説明

地図表示装置及び地図表示方法

【課題】
本発明は、ユーザに煩雑な操作を強いることなく地図上における目的の場所を容易に探し出すことができるようにする。
【解決手段】
本発明は、画面のほぼ中央に現在位置を示すメイン地図画像21を表示し、メイン地図画像21の周囲に位置する複数の地図画像をサムネイル22〜29として当該メイン地図画像21の周囲に方向を合わせて配置するようにしたことにより、メイン地図画像21の周囲に方向を合わせたサムネイル22〜29を介して現在位置を示すメイン地図画像21を中心とした周囲の状況をサムネイル22〜29を介して広範囲にユーザへ提供することができるので、ユーザに煩雑な操作を強いることなく地図上における目的の場所を容易に探し出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置及び地図表示方法に関し、例えば車載用ナビゲーション装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上には地図提供サイトが公開されており、ユーザはブラウザを介して当該地図提供サイトの地図サーバからダウンロードした地図データに基づく地図画像を目視確認するようになされている。
【0003】
この種の地図提供サイトを介してダウンロードした地図画像では、当該地図画像の周囲に矢印アイコンが設けられており、当該矢印アイコンがクリックされると、ブラウザは現在提示している地図の隣領域における地図データを地図サーバからダウンロードして表示するようになされている。
【0004】
このような場合、ユーザは矢印アイコンをクリックしたり、表示中の地図画像をスクロールしない限り、現在表示中における地図画像の周囲領域を目視確認することはできない。従って、例えばユーザがある建物を探そうとした場合であって、その建物の場所をある程度認識しているものの、その所在地を正確に認識していないとき、まずユーザはその建物が存在する場所の見当を付け、当該見当を付けた場所を含む領域の地図データをブラウザを介してダウンロードしその地図画像を表示部に表示させ、その後に数回のスクロール操作を行って目的の建物を探し出すというやり方を行っている。
【0005】
一方、現在表示中の地図画像に対して、その周囲領域の地図画像をサムネイル化して画面右側の領域に並べて複数表示し、当該サムネイル化した複数の地図画像を介して周囲領域をユーザに目視確認させるようになされた地図情報表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11-120335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところでかかる構成の地図提供サイトでは、ユーザが見当を付けた場所を含む領域の地図データをブラウザを介してダウンロードし、当該ダウンロードした地図データに基づく地図画像を表示部に表示させた後、数回のスクロール操作を行って目的の建物を探し出すという煩雑で面倒な手順をユーザに強いるという問題があった。
【0007】
また、上述の特許文献1にあるように、現在表示中の地図画像に対して、その周囲領域の地図画像をサムネイル化して画面右側の領域に並べて表示する場合には、サムネイル化した複数の地図画像が現在表示中の地図画像に対して何れの方向に存在するのかを認識すうことは難しく、使い勝手が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ユーザに煩雑な操作を強いることなく地図上における目的の場所を容易に探し出すことができる使い勝手の優れた地図表示装置及び地図表示方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、画面のほぼ中央に現在位置を示す地図画像を表示し、地図画像の周囲に位置する複数の周辺地図画像をサムネイル化した状態で当該地図画像の周囲に方向を合わせて配置するようにしたことにより、中央に表示した現在位置を示す地図画像の周囲に方向を合わせた周辺地図画像をサムネイル化した状態で表示することができるため、当該地図画像の画面を切り換える操作をユーザに強いることなく、現在位置を示す地図画像を中心とした周囲の状況をサムネイル化した広範囲の周辺地図画像によりユーザへ提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画面のほぼ中央に現在位置を示す地図画像を表示し、地図画像の周囲に位置する複数の周辺地図画像をサムネイル化した状態で当該地図画像の周囲に方向を合わせて配置するようにしたことにより、中央に表示した現在位置を示す地図画像の周囲に方向を合わせた周辺地図画像をサムネイル化した状態で表示することができるため、当該地図画像の画面を切り換える操作をユーザに強いることなく、現在位置を示す地図画像を中心とした周囲の状況をサムネイル化した広範囲の周辺地図画像によりユーザへ提供することができ、かくしてユーザに煩雑な操作を強いることなく地図上における目的の場所を容易に探し出すことができる使い勝手の優れた地図表示装置及び地図表示方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)車載用ナビゲーションシステムの構成
