説明

圧電超音波モーター

【課題】金属チューブの外面に圧電素子が付着された圧電超音波モーターが提供される。
【解決手段】上記圧電超音波モーターは中空形状の金属チューブと、上記金属チューブの外側面に装着される複数個の圧電素子を具備し、上記圧電素子に電気場が印加される時屈曲変形を発生させる圧電ステーターと、上記金属チューブの中空部に挿入される回転バーと、上記圧電ステーターの上面または下面と面接触するよう上記回転バーの外周面に周り方向に形成され上記圧電ステーターの屈曲変形によって回転する回転部材と、上記回転バーの一側に形成され上記回転部材の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材を具備するローター、及び上記圧電素子の駆動に必要な電源を印加する電源印加部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電超音波モーターに関するものとして、より詳しくは金属チューブの外面に圧電素子を具備する金属チューブ型圧電超音波モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に圧電超音波モーターは、圧電素子が付着された圧電ステーターと、上記圧電ステーターを接触して摩擦力により圧電ステーターの振動エネルギーを回転運動エネルギーに変換させるローターを具備している。このような圧電超音波モーターには様々な形態がある。
【0003】
一例として、特許文献1には金属チューブ型圧電超音波モーターが開示されている。
【0004】
図1a及び図1bに図示された通り、上記特許文献1には中空型の金属チューブ14と、上記金属チューブ14の外側に装着された4個の圧電素子18、20、22、24と、上記金属チューブ14の内部に収容され外周面にねじ山17を有するシャフト12と、その内周面は上記シャフト12の外周面に形成されたねじ山17と噛み合い、その外周面は金属チューブ14の中空部に挿入されるナット16と、上記シャフト12の回転を支持するブッシュ28を具備する金属チューブ型圧電超音波モーター10が開示されている。
【0005】
上記圧電超音波モーター10は圧電素子18、20、22、24に電気場が印加される時屈曲変形され、この変形力がナット16の内周面のねじ山を通じてシャフト12のねじ山17に伝達されることによりシャフト12を回転させることとなる。
【0006】
しかし、このような従来の金属チューブ型圧電超音波モーター10はナット16のねじ山とシャフト12のねじ山との間の線接触を通じ回転力を得るという点から、回転数及びトルクが小さく充分な動力を得ることが出来ないという問題がある。
【0007】
また、上記圧電超音波モーター10はシャフト12の回転によりシャフト12が金属チューブの内外側方向へ移送され、この際、上記シャフト12はナット16とブッシュ28との間に支持されるべきである。従って、上記シャフト12の長さはナット16とブッシュ28との間の距離(金属チューブの長さ)より長いよう充分な余裕寸法を有しなければならなく、これにより圧電超音波モーターの装着空間が大きくなるという問題点がある。
【0008】
一方、最近IT産業の急速な発展に伴いモバイルフォン等に装着するための超小型カメラモジュールに対する必要性が増大しており、消費者の要求に応えるため自動焦点調節機能及び/または光学ズーム機能を有する超小型カメラモジュールが出市されている。
【0009】
このような超小型カメラモジュールに具備されるレンズの移送のため、電磁気モーターと圧電駆動器(圧電超音波モーター)等が使用され得る。圧電素子を利用する圧電超音波モーターは応答速度が速く、逆駆動防止機能及び高い移送分解能を有するという点から超小型カメラモジュールのレンズ移送のための駆動器として提案されている。
【0010】
従って、このような超小型カメラモジュールのレンズ移送に適合な圧電超音波モーターが要求される。
【0011】
【特許文献1】アメリカ特許公開US2005/0052098号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記のような問題点を解決すべく、駆動が安定され発生力が増大され充分な変位を発生させることができ、カメラモジュールなど多様な装置に適用可能な圧電超音波モーターを提供することを目的とする。
【0013】
また、物体の移送に必要な変位とトルクを充分発生させることが可能な圧電超音波モーター及びこれを具備するレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【0014】
そして、モジュール化が可能で、他部品の汚染を防止できる圧電超音波モーター及びこれを具備するレンズ移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような目的を達成するための一側面として本発明は、中空形状の金属チューブと、上記金属チューブの外側面に装着される複数個の圧電素子を具備し、上記圧電素子に電気場が印加される時屈曲変形を発生させる圧電ステーターと、上記金属チューブの中空部に挿入される回転バーと、上記圧電ステーターの上面または下面と面接触するよう上記回転バーの外周面に周り方向に形成され上記圧電ステーターの屈曲変形によって回転する回転部材と、上記回転バーの一側に形成され上記回転部材の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材を具備するローターと、上記圧電素子の駆動に必要な電源を印加する電源印加部と、を含む圧電超音波モーターを提供する。
【0016】
好ましくは、上記回転部材は上記圧電ステーターの上面と面接触する上部回転部材と、上記圧電ステーターの下面と面接触する下部回転部材からなることが出来る。
【0017】
上記ローターは上記回転部材の圧電ステーターと接触する面に固定された摩擦部材をさらに具備し、上記ローターは上記圧電ステーターと上記摩擦部材の面接触を通じて回転することが出来る。
【0018】
好ましくは、上記摩擦部材または上記摩擦物質はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることが出来る。
