説明

在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法

【課題】製造期間の短縮化および在庫管理の効率化を図ること。
【解決手段】PC−Aを製造するために不足しているメモリaの代替部品を入手するための入手方法(1)〜(4)の中から、各種リードタイムを考慮して最適なものを選択する。具体的には、各入手方法(1)〜(4)において、メモリaを購入してから調達するまでにかかるリードタイム、メモリbを購入してから調達するまでにかかるリードタイム、PC−Bを分解してメモリbを取り出すまでにかかるリードタイム、PC−Cを分解してメモリbを取り出すまでにかかるリードタイムをそれぞれ考慮する。これにより、メモリaの代替部品をより短期間で入手し、PC−Aの製造期間の短縮化を図る。また、メモリaの代替部品を取り出すための分解対象として、メモリaに代替可能なメモリbを含むPC−B,PC−Cを考慮することにより、製品在庫の活用度を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製品の在庫を管理する在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ライフサイクルの短い製品(パーソナルコンピュータ、オーディオなどの家電製品)は、売れ残りなどの不良在庫による損益悪化を防ぐため、極力在庫を少なく持つような生産管理がおこなわれている。一方で、顧客の希望納期を守るために、需要予測よりも多い数量の製品を生産して、受注の集中による在庫切れや部品の調達待ちによる製造遅延などのリスクをカバーする生産管理もおこなわれている。
【0003】
しかし現実には、製品在庫を確保しても新機種の発表や需要予測の見誤りにより陳腐化する製品在庫が発生し損益悪化を招く場合がある。また、売れ筋製品の部品在庫が不足した場合に、部品の購入リードタイムによっては納期に間に合わず、受注に対する納期遅延や受注機会そのものを損失するなどの問題が発生している。
【0004】
このため、従来から製品の在庫を管理する技術が提案されている。このような技術としては、たとえば、完成在庫が不足し、かつ緊急で製品を手配しても入荷が間に合わない場合に、既入庫製品を分解してソフトウェア部品を取り出し、不足製品を再構成する技術が開示されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−164464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来技術では、既入庫製品のうち、不足している部品(ソフトウェア部品)と同一の部品を含む製品のみを、部品を取り出すための分解対象としている。したがって、既入庫製品に同一の部品を含む製品がない場合は、部品を取り出して不足製品を再構成することができず、結果的に、受注に対する納期遅延や受注機会の損失を招くという問題があった。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、製造期間の短縮化および在庫管理の効率化を図ることができる在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法は、任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得し、注文対象となる製品に含まれる部品ごとに当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する代替候補テーブルの中から、取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索し、検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定し、決定された決定結果を出力することを要件とする。
【0009】
この在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法によれば、不足部品と同一の部品を含む製品だけでなく、不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を、不足部品の代替部品を取り出すための分解対象とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
この在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法によれば、製造期間の短縮化および在庫管理の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】在庫管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】製品BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図4】代替BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図5】分解BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図6】在庫マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図7】品目マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】在庫管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】不足部品の部品情報の具体例を示す説明図である。
【図10】代替候補テーブルを示す説明図である。
【図11】代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その1)である。
【図12】代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その2)である。
【図13】代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その3)である。
【図14】代替部品リストの一例を示す説明図である。
【図15】新規手配リストの一例を示す説明図である。
【図16】在庫管理装置の在庫管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】代替部品決定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図18】代替部品決定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図19】更新処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。この在庫管理プログラム、在庫管理装置、および在庫管理方法では、不足部品と同一の部品または代替可能な他の部品を含む製品の分解容易性と入手容易性を考慮して、不足部品の代替部品を取り出す製品を決定することにより、製造期間の短縮化および在庫管理の効率化を図る。
【0013】
(実施の形態の概要)
まず、実施の形態の概要について説明する。図1は、本実施の形態の概要を示す説明図である。図1において、PC−A、PC−BおよびPC−Cは製品である。PC−Aは、CPU−aとHDD−aとメモリ−aとを含む構成である。PC−Bは、CPU−bとHDD−bとメモリ−bとを含む構成である。PC−Cは、CPU−cとHDD−cとメモリ−bとを含む構成である。なお、製品および部品に付加されている数値は在庫数である。
【0014】
ここで、顧客からPC−Aに10個の注文が入った場合を想定する。この場合、メモリaの在庫がないため、PC−Aを製造することができない。したがって、メモリ−aの代替部品を確保する必要がある。ここでは、メモリ−aの代替部品を入手するための手法として以下の(1)〜(4)がある。ただし、メモリ−bは、メモリ−aの替わりに代替可能な部品とする。
【0015】
(1)メモリ−aを10個購入する
