説明

地図上の位置情報表示コンピュータシステムおよびそれを用いた地図と座標。

【課題】従来の緯度・経度表記でなく、新しい位置情報の方法であり、表示、認識、入力、コンピュータによるデータ処理、等に関して、効率的に地球上や地図上の位置情報を扱いやすくする事が可能な地球上および地図上の位置情報表示方法を提供する。
【解決手段】地図上の任意の位置の緯度・経度の数値を、下記数式に基づき緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQとして10進法で表示する。

緯度数値をPとし、経度数値をQとした場合、
緯度該当数値OWP=0.5+P/360
経度該当数値OWQ=0.5+Q/360

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の緯度・経度の表現法に代わるものとして、地球上および地図上の位置情報を10進法にする為の変換方法と、その変換により得た数値による地球上および地図上の位置情報表示方法、およびそれを用いた地図と座標、および電子媒体に格納した物体、およびコンピュータシステム、およびコンピュータプログラム、および記号化物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からある位置情報を表わす手段としては、地名・住所表示等が一般的であるが、これには非常にローカルなものも多く、他の地方の者には判り難いし、読み方さえ判らない場合も多い。又、地名・住所表示等だけでは、自分が現在いる場所が判らないので少なくとも地図情報との組み合わせが必要となる。
【0003】
他面、近時のように国際的にも位置情報が重要になり、また、位置以外の関連情報を含む地理情報システム(GIS)が動き出してくると、位置情報のコンピュータ化・デジタル化は不可欠である。しかし、従来の地名・住所表示等に基づく位置情報をそのままコンピュータ化・デジタル化していては、コンピュータへ入・出力する際やその前・後の人が介在する部分で、手間や時間がかかる上に情報が不正確になってしまいがちであった。
【0004】
そこで、地名・住所表示等以外の手段で、位置情報を正確かつ判り易く表現することが必要となるが、それには従来からも座標やメッシュコードで特定位置を表現する方式が存在していた。この座標やメッシュコードを用いて位置を特定することは、近時は小学校低学年生も学んでおり、誰もが知っている簡単で正確な手段である。例えば日常的に用いることの多い地域的な地図でも、縦・横の線で区分して区画化(メッシュ化)し、縦・横の欄外に付した符号と別に記載した索引により特定位置を検索することが従来から行われている。
【0005】
下記特許文献1もその一例であり、世界をまず18個のブロックに分割し、該各ブロック内を東西と南北に各100個ずつのメッシュに分割し、更に各メッシュ内を細分割して座標又細メッシュ化することを特徴としている。
【特許文献1】特開2000−181345号公報
【0006】
この特許文献1では、このようにメッシュ化することにより、地球的規模では上記の各々に付けた番号を順に表示し、又日常的な狭い地域内ではメッシュ番号以下又はメッシュ番号も省略して表示することにより、地図上を縦・横の線で区分し欄外に付した符号等で各区画を表示可能とした場合に、その区画や符号が各地図毎に異なるため汎用性に欠けるという従来の欠点を解消しようとする。
【0007】
ところで、地球上や地図上の位置情報を示すのには緯度・経度の表示方法がある。緯度・経度のうち、地理学的経緯度は、南北を表す緯度と東西を表す経度の2つの要素から成り立つ。赤道を0°とし、南北へそれぞれ90°まで表し、北緯90°・南緯90°はそれぞれ北極・南極である。この角度は、その点に接する線と北極と南極を結ぶ地軸との成す角を表す。
【0008】
経度は、旧グリニッジ天文台跡(ロンドン)を通る南北の線を0°とし、東西へそれぞれ180°まで表したものである。東経180°と西経180°は同じ場所を示す。(南北に通る線を子午線といい、旧グリニッジ天文台跡を通る基準となる子午線を本初子午線という。) この角度は、その点を通る子午線と本初子午線との角度を表す。
【0009】
緯度・経度は一般に度・分・秒で表す。分・秒は時間と同じように60進法になっている。ただし、秒に小数点以下の数値をつける場合は秒の後ろに10進法で表す。東経135度26分7秒2539(135度26分7.2539秒)
【0010】
なお、度を( °)、分を( ′)、秒を( ″)で示すこともある。東経135°26′7″2539
【0011】
又、分・秒を使わずに度だけで緯度・経度を表わす場合もある。この場合には、135度26分7秒2539を135.4353483度のように10進法で表わす。インターネットGIS等の場合にはこのような形で使用されていることが多い。(例:東経135.4353483度)
【0012】
緯度と経度は、身近な様々なところで用いられており、最近では、携帯電話もGPSや基地局から算出した場所を緯度・経度で管理している。
【0013】
このような緯度・経度の分秒表示は、従来から慣用的に使用されるものであるが、その精度は、緯度によって相違するものの、北緯35度付近の場合、0.1秒が約2.5mに相当し、5桁の数字により表示される値としては、表示の誤差範囲が約2.5mとなって、表示桁数のわりには、正確な表示を行なうことができにくいという問題があった。
【0014】
つまり、緯度・経度の小数点以下の分秒表示が60進法で表示されるため、分秒の表示精度は、4桁表示の場合、1/60分×60秒=1/3600となり、10進法での4桁表示の場合、1/10000の精度となって、60進法の表示では、半分以下の精度でしか表示できない。
【0015】
さらに、ある地点からある地点までの距離(東西距離と南北距離)を求める場合、分秒の減算を行なうと共に、縮小率等を乗算する必要があるが、分秒は60進法であるために、その計算が非常にしにくいという問題があった。
【0016】
これに対して、下記特許文献2は、地図を表示する場合、地図データベースから地図データを読み出し、表示しようとする位置の周辺の地図を描画し、ディスプレイ上にその地図画面を表示するのに、その現在位置の緯度・経度を10進法緯度・経度算出手段によって算出される数値で表示するようにしたものである。なお、この特許文献2は、1°未満を小数点以下の10進数で表示するもので、例えば東京のある地点の場合、北緯35.4253°、東経139.4426°のように算出される。
