説明

均一なポリマービーズを製造する方法

【課題】水性分散物中の実質的に均一なポリマー粒子を製造する方法を提供する。
【解決手段】乳化剤、少なくとも1種のモノマー分子、および開始剤を含むモノマーエマルションを形成し;モノマーエマルションを、少なくとも安定化剤および複数のオリゴマー液滴に添加し;並びに、少なくとも1種のモノマー分子を重合して、ポリマー粒子の水性分散物を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマービーズを製造する方法に関する。より具体的には、本発明は実質的に均一なポリマービーズを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シード拡大技術を使用してポリマービーズを製造するために、モノマー相はラウリル硫酸ナトリウムおよびトライトン(Triton商標)X−450のような界面活性剤を用いることにより乳化される場合がある。ポリマービーズを製造する方法の1つは米国特許出願公開第2007/0066761号に開示されており、この文献では、シード粒子がモノマー、開始剤、連鎖移動剤、および界面活性剤と混合されて、膨潤性粒子を形成し、この粒子は次いで、重合されるモノマーおよび開始剤と混合される。
【0003】
粒子ビーズを製造する別の方法は、米国特許第5,147,937号に記載されており、この文献は、モノマー混合物を、分散物安定化剤および油溶性開始剤の存在下で、乳化重合ポリマー粒子の水性分散物と徐々に一緒にすることを開示する。
【0004】
ポリマービーズを製造する別の方法が米国特許第7,217,762号に開示される。この方法においては、膨潤性シード粒子、アニオン性界面活性剤、並びに、アクリルモノマー、メタクリラートモノマーおよびビニルモノマーから選択されるモノマーから、膨潤したシード粒子の水性分散物が形成され;そして、膨潤したシード粒子、並びにステリック安定化剤および/またはポロゲンの水性分散物中でモノマーの重合が開始される。
【0005】
これらの方法において使用されるアニオン性界面活性剤は、多くの場合、乳化剤として充分に機能するが、均一なポリマービーズを重合するには、一般的には劣った安定化剤である。不安定性は、多くの場合、融合したビーズを生じさせ、懸濁失敗の可能性をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0066761号明細書
【特許文献2】米国特許第5,147,937号明細書
【特許文献3】米国特許第7,217,762号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、液滴安定化および重合プロセスにおける安定化の問題を実質的に除く乳化剤および安定化剤を使用するプロセスを提供することにより、現在の技術を改良することを求める。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態は、乳化剤、少なくとも1種のモノマー分子および開始剤を有するモノマーエマルションを形成し;モノマーエマルションを少なくとも安定化剤および複数のオリゴマー液滴に添加し;並びに、少なくとも1種のモノマー分子を重合させて、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するポリマー粒子の水性分散物を形成する;ことを含む、実質的に均一なポリマー粒子を製造する方法を提供する。
本発明の別の形態は、シード乳化剤、少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤を有する水性エマルションを調製し;水性エマルションを少なくとも安定化剤および複数のシード粒子と混合して、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するオリゴマー液滴の水性分散物媒体を生じさせ;乳化剤、少なくとも1種のモノマー分子、および開始剤を有するモノマーエマルションを形成し;モノマーエマルションを少なくとも安定化剤および複数のオリゴマー液滴に添加し;並びに、少なくとも1種のモノマー分子を重合させて、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するポリマー粒子の水性分散物を形成する;ことを含む、実質的に均一なポリマー粒子を製造する方法を提供する。
本発明のさらに別の形態は、本発明の方法によって製造されるポリマー粒子および官能化ポリマー粒子の少なくとも1種を、混合生体分子の水溶液と接触させることを含む、混合生体分子の水溶液を精製する方法を提供する。
本発明の別の形態は、本発明の方法によって製造されたポリマー粒子を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、実質的に均一なポリマービーズまたはポリマー粒子、例えば、ポリマー粒子を有するがポロゲンを有しないゲル、および多孔性ポリマー粒子などを製造する方法に関する。粒子の集団は、その粒子が同じサイズおよび形状を有する場合には、「均一」である。粒子の90/10均等係数は、粒子サイズ分布の90%および10%での粒子直径の比率として算出される。「実質的に均一」とは、90/10均等係数が1.0〜1.3の範囲であることを意味する。
【0010】