(2)メモリ−aの替わりに代替可能なメモリbを10個購入する
(3)PC−Bを分解して、メモリ−aに代替可能なメモリ−bを10個取り出す
(4)PC−Cを分解して、メモリ−aに代替可能なメモリ−bを10個取り出す
【0016】
本実施の形態では、メモリ−aの代替部品を入手するまでにかかるリードタイムを考慮して、上記(1)〜(4)の入手方法の中から最適なものを選択する。(1)では、メモリ−aを購入してから調達するまでにかかる期間がリードタイムとなる。(2)では、メモリ−bを購入してから調達するまでにかかる期間がリードタイムとなる。(3)では、PC−Bを分解してメモリ−bを取り出すまでにかかる期間がリードタイムとなる。(4)では、PC−Cを分解してメモリ−bを取り出すまでにかかる期間がリードタイムとなる。
【0017】
このように、各種リードタイムを考慮して、上記(1)〜(4)の入手方法の中から最適な入手方法を選ぶことにより、PC−Aの製造期間の短縮化を図る。また、メモリ−aの代替部品を取り出すための分解対象として、メモリ−aの替わりに代替可能なメモリ−bを含むPC−B,PC−Cを考慮することにより、製品在庫の活用度を向上させる。
【0018】
(在庫管理装置のハードウェア構成)
つぎに、実施の形態にかかる在庫管理装置のハードウェア構成について説明する。図2は、在庫管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、在庫管理装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(Interface)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を備えている。また、各構成部はバス220によってそれぞれ接続されている。
【0019】
ここで、CPU201は、在庫管理装置200の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0020】
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0021】
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0022】
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)209は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク214に接続され、このネットワーク214を介して他の装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0023】
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0024】
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、在庫管理装置200内に画像データを取り込む。なお、スキャナ212は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0025】
(各種データベース等の記憶内容)
つぎに、各種データベース等について説明する。各種データベース等は、たとえば、図2に示した在庫管理装置200のRAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域によりその機能を実現する。
【0026】
図3は、製品BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図3において、製品BOM(Bills of Materials)マスタ300は、製品ID、製品名および部品構成のフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、注文対象となる製品P1〜Pnの部品構成がレコードとして記憶されることになる。
【0027】
製品IDとは、製品を識別する識別子である。製品名とは、製品の名称である。部品構成とは、製品に含まれる構成部品をあらわすものである。ここでは、製品名を最上位として、構成部品の部品名が階層構造化されて表現されている。また、部品名に付加されている()内の数字は、製品を製造するために必要となる構成部品の原単位数である。なお、図面では、製品に含まれる構成部品の一部を抜粋して表示している。
【0028】
ここで、製品P1を例に挙げると、PC1は、構成部品としてHDD1とCPU1とメモリ1とを含む構成であり、各構成部品の原単位数はそれぞれ1個である。なお、図示は省略するが、製品BOMマスタ300には、製品P1〜Pnごとの型式、メーカ名、仕様などをあらわす情報が含まれていてもよい。
【0029】
図4は、代替BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、代替BOMマスタ400は、部品ID、部品名および代替部品構成のフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、部品M1〜Mmの代替部品構成がレコードとして記憶されることになる。
【0030】
部品IDとは、部品を識別する識別子である。部品名とは、部品の名称である。代替部品構成とは、部品の替わりに代替可能な他の部品をあらわすものである。ここでは、代替可能な他の部品のほか、分解することにより代替可能な部品を取り出すことができる製品も示されている。
【0031】
ここで、部品M1を例に挙げると、メモリ1の替わりに直接的に代替可能なメモリ2のほか、分解することで間接的に代替可能な構成部品を取り出すことができるPC1、PC2およびPC3が示されている。すなわち、PC1にはメモリ1が、PC2およびPC3にはメモリ2が含まれており、PC1、PC2およびPC3を分解することでメモリ1またはメモリ2を取り出すことができる。
【0032】
図5は、分解BOMマスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、分解BOMマスタ500は、製品ID、製品名、構成部品名および分解LTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、製品P1〜Pnに含まれる構成部品の分解LTがレコードとして記憶されることになる。
【0033】
製品IDとは、製品を識別する識別子である。製品名とは、製品の名称である。構成部品名とは、製品に含まれる構成部品の名称である。分解LTとは、製品P1〜Pnを分解してそれぞれの構成部品を取り出すまでにかかるリードタイム(時)である。ここで、製品P1を例に挙げると、PC1を分解してHDD1、CPU1およびメモリ1を取り出すまでにかかる分解LTはそれぞれ3時間である。
【0034】
図6は、在庫マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、在庫マスタ600は、製品/部品ID、製品/部品名、入庫日、在庫数および入手LTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、製品P1〜Pnおよび部品M1〜Mmに関する在庫情報がレコードとして記憶されることになる。
【0035】
製品/部品IDとは、製品または部品を識別する識別子である。製品/部品名とは、製品または部品の名称である。入庫日とは、製品や部品を保管するための倉庫に入庫された年月日、すなわち、在庫となった年月日である。在庫数とは、倉庫に保管されている未発注の製品または部品の数である。入手LTとは、製品P1〜Pnまたは部品M1〜Mmを入手するまでにかかるリードタイム(時)である。
【0036】
ここで、製品P1を例に挙げると、PC1の在庫数は0個、すなわち、PC1の在庫がない状態である。また、製品P2を例に挙げると、PC2は2008年4月1日に入庫されており、その在庫数は10個、その入手LTは5時間である。さらに、PC2は2008年5月1日に入庫されており、その在庫数は10個、その入手LTは5時間である。この例では、分解作業をおこなう作業者が、20個の製品P2を入手するまでにかかるリードタイムが5時間ということになる。
