説明

地図作成支援システム

【課題】車両等が走行できる道路と遊歩道等とを区別し、三次元の位置情報を有する道路データ及びそれに対応する画像から三次元地図を作成する地図作成支援システムを提供することを課題とする。
【解決手段】位置情報を取得するGPS受信手段11と、前記位置情報に対応した画像を取得する撮影手段12、13と、前記撮影手段に撮影を指示する画像取得手段16と、取得した位置情報を記憶域に記録し、前記位置情報及び画像を所定の移動距離で取得すべく同期をとり、前記GPS受信手段及び前記画像取得手段に取得時期を通知する計測手段14と、所定の移動距離を測定して前記計測手段に通知する時期を生成する発生手段15と、撮影した画像を保存する画像保存手段17とを備える計測車両1と、前記位置情報と画像とから地図を作成する地図作成手段3とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元地図を作成する地図作成支援システムに関し、更に詳しくは、計測車両により位置情報及び画像を取得して地図を作成する地図作成支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路地図を作成するときに用いる道路ネットワークデータは、多くの場合、航空写真等によるオルソ画像から作成されている。オルソ画像とは、複数の角度から同一エリアを撮影した航空写真を画像処理により、地表面を実質的に真上から見た状態に変換した画像である。これにより、実質的に真上から見た状態と略同等の画像を得ることができるようになる。
【0003】
例えば、特許文献1では、地表面の写真データを衛星通信局を介して取得し、画像処理部により、前記写真データを実質的に真上から見た歪みのないオルソ画像データに変換処理し、前記オルソ画像データに基づいて、道路及び関連する立体情報からなるスケルトンマップ(道路ネットワークデータ)を抽出し、さらに、スケルトンマップから基本道路データを算出し、必要な属性データを重畳し、歪みの無いデジタルオルソ地図データを作成し、車両に配信し、ナビゲーション制御や走行制御に利用する技術が開示されている。
【0004】
また、上記オルソ画像を用いない技術として特許文献2では、GPS(Global Positioning System)衛星から電波を受信することで車両の位置を求め、この車両の位置および電波の受信時刻とから車両の走行軌跡を軌跡作成手段で作成し、さらに、この走行軌跡と車両ごとに設定された車線幅データとから走行軌跡を取得した道路の車線を車線画定手段で画定し、画定した車線を用いて地図作成手段が道路地図を作成する道路地図作成システムが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−184375号公報
【特許文献2】特開2002−318533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、衛星写真等により取得した道路ネットワークデータは、実際には道路ではない遊歩道等も道路ネットワークとして抽出されることがあり、精度の点で問題があった。また、特許文献2の技術では、精度の高い三次元の位置情報を画像と共に有する道路データを作成することができないという問題があり、さらに、計測機器を搭載する車両を使用しているが、これらの計測機器及び車両で消費される電力の供給に関しては何ら記載がない。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明は、小型の計測車両を実際に走行させて車両等が走行できる道路と遊歩道等とを区別し、三次元の位置情報を有する道路データ及びそれに対応する画像を取得して三次元地図を作成する地図作成支援システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有する。
請求項1に記載の本発明は、計測車両により取得した情報に基づいて三次元道路地図を作成する地図作成支援システムにおいて、位置情報を取得するGPS受信手段と、前記位置情報に対応した画像を取得する撮影手段と、前記撮影手段に撮影を指示する画像取得手段と、取得した位置情報を記憶域に記録し、前記位置情報及び画像を所定の移動距離で取得すべく同期をとり、前記GPS受信手段及び前記画像取得手段に取得時期を通知する計測手段と、所定の移動距離を測定して前記計測手段に通知する時期を生成する発生手段と、撮影した画像を保存する画像保存手段とを備える計測車両と、前記計測車両により取得した前記位置情報をGPS基準局で取得した基地局情報と比較して補正する検証・補正手段と、補正した位置情報から道路ネットワークを作成する作成手段と、前記道路ネットワークに前記画像を付与する付与手段と、前記計測車両により取得した位置情報と画像を計測データとして保存する計測データ保存データベースと、 前記道路ネットワーク及びこれに画像を付与した地図を地図データとして格納する地図データ保存データベースとを備える地図作成手段とを有することを特徴とする地図作成支援システムである。
【0009】
