説明

地盤改良工法およびその装置

【課題】少ない工事量、工程数で掘進と薬液注入とを確実に行い、構造物の下部等の地盤を改良する工法を実現する。
【解決手段】自在ボーリングによって掘進ヘッド2を目的位置に到達させた後、掘進ロッド3内に薬液注入ヘッドを挿入し、掘進のための圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐと同時に薬液注入孔31を開口させ、地盤内に薬液を注入しながら掘進ヘッド2を後退させて掘進ロッド3とともに引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の下部等、地表から直接掘削が困難な個所に最適な、地盤改良工法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば大型タンク等の構造物の下部地盤が軟弱で液状化のおそれがあり改良が望ましい場合に、従来は、特許文献1に記載があるように、構造物の外側に1か所または2か所の立坑を設け、ここから水平方向にボーリングするなどの手段が取られていた。
しかし近年、米国において進行方向を自在に制御できる掘削ヘッドが開発され、これを使用することによって立坑を設けることなく屈曲部を含む任意の形状で管路を敷設することが可能となった。本明細書では以下この工法を「自在ボーリング」という。特許文献2にはこのような掘進装置ならびにこれを使用する自在ボーリング工法が記載されている。
【0003】
図5は特許文献2に記載の掘進ヘッド2の実施例の断面図で、21は圧力水噴射ノズル、22は圧力水の供給される圧力水経路である。圧力水噴射ノズル21は掘進ヘッド2に対して約5度斜め方向を向いている。したがって掘進ヘッド2に回転を与えながら前進させれば直線方向(ヘッド方向)に進むが、回転を与えずに前進させれば圧力水噴射ノズル21にしたがって斜め方向(ノズル方向)に進む。
【0004】
図6は同じく特許文献2に記載された掘進機4の外観図で、40はベース、41はその上を移動する前進フレーム、42は回転用モータ、43はチェーン、44は前進用モータ、3は掘進ヘッド前進用の掘進ロッドで、前進フレーム41には掘進ロッド3の末端部分を固定するクランプと掘進ロッド3の末端部分を把持して回転させるチャックが備えられており、これに前進機構を組み合わせると掘進ロッド3を回転させずに前進させたり、回転させながら前進させることができる。前進用モータ44を逆転させれば引き抜きもできる。掘進ロッド3は鋼管等の可撓性で中空の管体である。
【0005】
特許文献2には、掘進ヘッド2に位置センサ、無線送信機および指向性アンテナを装備することにより、地上の受信機によって掘進ヘッドの現在位置を検出することができることも記載されており、また掘進ヘッド2の現在の傾度の検出については電解トランスジューサが組み込まれている、と記載されている。
図7はこのような自在ボーリング装置を使用して構造物Sの下部の地盤改良を行う場合の概念図で、構造物Sの脇の地上から斜めにボーリングを開始し、所定の深さに到達したら掘進ヘッド2の向きを水平方向に変え、以後は水平にボーリングするのである。掘進ロッド3の単位長だけ前進する毎に掘進ロッド3の末端に新たな掘進ロッド3が次々に連結される。破線で囲んだ部分Zが地盤改良の対象となるエリアである。
【0006】
特許文献3には、このような自在ボーリング装置を使用して所定の領域まで削孔する工程と、ボーリングロッド先端から砂等の充填剤を注入する工程と、ボーリングロッドを所定距離だけ引き抜いてボーリングロッド先端から充填剤を注入する工程とを有する充填グラウト工法が記載されている。以下これを「片押し工法」と呼ぶ。
特許文献4には、特許文献2に記載された掘進ヘッドを使用し、第1の工程で構造物直下の地盤内にドリルヘッドを推進して反対側の地表までパイロット孔を形成した後、ドリルヘッドをバックリーマに換装して発進側に引き戻すことでパイロット孔を拡径し、拡径した本孔内に薬液注入管を引き込んで地盤改良を行うことが記載されている。以下これを「引き込み工法」と呼ぶ。
【0007】
また、特許文献5には、自在ボーリング装置の掘進ヘッドに掘進用の圧力水噴射ノズルとこれに接続される送水用のホースとを取り付けるとともに薬液注入用の吐出口とこれに接続される注入用のホースとを同時に取り付け、逆止弁を用いて圧力水と薬液との混合を防止することが記載されている。
