地図情報表示システム
【課題】地図をスクロールした際には連続してスクロールでき、地図上にオンラインデータを表示できる地図情報表示システムを提供する。
【解決手段】クライアントコンピュータ12のキャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するようにサーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データを要求し、サーバコンピュータ11の地図データ提供手段18は、クライアントコンピュータ12のキャッシュ管理手段28より要求されたエリアの地図データをデータベース管理システム19を利用して検索しそのエリアの地図データをクライアントコンピュータ12のキャッシュ更新手段27に送信する。
【解決手段】クライアントコンピュータ12のキャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するようにサーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データを要求し、サーバコンピュータ11の地図データ提供手段18は、クライアントコンピュータ12のキャッシュ管理手段28より要求されたエリアの地図データをデータベース管理システム19を利用して検索しそのエリアの地図データをクライアントコンピュータ12のキャッシュ更新手段27に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成される地図情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのサーバ・クライアントモデルによる処理環境において地図情報表示システムの利用が一般的になってきた。これらの地図情報表示システムにおいて、人間系が操作するクライアントコンピュータには、表示装置の表示画面に表示される領域の周辺部を含むより広範囲の領域がサーバコンピュータより読み込まれている。そして、人間系は、入力装置例えばマウスの操作により、地図を表示画面上でスクロールさせることができるようになっている。この処理形態により表示画面上に一度に表示することができない広い領域の地図を認識し易く人間系に提供することが可能となっている。
【0003】
図26は従来のサーバ・クライアントモデルを適用した地図情報表示システムの構成図である。この地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータ11と地図データの提供を受けるクライアントコンピュータ12とから構成され、クライアントコンピュータ12の入力装置から人間系の地図表示要求がサーバコンピュータ11に届けられると、サーバコンピュータ11からは人間系の指定する領域の周辺部を含むより広域の地図データが人間系の操作するクライアントコンピュータ12に送信される。
【0004】
いま、表示用地図データ13aが地図データキャッシュに蓄えられたとすると、表示用地図データ13aの一部がビデオメモリ14に格納され表示エリア15として表示装置に表示される。そして、人間系のマウス操作などにより表示画面上で地図をスクロールさせるとスクロール手段16は、スクロールに応じて表示用地図データ13aの範囲内でビデオメモリ14に格納される地図データを更新し、表示エリア15a〜15dのように表示できる。
【0005】
すなわち、地図データキャッシュに蓄えられる表示用地図データ13は人間系の指定する領域の周辺部を含むより広域の地図データであり、その結果、クライアントコンピュータ12には表示装置に表示される表示エリア15より広い領域の地図データを保持することとなる。また、人間系のマウス操作などにより表示画面上で地図をスクロールさせると、スクロール手段16はビデオメモリ14に格納する地図データを表示用地図データ13aの範囲内で更新するので、その範囲内で表示エリア15を確保できる。そして、スクロールが表示用地図データ13aを超えるときはサーバコンピュータ11から新たに表示用地図データ13bの提供を受けることになる。
【0006】
これにより、表示装置の画面上の表示エリア15よりも広範囲の地図データをクライアントコンピュータ12が保持することができ、人間系が表示されている地図の周辺領域を見たいときにはマウス操作により地図をスクロールさせ、見たい領域の地図を画面に表示させることができる。
【0007】
ここで、サーバで経路探索を行った結果を端末に転送する場合、ユーザの希望する誘導方法に合ったデータを転送し、地図データも必要な属性のみを転送し、誘導方式種別として誘導地点付近の地図に重ねて誘導方向を重ねて表示する交差点拡大図が選択されたとき、誘導地点情報として誘導地点を含む所定範囲の地図を抽出した誘導地点地図を生成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、利用者からの画面表示要求で指定された範囲でローカルデータベースにデータが既に登録されている範囲と登録されていない範囲とを判定し、そのチェック結果を基にローカルデータベースに対してデータが登録されていない範囲に含まれるデータをデータベースサーバに問合せ、データベースサーバにおけるデータ検索の結果をローカルデータベースに対して追加登録すると共にローカルデータベース有効範囲データを更新し、ローカルデータベースに保存されたデータから画面表示に必要な矩形範囲に含まれるデータを検索し、一度表示した情報は再度データベースサーバに問合せを行なわないようにしてデータ転送時間を短縮するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−107169号公報
【特許文献2】特開2001−109760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2のものでは、スクロールにより表示させる地図の領域は、人間系の表示要求に伴いサーバより送られてきた領域データに限られるので、スクロールを繰り返すことにより、この領域の範囲外の地図を表示しようとする要求がなされたときには新たにサーバより地図領域データを端末に転送する必要がある。
【0011】
さらに、地図データのサーバからの転送は人間系より地図表示要求がなされたときだけであり、刻々と変化するオンラインデータを記載した地図をリアルタイムに人間系に提供することはできない。
【0012】
本発明の目的は、人間系が地図をスクロールした際には地図データが定義されている限りは連続してスクロールさせることができ、さらに地図上には刻々と変化するオンラインデータを表示させることができる地図情報表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成され、前記クライアントコンピュータは、前記サーバコンピュータから提供される地図データを受信し地図データキャッシュに更新保存するキャッシュ更新手段と、前記地図データキャッシュに保存された地図データのうち表示装置の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリと、前記表示画面上での入力装置のポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき前記地図データキャッシュからスクロールに対応したエリアの地図データを取り出し前記ビデオメモリに書き込むスクロール手段と、前記地図データキャッシュに蓄えられているキャッシュエリアと前記スクロール手段のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するように前記サーバコンピュータに対し前記キャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段とを有し、前記サーバコンピュータは、前記クライアントコンピュータに提供する地図データを管理するデータベース管理システムと、前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ管理手段より要求されたエリアの地図データを前記データベース管理システムを利用して検索しそのエリアの地図データを前記キャッシュ更新手段に送信する地図データ提供手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、人間系が地図をスクロールした際には地図データが定義されている限りは連続してスクロールさせることができ、さらに地図上には刻々と変化するオンラインデータを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における地図スクロール機能の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるマウスIF手段26の処理内容を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるスクロール手段16の処理内容を示すフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例1)の説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例1)を示すフローチャート。
【図7】本発明の第1の実施の形態における地図データ提供機能の説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における地図データ提供手段の処理内容を示すフローチャート。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例2)の説明図。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例2)を示すフローチャート。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例3)の説明図。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例3)を示すフローチャート。
【図14】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例4)の説明図。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例4)を示すフローチャート。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるクライアントコンピュータ毎の地図データキャッシュの状態を示す説明図。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるキャッシュ管理手段が保持するキャッシュ情報テーブルの説明図。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図20】本発明の第3の実施の形態における地図データ提供手段の処理内容を示すフローチャート。
【図21】本発明の第3の実施の形態におけるキャッシュ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの他の一例の構成図。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図24】本発明の第4の実施の形態におけるオンラインデータ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図25】本発明の第4の実施の形態におけるクライアント管理手段の処理内容を示すフローチャート。
