説明

圧迫処置システム

四肢廻りに支持される第1ブラッダ(46a、46b、46c、48a、48b、48c)を含む圧迫処置システム(10)を提供する。第2ブラッダは四肢廻りに支持される。ブラッダは流体源(50)と流体連通する。ブラッダは、第1ブラッダが第1時間期間膨張し、第2ブラッダが第2時間期間膨張するように、膨張する。第2時間期間は第1時間期間内に開始される。単一圧力センサが第1ブラッダおよび第2ブラッダに連通する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
背景
1.技術分野
本開示は、一般に、身体の四肢に適用するための血管治療の分野に関し、より詳細には、流体の流れを調節するコントローラを有する圧迫処置システムに関する。
【0002】
2.関連技術の説明
深部静脈血栓症(DVT)および末梢浮腫等の血塊を形成する病状は、不動状態の患者にとって重大な問題である。このような患者には、手術中の患者、知覚麻痺患者、長期ベッド療養患者他が含まれる。これらの血塊症状は、概して下肢および/または骨盤の深部静脈に発生する。こうした腸骨、大腿、膝窩および脛骨等の静脈は、酸素が減少した血液を心臓へ環流する。これら静脈の血液循環が疾患、負傷または無活動が原因で抑制されると、血液は蓄積つまり鬱血する性向がある。静的な鬱血は、危険な血塊形成の格好な環境をもたらす。この症状にともなう主要な危険性は心臓血管の循環障害である。最も深刻なのは、血塊断片が剥離して移動することである。肺塞栓は主肺動脈閉塞を形成して生命を脅かす。
【0003】
患者の不動状態にともなう症状およびその結果生じる危険性は、患者の四肢、例えば大腿部、ふくらはぎ、足などを含む脚部に間歇圧力を加えて血液循環を助けることにより抑制または緩和できる。血液循環を助けるために、ワンピース型パッドおよび圧迫ブーツ等、周知の装置が用いられてきた。例えば、米国特許第6,290,662号および第6,494,852号を参照。
【0004】
例えば、一連の空気チューブによる使い捨て巻き付けパッドに接続された空気ポンプからなる順次圧迫装置がこれまで用いられてきた。巻き付けパッドは、大腿部、ふくらはぎ、または足等、患者の脚の一部の廻りに配置するように構成される。多数のパッドを脚に取り付けて、脚の様々な部位を覆うことができる。次に、巻き付けパッドの異なる各部に順次、強制的に空気を送って、大腿部、ふくらはぎ、または足の廻りに圧力を生みだし、それにより静脈環流を改善する。
【0005】
これらの周知の装置は、嵩張って使用が面倒であることに起因する様々な欠点を持っている。これらの欠点は、患者の快適性および順応性を低下させると共に,術後回復時の患者の移動性を妨げる点で不利である。
【0006】
更に、これら周知の順次圧迫装置は、巻き付けパッド中の空気の流量と圧力流および圧力を調整するコントローラーアセンブリを含むのが普通である。コントローラーアセンブリはベッドに取り付けできて、その使用中は壁面電源コンセントに差し込むことができる。しかし、この編成は、患者が、例えば入浴や理学療法等、特定の課題を実行する必要がある場合に難題になり得る。このような状況では、通常はパッドを外すので、血管治療を中断しなければならず、不利である。従って、これらのコントローラーアセンブリは、患者の搬送または移動に応じられず、そして、大腿部、ふくらはぎ、および足のパッドの膨張に適していないのが普通であることから、様々な欠点がある。
【0007】
従って、大腿部、ふくらはぎ、および足のスリーブを膨張させるのに適して、患者の搬送および移動に応じられて、継続的な血管治療を提供するコントローラを有する圧迫処置システムにより、従来技術の不利な点や欠点を克服することが要望されている。本システムが、それに接続されるスリーブの種類を自動検出することができれば、より望ましい。更に望ましいのは、単一の圧力変換器による圧力監視を容易にする空圧回路をシステムに含めて、本開示の利点を達成することである。本圧迫処置システムは簡単かつ効率的に製造できるように意図されている。
【0008】
概要
従って、従来技術の不利な点および欠点を克服するために、大腿部、ふくらはぎおよび足のスリーブを膨張させるよう適合させるとともに、患者の搬送および移動に対応して継続的な血管治療を提供するコントローラを有する圧迫処置システムが提供される。望ましくは、本システムは、それに接続されるスリーブの種類を自動検出する。最も望ましくは、本システムに、単一の圧力変換器による圧力監視を容易にする空圧回路を含めて、本開示の利点を達成することである。本圧迫処置システムは、簡単かつ効率的に製造することができる。
【0009】
本開示の原理による圧迫処置システムは、DVT予防のための間歇的な空気圧迫を提供できる。本圧迫処置システムは、後述する静脈再充満検出を含むこともでき、小型、静音、軽量で、かつバッテリ電源を備える。本圧迫処置システムは、各四肢に個別に順次式傾斜圧迫を提供する能力、および、例えば3個のブラッダを含む様々なスリーブに圧迫を提供するフレキシビリティも備えている。スリーブは、後述する大腿部の長さの引裂式機構および膝の長さのスリーブを含んでもよい。加えて、本圧迫処置システムは、高圧で緩慢な圧迫を脚スリーブに提供できる。本圧迫処置システムは、システムを治療施設内のどこで用いても、中断することなくDVT予防を提供するので、患者は、危険な期間全体に亘り連続的に装着して使用できる。
【0010】
本圧迫処置システムは、DVTの危険性がある患者への連続治療を提供するよう携帯式とすることができる。この構成は、例えば、検査のための搬送、入浴、理学療法等、患者の活動および課題の実行中でも継続的な血管治療が容易になるという利点がある。従って、本圧迫処置システムは、コンセントに差し込まない場合でもバッテリで動作するコントローラを提供することにより、治療の中断を防ぎ、かつ、必要に応じて患者とともに移動できるように快適、小型、軽量とされる。
【0011】
本圧迫処置システムは、コントローラ、チューブセット、およびスリーブを含む。例えば、本圧迫処置システムは、チューブセットを通じて、それぞれが各四肢に対応する一対の使い捨てスリーブに空気を送る。各スリーブは、足首、ふくらはぎ、および大腿部に対応する3個のブラッダを有する。本圧迫処置システムは、四肢の一方、つまり左または右、を独立して圧迫する。左右とも接続されている場合は、膨張は両方の四肢間で交互に行う。代替として、ただ一つのスリーブを接続してもよい。
【0012】
代替として、本圧迫処置システムは、緩慢な足圧迫装置として用いられる。この構成においては、圧迫処置システムは、スリーブに代えて、単一患者用で単一ブラッダの、一対の使い捨て足覆いを含む。単一の足覆いを用いてもよい。本圧迫処置システムは、第1の四肢には足覆いの利用、第2の四肢にはスリーブの利用も提供する。
【0013】
本圧迫処置システムは、チューブセットと対の形状により相互ロックするチューブセットコネクターポートを含む。圧迫処置システムに最初に電源を投入した時、どのポートがスリーブに接続されているか、そして、どの種類のスリーブ、つまり脚スリーブか、足覆いか、がこれらのポートに接続されているか、をシステムが認識するまで、ポートを通じて空気が送られる。適切に接続されたスリーブのポートへ圧迫治療が配給される。
【0014】
例えば、本圧迫処置システムは、11秒間の膨張サイクル、続いて静脈再充満測定に応じて20〜60秒間の排気期間が続く等の、血管治療のための臨床パラメータを提供する。11秒間の圧迫時間は順次式であって、0秒時に第1ブラッダが膨張を開始する。2.67秒で第2ブラッダが膨張を開始し、そして5.67秒で第3ブラッダが膨張を開始する。11秒後、3個すべてのブラッダが排気する。膨張期間中の圧力は、第1ブラッダが第2ブラッダを超え、第2ブラッダが第3ブラッダを超えるように傾斜をつけたままにしなければならない。例示にすぎないが、サイクル終了時の圧力は、第1ブラッダで45mmHg、第2ブラッダで40mmHg、そして第3ブラッダでは30mmHgとすることができる。圧迫は、圧迫処置システムがオフにされるか、またはコントローラが警告を発するまで、このサイクルパターンで継続する。
