説明

均一濃度多官能価ポリシロキサンを有するシリコーンヒドロゲル

【課題】少なくとも1種類の二官能価副産物を含む少なくとも1種類の一官能価シリコーン含有成分を含むモノマー混合物を形成し、規格化所要量の前記少なくとも1個の二官能価副産物を前記モノマー混合物に添加し、前記モノマー混合物を硬化させ、生物医学用具を形成することを含む方法を提供する。
【解決手段】原料合成中に形成される二官能価シリコーン含有副産物のモノマーミックス中の濃度を調節してコンタクトレンズパラメーターおよび性質をコントロールする。具体的には、少なくとも1個の二官能価副産物を含む少なくとも1個の一官能価シリコーン含有成分を含むモノマー混合物を形成し、規格化所要量の前記少なくとも1個の二官能価副産物を前記モノマー混合物に添加し、前記モノマー混合物を硬化させ、医療用具を形成する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連特許出願〕
本特許出願は、2003年6月30日提出の仮出願、米国特許出願第60/483,847号の優先権を主張するものである。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、均一濃度多官能価成分を有するシリコーンヒドロゲル、さらに特に多官能価シリコーン含有成分、に関する。均一濃度多官能価成分を有するシリコーンヒドロゲルの製造法も、開示する。
【0003】
〔発明の背景〕
著しい角膜腫脹を伴わずに、コンタクトレンズの酸素透過性を、当該レンズを長時間装着できるレベルまで高める多くの努力がなされてきた。酸素透過性を高めるある手法として、コンタクトレンズ形成に使用される材料にシリコーンモノマーを含むことがあった。しかし、これらのシリコーンモノマーは、大型分子である傾向があり、多数の副産物を有する可能性がある。
【0004】
各種シリコーン含有モノマーは、眼科用具、特に、酸素透過性が改良されたソフトコンタクトレンズなどの生物医学用具の製造の出発原料として、その有用性が認められている。適切なモノマーのあるクラスは、トリスおよびビス(トリメチルシリルオキシ)シリルアルキルグリセロール・メタクリレート(tris and bis(trimethylsilyloxy)silylalkylglycerol methacrylates)(「SiAGMA」)を含む。SiAGMAの合成中、特定のアクリル酸ジエステル不純物も生成される。アクリル酸ジエステルまたはフリーラジカル反応性二官能価基は、他のポリマー形成成分とのSiAGMAの重合中、架橋剤として作用する。不運なことに、形成される二官能価副産物の量をコントロールするのが困難な可能性がある。二官能価副産物は、弾性率、平衡含水率および伸びを含めたレンズの多くの性質を引き起こす。従って、当該二官能価副産物の濃度をコントロールし、得られる生物医学用具の機械的性質が許容不能な程度までのばらつきがないことを確実にしなければならない。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、出発原料合成中に形成される二官能価シリコーン含有副産物のモノマーミックス中の濃度調節によるコンタクトレンズのパラメーターおよび性質のコントロールに関する。さらに具体的には、本発明は、 少なくとも1種類の二官能価副産物を含む少なくとも1種類の一官能価シリコーン含有成分を含むモノマー混合物を形成し、規格化所要量の前記少なくとも1個の二官能価副産物を前記モノマー混合物に添加し、前記モノマー混合物を硬化させ、生物医学用具を形成することを含む方法に関する。
【0006】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、少なくとも1種類の親水成分、少なくとも1種類の一官能価シリコーン成分および規格化所要量の少なくとも1種類の二官能価シリコーン含有副産物を含む組成物に関する。
【0007】
本明細書で使用する場合、「副産物」は、一官能価シリコーン含有成分の合成中に共生成物として形成される組成物を指す。
【0008】
本明細書で使用する場合、「生物医学用具」は、哺乳類の組織または体液の中または表面において、好ましくはヒトの組織または体液の中または表面において使用するように設計されたいずれかの製品である。これらの用具の例は、カテーテル、インプラント、ステント、および、眼内レンズやコンタクトレンズなどの眼科用具を含むが、それらに制約されない。好ましい生物医学用具は、眼科用具、特にコンタクトレンズ、最も特にシリコーンヒドロゲル製のコンタクトレンズである。
【0009】
本明細書で使用する場合、用語「レンズ」および「眼科用具」は、眼球内または眼球上に配置される用具を指す。これらの用具は、視力の補正、創傷ケア、薬物送達、診断機能性、化粧補強または効果、あるいは、これらの性質の組み合わせを提供する。レンズという用語は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼内挿入物およびめがね(optical inserts)を含むが、それらに制約されない。