【特許文献2】特開2002−72867号公報
【0017】
この特許文献2の地図表示装置では、従来のように、緯度・経度の小数点以下の表示を分秒により60進法で表示する場合と比べ、4桁の分秒表示の場合、その精度は、1/60分×60秒=1/3600であるが、10進法での小数点以下4桁表示の場合、その精度は、1/10000となって、位置の表示精度を距離的には約2.78倍に向上させることができる。
【0018】
又、分秒表示に代えて10進法で表示した場合、平面的には、2.78×2.78≒7.72であるから、約7.7倍の数の地図上の地点を指示することが可能となり、地図上の地点の指示精度が大きく向上する。さらに、表示された地図上で、ある地点からある地点までの距離(東西距離と南北距離)を求める場合、緯度・経度の減算や縮小率等の乗算を行なうことになるが、10進法で計算することができるから、使用者は筆算等で容易に距離を求めることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
前記メッシュ化することにより、地球的規模においては上記の各々に付けた番号を順に表示する方法では、縦・横の欄外に特定の符号を付す作業とその位置を検索する特定の索引テーブルを必要とし、複雑である。
【0020】
これに対して前記のように、地球上や地図上の位置情報を示すのには緯度・経度の表示方法があり、これらには度分秒(°′″)で表す方法と、度以下を10進法で表す方法がある。
【0021】
伝統的な度・分・秒(°′″)で表わす場合、緯度・経度のそれぞれに接頭辞的な南緯、北緯、西経、東経の区別が必ず必要である。しかし特定の条件の時には特に明記しない場合がある。例えば、明らかに日本国内の地図の場合、北緯であり東経だからである。しかし西経0度(東経0度とも表現できる)近くのロンドンやパリの付近では常に西経、東経を注意しなければならない。又赤道直下付近(南緯0度、北緯0度とも表現できる)の南米エクアドルの首都キトの付近では常に南緯、北緯を注意しなければならない。
【0022】
度以下10進法で表す方法についても同様であり、緯度の場合、南緯・北緯に代わる、−・+の符号が必要となる。同様に経度の場合、西経・東経に代わる、−・+の符号が必要となる。
【0023】
前記特許文献2等でも、北緯をNで東経をEで表し、N35.4253°、E139.4426°のように10進法で表示することも出来るとある。
【0024】
又、度分秒(°′″)で表す方法と、度以下10進法で表す方法の両表示方法とも度以上の部分について述べると、緯度については180度を2分割し90度単位で表し、それぞれの90度に南緯・北緯あるいは−・+を付して表している。経度については360度を2分割し180度単位で表し、それぞれの180度に西経・東経あるいは−・+で付して表している。この緯度の180度と、経度の360度との違いが、度以上を含めた位置情報の緯度・経度の10進法表記を難しくしている。
【0025】
両表示方法とも特定の地点を表わす場合、経度の方が1桁多い場合があり、日本国の場合、東京タワーを例に取ると北緯35度、東経139度(度以下省略)となり2桁と3桁と桁数が同一でない。この不整合は、コンピュータ等でデジタルデータとして扱う場合、桁数の大きな方に統一される場合が多い。この不統一はコンピュータでデータ処理する場合、余分なデータ量となる場合がある。
【0026】
又、度・分・秒で表す方法においては、分について60進法、又、秒についても60進法である。さらにこの度・分・秒で表す方法においては、秒に小数点がついた秒以下については10進法になっている。しかし、度以下については、度以下10進法の表す方法では文字通り度以下が10進法で統一されている。だが、この方法においても度以上は緯度・経度それぞれ最大値が90度・180度と統一されていない。
【0027】
このように度分秒で表す方法と度以下10進法で表す方法ともに、度以上から度以下までの全体として10進法で統一されておらず表示方法自体が単純ではない。
【0028】
この表示自体が単純でないという事は、文字・数字による入力において、携帯電話での入力、コンピュータシステムにおけるキーボードの様なものでの入力、これらはいずれも、人の入力に対する負荷が大きいといえる。さらに東経・西経・+・−等注意しなければならない事も多い。
【0029】
現在これほどまでにGPS(全地球測位システム)が普及し、地球規模での位置確認ができ、様々な品々の物流において、時空間を追跡できるようになった。トレーサビリティ(生産物や製造物あるいは産業廃棄物等の流通経路を追跡が可能な状態をいう。直訳は追跡可能性と言う)という概念等もその影響のひとつである。
【0030】
当然ながら、物流に関わる大手運送会社はGPS・ITS(高度道路交通システム)・GIS(地理情報システム)等をコンピュータシステムに取り入れて総合的に物・人・運送機材・スケジュール・運賃・送料等を管理している。
【0031】
又、カーナビやGPS機能内蔵の携帯電話がITSと連携をとり、車両、船舶および人までをも道案内してくれる。このような状況下だからこそ、沢山の普通の人が位置情報を必要とする時代に突入した。
【0032】
このように、GPS機能内蔵の携帯電話(カーナビも含む)が日常生活に必要不可欠になりつつある現状からすると、大勢の人が位置情報の入力、表示、認識、伝達に関わってくる。
【0033】
この現時点で従来から使用されて唯一といえる緯度・経度による地球上および地図上の位置情報では人に対する負荷が大きいといえる。とうぜん伝達、確認等も複雑性から負荷はある程度存在する。中でも特に入力の負荷が大きい。
【0034】
本発明の目的は、従来の緯度・経度表記でなく、新しい位置情報の方法であり、表示、認識、入力、コンピュータによるデータ処理、等に関して、効率的に地球上や地図上の位置情報を扱いやすくする事が可能な地球上および地図上の位置情報表示方法およびそれを用いた地図と座標、および電子媒体に格納した物体、およびコンピュータシステム、およびコンピュータプログラム、および記号化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、地球上および地図上の位置情報表示方法として、地図上の任意の位置の緯度・経度の数値を、下記数式に基づき緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQとして10進法で表示することを要旨とするものである。