【0015】
限定を加えるものではない別の例示では、足の圧迫パラメータには、5秒間の膨張サイクルに続けて、スリーブ圧迫に対して上記提供した場合と同一の排気時間(20〜60秒)を含めることができる。足スリーブに対するサイクル終了時の設定圧力目標は、5秒間の膨張時間の終了時までに130mmHgである。
【0016】
静脈再充満検出は本圧迫処置システムで行われる。静脈再充満検出は、上記第2ブラッダ内の微量の空気をトラップすること、および患者の四肢内の静脈に血液が再充満して、圧力が上昇するのを監視することを含む。圧迫処置システムが設定圧力に到達した時に、およびその後30分毎に、コントローラが静脈再充満を測定し、個々の四肢のいずれかに対する膨張サイクル間の排気時間を20〜60秒の間で調整する。両方の四肢からの静脈再充満測定値の長い方を用いて排気時間を調整する。
【0017】
本圧迫処置システムは、携帯用に小型で軽量なバッテリ電源コントローラを含む幾つかの利点の恩恵を受ける。本圧迫処置システムは、一方または両方の四肢で用いることもでき、足覆いに緩慢な圧迫を提供できる。圧迫処置システムは、接続されたスリーブの種類を検出し、適切な圧迫を自動的に加えることもできる。
【0018】
本圧迫処置システムは、唯一の変換器を用いてブラッダの膨張および圧力の監視を可能にするよう設計した、圧迫処置システムとともに用いる空圧回路も含む。ソレノイド弁のマニホルド側から監視する圧力は、接続した任意のブラッダを監視するのに一つの変換器だけでよいという追加の利点を生かして、弁全体に亘る圧力降下を明らかにする。この構成は、廉価な生産コスト、および、特に変換器の校正に関する保守要件の低減をもたらす利点がある。
【0019】
本開示の原理による一実施の形態では、圧迫処置システムは、四肢廻りに支持される第1ブラッダを含む。第2ブラッダも四肢廻りに支持される。ブラッダは流体源と流体連通し、第1ブラッダが第1時間期間膨張し、第2ブラッダが第2時間期間膨張するように膨張する。第2時間期間は第1時間期間内に開始される。単一の圧力センサが第1ブラッダおよび第2ブラッダと連通する。圧力変換器は、ブラッダそれぞれの圧力を監視するように構成される。
【0020】
圧迫処置システムは、加圧流体源および圧力変換器と連通するコントローラを含むことができる。コントローラはブラッダの圧力を監視し、調節するよう構成される。コントローラは携帯式のハウジングに配置できる。ハウジングは、複数のブラッダと接続可能な複数のポートを含むことができる。
【0021】
圧力変換器は複数のポート毎に圧力を監視して、ブラッダがそれに接続されているかどうかを判定でき、それを表す信号をコントローラへ送る。コントローラは、ブラッダの膨張を調節する別々の弁を含むことができる。圧迫処置システムには空圧回路を形成してもよい。圧力変換器は空圧回路に結合され、加圧流体源と空圧回路内の弁との間に配置できる。
【0022】
圧迫処置システムは、足廻りに支持された第3ブラッダを含むことができる。第3ブラッダは流体源と流体連通し、単一の圧力センサがブラッダと連通する。加圧流体源は、四肢廻りに配置したブラッダおよび足廻りに配置したブラッダを交互に膨張させることができる。
【0023】
代替の実施の形態では、圧迫処置システムは、第1の四肢廻りに支持された第1の複数のブラッダを含む。第2の複数のブラッダは、第2の四肢廻りに支持され、ブラッダは流体源と流体連通している。第1の複数のブラッダの第1ブラッダは第1時間期間膨張し、第1の複数のブラッダの第2ブラッダは第2時間期間膨張する。第2時間期間は第1時間期間内に開始される。
【0024】
第2の複数のブラッダの第1ブラッダは、第3時間期間膨張し、第2の複数のブラッダの第2ブラッダは、第4時間期間膨張する。第4時間期間は第3時間期間内に開始される。単一の圧力センサがブラッダと連通する。加圧流体源は、第1の四肢廻りに配置したブラッダおよび第2の四肢廻りに配置したブラッダを交互に膨張させることができる。
【0025】
別の実施の形態では、圧迫処置システムは、第1の四肢廻りに支持される第1の複数のブラッダおよび第2の四肢廻りに支持される第2の複数のブラッダを含む。第1の複数のブラッダおよび第2の複数のブラッダの各ブラッダは、それらと連通する別々の弁を有する。弁は流体源と流体連通している。
【0026】
第1弁は、第1の複数のブラッダの第1ブラッダが第1時間期間膨張するように開き、第2弁は、第1の複数のブラッダの第2ブラッダが第2時間期間膨張するように開く。第2時間期間は第1時間期間内に開始される。第3弁は、第1の複数のブラッダの第3ブラッダが第3時間期間膨張するように開く。第3時間期間は第2時間期間内に開始される。
【0027】
第4弁は、第2の複数のブラッダの第1ブラッダが第4時間期間膨張するように開き、第5弁は、第2の複数のブラッダの第2ブラッダが第5時間期間膨張するように開く。第5時間期間は第4時間期間内に開始される。第6弁は、第2の複数のブラッダの第6ブラッダが、第6時間期間膨張するように開く。第6時間期間は第5時間期間内に開始される。単一の圧力センサがブラッダと連通する。
【0028】
例示の実施の形態の詳細な説明
開示する圧迫処置システムおよび操作方法の例示の実施の形態を、身体の四肢に適用するための予防的圧迫装置を含む血管治療の点から説明し、大腿部、ふくらはぎ、足首、および足のスリーブを膨張させるよう適合し、患者の搬送、および移動に順応できるコントローラを有する圧迫処置システムの点から更に詳細に説明する。本圧迫処置システムは、患者の不動状態に関係する危険性を予防し、克服するために利用できるよう意図している。更に、患者の不動状態に起因する病状を圧迫処置システムが緩和して、例えば、DVT、末梢浮腫等を予防することも意図される。本開示による圧迫処置システムは、限定はしないが、予防的順次圧迫装置を含む、あらゆる種類の静脈圧迫システムに帰属させることができるよう意図している。用語「予防的順次」が、本明細書で説明する一般的な静脈圧迫処置システムを限定していると解釈してはならない。そうではなく、想定では、本開示は、例えば手術中の患者、知覚麻痺患者、長期ベッド療養患者、肥満症患者、高齢患者、悪性腫瘍患者、前記血栓塞栓症患者等および同様な患者の広範に亘る不動状態の病状への適用を考えている。
【0029】
以下の説明において、用語「近位」は対象者の胴体部に近い方の構造の一部を指し、用語「遠位」は胴体部から遠い方の構造の一部を指す。本明細書で用いるときには、用語「対象者」は、圧迫装置を用いて血管治療を受ける患者を指す。本開示によれば、用語「治療士」は、予防的順次式圧迫装置を扱う個人を指し、支援要員を含めてもよい。
【0030】
以下の説明には、圧迫処置システムの説明、続いて本開示の原理による圧迫処置システムを操作する例示の方法の説明が含まれる。付帯の図で説明する例示の実施の形態および開示への参照を詳細に行う。
【0031】
図では、幾つかの図の全体に亘って、同じ要素は同じ参照符号で指定する。最初に、本開示の原理により構築した圧迫処置システム10を示す図1〜図5を参照する。圧迫処置システム10はハウジング12を含む。ハウジング12は、内部に配置されたコントローラ14(図5に略図で示す)の構成要素を収納する。
【0032】
ハウジング12は半円形の構成を有し、頂点18に沿ってハンドルの切り抜き16があり、携行および対象者の移動を容易にする。ハウジング12は、例えば、矩形、球形等の多様な構成および寸法とすることが想定される。更に、ハウジング12は、例えば、スナップ嵌合、接着、溶剤溶着、熱溶着、超音波溶着、ネジ、リベット等の適切な工程で組み立可能であることも想定される。また、ハウジング12は、一体成形しても、多数のハウジングセクションを統合して一体に組み立ててもよく、実質的に透明であっても、不透明等であってもよい。ハウジング12は、圧迫処置システム10の操作を容易にするためにリブ、隆線等を含んでもよい。