【0037】
図7は、品目マスタの記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、品目マスタ700は、製品/部品ID、製品/部品名、品目区分および購入LTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、製品P1〜Pnおよび部品M1〜Mmに関する品目情報がレコードとして記憶されることになる。
【0038】
製品/部品IDとは、製品または部品を識別する識別子である。製品/部品名とは、製品または部品の名称である。品目区分とは、製品および部品の品目である。ここでは、自社で製造する「製造品」と、外部から購入する「購入品」と、の2つの品目によって区分けされている。購入LTとは、製品または部品を購入して調達するまでにかかるリードタイム(日)である。ここでは、品目区分が「購入品」の製品または部品の購入LTが記憶されている。
【0039】
ここで、製品P1を例に挙げると、PC1は、自社で製造する「製造品」であり、購入LTは「−(null)」となっている。また、部品M1を例に挙げると、メモリ1は外部から購入する「購入品」であり、購入LTは10日である。すなわち、メモリ1を購入して調達するまでに10日かかることを示している。
【0040】
(在庫管理装置の機能的構成)
つぎに、在庫管理装置200の機能的構成について説明する。図8は、在庫管理装置の機能的構成を示すブロック図である。図8において、在庫管理装置200は、取得部801と、検索部802と、決定部803と、判定部804と、抽出部805と、算出部806と、判断部807と、生成部808と、更新部809と、出力部810と、を含む構成である。
【0041】
この制御部となる機能(取得部801〜出力部810)は、具体的には、たとえば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F209により、その機能を実現する。
【0042】
取得部801は、製品Pi(i=1,2,…,n)を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得する機能を有する。ここで、不足部品とは、在庫のない部品である。具体的には、たとえば、取得部801が、図2に示したキーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、不足部品の部品情報を受け付けることにしてもよい。なお、取得されたデータは、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶される。
【0043】
ここで、不足部品の部品情報について説明する。図9は、不足部品の部品情報の具体例を示す説明図である。図9において、部品情報900は、製造対象ID、不足部品ID、不足部品名および不足数のフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、不足部品の部品情報がレコードとして記憶されることになる。
【0044】
製造対象IDとは、製造対象となる製品を識別する識別子である。不足部品IDとは、製造対象となる製品を製造するために不足している不足部品を識別する識別子である。不足部品名とは、不足部品の名称である。不足数とは、不足している不足部品の個数である。すなわち、部品情報900は、製品P1を製造するためにメモリ1が10個不足していることを示している。
【0045】
検索部802は、代替BOMマスタ400の中から、取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する機能を有する。具体的には、たとえば、まず、検索部802が、代替BOMマスタ400の中から、不足部品の部品ID(または部品名)と一致するレコードを特定する。
【0046】
このあと、検索部802が、特定されたレコードの代替部品構成の中から、不足部品と同一の部品を含む製品および不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する。検索された検索結果は、たとえば、図10に示す代替候補テーブル1000に登録される。なお、検索処理の具体例については図10を用いて後述する。
【0047】
また、検索部802は、代替BOMマスタ400の中から、不足部品の替わりに代替可能な他の部品を検索する機能を有する。具体的には、たとえば、まず、検索部802が、代替BOMマスタ400の中から、不足部品の部品ID(または部品名)と一致するレコードを特定する。
【0048】
このあと、検索部802が、特定されたレコードの代替部品構成の中から、不足部品の替わりに代替可能な他の部品を検索する。なお、検索された検索結果は、たとえば、図10に示す代替候補テーブル1000に登録される。
【0049】
図10は、代替候補テーブルを示す説明図である。図10において、代替候補テーブル1000は、代替候補ID、代替候補名、在庫数、分解LT、入手LT、購入LTおよびトータルLTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、不足部品の代替候補情報がレコードとして記憶されることになる。
【0050】
代替候補IDとは、不足部品の替わりに代替可能な代替候補を識別する識別子である。なお、代替候補には、以下の(i)〜(iv)が含まれる。
(i)不足部品と同一の部品
(ii)不足部品の替わりに代替可能な他の部品
(iii)不足部品と同一の部品を含む製品
(iv)不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品
【0051】
代替候補名とは、代替候補の名称である。在庫数とは、代替候補の在庫数である。分解LTとは、代替候補の分解LTである。入手LTとは、代替候補の入手LTである。購入LTとは、代替候補の購入LTである。トータルLTとは、分解LTと入手LTと購入LTとを足し合わせたトータルのリードタイムである。なお、代替候補テーブル1000は、たとえば、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域によりその機能を実現する。
【0052】
ここで、製品P1を製造するためにメモリ1が10個不足している場合(部品情報900)を例に挙げて、代替候補テーブル1000の登録例について説明する。図11は、代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その1)である。
【0053】
(A)部品情報900が取得されると、製品P1を製造するために不足している不足部品の不足部品ID「M1」および不足部品名「メモリ1」が代替候補テーブル1000に登録され、代替候補情報1000−1が新たなレコードとして記憶される。また、代替候補情報1000−1の在庫数のフィールド項目に「0」が設定される。
【0054】
(B)検索部802により、代替BOMマスタ400の中から、部品M1の替わりに代替可能な他の部品を検索する。ここでは、部品M2が検索される。この結果、部品ID「M2」および部品名「メモリ2」が代替候補テーブル1000に登録され、代替候補情報1000−2が新たなレコードとして記憶される。
【0055】
また、検索部802により、在庫マスタ600を参照して、部品M2の在庫数を特定する。ここでは、部品M2の在庫数は0個である。この結果、代替候補情報1000−2の在庫数のフィールド項目に「0」が設定される。
【0056】
(C)検索部802により、代替BOMマスタ400の中から、部品M1を含む製品および部品M1の替わりに代替可能な部品M2を含む製品を検索する。ここでは、製品P2,P3が検索される。なお、製造対象の製品P1は検索対象から除外している。この結果、製品ID「P2,P3」および製品名「PC2,PC3」が代替候補テーブル1000に登録され、代替候補情報1000−3,1000−4が新たなレコードとして記憶される。