【図26】従来のサーバ・クライアントモデルを適用した地図情報表示システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータ11と地図データの提供を受けるクライアントコンピュータ12とがネットワーク17を介して接続されている。
【0017】
サーバコンピュータ11は、地図データ提供手段18、データベース管理システム19及び地図データ20から構成される。サーバコンピュータ11の地図データ提供手段18は、クライアントコンピュータ12より要求されたエリアの地図データをデータベース管理システム19を利用して地図データ20より検索し、そのエリアの地図データをクライアントコンピュータ12に送信する。データベース管理システム19はクライアントコンピュータ12に提供する地図データ20を管理するものであり、汎用ソフトウエアパッケージを想定している。
【0018】
クライアントコンピュータ12は、入力装置21、表示装置22、演算制御装置23、記憶装置24から構成されている。入力装置は例えばマウスであり、表示装置22に表示された表示画面を通して、地図をスクロールしたりするものである。記憶装置24には、サーバコンピュータ11から提供された地図データを格納する地図データキャッシュ25及び地図データキャッシュ25に保存された地図データのうち表示装置22の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリ14が形成されている。ビデオメモリ14はコンピュータに標準で実装されているものである。
【0019】
また、演算制御装置23は、入力装置21であるマウスからの操作指令を入力処理するマウスIF手段26と、マウスにより表示装置22に表示された地図の表示画面がスクロールされたときに表示画面上でのマウスのポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき地図データキャッシュ25からスクロールに対応したエリアの地図データを取り出しビデオメモリ14に書き込むスクロール手段16と、サーバコンピュータ11から提供される地図データを受信し地図データキャッシュ25に更新保存するキャッシュ更新手段27と、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するようにサーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段28とを有している。
【0020】
図2は第1の実施の形態における地図スクロール機能の説明図である。本発明のマウスIF手段26、スクロール手段16及びキャッシュ管理手段28は関連して動作し、地図スクロール機能を達成する。表示装置には地図データキャッシュ25に格納された表示用地図データ13のうちのビデオメモリ14に格納された地図データが表示エリア15として表示される。そして、マウスのスクロールにより表示エリア15a〜15dに表示される地図データが更新される。
【0021】
図3は第1の実施の形態におけるマウスIF手段26の処理内容を示すフローチャートである。図3に示すように、マウスIF手段26は、入力装置であるマウスの人間系の操作信号を入力し(S1)、マウスのポインタの現在の表示座標、スクロール方向及びスクロール速度などの情報を計算し(S2)、その計算結果をスクロール手段16に渡す(S3)。
【0022】
図4は第1の実施の形態におけるスクロール手段16の処理内容を示すフローチャートである。図4に示すように、スクロール手段16はマウスIF手段26から渡された現在座標、スクロール速度及びスクロール方向を計算し(S1)、現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき地図データキャッシュ25から地図データを取り出しビデオメモリに書き込むとともに(S2)、スクロールに関する情報(現在座標、スクロール速度及びスクロール方向)をキャッシュ管理手段28に渡す(S3)。そして、マウス操作が継続しているかどうかを判定し(S4)、マウス操作が継続しているときはステップS1に戻り、そうでないときは処理を終了する。このように、スクロール手段16による地図データキャッシュ25からの地図データの取り出し及びそのデータのビデオメモリ14への書き込みの繰り返しによりスクロールを実現する。
【0023】
図5は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例1)の説明図である。本発明のスクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。キャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられている表示用地図データ13aと、スクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリア15との中心座標が一致するように、サーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データ(表示用地図データ13b)を要求する。例えば、表示用地図データ13aの中心位置と表示エリア15の中心位置との隔たりが(x、y)であるとき、その隔たり(x、y)に対応した領域(Δx、Δy)だけ移動した地図データをサーバコンピュータ11に対し要求する。
【0024】
図6は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例1)を示すフローチャートである。図6に示すように、キャッシュ管理手段28はスクロール手段16から渡されるスクロール情報(現在座標)を基に地図データキャッシュ25に格納されている地図の中心座標と、現在画面に表示されている領域の中心座標の隔たり(x、y)を求める(S1)。x座標軸方向の隔たりからスクロールにより移動した表示エリア15が地図データキャッシュ25に格納されている地図データの中心となるようなx軸方向の領域の幅Δxだけ移動した地図データの要求信号を作成するとともに(S2)、y座標軸方向の隔たりからスクロールにより移動した表示エリア15が地図データキャッシュ25に格納されている地図データの中心となるようなy軸方向の領域の幅Δyだけ移動した地図データの要求信号を作成し(S3)、その領域に関する地図データの転送をサーバコンピュータ11へ要求する(S4)。
【0025】
図7は第1の実施の形態における地図データ提供機能の説明図である。本発明のキャッシュ管理手段28、地図データ提供手段18、データベース管理システム19、キャッシュ更新手段27及び地図データキャッシュ25は関連して動作し、地図データ提供機能を達成する。
【0026】
図8は第1の実施の形態における地図データ提供手段18の処理内容を示すフローチャートである。図8に示すように、地図データ提供手段18はキャッシュ管理手段28より新たな検索領域(Δx,Δy)を受け取り(S1)、それに基づきデータベース管理システム19を利用して地図データ20を検索し(S2)、検索した結果の領域(Δx,Δy)に含まれる地図データをキャッシュ更新手段27に渡す(S3)。
【0027】
図9は第1の実施の形態におけるキャッシュ更新手段27の処理内容を示すフローチャートである。図9に示すように、キャッシュ更新手段27は地図データ提供手段18から領域(Δx,Δy)に関する地図データを受信し(S1)、そのデータで地図データキャッシュ25を更新する(S2)。
【0028】
以上の説明では、キャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリア15との中心座標が一致するように、サーバコンピュータ11に対し、キャッシュエリア分の地図データを要求するようにしたが、表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx、Ly)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしてもよい。
【0029】
図10は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例2)の説明図である。この実施例2は、表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx、Ly)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図10に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0030】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx,Ly)が制限距離以下となったときに、境界までの距離(Lx,Ly)に基づいた新たな検索領域(Δx,Δy)の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0031】
図11は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例2)を示すフローチャートである。図11に示すように、キャッシュ管理手段28は、表示エリア15と地図データキャッシュ25の境界までの距離(Lx,Ly)を求め(S1)、x方向の距離Lxが制限距離Lxr以上かどうかを判定し(S2)、x方向の距離Lxが制限距離Lxr未満の場合には検索領域Δx{Δx=f(Lx)}の地図データの要求信号を出力し(S3)、さらに、y方向の距離Lyが制限距離Lyr以上かどうかを判定する(S4)。ステップS2の判定でx方向の距離Lxが制限距離Lxr以上の場合にはステップS4に移行する。
【0032】
そして、ステップS4の判定で、y方向の距離Lyが制限距離Lyr未満の場合には検索領域Δy{Δy=f(Ly)}の地図データの要求信号を出力し(S5)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S6)。ステップS4の判定でy方向の距離Lyが制限距離Lyr以上の場合にはステップS6に移行する。
【0033】
このように、キャッシュ管理手段28は、x方向の距離Lxが制限距離Lxr未満の場合、またはy方向の距離Lyが制限距離Lyr未満の場合には、境界までの距離(Lx,Ly)から新たな検索領域(Δx,Δy)を求め、その検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0034】
これにより、スクロールをするにつれて地図データキャッシュ25の境界との距離(Lx,Ly)が制限値(Lxr,Lyr)未満になったときに、その距離(Lx,Ly)に関連して求める検索領域(Δx,Δy)の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ地図データが転送される。つまり、地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を地図データキャッシュ25の境界までの距離(Lx,Ly)で予測し、距離(Lx,Ly)が制限値(Lxr,Lyr)以下となったときに枯渇が近づいたとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送する。従って、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11の地図データ20が定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0035】