【0033】
ハウジング12の構成要素は、特定の医療用途および/または臨床医の好みに応じて、例えば、高分子またはステンレス鋼等の金属等、医療用途に適した材料により製造できる。成形した医療品グレードのポリプロピレン等の弾力性材料はもとより、半剛体および剛体の高分子からの製造が意図される。しかしながら、当該技術に精通する者には明らかなように、本開示による組立ておよび生産に適した他の材料および製造方法でもよい。
【0034】
ハウジング12は、対象者(不図示)への連続血管治療が容易になるよう携帯型である。ハウジング12は、例えば、病院のベッド、テーブル等へのハウジング12の容易な取り付け、取り外しが可能なブラケット20を含む。ブラケット20はハウジング12の背部22から延び、対象者のベッド等にハウジング12を吊り下げるようフック型構成を備えている。意図していることは、ブラケット20は、ハウジング12の取り付け、取り外しが可能な様々な構造からの吊り下げが可能であり、代替として、ハウジング12はブラケットを含まずに、床または他の支持面上に配置してもよい。また、ハウジング12は、図2に示すような肩ストラップ24を含み、移動中にハウジング12が対象者または治療士に装着可能とされる。肩ストラップ24は、ブラケット20付きでも、無しでも利用でき、例えばハンドル16を含むハウジング12の任意の一部に固定できる。
【0035】
圧迫処置システム10は、その構成要素を動作させるためにAC/DC切換電源を利用する。電源コード26は、コントローラ14の構成要素に電力を導くためにハウジング12に接続される。電源コード26は、壁コンセント等を介してAC電源にアクセスする。コントローラ14は、電源に接続するためのトランスまたは他の電子回路を含めることができる。電源コード26は、収納のために、および携行中や対象者移動中には、ブラケット20廻りに巻き付けてもよいことが想定される。更に、圧迫処置システム10に、電源コード26をハウジング12に保持する引込収納機構を含めてもよいことが想定される。引込収納機構は弾力のあるコード、プーリー等を含んでもよい。
【0036】
圧迫処置システム10は、コントローラ14の構成要素に電力を供給するためにバッテリ28も利用して携行および対象者の移動を容易にする。バッテリ28はハウジング12のバッテリ室30内に配置される。バッテリ28に一個または複数のセルを含めることが可能であることが想定される。バッテリーセルはリチウムイオン型等でよい。更に、バッテリ28は充電可能で、例えば、6時間、8時間、10時間等の様々な動作時間範囲について利用可能なものでもよいことも想定される。電源コード26は、例えば差し込みを抜いて、ハウジング12の引込収納機構で引き込んでもよい。これで、圧迫処置システム10は、バッテリ28の電力で動作し、対象者は歩行可能となる。
【0037】
バッテリ28は、ハウジング12の外部表面に取り付けるか、またはそこから離してもよいことが想定される。更に、圧迫処置システム10は、例えば、太陽電池、非電気等の、電源の代替源を含んでもよく、または代替として、バッテリ電力を含めなくてもよいことも想定される。
【0038】
ハウジング12は、その前面34に配置したコントロールパネル32を有する。コントロールパネル32には、圧迫処置システム10を操作するための制御子およびインジケータが含まれる。コントロールパネル32は、システム10の、例えば、電源、バッテリ、スリーブの識別および接続、膨張、排気、静脈再充満、エラー等の、各種構成要素の状態指示、メッセージ等を提供するLEDディスプレイ36を有する。コントロールパネル32には、システム10に電力を供給するための手動スイッチも含まれる。これらのスイッチは指の圧力で動作するメンブレン型であることが意図される。
【0039】
ハウジング12の背面部分22はポート38、40を画成する(図4)。ポート38、40は、それぞれ出力ポート38a、38b、38c、および出力ポート40a、40b、40cを含む。出力ポート38a、38b、38c、および出力ポート40a、40b、40cは、後述する組合せコネクタ42およびチューブセット44の係合を通じて、対象者の脚廻りに適合するよう構成した圧迫スリーブ46の膨張チャンバ46a、46b、46c、および圧迫スリーブ48の膨張チャンバ48a、48b、48cとそれぞれ流体連通している。出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、40cは、チューブセット44に接続するよう構成される。各ポート38、40は、例えば、脚スリーブ、足スリーブ等の特定の圧迫スリーブに接続可能である。
【0040】
ポート38、40は、ハウジング12内に配置したコントローラ14の構成要素にも接続して、図5に示す空圧回路で説明するように、選択した圧迫スリーブを容易に膨張させる。コントローラ14には、例えば、後述するように、ポート38、40と接続するための弁マニホルド52と流体連通するポンプ50等の加圧流体源が含まれる。ポンプ50は、チューブ等を介して弁マニホルド52へ空気を圧縮するモータを含む。ポンプモータの回転数は電子制御されて、出力毎の所望圧力に対応するコンプレッサ回転数を提供する。当業者には周知の、必要な電子回路、回路構成、ソフトウエア等を含む電源基板は、ポンプモータやコントローラ14の他の構成要素に接続して、それらへの電力を調節することが意図される。ポンプ50はダイヤフラムポンプでもよいことが想定される。
【0041】
コントローラ14には、後述するように、静脈再充満検出中のブラッダの圧力を監視する場合、ポンプ50を通じた空気の逆流を防ぐチェック弁54が含まれる。圧力リリーフ弁56が空圧回路に配置されており、圧迫スリーブに過大圧力が加わるのを保護する。圧力リリーフ弁56は、必要に応じて過大空気圧を流出するよう構成する。例えば、バネ負荷プランジャ弁等の各種弁が利用できることが意図される。
【0042】
弁マニホルド52は、出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、40cにそれぞれ結合するソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cを含む。各ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、コントローラ14のコントロールプロセッサを介して電気的に駆動される関連のソレノイドを有する。ソレノイドは、それぞれの特定ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cの弁シートに結合し、それによりソレノイドが動作すると、シートが、個々のソレノイド弁を開閉するよう動作する。例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、Bockらの米国特許第5,876,359号に記載のソレノイド弁を参照のこと。コントローラ14のコントロールプロセッサには、圧迫処置システム10の多種多様な状況、他の指示、およびコントローラ14の構成要素が感知した測定値に応じて、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cを動作させるための、当業者に周知の必要な電子回路、回路構成、ソフトウエア等が含まれることが意図される。また、一個または複数のソレノイド弁を利用することができ、また代替として他の種類の弁を用いてもよいことが想定される。
【0043】
ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60c、およびそれらに結合する弁構成要素は、ハウジング12内のポート38、40に取り付けられる。ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、3回路2接点の常時閉の弁であり、それぞれが開口部62a、62b、62c、64a、64b、64cを有する。開位置においては、空気は開口部62a、62b、62c、64a、64b、64cを通って、関連する出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、40cに流れ、圧迫スリーブ46の膨張チャンバ46a、46b、46c、および圧迫スリーブ48の膨張チャンバ48a、48b、48cに流れ込む。閉位置においては、開口部62a、62b、62c、64a、64b、64cは遮断され、圧迫スリーブ46、48からの空気は、出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、40cを通り、関連の弁の排気ポート66a、66b、66c、68a、68b、68cを通って逆流し、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48cを収縮させる。
【0044】
ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、コントローラ14のコントロールプロセッサのもとで、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48cを加圧するよう順次動作し、その順次の加圧およびチャンバの排気を提供する。ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、スリーブの冷却動作が所望される場合、選択的に動作可能であることが想定される。Bockらの米国特許第5,876,359号を参照のこと。
【0045】
ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、コントローラ14のコントロールプロセッサが提供するパルス幅変調信号で駆動する。ソレノイド駆動信号は、ソレノイド弁を急速かつ積極的に動作させるために最初は高出力レベルである。開始動作後、例えば約70%まで駆動信号を低下させて弁動作を維持し、それにより電力消費を低減できる。ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、所望に応じて停止してもよい。更に、コントローラ14のコントロールプロセッサは、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cの状態を照合する能力を含むものであってもよい。ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cの状態が変化するとき、コントロールプロセッサはその状態を照合する。例えば、特定の弁の短絡または排気が検出された場合、圧迫処置システム10は、後述するように特定のエラーモードに入る。
【0046】
コントローラ14は、ハウジング12内に配置した圧力変換器66も含む。圧力変換器66は空圧回路に結合され、ポンプ50と、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cとの間にチューブ等を介して配置される。圧力変換器66は、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48c毎の圧力を監視するために、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48cと流体連通している。コントローラ14のコントロールプロセッサは、圧力変換器66に指示を出して、それぞれのソレノイド弁に接続されることによって流体連通している膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48cの何れかを測定させる。ソレノイド弁の前の、空圧回路のマニホルド側に圧力変換器66を配置するのは、膨張チャンバ内の圧力を測定するのに単一の圧力変換器だけですむという利点がある。この構成により、一つまたは複数の膨張チャンバの膨張が容易になる。この構成は、コントローラ14が嵩張らないようにして、圧迫処置システム10の小型、軽量設計に貢献する利点もあり、携行者、患者の移動を容易にし、製造コストを削減する。
【0047】
例えば、選択した圧迫サイクル中に、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48cを順次加圧するために、電圧が順次印加されて開位置となる。この開位置で、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、ポンプ50からの空気を、それぞれの出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、40cを通じて膨張チャンバに通過させる。圧力変換器66は、膨張チャンバ46a、46b、46c、48a、48b、48c毎の空圧回路の圧力を監視し、フィードバック制御のために、電気信号入力をコントローラ14のコントロールプロセッサに提供する。
【0048】
選択した圧迫サイクルの最後に、ポンプ50をスリーブ46、48から切り離すために、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、電圧を同時に遮断されて閉位置となる。閉位置では、ポンプ50の空気は遮断され、ソレノイド弁58a、58b、58c、60a、60b、60cは、弁マニホルド52の排気ポート66a、66b、66c、68a、68b、68cを介して、スリーブ圧力を大気圧に開放する。圧迫処置システム10は、第1の四肢と第2の四肢との間で、チャンバを交互に膨張させることができる。更に、圧迫処置システム10は各ブラッダを個々に膨張させることができる。
【0049】
図6を参照すると、上記説明と類似の圧迫処置システム10が、使用のために組み立てられ、梱包されている。使用に際しては、圧迫処置システム10は、上記のようにハウジング12に配置したコントローラ14およびスリーブを含む。スリーブ112は、大腿部ブラッダ114、ふくらはぎブラッダ116、および足首ブラッダ118を含む。スリーブ112は、チューブを介してポート38に接続する組合せコネクタ42と対になるコネクタ120を含む。コネクタ120は、チューブセット122を介してスリーブ112のチャンバと流体連通している。従って、この構成は、ブラッダ114、116、118と、ポンプ50との間の流体連通を容易にする。コネクタ120は流体の流れを制御する弁機構を更に含む、ということも意図されている。
【0050】
スリーブ112は対象者(不図示)の脚L廻りに配置するよう提供されて、操作される。コネクタ120を組合せコネクタ42と噛合わせて、スリーブ112と空圧回路との間の流体連通を確立する。スリーブ112は脚L廻りに巻き付けられ、フックループパッド(マジックテープ(登録商標))124、126を介して脚に締結される。圧迫処置システム10は、ポート40への接続を介して、スリーブ112と類似の圧迫スリーブで、対象者の第2の脚を処置できる点が意図される。第2の脚は、代替として下記に説明するように、脚Lの処置に対する下記の圧迫サイクルと交互の圧迫サイクルで処置する。
【0051】
上記説明のハウジング12およびコントローラ14の携帯機能は、携行および患者の移動を容易にする圧迫処置システム10を提供する。この利点が多い構成は、システムを治療施設内のどこで用いても、中断することなくDVT予防を提供するので、患者は、危険な期間全体に亘って連続的に装着して使用できる。圧迫処置システム10は、例えば検査のための搬送、入浴、理学療法等の患者の活動および課題実行の間でも継続的な血管治療が容易になるという利点がある。圧迫処置システム10は、電源コード26をコンセントに差し込まない場合でもバッテリ28で動作するコントローラ14を提供することにより、治療の中断を防ぎ、かつ快適、小型、軽量なので、必要に応じて患者とともに移動できる。