【0057】
また、検索部802により、在庫マスタ600を参照して、製品P2,P3の在庫数を特定する。ここでは、製品P2の在庫数は20個であり、製品P3の在庫数は10個である。この結果、代替候補情報1000−3の在庫数のフィールド項目に「20」が設定され、代替候補情報1000−4の在庫数のフィールド項目に「10」が設定される。なお、検索された製品のうち在庫数がない製品は、代替候補から除外して、その代替候補についてのレコードを代替候補テーブル1000から削除してもよい。
【0058】
図8の説明に戻り、決定部803は、製品Piを製造するために不足している不足部品の代替部品を決定する機能を有する。具体的には、たとえば、決定部803が、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補「部品M1、部品M2、製品P2、製品P3」の中から代替部品を決定する。決定された決定結果は、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶される。
【0059】
以下、代替部品の決定手法について具体的に説明する。
【0060】
判定部804は、品目マスタ700を参照して、検索された代替候補の品目区分(製造品または購入品)を判定する機能を有する。具体的には、たとえば、判定部804が、品目マスタ700の中から、検索された代替候補の製品/部品IDと一致するレコードの品目区分のフィールド項目に製造品(または購入品)が設定されているか否かを判定する。
【0061】
また、判定部804は、代替候補が購入品の場合、代替候補テーブル1000を参照して、代替候補の在庫の有無を判定する機能を有する。具体的には、判定部804が、代替候補の部品ID(または部品名)と一致するレコードの在庫数のフィールド項目に「0」が設定されているか否かを判定する。なお、判定された判定結果は、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶される。
【0062】
抽出部805は、分解BOMマスタ500の中から、検索された製品を分解して不足部品と同一の部品または不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための分解LTを抽出する機能を有する。具体的には、たとえば、代替候補が製造品の場合、抽出部805が、分解BOMマスタ500の中から、代替候補の製品ID(または製品名)と一致するレコードの分解LTを抽出する。なお、抽出された分解LTは、たとえば、代替候補テーブル1000に登録される。
【0063】
また、抽出部805は、在庫マスタ600の中から、検索された製品を入手するまでにかかる入手LTを抽出する機能を有する。具体的には、たとえば、代替候補が製造品の場合、抽出部805が、在庫マスタ600の中から、代替候補の製品ID(または製品名)と一致するレコードを特定する。そして、抽出部805が、特定されたレコードの入手LTを抽出する。なお、抽出された入手LTは、たとえば、代替候補テーブル1000に登録される。
【0064】
また、抽出部805は、品目マスタ700の中から、不足部品と同一の部品を購入して調達するまでにかかる購入LTを抽出する機能を有する。さらに、抽出部805は、品目マスタ700の中から、不足部品の替わりに代替可能な他の部品を購入して調達するまでにかかる購入LTを抽出する機能を有する。具体的には、たとえば、代替候補が購入品かつ在庫がない場合、抽出部805が、品目マスタ700の中から、代替候補の部品ID(または部品名)と一致するレコードの購入LTを抽出する。なお、抽出された購入LTは、たとえば、代替候補テーブル1000に登録される。
【0065】
また、抽出部805は、在庫マスタ600の中から、検索された部品を入手するまでにかかる入手LTを抽出する機能を有する。具体的には、たとえば、代替候補が購入品かつ在庫がある場合、抽出部805が、在庫マスタ600の中から、代替候補の部品ID(または部品名)と一致するレコードの入手LTを抽出する。なお、抽出された入手LTは、たとえば、代替候補テーブル1000に登録される。
【0066】
ここで、代替候補テーブル1000の登録例について説明する。図12は、代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その2)である。
【0067】
(D)代替候補が製造品の場合、抽出部805により、分解BOMマスタ500の中から、不足部品の代替候補である製品P2,P3から部品M1の替わりに代替可能な部品M2を取り出すまでにかかる分解LTを抽出する。ここでは、製品P2から部品M2を取り出すまでにかかる分解LT「6時間」および製品P3から部品M2を取り出すまでにかかる分解LT「6時間」が抽出される。この結果、代替候補情報1000−3の分解LTのフィールド項目に「6時間」が設定され、代替候補情報1000−4の分解LTのフィールド項目に「6時間」が設定される。
【0068】
(E)抽出部805により、在庫マスタ600の中から、不足部品の代替候補である製品P2,P3を入手するまでにかかる入手LTを抽出する。ここでは、製品P2を入手するまでにかかる入手LT「5時間」および製品P3を入手するまでにかかる入手LT「10時間」が抽出される。この結果、代替候補情報1000−3の入手LTのフィールド項目に「5時間」が設定され、代替候補情報1000−4の入手LTのフィールド項目に「10時間」が設定される。
【0069】
(F)代替候補が購入品かつ在庫がない場合、抽出部805により、品目マスタ700の中から、不足部品の代替候補である部品M1,M2を購入して調達するまでにかかる購入LTを抽出する。ここでは、部品M1を購入して調達するまでにかかる購入LT「10日」および部品M2を購入して調達するまでにかかる購入LT「5日」が抽出される。この結果、代替候補情報1000−1の購入LTのフィールド項目に「10日」が設定され、代替候補情報1000−2の購入LTのフィールド項目に「5日」が設定される。
【0070】
算出部806は、代替候補ごとのトータルLTを算出する機能を有する。具体的には、たとえば、算出部806が、代替候補テーブル1000を参照して、代替候補の分解LT、入手LTおよび購入LTを下記式(1)に代入することにより、代替候補のトータルLTを算出することができる。ただし、Xは不足部品の部品数であり、Yは製品の分解作業をおこなう作業者数である。
【0071】
トータルLT=(分解LT×X)/Y+入手LT+購入LT ・・・(1)
【0072】
なお、算出されたトータルLTは、たとえば、代替候補テーブル1000に登録される。図13は、代替候補テーブルの登録例を示す説明図(その3)である。ここでは、不足部品の部品数を「X=10(個)」とし、製品の分解作業をおこなう作業者数を「Y=1(人)」とする。
【0073】
(G)算出部806により、代替候補テーブル1000から選ばれた部品M1の分解LT、入手LTおよび購入LTを上記式(1)に代入して、部品M1のトータルLTを算出する。ここでは、部品M1のトータルLTは「10日」となる。この結果、代替候補情報1000−1のトータルLTのフィールド項目に「240時間(=10日×24時間)」が設定される。
【0074】
(H)算出部806により、代替候補テーブル1000から選ばれた部品M2の分解LT、入手LTおよび購入LTを上記式(1)に代入して、部品M2のトータルLTを算出する。ここでは、部品M2のトータルLTは「5日」となる。この結果、代替候補情報1000−2のトータルLTのフィールド項目に「120時間(=5日×24時間)」が設定される。
【0075】
(I)算出部806により、代替候補テーブル1000から選ばれた製品P2の分解LT、入手LTおよび購入LTを上記式(1)に代入して、製品P2のトータルLTを算出する。ここでは、製品P2のトータルLTは、「65時間{=(6時間×10個)/1人+5時間}」となる。この結果、代替候補情報1000−3のトータルLTのフィールド項目に「65時間」が設定される。
【0076】