【0019】
また好ましくは、上記摩擦部材はアルミナからなり、上記摩擦部材と接触する圧電ステーターの接触面にはアルミナからなる接触部材が固定されるたり、アルミナがコーティングされることが出来る。
【0020】
好ましくは、上記ローターは上記回転部材を上記圧電ステーター側に加圧する予圧部材をさらに具備することが出来る。
【0021】
また好ましくは、上記電源印加部は上記圧電ステーターのノーダル地点に電気場を印加する。
【0022】
一方、本発明による圧電超音波モーターは上記圧電ステーターとローターを収容するハウジング、をさらに含むことが出来る。
【0023】
また、本発明による圧電超音波モーターは上記圧電ステーターのノーダル地点(nodal point)を支持するホルダー、をさらに含むことができ、この際、上記ホルダーは上記ハウジングに形成された開口に装着され得る。
【0024】
好ましくは、上記金属チューブは円形または角形断面を有する中空チューブからなり、その外部面に上記圧電素子が装着される装着部が形成される。
【0025】
さらに好ましくは、上記金属チューブは四角形の断面を有する中空チューブからなり、上記圧電素子は上記金属チューブの各々の面ごとに一つずつ設置され得る。
【0026】
好ましくは、上記圧電素子の分極方向は各々上記圧電ステーターの中心部から外側に向かうことが出来る。
【0027】
また好ましくは、上記圧電素子の分極方向は各々上記圧電ステーターの外側から中心に向かうことが出来る。
【0028】
さらに好ましくは、上記電源印加部は各々の圧電素子に対して時計方向または時計の逆方向に90度ずつ位相差を有する電源を印加する。
【0029】
好ましくは、上記圧電素子のうち相互隣する2個の圧電素子は上記圧電ステーターの外側から中心に向かうよう分極方向が形成され、相互隣する残り2個の圧電素子は上記圧電ステーターの中心部から外側に向かうよう分極方向が形成され得る。
【0030】
さらに好ましくは、上記電源印加部は相互向かい合う圧電素子に同一位相の電源を印加し、相互隣する圧電素子に対して90度の位相差を有する電源を印加する。
【0031】
好ましくは、上記圧電ステーターと接触する上記回転部材の接触面には摩擦係数が高い摩擦物質がコーティングされ得る。
【0032】
好ましくは、上記動力伝達部材は上記回転バーの一側に形成されたリードスクリューまたはギアからなることが出来る。
【0033】
また好ましくは、上記動力伝達部材は上記回転バーの一側に具備されたベルトまたはチェーンからなることが出来る。
【0034】
他の側面として本発明は、四角形の断面を有する中空形状の金属チューブと、上記金属チューブの各々の外面ごとに一つずつ設置される4個の圧電素子を具備し、上記圧電素子に電気場が印加される時屈曲変形を発生させる圧電ステーターと、上記金属チューブの中空部に挿入される回転バーと、上記圧電ステーターの上面と面接触するよう上記回転バーの外周面に周り方向に形成され上記圧電ステーターの屈曲変形によって回転する上部回転部材と、上記回転バーに回転が制限されるよう装着され上記圧電ステーターの下面と面接触する下部回転部材と、上記回転バーの一側に形成され上記回転部材の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材を具備するローター、及び上記圧電素子の駆動に必要な電源を印加する電源印加部と、を含む圧電超音波モーターを提供する。
【0035】
好ましくは、上記ローターは上記上部回転部材の圧電ステーターと接触する面に固定された摩擦部材をさらに具備し、上記ローターは上記圧電ステーターと上記摩擦部材の面接触を通じて回転する。
【0036】
好ましくは、上記摩擦部材または上記下部回転部材はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることが出来る。
【0037】
また好ましくは、上記摩擦部材または上記下部回転部材はアルミナからなり、上記摩擦部材または上記下部回転部材と接触する圧電ステーターの接触面にはアルミナからなる接触部材が固定されるたり、アルミナがコーティングされることが出来る。
【0038】
好ましくは、上記ローターは上記上部回転部材及び下部回転部材を上記圧電ステーター側に加圧する予圧部材をさらに具備することが出来る。
【0039】
この際、上記予圧部材は上記回転バーの外周面または下部回転部材の段差に装着されるコイルスプリングからなることが出来る。
【0040】
さらに好ましくは、上記コイルスプリングは上記回転バーの他側に形成された溝に挟まれる離脱防止部材により回転バーから離脱が防止される。
【0041】
一方、上記下部回転部材と上記離脱防止部材との間には干渉雑音を最小化するようワッシャーが具備され得る。
【0042】
好ましくは、上記圧電ステーターのノーダル地点と連結される上記電源印加部の連結端子が上記圧電ステーターから分離されることを防止するよう上記圧電ステーターの外周面及び上記連結端子を囲う離脱防止ホルダーが具備され得る。
【0043】
一方、本発明による圧電超音波モーターは上記圧電ステーターとローターを収容するハウジング、をさらに含むことが出来る。
【0044】
また、本発明による圧電超音波モーターは上記圧電ステーターのノーダル地点(nodal point)を支持するホルダー、をさらに含み、上記ホルダーは上記ハウジングに形成された開口に装着され得る。
【0045】
好ましくは、上記圧電素子の分極方向は各々上記圧電ステーターの中心部から外側に向かうことが出来る。
【0046】
また好ましくは、上記圧電素子の分極方向は各々上記圧電ステーターの外側から中心に向かうことが出来る。
【0047】
さらに好ましくは、上記電源印加部は各々の圧電素子に対して時計方向または時計の逆方向に90度ずつ位相差を有する電源を印加する。
【0048】
好ましくは、上記圧電素子のうち相互隣する2個の圧電素子は上記圧電ステーターの外側から中心に向かうよう分極方向が形成され、相互隣する残り2個の圧電素子は上記圧電ステーターの中心部から外側に向かうよう分極方向が形成され得る。
【0049】