【0052】
コントローラ14のコントロールパネル32の手動スイッチにより電源を投入して圧迫処置システム10をオンにする。圧迫処置システム10のスイッチを初めにオンにしたとき、一連の自己テストが、コントローラ14のコントロールプロセッサにより実施される。ディスプレイ36のLEDインジケータが点灯し、可聴指示が鳴って、視覚的、聴覚的にインジケータの動作が検証される。ディスプレイ36が点灯しディスプレイ動作が検証される。コントローラ14もコントロールプロセッサのソフトウエア動作が検証される。何れかの検証に失敗した場合、エラーコードが、それを表す聴覚的および/または視覚的指示を提供する。
【0053】
コントローラ14のコントロールプロセッサが正常なソフトウエア実行を継続できない場合、エラーコードが生成されることが意図されている。これにより、圧迫処置システム10がリセットされ、正常動作が再開される。スリーブ112は、再開手順の間、排気することになる。聴覚的および視覚的指示が組み合わされて状況が表わされるようにしてもよい。
【0054】
処置システム10に対する自己テストの順次圧迫が完了すると、コントローラ14はスリーブ検出手順を開始して、ポート38、40に取り付けられたスリーブの種類を判定する。スリーブ検出は、初めにコントローラ14の電源をオンにした後の、最初の膨張(検出)サイクルの間に実行される。検出サイクル中は、2秒間または圧力が既定の閾値に達するまで動作するポンプ50により、空気がポート38、40を通じて交互に配送される。1秒後に、圧力変換器66が圧力を測定し、ブラッダが特定の出力ポート38a、38b、38c、40a、40b、または40cに接続されているかどうかをスリーブ検出に基づいて判定する。
【0055】
例えば、検出手順は、スリーブポート38、40のそれぞれに対するブラッダ114、116、118について実施される。ブラッダと接続する特定の出口ポートに背圧が加わっていない場合、コントローラ14のコントロールプロセッサは、特定の出口ポートにブラッダが用いられていないと判定する。コントロールプロセッサは、検出したスリーブ構成に対する圧迫治療をしかるべく調整する。コントローラ14に接続されている場合、3−ブラッダスリーブでは、背圧がブラッダ114、116、118で検出される。この手順で、ポート38または40の何れかにスリーブが検出されない場合、または検出した構成が認識されない場合、低圧エラーが、対応の聴覚的指示により生成されることが意図されている。更に、特定の用途の要求に従い、膨張および圧力の測定値を検出するために各種タイミング期間が利用できることも意図されている。
【0056】
代替として、大腿部ブラッダ114は、ふくらはぎブラッダ116から取り外される。例えば、ふくらはぎブラッダ116は、穿孔付アタッチメントを介して大腿部ブラッダ114へ取り外し可能に接続されている。例えば、出願の全内容を引用して本明細書に組み込んだ、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,607号、発明の名称「圧迫装置」、に記載されたスリーブを参照のこと。取り外し可能な大腿部ブラッダ114に対して、コントローラ14のコントロールプロセッサは、上記説明に類似のスリーブ検出手順を実行する。コントロールプロセッサは、コネクタ120に固定した流量制限弁(不図示)により、3―ブラッダスリーブを検出する。例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,639号、発明の名称「流体導管コネクタ装置」に記載の流量制限弁を参照のこと。流量制限弁は、接続されたブラッダが実際には存在しない場合、大腿部ブラッダ114により創出される背圧をシミュレーションする。従って、3−ブラッダの大腿部の長さのスリーブから2−ブラッダの膝の長さのスリーブへの切換えが、圧迫パラメータに重大な影響を与えることはなく、コントローラ14は、大腿部ブラッダ114が依然として存在しているかのごとく血管治療を続ける。
【0057】
代替の実施の形態では、図7に示すように、スリーブ112は、大腿部ブラッダ114および一体になった第2のブラッダ218を含む。第2のブラッダ218は、ふくらはぎ部分220および足首部分222を有する。ポンプ50は、穿孔等による大腿部ブラッダ114のオプション的な取り外しを含めて上記説明と類似のものを利用するために、弁コネクタ224および別々のチューブ226、228を介して、スリーブ112と流体連通する。
【0058】
圧迫処置システム10に対する一つの特定圧迫サイクルでは、圧迫パラメータは、膨張ブラッダ114、116、118に対する11秒膨張期間と、続いて収縮ブラッダ114、116、118に対する60秒の排気とを含む。11秒膨張期間は順次式である。
1)最初に足首ブラッダ118が、0秒時に始まる第1時間期間中に膨張する。
2)その後であって第1時間期間中に、ふくらはぎブラッダ116の膨張が、第2時間期間中開始される。第2時間期間の開始は、第1時間期間の約2.67秒経過時に一致する。
3)その後であって第2時間期間中に、大腿部ブラッダ114の膨張が第3時間期間中開始される。第3時間期間の開始は、第2時間期間の約3.0秒経過時であって、第1時間の約5.67秒経過時である。
4)11秒の第1時間期間後、ブラッダ114、116、118は最低20秒間、最高60秒間は排気される。例を以下の表1に示す。
【表1】

【0059】
排気時間期間は、脚Lに加える一膨張サイクルの終了から、次の膨張サイクルの開始までを測定するものと意図される。更に、対象者の両四肢が処置され、圧迫処置システム10が脚Lから第2の脚まで血管治療を交互に施すことも意図される。また、脚Lについての膨張サイクル終了から、第2の脚についての膨張サイクル開始までの時間は、例えば、4.5〜24.5秒の範囲とすることができる。
【0060】
上記のような脚Lを処置するための最初の膨張サイクルの間、ポンプ50は、ブラッダ114、116、118を最初のサイクルで過大に膨張させないよう既定の低い電圧で開始する。ソレノイド弁58a、58b、58cは、上述のように電圧が印加されて開位置とされ、それにより弁が開いて、スリーブ112の足首ブラッダ118、次いでふくらはぎブラッダ116、次に大腿部ブラッダ114に、所望のサイクルタイミングシーケンスに従い空気を配送する。圧力変換器66は、11秒間圧迫サイクル全体に亘って、ブラッダ114、116、118のそれぞれの圧力を監視する。膨張サイクル完了時は、ポンプ50が停止し、ソレノイド弁58a、58b、58cへの通電が遮断されて閉位置とされ、排気ポート66a、66b、66cを通じてブラッダ114、116、118が収縮する。
【0061】
対象者の第2の脚に血管治療を施す場合、ソレノイド弁60a、60b、60cは上記のように印加されて開位置となり、それにより弁が開いて、スリーブ112と類似の、第2の脚廻りに配置したスリーブの対応するブラッダへ、所望のサイクルタイミングシーケンスを用いて空気が配送される。圧力変換器66は、11秒間圧迫サイクル全体に亘って、対応ブラッダのそれぞれの圧力を監視する。膨張サイクル完了時には、ポンプ50が停止し、ソレノイド弁60a、60b、60cへの通電が遮断されて閉位置とされ、排気ポート68a、68b、68cを通じて対応するブラッダが収縮する。更に、第2の脚の処置のための膨張サイクルは、脚Lの処置のための膨張サイクル完了後、約24.5秒時に開始できることが意図される。この処理は、両脚に関連するサイクルに対して繰り返すことができる。これ以外にも、他のサイクル時間が想定される。
【0062】