本方法において使用される、オリゴマー液滴または膨潤した粒子は、シード乳化剤、少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤を有する水性エマルションを調製し;並びに、水性エマルションを、少なくとも安定化剤および複数のシード粒子と混合して、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するオリゴマー液滴の水性分散物媒体を生じさせることにより製造される。膨潤した粒子は、単一種の化合物および/または複数種の化合物を吸収した後でその粒子がより大きくなるように、反応条件下で単一種の化合物および/または複数種の化合物を容易に吸収する粒子である。
【0011】
水性エマルションはシード乳化剤および少なくとも1種のモノマーを混合することにより調製される。好適なモノマーには、エチレン性不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリロニトリル、および(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(3−オキサゾリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチル、エチレンウレイド−官能性モノマー、アセト酢酸アリル、エチレン、プロピレン、スチレンおよび置換スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、および他のビニルエステル、ビニルモノマー、例えば、塩化ビニル、ビニルトルエン、およびビニルベンゾフェノン、並びに塩化ビニリデンが挙げられる。別の用語、例えば、アクリラートまたはアクリルアミドが後に続く用語「(メタ)」は、使用される場合、本開示を通じて、それぞれ、アクリラート、アクリルアミド、並びにメタクリラート、メタクリルアミドの双方をいう。好ましいモノマーには、アクリル酸ブチル、スチレンおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0012】
ポリマー粒子を製造するために使用される、好ましいシード乳化剤および乳化剤には、以下に記載されるように、タンパク質、ポリビニルアルコール、ポリグリセロール脂肪酸エステル、植物多糖、セチルトリメチルアンモニウムブロミドおよび他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロリド、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、双性イオン性物質(zwitterionics)(zwitterionics)(両性界面活性剤;amphoterics)、ドデシルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシナート、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのコポリマー、アルキルポリグルコシド、例えば、オクチルグルコシド、およびデシルマルトシド、脂肪アルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポリソルバート、コデシルジメチルアミンオキシド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロパン−1,2−ジオール、カラギーナン、ローカストビーンガム(カロブガム)、グアーガム、トラガカント、ガムアカシア(アラビアガム)、キサンタンガム、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ペクチン、アミド化ペクチン、ミクロ結晶性/粉体セルロール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリドのエステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、および脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステルが挙げられる。乳化剤またはシード乳化剤は、それがアニオン性界面活性剤でない限りは、同様の組成物を含むこともできる。より好ましい乳化剤、並びにシード乳化剤はポリビニルアルコールである。
【0013】
好ましくは、乳化剤またはシード乳化剤は、水中での、乳化剤またはシード乳化剤の水性分散物として提供される。使用される乳化剤またはシード乳化剤の量は、モノマーの重量を基準にして、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.3重量%〜3重量%の範囲である。
【0014】
水性エマルションは少なくとも1種の連鎖移動剤を含むこともできる。好適な連鎖移動剤には、例えば、ハロメタン、ジスルフィド、チオール(メルカプタンとも称される)、および金属錯体が挙げられる。好適なさらなる連鎖移動剤には、少なくとも1つの容易に引き抜き可能な水素原子を有する様々な他の化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。連鎖移動剤は1回以上の添加で、または連続的に、線形的にもしくは線形的ではなく、全反応期間のほとんどもしくは全てにわたって、または反応期間の限定された期間中に添加されうる。連鎖移動剤は、それがモノマーの全重量を基準にして、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%〜40重量%を構成するように添加されうる。