図12は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例3)の説明図である。この実施例3は、スクロール手段16のスクロールの平均速度(Vx、Vy)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図12に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0036】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールの平均速度(Vx、Vy)が一定値以上になったときに、スクロールの平均速度(Vx、Vy)に基づいた新たな検索領域(Δx,Δy)の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0037】
図13は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例3)を示すフローチャートである。図13に示すように、キャッシュ管理手段28は過去n回のスクロールの平均速度(Vx,Vy)を求め(S1)、x方向のスクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx以上かどうかを判定し(S2)、スクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx以上のときは、検索領域Δx{Δx=f(Vx)}の地図データの要求信号を出力し(S3)、さらに、y方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity以上かどうかを判定する(S4)。ステップS2の判定でx方向のスクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx未満の場合にはステップS4に移行する。
【0038】
そして、ステップS4の判定で、y方向のy方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity以上の場合には検索領域Δy{Δy=f(Vy)}の地図データの要求信号を出力し(S5)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S6)。ステップS4の判定でy方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity未満の場合にはステップS6に移行する。
【0039】
このように、キャッシュ管理手段28は、過去n回のスクロールの平均速度(Vx,Vy)を求め、その速度(Vx,Vy)が制限速度(V1limitx,V1limity)以上となった場合にスクロール速度を入力値とする関数から検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0040】
これにより、急激なスクロールによって地図データキャッシュ25の地図データが急速に枯渇することをスクロール平均速度で予測し、スクロール平均速度が制限値を超えた場合に、その速度から求めた(Δx,Δy)の領域の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ転送される。地図データキャッシュ25の地図データの枯渇をスクロール平均速度により予測し、スクロール平均速度が制限値以上となったときに枯渇が急速に近づくとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送する。従って、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11に地図データが定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0041】
図14は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例4)の説明図である。この実施例4は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ15のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間に基づいて新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図14に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0042】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間(Tx,Ty)が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0043】
図15は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例4)を示すフローチャートである。図15に示すように、キャッシュ管理手段28は、まず、表示エリア15の地図データキャッシュ25までの距離(Lx,Ly)を求め(S1)、距離(Lx,Ly)を過去n回のスクロールの平均速度で除算してスクロール領域が地図データキャッシュ25の境界までに辿り着く到達時間(Tx,Ty)を求める(S2)。そして、x方向の辿り着く到達時間Txが制限時間Tlimitx以下かどうかを判定し(S3)、到達時間Txが制約時間Tlimitx以下を超える場合には検索領域Δx{Δx=f(Tx)}の地図データの要求信号を出力し(S4)、さらに、y方向の辿り着く到達時間Tyが制限時間Tlimity以下かどうかを判定する(S5)。ステップS3の判定でx方向の辿り着く到達時間Txが制限時間Tlimitx以下の場合にはステップS5に移行する。
【0044】
そして、ステップS5の判定で、y方向の到達時間Tyが制限時間Tlimityを超える場合には検索領域Δy{Δy=f(Ty)}の地図データの要求信号を出力し(S6)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S7)。ステップS5の判定でy方向の到達時間Tyが制限時間Tlimity以下の場合にはステップS6に移行する。
【0045】
このように、キャッシュ管理手段28は、x方向の到達時間Txが制限時間Tlimitxを超える場合、またはy方向の到達時間Tyが制限時間Tlimityを超える場合には、境界までの辿り着く到達時間(Tx,Ty)から新たな検索領域(Δx,Δy)を求め、その検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0046】
これにより、定常的なスクロールにより地図データキャッシュ25の境界までの到達時間(Tx,Ty)が制限値(Tlimitx,Tlimity)以下になったときに、その時間に関連して求める検索領域(Δx,Δy)の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ転送される。つまり、地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を地図データキャッシュ25の境界までの到達時間で予測し、到達時間が制限値以下となったときに枯渇が近づいたとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送することで、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11に地図データ20が定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0047】
以上の説明では、キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき(実施例2)、または、スクロール手段16のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき(実施例3)、または、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったとき(実施例4)に、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求するようにしたが、これら実施例2、実施例3、実施例4を適宜組み合わせて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求するようにしてもよい。例えば、実施例2と実施例3との組合せ、実施例3と実施例4との組合せ、実施例4と実施例2との組合せ、実施例2と実施例3と実施例4の組合せを採用してもよい。
【0048】
本発明の第1の実施の形態によれば、スクロールをしても地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、連続してスクロールを行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図16は本発明の第2の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、キャッシュ管理手段28をクライアントコンピュータ12に代えてサーバコンピュータ11に設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0050】
図16において、クライアントコンピュータ12に搭載するビデオメモリ14、地図データキャッシュ25、マウスIF手段26、スクロール手段16、キャッシュ更新手段27、サーバコンピュータ11に搭載する地図データ提供手段18、データベース管理システム19、地図データ20は、図1に示した第1の実施の形態のものと同じであり、キャッシュ管理手段28がサーバコンピュータ11に搭載されている。
【0051】
キャッシュ管理手段28はサーバコンピュータ11に搭載され、サーバコンピュータ11に接続される複数のクライアントコンピュータ12毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを備えている。
【0052】
図17はクライアントコンピュータ12毎の地図データキャッシュ25の状態を示す説明図である。クライアントコンピュータ12は、x方向がxi、y方向がyiの大きさの地図データキャッシュ25を有している。そこで、キャッシュ管理手段28は、クライアントコンピュータ12毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを保持する。
【0053】
図18はキャッシュ管理手段28が保持するキャッシュ情報テーブル29の説明図である。キャッシュ情報テーブル29は、クライアント毎の地図データキャッシュ25の大きさ(xi,yi、i=1〜n)及び原点座標を格納したテーブルである。キャッシュ管理手段28によるキャッシュ管理は、クライアントコンピュータ12から渡されるスクロールに関する情報に基づきキャッシュ情報テーブル29をアクセスすることによりクライアント毎の地図データキャッシュ25に格納されている地図データと表示エリアの状況を把握し、クライアントコンピュータ12のスクロール手段16のスクロールに応じてキャッシュエリア分の地図データを地図データ提供手段18に要求することになる。