<数1>
緯度数値をPとし、経度数値をQとした場合、
緯度該当数値OWP=0.5+P/360
経度該当数値OWQ=0.5+Q/360
【0036】
経度は赤道を例に取ると西経180度から東回りに東経180度まで、地球1周して360度ある。一方緯度は南緯90度から赤道を経由し北緯90度までの180度である。
【0037】
緯度・経度のそれぞれ度分秒(°′″)で表す方法と、度以下10進法で表す方法のそれぞれの場合でも度以上で表す部分が緯度は180度、経度は360度である事は避けられずこれが、緯度・経度全ての位、桁について10進法にする事を複雑にした。本発明は、その180度:360度=1:2の問題を避けるべく新しい発想、概念にて解決を試みた。
【0038】
地球上および地図上の任意の位置は緯度・経度で表されるが、請求項1記載の本発明によれば、経度は赤道を例に取ると西経180度から東回りに東経180度まで、地球1周して360度で表現され、一方緯度は南緯90度から赤道を経由し北緯90度までの180度で表現される。緯度について、赤道から南極点を経由して地球の裏側の赤道まで延長しその裏側の赤道を南緯180度、同様に赤道から北極点を経由して地球の裏側の赤道まで延長しその裏側の赤道を北緯180度とみなし、緯度も1周360度の考えを取り入れた。
【0039】
すなわち、緯度について、赤道から南極点を経由して地球の裏側の赤道まで延長しその裏側の赤道を南緯180度、同様に赤道から北極点を経由して地球の裏側の赤道まで延長しその裏側の赤道を北緯180度、と見なし、緯度も1周360度の考えを取り入れた。緯度・経度共に360度とみなし、各位置情報を、度を含め10進法で変換し表示、入力とも簡単にした。
【0040】
本発明によれば、これにより緯度・経度共に360度で表現される。その緯度・経度による180度:360度=1:2の問題が360度:360度=1:1になり、数的な処理が緯度・経度の位置情報を含めての10進法で変換し、簡単、単純、明解に表示できる。
【0041】
請求項2記載の本発明は、緯度該当数値と経度該当数値のそれぞれに100000000(1億、10の8乗とも言う)を乗じて生じた数値、整数部分8桁と小数点以下の任意の桁までを採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表したことを要旨とするものである。
【0042】
請求項2記載の本発明によれば、緯度方向は25000000〜75000000(中心の50000000は赤道となる)の範囲内にて小数点を含む座標値を持つ。同様に経度方向は0〜100000000(中心の50000000はイギリス・旧グリニッジ天文台)の範囲内にて小数点を含む座標値を持つ。
【0043】
請求項2記載の本発明によれば、緯度該当数値と経度該当数値のそれぞれに100000000(1億、10の8乗とも言う)を乗じて生じた数値、整数部分8桁と小数点以下の任意の桁までを採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表わすことができる。
【0044】
これにより[南緯180度]・[南緯90度(南極点)]・[南緯0度(北緯0度、これは赤道になる)]・[北緯90度(北極点)]・[北緯180度]はそれぞれ[00000000.000・・・]・[25000000.000・・・]・[50000000.000・・・]・[75000000.000・・・]・[100000000.000・・・]で表す。さらに[西経180度(東経180度、一応日付変更線に近い)]・[西経0度(東経0度、ロンドンにある旧グリニッジ天文台跡を通る)]・[東経180度(西経180度、一応日付変更線に近い)]はそれぞれ[00000000.000・・・]・[50000000.000・・・]・[100000000.000・・・]で表す。
【0045】
請求項3記載の本発明は、請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた8桁の整数部の全数字を用いる事なく8桁の整数部分の任意の桁部分の数値を採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表したことを要旨とするものである。
【0046】
請求項3記載の本発明によれば、様々な種類の地図のスケール・縮尺に応じて、地図の枠内、枠外に目盛として任意の整数部分を座標として採用した簡潔な地図が得られる。世界全図やヨーロッパ全図(1/千万)等は上位2桁の表記で十分であり、日本全図(1/3百万)は上位3桁で十分である。又国土地理院発行の2万5千分の1等は上位5桁かあるいは中3桁(上位から3,4,5桁目を表記)で十分実用になる。この場合地図の枠外にその旨注記すれば十分である。
【0047】
請求項4記載の本発明は、請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた数値の、小数点の前後の任意桁の数値を採用し、特定範囲において、位置情報の分解能を高め南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表したことを要旨とするものである。
【0048】
請求項4記載の本発明によれば、小数点の前後の数値の精度は小数点以上1桁が南北方向40cmであり、小数点以下1桁が4cmである。小数点以下2桁目は4mmとなり、電信柱やマンホールの芯の位置等十分な精度を持ち、その精度により土木・建築関係等の管理に十分有効である。さらに小数点以下3桁目は0.4mmとなる。
【0049】
請求項5記載の本発明は、請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた数値の整数部分の南北方向8桁、東西方向8桁を基本とし、計16桁とすることを要旨とするものである。
【0050】