計測車両により走行可能な道路を実際に走行して、位置情報及び画像を取得することにより、車両等が走行できる道路と遊歩道等とを区別し、三次元の位置情報を有する道路データ及びそれに対応する画像から三次元地図を作成することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の地図作成支援システムにおいて、前記GPS受信手段による位置情報の取得が困難なときは、所定の移動距離に応じてパルスを発生させるDMIと三次元の移動方向を取得する慣性計測装置とを用いることにより位置情報を取得することを特徴とする地図作成支援システムである。
GPS衛星からの電波が届かないトンネル等を通過するときでも、位置情報の取得ができるようになる。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の地図作成支援システムにおいて、 前記地図作成手段は、前記画像により認識された標識と撮影時の前記計測車両の走行軌跡から標識の座標を算出する座標算出手段を備えることを特徴とする地図作成支援システムである。
道路上に設置されている標識等の正確な座標を知ることにより、標識及びその周辺の建物等の正確な位置を地図に反映させることができるようになる。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の地図作成支援システムにおいて、前記計測車両は、進行方向の前後を各々撮影する撮影手段として、少なくとも二台のカメラを備え、進行方向に対して逆光時に撮影するときは、前方を撮影するカメラを二台配置し、一台を逆光に対応する絞り値に設定し、他の一台を順光に対応する絞り値に設定して前方を撮影することを特徴とする地図作成支援システムである。
逆光時撮影用の専用カメラを備えることにより、逆光時の撮影においても鮮明な画像を取得することができるようになる。
【0013】
請求項5に記載の本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の地図作成支援システムにおいて、前記計測車両は、該計測車両を駆動するための第1のバッテリーと、前記計測車両に備える各手段で消費される電力を供給する第2のバッテリーと、前記第2のバッテリーより供給される直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、前記計測車両のエンジンが稼働中に前記2つのバッテリーに同時に電力を供給する発電機と、前記第2のバッテリーに前記発電機からの電力を伝送するためのリレーとを備える電力供給手段を有することを特徴とする地図作成支援システムである。
従来の軽車両に備えるバッテリーのみを使用した場合に発生するバッテリーの交換及び再充電というメンテナンスが不要になり、計測車両の長時間の走行に対応することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、計測車両により走行可能な道路を実際に走行して位置情報及び画像を取得することにより、車両等が走行できる道路と遊歩道等とを区別し、三次元の位置情報を有する道路データ及びそれに対応する画像から三次元地図を作成する地図作成支援システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明はこの発明の最良の形態の例であって、いわゆる当業者は特許請求の範囲内で、変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、以下の説明が特許請求の範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明の地図作成支援システムの概略構成図である。
本発明の地図作成支援システムは、道路を走行して位置情報及びその画像を取得する計測車両1と、計測車両で取得した計測データを用いて地図を作成する地図作成手段3とから構成される。
【0017】
本発明の地図作成システムにおける計測車両1は、位置情報を取得するGPS受信部11と、前記位置情報に対応した画像を撮影するカメラ12、13と、前記カメラ12、12に撮影を指示する画像取得部16と、取得した位置情報を記憶域に記録し、前記位置情報及び画像を所定の移動距離で取得すべく同期をとり、前記GPS受信部112及び前記画像取得部16に取得時期を通知する計測部14と、所定の移動距離を測定して前記計測部14に通知するタイミングを発生させるシャッタータイミング発生装置15と、光ファイバージャイロからなるIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)19と、所定の距離を移動する毎にパルスを発生させるDMI(Distance Measuring Indicator)20と、撮影した画像を保存する画像保存ファイル17とを備える。前記計測車両1で取得した位置情報及び画像は計測データ31として、地図作成手段3にDVD等の任意の記録媒体を介して入力される。
【0018】
地図作成手段3は、前記計測車両で取得した計測データ31を保存する計測データ保存データベース36とこの計測データ31をGPS基地局で取得したGPS基準局データ32と比較して精度を検証し、補正する検証・補正部33と、前記画像により認識された標識と撮影時の走行軌跡から標識の座標を算出する座標算出部38と、補正した計測データから道路ネットワークを作成する道路ネットワーク作成部34と、取得した画像データから関心地点(Point of Interest:POI、以下、「POI」と記す)を取得し、前記道路ネットワークに付与するPOI付与部35と、POI付与部35により作成された地図データを格納する地図データ保存データベース37とから構成される。