本実施の形態では、膨張サイクル中に、圧力変換器66により測定されてコントローラ14のコントロールプロセッサに中継される、ブラッダ114、116、118の圧力およびは対応する信号は、傾斜がついたままであり、足首ブラッダ118の圧力は、ふくらはぎブラッダ116の圧力より高く、ふくらはぎブラッダ116の圧力は、大腿部ブラッダ114の圧力より高い。サイクル最後の圧力は、例えば、足首ブラッダ118で45mmHg、ふくらはぎブラッダ116で40mmHg、そして大腿部ブラッダ114では30mmHgであることを含む。例を次の表2に示す。圧迫処置システム10がオフにされるか、またはコントローラ14が聴覚または視覚指示によりエラーコードを指し示すまで、このサイクルパターンで圧迫が継続することが意図される。また、他のサイクル圧力も想定される。
【表2】

【0063】
説明した脚Lに対する最初の膨張サイクルに続く膨張サイクルでは、圧力変換器66により取得された圧力測定値に従って圧力フィードバック調整を行うことができる。脚Lに対する最初の膨張サイクルの完了時に、足首ブラッダ118のサイクル最後の圧力が圧力変換器66により測定され、コントローラ14のコントロールプロセッサにより、設定圧力である45mmHgと比較される。足首ブラッダ118の圧力が設定圧力より高いかまたは低い場合、ポンプ50の回転数の対応する増減を要求して、圧力配送を増減する。ポンプ回転数の調整は以下の計算に基づく:
調整=|45−P|、ここで、P=足首部の圧力
【0064】
圧力が設定圧力未満の場合、次のサイクルのポンプ回転数は調整量だけ増加させる。圧力が設定圧力より高い場合、次のサイクルのポンプ回転数は調整量だけ減少させる。調整処理は、設定圧力範囲到達後も継続することが意図される。更に、圧迫処置システム10は、コントローラ14に接続したスリーブそれぞれに対して別々のポンプ回転数に調整できることも意図される。また、他の順次式圧迫サイクルも意図している。
【0065】
代替の実施の形態において、圧迫処置システム10は静脈再充満時間測定を実行する。静脈再充満時間(VRT)測定は、圧迫の後で、四肢の静脈が血液で完全に再充満した時間を決定する空気のプレチスモ技法である。例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、Watson他の米国特許第6,231,352号に記載の静脈再充満時間測定を参照。VRTは、血液が静脈内部に停留する時間量を最小にする。例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、Watson他の米国特許第6,231,352号に記載の静脈再充満時間測定を参照。VRTは、VRTが20〜60秒の間にある限り、既定の休止時間(60秒)に代えて置き換えられる。VRTが20秒未満の場合は20秒の既定値を用いる。VRTが60秒を超える場合は最大値の60秒を用いる。VRT測定は、システムが最初に設定圧力に達した時に行い、その後は30分に一回行う。VRT技法およびアルゴリズムは、スリーブおよび足の圧迫の両方に用いることができると意図される。
【0066】
VRT測定は、低い圧力をふくらはぎブラッダに加えた場合の空気プレチスモ技法を用いる。静脈が血液で充満すると、ふくらはぎブラッダの圧力は定常状態に達するまで増加する。圧力が定常状態になる時間がVRTである。2つのスリーブがコントローラ14に接続されている場合、VRTは圧迫されている四肢毎に別々に決定され、二つの測定値の大きい方が、圧迫サイクルの新しい排気時間として用いられる。スリーブ毎のVRT測定は、それぞれの特定のスリーブが設定圧力に達する時に独立して実行する。しかし、排気時間は、VRT測定値が両スリーブに対して計算されるまで更新しない。
【0067】
例えば、圧迫処置システム10は、システムが血管治療を開始した後に、VRT測定値を利用できる。引き続き、30分が経過した後、VRT測定を次の完全膨張サイクルで実行する。上記スリーブの何れかが膨張した後、特定スリーブのブラッダが、既定の膨張サイクルでは排気されてゼロまで低下する。
【0068】
選択したブラッダの圧力は監視され、ブラッダの排気は圧力が5〜7mmHgに低下すると閉じられることが意図される。現サイクルでブラッダ圧力が5〜7mmHgになると、VRT測定が行われる。ブラッダ圧力が5〜7mmHgまで排気しても下がらない場合、排気時間は現在の値のままにして、別の測定を30分内に行う。エラーが発生すると、それに対応する警告が聴覚的および/または視覚的に提供される。
【0069】
VRT測定アルゴリズムは、選択したブラッダ内の圧力が圧迫後に、定常状態になる時間を決定する。VRTは、両脚に対して別々に決定される。2つの再充満時間の長い方が、新しい排気時間として用いられる。圧迫が一方の脚だけに加えられる場合、その脚に対するVRTが新しい排気時間として用いられる。VRT測定アルゴリズムは、選択したブラッダが5〜7mmHg(ブラッダが脚の表面に接触したままになるのに十分な圧力)に達し、排気の停止後に生じる膨張サイクル終了から開始する時間カウンタにより開始される。VRT測定は、膨張サイクル終了から開始される時間カウンタにより開始される。
【0070】
次いで、選択したブラッダ内の圧力を監視する。例示にすぎないが、圧力は、10秒間の移動サンプルウィンドウにより監視する。ウィンドウは1秒間隔で移動する。ウィンドウ内の最初と最後の値の差が約0.3mmHg未満の場合、曲線は定常状態に達している。VRT測定は終了したと見なされ、時間間隔が決定される。ウィンドウの最後は、四肢内の静脈系が再充満した時点であると見なされる。
【0071】
独立したVRT測定により、選択したブラッダは、同一の四肢における次の圧迫サイクルが開始される前に少なくとも15秒間排気できる。安全率として、測定した再充満時間に5秒を加えて、四肢があまり早く圧迫されないようにする。意図する点は、排気時間は、測定した再充満時間+5秒に等しくすることである。例えば、患者が運動した結果、サンプルウィンドウ内の標準偏差が高すぎて測定エラーとなることがある。この場合は計算を破棄し、VRTの旧値を用いる。測定中のいずれかの時間に、選択したブラッダの圧力が2mmHg未満の場合、VRT測定をエラーと見なし、計算を破棄し、VRTの旧値を用いる。これはシステムに洩れがある場合に起きることがある。VRT測定中のいずれかの時間に、圧力が20mmHgを超える場合、VRTの旧値を用いるということも意図される。更に、VRT計算を両脚に対して行った場合、両脚の長い方のVRTを用いることも意図される。VRTが60秒を超える長さになると計算される場合、60秒の値を用いるということも想定される。VRTが20秒未満と計算される場合、20秒の値を用いる。
【0072】
代替として、圧迫処置システム10は、以下のエラーコードの内の一つ、複数、または全てを利用して、システムエラーまたは欠陥の聴覚的および/もしくは視覚的な指示を提供する。これらの特徴は、血管治療中の対象者への安全を強化するという利点がある。幾つかのエラー状況では、圧迫処置システム10は警告を発し、特定の圧迫サイクルを停止するようにしてもよい。圧迫処置システム10は、ユーザに圧迫処置システム10をリセットさせることを惹起するようにエラーインジケータを点滅し、また連続信号を吹鳴すること等が意図される。コントローラ14は、以下のエラー状況の一つ、複数、または全てに対してエラー警告を提供してもよい。すなわち、設定圧力を超過して検出された圧力を含む高圧エラー;設定圧力未満で検出された圧力、およびスリーブなしが検出された場合を含む低圧エラー;膨張サイクル内で所望パラメータを外れた膨張サイクル内で決定された圧力を含むシステム圧力エラー;弁エラー;ソフトウエアエラー;ポンプエラー;排気および収縮エラー;バッテリーエラー;および、規定の環境条件の外側にあると検出された温度を含む温度エラー。
【0073】