図1において、1は全体として本発明の車載用ナビゲーションシステムを示し、サーバ2、当該サーバ2と接続されたフロントモニタ3、地図データベース4及びリアモニタ5によって構成されている。
【0013】
このサーバ2はCPU構成でなり、通常のナビゲーション処理を行うナビゲーション処理部11と、フロントモニタ3やリアモニタ5からのアクセスに応じてハードディスクに格納されている地図表示プログラムを起動し、当該フロントモニタ3やリアモニタ5と地図データベース4との間のやりとりを司るCGI(Common Gateway Interface)11と、当該CGI11を介して地図データベース4から取得した地図データをフロントモニタ3やリアモニタ5の画面サイズに合わせた表示サイズに変換する等の地図作成処理を行う地図作成部12とによって構成されている。
【0014】
実際上、車載用ナビゲーションシステム1ではサーバ2、フロントモニタ3及び地図データベース4が一体構成された状態で前部座席のコンソールボックスに収納され、リアモニタ5が後部座席の天井部分に取り付けられるようになされている。
【0015】
次に、フロントモニタ3及びリアモニタ5の構成について説明するが、当該フロントモニタ3及びリアモニタ5の回路構成については同じであるため、説明の便宜上リアモニタ5だけを説明し、フロントモニタ3については説明を省略する。
【0016】
図2に示すようにリアモニタ5は、全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22及びRAM(Random Access Memory)23で構成され、ナビゲーション処理結果や地図を表示するディスプレイ24及び電源オフ時にRAM上のデータを記憶保持するための不揮発性メモリ25を有している。
【0017】
本実施の車載用ナビゲーションシステム1では、運転席のドライバーがフロントモニタ3を介して通常のナビゲーション操作を行っている最中に、後部座席のユーザがリアモニタ5を介して目的地周辺地図を確認しようとした場合、ROM22に格納されているアプリケーションプログラムを起動させ、通常のナビゲーション地図画像表示モードからサムネイル付地図画像表示モードに切り換えることにより、目的地周辺のサムネイルを用いたサムネイル付地図画像(後述する)をリアモニタ5に表示させるようになされている。
【0018】
(2)サムネイル付地図画像
サーバ2は、フロントモニタ3及びリアモニタ5が通常のナビゲーション地図画像表示モードからサムネイル付地図画像表示モードに切り換えられ、当該フロントモニタ3及びリアモニタ5からサムネイル付地図画像の取得要求を受けると、地図データベース4から読み出した地図データに基づいて例えば図3、図4又は図5に示すようなサムネイル付地図画像20、30又は50を生成してフロントモニタ3及びリアモニタ5に表示させるようになされている。
【0019】
なおサーバ2は、これらのサムネイル付地図画像20、30又は50を、フロンとモニタ3又はリアモニタ5からの要求によって相互に切り換えて提供し得るようになされており、ユーザに所望形式のサムネイル付地図画像20、30又は50を選択させ得るようになされている。
【0020】
ここで図3に示すサムネイル付地図画像20では、ユーザの現在位置を含む領域のメイン地図画像21が中央に表示されると共に、当該メイン地図画像21の周りには当該メイン地図画像の周辺領域を表示範囲とする複数のサムネイル22〜29が表示される。
【0021】
サムネイル22は、現在位置を含むメイン地図画像21からみて上方向(進行方向)に存在する所定範囲の地図であり、サムネイル23は現在位置を含むメイン地図画像21からみて右斜め上方向に存在する所定範囲の地図であり、サムネイル24は現在位置を含むメイン地図画像21からみて右方向に存在する所定範囲の地図である。
【0022】
このようにサムネイル22〜29は、ユーザの現在位置を含むメイン地図画像21からみた全方向に存在する所定範囲の地図であり、メイン地図画像21に対して所定サイズに縮小された状態で当該メイン地図画像21の周囲に並べられて表示される。
【0023】