請求項5記載の本発明によれば、整数部分8桁を基本とし、南北方向8桁、東西方向8桁の計16桁の基本表記を言う。位置情報数値としては一定以上の精度を持つ。この8桁×8桁の末尾の精度は南北方向で40cm、東西方向40cm以下なので実際の生活において混同の可能性は殆どない。物流の世界にて、数字のみで地球規模でのドアtoドア配送が能率的にできる。
【0051】
請求項6記載の本発明は、請求項5の南北方向8桁、東西方向8桁のそれぞれの整数部分から、南北方向、東西方向それぞれの中5桁を取り出して、計10桁とし、都市名と組み合わせたことを要旨とするものである。
【0052】
請求項6記載の本発明によれば、都市名+10桁であり、Webあるいは携帯電話や紙媒体での場所の特定に種々利用できる。又、各都市内においては、桁数の少ない数字だけなので、電話番号のように記録しやすく又覚えやすいので、タクシーの利用や友人宅等を訪れる時の住所代わりに用いることができる。
【0053】
請求項7記載の本発明は、地球上および地図上の位置表示方法を用いた地図と座標として、請求項1の地球上および地図上の位置表示方法に基づき、縦軸に0〜1の値を持っているX軸を南緯180度・南緯90度(南極点)・南緯0度(北緯0度、赤道になる)・北緯90(北極点)・北緯180度はそれぞれX=0.00・X=0.25・X=0.50・X=0.75・X=1.00となるように、さらに横軸に0〜1の値を持っているY軸を西経180度・西経0度(東経0度、一応日付変更線に近い)・東経180度はそれぞれY=0.00・Y=0.50・Y=1.00となるように設定し、このXY座標の中に正距円筒図法の地図を置くことを要旨とするものである。
【0054】
請求項7記載の本発明によれば、地図あるいは座標として位置情報を扱いやすくなったものが得られる。
【0055】
請求項8記載の本発明は、地球上および地図上の位置表示方法を用いた電子媒体に格納した物体として、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6で得られた特定地点の位置情報データを収録したことを要旨とするものである。又、請求項9記載の本発明は、コンピュータシステムとして、請求項1の地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データを収録した電子媒体を含むことを要旨とするものである。
【0056】
請求項8又は請求項9記載の本発明によれば、位置情報と地点名称を組み合わせたデータを収納した電子媒体を利用する事により、GPS(全地球測位システム)・ITS(高度道路交通システム)・GIS(地理情報システム)等と組み合わせる事により、効率的なコンピュータシステムが得られる。
【0057】
請求項10記載の本発明は、コンピュータプログラムとして、請求項1の地球上および地図上の位置表示方法により、入力値か引数を度分秒表示の緯度・経度あるいは度以下10進法の緯度・経度とした場合の緯度該当数値・経度該当数値を求めることを要旨とするものである。
【0058】
請求項10記載の本発明によれば、コンピュータプログラムとして、位置情報を扱いやすくなったものが得られる。
【0059】
請求項11記載の本発明は、記号化物として、請求項1の地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データであることを要旨とするものである。
【0060】
請求項11記載の本発明によれば、請求項1の地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データそのもの、およびデータ入力機等でデータを読み込むための位置情報データとして、道路の現在位置の表示や道案内標識の表示又は観光地等のスポット表示等に採用した場合は対象となる地点の位置が正確、単純になる。さらに例えば観光地図や道案内に表示されている位置情報又はその位置情報を記号化させたもの(例えばバーコード等も含む)を携帯電話等で位置データとして読み込み目的位置を携帯電話の地図表記機能と連動させたり、カーナビ等の目的地として採用する等の入力が地名・番地を入力しないで簡便になる。
【発明の効果】
【0061】
以上述べたように本発明の地球上および地図上の位置情報表示方法およびそれを用いた地図と座標、および電子媒体に格納した物体、およびコンピュータシステム、およびコンピュータプログラム、および記号化物は、緯度・経度が連続性のある10進法による数値のみで表現でき、これにより緯度・経度の持つ南緯、北緯、東経、西経の区別のある煩わしさ、あるいは−、+のある煩わしさ、あるいは分秒の60進法の表現の煩わしさ、あるいは度についての一方が3桁あり片方が2桁までとその不整合性等、これら全てが解決される。
【0062】
又、世界中の位置情報が単純な方法で10進法化され、位置情報の表示、認識、入力を単純、効率的にし、位置情報に関する様々な分野の生産性をあげることができる。
【0063】
今日における目覚しいコンピュータの発展により、GPS(全地球測位システム)が普及し、GIS(地理情報システム)の進歩は地球規模、さらに小さく狭い地域においても、人を含めた物流に影響を与えている。トレーサビリティ(生産物や製造物あるいは産業廃棄物等の流通経路を追跡が可能な状態をいう。直訳は追跡可能性と言う)という概念等もその影響のひとつである。
【0064】
又、カーナビやGPS機能内蔵の携帯電話がITS(高度道路交通システム)と連携をとり、車両、船舶および人までをも道案内してくれる。
【0065】
このような状況下だからこそ、沢山の普通の人が位置情報を必要とする時代に突入し、効率的に地球上や地図上の位置情報を扱いやすくする事が可能な本発明は社会に貢献するものとなる。
【0066】
さらに、本発明によれば、家屋等より小さな構造物、特に電信柱やマンホール等についても10進法表記ゆえに表示・認識・入力が単純かつ効率的になりコンピュータと連動しての管理・保守が大幅に改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、図面について本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の地球上および地図上の位置情報表示方法およびそれを用いた地図と座標について説明する。
【0068】
本発明は、地図上の任意の位置の緯度・経度の数値を、下記数式に基づき緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQとして10進法で表示する。
