pが図1Bに示されている。
【0012】
典型的には搭載用車両タンクは、半球形の端部を有する円筒形状であり、規定温度で、約3600psiまたは5000psiで、10,000psiに接近または超える最大定格圧力容量での高圧ガスの充填を設計によって格納できる。燃料電池駆動車両に対する水素重量による典型的な車両タンク満充填は、略15ポンドである。燃料補給の間、タンク内部の高圧ガスは圧縮され、図面中に矢印→、→等で比喩的に示した熱が発生される。温度は、ガス圧力の増大とともに上昇するが、実際問題として、搭載用タンクの定格温度または圧力を超えたとき、搭載用タンクにおける最大許容設計温度および/または圧力は、満充填の妨げとなり得る。これに対して、本発明の搭載用システムは、後述するように、熱を分散するための冷却システムおよび装置を提供することによって燃料補給の圧縮における熱を排出する。
【0013】
図2Aは、搭載用車両高圧貯蔵タンクシステムにおける実施例を示す。本発明において、この燃料タンクは、カーボンファイバで形成され、このタンクは、燃料補給→における圧縮熱を取り込む溶融/凝固媒体で充填されたアルミニウムもしくは銅、またはいずれかの合金20で形成されるチューブを上記タンク中に備える。図2Aにおいて、タンク20中の熱吸収媒体チューブは、固体および液体といった、温度に依存する、異なる物理的状態を有することが可能な温度依存の溶融/凝固材料を有する。融点が80℃である場合、ナフタレンはこのような材料の例である。燃料補給の前に、ナフタレンは、約20℃の周囲の温度で、実質的に固体状態21になっている。燃料補給の過程の間、ナフタレンは比喩的に22で示されるように、液体に溶解して、燃料補給圧縮熱を約147kJ/kb(溶融したナフタレンの単位キログラム毎における147,000ジュール)で吸収する。燃料補給後および車両での燃料消費中、タンク温度および圧力は減少し、液体(液状)ナフタレンは、冷却されて熱を放出し、固体状態に戻る。それゆえ、チューブ媒体における吸収および溶融によって、タンク中の燃料補給の熱が除去される。
【0014】
熱を吸収する燃料補給機能と熱を分散する燃料補給機能との変形例において、本発明は、車両作動中の問題をある程度解決し、ガスが使用されるにつれてタンク中の内部ガス温度が冷却(低下)して、タンク温度が低下する。図2Bに示されているように、温度依存の溶融/凝固媒体を用いて、ガス燃料補給の圧縮エネルギーから吸収された熱は、タンクの内側のガスを加熱するのと逆の方法で冷却チューブから放出され、これによりタンクガス圧力を増大して、さらに燃料ガスで作動する燃料電池またはエンジンの作動効率向上をもたらす。
【0015】
図3Aに示された他の実施例において、本発明の車両高圧貯蔵タンクシステムは、図2Aおよび図2Bを参照して説明した実施例に類似した、熱吸収チューブを備える。しかしながら、図3Aにおいて、タンク中にチューブ30を含む中心部のナフタレンが、タンク内部に複数の熱吸収フィン33faを備えるように示されている。示されているように、このアセンブリは、フィン33faおよび溶融ナフタレン31によって集められた熱を吸収して、フィン付きまたはメッシュのラジエータ35fr、ウォータチャンバー、車両フレームまたはボディ、または、吸収した熱を開放および/または分配可能な任意の他の類似の機構のようなタンク外部のヒートシンクに熱を伝える、中心に同軸のヒートパイプ34を備えている。
【0016】
図3Bおよび図3Cは、共通のラジエータ40に連結された複数のタンクの切換可能な配置を示す。図3Bにおいて、各タンク上のタンク吸気弁V1は、燃料補給ガスが両方のタンクに並行な(並列な)燃料補給で同時に流れるか、または、直列な燃料補給で流れるかを制御するための車両制御システムによって切換可能であり得る。各タンクにおけるヒートパイプ34a,34bは、流通(伝導)制御スイッチCS1,CS2,CS3,CS4によって並列な燃料補給モードまたは直列な燃料補給モードのいずれかに切換可能である。タンク吸気弁V1の作動は、燃料補給が並列であるか直列であるかに関連する。マニホールド41は、各タンクに関連する弁V20a,V20bを備え、タンクが直列に排出されるかまたは並列に排出されるかを制御するために、車両作動中におけるガス消費中に同様に切換可能である。図3Cは、各タンクが対向して配置される、複数のタンク構造における実施例を示す。各タンクの入口51および出口52でのマニホールドは、各タンクがガスを同時に燃料補給されるか、もしくは並列に燃料補給されるか、または、並列構造もしくは直列構造のタンクを有する車両作動中にガスが消費されることを同様に制御する、切換可能弁V5a,V5b,V5c,V5dを備える。
【0017】