従って、サムネイル付地図画像20を見るユーザにとっては、通常のナビゲーションを行うときに使用されるメイン地図画像21に加えて、当該メイン地図画像21を中心として全方向に対応したサムネイル22〜29を同時に目視確認することによって、メイン地図画像21を超えた広範な範囲についてまで地図情報を視認し得るようになされている。
【0024】
これによりユーザは、メイン地図画像21に含まれない場所についてもスクロール操作や画面切換え操作等を行うことなく、当該メイン地図画像21と同一画面上でサムネイル22〜29を介して目視確認し得るようになされている。
【0025】
なおサムネイル付地図画像20では、拡大ボタン20A及び縮小ボタン20Bが画面右側領域に設けられており、当該拡大ボタン20A又は縮小ボタン20Bがクリックされると、メイン地図画像21が所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されると共に、当該メイン地図画像21に連動してサムネイル22〜29も所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されるようになされている。
【0026】
また図4に示すサムネイル付地図画像30では、ユーザの現在位置を含む領域のメイン地図画像31が中央に表示されると共に、当該メイン地図画像31の周りには当該メイン地図画像31の周辺領域を表示範囲とする複数のサムネイル32〜40が表示される。
【0027】
この場合、サムネイル32〜36は現在位置を含むメイン地図画像31からみて進行方向に存在する所定範囲の地図であり、それぞれの地図表示範囲が少しずつ異なるように設定されている。
【0028】
またサムネイル37及び40は、現在位置を含むメイン地図画像31からみて右方向又は左方向に存在する所定範囲の地図であり、サムネイル38及び39は現在位置を含むメイン地図画像31からみて後退方向右側と後退方向左側に存在する所定範囲の地図である。
【0029】
このようにサムネイル付地図画像30では、進行方向にサムネイル32〜36を複数配置し、後退方向にサムネイル38、39を複数配置することにより、進行方向を示す自車マークが常時上方向を向くヘッディングアップ状態のときに進行方向又は後退方向に関する視覚情報を増やし、ユーザに進行方向又は後退方向に関する目的地周辺地図を一段と容易に目視確認させ得るようになされている。
【0030】
なおサムネイル付地図画像30においても、拡大ボタン30A及び縮小ボタン30Bが画面右側領域に設けられており、当該拡大ボタン30A又は縮小ボタン30Bがクリックされると、メイン地図画像31が所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されると共に、当該メイン地図画像31に連動してサムネイル32〜40についても所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されるようになされている。
【0031】
さらに図5に示すサムネイル付地図画像50では、ユーザの現在位置を含む領域のメイン地図画像51が中央に表示されると共に、当該メイン地図画像51の周りには当該メイン地図画像の周辺領域を表示範囲とする複数のサムネイル52〜60が表示される。
【0032】
この場合、サムネイル52及び53は現在位置を含むメイン地図画像51からみて進行方向に存在する所定範囲の地図であり、それぞれの地図表示範囲が少しづつ異なるように設定されると共に、視認性を向上させるべく他のサムネイル54〜60よりも拡大された状態で表示される。
【0033】
なおサムネイル54〜60については、図2のサムネイル付地図画像20におけるサムネイル23〜29と同様であり、ユーザの現在位置を含むメイン地図画像51からみた残りの方向に存在する所定範囲の地図である。
【0034】
このようにサムネイル付地図画像50では、特に進行方向に他のサムネイル54〜60よりも拡大したサムネイル52及び53を配置することにより、進行方向を示す自車マークが常時上方向を向くヘッディングアップ状態のときに、進行方向に関する所定範囲の目的地周辺地図を一段と容易に目視確認させ得るようになされている。
【0035】
なおサムネイル付地図画像50においても、拡大ボタン50A及び縮小ボタン50Bが画面右側領域に設けられており、当該拡大ボタン50A又は縮小ボタン50Bがクリックされると、メイン地図画像51が所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されると共に、当該メイン地図画像51に連動してサムネイル52〜60についても所定倍率毎に拡大又は縮小して表示されるようになされている。
【0036】
(3)サムネイル付地図画像更新処理手順
リアモニタ5において、上述のサムネイル付地図画像20、30及び50のメイン地図画像21、31及び51を介して表示中の地図内容をサムネイル選択操作によって順次切り換えて更新するサムネイル付地図画像更新処理手順を、図6のフローチャートを用いて以下説明する。