(J)算出部806により、代替候補テーブル1000から選ばれた製品P3の分解LT、入手LTおよび購入LTを上記式(1)に代入して、製品P3のトータルLTを算出する。ここでは、製品P2のトータルLTは、「70時間{=(6時間×10個)/1人+10時間}」となる。この結果、代替候補情報1000−4のトータルLTのフィールド項目に「70時間」が設定される。
【0077】
そして、決定部803は、代替候補ごとのトータルLTに基づいて、製品Piを製造するために不足している不足部品の代替部品を決定する。具体的には、たとえば、決定部803が、代替候補テーブル1000を参照して、トータルLTが最小の代替候補を代替部品に決定する。
【0078】
なお、トータルLTが最小となる代替候補が複数存在する場合には、在庫管理方式に従って、代替部品を決定することにしてもよい。ここで、在庫管理方式とは、在庫となっている製品または部品を取り出す方式である。在庫管理方式としては、たとえば、先に入庫された製品または部品を倉庫から先に取り出す「先入れ先出し方式」や、後に入庫された製品または部品を倉庫から先に取り出す「後入れ先出し方式」などがある。この在庫管理方式は、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、予め任意に設定されている。
【0079】
具体的には、決定部803は、トータルLTが最小となる代替候補が複数存在するか否かを判断する。ここで、複数存在する場合は、決定部803は、在庫マスタ600を参照して、代替候補の入庫日を特定する。そして、決定部803は、在庫管理方式に従って、特定された入庫日が早いまたは遅い代替候補を代替部品に決定する。たとえば、「先入れ先出し方式」の場合、決定部803は、入庫日が早い代替候補を代替部品に決定することになる。
【0080】
判断部807は、代替部品が決定された結果、代替部品の部品数が不足部品の部品数を満たしているか否かを判断する機能を有する。具体的には、たとえば、判断部807が、不足部品の部品情報から特定される不足部品数と代替部品の部品数とを比較することにより、不足部品の部品数を満たしているか否かを判断する。なお、判断された判断結果は、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶される。
【0081】
また、決定部803は、不足部品の部品数を満たしていない場合、代替部品に決定されていない未決定の代替候補のうち、トータルLTが最小となる代替候補を代替部品に決定する。これにより、代替部品の部品数が不足部品の部品数を満たすまで、決定処理を繰り返し実行することができる。
【0082】
なお、代替部品の決定手法として、代替候補のトータルLTに基づく手法について説明したが、これに限らない。具体的には、たとえば、決定部803は、分解LT、入手LT、購入LTのうち少なくともいずれかのリードタイムに基づいて、製品Piを製造するために不足している不足部品の代替部品を決定することにしてもよい。
【0083】
出力部810は、決定された決定結果を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、出力部810が、製品Piを製造するために不足している不足部品の代替部品をリスト化した代替部品リストを出力する。また、出力部810が、購入対象となる部品をリスト化した新規手配リストを出力することにしてもよい。
【0084】
出力形式としては、たとえば、ディスプレイ208への表示、プリンタ213への印刷出力、I/F209による外部装置への送信がある。また、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶することとしてもよい。
【0085】
ここで、出力結果の具体例について説明する。図14は、代替部品リストの一例を示す説明図である。図14において、代替部品リスト1400は、製造対象ID、不足部品ID、不足部品名、不足数、代替部品ID、代替部品名、代替部品数およびトータルLTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、代替部品情報がレコードとして記憶されている。
【0086】
製造対象IDとは、製造対象となる製品を識別する識別子である。不足部品IDとは、不足部品を識別する識別子である。不足部品名とは、不足部品の名称である。不足数とは、不足している不足部品の個数である。代替部品IDとは、代替部品を識別する識別子である。代替部品名とは、代替部品の名称である。代替部品数は、代替部品の部品数である。トータルLTとは、代替部品を入手するまでにかかるリードタイム(時)である。
【0087】
この代替部品リスト1400によれば、不足部品である部品M1を入手するための最適な入手方法をユーザが認識することができる。また、この代替部品リスト1400によれば、製品P2を分解して代替部品を入手するまでにかかるトータルリードタイム「65時間」をユーザが認識することができる。
【0088】
図15は、新規手配リストの一例を示す説明図である。図15において、新規手配リスト1500は、製造対象ID、新規手配部品ID、新規手配部品名、購入数および購入LTのフィールド項目を有する。各フィールド項目に情報を設定することにより、代替部品情報がレコードとして記憶されている。
【0089】
製造対象IDとは、製造対象となる製品を識別する識別子である。新規手配部品IDとは、購入対象となる部品を識別する識別子である。新規手配部品名とは、購入対象となる部品の名称である。購入数とは、購入する部品の個数である。購入LTとは、不足部品を購入してから調達するまでにかかるリードタイム(時)である。
【0090】
この新規手配リスト1500によれば、製品P1を製造するために部品M1を購入する必要があることをユーザが認識することができる。また、この新規手配リスト1500によれば、部品M1を購入してから調達するまでにかかる購入LT「240時間」をユーザが認識することができる。
【0091】
なお、上述した不足部品の部品情報(たとえば、部品情報900)は、後述する生成部808が製品Piの製造予定数から生成することにしてもよい。ここで、製造予定数とは、製造予定の製品Piの製品数(たとえば、顧客からの注文数)である。具体的には、たとえば、取得部801が、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、製品Piの製造予定数を受け付ける。
【0092】
生成部808は、製品Piを製造するために不足している不足部品の部品情報を生成する機能を有する。具体的には、たとえば、まず、生成部808が、製品BOMマスタ300を参照して、製品Piに含まれる構成部品および原単位数を特定する。そして、生成部808が、製品Piの製造予定数と構成部品の原単位数を用いて、製造予定数分の製品Piを製造するために必要となる部品数を構成部品ごとに算出する。
【0093】
このあと、生成部808が、在庫マスタ600を参照して、構成部品ごとに、製品Piを製造するために必要となる部品数を確保できるか否かを判断する。ここで、構成部品を確保できない場合、生成部808が、不足している構成部品(不足部品)の部品数を算出する。そして、生成部808が、不足部品の部品情報(たとえば、部品情報900)を生成する。
【0094】
これにより、製品Piを製造するために不足している不足部品、および不足部品の部品数を特定するための部品情報を自動生成することが可能となり、ユーザの手間を削減することができる。なお、生成された部品情報は、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶領域に記憶される。
【0095】
更新部809は、決定部803によって決定された決定結果に基づいて、在庫マスタ600の記憶内容を更新する機能を有する。具体的には、たとえば、まず、更新部809が、代替部品を分解して不足部品と同一の部品または不足部品の替わりに代替可能な他の部品が取り出された場合の残余の部品およびその部品数を特定する。
【0096】