【特許文献1】特開2005−270786号公報
【特許文献2】特開昭61−257501号公報
【特許文献3】特開2003−3459号公報
【特許文献4】特開2001−193050号公報
【特許文献5】特開2005−76177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の立坑による水平ボーリングでは、少なくとも2か所の立坑を構築しなければならず、費用ならびに日数がかかり、きわめて不経済である。また、経路を任意に曲げることもできない。多量の排土も発生する。
特許文献3に記載の片押し工法では、ロッド削孔、充填材を注入しながらのロッドの引き抜きという最低2工程を必要とする。
【0009】
特許文献4に記載の引き込み工法では、パイロット孔形成、バックリーマによる拡径、薬液注入管の引き込みという最低3工程を必要とするほか、第1の工程のパイロット孔の形成においても反対側の地表まで行わなくてはならないので施工距離が大きく、作業ヤードも少なくとも2か所必要である。
さらに特許文献5に記載の発明によれば、掘進と薬液注入との工程の切り替え毎のヘッドの挿入や配管の接続等の作業が不要であるなどの利点は認められるものの、掘進の際、掘進ロッドを接続する毎に掘削用の圧力水ホースと薬液注入用のホースも継ぎ足さなければならず、また掘進ヘッドを回転させながら掘進を行う際のホースのねじれに対応するジョイント構造が説明されておらず、実施に困難が予想されるばかりでなく、掘進が完了して注入段階となっても掘進機を現地に残存させねばならないという不経済も考えられ、現実的でない。
【0010】
本発明は、従来の技術におけるこれらの問題点を解消し、少ない工程で、かつ掘進の際の圧力水の噴射と、薬液の注入との切替を確実に行うことのできる地盤改良工法およびその装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の本発明は、先端部に、軸に対して斜め向きの圧力水噴射ノズルを有する掘進ヘッドと、この掘進ヘッドの後方に順次接続され、前記掘進ヘッドを前進後退および回転させる可撓性で中空の掘進ロッドと、前記掘進ロッドの末端部分を前進後退および回転させる掘進機と、前記掘進ロッド内に挿入される薬液注入ヘッドとからなる地盤改良用の自在ボーリング装置によって、前記圧力水噴射ノズルから圧力水を噴射しながら地上から斜め方向にボーリングし、所定位置からは水平方向にボーリングして前記掘進ヘッドを目的位置に到達させた後、前記掘進ロッド内に薬液注入ヘッドを挿入して掘進のための圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐと同時に薬液注入孔を開口させるとともに掘進ヘッドを後退させ、後退開始位置ならびに各後退位置で掘進ヘッドの側面あるいは掘進ヘッドに接続する直後の掘進ロッドの側面から地盤内に薬液を注入しながらて掘進ヘッドを掘進ロッドとともに引き抜くことを特徴とする地盤改良工法である。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、地盤内に注入する薬液の少なくとも一部が2液混合形の硬化剤である請求項1に記載の地盤改良工法である。
請求項3に記載の本発明は、掘進ヘッドと、この掘進ヘッドの後方に順次接続され、前記掘進ヘッドを前進後退および回転させる可撓性で中空の掘進ロッドと、前記掘進ロッドの末端部分を前進後退および回転させる掘進機と、前記掘進ロッド内に挿入される薬液注入ヘッドとからなる地盤改良用の自在ボーリング装置であって、前記掘進ヘッドが先端部に軸に対して斜め向きの圧力水噴射ノズルを有するとともに、掘進ヘッド側面あるいは掘進ヘッドに接続する直後の掘進ロッドの側面に薬液注入孔を有し、掘進中に前記薬液注入孔をふさぐ第1の閉塞手段と、薬液注入中に前記圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐ第2の閉塞手段を備えたことを特徴とする地盤改良用の自在ボーリング装置である。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、前記の第1の閉塞手段が薬液注入孔に挿入する樹脂製の栓である請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置である。