<数1>
緯度数値をPとし、経度数値をQとした場合、
緯度該当数値OWP=0.5+P/360
経度該当数値OWQ=0.5+Q/360
【0069】
図1は本発明の地球上および地図上の位置情報表示方法およびそれを用いた地図と座標の1実施形態を示す説明図で、[Owa式正方形方眼世界地図]と称するものであり、独自の目盛、補助線を持つのが最大の特徴である。又緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQのそれぞれを[Owa率]と称し、Owa率に100000000(1億、10の8乗とも言う)を乗じて生じた数値、整数部分8桁と小数点以下の任意の桁を採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表した数を[Owa値]と称する。
【0070】
本地図では、縦軸に0〜1の値を持っているX軸[1]、横軸に0〜1の値を持っているY軸[2]の表として形成する。このXY座標の中に正距円筒図法による世界地図[3]をおいた。
【0071】
緯度については、赤道[4](南緯0度)から南極点[5](南緯90度)を経由して地球の裏側の赤道[6]まで延長し、その裏側の赤道[6]を南緯180度、同様に赤道[4](北緯0度)から北極点[7](北緯90度)を経由して地球の裏側の赤道[8]まで延長しその裏側の赤道を北緯180度とみなし、緯度も1周360度の考えを取り入れた。このようにして、緯度・経度共に360度とみなした。
【0072】
この図1の世界地図で、赤道4に該当する線はX=0.50であり、南緯90度(南極点、この場合正距円筒図法の表現限界でいうなら南極線で表現される)はX=0.25、同様に北緯90度(北極点、この場合正距円筒図法の表現限界でいうなら北極線で表現される)はX=0.75となる。
【0073】
冗長部ではあるが、この図中には緯度360度、経度360度を理解しやすくする目的で、南緯90度〜南緯180度、北緯90度〜北緯180度を書き込むことが好ましい。
【0074】
この図中の世界地図で、ロンドンの旧グリニッジ天文台のある西経0度(東経0度)に該当する線はY=0.50であり、西経180度(太平洋の日付変更線近く、日付変更線と同一ではない)はY=0.00、東経180度(太平洋の日付変更線近く、日付変更線と同一ではない)はY=1.00となる。
【0075】
整理すると、南緯180度・南緯90度・南緯0度(北緯0度、赤道にあたる)北緯90・北緯180度はそれぞれX=0.00・X=0.25・X=0.50・X=0.75・X=1.00となる
【0076】
同様に、西経180度・西経0度(東経0度)・東経180度はそれぞれY=0.00・Y=0.50・Y=1.00となる。
【0077】
この図中の世界地図で、任意の地点のX、Yの座標を求めその数値が、緯度該当数値OWP、経度該当数値OWQである。
【0078】
緯度該当数値OWP、経度該当数値OWQはそれぞれ緯度該当数値OWP=0.5+P/360、経度該当数値OWQ=0.5+Q/360より導き出される。(P、Qはそれぞれ度以下10進法の緯度表記でPについて南緯・北緯にそれぞれ−・+の符号がつき、Qについて西経・東経にそれぞれ−・+の符号がつく)
【0079】
東京タワーの緯度・経度は、北緯35°39′31.07″東経139°44′43.47″であるが、本発明によれば、5990 5175 8881 8168 となり、東京 90517 81816と表現することができる。計算は以下の通りである。
【0080】
東京タワーの緯度・経度
(35°39′31.0752″ 139°44′43.4796″)
+35.65863200 +139.74541100
+35.65863200の変換 0.5+35.658632/360=0.599051755
+139.74541100の変換 0.5+139.745411/360=0.888181697
【0081】
伝統的緯度・経度より度以下10進法緯度・経度への変換を行った。すなわち、伝統的緯度・経度をA°B′C″とした時、度以下10進法緯度・経度=A+B/60+C/60×60となる。
【0082】
(例 東京タワーの緯度・経度)
35°39′31.0752″の変換 35.65863200=35+39/60+31.0752/60×60
139°44′43.4796″の変換 139.74541100=139+44/60+43.4796/60×60
【0083】
同様に、エッフェル塔、ニューヨークの自由の女神、シドニーのオペラハウスは下記の表の通りである。
【表1】

【表2】

【表3】

【0084】
本発明におけるOwa値の基本表記は、新緯度・新経度の数値的な並びは最初の数値の塊が新緯度、後ろが新経度となる。本発明システムの基本数値表現は8桁と8桁となるが、表記上の桁数は特に固定せず、状況により2桁、4桁、9桁(小数点以下を含む)等様々な設定を選択できる。その時その時で他と混同、地図の枠外に注記する等、誤解しない表記を採用するならば自由である。
【0085】
本発明の具体的な利用方法としては
(1)地球儀および地図帳で索引等より10進法の目盛なのでより感覚的に素早く探せる。
(2)物流の世界にてドアtoドア配送が能率的にできる。
(3)自動車を利用する場合、Owa値を利用する事により世界中の多数の言語による複雑な表記の詳しい地名、番地なしで目的地まで到着する事ができる。
(4)インターネット時代に相応しい地図に関する検索能率が格段に向上する。
(5)道路上の看板・道路標識・道案内の標識・観光地等のスポット情報に短い数値や記号のような感じで位置情報を載せることができる。
(6)主に測量を含む土木・建築関係や地殻変動のデータに使用できる。
(7)行政上において地番、家屋番号等正確さを要する登記事項があいまいさなしの管理ができる。
【0086】
行政的な利用方法として、住所、番地は厳密な規則性は無いが、Owa値は緯度・経度と完全に互換がある。例えば東京都豊島区高田1−36−22には「ギャラリーゆめじ」以外の建物が5棟以上ある。この場合、家屋番号のように建物が増えたらいくらでも増やせる利便性がある。そして本発明方法のOwa値方式ならはっきりと識別できる。
【0087】