この際、上記電源印加部は相互向かい合う圧電素子に同一位相の電源を印加し、相互隣する圧電素子に対して90度の位相差を有する電源を印加することが出来る。
【0050】
好ましくは、上記圧電ステーターと接触する上記上部回転部材の接触面には摩擦係数が高い摩擦物質がコーティングされ得る。
【0051】
また好ましくは、上記電源印加部は上記圧電ステーターのノーダル地点に電気場を印加する。
【0052】
好ましくは、上記動力伝達部材は上記回転バーの一側に形成されたリードスクリューまたはギアからなることが出来る。
【0053】
また好ましくは、上記動力伝達部材は上記回転バーの一側に具備されたベルトまたはチェーンからなることが出来る。
【0054】
また異なる側面として本発明は、前述の圧電超音波モーター、及び上記圧電超音波モーターの動力伝達部材を通じて前後に移送され、少なくとも一つのレンズを具備するレンズ部と、を含むレンズ移送装置を提供する。
【発明の効果】
【0055】
本発明による圧電超音波モーターによると、駆動が安定され発生力が増大され充分な変位を発生させることができ、カメラモジュールなど多様な装置に適用可能な柔軟性を有するという効果を得ることが出来る。
【0056】
また、本発明によると圧電ステーターとローターを面接触するよう構成することにより、物体の移送に必要な変位とトルクを充分発生させ得るという効果がある。特に、圧電ステーターの上下両面と面接触するローターを具備することにより、駆動トルクと回転数が高い圧電超音波モーターを得ることが可能という有利な効果を有することとなる。
【0057】
また、本発明はPEEK、アルミナなどの適切な材料を使用することにより、圧電ステーターと回転部材との間の接触力が増大され、充分な駆動トルクと回転数を有する圧電超音波モーターを得ることが可能となる。
【0058】
また、本発明による圧電超音波モーターはモジュール化が可能であるため多様な装置に容易に適用することができ、ハウジング内に装着されることにより摩擦によって摩耗されて発生する異物質による他部品の汚染を防止できるという効果が得られる。
【0059】
そして、本発明は圧電ステーターのノーダル地点を支持するホルダーを具備することにより、圧電ステーターの振動効率を高め圧電ステーターの揺れを防止できるようになる。
【0060】
また、本発明は2相及び4相電圧印加方式など多様な電圧印加方式を利用することができ、特に4相電圧印加方式を採用する場合、接地のための構成が不要であるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、添付の図面を参照に本発明に対して説明する。
図2は本発明の第1実施例による圧電超音波モーターの分解斜視図で、図3は本発明の第1実施例による圧電超音波モーターの断面図である。
【0062】
また、図4は本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの分解斜視図で、図5は本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの要部斜視図で、図6は本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの斜視図で、図7は本発明の第2実施例による圧電超音波モーターモジュールの組立図で、図8は本発明の第2実施例による圧電超音波モーターモジュールの他の組立図である。
【0063】
本発明はチューブ形状の圧電ステーターの上面または下面と面接触して回転力を発生させる圧電超音波モーターを提供することを特徴とする。
【0064】
先ず、図2と図3を参照に本発明の第1実施例に対して説明する。
図2と図3に図示された通り、本発明による第1実施例は圧電素子120を具備する圧電ステーター100と、上記圧電ステーター100の上面111または下面112と面接触して回転するローター200と、電源印加部300を具備する圧電超音波モーター60に関する。
【0065】
図2に図示された通り、上記圧電ステーター100は中空形状で金属材質からなる金属チューブ110と、上記金属チューブ110の外側面に装着される複数個の圧電素子120を具備する。
【0066】
この際、上記圧電ステーター100は電源印加部300により圧電素子120に電気場が印加される時、屈曲変形を発生させることとなる。
【0067】
上記金属チューブ110は円形または角形断面を有する中空チューブからなり、その外部面には圧電素子120が装着される装着部が形成される。即ち、角形断面を有する中空チューブの場合に圧電素子120は各々の側面に装着され得る。また、円形断面を有する金属チューブ110の場合には弧状断面を有する圧電素子120を側面に直接装着することもでき、平面の装着部を形成した後、ここに平面を有する圧電素子120を装着することも出来る。
【0068】
一例として、図2に図示された通り、上記金属チューブ110は四角形の断面を有する中空チューブで構成されることができ、上記圧電素子120は金属チューブ110の各々の面に一つずつ計4個が設置され得る。
【0069】
この際、上記圧電素子120は図10aと図10bに図示された通り、圧電ステーター100の中心部から外側に向かう分極方向を有することもでき、図10cと図10dに図示された通り上記圧電ステーター100の外側から中心に向かう分極方向を有することも出来る。
【0070】
また、図11に図示された通り、圧電素子120のうち相互隣する2個の圧電素子123、124は上記圧電ステーター100の外側から中心に向かうよう分極方向が形成され、相互隣する残り2個の圧電素子121、122は上記圧電ステーター100の中心部から外側に向かうよう分極方向が形成され得る。
【0071】
このような分極方向を有する圧電素子120を通じ、後述する通り電源印加部300から印加される位相差により各々の圧電素子121〜124は屈曲変形され、これによってローター200の正回転または逆回転を発生させることとなる。
【0072】
図2と図3に図示された通り、上記ローター200は上記金属チューブ110の中空部に挿入される回転バー210と、上記圧電ステーター100の上面111または下面112と面接触する回転部材220と、上記回転バー210の一側に形成され上記回転部材220の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材230を含んで成る。