上述したように、このシステムは、複数のタンクに適用可能である。車両制御システムは、選択可能または制御可能な吸気弁、選択可能または制御可能な排気弁、および、制御手段、論理回路、またはCPUに動作可能に相互連結された伝導スイッチを操作する。この車両制御システムは、圧力および/もしくは温度、またはタンクもしくはその吸気および排気ラインに付随する他の検知手段、効率的な車両動作用に適した所定のまたは可変のパラメータに従って作動する冷却システムを備えてもよい。本発明の原理に従って、特定の制御構造およびパラメータ、弁の一およびシステムは、全体的な車両設計の考慮に基づくものであることが好ましい。例えば、圧力、温度、圧力変化、温度変化、および他のセンサは、タンクおよび/またはライン圧力および温度を計測するために、また、車両の作動プロトコル、車両タンク、または、本発明の原理に従って車両作動過程中の加圧燃料の燃料補給および消費用の弁システム、に関連する熱流および他のパラメータを開始、停止、および調整するために提供され得る。これ自体は本発明の一部を構成するものではないが、複数のタンクアセンブリで有用な制御システムの実施例は、本願と同一の出願人に譲渡され、2004年12月2日に出願された、「水素車両ガスの用法および燃料補給システム」である、本願と同時係属の米国特許出願第11/001,881号明細書に含まれている。
【0018】
図4は、燃料タンクの両極端部での端部キャップ装置40,41を有する本発明におけるタンク1用の構造を示す。キャップ41は、入口/出口側の反対側のタンクの端部で、ロックナット装置45を有するプラグアセンブリ44中のネジ(スクリュー)上の外側ネジ部42を備える。ネジ部42は、受け部(レシーバー)50によってタンク内の固定位置に冷却チューブ30およびヒートパイプ34を保持するために、キャップ中の内側ネジ部43と協働する。タンクにおける入口/出口側部上のキャップ40は、ガスタンク吸気弁V1およびガス排気弁V2を備えている。伝導制御スイッチCS10は、ヒートパイプ34と同軸に配置されて示されている。
【0019】
本明細書で説明している実施例において、燃料補給の状態の間、各タンクに対する排気弁は閉弁して、消費の例の間、各タンクの吸気弁は閉弁している、と考えられる。
【0020】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、提供された説明によって、本明細書で説明された発明概念の趣旨から逸脱することなく本発明に対する変形が可能であることが理解されるであろう。それゆえ、図示されかつ記載された特定の好ましい実施形態に本発明の範囲が限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項の記載によって確定されることを意図している。
【符号の説明】
【0021】
30 チューブ
31 ナフタレン
34 ヒートパイプ
40,41 キャップ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧消耗燃料の貯蔵のための一つ以上の搭載型燃料貯蔵タンクを有する車両において、燃料ガスが前記燃料貯蔵タンク内に導入される際の燃料ガスの圧縮によって生じる前記燃料貯蔵タンク内の熱を除去するためのシステムであって、
燃料貯蔵タンクであって、
高圧の燃料ガスを受け容れかつ貯蔵するためにステーション補給コンポーネントに対して接続可能な入口と、
消費のために車両のエンジンに対して燃料ガスを選択的に供給するための出口と、を有する燃料貯蔵タンクと、
前記燃料貯蔵タンク内に配置された溶融/凝固熱吸収媒体であって、
前記燃料貯蔵タンク内の熱が所定のレベルを上回ったときに、固体から液体へと変化するように、かつ、前記燃料貯蔵タンク内の燃料ガスから熱を吸収するように機能する溶融/凝固熱吸収媒体と、
前記燃料貯蔵タンクの外部に配置されたヒートシンクと、
前記熱吸収媒体から、外部に配置された熱交換器へと延在する伝熱体であって、
前記熱吸収媒体が固体から液体へと変化するときに、前記熱吸収媒体によって吸収された熱を前記ヒートシンクへと伝達するように機能する伝熱体と、
を具備してなることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記伝熱体はヒートパイプであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記熱吸収媒体はナフタレンであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記熱吸収媒体は、前記燃料貯蔵タンク内で中央に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱吸収媒体は、前記燃料貯蔵タンク内の燃料から前記熱吸収媒体への熱伝達を促進するために、複数の熱伝導フィンによって取り囲まれていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒートシンクは、(i)フィンラジエータ、(ii)メッシュラジエータ、(iii)ウォータチャンバー、および(iv)車両フレームのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図2B】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−21646(P2012−21646A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177974(P2011−177974)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【分割の表示】特願2006−129662(P2006−129662)の分割
【原出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】