【0015】
さらに、水性エマルションの製造において、シード開始剤が使用されうる。以下に記載されるポリマー粒子を製造する方法に使用されるシード開始剤または開始剤は、生じたフリーラジカルがモノマーと相互作用しうる条件下で少なくとも1種のフリーラジカルを生じさせうる化合物である。好適な開始剤およびシード開始剤には、過硫酸塩、例えば、過硫酸ナトリウム、および過硫酸アンモニウム、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオクトアート、t−アミルペルオキシピバラート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオクトアート、油溶性ペルオキシド、油溶性アゾ化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。開始剤またはシード開始剤は、それが水の重量を基準にして1重量%以下の低い水中溶解度を有する場合には、「油溶性」である。ある実施形態においては、開始剤またはシード開始剤の量は、本方法に使用されるモノマーまたはモノマー分子の全重量を基準にして、好ましくは、0.1重量%〜8重量%、より好ましくは、0.1重量%〜4重量%である。
【0016】
少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、シード開始剤およびシード乳化剤および任意の他の成分は混合されてエマルションを形成する。これらの成分はそのままで混合されることができ、または1種以上がまずエマルションとして調製されることができ、次いで、その調製されたエマルションが混合されるか、または成分が混合されうる。エマルションの混合は、機械式攪拌、例えば、混合物を振とうすること、混合物を攪拌すること、混合物を静的混合エレメントに通過させること、超音波乳化、および回転する装置との接触などによって行われうる。ある実施形態においては、機械式攪拌は「高剪断」(すなわち、それが成分に高い剪断速度を与える)を提供する。
【0017】
ある例においては、エマルションは乳化装置、例えば、ノースカロライナ州、ウィルミントンのイカワークスインコーポレーティド(IKA Works Inc.)から入手可能な、IKA登録商標マジックLAB登録商標インライン乳化装置、またはモジュラー実験室混合システムにポンプ移送で通されうる。
【0018】
このエマルションは所望の速度および反応温度で供給され、複数のシード粒子、または膨潤性粒子、および安定化剤と混合されて、水性分散された実質的に均一なオリゴマー液滴を生じさせる。阻害剤、例えば、水性相阻害塩および有機化合物、および/または膨潤剤(swellant)、例えば、可塑剤および溶媒も混合物に添加されうる。
【0019】
シード粒子は粒子状形態である任意の物質から製造されることができ、かつ任意の組成を有しうる。好ましくは、シード粒子は少なくとも1種のモノマーを含む。好適なモノマーには、上述のものが挙げられる。シード粒子は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは2〜15μmの平均粒子直径を有する。
【0020】
安定化剤は水可溶性ポリマーであり、例えば、ポリビニルアルコール、セルロースエーテルおよびこれらの混合物などである。好ましい安定化剤には、タンパク質、ポリビニルアルコール、ポリグリセロール脂肪酸エステル、植物多糖、セチルトリメチルアンモニウムブロミドおよび他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロリド、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、双性イオン性物質(zwitterionics)(zwitterionics)(両性界面活性剤;amphoterics)、ドデシルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシナート、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのコポリマー、アルキルポリグルコシド、例えば、オクチルグルコシド、およびデシルマルトシド、脂肪アルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポリソルバート、コデシルジメチルアミンオキシド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロパン−1,2−ジオール、カラギーナン、ローカストビーンガム(カロブガム)、グアーガム、トラガカント、ガムアカシア(アラビアガム)、キサンタンガム、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ペクチン、アミド化ペクチン、ミクロ結晶性/粉体セルロール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリドのエステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、および脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステルが挙げられる。安定化剤は、それがアニオン性界面活性剤でない限りは、同様の組成物を含むこともできる。より好ましい安定化剤はポリビニルアルコールである。
【0021】