【0054】
本発明の第2の実施の形態によれば、クライアントコンピュータ12に搭載するソフトウエアの量を削減しつつ第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図19は本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11に、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段30を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0056】
図19において、クライアントコンピュータ12に搭載するビデオメモリ14、地図データキャッシュ25、マウスIF手段26、スクロール手段16、キャッシュ更新手段27、キャッシュ管理手段28、サーバコンピュータ11に搭載する地図データ提供手段18、データベース管理システム19、地図データ20は、図1に示した第1の実施の形態のものと同じである。
【0057】
オンラインデータ更新手段30は、交通情報や気象情報など刻々と変化する情報に合わせてオンラインプログラムにより更新するものであり、更新されたオンラインデータは地図データ提供手段18を介してクライアントコンピュータ11のキャッシュ更新手段27に送信される。
【0058】
図20は第3の実施の形態における地図データ提供手段18の処理内容を示すフローチャートである。地図データ提供手段18は更新されたオンラインデータをオンラインデータ更新手段30から取り出し(S1)、クライアントコンピュータ11のキャッシュ更新手段27に送信する(S2)。そして、キャッシュ更新手段27は受信したオンラインデータが地図データキャッシュ25の地図データに含まれる場合にはオンラインデータを更新する。
【0059】
図21は第3の実施の形態におけるキャッシュ更新手段27の処理内容を示すフローチャートである。キャッシュ更新手段27はオンラインデータ更新手段30から交通情報や気象情報など刻々と変化するオンラインデータを受信すると、受信したオンラインデータは、地図データキャッシュ25に保持する地図データの領域に含まれるかどうかを判定し(S1)、地図データの領域に含まれる場合には地図データキャッシュ25を更新し(S2)、スクロール手段16に通知する(S3)。
【0060】
以上の説明では、図1に示した第1の実施の形態に対し、オンラインデータ更新手段30を設けた場合について説明したが、図22に示すように、図16に示した第2の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11にオンラインデータ更新手段30を設けるようにしてもよい。
【0061】
第3の実施の形態によれば、地図スクロールに伴うクライアントコンピュータ12の地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を防ぐと共に、刻々とサーバコンピュータ11側で更新される地図情報を時間遅れなくクライアント側の地図データキャッシュ25に反映することが可能となる。
【0062】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図23は本発明の第4の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第4の実施の形態は、図2に示した第2の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11に、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段30と、オンラインデータ更新手段30のオンラインデータがクライアントコンピュータ12の地図データキャッシュ25の地図データに含まれる場合にはオンラインデータをキャッシュ更新手段27に送信するクライアント管理手段31とを設けたものである。図2と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0063】
図24は第4の実施の形態におけるオンラインデータ更新手段30の処理内容を示すフローチャートである。オンラインデータ更新手段30は、交通情報や気象情報など刻々と変化する情報に合わせてオンラインプログラムによりオンラインデータを作成し(S1)、更新されたオンラインデータをクライアント管理手段31に渡す(S2)。
【0064】
図25は第4の実施の形態におけるクライアント管理手段31の処理内容を示すフローチャートである。クライアント管理手段31は、例えば、図18に示すようなキャッシュ情報テーブルを有しており、クライアントコンピュータ12毎にキャッシュ情報テーブルをアクセスし、クライアント毎の地図データキャッシュ25に格納されている地図データを参照する(S1)。そして、オンラインデータがクライアントが搭載する地図データキャッシュ25の地図データに含まれるかどうかを判断し(S2)、含まれるときにはそのオンラインデータをキャッシュ更新手段27に渡す(S3)。そして、すべてのクライアントコンピュータ12について処理したかどうかを判定し、処理を終了していないときはステップS1に戻る(S4)。これにより、クライアント更新手段31は、クライアントコンピュータ12の数だけステップS1〜S4を繰り返して行う。
【0065】
本発明の第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、オンラインデータを含む領域の地図データキャッシュ25を搭載するクライアントにのみオンラインデータを送信することができるのでネットワークのトラフィックを必要最低限にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
11…サーバコンピュータ、12…クライアントコンピュータ、13…表示用地図データ、14…ビデオメモリ、15…表示エリア、16…スクロール手段、17…ネットワーク、18…地図データ提供手段、19…データベース管理システム、20…地図データ、21…入力装置、22…表示装置、23…演算制御装置、24…記憶装置、25…地図データキャッシュ、26…マウスIF手段、27…キャッシュ更新手段、28…キャッシュ管理手段、29…キャッシュ情報テーブル、30…オンラインデータ更新手段、31…クライアント管理手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成される地図情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのサーバ・クライアントモデルによる処理環境において地図情報表示システムの利用が一般的になってきた。これらの地図情報表示システムにおいて、人間系が操作するクライアントコンピュータには、表示装置の表示画面に表示される領域の周辺部を含むより広範囲の領域がサーバコンピュータより読み込まれている。そして、人間系は、入力装置例えばマウスの操作により、地図を表示画面上でスクロールさせることができるようになっている。この処理形態により表示画面上に一度に表示することができない広い領域の地図を認識し易く人間系に提供することが可能となっている。
【0003】
図26は従来のサーバ・クライアントモデルを適用した地図情報表示システムの構成図である。この地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータ11と地図データの提供を受けるクライアントコンピュータ12とから構成され、クライアントコンピュータ12の入力装置から人間系の地図表示要求がサーバコンピュータ11に届けられると、サーバコンピュータ11からは人間系の指定する領域の周辺部を含むより広域の地図データが人間系の操作するクライアントコンピュータ12に送信される。
【0004】
いま、表示用地図データ13aが地図データキャッシュに蓄えられたとすると、表示用地図データ13aの一部がビデオメモリ14に格納され表示エリア15として表示装置に表示される。そして、人間系のマウス操作などにより表示画面上で地図をスクロールさせるとスクロール手段16は、スクロールに応じて表示用地図データ13aの範囲内でビデオメモリ14に格納される地図データを更新し、表示エリア15a〜15dのように表示できる。
【0005】
すなわち、地図データキャッシュに蓄えられる表示用地図データ13は人間系の指定する領域の周辺部を含むより広域の地図データであり、その結果、クライアントコンピュータ12には表示装置に表示される表示エリア15より広い領域の地図データを保持することとなる。また、人間系のマウス操作などにより表示画面上で地図をスクロールさせると、スクロール手段16はビデオメモリ14に格納する地図データを表示用地図データ13aの範囲内で更新するので、その範囲内で表示エリア15を確保できる。そして、スクロールが表示用地図データ13aを超えるときはサーバコンピュータ11から新たに表示用地図データ13bの提供を受けることになる。
【0006】
これにより、表示装置の画面上の表示エリア15よりも広範囲の地図データをクライアントコンピュータ12が保持することができ、人間系が表示されている地図の周辺領域を見たいときにはマウス操作により地図をスクロールさせ、見たい領域の地図を画面に表示させることができる。
【0007】
ここで、サーバで経路探索を行った結果を端末に転送する場合、ユーザの希望する誘導方法に合ったデータを転送し、地図データも必要な属性のみを転送し、誘導方式種別として誘導地点付近の地図に重ねて誘導方向を重ねて表示する交差点拡大図が選択されたとき、誘導地点情報として誘導地点を含む所定範囲の地図を抽出した誘導地点地図を生成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、利用者からの画面表示要求で指定された範囲でローカルデータベースにデータが既に登録されている範囲と登録されていない範囲とを判定し、そのチェック結果を基にローカルデータベースに対してデータが登録されていない範囲に含まれるデータをデータベースサーバに問合せ、データベースサーバにおけるデータ検索の結果をローカルデータベースに対して追加登録すると共にローカルデータベース有効範囲データを更新し、ローカルデータベースに保存されたデータから画面表示に必要な矩形範囲に含まれるデータを検索し、一度表示した情報は再度データベースサーバに問合せを行なわないようにしてデータ転送時間を短縮するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−107169号公報
【特許文献2】特開2001−109760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2のものでは、スクロールにより表示させる地図の領域は、人間系の表示要求に伴いサーバより送られてきた領域データに限られるので、スクロールを繰り返すことにより、この領域の範囲外の地図を表示しようとする要求がなされたときには新たにサーバより地図領域データを端末に転送する必要がある。
【0011】