請求項5に記載の本発明は、前記の第1の閉塞手段が薬液注入孔の内面に取り付けるマグネットシートである請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置である。
請求項6に記載の本発明は、前記の薬液注入ヘッドが、先端に第1の閉塞手段を排除する押圧部材を備えるとともに、その後方に第2の閉塞手段である圧力空気によってふくらむパッカを備えたものである請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置である。
【0014】
請求項7に記載の本発明は、前記の薬液注入ヘッドが、複数系統の薬液注入管が接続されたものである請求項3ないし6のいずれかに記載の地盤改良用の自在ボーリング装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、「片押し工法」や「引き込み工法」におけるごときドリルヘッドの換装や拡径工程が不要であり、反対側の地表までパイロット孔を形成する必要もなく、掘進の際の圧力水の噴射と、薬液の注入との切替を確実に行うことのできる地盤改良工法が実現するという、すぐれた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例を図面により説明する。
本発明において使用する自在ボーリング装置は、先端部に軸に対して斜め向きの圧力水噴射ノズルを有する掘進ヘッドと、この掘進ヘッドの後方に順次接続され、前記掘進ヘッドを前進後退および回転させる可撓性で中空の掘進ロッドと、前記掘進ロッドの末端部分を前進後退および回転させる掘進機と、前記掘進ロッド内に挿入される薬液注入ヘッドとからなるものであり、掘進ヘッド、掘進ロッド(掘進ヘッドに接続する直後のものを除く)ならびに掘進機についてはすでに説明した従来公知のものと変わりはない。
【0017】
本発明では、このような地盤改良用の自在ボーリング装置によって、前記圧力水噴射ノズルから圧力水を噴射しながら地上から斜め方向にボーリングし、所定位置からは水平方向にボーリングして前記掘進ヘッドを目的位置に到達させる。掘進ロッドは中空であるから、末端の掘進機の位置から管内に圧力水を供給すれば、図1(a)に示すように掘進ヘッド2の圧力水噴射ノズル21から圧力水が噴出し、掘進が行われる。追って説明するように、この状態では直後の掘進ロッド3aに設けられている薬液注入孔31はふさがれているので、ここから圧力水が噴出することはない。掘進中の掘進ヘッドの位置については、公知の位置センサ等を管内の掘進ヘッドの位置まで挿入して検出するようにすればよい。図7に示すような目的位置まで掘進したら、掘進ロッド内に薬液注入ヘッドを挿入し、追って説明する第2の閉塞手段によって掘進ヘッド2先端の圧力水噴射ノズル21行きの内部空間をふさぐとともに、第1の閉塞手段を排除して薬液注入孔31を開口させ、図1(b)に示すように掘進ヘッド2の側面、あるいは掘進ヘッドに接続する直後の掘進ロッド3aの側面に設けた薬液注入孔31から地盤内に薬液を注入する。図3に示すように、薬液注入ヘッド7には空気管73、薬液注入管74、75が接続されているが、本発明ではこれらの挿入は掘削工程終了後に行うので、特許文献5に記載の発明のように掘進段階で少しずつ継ぎ足す必要はなく、作業は容易である。
【0018】
薬液注入をしながら掘進ヘッド2を後退させ、各後退位置で薬液を注入して地盤改良を行いつつ掘進ヘッド2を掘進ロッド3とともに引き抜いて作業を完了する。掘進ヘッドを後退させるには、必ずしも掘進機を使用する必要はなく、ウインチ等で掘進ロッドを引き抜くことで容易に行うことができる。
ここで、注入する薬液を2種類使用できるように、薬液注入管を2系統設けておくと便利である。例えば、混合することで反応し、硬化する2液混合形の硬化剤の場合、注入孔の直前まで混合させないようにすれば管内が詰まるようなことがない。また、緩結剤であるA液と、瞬結剤であるB液とを使い分けることによって施工がやりやすくなる。まず削孔した地盤と掘進ヘッドとの隙間に瞬結剤を注入してこの隙間を閉塞し、その後に緩結剤を注入するようにすると、緩結剤が周囲に漏れることがなく、効率のよい注入が行える。緩結剤としては例えば珪酸ナトリウム(水ガラス)が、瞬結剤の例としてはある種の触媒が挙げられる。