安定化剤の量は、シード粒子の乾燥重量を基準にして、好ましくは0.1重量%〜15重量%、より好ましくは5重量%〜15重量%の安定化剤である。ある実施形態においては、安定化剤および乳化剤は同じ成分である。別の実施形態においては、安定化剤および乳化剤は異なっている。
【0022】
本方法の一例においては、安定化剤は、シード粒子と混合され、混合物が加熱される。加熱された混合物は、次いで、エマルションと混合されてオリゴマー液滴を形成する。
【0023】
本方法の別の例においては、少なくとも1種のモノマーの一部分または全部が、以下の工程を使用して、シード粒子と混合される:モノマーはシード粒子上またはシード粒子内に存在することとなり、場合によって、当初の粒子を膨潤させ;次いで、このモノマーは、当初の粒子上または粒子内に存在する1種以上のフリーラジカル(おそらく1種以上の開始剤から形成される)に遭遇し;並びに、次いで、このモノマーが別のこのようなモノマー(1種以上)と共に重合反応に関与する。
【0024】
本方法は1回行われることができ、または任意の回数繰り返されることができ、所望の粒子サイズを達成する。ある実施形態においては、本方法は第1のセットのシード粒子について行われて、当初オリゴマー液滴を生じさせることができ、これは、次いで、本方法の後の実行においてシード粒子として使用されて、第2のオリゴマー液滴を生じさせる。この実施形態においては、第2のオリゴマー液滴製造において使用される、少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤のいずれかまたは全ては、当初オリゴマー液滴の製造に使用される少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤のいずれかまたは全てと同じであっても良いし、異なっていてもよいし、またはこれらの混合物であってもよいことが意図される。
【0025】
オリゴマー液滴は好ましくは1.0〜1.3、より好ましくは1.05〜1.15の90/10均等係数を有する。このオリゴマーの数平均分子量(Mn)は400〜2000の範囲である。
【0026】
ある実施形態においては、オリゴマー液滴の平均粒子直径はシード粒子の平均粒子直径よりも大きい。オリゴマー液滴の平均粒子直径はシード粒子の平均粒子直径よりも、好ましくは少なくとも1.5倍以上、より好ましくは少なくとも2倍以上、最も好ましくは少なくとも4倍以上大きいことが可能である。好ましくは、オリゴマー液滴は2〜100μmの平均粒子直径を有する。より好ましくは、オリゴマー液滴は10〜30μmの平均粒子直径を有する。粒子サイズは、レーザー回折、電気抵抗カウントおよび写真分析など任意の利用可能な方法によって測定されることができる。
【0027】
オリゴマー液滴の用途の1つは、ポリマー粒子の生産である。このようなポリマー粒子のいくつかは、例えば、以下の目的の1以上に有用であるように選択され、設計されうる:光散乱および/または拡散物質、表面コーティング、表面つや消し剤、表面光沢低減剤、表面テクスチャー改変剤、プラスチック添加剤、液晶ディスプレイスペーサー、標準サンプル、マイクロフィルタ、徐放剤、クロマトグラフ用樹脂、官能化クロマトグラフ用樹脂の製造のための中間体、吸着剤、固相合成樹脂、触媒酵素担体、粉砕媒体、分散媒体、酵素固定化材料、アフィニティークロマトグラフィー用樹脂、またはイオン交換物質。
【0028】
ポリマー粒子を製造するために、モノマー分子が反応して少なくとも1種のオリゴマーまたはポリマーまたはこれらの混合物を形成する条件を与えることにより、重合が行われる。好適なモノマー分子には、エチレン性不飽和モノマー、例えば、置換(メタ)アクリラートエステルモノマー、および(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリロニトリル、および(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(3−オキサゾリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチル、エチレンウレイド−官能性モノマー、アセト酢酸アリル、エチレン、プロピレン、スチレンおよび置換スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、および他のビニルエステル、ビニルモノマー、例えば、塩化ビニル、ビニルトルエン、およびビニルベンゾフェノン、並びに塩化ビニリデンが挙げられる。
【0029】
他の好適なビニルモノマーには、カルボン酸ビニル、ビニルウレタンモノマー、ビニル芳香族モノマーおよびこれらの混合物が挙げられる。カルボン酸ビニルの一例は、酢酸ビニルであり;ビニルウレタンモノマーの一例は、トリアリルイソシアヌラートであり;およびビニル芳香族モノマーの例には、スチレン、ジビニルベンゼンおよびこれらの置換体、例えば、アルファ−メチルスチレンなどが挙げられる。いくつかの好適な置換(メタ)アクリラートエステルには、例えば、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル、例えば、エチレングリコールジメタクリラート、グリセロールジメタクリラートおよびこれらの混合物などが挙げられる。
【0030】