【0073】
この際、上記回転部材220は回転バー210の外周面に周り方向にホイール(wheel)形状で形成され、圧電ステーター100の屈曲変形によって圧電ステーター100の下面112と面接触して回転する。しかし、これとは異なり、圧電ステーター100の上面111と面接触して回転するよう構成することも出来る。
【0074】
また、上記ローター200は接触力増加による圧電超音波モーター60の回転力増大のため圧電ステーター100と接触する回転部材220の一面221に固定された摩擦部材250を具備することが出来る。
【0075】
この際、上記ローター200は上記圧電ステーター100の下面112と上記摩擦部材250の上面251との間の面接触を通じて回転することとなる。
【0076】
これとは異なり、圧電ステーター100と接触する回転部材220の一面221に摩擦係数が高い摩擦物質をコーティングすることにより接触力を増加させることが出来る。
【0077】
一例として、このような摩擦部材250または摩擦物質はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることが出来る。
【0078】
これとは異なり、上記摩擦部材250または上記摩擦物質はアルミナからなるよう構成し、上記摩擦部材250または上記摩擦物質と接触する圧電ステーター100の接触面112には、アルミナからなる接触部材(未図示)が固定されたり、アルミナがコーティングされるよう構成することも出来る。
【0079】
図2及び図3に図示された通り、圧電超音波モーター60は回転バー210の回転を支持するよう回転支持部材260を具備することが出来る。この際、上記回転支持部材260は、一側は下部ハウジング420に固定され、他側は回転バー210の回転突起211を回転可能であるよう収容する溝261が形成される。
【0080】
そして、上記圧電超音波モーター60は圧電ステーター100の上面111を収容して支持し、その中央部に形成された貫通孔151を通じて回転バー210の回転が可能であるようにするブッシュ150を具備することが出来る。
【0081】
一方、上記ローター200は上記回転部材220を上記圧電ステーター100側に加圧して接触力を増加させるよう予圧部材270を具備することが好ましい。
【0082】
このような予圧部材270は一例として、図2及び図3に図示された通り、ローター200の回転を支持する回転支持部材260と下部ハウジング420との間に具備されたコイルスプリングからなることが出来る。
【0083】
上記動力伝達部材230は回転バー210の上側に形成されたリードスクリューからなることが出来るが、ローター200の回転力を伝達できる構造であればこれに限定されない。
【0084】
例えば、上記動力伝達部材230は上記回転バー210の一側に形成されたギアからなることもでき、回転バー210の一側に具備されたベルトやチェーンからなることも出来る。
【0085】
このような動力伝達部材230はローター200の回転力を移送される物体に伝達して直線移動または回転移動させる。
【0086】
図2と図3に図示された通り、上記電源印加部300は連結端子310を通じて位相差を有する外部電源を圧電素子120に印加し、これを通じて圧電ステーター100を駆動させることとなる。
【0087】
このような連結端子310は振動効率の極大化のため圧電ステーター100のノーダル地点(nodal point)と連結されることが好ましい。
【0088】
図4ないし図8は本発明の第2実施例による圧電超音波モーター60を図示している。
【0089】
上記圧電超音波モーター60は第1実施例と同様に圧電ステーター100と、ローター200と、電源印加部300を含んで成る。
【0090】
第2実施例は圧電ステーター100の上面111と下面112の両面と面接触する回転部材220、240を具備することにより接触力及びこれによる回転力を向上させるという点を除いては第1実施例と類似である。
【0091】
特に、第2実施例は両面摩擦を利用することにより第1実施例に比べ著しく大きい駆動力が得られることとなる。
【0092】
不要な重複を避けるため同一または類似な部分に対する詳細な説明は省略し、第1実施例に対応する部品に対しては第1実施例と同一符号で表示する。
【0093】
上記圧電ステーター100は四角形の断面を有する中空形状の金属チューブ110と、上記金属チューブ110の各々の外面に一つずつ設置される4個の圧電素子120を具備し、上記圧電素子120に電気場が印加される時屈曲変形を発生させることとなり、第1実施例と同一構成を有する。
【0094】
また、電源印加部300は連結端子310を通じて位相差を有する外部電源を圧電素子120に印加し、これを通じて圧電ステーター100を駆動させることとなる。このような連結端子310は振動効率の極大化のため圧電ステーター100のノーダル地点(nodal point)と連結されることが好ましい。
【0095】
本発明の第2実施例によるローター200は金属チューブ110の中空部113に挿入される回転バー210と、上記圧電ステーター100の上面111と面接触するよう上記回転バー210の外周面に周り方向にホイール(wheel)形状で形成され上記圧電ステーター100の屈曲変形によって回転する上部回転部材220と、上記回転バー210に回転が制限されるよう装着され上記圧電ステーター100の下面112とその上面241で面接触する下部回転部材240と、上記回転バー210の一側に形成され上記回転部材220、240の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材230を具備する。
【0096】
好ましくは、接触力増加による圧電超音波モーター60の回転力増大のため、上記ローター200は上部回転部材220の下面に固定された摩擦部材250を具備することが出来る。この際、上記ローター200は上記圧電ステーター100の上面111と上記摩擦部材250の下面251との間の面接触を通じて回転することとなる。