【0019】
つづいて掘進中前記薬液注入孔をふさいでおく第1の閉塞手段、および薬液注入中に前記圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐ第2の閉塞手段、すなわち噴出孔、薬液注入孔の開閉機構について説明する。図2は実施例の薬液注入孔31付近を示す部分断面図で、3aは掘進ヘッド2の直後の掘進ロッド、5はジョイントで、これを介してさらに後方に一般の掘進ロッド3が順次接続される。
【0020】
掘進ロッド3aの後部側面には全周に複数個所の薬液注入孔31が設けられており、これに第1の閉塞手段である樹脂ボルト61が挿入され、ナット62で締め付けられて固定され、薬液注入孔31はふさがれている。したがって掘進作業中、高圧水が薬液注入孔31から漏洩することはない。樹脂ボルト61の首下には適宜Oリングなどのシール部材を挿入することが望ましい。また、掘進の際に樹脂ボルト61が損傷しないよう、保護のためのカバーリング63が嵌められている。この状態で掘進を行い、ついで管内に薬液注入ヘッドを挿入する。
【0021】
図3は、挿入された薬液注入ヘッド7が掘進ヘッド直後の掘進ロッド3a内まで到達した状態を示す部分断面図で、71a、71bは第2の閉塞手段である2段に設けられたパッカ、72は開口、73はパッカ71a、71bをふくらませる空気管、74、75は2系統の薬液注入管、76はこの薬液注入ヘッド7の先端に取り付けられた押圧部材である。
【0022】
薬液注入ヘッド7は中空の円筒状で、その外径は掘進ロッド3、3aの内径よりも若干小さく、パッカ71a、71bが収縮した状態では自由に掘進ロッド3内を移動できる。また押圧部材76は円板状、あるいはカップ状で、外周はほぼ掘進ロッド3の内径に等しい。薬液注入ヘッド7を掘進ロッド3内に挿入して、先頭の押圧部材76が薬液注入孔31の位置を通過するとき、障害となる樹脂ボルト61を折損するので、樹脂ボルト61が脱落して薬液注入孔31が開口する。
【0023】
なお、樹脂ボルト61は、薬液注入孔31をふさいで固定され、必要に応じて折損して脱落するものであればよいので、必ずしもボルトでなく、単なる栓でもよい。
一方、薬液注入ヘッド7を掘進ロッド3内に挿入して、薬剤注入孔31が2段のパッカ71a、71bの中間に位置する状態になったら、空気管73から空気を送ってパッカ71a、71bをふくらませれば、開口72を介して薬液注入ヘッド7の内部と薬液注入孔31とが連通し、かつパッカ71a、71bの外側の掘進ロッド3内部とは遮断されるので、圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間がふさがれると同時に薬液注入管74、75から供給される薬液は系外に漏洩することなく薬液注入孔31から周囲の地盤内に注入される。
【0024】
図4は第1の閉塞手段の他の実施例を示す薬液注入孔31付近の部分断面図で、64はマグネットシート、すなわちシート状の磁性ゴムである。掘進ロッド3aが鋼管製である場合に、マグネットシート64を薬液注入孔31の内面に付着させれば、簡単に薬液注入孔31をふさぐことができる。そして薬液注入ヘッド7を通過させれば、押圧部材76によって容易にマグネットシート64を排除して開口させることができる。マグネットシート64は管の内面を一周するものでもよいし、薬液注入孔31毎の分断されたものでもよい。
【0025】
薬液を注入しながら徐々に掘進ヘッドを後退させれば、掘進ロッド、薬液注入ヘッドをともに回収することができる。なお、最初の掘進段階以外は掘進ロッドを回転させたり押圧したりする必要がないので、掘進機は取り外して他の工事に転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明実施例の地盤改良工法の要部を説明する掘進ヘッド付近の正面図である。
【図2】実施例の第2の閉塞手段を説明する薬液注入孔付近の部分断面図である。
【図3】実施例の第1の閉塞手段を説明する掘進ヘッド直後の掘進ロッド付近を示す部分断面図である。
【図4】他の実施例の第2の閉塞手段を説明する薬液注入孔付近の部分断面図である。
【図5】従来の技術における掘進ヘッドを示す断面図である。
【図6】従来の技術における掘進機を示す外観斜視図である。