さらなる好適なビニルモノマーには、アルキル基が官能基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。ある場合においては、このような官能基は、モノマー分子の重合中または重合後に、他の基(その官能基と同じであってもよいし、異なっていてもよい)と反応することができる。このような場合のいくつかにおいては、他の基と官能基との反応は、モノマー分子を重合して得られるポリマー中に分岐点または架橋接合点を作りだす。この官能基の一例はグリシジル基である。この種のモノマーの一例は、メタクリル酸グリシジルである。示されたモノマー分子の全てについて、別の用語、例えば、アクリラートまたはアクリルアミドが後に続く用語「(メタ)」は、使用される場合、本開示を通じて、それぞれ、アクリラート、アクリルアミド、並びにメタクリラート、メタクリルアミドの双方をいう。
【0031】
ある実施形態においては、ポリマーの形成において消費されるモノマー分子の量は、ポリマー粒子の製造方法に使用されるモノマー分子の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%の消費されるモノマー分子である。モノマー分子(単一種または複数種)は、重合の開始前に、重合中に、またはこれらの組み合わせで、オリゴマー液滴と混合されうる。ある実施形態においては、オリゴマー液滴を少なくとも1種のモノマー分子および場合によってポロゲンと混合する1工程、およびモノマー分子を重合する1工程が、行われうる。ある実施形態においては、2以上のこのような混合工程が行われることができ、独立して、ある実施形態においては、2以上の重合工程が行われうる。ある実施形態においては、モノマー分子の第1の部分がオリゴマー液滴と混合され重合された後で、生じる組成物がモノマー分子の1以上のさらなる部分(そのそれぞれは、独立して、モノマー分子の従前の部分に含まれるモノマーと同じであっても良いし、異なっていてもよい)と混合されることができ、これは次いで重合されるであろう。
【0032】
方法の任意の時点で、任意の方法で、任意の順で、成分の混合が行われうる。成分は、それらが連続フロー反応器を通って流れるように連続的に混合されることができ、または容器に一緒にもしくは個々に、またはその容器に徐々に、もしくは急に添加されうる。例えば、シード粒子またはオリゴマー液滴は水性分散物の形態であることができる。本方法においては、これらシード粒子またはオリゴマー液滴は容器内に入れられることができ、他の成分は、そのシード粒子またはオリゴマー液滴を収容する容器に個々に添加されることができる。あるいは、シード粒子またはオリゴマー液滴を収容する容器に混合物が添加される前に、成分は一緒に混合されることができる。
【0033】
水性分散物および水性分散物媒体は重合プロセスによって形成される。重合プロセスは、当該技術分野において周知であるように、ショットプロセスとして、またはモノマーを経時的に供給することにより行われることができる。このプロセスは10℃〜100℃で行われることができるが、ポリマーが形成されるあらゆる条件で行われうる。
【0034】
ある実施形態においては、モノマー分子は水性分散物と混合され、モノマー分子が重合される。ある実施形態においては、1種以上のモノマー分子は、まず、水性エマルション形成にされることができ、これは次いで水性分散物媒体に添加される。
【0035】
様々な任意成分が、オリゴマー液滴、安定化剤および1種以上のモノマー分子の水性分散物媒体の混合物中に含まれるうる。この任意成分は、例えば、モノマー分子の重合を行うのを助けるために、または形成されたポリマー粒子の特性に影響を及ぼすように添加されることができる。この任意成分は、オリゴマー液滴、安定化剤および1種以上のモノマー分子の水性分散物媒体の混合前に、混合中に、または混合後に添加されうる。任意成分には、例えば、阻害剤、開始剤、安定化剤(stabilizers;stabilizing agents)、ポロゲン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
好適な開始剤およびその濃度には、シード開始剤について上述したものが挙げられる。好適な安定化剤も上述されている。ポリマー粒子の製造に使用される安定化剤の量は、ポリマー粒子の乾燥重量を基準にして、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。オリゴマー液滴を製造するのに使用される開始剤および安定化剤は、ポリマー粒子を製造するのに使用されるのと同じであっても良いし、異なっていてもよい。
【0037】
好適な安定化剤には、水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、セルロースエーテルおよびこれらの混合物などが挙げられる。