【0097】
これとは異なり、圧電ステーター100と接触する上部回転部材220の下面に摩擦係数が高い摩擦物質をコーティングすることにより接触力を増加させることが出来る。
【0098】
一例として、このような摩擦部材250または摩擦物質はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることが出来る。
【0099】
これとは異なり、上記摩擦部材250または上記摩擦物質はアルミナからなるよう構成し、上記摩擦部材250または上記摩擦物質と接触する圧電ステーター100の接触面111にはアルミナからなる接触部材(未図示)が固定されたり、アルミナがコーティングされるよう構成することも出来る。
【0100】
また、下部回転部材240はピーク(PEEK)またはアルミナからなることが出来る。
【0101】
図4及び図6に図示された通り、圧電超音波モーター60はローター200と上部ハウジング410の組立時ローター200が円滑に回転するようブッシュ150を具備することが出来る。
【0102】
一方、上記ローター200は上記上部回転部材220及び下部回転部材240を上記圧電ステーター100側に加圧して接触力を増加させるよう予圧部材270を具備することが好ましい。
【0103】
この際、上記予圧部材270は図4に図示された通り、上記回転バー210の外周面または下部回転部材240の段差242に装着されるコイルスプリングからなることが出来る。
【0104】
好ましくは、上記コイルスプリング270は上記回転バー210の他側に形成された溝212に挟まれる離脱防止部材290により回転バー210から離脱が防止されるように出来る。この際、離脱防止部材290は図4に図示された通り、イーリング(E−ring)からなることが出来る。
【0105】
そして、上記下部回転部材240と上記離脱防止部材290との間には干渉雑音を最小化するようワッシャー280が具備され得る。
【0106】
一方、上記下部回転部材240は図4及び図5に図示された通り、回転バー210に対して回転が制限されるよう装着される。このため回転バー210には段211が形成され、上記下部回転部材240には上記段211に対応する直線部243が形成される。
【0107】
即ち、上記下部回転部材240は回転バー210の長さ方向には移動が可能となり、予圧部材270を通じた弾性力により圧電ステーター100との接触力が向上され、回転方向には拘束され圧電ステーター100との接触による回転力を回転バー210に伝達する構造を有することとなる。
【0108】
また、上記下部回転部材240は図4に図示された通り、金属チューブ110の中空部113に回転可能であるよう収容される突出部244を具備することが出来る。
【0109】
一方、図8に図示された通り、回転バー210の端部213はハウジング430、440に回転可能であるよう収容されローター200の安定的な回転を可能とする。
【0110】
上記動力伝達部材230は回転バー210の上側に形成されたリードスクリューからなることが出来るが、ローター200の回転力が伝達できる構造であればこれに限定されない。
【0111】
例えば、上記動力伝達部材230は上記回転バー210の一側に形成されたギアからなることもでき、回転バー210の一側に具備されたベルトやチェーンからなることも出来る。このような動力伝達部材230はローター200の回転力を移送される物体に伝達して物体を直線移動または回転移動させる。
【0112】
一方、本発明による圧電超音波モーター60は図2、図3、図7及び図8に図示された通り、圧電ステーター100とローター200を収容するハウジング410、420、430、440をさらに含むことが出来る。
【0113】
例えば、図2と図3に図示された通り、圧電ステーター100とローター200は上部ハウジング410と下部ハウジング420との間に収容され、上記上部ハウジング410と下部ハウジング420は結合部材413、421を通じてスナップ結合されるよう構成することが出来る。この際、図2の上部ハウジング410は電源印加部300に電源を印加するための開口411と動力伝達部材230が外部に露出されるよう貫通孔412が形成される。
【0114】
また図7と図8に図示された通り、左右に分割されたハウジング430、440内に圧電ステーター100とローター200を収容するよう構成することも出来る。この際、図7及び図8のハウジング440には電源印加部300に電源を印加するための開口441が形成され得る。
【0115】
このようなハウジング410、420、430、440の構成は一例に過ぎず、圧電ステーター100とローター200を収容するよう多様な形式のハウジングが提供されることが出来る。
【0116】
このような、ハウジング410、420、430、440を通じて圧電超音波モーター60のモジュール化が具現できることとなり、多様な移送装置に圧電超音波モーター60が適用可能であるという利点がある。
【0117】
また、ハウジング410、420、430、440を具備することにより、圧電ステーター100と回転部材220との間の摩擦により磨耗されて発生する粉塵などの異物質が他の装置を汚染させなくなるという利点を得ることが出来る。
【0118】
また、本発明による圧電超音波モーター60は図7に図示された通り、圧電ステーター100のノーダル地点(nodal point)を支持するホルダー500をさらに含み、圧電ステーター100の振動による揺れを防止できるようになる。
【0119】
この際、上記ホルダー500は圧電ステーター100の外周面を囲う中空形状に形成され得るが、その一部が開放された形態からなることも出来る。
【0120】
上記ホルダー500は、図7に図示された通り、ハウジングに形成された開口442に装着され固定されることができ、図8のように2個のノーダル地点に2個具備されることも出来る。
【0121】
また、図7に図示された通り、上記圧電ステーター100のノーダル地点と連結される上記電源印加部300の連結端子310が上記圧電ステーター100から分離されることを防止するよう上記圧電ステーター100の外周面及び上記連結端子310を囲う離脱防止ホルダー510が具備され得る。