そして、更新部809が、特定された残余の部品の部品数に基づいて、在庫マスタ600の記憶内容を更新する。より具体的には、たとえば、更新部809が、残余の部品の部品数を在庫マスタ600の該当する部品の在庫数に加算する。これにより、代替部品を分解することで発生する残余の部品の部品数を在庫数に反映することができる。
【0097】
(在庫管理装置の在庫管理処理手順)
つぎに、在庫管理装置200の在庫管理処理手順について説明する。図16は、在庫管理装置の在庫管理処理手順の一例を示すフローチャートである。図16のフローチャートにおいて、まず、取得部801により、製品Piを製造するために不足している不足部品の部品情報を取得したか否かを判断する(ステップS1601)。
【0098】
ここで、不足部品の部品情報が取得されるのを待って(ステップS1601:No)、取得された場合(ステップS1601:Yes)、検索部802により、製品Piを製造するために不足している不足部品の中から任意の部品を選択する(ステップS1602)。そして、検索部802により、代替候補テーブル1000に、選択された不足部品を登録する(ステップS1603)。
【0099】
このあと、検索部802により、代替BOMマスタ400の中から不足部品の代替候補を検索し(ステップS1604)、代替候補が検索されたか否かを判断する(ステップS1605)。ここで、代替候補が検索された場合(ステップS1605:Yes)、代替候補テーブル1000に、検索された代替候補を登録する(ステップS1606)。
【0100】
そして、検索部802により、在庫マスタ600を参照して、代替候補の在庫数を特定し(ステップS1607)、代替候補テーブル1000に代替候補の在庫数を登録する(ステップS1608)。このあと、決定部803により、製品Piを製造するために不足している不足部品の代替部品を決定する代替部品決定処理を実行する(ステップS1609)。
【0101】
また、ステップS1605において、代替候補が検索されなかった場合(ステップS1605:No)、不足部品を新規手配リストに登録する(ステップS1610)。そして、製品Piを製造するために不足している不足部品の中から選択されていない未選択の部品があるか否かを判断する(ステップS1611)。
【0102】
ここで、未選択の部品がある場合(ステップS1611:Yes)、ステップS1602に戻る。一方、未選択の部品がない場合(ステップS1611:No)、出力部810により、代替候補リストまたは/および新規手配リストを出力して(ステップS1612)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0103】
つぎに、図16のステップS1609における代替部品決定処理の具体的な処理手順について説明する。図17および図18は、代替部品決定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、まず、判定部804により、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補の中から任意の製品または部品を選択する(ステップS1701)。
【0104】
このあと、判定部804により、品目マスタ700を参照して、選択された代替候補の品目区分が購入品か否かを判定する(ステップS1702)。ここで、代替候補の品目区分が製造品の場合(ステップS1702:No)、抽出部805により、分解BOMマスタ500の中から代替候補の分解LTを抽出する(ステップS1703)。
【0105】
さらに、抽出部805により、在庫マスタ600の中から代替候補の入手LTを抽出する(ステップS1704)。そして、抽出部805により、代替候補テーブル1000にステップS1703およびステップS1704において抽出された抽出結果を設定する(ステップS1705)。
【0106】
また、ステップS1702において、代替候補の品目区分が購入品の場合(ステップS1702:Yes)、判定部804により、代替候補テーブル1000を参照して、代替候補の在庫があるか否かを判定する(ステップS1706)。
【0107】
ここで、代替候補の在庫がある場合(ステップS1706:Yes)、抽出部805により、在庫マスタ600の中から代替候補の入手LTを抽出して(ステップS1707)、代替候補テーブル1000に抽出結果を設定する(ステップS1705)。
【0108】
一方、代替候補の在庫がない場合(ステップS1706:No)、抽出部805により、品目マスタ700の中から代替候補の購入LTを抽出して(ステップS1708)、代替候補テーブル1000に抽出結果を設定する(ステップS1705)。
【0109】
このあと、判定部804により、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補の中から選択されていない未選択の製品または部品があるか否かを判断する(ステップS1709)。ここで、未選択の製品または部品がある場合(ステップS1709:Yes)、ステップS1701に戻る。一方、未選択の製品または部品がない場合(ステップS1709:No)、図18に示すステップS1710に移行する。
【0110】
図18のフローチャートにおいて、まず、算出部806により、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補ごとのトータルLTを算出する(ステップS1710)。そして、算出部806により、代替候補テーブル1000に、算出された代替候補ごとのトータルLTを設定する(ステップS1711)。
【0111】
このあと、決定部803により、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補の中から、トータルLTが最小の代替候補を特定する(ステップS1712)。そして、決定部803により、複数の代替候補が特定されたか否かを判断する(ステップS1713)。
【0112】
ここで、複数の代替候補が特定されなかった場合(ステップS1713:No)、トータルLTが最小の代替候補を代替部品に決定して(ステップS1714)、代替部品リストまたは新規手配リストに登録する(ステップS1715)。
【0113】
一方、複数の代替候補が特定された場合(ステップS1713:Yes)、決定部803により、在庫管理方式は「先入れ先出し方式」か否かを判断する(ステップS1716)。ここで、「先入れ先出し方式」の場合(ステップS1716:Yes)、決定部803により、在庫マスタ600を参照して、入庫日が古い代替候補を代替部品に決定して(ステップS1717)、代替部品リストまたは新規手配リストに登録する(ステップS1715)。
【0114】
一方、「後入れ先出し方式」の場合(ステップS1716:No)、決定部803により、在庫マスタ600を参照して、入庫日が新しい代替候補を代替部品に決定して(ステップS1718)、代替部品リストまたは新規手配リストに登録する(ステップS1715)。
【0115】
このあと、判断部807により、代替部品の部品数が不足部品の部品数を満たしたか否かを判断する(ステップS1719)。ここで、不足部品の部品数を満たしていない場合(ステップS1719:No)、ステップS1712に戻る。一方、不足部品の部品数を満たした場合(ステップS1719:Yes)、図16に示すステップS1611に移行する。
【0116】
つぎに、在庫マスタ600の記憶内容を更新する更新処理手順について説明する。図19は、更新処理手順の一例を示すフローチャートである。図19のフローチャートにおいて、まず、更新部809により、代替候補テーブル1000に登録されている代替候補のうち、製品が代替部品に決定されたか否かを判断する(ステップS1901)。
【0117】
ここで、製品が代替部品に決定されるのを待って(ステップS1901:No)、製品が代替部品に決定された場合(ステップS1901:Yes)、その製品を分解して不足部品と同一の部品または不足部品の替わりに代替可能な他の部品が取り出された場合の残余の部品を特定する(ステップS1902)。
【0118】