【図7】従来の技術における自在ボーリングを説明する概念図である。
【符号の説明】
【0027】
2 掘進ヘッド
3、3a 掘進ロッド
4 掘進機
5 ジョイント
7 薬液注入ヘッド
21 圧力水噴射ノズル
22 圧力水経路
31 薬液注入孔
41 前進フレーム
42 回転用モータ
43 チェーン
44 前進用モータ
61 樹脂ボルト(栓)
62 ナット
63 カバーリング
64 マグネットシート
71a、71b パッカ
72 開口
73 空気管
74、75 薬液注入管
76 押圧部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に、軸に対して斜め向きの圧力水噴射ノズルを有する掘進ヘッドと、この掘進ヘッドの後方に順次接続され、前記掘進ヘッドを前進後退および回転させる可撓性で中空の掘進ロッドと、前記掘進ロッドの末端部分を前進後退および回転させる掘進機と、前記掘進ロッド内に挿入される薬液注入ヘッドとからなる地盤改良用の自在ボーリング装置によって、前記圧力水噴射ノズルから圧力水を噴射しながら地上から斜め方向にボーリングし、所定位置からは水平方向にボーリングして前記掘進ヘッドを目的位置に到達させた後、前記掘進ロッド内に薬液注入ヘッドを挿入して掘進のための圧力水噴射ノズル行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐと同時に薬液注入孔を開口させるとともに掘進ヘッドを後退させ、後退開始位置ならびに各後退位置で掘進ヘッドの側面、あるいは掘進ヘッドに接続する直後の掘進ロッドの側面から地盤内に薬液を注入しながら掘進ヘッドを掘進ロッドとともに引き抜くことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項2】
地盤内に注入する薬液の少なくとも一部が2液混合形の硬化剤である請求項1に記載の地盤改良工法。
【請求項3】
掘進ヘッド(2)と、この掘進ヘッド(2)の後方に順次接続され、前記掘進ヘッドを前進後退および回転させる可撓性で中空の掘進ロッド(3)と、前記掘進ロッド(3)の末端部分を前進後退および回転させる掘進機(4)と、前記掘進ロッド(3)内に挿入される薬液注入ヘッド(7)とからなる地盤改良用の自在ボーリング装置であって、前記掘進ヘッド(2)が先端部に軸に対して斜め向きの圧力水噴射ノズル(21)を有するとともに、掘進ヘッド(2)側面あるいは掘進ヘッドに接続する直後の掘進ロッド(3a)の側面に薬液注入孔(31)を有し、掘進中に前記薬液注入孔(31)をふさぐ第1の閉塞手段と、薬液注入中に前記圧力水噴射ノズル(21)行きの掘進ヘッド内部空間をふさぐ第2の閉塞手段を備えたことを特徴とする地盤改良用の自在ボーリング装置。
【請求項4】
前記の第1の閉塞手段が薬液注入孔に挿入する樹脂製の栓(6)である請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置。
【請求項5】
前記の第1の閉塞手段が薬液注入孔の内面に取り付けるマグネットシート(64)である請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置。
【請求項6】
前記の薬液注入ヘッド(7)が、先端に第1の閉塞手段を排除する押圧部材(76)を備えるとともに、その後方に第2の閉塞手段である圧力空気によってふくらむパッカ(71a、71b)を備えたものである請求項3に記載の地盤改良用の自在ボーリング装置。
【請求項7】
前記の薬液注入ヘッド(7)が、複数系統の薬液注入管(74,75)が接続されたものである請求項3ないし6のいずれかに記載の地盤改良用の自在ボーリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−175030(P2008−175030A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11687(P2007−11687)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(000185972)小野田ケミコ株式会社 (58)
【出願人】(390027292)根本企画工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】