【0122】
このような離脱防止ホルダー510は圧電ステーター100の振動による揺れを吸収するようゴムのような弾性のある材質からなることが出来る。
【0123】
図10及び図11を参照に本発明による電源印加部300の作用に対して説明する。
【0124】
図10は各々の圧電素子121〜124に時計方向または時計の逆方向に90度ずつの位相差を有する電源を印加する、4相電圧印加方式による駆動信号を例示している。
【0125】
この際、図10aと図10bは第1ないし第4圧電素子121〜124の分極方向が圧電ステーター100の中心部から外側に向かう場合で、図10cと図10dは第1ないし第4圧電素子121〜124の分極方向が圧電ステーター100の外側から中心に向かう場合である。
【0126】
この際、電源印加部300は各々の圧電素子121〜124に対して時計方向または時計の逆方向に90度ずつの位相差を有する電源を印加することとなり、これによって圧電ステーター100は屈曲変形を発生することとなる。これによって圧電ステーター100の上面または下面に面接触するローター200の回転部材220、240が回転することとなる。
【0127】
先ず、図10aに図示された通り、第1圧電素子121、第2圧電素子122、第3圧電素子123、第4圧電素子124に時計方向の順に各々90度の位相差を有するサイン波(+sin)、コサイン波(+cos)、−サイン波(−sin)、−コサイン波(−cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0128】
また、図10bに図示された通り、第1圧電素子121、第4圧電素子124、第3圧電素子123、第2圧電素子122に時計の逆方向の順に各々90度の位相差を有するサイン波(+sin)、コサイン波(+cos)、−サイン波(−sin)、−コサイン波(−cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0129】
このような図10aと図10bに図示された駆動信号を具現する電源印加部300は一つの駆動回路を通じて時計方向または時計の逆方向に90度ずつの位相差を有する電源を圧電素子121〜124に印加することとなる。
【0130】
このように、電源印加部300の回路を構成することによりローター200の回転部材220、240を時計または時計の逆方向に回転させ得ることとなり、これに伴い本発明による圧電超音波モーター60は正回転と逆回転を具現することが可能となる。
【0131】
図10cと図10dは図10aと図10bの場合と圧電素子121〜124の分極方向のみが異なるだけで駆動原理は同一である。
【0132】
即ち、図10cに図示された通り、第1圧電素子121、第2圧電素子122、第3圧電素子123、第4圧電素子124に時計向の順に各々90度の位相差を有するサイン波(+sin)、コサイン波(+cos)、−サイン波(−sin)、−コサイン波(−cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0133】
また、図10dに図示された通り、第1圧電素子121、 第4圧電素子124、第3圧電素子123、第2圧電素子122に時計の逆方向に順に各々90度の位相差を有するサイン波(+sin)、コサイン波(+cos)、−サイン波(−sin)、−コサイン波(−cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0134】
図10aと図10bの場合と同様に、このような図10cと図10dに図示された駆動信号を具現する電源印加部300は一つの駆動回路を通じて時計方向または時計の逆方向に90度ずつの位相差を有する電源を圧電素子121〜124に印加することとなる。
【0135】
このように、電源印加部300の回路を構成することにより、ローター200の回転部材220、240を時計または時計の逆方向に回転させ得ることとなり、これに伴い本発明による圧電超音波モーター60は正回転と逆回転を具現できることとなる。
【0136】
このような、4相電圧印加方式を採択する場合には別途の接地が不要であるという利点を有することとなる。
【0137】
また、本発明による圧電超音波モーター60は2相電圧印加方式によっても駆動可能である。
【0138】
図11は2相電圧印加方式による駆動信号を例示している。
図11に図示された通り、第1ないし第4圧電素子121〜124のうち相互隣する2個の圧電素子123、124は圧電ステーター100の外部から中心部に向かうよう分極方向が形成され、相互隣する残りの2個の圧電素子121、122は圧電ステーター100の中心部から外部に向かうよう分極方向が形成された場合を図示している。
【0139】
圧電素子121〜124の分極方向がこのように形成される場合には、電源印加部300は相互向かい合う圧電素子に同一位相の電源を印加し、相互隣する圧電素子に対して90度または−90度の位相差を有する電源を印加する。
【0140】
例えば、図11に図示された通り、第1圧電素子121、第2圧電素子122、第3圧電素子123、第4圧電素子124に時計方向の順にサイン波(+sin)、コサイン波(+cos)、サイン波(+sin)、コサイン波(+cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0141】
これとは異なり、第1圧電素子121、第2圧電素子122、第3圧電素子123、第4圧電素子124に時計方向の順にサイン波(+sin)、−コサイン波(−cos)、サイン波(+sin)、−コサイン波(−cos)が印加されるよう電源印加部300の回路を構成することが出来る。
【0142】
即ち、図11に図示された駆動信号を具現する電源印加部300は一つの駆動回路を通じて相互向かい合う圧電素子に同一位相の電源を印加し、相互隣する圧電素子に対して90度または−90度の位相差を有する電源を圧電素子121〜124に印加することとなる。
【0143】
このように、電源印加部300の回路を構成することによりローター200の回転部材220、240を時計または時計の逆方向に回転させ得ることとなり、これに伴い本発明による圧電超音波モーター60は2相電圧印加方式によっても正回転と逆回転を具現できることとなる。