そして、残余の部品の部品数を特定し(ステップS1903)、特定された残余の部品の部品数に基づいて、在庫マスタ600の記憶内容を更新する(ステップS1904)。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態によれば、不足部品と同一の部品を含む製品だけでなく、不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を、不足部品の代替部品を取り出すための分解対象とすることができる。これにより、製品在庫の活用度を向上させることができる。
【0120】
また、代替部品を入手するためにかかる各種リードタイムを考慮して、最適な入手方法を選択することができる。具体的には、製品を分解して代替部品を取り出すまでにかかる分解LTによって、製品の分解容易性を考慮することにより、分解作業に手間がかかる製品を分解対象から排除することができる。
【0121】
また、分解対象となる製品を入手するまでにかかる入手LTによって、製品の入手容易性を考慮することにより、運搬作業などに時間がかかる製品を分解対象から排除することができる。さらに、新規手配する際の不足部品を購入して調達するまでにかかる購入LTを考慮することができる。
【0122】
これらのことから、製品を製造するために不足している構成部品を入手するまでにかかる期間を短縮して、製造期間の短縮化を図ることができる。この結果、顧客からの注文に迅速に対応することが可能となり、受注機会の損失を防ぐことができる。
【0123】
また、在庫となっている製品および部品の入庫日に基づいて、代替部品となる部品や代替部品を取り出すための製品を決定することができる。これにより、たとえば、早く出庫したい製品を優先的に分解対象にするなどの運用が可能となり、在庫管理の効率化を図ることができる。
【0124】
なお、本実施の形態で説明した在庫管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能であってもよい。
【0125】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0126】
(付記1)注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する代替候補テーブルにアクセス可能なコンピュータを、
任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得する取得手段、
前記代替候補テーブルの中から、前記取得手段によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する検索手段、
前記検索手段によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定する決定手段、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする在庫管理プログラム。
【0127】
(付記2)前記コンピュータを、
前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、前記製品を分解して前記部品を取り出すまでにかかる分解リードタイムを記憶する分解リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品を分解して前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための分解リードタイムを抽出する抽出手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの分解リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記1に記載の在庫管理プログラム。
【0128】
(付記3)前記抽出手段は、
在庫として入庫済みの製品ごとに、当該製品を入手するまでにかかる入手リードタイムを記憶する入手リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品を入手するまでにかかる入手リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの入手リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記2に記載の在庫管理プログラム。
【0129】
(付記4)前記コンピュータを、
前記検索手段によって検索された製品ごとに、前記製品を分解して前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すまでにかかるトータルリードタイムを算出する算出手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記算出手段によって算出された製品ごとのトータルリードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記3に記載の在庫管理プログラム。
【0130】
(付記5)前記算出手段は、
前記検索手段によって検索された製品ごとに、前記抽出手段によって抽出された分解リードタイムと入手リードタイムとを足し合わせることにより前記トータルリードタイムを算出することを特徴とする付記4に記載の在庫管理プログラム。
【0131】
(付記6)前記決定手段は、
前記複数の製品のうち前記トータルリードタイムが最小となる製品を、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品に決定することを特徴とする付記4または5に記載の在庫管理プログラム。
【0132】
(付記7)前記代替候補テーブルは、さらに、前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品の替わりに代替可能な他の部品の情報を記憶しており、
前記検索手段は、
前記代替候補テーブルの中から、前記部品情報の不足部品の替わりに代替可能な他の部品を検索し、
前記抽出手段は、
さらに、前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを記憶する購入リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された不足部品の替わりに代替可能な他の部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
さらに、前記抽出手段によって抽出された不足部品の替わりに代替可能な他の部品の購入リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載の在庫管理プログラム。
【0133】
(付記8)前記抽出手段は、
さらに、前記購入リードタイムテーブルの中から、前記不足部品と同一の部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
さらに、前記抽出手段によって抽出された不足部品と同一の部品の購入リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記7に記載の在庫管理プログラム。
【0134】
(付記9)前記抽出手段は、
前記在庫として入庫済みの製品の在庫数を記憶する在庫テーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品の在庫数を抽出し、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの在庫数に基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記2〜8のいずれか一つに記載の在庫管理プログラム。
【0135】
(付記10)前記在庫テーブルは、前記在庫として入庫済みの製品の入庫日を記憶しており、
前記決定手段は、
前記在庫テーブルに記憶されている前記検索手段によって検索された製品の入庫日に基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする付記9に記載の在庫管理プログラム。