【0019】
本発明の計測車両1は、細街路を走行可能なように排気量が1000CC未満の軽車両を用いる。但し、上記器材を装備して地図作成のための計測データ31を取得するために、これらの器材の電源を好適に確保する必要がある。軽車両に備える従来のバッテリー及びオルタネータでは対応することができない。
図2は、本発明に係る計測車両の電力供給手段を示す図である。本発明に係る計測車両1の電力供給手段は、従来の軽車両に備える第1のバッテリー21、この計測車両に備える上述の各種計測機器で消費される電力を供給する第2のバッテリー(補助バッテリー)24、これらのバッテリー21、24に同時に電力を供給するオルタネータ22、第2のバッテリー24より供給される直流電力を交流電力に変換するインバーター25、及び計測車両のイグニッション26がオンのときに第2のバッテリー24にオルタネータ22からの電力を伝送するリレー23から構成される。
【0020】
従来の軽車両に備えるオルタネータで発電する電力では、本発明の計測車両で消費される電力を補えないため、オルタネータ22は、従来の軽車両に備えるオルタネータの発電能力より約10アンペア程度多く発電できるものを用いる。計測車両1のエンジン駆動時の電力は第1のバッテリーにより供給される。第1のバッテリー21は、従来の軽車両に備えるものを使用している。オルタネータ22で発電した電力は、エンジンルーム内に備える第1のバッテリーに供給され、リレー23に伝送される。リレー23は、イグニッション26がオンのときに第2のバッテリー24へオルタネータで発電した電力を伝送する。ここでリレー23を使用するのは、計測車両1のエンジンが停止中、即ち、オルタネータ22が稼働していないときに、計測車両に備える各種計測機器が稼働していた場合は、第1のバッテリー21を使用しないようにするためである。発電中は、第1のバッテリーと第2のバッテリーは導通状態にあるからであり、リレーを用いて、これを遮断している。第2のバッテリーの直流電力をインバーター25で交流電力に変換して、上述の各種計測機器に供給する。
このような電力供給手段を備えることにより、従来の軽車両に備えるバッテリーのみを使用した場合に発生するバッテリーの交換及び再充電というメンテナンスが不要になり、計測車両1の長時間の走行に対応することが可能になる。
【0021】
カメラ12、13は、進行方向前部と後部を撮影できるよう計測車両に屋根の前部と後部の2箇所に1台ずつ配置され、前方を撮影するカメラをプライマリカメラ12及び後方を撮影するカメラをセカンダリカメラ13が配置されている。所定の距離毎に静止画が、1秒間に7回連続で撮影される。屋根に配置するのは、人間の目の位置と略同位置にするためである。カメラの近傍には、各々GPS受信部11のアンテナが備えられ、GPS衛星からの電波を受信して位置情報を計測部14に通知する。
【0022】
計測部14は、この位置情報と光ファイバージャイロからなるIMU19の情報から現在位置の3次元情報を抽出し、記憶域に保存する。光ファイバージャイロとは、内部にリング状に巻いた光ファイバーの中を互いに反対方向に進む光を入れて角速度によって変化する光の到達時間差による干渉縞のずれから回転角速度を検出するもので精度が高い。さらに、メカジャイロに比べ、可動部も無く、小型であり、振動ジャイロに比べ高精度であるという特徴を有しているため、本発明に係る小型の車両からなる計測車両1に配置するのに好適である。
【0023】
また、トンネルのようなGPS衛星からの電波の受信が届かないような場所では、計測車両1に備えるIMU19により得られる進行方向及び高度と、DMI20により得られる走行距離とを用いることにより3次元位置情報を補完する。
【0024】
図3は、本発明の計測車両における画像取得に係る構成を示す図である。
位置情報の取得は移動距離が1m毎に実行され、カメラによる画像の撮影は移動距離が5m毎に実行される。取得する位置情報は、緯度、経度及び高度である。移動距離は、計測車両に備えられるDMIが発生する車速に応じたパルス(以下。「車速パルス」という)により測定される。DMIは、一回転4096の車速パルスを発生させ、シャッタータイミング発生装置15に入力される。
【0025】
シャッタータイミング発生装置15は、所定距離を移動したときに発生する車速パルス数と、車速パルスと車速パルスとの間の単位移動距離とから移動距離を算出し、移動距離1mをEvent1、移動距離5mをEvent2とする同期した信号を生成する。Event1及びEvent2は計測部14に入力され、Event情報として記録される。Event情報とは、1m及び5m移動時の対応するEvent1及びEvent2信号の発生時刻及び発生回数のシークエンス番号である。計測部14は、移動距離5m毎のEvent2のEvent情報を画像取得部16に送信する。
【0026】