【0144】
図9aと図9bは各々本発明による接触面の材質による力とRPMの分布を示すグラフとして入力周波数140kHz、入力電圧16Vp−pで図10の4相電圧印加方式により印加した場合である。
【0145】
この際、‘ピーク’と表示された部分の力と回転数(RPM)は、上部回転部材220に固定された摩擦部材250としてピークを使用し、圧電ステーター100の上面111と下面112に対しては別途の摩擦物質なくサス(SUS)材質を有する圧電ステーター100の面をそのまま利用し、下部回転部材240としてピークを使用した場合に対することである。
【0146】
また、‘アルミナ’と表示された部分の力と回転数(RPM)は上部回転部材220に固定された摩擦部材250としてアルミナを使用し、圧電ステーター100の上面111と下面112にはアルミナからなる接触部材(未図示)が固定され、下部回転部材240としてアルミナを使用した場合に対することである。
【0147】
このように、本発明の第2実施例により両面接触を利用し摩擦部材250等を使用する場合には、従来の500〜600RPMより著しく高い3500RPM以上の回転数を得ることが可能となり、移送に必要な充分な変位を得ることが可能となる。
【0148】
また、5mm距離で約0.010N以上の力を有することとなり、移送に必要な充分なトルクを具現できることとなる。
【0149】
従って、本発明によると物体の移送に必要な変位とトルクを充分発生させ得るという利点を有することとなる。
【0150】
図12は本発明による圧電超音波モーターを具備するレンズ移送装置50を図示している。
【0151】
上記レンズ移送装置50は前述したような構成を有する圧電超音波モーター60と、上記圧電超音波モーター60の動力伝達部材230を通じ前後に移送されるレンズ部610を含む。
【0152】
この際、上記レンズ部610はレンズバーレル611の内部に装着された少なくとも一つのレンズ612を具備し、上記レンズバーレル611はリードスクリューからなる動力伝達部材230と噛み合い動力伝達部材230の回転によって上下方向に直線移送することとなる。
【0153】
好ましくは、光軸方向の移送を具現するため上記レンズ移送装置50はレンズバーレル611の移送を案内するガイド部材620を具備することが出来る。
【0154】
一方、上記圧電超音波モーター60及びレンズ部610はケース630内に実装されカメラモジュールとして提供され得る。
【0155】
本発明による圧電超音波モーター60を含むレンズ移送装置50は前述の通り、大きい力とたくさんの回転数を有するためレンズ移送に必要な充分な変位とトルクを提供することが出来るという利点がある。
【0156】
本発明は特定の実施例に関して図示し説明されたが、当業界において通常の知識を有している者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることが出来ることを明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1a】従来技術による圧電超音波モーターの斜視図である。
【図1b】図1aに図示された圧電超音波モーターの断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による圧電超音波モーターの分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による圧電超音波モーターの断面図である。
【図4】本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの要部斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例による圧電超音波モーターの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例による圧電超音波モーターモジュールの組立図である。
【図8】本発明の第2実施例による圧電超音波モーターモジュールの他の組立図である。
【図9】(a)及び(b)は、各々本発明による接触面の材質による力とRPMの分布 を示すグラフである。
【図10】(a)ないし(d)は、本発明による4相電圧印加方式による圧電素子の分極方向及び駆動信号を示す概略図である。
【図11】本発明による2相電圧印加方式による圧電素子の分極方向及び駆動信号を示す概略図である。
【図12】本発明によるレンズ移送装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0158】
50 レンズ移送装置
60 圧電超音波モーター
100 圧電ステーター
110 金属チューブ
120、121、122、123、124 圧電素子
200 ローター
210 回転バー
220、240 回転部材
230 動力伝達部材
250 摩擦部材
260 回転支持部材
270 予圧部材
280 ワッシャー
290 離脱防止部材
300 電源印加部
310 連結端子
410、420、430、440 ハウジング
500 ホルダー
510 離脱防止ホルダー
610 レンズ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形状の金属チューブと、前記金属チューブの外側面に装着される複数個の圧電素子を具備し、前記圧電素子に電気場が印加される時屈曲変形を発生させる圧電ステーターと、
前記金属チューブの中空部に挿入される回転バーと、前記圧電ステーターの上面または下面と面接触するよう前記回転バーの外周面に周り方向に形成され前記圧電ステーターの屈曲変形によって回転する回転部材と、前記回転バーの一側に形成され前記回転部材の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材を具備するローターと、
前記圧電素子の駆動に必要な電源を印加する電源印加部と、
を含む圧電超音波モーター。
【請求項2】