代替の実施の形態では、図8に示すように、上記説明したものと類似の圧迫処置システム10は、対象者の脚に血管治療を施すように構成した足スリーブ312を含む。足スリーブ312は、空気で膨張して足に圧力印加を提供し、次いで収縮するブラッダ314を含む。例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,604号、発明の名称「圧迫装置」、に記載のスリーブを参照。
【0074】
ポンプ50は足スリーブ312と流体連通する。スリーブ312は、チューブ44を介してポート40と接続される組合せコネクタ42と対になるコネクタ316を含む。弁コネクタ316は、チューブ318を介してスリーブ312のブラッダ314と流体連通する。従って、この構成により、ブラッダ314とポンプ50との間の流体連通が容易になる。足スリーブ312は、足の甲を横断するフックループ型締結具のフラップ320、およびフックループ型締結具の足首ストラップ322を介して、足の側面部分廻りを包む。
【0075】
処置システム10に対し、上述と同様の自己テストの順次圧迫が完了すると、コントローラ14はスリーブ検出手順を開始して、ポート38、40に取り付けられたスリーブの種類を判定する。足スリーブ312に関して、出口ポート40bと接続するブラッダ314に対応する背圧をコントローラ14のコントロールプロセッサが検出する。圧迫処置システム10は、上記のように、交互の膨張サイクルで、足スリーブ312を付けた対象者の第2の脚の足を処置し、同様に脚Lを処置できることが意図される。
【0076】
脚スリーブ312に対する一つの特定の例示の圧迫サイクルでは、圧迫パラメータには、5秒の膨張時間、続いて60秒の排気が含まれる。例を次の表3に示す。
【表3】

【0077】
意図する点は、排気時間は、対象者の足に加える一膨張サイクルの終了から、次の膨張サイクルの開始までが測定されることである。更に、対象者の両四肢が処置され、圧迫処置システム10が、脚Lから第2の脚まで血管治療を交互に施すことも意図される。また、脚Lの膨張サイクル終了から、第2の脚の膨張サイクル開始までの時間は、7.5〜27.5秒の範囲とすることができることが想定される。
【0078】
対象者の足を処置するための最初の膨張サイクルの間は、ポンプ50は、上述したようにブラッダ314を最初のサイクルで過大に膨張させないよう既定の低い電圧で開始する。ソレノイド弁60bは、上述のように電圧が加えられて開位置となり、それにより弁が開いて、ブラッダ314に所望のサイクルタイミングシーケンスを用いて、空気を配送する。圧力変換器66は5秒間の圧迫サイクル全体に亘って、ブラッダ314の圧力を監視する。膨張サイクル完了時は、ポンプ50が停止し、ソレノイド弁60bは通電が遮断されて閉位置となり、ブラッダ314が排気ポート68bを通じて収縮する。
【0079】
対象者の第2の脚に血管治療を施す場合、ソレノイド弁58bは、上述のように電圧が加えられて開位置となり、それにより弁が開いて、足スリーブ312と同様に、他の脚廻りに配置したスリーブの対応するブラッダに所望のサイクルタイミングシーケンスを用いて、空気が配送される。例えば、圧力変換器66は、5秒間の圧迫サイクル全体に亘って、対応するブラッダの圧力を監視する。膨張サイクル完了時には、ポンプ50が停止し、ソレノイド弁58bは通電が遮断されて閉位置となり、対応するブラッダは、排気ポート66bを通じて収縮する。更に、第2の足の処置の膨張サイクルは、足スリーブ312により処置される足を処置するための膨張サイクルの完了後、約27.5秒時に開始できることが想定される。この処理は、両足に適したサイクルで繰り返すことができ、代替として、第1の脚の足スリーブおよび第2の脚の脚スリーブに対して繰り返すことができる。意図する点は、圧迫処置システム10は、スリーブおよび足覆いの任意の組合せに交互の圧迫を提供でき、このような組合せを利用する場合、例えば、追加の排気タイミングの6秒バッファを、足の膨張サイクル後の全ての排気時間に追加する。それにより、全体のタイミングは、既定のスリーブ圧迫パラメータと一貫性を保つ。他のサイクル時間も考えられる。
【0080】
本実施の形態では、圧力変換器66に測定された圧力およびコントローラ14のコントロールプロセッサに中継された対応する信号に対するブラッダ314の目標の圧力は、例えば130mmHgである。意図する点は、圧迫処置システム10がオフにされるか、またはコントローラ14が聴覚的または視覚的指示によりエラーコードを指示するまで、このサイクルパターンで圧迫が継続する。
【0081】
上述した足スリーブ312に対する最初の膨張サイクルに続く膨張サイクルで、圧力変換器66が取得した圧力測定値に従った圧力フィードバック調整を行うことができる。足スリーブ312に対する最初の膨張サイクルの完了時に、ブラッダ314のサイクル最後の圧力が圧力変換器66により測定され、コントローラ14のコントロールプロセッサにより、130mmHgの設定圧力と比較される。足首ブラッダ314の圧力が設定圧力より高いか、低い場合、ポンプ50の回転数の対応する増減を要求して、圧力配送を増減する。ポンプ回転数の調整は以下の計算に基づく:
調整=|130−P|、ここで、P=足部の圧力
【0082】
圧力が設定圧力未満の場合、次のサイクルのポンプ回転数は調整量だけ増加させる。圧力が設定圧力より高い場合、次のサイクルのポンプ回転数は調整量だけ減少させる。意図する点は、調整処理は、設定圧力範囲に達した後も継続することである。更なる意図は、圧迫処置システム10はコントローラ14に接続したスリーブそれぞれに対して、別々のポンプ回転数に調整できることである。他の順次式圧迫サイクルも考えられる。
【0083】
言うまでもなく、本明細書に開示した実施の形態に多様な改変を行うことができる。従って、上記説明は、制限のためと解釈すべきではなく、単に多様な実施の形態の例示にすぎない。当該技術に精通する者は、本明細書に付帯する特許請求の範囲および精神の範囲内で他の改変を想定できよう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
新規性があると確信する本開示の目的および特徴を、付帯の請求項で詳細に説明する。更なる目的および利点と併せた操作の体系および手法の両方に関する本開示は、以下に説明する付帯の図面と関連させた以下の説明を参照することにより最良の理解を得ることができる。
【図1】図1は、本開示の原理による圧迫処置システムの特定の一実施の形態の正面図である。
【図2】図2は、図1に示す圧迫処置システムの側面図である。
【図3】図3は、図1に示す圧迫処置システムの上面図である。
【図4】図4は、図1に示す圧迫処置システムの背面図である。
【図5】図5は、図1に示す圧迫処置システムの空圧回路の略図である。
【図6】図6は、図1に示す圧迫処置システムの四肢廻りに配置されるスリーブの平面図である。
【図7】図7は、図6に示すスリーブの代替の実施の形態である。
【図8】図8は、図6に示すスリーブの別の代替の実施の形態である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫処置システムであって:
四肢廻りに支持される第1ブラッダ;
前記四肢廻りに支持される第2ブラッダであって、前記両ブラッダは流体源と流体連通し、前記両ブラッダは、前記第1ブラッダが第1時間期間膨張し、前記第2ブラッダが第2時間期間膨張するように、膨張し、前記第2時間期間は前記第1時間期間内に開始され;および、
前記第1ブラッダおよび前記第2ブラッダと連通する単一の圧力センサ;を備える圧迫処置システム。
【請求項2】
加圧された前記流体源および前記圧力変換器と連通するコントローラを更に備え、前記コントローラは前記ブラッダの圧力を監視して、調節するよう構成される、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項3】
前記コントローラが、携帯式ハウジングに配置される、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項4】