画像取得部16は、Event2を認識してカメラ12、13に撮影の指示をし、指示を受信したカメラ12、13は、予め、カメラ12、13に設定されたシャッタースピード等の条件で撮影する。撮影は、2台のカメラ12、13で前方及び後方が同時に撮影される。この撮影された画像のうち、移動距離が5mの間隔に最も近い、即ち、Event2信号の発生時刻に最も近い鮮明な画像を選択し、画像取得部16により、タグ情報としてEvent情報(Event発生時刻、シーケンス番号)を画像ファイルに書き込み、JPEG等により圧縮して画像保存ファイル17に保存される。撮影は1秒間に7連続して撮影されるため、上記の条件に合致した画像の選択が可能となる。
【0027】
図4は、本発明の計測車両における逆光時の画像取得のためのカメラの配置を示す図である。
本発明の実施形態では、通常(順光時)は、2台のカメラを計測車両の各々前後に配置するが、逆光時には、カメラを計測車両の屋根に並べて配置する。即ち、通常時に後方を撮影していたセカンダリカメラ13を計測車両の進行方向に向かってプライマリカメラ12の右側に配置して、共に前方を撮影する。このように設定するのは、逆光の状態におけるプライマリカメラ13での撮影時に逆光補正を設定するタイムラグをなくすためである。
【0028】
逆光時の撮影では、カメラ12、13の絞値等の撮影条件は、プライマリカメラ12を通常用に、セカンダリカメラ13を逆行用に設定する。これらの変更は、画像取得部16により設定される。次に撮影した画像を画像保存ファイル17に保存した後、地図作成手段3において、通常用のプライマリカメラ12で撮影した画像を検証して逆光時にプライマリカメラ12で撮影された暗い画像を抽出し、同時刻に撮影されたセカンダリカメラ13の画像を抽出して画像を差し替えて計測データ保存データベース36に格納する。このようにして、常時鮮明な画像を取得することができるようになる。
【0029】
計測車両1で取得した位置情報及びそれに対応する画像は、計測データとしてDVD等の記録媒体を介して地図作成手段3に備える計測データ保存データベース36に格納される。
【0030】
図5は、地図作成手段の概略構成図である。
地図作成手段3の検証・補正部では、計測車両により取得した計測データのうち、位置情報(緯度、経度、高度)の計測データ31とGPS基地局で取得したGPS基準局データ32とを用いて、キネマティック解析を行い、計測データを検証して補正し、精度を上げている。これにより、補正前の数メートルの誤差から10cm程度の誤差にすることができる。このキネマティック解析及び補正は公知の技術であるため、ここではその説明は省略する。
【0031】
次に、補正後の精度を上げた位置情報の計測データ31を点群データとして、道路ネットワーク作成部34において、予め作成してある地図に道路ネットワーク(以下、「道路NW」とも記す)を作成する。具体的には、点群データを1m毎に取得した位置情報の集合体とし、点を緯度、経度からなるノードとして既存の地図上にプロットし、プロットした点を結ぶことにより道路や交差点等を作成する。このようにして、作成した道路ネットワークデータは地図作成手段3の地図データ保存データベース37に格納する。
【0032】
次に、道路沿いに存在する標識の正確な位置を座標として算出する。標識の正確な座標が判明すれば標識近傍の建物の位置を地図上に正確に反映させることができる。
図6は、標識の座標算出のための三角測量の例を示す図である。
座標算出部38は、画像で認識された標識38と撮影時の計測車両1の走行軌跡から標識38の座標を算出するものである。撮影は、5m毎に撮影されており、同一の標識38を複数の地点で撮影している場合がある。例えば、図5では、同一の標識38を計測車両1の走行軌跡のうち3箇所で撮影している。座標は、上述の計測データを用いて次のような手順で算出する。
【0033】
まず、認識された標識38の撮影基準点からの角度を算出する。次に、計測車両1の軌跡より、撮影時の計測車両の方角を算出する。次に、5m毎に撮影された画像のうち、前後5mの画像で同一の標識38が認識されているか否かを確認する。認識されている場合は、認識された同一の標識38の方角及び角度を算出する。次に、三角測量で計測車両1と標識38との距離を算出する。ここで、前後5mの画像で同一の標識38が認識されていない場合は、撮影された標識38のサイズとこの標識38の基準サイズとを比較して計測車両1と標識38との距離を算出する。算出した、角度、方向及び距離より標識の座標を算出する。
このようにして、道路上に設置されている標識の正確な座標を知ることにより、標識及びその周辺の建物等の正確な位置を地図に反映させることができるようになる。
【0034】
次に、作成した道路ネットワークに、計測車両1により取得した画像を付与する。上述したように、取得した画像は、移動距離が5m毎に撮影されている。従って、位置によっては、ほとんど変化のない画像が続いて撮影されている場合もあり、これらをすべて地図に付与する必要はない。また、作成した地図の用途によっては、関心をひく建物が異なることから、例えば、銀行、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等を撮影した画像から適宜選択して、地図に付与する。
【0035】