東京都豊島区高田1丁目36番22号にある「ギャラリーゆめじ」の本発明方法のOwa値表示は、東京都豊島区高田1丁目36番22号が、本発明のOwa値では、5992 1604/8880 9951である。
普通の日常使う表札等の住居表示等(南北方向4m 東西3.3mの精度で十分なとき)では、Owa値の一部 5992 1604/8880 9951 から一部数字を採用し、1丁目の後ろにつける。又、このとき旧来の住所の数字と混同されないように*印を頭につける。
東京都豊島区高田1丁目*160−995(*以下が絶対番地)
【0088】
この場合、高田1丁目が南北方向4km、東西3.3kmの範囲内に納まることが条件である。
家屋番号等の登記記録の場合(南北方向 0.4m 東西 0.33mの精度で十分なとき)は、東京都豊島区高田1丁目*1604−9951(*以下が絶対番地)となる。
【0089】
本発明の表示方法の種類は下記3通りに分類できる。
<Owa値L型> 物流の世界にて地球規模でドアtoドア配送が能率的にできる。
<Owa値M型> 自動車等を利用する場合、全世界で間違い無く目的地まで到着できる。
<Owa値S型> 主に測量を含む土木・建築関係や地殻変動データに使用できる。
【0090】
各々について、詳細を説明する。
[Owa値L型]
Owa率の小数点以下8桁を基本とし、緯度・経度 計16桁である。16桁の基本表記を言う。位置情報数値としては万能かつ一定以上の精度を持つ。この8桁×8桁の末尾の精度は40cmなので実際の生活において混同の可能性は殆どない。物流の世界にて数字のみで地球規模でのドアtoドア配送が能率的にできる。
【0091】
例えば前例で示した東京都豊島区高田1−36−22(斜線部)には「ギャラリーゆめじ」(A)以外の建物が5棟以上ある。(図2参照)
【0092】
この場合、1丁目36番22号に建物がいくらあろうとも末尾40cmの精度 なので本発明である<Owa値方式>ならそれぞれの玄関までもがはっきりと識別できる。ちなみに「ギャラリーゆめじ」のOwa値表示は、東京都豊島区高田1丁目36番22号 がOwa値 5992 1604 / 8880 9951 となる。これは実際には「ギャラリーゆめじ」の入り口玄関マットの位置になる。このような簡略かつ数値だけで他の建物との混同も無く厳密に確定できる。
【0093】
[Owa値M型]
都市名+10桁である。別名[なび値]とも呼ぶ。L型もそうであるが、特にこのM型はWebあるいは携帯電話や紙媒体での場所の特定に種々に利用される。又、特定された都市内においては桁数が少ない数字10桁なので覚えやすく、タクシーの利用や友人宅等を訪れる時の住所代わりに用いることができる。
【0094】
精度はちなみに北緯35度にて南北方向4.0m、東西方向3.3mである。この精度のため、各建物の玄関まで正確に誘導できる。Owa値の各8桁の5992 1604/8880 9951 から、中5桁を取り出して92−160 80−995 とする。
これら取り出した数値がOwa値M型で、特に愛称で<なび値>と呼ぶ。
基本的な表記は[都市名]と[数字の必要桁数 5桁+5桁]である。
【0095】
東京都港区麻布台2丁目にある日本経緯度原点の<なび値>は、
例<なび値> 東京都 90502/81704
東京都 90−502 81−704
東京 90502 81704
Tokyo*90502−81704*
の様に表記される。
【0096】
なお、Owa値の各上位2桁(前出のOwa値にては59と88)が表す範囲は南北方向400km・東西方向400km以下(緯度により差がでる)の広さのため世界中の大都市等の周辺も表記可能となる。
【0097】
[なび値]を世界標準とすれば、例えば、外国の観光地でタクシーに乗った時<なび値>を書いたメモを見せると、末尾の精度は4mなので建物等の前迄到着することができる。
[東京 90517/81869](東京タワー)
[Paris 57195 63729](エッフェル塔)
【0098】
[Owa値S型]
Owa値の8桁以下のカンマを含む数値である。狭いエリアなので上位の数桁を省く場合がある。主に測量を含む土木・建築関係に使用する。
【0099】
電信柱や植樹あるいは下水道のマンホール等の物体や中心点等の管理に向く。この場合、精度がとても重要なので精度だけについて述べると、カンマ以下3桁目の精度は0.4mmである。
【0100】
前記の例を用いて説明する。
たとえば、東京都港区麻布台2−2−1にある日本経緯度原点には下記の如く緯度・経度が詳しく表記されている。
北緯 35°39′29.1572″
東経 139°44′28.8759″
【0101】
この地点の下記表記の緯度・経度から<Owa値>を求めると
北緯 35°39′29.″1572 度以下百分率緯度 +35.65809922
東経 139°44′28.″8759 度以下百分率経度 +139.74135441
緯度Owa率 0.5990502756 経度Owa率 0.8881704289
南北方向Owa値 5990 5027.56 東西方向Owa値 8881 7042.89
Owa値 027.56/042.89
日本経緯度原点の中心点
麻布台2−2−1*027.56/042.89(*以下が絶対番地)
ここで麻布台2−2−1という住所の範囲が実際は40m×33m四方の範囲かもしれないが、その場合は小数点以上2桁で十分であるが、安全率を考えて小数点以上3桁を採用したその場合は小数点以上2桁で十分であるが、安全率を考えて小数点以上3桁を採用した。(南北400m、東西330mの特定した範囲のなかで、南北4mm 東西3.3mmの精度である)
【0102】
本発明を用いて2点間の距離を求めることも可能である。
すなわち、まず、各地点を下記数式に基づき緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQとして10進法で表示する
<数1>
緯度数値をPとし、経度数値をQとした場合、
緯度該当数値OWP=0.5+P/360
経度該当数値OWQ=0.5+Q/360
そして、これらの数値同士の差の値を、東西方向の1Owa値の長さ0.32mと南北方向の1Owa値の長さ0.40mを単位に距離に変換する。
【0103】
札幌市役所と鹿児島市役所の2点間の距離を求める場合、2つの緯度・経度は下記の通りである。

二つの地点の
“Owa値の差”