好ましい安定化剤には、タンパク質、ポリビニルアルコール、ポリグリセロール脂肪酸エステル、植物多糖、セチルトリメチルアンモニウムブロミドおよび他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロリド、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、双性イオン性物質(zwitterionics)(zwitterionics)(両性界面活性剤;amphoterics)、ドデシルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシナート、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルフェノールポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのコポリマー、アルキルポリグルコシド、例えば、オクチルグルコシド、およびデシルマルトシド、脂肪アルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポリソルバート、コデシルジメチルアミンオキシド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロパン−1,2−ジオール、カラギーナン、ローカストビーンガム(カロブガム)、グアーガム、トラガカント、ガムアカシア(アラビアガム)、キサンタンガム、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ペクチン、アミド化ペクチン、ミクロ結晶性/粉体セルロール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリド、脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリドのエステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、および脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステルが挙げられる。安定化剤は、それがアニオン性界面活性剤でない限りは、同様の組成物を含むこともできる。より好ましい安定化剤はセルロースエーテルである。ポリマー粒子の製造中に使用される安定化剤の量は、ポリマー粒子の乾燥重量を基準にして、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0038】
ある実施形態は1種以上のポロゲンの使用を伴う。ポロゲンは水中よりもモノマー中に可溶性であって、モノマーの重合によって形成されたポリマーに対して貧溶媒である化合物である。好ましいポロゲンには、炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステルおよびこれらの混合物が挙げられる。ポロゲン分子の炭化水素部分は線状、分岐、環式、またはこれらの組み合わせであってよい。代表的な炭化水素ポロゲンには、脂肪族炭化水素、例えば、イソオクタン、および芳香族含有炭化水素、例えば、キシレンおよびトルエンが挙げられる。典型的なエステルポロゲンには、芳香族カルボン酸のエステル、例えば、フタル酸ジアルキル、脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、酢酸ブチル、および3以上の炭素原子を有するアルキル基を有するジアルキルエーテルポロゲン、例えば、ジブチルエーテルが挙げられる。典型的なアルコールポロゲンには、5以上の炭素原子を有する線状、分岐または環式アルキルのアルコール、例えば、シクロへキサノールまたは4−メチル−2−ペンタノールが挙げられる。典型的なケトンポロゲンには、ジアルキルケトン、例えば、メチルイソブチルケトンが挙げられる。ある実施形態においては、ポロゲンの、全てのモノマー分子の合計重量に対する重量比は、好ましくは、0.1〜10、より好ましくは0.25〜5、最も好ましくは0.5〜2.5である。
【0039】
ポリマー粒子を製造する本方法は、数時間から数日の範囲であることができる。この方法は、小規模または大規模で実施されることもでき、かつ重合用の典型的な商業的装置を使用して行われうる。
【0040】
ある実施形態においては、ポリマー粒子は高分子量ポリマー、架橋ポリマーまたはこれらの混合物を含む。ある実施形態においては、少なくとも1種のモノマー分子を重合することによって製造されるポリマー粒子は、可溶性でない多量の物質を含む。ポリマー粒子は、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは3〜600μm、最も好ましくは10〜250μmの平均粒子直径を有する。
【0041】
ポリマー粒子は官能化されうる。「官能化」とは、ポリマー粒子が少なくとも1種の試薬と反応させられて、1以上の官能基、例えばイオンを、ポリマー粒子に化学的に結合させるか、またはポリマー粒子上の化学基、例えば、エステル基などを、官能基、例えば、カルボキシル基などに変換することを意味する。ポリマー粒子はリガンドで官能化されることもでき、例えば、強カチオン交換樹脂、強アニオン交換樹脂、弱カチオン交換樹脂、弱アニオン交換樹脂、アフィニティー樹脂、他の官能化樹脂、並びにこれらの組み合わせおよび混合物を形成することができる。
【0042】
ポリマー粒子および官能化ポリマー粒子は、生体分子、例えば、タンパク質、酵素および他の生体分子などを精製するのに使用されることもできる。このような精製は場合によっては、ポリマー樹脂粒子と混合生体分子の水溶液とを接触させることによって、例えば、ポリマー粒子を液体クロマトグラフィーカラム内に配置し、水溶液をこのカラムに通すことによって行われる。
【0043】
以下の実施例は、本発明を例示するために提示される。この実施例においては、以下の略語が使用された。
BAはアクリル酸ブチルである。
Daはダルトンである。
DEPはフタル酸ジエチルである。
D.I.は蒸留である。
EGDMAはエチレングリコールジメタクリラートである。
GlyDMAはグリシジルメタクリラートである。