【0136】
(付記11)注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する記憶手段と、
任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段の中から、前記取得手段によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする在庫管理装置。
【0137】
(付記12)制御手段および記憶手段を備え、注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する代替候補テーブルにアクセス可能なコンピュータが、
前記制御手段により、任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得して、前記記憶手段に記憶する取得工程と、
前記制御手段により、前記代替候補テーブルの中から、前記取得工程によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索して、前記記憶手段に記憶する検索工程と、
前記制御手段により、前記検索工程によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定して、前記記憶手段に記憶する決定工程と、
前記制御手段により、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする在庫管理方法。
【符号の説明】
【0138】
300 製品BOMマスタ
400 代替BOMマスタ
500 分解BOMマスタ
600 在庫マスタ
700 品目マスタ
801 取得部
802 検索部
803 決定部
804 判定部
805 抽出部
806 算出部
807 判断部
808 生成部
809 更新部
810 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する代替候補テーブルにアクセス可能なコンピュータを、
任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得する取得手段、
前記代替候補テーブルの中から、前記取得手段によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する検索手段、
前記検索手段によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定する決定手段、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする在庫管理プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、前記製品を分解して前記部品を取り出すまでにかかる分解リードタイムを記憶する分解リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品を分解して前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための分解リードタイムを抽出する抽出手段として機能させ、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの分解リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする請求項1に記載の在庫管理プログラム。
【請求項3】
前記抽出手段は、
在庫として入庫済みの製品ごとに、当該製品を入手するまでにかかる入手リードタイムを記憶する入手リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品を入手するまでにかかる入手リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの入手リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする請求項2に記載の在庫管理プログラム。
【請求項4】
前記代替候補テーブルは、さらに、前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品の替わりに代替可能な他の部品の情報を記憶しており、
前記検索手段は、
前記代替候補テーブルの中から、前記部品情報の不足部品の替わりに代替可能な他の部品を検索し、
前記抽出手段は、
さらに、前記注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを記憶する購入リードタイムテーブルの中から、前記検索手段によって検索された不足部品の替わりに代替可能な他の部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
さらに、前記抽出手段によって抽出された不足部品の替わりに代替可能な他の部品の購入リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の在庫管理プログラム。
【請求項5】
前記抽出手段は、
さらに、前記購入リードタイムテーブルの中から、前記不足部品と同一の部品を購入して調達するまでにかかる購入リードタイムを抽出し、
前記決定手段は、
さらに、前記抽出手段によって抽出された不足部品と同一の部品の購入リードタイムに基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする請求項4に記載の在庫管理プログラム。
【請求項6】
前記抽出手段は、
前記在庫として入庫済みの製品の在庫数を記憶する在庫テーブルの中から、前記検索手段によって検索された製品の在庫数を抽出し、
前記決定手段は、
前記抽出手段によって抽出された製品ごとの在庫数に基づいて、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の在庫管理プログラム。
【請求項7】
注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する記憶手段と、
任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段の中から、前記取得手段によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする在庫管理装置。
【請求項8】
制御手段および記憶手段を備え、注文対象となる製品に含まれる部品ごとに、当該部品を含む製品または/および当該部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品の情報を記憶する代替候補テーブルにアクセス可能なコンピュータが、
前記制御手段により、任意の製品を製造するために不足している部品(以下、「不足部品」)の部品情報を取得して、前記記憶手段に記憶する取得工程と、
前記制御手段により、前記代替候補テーブルの中から、前記取得工程によって取得された部品情報の不足部品と同一の部品を含む製品および当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を含む製品を検索して、前記記憶手段に記憶する検索工程と、
前記制御手段により、前記検索工程によって検索された製品の中から、前記不足部品と同一の部品または当該不足部品の替わりに代替可能な他の部品を取り出すための製品を決定して、前記記憶手段に記憶する決定工程と、
前記制御手段により、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする在庫管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−231408(P2010−231408A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77082(P2009−77082)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】