南北Owa値 61961693 58776820 3184873 A
東西Owa値 89265104 86265865 2999239 B
札幌市役所と鹿児島市役所の中間緯度
札幌市役所の緯度 43度
鹿児島市役所の緯度 31度
両所の平均緯度 37度
上記平均緯度の東西方向の1Owa値の長さ 0.32m
理科年表による(高緯度は縮む)
南北方向の1Owa値の長さ 0.40m
緯度によらずほぼ一定 0.32/1000=0.00032km C
0.40/1000=0.00040km D
0.00040×3184873=1273.95km D×A=E
0.00032×2999239=959.76km C×B=F
1273.95×1273.95=1622946.5642 E×E
959.76×959.76=921132.5009 F×F
2544079.0651 E×E+F×F √2544079.0651=1595.0169km
札幌市役所と鹿児島市役所の距離
1595.0169km Owa値より算出
国土地理院の下記Webから 1589.1952km
(アドレスはhttp://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/xy2stf.htm)
誤差わずか 5.8217km 0.37%である。
【0104】
本発明を用いて2点間の距離を求める第2例を述べる。前記東京都豊島区高田1丁目36番22号にある「ギャラリーゆめじ」とJR目白駅との比較的近い距離を求める場合である。
東京都豊島区高田1丁目36番22号が、本発明のOwa値では、5992 1612/8880 9895である。
それぞれの緯度・傾度は下記の通りである。

“二つの地点のOwa値の差”
南北Owa値 59921593 59922609 −1016 A
東西Owa値 88809949 88807411 2538 B
「ギャラリーゆめじ」と目白駅の中間緯度
「ギャラリーゆめじ」の緯度 35.7度
目白駅の緯度 35.7度
両所の平均緯度 35.7度
上記平均緯度の東西方向の 1 Owa値の長さ 0.32m
理科年表による(高緯度は縮む)
南北方向の 1 Owa値の長さ 0.40m
緯度によらずほぼ一定
南北Owa値 代入 東西Owa値 代入
0.32/1000=0.00032km C
0.40/1000=0.00040km D
0.00040×−1016=−0.41km D×A =E
0.00032×2538=0.81km C×B=F
−0.41×−0.41=0.1652 E×E
0.81×0.81= 0.6596 F×F
0.8248 E×E+F×F √0.8248=0.9082km 都市計画図1/2,500より 0.9150km 誤差わずか(0.0068)km 6.8mの0.75%である。
【0105】
以上が本発明の地球上および地図上の位置情報表示方法およびそれを用いた地図と座標であるが、これらを内容とした位置情報を格納した電子媒体に格納した物体、もしくは、コンピュータシステム又はコンピュータプログラムとして本発明を構成することも可能である。
【0106】
ここで電子媒体とは、電子計算機(コンピュータ)での情報処理に使用する記録媒体の総称をいい、主記憶装置(メモリー)以外の記憶装置(すなわち補助記憶装置)に使用されている媒体を指す。テープタイプ、ディスクタイプ、メモリータイプのいずれを問わない。
【0107】
現在広く使用されている電子媒体のうち、主な物は、磁気テープ、DDS(デジタル・データ・ストレージ)、ハードディスクドライブ(HDD)、FD、光ディスク 、CD、CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、BD(ブルーレイディスク)、LD(レーザーディスク)、光磁気ディスク(MO)、MD(ミニディスク)、フラッシュメモリ、USBメモリ、メモリーカード等である。
【0108】
本発明により、位置情報と地点名称を組み合わせたデータを得て、これを電子媒体に格納し、収納した電子媒体による物体を利用する事により、GPS(全地球測位システム)・ITS(高度道路交通システム)・GIS(地理情報システム)等と組み合わせる事により、効率的なコンピュータシステムが得られる。
【0109】
さらに、前記特定地点の位置情報データを収録した電子媒体を含むコンピュータシステムとして構成することも可能である。
【0110】
ここで用いるコンピュータプログラムは、本発明の地球上および地図上の位置表示方法により、入力値か引数を度分秒表示の緯度・経度あるいは度以下10進法の緯度・経度とした場合の緯度該当数値・経度該当数値を求めることを内容とするものである。
【0111】
コンピュータに組み込まれOwa値を求めるプログラムをプログラムowPとすると、以下、C言語でコーディングされたプログラムowPを記す。
void owaP(char *La, char *Lb, char *La_owa, char *Lb_owa)
{double a,b,ans_a,ans_b;
char *pa,*pb;
a = strtod(La,&pa);
b = strtod(Lb,&pb);
ans_a = 0.5 + a/360;
ans_b = 0.5 + b/360;
ans_a -= 0.0000000000005;
ans_b -= 0.0000000000005;
sprintf(La_owa,”%+017.12f”,ans_a);
sprintf(Lb_owa,”%+017.12f”,ans_b);}
【0112】
図3に本発明のOwa率算出プログラムの概略フローを示す。演算装置を用いて経度および緯度を固有コードへ変換する地理的座標変換方法によるものであって、前記演算装置において、経度および緯度を受け付ける受付工程と、前記緯度および経度の情報を、緯度入力値を緯度Owa率へ変換[緯度Owa率=0.5+緯度入力値÷360]、経度入力値を経度Owa率へ変換[経度Owa率=0.5+経度入力値÷360]する変換工程と、変換した緯度・経度Owa率を出力する出力工程からなる。
【0113】
前記経度および緯度を受け付ける受付工程では、キーボード、他のコンピュータプログラムの出力部、又は地図画面上で地点を指定することにより緯度および経度情報を出力する地図情報処理装置やナビゲーション装置、等から、緯度および経度の情報を受け付ける。