【0037】
まずリアモニタ5は、ステップSP1において通常のナビゲーションモードではなくサムネイル付地図画像表示モードで例えばサムネイル付地図画像50(図4)を表示中に、ユーザによって例えばサムネイル53がクリックされると、当該サムネイル53の領域Aを範囲とする地図Aの取得要求をサーバ2に対して行い、次のステップSP2へ移る。
【0038】
このときリアモニタ5は、地図Aの取得要求と共に、当該地図Aに関連付けられている属性データとして地図Aの中心を示す緯度経度、当該リアモニタ5に表示中であるメイン地図画像51やサムネイル52〜60の表示縮尺をサーバ2へ送信するようになされている。
【0039】
サーバ2は、ステップSP11においてリアモニタ5から取得要求された地図Aを中心としてその周囲に位置するサムネイル化予定となる所定範囲の地図に関する緯度経度をそれぞれ算出し、次のステップSP12へ移る。
【0040】
ステップSP12においてサーバ2は、地図A及びその周囲に位置するサムネイル化予定の地図に関する緯度経度の情報を地図データベース4に対して送信することにより、当該地図A及びサムネイル化予定の地図の取得要求を地図データベース4に対して行い、次のステップSP13へ移る。
【0041】
地図データベース4は、ステップSP21において、サーバ2からの取得要求に応じて地図A及びその周囲に位置するサムネイル化予定の地図に関する地図データをハードディスクから読み出してサーバ2へ送信し、次のステップSP22へ移って処理を終了する。
【0042】
サーバ2は、ステップSP13において地図データベース4から送られてきた地図Aの地図データ及びその周囲に位置するサムネイル化予定の地図に関する地図データを取得し、次のステップSP14へ移る。
【0043】
ステップSP14においてサーバ2は、地図Aの地図データに基づいてリアモニタ5の画面サイズに対して、メイン地図画像51として表示するのに最適な中央配置用サイズの中央地図Aデータに変換すると共に、またサムネイル化予定の地図データをサムネイル52〜60の表示縮尺に応じた表示サイズに変換すると共にGIF(Graphics Interchange Format)形式や、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に画像圧縮して複数のサムネイルデータを生成し、これら中央地図Aデータ及びサムネイルデータをHTML(Hyper Transfer Markup Language)ファイルに埋め込んだ状態でリアモニタ5へ送信した後、ステップSP15へ移って処理を終了する。
【0044】
リアモニタ5は、ステップSP2において、中央地図Aデータと複数のサムネイルデータをHTMLファイルとして受信し、次のステップSP3へ移る。
【0045】
ステップSP3においてリアモニタ5は、サーバ2から受信したHTMLファイルに基づき中央地図Aデータに対応した当該リアモニタ5にとって最適なサイズの中央地図Aをメイン地図画像51として表示すると共に、当該メイン地図画像51の周囲に複数のサムネイル52〜60を表示することにより表示内容を更新し、次のステップSP4へ移って処理を終了する。
【0046】
従って車載用ナビゲーションシステム1では、リアモニタ5に表示中のサムネイル付地図画像50のうちサムネイル53がユーザによってクリックされたとき、当該クリックされたサムネイル53の領域を中央地図Aすなわちメイン地図画像51として更新表示し、それに合わせてサムネイル52〜60についても中央地図Aの周囲を表す内容に更新表示し得るようになされている。
【0047】
(4)動作及び効果
以上の構成において、車載用ナビゲーションシステム1のサーバ2はフロントモニタ3やリアモニタ5に対して、サムネイル付地図画像20、30又は50を表示させるようにしたことにより、ユーザに対して、メイン地図画像21、31又は51を中心として全方向に対応したサムネイル22〜29、32〜40又は52〜60を一画面中で同時に目視確認させることができるため、メイン地図画像21、31又は51を超えた広範な範囲についてまで地図情報をユーザに視認させることができる。
【0048】
これによりユーザは、メイン地図画像21、31又は51に含まれない場所についてもスクロール操作や画面切換え操作等を行うことなく、サムネイル22〜29、32〜40又は52〜60に表示された地図の中から探し出すことができる。
【0049】