メトセル(METHOCEL商標)K100セルロースエーテルは、23%メトキシ置換および6.5%ヒドロキシプロピル置換を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、2%水溶液は80〜120mPa・sの粘度を有する。
MIBCは4−メチル−2−ペンタノールである。
PVOHはポリビニルアルコールである。
t−ブチルはtert−ブチルである。
Rpmは1分間あたりの回転数である。
Cは摂氏である;μmはマイクロメートルまたはミクロンである;mlはミリリットルである;gはグラムである;およびminは分である。
【0044】
試験方法
粒子サイズ:カリフォルニア州、ブレアのベックマンコールター(Beckman Coulter)により製造された、マルチサイザー(Multisizer商標)3コールターカウンター(Coulter Counter登録商標)を用いて測定が行われた。
【実施例】
【0045】
実施例1:20リットル反応器内での58μmGMA/GlyDMA多孔性粒子の製造
オーバーヘッド攪拌装置を備えた10リットルのステンレス鋼タンクに、3,213gのD.I.水を入れた。反応器を80℃に加熱して、32.5gのゴーセノール(Gohsenol)GR−14R PVOH(日本国の日本合成化学工業株式会社により製造)を、30分間かけてゆっくりと添加した。このPVOH溶液を80℃で1時間攪拌し、次いで30℃に冷却した。
別の30リットルタンクに、9,707gのD.I.水が入れられ、次いで、このタンクが55℃に加熱され、100rpmで攪拌された。このタンクに、48.8gのメトセル(Methocel商標)K100(ペンシルベニア州、フィラデルフィアのザダウケミカルカンパニーにより製造)がゆっくりと1時間かけて添加され、80℃に加熱され、15分間保持された。このタンクが25℃に冷却された。
【0046】
別の10リットルタンクにおいて、2019gの調製されたPVOH溶液、924.6gのGMA、616.4gのGlyDMA、2,457.7gのDEP、753.3gのMIBC、および21.3gのt−ブチルペルオクトアートをこのタンクに入れて、この混合物を200rpmで10分間攪拌し、モノマーエマルションを形成した。
オーバーヘッド攪拌装置および凝縮器を備えた20リットルのステンレス鋼反応器において、9,707gのメトセル溶液および239.2gの単一サイズの14.7μmスチレン/BAオリゴマーシードを、この反応器に85rpmに設定して攪拌しつつ入れた。この反応器は40℃で1時間にわたって加熱され、次いで、ポンプを用いて、モノマー混合物は165ml/分の速度で、ノースカロライナ州、ウィルミントンのイカワークスインコーポレーティド(IKA Works Inc.)によって製造された、14,600rpmにセットされたIKA登録商標マジックLAB登録商標インライン乳化装置を通して、反応器にポンプ移送された。モノマー供給の終わりに、このラインは351.2gのPVOH溶液で、反応器内にフラッシュされた。温度は40℃で6時間維持され、次いで、70℃で45分にわたって加熱された。この反応器は75℃の温度で1時間維持され、次いで、80℃で1時間にわたって加熱された。この反応器は、80℃で12時間保持され、次いで25℃に冷却された。58μmの粒子サイズおよび1.09の90/10均等係数が得られた。
【0047】
実施例2:60μmGMA/GlyDMA多孔性粒子の製造
磁気攪拌装置を備えた600mlのビーカーに、321gのD.I.水を入れた。ビーカーを80℃に加熱して、3.25gのゴーセノールGR−14R PVOHを、10分間かけてゆっくりと添加した。このPVOH溶液を80℃で1時間攪拌し、次いで30℃に冷却した。
別のビーカーに、970gのD.I.水が入れられ、次いで、このビーカーが80℃に加熱され、磁気攪拌装置を用いて攪拌された。このビーカーに、4.88gのメトセルK100がゆっくりと10分間かけて添加された。メトセルは80℃で1時間攪拌され、次いで25℃に冷却された。
【0048】
1リットルビーカーにおいて、201.9gの調製されたPVOH溶液、92.46gのGMA、61.64gのEGDMA、245.7gのDEP、753.3gのMIBC(4−メチル−2−ペンタノール)、および2.13gのt−ブチルペルオクトアートをこのビーカーに入れて、この混合物を400rpmで10分間攪拌した。
オーバーヘッド攪拌装置および凝縮器を備えた2リットルのガラス反応器において、970gのメトセル溶液および23.9gの単一サイズの14.7μmスチレン/BAシードを、この反応器に100rpmで攪拌しつつ入れた。この反応器は40℃で1時間にわたって加熱され、次いで、ニューヨーク州、ショセットのフルードメータリングインコーポレーティド(Fluid Metering,Inc.)によって製造されたFMIポンプを用いて33ml/分の速度で、このモノマー混合物は、14,600rpmにセットされたIKAマジックLABインライン乳化装置を通され、反応器にポンプ移送された。モノマー供給の終わりに、このラインは32.5gのPVOH溶液で、反応器内にフラッシュされた。温度は40℃で6時間維持され、次いで、70℃で45分にわたって加熱された。この反応器は75℃の温度で1時間維持され、次いで、80℃で1時間にわたって加熱された。この反応器は、80℃で12時間保持され、次いで25℃に冷却された。59μmの粒子サイズおよび1.10の90/10均等係数が得られた。
【0049】
実施例3:30μmGMA/EDGMA多孔性粒子の製造