前記ハウジングが、複数のブラッダと接続可能な複数のポートを含む、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項5】
前記圧力変換器は前記複数のポート毎に圧力を監視して、ブラッダがそこに接続されているかどうかを判定し、前記コントローラにそれを表す信号を送る、
請求項4の圧迫処置システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記複数のブラッダの膨張を調節する別々の弁を含む、
請求項2の圧迫処置システム。
【請求項7】
更に空圧回路を形成し、
前記圧力変換器は、前記空圧回路に結合されて、加圧された前記流体源と前記空圧回路内の弁との間に配置される、
請求項6の圧迫処置システム。
【請求項8】
前記圧力変換器は、前記ブラッダ毎の圧力を監視するよう構成される、
請求項7の圧迫処置システム。
【請求項9】
前記圧力変換器と連通する足ブラッダを更に備える、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項10】
圧迫処置システムであって:
四肢廻りに支持される第1ブラッダ;
前記四肢廻りに支持される第2ブラッダであって、前記第1および第2ブラッダは流体源と流体連通し、前記第1および第2ブラッダは、前記第1ブラッダが第1時間期間膨張し、前記第2ブラッダが第2時間期間膨張するように、膨張し、前記第2時間期間は前記第1時間期間内に開始され;
足廻りに支持された第3ブラッダであって、前記第3ブラッダは前記流体源と流体連通し;および、
前記ブラッダと連通する単一の圧力センサ;を備える圧迫処置システム。
【請求項11】
加圧された前記流体源が、前記四肢廻りに配置した前記ブラッダおよび前記足廻りに配置した前記ブラッダを交互に膨張させる、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項12】
加圧された前記流体源および前記圧力変換器と連通するコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記ブラッダの圧力を監視して、調節するよう構成される、
請求項10の圧迫処置システム。
【請求項13】
前記コントローラが、携帯式のハウジングに配置される、
請求項11の圧迫処置システム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記ブラッダの膨張を調節する別々の弁を含む、
請求項11の圧迫処置システム。
【請求項15】
更に空圧回路を形成し、
前記圧力変換器は、前記空圧回路に結合されて、加圧された前記流体源と前記空圧回路内の弁との間に配置される、
請求項14の圧迫処置システム。
【請求項16】
前記圧力変換器は、前記ブラッダ毎の圧力を監視するよう構成される、
請求項10の圧迫処置システム。
【請求項17】
圧迫処置システムであって:
第1の四肢廻りに支持される第1の複数のブラッダ;
第2の四肢廻りに支持される第2の複数のブラッダであって、前記ブラッダは流体源と流体連通し、前記ブラッダは:
前記第1の複数のブラッダの第1ブラッダが第1時間期間膨張し、前記第1の複数のブラッダの第2ブラッダが第2時間期間膨張し、前記第2時間期間は前記第1時間期間内に開始され;
前記第2の複数のブラッダの第1ブラッダが第3時間期間膨張し、前記第2の複数のブラッダの第2ブラッダが第4時間期間膨張し、前記第4時間期間は前記第3時間期間内に開始される;よう膨張し;および、
前記ブラッダと連通する単一の圧力センサ;を備える圧迫処置システム。
【請求項18】
携帯式ハウジングに配置されるコントローラを更に備え、前記コントローラは、加圧された前記流体源および前記圧力変換器と連通し、前記コントローラは前記ブラッダの圧力を監視して、調節するよう構成される、
請求項17の圧迫処置システム。
【請求項19】
前記加圧流体源が、前記第1の四肢廻りに配置した前記ブラッダおよび前記第2の四肢廻りに配置した前記ブラッダを交互に膨張させる、
請求項1の圧迫処置システム。
【請求項20】
圧迫処置システムであって:
第1の四肢廻りに支持される第1の複数のブラッダ、および第2の四肢廻りに支持される第2の複数のブラッダ;
前記第1の複数のブラッダおよび前記第2の複数のブラッダの各ブラッダは、それらと連通する別々の弁を有し、前記弁は流体源と流体連通し、前記ブラッダは:
前記第1の複数のブラッダの第1ブラッダが第1時間期間膨張するように第1弁が開き、前記第1の複数のブラッダの第2ブラッダが第2時間期間膨張するように第2弁が開き、前記第2時間期間は前記第1時間期間内に開始され、前記第1の複数のブラッダの第3ブラッダが第3時間期間膨張するように第3弁が開き、前記第3時間期間は前記第2時間期間内に開始される;とともに、
前記第2の複数のブラッダの第1ブラッダが第4時間期間膨張するように第4弁が開き、前記第2の複数のブラッダの第2ブラッダが第5時間期間膨張するように第5弁が開き、前記第5時間期間は前記第4時間期間内に開始され、前記第2の複数のブラッダの第6ブラッダが第6時間期間膨張するように第6弁が開き、前記第6時間期間は前記第5時間期間内に開始される;よう膨張し;
前記ブラッダと連通する単一の圧力センサ;および、
前記加圧流体源および前記圧力変換器と連通し、前記ブラッダの圧力を監視して、調節するよう構成されるコントローラ;を備える圧迫処置システム。
【請求項21】
圧迫処置システムであって:
四肢廻りに支持される第1および第2のブラッダ;
前記第1および第2のブラッダの圧力を監視するための圧力変換器;
流体源に関して流体の流れを制御するためのチェック弁;を備え、前記第1および第2のブラッダ、圧力変換器、およびチェック弁は、前記流体源と流体連通している;圧迫処置システム
【請求項22】
前記流体源および前記圧力変換器と連通するコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記ブラッダ内の圧力を監視して、調節するよう構成される、
請求項21の圧迫処置システム。
【請求項23】
前記ハウジングが、複数のブラッダに接続可能な複数のポートを含む、
請求項21の圧迫処置システム。
【請求項24】
前記圧力変換器が前記複数のポート毎に圧力を監視して、ブラッダがそこに接続されているかどうかを判定し、前記コントローラにそれを表す信号を送る、
請求項23の圧迫処置システム。
【請求項25】
圧迫処置システムであって:
四肢廻りに支持される少なくとも一つのブラッダ;
前記少なくとも一つのブラッダ毎の圧力を監視するための圧力変換器;および、
流体源に関して流体の流れを制御するための、前記流体源と前記圧力変換器との間に配置されるチェック弁;を備える圧迫処置システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−522889(P2007−522889A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554296(P2006−554296)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/005598
【国際公開番号】WO2005/082314
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(501100342)タイコ・ヘルスケアー・グループ・エルピー (20)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Healthcare Group LP
【住所又は居所原語表記】15 Hampshire Street,Mansfield,Massachusetts 02048,United States of America
【Fターム(参考)】