さらに、地図データのサーバからの転送は人間系より地図表示要求がなされたときだけであり、刻々と変化するオンラインデータを記載した地図をリアルタイムに人間系に提供することはできない。
【0012】
本発明の目的は、人間系が地図をスクロールした際には地図データが定義されている限りは連続してスクロールさせることができ、さらに地図上には刻々と変化するオンラインデータを表示させることができる地図情報表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成され、前記クライアントコンピュータは、前記サーバコンピュータから提供される地図データを受信し地図データキャッシュに更新保存するキャッシュ更新手段と、前記地図データキャッシュに保存された地図データのうち表示装置の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリと、前記表示画面上での入力装置のポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき前記地図データキャッシュからスクロールに対応したエリアの地図データを取り出し前記ビデオメモリに書き込むスクロール手段と、前記地図データキャッシュに蓄えられているキャッシュエリアと前記スクロール手段のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するように前記サーバコンピュータに対し前記キャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段とを有し、前記サーバコンピュータは、前記クライアントコンピュータに提供する地図データを管理するデータベース管理システムと、前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ管理手段より要求されたエリアの地図データを前記データベース管理システムを利用して検索しそのエリアの地図データを前記キャッシュ更新手段に送信する地図データ提供手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、人間系が地図をスクロールした際には地図データが定義されている限りは連続してスクロールさせることができ、さらに地図上には刻々と変化するオンラインデータを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における地図スクロール機能の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるマウスIF手段26の処理内容を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるスクロール手段16の処理内容を示すフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例1)の説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例1)を示すフローチャート。
【図7】本発明の第1の実施の形態における地図データ提供機能の説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における地図データ提供手段の処理内容を示すフローチャート。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例2)の説明図。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例2)を示すフローチャート。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例3)の説明図。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段の処理内容(実施例3)を示すフローチャート。
【図14】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例4)の説明図。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例4)を示すフローチャート。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるクライアントコンピュータ毎の地図データキャッシュの状態を示す説明図。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるキャッシュ管理手段が保持するキャッシュ情報テーブルの説明図。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図20】本発明の第3の実施の形態における地図データ提供手段の処理内容を示すフローチャート。
【図21】本発明の第3の実施の形態におけるキャッシュ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの他の一例の構成図。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図。
【図24】本発明の第4の実施の形態におけるオンラインデータ更新手段の処理内容を示すフローチャート。
【図25】本発明の第4の実施の形態におけるクライアント管理手段の処理内容を示すフローチャート。
【図26】従来のサーバ・クライアントモデルを適用した地図情報表示システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。地図情報表示システムは、地図データを提供するサーバコンピュータ11と地図データの提供を受けるクライアントコンピュータ12とがネットワーク17を介して接続されている。
【0017】
サーバコンピュータ11は、地図データ提供手段18、データベース管理システム19及び地図データ20から構成される。サーバコンピュータ11の地図データ提供手段18は、クライアントコンピュータ12より要求されたエリアの地図データをデータベース管理システム19を利用して地図データ20より検索し、そのエリアの地図データをクライアントコンピュータ12に送信する。データベース管理システム19はクライアントコンピュータ12に提供する地図データ20を管理するものであり、汎用ソフトウエアパッケージを想定している。
【0018】
クライアントコンピュータ12は、入力装置21、表示装置22、演算制御装置23、記憶装置24から構成されている。入力装置は例えばマウスであり、表示装置22に表示された表示画面を通して、地図をスクロールしたりするものである。記憶装置24には、サーバコンピュータ11から提供された地図データを格納する地図データキャッシュ25及び地図データキャッシュ25に保存された地図データのうち表示装置22の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリ14が形成されている。ビデオメモリ14はコンピュータに標準で実装されているものである。
【0019】
また、演算制御装置23は、入力装置21であるマウスからの操作指令を入力処理するマウスIF手段26と、マウスにより表示装置22に表示された地図の表示画面がスクロールされたときに表示画面上でのマウスのポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき地図データキャッシュ25からスクロールに対応したエリアの地図データを取り出しビデオメモリ14に書き込むスクロール手段16と、サーバコンピュータ11から提供される地図データを受信し地図データキャッシュ25に更新保存するキャッシュ更新手段27と、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するようにサーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段28とを有している。
【0020】
図2は第1の実施の形態における地図スクロール機能の説明図である。本発明のマウスIF手段26、スクロール手段16及びキャッシュ管理手段28は関連して動作し、地図スクロール機能を達成する。表示装置には地図データキャッシュ25に格納された表示用地図データ13のうちのビデオメモリ14に格納された地図データが表示エリア15として表示される。そして、マウスのスクロールにより表示エリア15a〜15dに表示される地図データが更新される。
【0021】
図3は第1の実施の形態におけるマウスIF手段26の処理内容を示すフローチャートである。図3に示すように、マウスIF手段26は、入力装置であるマウスの人間系の操作信号を入力し(S1)、マウスのポインタの現在の表示座標、スクロール方向及びスクロール速度などの情報を計算し(S2)、その計算結果をスクロール手段16に渡す(S3)。
【0022】
図4は第1の実施の形態におけるスクロール手段16の処理内容を示すフローチャートである。図4に示すように、スクロール手段16はマウスIF手段26から渡された現在座標、スクロール速度及びスクロール方向を計算し(S1)、現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき地図データキャッシュ25から地図データを取り出しビデオメモリに書き込むとともに(S2)、スクロールに関する情報(現在座標、スクロール速度及びスクロール方向)をキャッシュ管理手段28に渡す(S3)。そして、マウス操作が継続しているかどうかを判定し(S4)、マウス操作が継続しているときはステップS1に戻り、そうでないときは処理を終了する。このように、スクロール手段16による地図データキャッシュ25からの地図データの取り出し及びそのデータのビデオメモリ14への書き込みの繰り返しによりスクロールを実現する。
【0023】
図5は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例1)の説明図である。本発明のスクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。キャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられている表示用地図データ13aと、スクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリア15との中心座標が一致するように、サーバコンピュータ11に対しキャッシュエリア分の地図データ(表示用地図データ13b)を要求する。例えば、表示用地図データ13aの中心位置と表示エリア15の中心位置との隔たりが(x、y)であるとき、その隔たり(x、y)に対応した領域(Δx、Δy)だけ移動した地図データをサーバコンピュータ11に対し要求する。
【0024】
図6は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例1)を示すフローチャートである。図6に示すように、キャッシュ管理手段28はスクロール手段16から渡されるスクロール情報(現在座標)を基に地図データキャッシュ25に格納されている地図の中心座標と、現在画面に表示されている領域の中心座標の隔たり(x、y)を求める(S1)。x座標軸方向の隔たりからスクロールにより移動した表示エリア15が地図データキャッシュ25に格納されている地図データの中心となるようなx軸方向の領域の幅Δxだけ移動した地図データの要求信号を作成するとともに(S2)、y座標軸方向の隔たりからスクロールにより移動した表示エリア15が地図データキャッシュ25に格納されている地図データの中心となるようなy軸方向の領域の幅Δyだけ移動した地図データの要求信号を作成し(S3)、その領域に関する地図データの転送をサーバコンピュータ11へ要求する(S4)。