磁気攪拌装置を備えた600mlのビーカーに、300gのD.I.水を入れた。ビーカーを80℃に加熱して、3gのゴーセノールGR−14R PVOHを、10分間かけてゆっくりと添加した。このPVOH溶液を80℃で1時間攪拌し、次いで30℃に冷却した。
別のビーカーに、75gのD.I.水が入れられ、次いで、このビーカーが80℃に加熱され、磁気攪拌装置を用いて攪拌された。このビーカーに、6.25gのメトセルK100がゆっくりと10分間かけて添加された。メトセルは80℃で1時間攪拌され、次いで25℃に冷却された。
【0050】
1リットルビーカーにおいて、228.2gの調製されたPVOH溶液、74.1gのGMA、49.4gのEGDMA、229.5gのDEP、および1.8gのt−ブチルペルオクトアートをこのビーカーに入れて、この混合物を400rpmで10分間攪拌した。
オーバーヘッド攪拌装置および凝縮器を備えた1リットルのガラス反応器において、198.0gのメトセル溶液および52.5gの単一サイズの10.0μmスチレン/BAシードを、この反応器に100rpmで攪拌しつつ入れた。この反応器は40℃で1時間にわたって加熱され、次いで、FMIポンプを用いて33ml/分の速度で、このモノマー混合物は、11,000rpmにセットされたIKAマジックLABインライン乳化装置を通され、反応器にポンプ移送された。モノマー供給の終わりに、このラインは56gのPVOH溶液で、反応器内にフラッシュされた。温度は40℃で6時間維持され、次いで、70℃で45分にわたって加熱された。この反応器は75℃の温度で1時間維持され、次いで、80℃で1時間にわたって加熱された。この反応器は、80℃で12時間保持され、次いで25℃に冷却された。30μmの粒子サイズおよび1.09の90/10均等係数が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化剤、少なくとも1種のモノマー分子および開始剤を有するモノマーエマルションを形成し;
モノマーエマルションを少なくとも安定化剤および複数のオリゴマー液滴に添加し;並びに、
少なくとも1種のモノマー分子を重合させて、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するポリマー粒子の水性分散物を形成する;
ことを含む、実質的に均一なポリマー粒子を製造する方法。
【請求項2】
モノマーエマルションがポロゲンをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シード乳化剤、少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤を有する水性エマルションを調製し;並びに、
水性エマルションを、少なくとも安定化剤および複数のシード粒子と混合して、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するオリゴマー液滴の水性分散物媒体を生じさせる;
ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記添加する工程が;
オリゴマー液滴を安定化剤と一緒にして、混合物を形成し;
モノマーエマルションを前記混合物に供給し;
前記混合物を加熱し;並びに、
ポリマー粒子の水性分散物を形成させる;
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
乳化剤がポリビニルアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリマー粒子が1.05〜1.15の90/10均等係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリマー粒子を少なくとも1種の試薬と反応させて、少なくとも1種の官能基をポリマー粒子に化学的に結合させ、およびポリマー粒子上の化学基を官能基に変換する;ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1の方法によって製造されたポリマー粒子および官能化ポリマー粒子の少なくとも1種を、混合生体分子の水溶液と接触させることを含む;
混合生体分子の水溶液を精製する方法。
【請求項9】
請求項1の方法によって製造されたポリマー粒子。
【請求項10】
シード乳化剤、少なくとも1種のモノマー、連鎖移動剤、およびシード開始剤を有する水性エマルションを調製し;
水性エマルションを、少なくとも安定化剤および複数のシード粒子と混合して、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するオリゴマー液滴の水性分散物媒体を生じさせ;
乳化剤、少なくとも1種のモノマー分子、および開始剤を有するモノマーエマルションを形成し;
モノマーエマルションを少なくとも安定化剤および複数のオリゴマー液滴に添加し;並びに、
少なくとも1種のモノマー分子を重合させて、1.0〜1.3の90/10均等係数を有するポリマー粒子の水性分散物を形成する;
ことを含む、実質的に均一なポリマー粒子を製造する方法。

【公開番号】特開2011−137147(P2011−137147A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−270350(P2010−270350)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】