またリアモニタ5は、サムネイル付地図画像20、30又は50のメイン地図画像21、31又は51の周囲に、当該メイン地図画像21、31又は51を中心とする全方向に対応したサムネイル22〜29、32〜40又は52〜60を表示することにより、当該サムネイル22〜29、32〜40又は52〜60の位置が現在位置からの方向を示していることを直感的に認識させることができ、かくして地図上における目的の場所をユーザに容易に探し出させることができる。
【0050】
さらにリアモニタ5は、サーバ2を介してサムネイル付地図画像更新処理(図5)を行うようにしたことにより、ユーザが希望するサムネイル53がクリックされるだけで、当該クリックされたサムネイル53の領域を中央地図Aすなわちメイン地図画像51として直ちに更新表示して提供することができると共に、サムネイル52〜60についても中央地図Aの周囲を表す地図内容に更新表示して提供することができる。
【0051】
さらにサーバ2は、メイン地図画像51に対してサムネイル52〜60を当該メイン地図画像51よりも縮小したサイズでかつ画像圧縮することにより生成しているので、通常のナビゲーション地図画像表示モードの地図画像をリアモニタ5へ提供する場合に比べて、サムネイル付地図画像表示モードのサムネイル付地図画像50を提供する場合の通信データ量の増加を極力少なくすることができる。
【0052】
さらにサーバ2は、地図データベース4から取得したメイン地図画像51の中央地図Aデータと、複数のサムネイルデータとをHTMLファイルとしてリアモニタ5へ送信するようにしたことにより、当該リアモニタ5に対してサムネイル付地図画像50の生成処理をさせることがなく、当該リアモニタ5に対する処理負担を低減させることができる。
【0053】
以上の構成によれば、車載用ナビゲーションシステム1ではユーザに煩雑な操作を強いることなくフロントモニタ3又はリアモニタ5を介して地図上における目的の場所を容易に探し出させることができる。
【0054】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、サムネイル付地図画像50のサムネイル53がクリックされたときに、当該サムネイル53の地図をメイン地図画像51として更新表示し、それに合わせてサムネイル52〜60についてもその地図内容に更新表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、メイン地図画像51の地図内容を現在位置の進行状況に合わせて更新表示することに合わせて、サムネイル52〜60の地図内容を現在位置の進行状況に合わせて更新表示するようにしても良い。
【0055】
また上述の実施の形態においては、リアモニタ5にサムネイル付地図画像20、30又は50を表示させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フロントモニタ3にサムネイル付地図画像20、30又は50を表示させるようにしても良い。
【0056】
さらに上述の実施の形態においては、サムネイル付地図画像50を用いて特に進行方向に他のサムネイル54〜60よりも大きく拡大したサムネイル52及び53を配置することにより進行方向に関する地図情報の視認性を向上させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ヘッディングアップ状態ではないときに、進行方向が画面の上下左右方向へ変動することに合わせて拡大したサムネイルを配置するようにしても良い。
【0057】
さらに上述の実施の形態においては、サーバ2が地図表示プログラムに従って上述のサムネイル付置図画像20、30又は50をHTMLファイルとして生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該地図表示プログラムが格納された記憶媒体を介してサーバ2にインストールしてサムネイル付置図画像20、30又は50をHTMLファイルとして生成させるようにしても良い。
【0058】
さらに上述の実施の形態においては、サーバ2をフロントモニタ3及びリアモニタ4とは独立した形で設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、サーバ2とフロントモニタ3又はリアモニタ4とを一体化し、サーバ2の地図作成部12によって作成したメイン地図画像21、31及び51をフロントモニタ3又はリアモニタ4に表示すると共に、その周囲にサムネイル22〜29、32〜40又は52〜60を配置して表示するようにしても良い。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を車載用ナビゲーションシステム1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パーソナルコンピュータや携帯電話機を用いたサーバアンドクライアントシステムに本発明を適用するようにしても良い。