【0025】
図7は第1の実施の形態における地図データ提供機能の説明図である。本発明のキャッシュ管理手段28、地図データ提供手段18、データベース管理システム19、キャッシュ更新手段27及び地図データキャッシュ25は関連して動作し、地図データ提供機能を達成する。
【0026】
図8は第1の実施の形態における地図データ提供手段18の処理内容を示すフローチャートである。図8に示すように、地図データ提供手段18はキャッシュ管理手段28より新たな検索領域(Δx,Δy)を受け取り(S1)、それに基づきデータベース管理システム19を利用して地図データ20を検索し(S2)、検索した結果の領域(Δx,Δy)に含まれる地図データをキャッシュ更新手段27に渡す(S3)。
【0027】
図9は第1の実施の形態におけるキャッシュ更新手段27の処理内容を示すフローチャートである。図9に示すように、キャッシュ更新手段27は地図データ提供手段18から領域(Δx,Δy)に関する地図データを受信し(S1)、そのデータで地図データキャッシュ25を更新する(S2)。
【0028】
以上の説明では、キャッシュ管理手段28は、地図データキャッシュ25に蓄えられているキャッシュエリアとスクロール手段16のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリア15との中心座標が一致するように、サーバコンピュータ11に対し、キャッシュエリア分の地図データを要求するようにしたが、表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx、Ly)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしてもよい。
【0029】
図10は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例2)の説明図である。この実施例2は、表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx、Ly)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図10に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0030】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離(Lx,Ly)が制限距離以下となったときに、境界までの距離(Lx,Ly)に基づいた新たな検索領域(Δx,Δy)の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0031】
図11は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例2)を示すフローチャートである。図11に示すように、キャッシュ管理手段28は、表示エリア15と地図データキャッシュ25の境界までの距離(Lx,Ly)を求め(S1)、x方向の距離Lxが制限距離Lxr以上かどうかを判定し(S2)、x方向の距離Lxが制限距離Lxr未満の場合には検索領域Δx{Δx=f(Lx)}の地図データの要求信号を出力し(S3)、さらに、y方向の距離Lyが制限距離Lyr以上かどうかを判定する(S4)。ステップS2の判定でx方向の距離Lxが制限距離Lxr以上の場合にはステップS4に移行する。
【0032】
そして、ステップS4の判定で、y方向の距離Lyが制限距離Lyr未満の場合には検索領域Δy{Δy=f(Ly)}の地図データの要求信号を出力し(S5)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S6)。ステップS4の判定でy方向の距離Lyが制限距離Lyr以上の場合にはステップS6に移行する。
【0033】
このように、キャッシュ管理手段28は、x方向の距離Lxが制限距離Lxr未満の場合、またはy方向の距離Lyが制限距離Lyr未満の場合には、境界までの距離(Lx,Ly)から新たな検索領域(Δx,Δy)を求め、その検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0034】
これにより、スクロールをするにつれて地図データキャッシュ25の境界との距離(Lx,Ly)が制限値(Lxr,Lyr)未満になったときに、その距離(Lx,Ly)に関連して求める検索領域(Δx,Δy)の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ地図データが転送される。つまり、地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を地図データキャッシュ25の境界までの距離(Lx,Ly)で予測し、距離(Lx,Ly)が制限値(Lxr,Lyr)以下となったときに枯渇が近づいたとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送する。従って、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11の地図データ20が定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0035】
図12は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例3)の説明図である。この実施例3は、スクロール手段16のスクロールの平均速度(Vx、Vy)に基づいて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図12に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0036】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールの平均速度(Vx、Vy)が一定値以上になったときに、スクロールの平均速度(Vx、Vy)に基づいた新たな検索領域(Δx,Δy)の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0037】
図13は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例3)を示すフローチャートである。図13に示すように、キャッシュ管理手段28は過去n回のスクロールの平均速度(Vx,Vy)を求め(S1)、x方向のスクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx以上かどうかを判定し(S2)、スクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx以上のときは、検索領域Δx{Δx=f(Vx)}の地図データの要求信号を出力し(S3)、さらに、y方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity以上かどうかを判定する(S4)。ステップS2の判定でx方向のスクロール平均速度Vxが制限速度V1limitx未満の場合にはステップS4に移行する。
【0038】
そして、ステップS4の判定で、y方向のy方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity以上の場合には検索領域Δy{Δy=f(Vy)}の地図データの要求信号を出力し(S5)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S6)。ステップS4の判定でy方向のスクロール平均速度Vyが制限速度V1limity未満の場合にはステップS6に移行する。
【0039】
このように、キャッシュ管理手段28は、過去n回のスクロールの平均速度(Vx,Vy)を求め、その速度(Vx,Vy)が制限速度(V1limitx,V1limity)以上となった場合にスクロール速度を入力値とする関数から検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0040】
これにより、急激なスクロールによって地図データキャッシュ25の地図データが急速に枯渇することをスクロール平均速度で予測し、スクロール平均速度が制限値を超えた場合に、その速度から求めた(Δx,Δy)の領域の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ転送される。地図データキャッシュ25の地図データの枯渇をスクロール平均速度により予測し、スクロール平均速度が制限値以上となったときに枯渇が急速に近づくとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送する。従って、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11に地図データが定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0041】
図14は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理機能(実施例4)の説明図である。この実施例4は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ15のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間に基づいて新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11に要求するようにしたものである。図14に示すように、スクロール手段16、キャッシュ管理手段28及び地図データ提供手段18は関連して動作し、キャッシュ管理機能を達成する。
【0042】
キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間(Tx,Ty)が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求する。
【0043】
図15は第1の実施の形態におけるキャッシュ管理手段28の処理内容(実施例4)を示すフローチャートである。図15に示すように、キャッシュ管理手段28は、まず、表示エリア15の地図データキャッシュ25までの距離(Lx,Ly)を求め(S1)、距離(Lx,Ly)を過去n回のスクロールの平均速度で除算してスクロール領域が地図データキャッシュ25の境界までに辿り着く到達時間(Tx,Ty)を求める(S2)。そして、x方向の辿り着く到達時間Txが制限時間Tlimitx以下かどうかを判定し(S3)、到達時間Txが制約時間Tlimitx以下を超える場合には検索領域Δx{Δx=f(Tx)}の地図データの要求信号を出力し(S4)、さらに、y方向の辿り着く到達時間Tyが制限時間Tlimity以下かどうかを判定する(S5)。ステップS3の判定でx方向の辿り着く到達時間Txが制限時間Tlimitx以下の場合にはステップS5に移行する。