【0114】
前記出力工程では、ディスプレイや、地図情報処理装置やナビゲーション装置等の他の装置、又は他のコンピュータプログラムの入力部、等に対して、変換された緯度・経度Owa率を出力する。
【0115】
又、前記本発明による地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データおよびデータ入力機等でデータを読み込むために位置情報データを記号化することもできる。
【0116】
記号化の種類としては、光学式マーク認識、二次元コード、POSシステム、QRコード、SPコード、インタクタコード、バーコードバトラー、ISBN、カスタマバーコード等がある。
【0117】
このように記号化したものを利用することにより、道路の現在位置の表示や道案内標識の表示又は観光地等のスポット表示等の位置が正確、単純になる。さらに例えば観光地図や道案内に表示されている位置情報又はその位置情報を記号化させたもの(例えばバーコード等も含む)を携帯電話等で位置データとして読み込み目的位置を携帯電話の地図表記機能と連動させたり、カーナビ等の目的地として採用する等の入力が地名番地を入力しないで簡便になる。
【0118】
さらに、前記バーコードに代えて、非接触ICカードRFID(Radio Frequency IDentification)を初めとするICタグに前記本発明による地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データを収めて使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の地球上および地図上の位置情報表示方法の1実施形態を示す説明図である。
【図2】東京都豊島区高田1−36−22の住宅地図である。
【図3】本発明のコンピュータプログラムのフロー図である。
【符号の説明】
【0120】
1…X軸 2…Y軸
3…世界地図 4…赤道
5…南極点 6…地球の裏側の赤道
7…北極点 8…地球の裏側の赤道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の任意の位置の緯度・経度の数値を、下記数式に基づき緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQとして10進法で表示することを特徴とする地球上および地図上の位置情報表示方法。
<数1>
緯度数値をPとし、経度数値をQとした場合、
緯度該当数値OWP=0.5+P/360
経度該当数値OWQ=0.5+Q/360
【請求項2】
緯度該当数値OWPと経度該当数値OWQのそれぞれに100000000(1億、10の8乗とも言う)を乗じて生じた数値、整数部分8桁と小数点以下の任意の桁を採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表した請求項1記載の地球上および地図上の位置表示方法。
【請求項3】
請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた8桁の整数部の全数字を用いる事なく8桁の整数部分の任意の桁部分の数値を採用し、南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表した請求項2記載の地球上および地図上の位置表示方法。
【請求項4】
請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた数値の、小数点の前後の任意桁の数値を採用し、特定範囲において、位置情報の分解能を高め南北方向および東西方向をそれぞれの数値で表した請求項2記載の地球上および地図上の位置表示方法。
【請求項5】
請求項2の地球上および地図上の位置表示方法で生じた数値の整数部分の南北方向8桁、東西方向8桁を基本とし、計16桁とする請求項2記載の地球上および地図上の位置表示方法。
【請求項6】
請求項5の南北方向8桁、東西方向8桁のそれぞれの整数部分から、南北方向、東西方向それぞれの中5桁を取り出して、計10桁とし、都市名と組み合わせる請求項5記載の地球上および地図上の位置表示方法。
【請求項7】
請求項1の地球上および地図上の位置表示方法に基づき、縦軸に0〜1の値を持っているX軸を南緯180度・南緯90度(南極点)・南緯0度(北緯0度)・北緯90(北極点)・北緯180度はそれぞれX=0.00・X=0.25・X=0.50・X=0.75・X=1.00となるように、さらに横軸に0〜1の値を持っているY軸を西経180度・西経0度(東経0度、一応日付変更線に近い)・東経180度はそれぞれY=0.00・Y=0.50・Y=1.00となるように設定し、このXY座標の中に正距円筒図法の地図を置くことを特徴とした地球上および地図上の位置表示方法を用いた地図と座標。
【請求項8】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6で得られた特定地点の位置情報データを収録したことを特徴とする地球上および地図上の位置表示方法を用いて電子媒体に格納した物体。
【請求項9】
請求項1の地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データを収録した電子媒体を含むことを特徴としたコンピュータシステム。
【請求項10】
請求項1の地球上および地図上の位置表示方法により、入力値か引数を度分秒表示の緯度・経度あるいは度以下10進法の緯度・経度とした場合の緯度該当数値・経度該当数値を求めることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項1の地球上および地図上の位置表示方法より得られた特定地点の位置情報データの記号化物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−60786(P2010−60786A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225700(P2008−225700)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
2.QRコード
【出願人】(508266421)
【Fターム(参考)】