【0060】
さらに上述の実施の形態においては、本発明の地図画像表示手段及び周辺地図画像配置手段を、地図表示プログラムに従いCPU21、RAM23によってソフトウェア的に構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でハードウェア的に構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の地図表示装置及び地図表示方法は、例えば現在位置を表す地図画像に表示されない領域の中から目的の場所を探し出すような用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】車載用ナビゲーションシステムの全体構成を示す略線図である。
【図2】リアモニタの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】サムネイル付地図画像(1)を示す略線図である。
【図4】サムネイル付地図画像(2)を示す略線図である。
【図5】サムネイル付地図画像(3)を示す略線図である。
【図6】サムネイル付地図画像更新処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1……車載用ナビゲーションシステム、2……サーバ、3……フロントモニタ、4……地図データベース、5……リアモニタ、10……ナビゲーション処理部、11……CGI、12……地図作成部、21……CPU、22……ROM、23……RAM、24……ディスプレイ、25……不揮発性メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面のほぼ中央に現在位置を示す地図画像を表示する地図画像表示手段と、
上記地図画像の周囲に位置する複数の周辺地図画像をサムネイル化した状態で当該地図画像の周囲に方向を合わせて配置する周辺地図画像配置手段と
を具えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
上記周辺地図画像配置手段は、上記地図画像の進行方向に対する周辺地図画像を他の方向に対する周辺地図画像よりも多く配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
上記周辺地図画像配置手段は、上記地図画像の進行方向に対する上記周辺地図画像を他の方向に対する上記周辺地図画像よりも拡大又は縮小した状態で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項4】
上記地図画像表示手段は、ユーザからの指示によって上記地図画像を拡大又は縮小して表示する場合、
上記周辺地図画像配置手段は、上記周辺地図画像についても上記地図画像に併せて拡大又は縮小して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項5】
上記地図画像表示手段は、上記複数の周辺地図画像のうちの一が選択されたとき、当該選択された周辺地図画像の地図内容を上記画面のほぼ中央に配置された上記地図画像として更新表示し、
上記周辺地図画像配置手段は、上記地図画像の更新表示に合わせて上記周辺地図画像の地図内容についても更新表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項6】
上記地図画像表示手段は、上記地図画像の内容を進行状況に合わせて更新する場合、
上記周辺地図画像配置手段は、上記周辺地図画像の内容についても上記進行状況に合わせて更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項7】
画面のほぼ中央に現在位置を示す地図画像を表示する地図画像表示ステップと、
上記地図画像の周囲に位置する複数の周辺地図画像をサムネイル化した状態で当該地図画像の周囲に方向を合わせて配置する周辺地図画像配置ステップと
を具えることを特徴とする地図表示方法。
【請求項8】
情報処理装置に対して、
画面のほぼ中央に現在位置を示す地図画像を表示する地図画像表示ステップと、
上記地図画像の周囲に位置する複数の周辺地図画像をサムネイル化した状態で当該地図画像の周囲に方向を合わせて配置する周辺地図画像配置ステップと
を実行させることを特徴とする地図表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−200995(P2006−200995A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12036(P2005−12036)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】