このようにして、軽車両からなる計測車両1により取得した計測データ31を用いることにより、車両等が走行できる道路と遊歩道等とを区別し、三次元の位置情報を有する道路データ及びそれに対応する画像から三次元地図を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の地図作成支援システムの概略構成図である。
【図2】本発明に係る計測車両の電力供給手段を示す図である。
【図3】本発明の計測車両における画像取得に係る構成を示す図である。
【図4】本発明の計測車両における逆光時の画像取得のためのカメラの配置を示す図である。
【図5】本発明の地図作成手段の概略構成図である。
【図6】座標算出のための三角測量の例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 計測車両
11 GPS受信部
12 プライマリカメラ
13 セカンダリカメラ
14 計測部
15 シャタータイミング発生装置
16 画像取得部
17 画像保存ファイル
19 IMU
20 DMI
21 第1のバッテリー
22 オルタネータ
23 リレー
24 第2のバッテリー(補助バッテリー)
25 インバーター
26 イグニッション
3 地図作成手段
31 計測データ
32 GPS基準局データ
33 検証・補正部
34 道路ネットワーク作成部
35 POI付与部
36 計測データ保存データベース
37 地図データ保存データベース
38 座標算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測車両により取得した情報に基づいて三次元道路地図を作成する地図作成支援システムにおいて、
前記地図作成支援システムは、
位置情報を取得するGPS受信手段と、前記位置情報に対応した画像を取得する撮影手段と、前記撮影手段に撮影を指示する画像取得手段と、取得した位置情報を記憶域に記録し、前記位置情報及び画像を所定の移動距離で取得すべく同期をとり、前記GPS受信手段及び前記画像取得手段に取得時期を通知する計測手段と、所定の移動距離を測定して前記計測手段に通知する時期を生成する発生手段と、撮影した画像を保存する画像保存手段とを備える計測車両と、
前記計測車両により取得した前記位置情報をGPS基準局で取得した基地局情報と比較して補正する検証・補正手段と、補正した位置情報から道路ネットワークを作成する作成手段と、前記道路ネットワークに前記画像を付与する付与手段と、前記計測車両により取得した位置情報と画像とを計測データとして保存する計測データ保存データベースと、 前記道路ネットワーク及びこれに画像を付与した地図を地図データとして格納する地図データ保存データベースとを備える地図作成手段と
を有する
ことを特徴とする地図作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図作成支援システムにおいて、
前記GPS受信手段による位置情報の取得が困難なときは、所定の移動距離に応じてパルスを発生させるDMIと三次元の移動方向を取得する慣性計測装置とを用いることにより位置情報を取得する
ことを特徴とする地図作成支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地図作成支援システムにおいて、
前記地図作成手段は、前記画像により認識された標識と撮影時の前記計測車両の走行軌跡から標識の座標を算出する座標算出手段を備える
ことを特徴とする地図作成支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の地図作成支援システムにおいて、
前記計測車両は、進行方向の前後を各々撮影する撮影手段として、少なくとも二台のカメラを備え、進行方向に対して逆光時に撮影するときは、前方を撮影するカメラを二台配置し、一台を逆光に対応する絞り値に設定し、他の一台を順光に対応する絞り値に設定して前方を撮影する
ことを特徴とする地図作成支援システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の地図作成支援システムにおいて、
前記計測車両は、該計測車両を駆動するための第1のバッテリーと、
前記計測車両に備える各手段で消費される電力を供給する第2のバッテリーと、
前記第2のバッテリーより供給される直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、
前記計測車両のエンジンが稼働中に前記2つのバッテリーに同時に電力を供給する発電機と、
前記第2のバッテリーに前記発電機からの電力を伝送するためのリレーと
を備える電力供給手段を有する
ことを特徴とする地図作成支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−206099(P2007−206099A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21431(P2006−21431)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(506027860)モバイルマッピング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】