前記金属チューブは円形または角形断面を有する中空チューブからなり、その外部面に前記圧電素子が装着される装着部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項3】
前記金属チューブは四角形の断面を有する中空チューブからなり、
前記圧電素子は前記金属チューブの各々の面ごとに一つずつ設置されることを特徴とする請求項2に記載の圧電超音波モーター。
【請求項4】
前記回転部材は前記圧電ステーターの上面と面接触する上部回転部材と、前記圧電ステーターの下面と面接触する下部回転部材からなることを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項5】
前記ローターは前記回転部材の圧電ステーターと接触する面に固定された摩擦部材をさらに具備し、
前記ローターは前記圧電ステーターと前記摩擦部材の面接触を通じて回転することを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項6】
前記摩擦部材はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることを特徴とする請求項5に記載の圧電超音波モーター。
【請求項7】
前記摩擦部材はアルミナからなり、
前記摩擦部材と接触する圧電ステーターの接触面には、アルミナからなる接触部材が固定されたり、アルミナがコーティングされることを特徴とする請求項5に記載の圧電超音波モーター。
【請求項8】
前記ローターは前記回転部材を前記圧電ステーター側に加圧する予圧部材をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項9】
前記電源印加部は前記圧電ステーターのノーダル地点(nodal point)に電気場を印加することを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項10】
前記圧電ステーターとローターを収容するハウジング、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電超音波モーター。
【請求項11】
前記圧電ステーターのノーダル地点を支持するホルダー、
をさらに含み、
前記ホルダーは前記ハウジングに形成された開口に装着されることを特徴とする請求項10に記載の圧電超音波モーター。
【請求項12】
四角形の断面を有する中空形状の金属チューブと、前記金属チューブの各々の外面ごとに一つずつ設置される4個の圧電素子を具備し、前記圧電素子に電気場が印加される時屈曲変形を発生させる圧電ステーターと、
前記金属チューブの中空部に挿入される回転バーと、前記圧電ステーターの上面と面接触するよう前記回転バーの外周面に周り方向に形成され前記圧電ステーターの屈曲変形によって回転する上部回転部材と、前記回転バーに回転が制限されるよう装着され前記圧電ステーターの下面と面接触する下部回転部材と、前記回転バーの一側に形成され前記回転部材の回転力を移送物に伝達する動力伝達部材を具備するローターと、
前記圧電素子の駆動に必要な電源を印加する電源印加部と、
を含む圧電超音波モーター。
【請求項13】
前記ローターは前記上部回転部材の圧電ステーターと接触する面に固定された摩擦部材をさらに具備し、
前記ローターは前記圧電ステーターと前記摩擦部材の面接触を通じて回転することを特徴とする請求項12に記載の圧電超音波モーター。
【請求項14】
前記摩擦部材または前記下部回転部材はピーク(PEEK、ポリエーテルエーテルケトン)からなることを特徴とする請求項13に記載の圧電超音波モーター。
【請求項15】
前記摩擦部材または前記下部回転部材はアルミナからなり、
前記摩擦部材または前記下部回転部材と接触する圧電ステーターの接触面には、アルミナからなる接触部材が固定されたり、アルミナがコーティングされることを特徴とする請求項13に記載の圧電超音波モーター。
【請求項16】
前記ローターは前記上部回転部材及び下部回転部材を前記圧電ステーター側に加圧する予圧部材をさらに具備することを特徴とする請求項12に記載の圧電超音波モーター。
【請求項17】
前記予圧部材は前記回転バーの外周面または下部回転部材の段差に装着されるコイルスプリングからなることを特徴とする請求項16に記載の圧電超音波モーター。
【請求項18】
前記コイルスプリングは前記回転バーの他側に形成された溝に挟まれる離脱防止部材により回転バーから離脱が防止されることを特徴とする請求項17に記載の圧電超音波モーター。
【請求項19】
前記下部回転部材と前記離脱防止部材との間には干渉雑音を最小化するようワッシャーが具備されることを特徴とする請求項18に記載の圧電超音波モーター。
【請求項20】
前記圧電ステーターのノーダル地点(nodal point)と連結される前記電源印加部の連結端子が前記圧電ステーターから分離されることを防止するよう前記圧電ステーターの外周面及び前記連結端子を囲う離脱防止ホルダーが具備されることを特徴とする請求項12に記載の圧電超音波モーター。
【請求項21】
前記圧電ステーターとローターを収容するハウジング、
をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の圧電超音波モーター。
【請求項22】
前記圧電ステーターのノーダル地点を支持するホルダー、
をさらに含み、
前記ホルダーは前記ハウジングに形成された開口に装着されることを特徴とする請求項21に記載の圧電超音波モーター。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1a】
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【図1b】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−49895(P2007−49895A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213768(P2006−213768)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】