【0044】
そして、ステップS5の判定で、y方向の到達時間Tyが制限時間Tlimityを超える場合には検索領域Δy{Δy=f(Ty)}の地図データの要求信号を出力し(S6)、地図データ提供手段18へ検索領域(Δx,Δy)の地図データを要求する(S7)。ステップS5の判定でy方向の到達時間Tyが制限時間Tlimity以下の場合にはステップS6に移行する。
【0045】
このように、キャッシュ管理手段28は、x方向の到達時間Txが制限時間Tlimitxを超える場合、またはy方向の到達時間Tyが制限時間Tlimityを超える場合には、境界までの辿り着く到達時間(Tx,Ty)から新たな検索領域(Δx,Δy)を求め、その検索領域(Δx,Δy)を新たな地図データの検索領域として地図データ提供手段18へ渡す。
【0046】
これにより、定常的なスクロールにより地図データキャッシュ25の境界までの到達時間(Tx,Ty)が制限値(Tlimitx,Tlimity)以下になったときに、その時間に関連して求める検索領域(Δx,Δy)の地図データがサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12へ転送される。つまり、地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を地図データキャッシュ25の境界までの到達時間で予測し、到達時間が制限値以下となったときに枯渇が近づいたとし、新たな地図データをサーバコンピュータ11からクライアントコンピュータ12に転送することで、地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、サーバコンピュータ11に地図データ20が定義されている限り連続してスクロールを行うことができる。
【0047】
以上の説明では、キャッシュ管理手段28は、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15から地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき(実施例2)、または、スクロール手段16のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき(実施例3)、または、スクロール手段16のスクロールにより表示エリア15が地図データキャッシュ25のキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったとき(実施例4)に、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求するようにしたが、これら実施例2、実施例3、実施例4を適宜組み合わせて、新たな検索領域の地図データをサーバコンピュータ11の地図データ提供手段18に要求するようにしてもよい。例えば、実施例2と実施例3との組合せ、実施例3と実施例4との組合せ、実施例4と実施例2との組合せ、実施例2と実施例3と実施例4の組合せを採用してもよい。
【0048】
本発明の第1の実施の形態によれば、スクロールをしても地図データキャッシュ25の地図データが枯渇することなく、連続してスクロールを行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図16は本発明の第2の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、キャッシュ管理手段28をクライアントコンピュータ12に代えてサーバコンピュータ11に設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0050】
図16において、クライアントコンピュータ12に搭載するビデオメモリ14、地図データキャッシュ25、マウスIF手段26、スクロール手段16、キャッシュ更新手段27、サーバコンピュータ11に搭載する地図データ提供手段18、データベース管理システム19、地図データ20は、図1に示した第1の実施の形態のものと同じであり、キャッシュ管理手段28がサーバコンピュータ11に搭載されている。
【0051】
キャッシュ管理手段28はサーバコンピュータ11に搭載され、サーバコンピュータ11に接続される複数のクライアントコンピュータ12毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを備えている。
【0052】
図17はクライアントコンピュータ12毎の地図データキャッシュ25の状態を示す説明図である。クライアントコンピュータ12は、x方向がxi、y方向がyiの大きさの地図データキャッシュ25を有している。そこで、キャッシュ管理手段28は、クライアントコンピュータ12毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを保持する。
【0053】
図18はキャッシュ管理手段28が保持するキャッシュ情報テーブル29の説明図である。キャッシュ情報テーブル29は、クライアント毎の地図データキャッシュ25の大きさ(xi,yi、i=1〜n)及び原点座標を格納したテーブルである。キャッシュ管理手段28によるキャッシュ管理は、クライアントコンピュータ12から渡されるスクロールに関する情報に基づきキャッシュ情報テーブル29をアクセスすることによりクライアント毎の地図データキャッシュ25に格納されている地図データと表示エリアの状況を把握し、クライアントコンピュータ12のスクロール手段16のスクロールに応じてキャッシュエリア分の地図データを地図データ提供手段18に要求することになる。
【0054】
本発明の第2の実施の形態によれば、クライアントコンピュータ12に搭載するソフトウエアの量を削減しつつ第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図19は本発明の第3の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11に、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段30を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0056】
図19において、クライアントコンピュータ12に搭載するビデオメモリ14、地図データキャッシュ25、マウスIF手段26、スクロール手段16、キャッシュ更新手段27、キャッシュ管理手段28、サーバコンピュータ11に搭載する地図データ提供手段18、データベース管理システム19、地図データ20は、図1に示した第1の実施の形態のものと同じである。
【0057】
オンラインデータ更新手段30は、交通情報や気象情報など刻々と変化する情報に合わせてオンラインプログラムにより更新するものであり、更新されたオンラインデータは地図データ提供手段18を介してクライアントコンピュータ11のキャッシュ更新手段27に送信される。
【0058】
図20は第3の実施の形態における地図データ提供手段18の処理内容を示すフローチャートである。地図データ提供手段18は更新されたオンラインデータをオンラインデータ更新手段30から取り出し(S1)、クライアントコンピュータ11のキャッシュ更新手段27に送信する(S2)。そして、キャッシュ更新手段27は受信したオンラインデータが地図データキャッシュ25の地図データに含まれる場合にはオンラインデータを更新する。
【0059】
図21は第3の実施の形態におけるキャッシュ更新手段27の処理内容を示すフローチャートである。キャッシュ更新手段27はオンラインデータ更新手段30から交通情報や気象情報など刻々と変化するオンラインデータを受信すると、受信したオンラインデータは、地図データキャッシュ25に保持する地図データの領域に含まれるかどうかを判定し(S1)、地図データの領域に含まれる場合には地図データキャッシュ25を更新し(S2)、スクロール手段16に通知する(S3)。
【0060】
以上の説明では、図1に示した第1の実施の形態に対し、オンラインデータ更新手段30を設けた場合について説明したが、図22に示すように、図16に示した第2の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11にオンラインデータ更新手段30を設けるようにしてもよい。
【0061】
第3の実施の形態によれば、地図スクロールに伴うクライアントコンピュータ12の地図データキャッシュ25の地図データの枯渇を防ぐと共に、刻々とサーバコンピュータ11側で更新される地図情報を時間遅れなくクライアント側の地図データキャッシュ25に反映することが可能となる。
【0062】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図23は本発明の第4の実施の形態に係わる地図情報表示システムの構成図である。この第4の実施の形態は、図2に示した第2の実施の形態に対し、サーバコンピュータ11に、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段30と、オンラインデータ更新手段30のオンラインデータがクライアントコンピュータ12の地図データキャッシュ25の地図データに含まれる場合にはオンラインデータをキャッシュ更新手段27に送信するクライアント管理手段31とを設けたものである。図2と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0063】
図24は第4の実施の形態におけるオンラインデータ更新手段30の処理内容を示すフローチャートである。オンラインデータ更新手段30は、交通情報や気象情報など刻々と変化する情報に合わせてオンラインプログラムによりオンラインデータを作成し(S1)、更新されたオンラインデータをクライアント管理手段31に渡す(S2)。
【0064】
図25は第4の実施の形態におけるクライアント管理手段31の処理内容を示すフローチャートである。クライアント管理手段31は、例えば、図18に示すようなキャッシュ情報テーブルを有しており、クライアントコンピュータ12毎にキャッシュ情報テーブルをアクセスし、クライアント毎の地図データキャッシュ25に格納されている地図データを参照する(S1)。そして、オンラインデータがクライアントが搭載する地図データキャッシュ25の地図データに含まれるかどうかを判断し(S2)、含まれるときにはそのオンラインデータをキャッシュ更新手段27に渡す(S3)。そして、すべてのクライアントコンピュータ12について処理したかどうかを判定し、処理を終了していないときはステップS1に戻る(S4)。これにより、クライアント更新手段31は、クライアントコンピュータ12の数だけステップS1〜S4を繰り返して行う。
【0065】
本発明の第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、オンラインデータを含む領域の地図データキャッシュ25を搭載するクライアントにのみオンラインデータを送信することができるのでネットワークのトラフィックを必要最低限にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
11…サーバコンピュータ、12…クライアントコンピュータ、13…表示用地図データ、14…ビデオメモリ、15…表示エリア、16…スクロール手段、17…ネットワーク、18…地図データ提供手段、19…データベース管理システム、20…地図データ、21…入力装置、22…表示装置、23…演算制御装置、24…記憶装置、25…地図データキャッシュ、26…マウスIF手段、27…キャッシュ更新手段、28…キャッシュ管理手段、29…キャッシュ情報テーブル、30…オンラインデータ更新手段、31…クライアント管理手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成され、
前記クライアントコンピュータは、
前記サーバコンピュータから提供される地図データを受信し地図データキャッシュに更新保存するキャッシュ更新手段と、
前記地図データキャッシュに保存された地図データのうち表示装置の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリと、
前記表示画面上での入力装置のポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき前記地図データキャッシュからスクロールに対応したエリアの地図データを取り出し前記ビデオメモリに書き込むスクロール手段と、
前記地図データキャッシュに蓄えられているキャッシュエリアと前記スクロール手段のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するように前記サーバコンピュータに対し前記キャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段とを有し、
前記サーバコンピュータは、
前記クライアントコンピュータに提供する地図データを管理するデータベース管理システムと、
前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ管理手段より要求されたエリアの地図データを前記データベース管理システムを利用して検索しそのエリアの地図データを前記キャッシュ更新手段に送信する地図データ提供手段とを備えたことを特徴とする地図情報表示システム。
【請求項2】
前記キャッシュ管理手段は、前記クライアントコンピュータに代えて前記サーバコンピュータに設け、前記クライアントコンピュータ毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを備え、前記クライアントコンピュータの前記スクロール手段のスクロールに応じて前記キャッシュエリア分の地図データを前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1記載の地図情報表示システム。
【請求項3】
前記サーバコンピュータに、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段を設け、前記地図データ提供手段は、前記オンラインデータ更新手段からのオンラインデータを取り出して前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ更新手段に送信し、前記キャッシュ更新手段は前記オンラインデータが前記地図データキャッシュの地図データに含まれる場合にはオンラインデータを更新することを特徴とする請求項1または2記載の地図情報表示システム。
【請求項4】
前記サーバコンピュータに、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段と、
前記オンラインデータ更新手段のオンラインデータが前記クライアントコンピュータの地図データキャッシュの地図データに含まれる場合にはオンラインデータを前記キャッシュ更新手段に送信するクライアント管理手段とを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の地図情報表示システム。
【請求項5】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったときに、前記境界までの距離に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項6】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったときに、前記スクロール速度に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項7】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、前記スクロールの平均速度に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項8】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき、または、前記スクロール手段のスクロールのスピードが一定値以上になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項9】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項10】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項11】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき、または、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項1】
地図データを提供するサーバコンピュータと地図データの提供を受けるクライアントコンピュータとから構成され、
前記クライアントコンピュータは、
前記サーバコンピュータから提供される地図データを受信し地図データキャッシュに更新保存するキャッシュ更新手段と、
前記地図データキャッシュに保存された地図データのうち表示装置の表示画面に表示する地図データを格納するビデオメモリと、
前記表示画面上での入力装置のポインタの現在座標、スクロール速度及びスクロール方向に基づき前記地図データキャッシュからスクロールに対応したエリアの地図データを取り出し前記ビデオメモリに書き込むスクロール手段と、
前記地図データキャッシュに蓄えられているキャッシュエリアと前記スクロール手段のスクロールにより表示されている表示画面上の表示エリアとの中心座標が一致するように前記サーバコンピュータに対し前記キャッシュエリア分の地図データを要求するキャッシュ管理手段とを有し、
前記サーバコンピュータは、
前記クライアントコンピュータに提供する地図データを管理するデータベース管理システムと、
前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ管理手段より要求されたエリアの地図データを前記データベース管理システムを利用して検索しそのエリアの地図データを前記キャッシュ更新手段に送信する地図データ提供手段とを備えたことを特徴とする地図情報表示システム。
【請求項2】
前記キャッシュ管理手段は、前記クライアントコンピュータに代えて前記サーバコンピュータに設け、前記クライアントコンピュータ毎に地図データキャッシュのキャッシュエリアの大きさを格納したキャッシュ情報テーブルを備え、前記クライアントコンピュータの前記スクロール手段のスクロールに応じて前記キャッシュエリア分の地図データを前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1記載の地図情報表示システム。
【請求項3】
前記サーバコンピュータに、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段を設け、前記地図データ提供手段は、前記オンラインデータ更新手段からのオンラインデータを取り出して前記クライアントコンピュータの前記キャッシュ更新手段に送信し、前記キャッシュ更新手段は前記オンラインデータが前記地図データキャッシュの地図データに含まれる場合にはオンラインデータを更新することを特徴とする請求項1または2記載の地図情報表示システム。
【請求項4】
前記サーバコンピュータに、刻々と変化する情報を更新するオンラインデータ更新手段と、
前記オンラインデータ更新手段のオンラインデータが前記クライアントコンピュータの地図データキャッシュの地図データに含まれる場合にはオンラインデータを前記キャッシュ更新手段に送信するクライアント管理手段とを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の地図情報表示システム。
【請求項5】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったときに、前記境界までの距離に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項6】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったときに、前記スクロール速度に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項7】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、前記スクロールの平均速度に基づいた新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項8】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき、または、前記スクロール手段のスクロールのスピードが一定値以上になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項9】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項10】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【請求項11】
前記キャッシュ管理手段は、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアから前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界までの距離が制限距離以下となったとき、または、前記スクロール手段のスクロールの平均速度が一定値以上になったとき、または、前記スクロール手段のスクロールにより前記表示エリアが前記地図データキャッシュのキャッシュエリアの境界に辿り着くまでの予想時間が一定値以下になったときに、新たな検索領域の地図データを前記サーバコンピュータの前記地図データ提供手段に要求することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地図情報表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−59226(P2011−59226A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206705(P2009−206705)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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