【0010】
本明細書で使用する場合、用語「シリコーン含有相溶化成分」は、少なくとも1個のシリコーンおよび少なくとも1個のヒドロキシル基を含有する反応成分を意味する。当該成分は、WO03/022321およびWO03/022322に開示されている。
【0011】
本発明のポリマーの製造に使用される1種類以上のシリコーン含有成分および1種類以上の親水成分は、シリコーンヒドロゲル製造に先行技術で使用されている既知成分のいずれであってもよい。これら、シリコーン含有成分という用語および親水成分という用語は、相いれないものではなく、シリコーン含有成分は幾分親水性であることができ、親水成分は若干のシリコーンを含むことができる。それは、当該シリコーン含有成分が親水基を有することができ、当該親水成分がシリコーン基を有することができるからである。
【0012】
本明細書で使用される用語「モノマー」は、重合可能な低分子量化合物(即ち、典型的には、1100g/mol未満の数平均分子量を有する)を指す。
【0013】
一官能価シリコーン含有モノマーは、唯一の重合性基団および少なくとも1個の[-Si-O-Si]基を含有するモノマーである。好ましくは、Siおよび結合Oは、シリコーン含有成分中に、当該シリコーン含有モノマーの総分子量の20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上の量で存在する。本明細書で使用する場合、「重合性基団」は、ラジカルまたはイオン重合を実施できるいずれかの基団を意味する。好ましい重合性基団は、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、イタコネート基、C1~6アルキルアクリレート(C16alkylacrylate)、アクリルアミド(acrylamide)、C1~6アルキルアクリルアミド(C16alkylacrylamide)、N-ビニルラクタム(N-vinyllactam)、N-ビニルアミド(N-vinylamide)、C2~12アルケニル(C212alkenyl)、C2~12アルケニルフェニル(C212alkenylphenyl)、C2~12アルケニルナフチル(C212alkenylnaphthyl)、またはC2~6アルケニルフェニルC1~6アルキル(C26alkenylphenylC16alkyl)等のようなフリーラジカル反応基、またはビニルエーテルまたはエポキシド基などの陽イオン重合性基団を含む。メタクリレートは、好ましい重合性基団である。
【0014】
有用な一官能価シリコーン含有モノマーは、好ましくはアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミドおよびスチリル官能基などの重合性官能基を含む。本発明で有用なシリコーン含有成分の例は、米国特許第3,808,178号、第4,120,570号、第4,740533号、第5,070,215号およびEP080539に認めることができる。本明細書で引用する特許は、すべて、参照することによって、それらの全体が本明細書に組み入れられている。これらの文献は、オレフィン系シリコーン含有モノマーの多数の例を開示している。
【0015】
好ましいクラスの一官能価シリコーン含有成分は、「ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマー」を含み、当該モノマーは、ゲル透過クロマトグラフィー、屈折率検出法によって測定した場合に約5000ダルトン未満、好ましくは約3000ダルトン未満の平均分子量を有する少なくとも1個の重合性基団を含有し、少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個の「-Si-O-Si-」基を含む。
【0016】
ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーの例は、式Iのモノマーを含み、
【化1】

式中、
R1は、水素、C1~6アルキルであり、
R2、R3およびR4は、独立して、C1~6アルキル、トリC1~6アルキルシロキシ(triC16alkylsiloxy)、フェニル、ナフチル、置換型C1~6アルキル、置換型フェニルまたは置換型ナフチルであり、
アルキル置換基は、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニルおよびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択され、
芳香族置換基は、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニルおよびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択され、
R5は、ヒドロキシル、1個以上のヒドロキシル基を含有するアルキル基、または、(CH2(CR9R10)yO)x)-R11であって、式中、yは1〜5、好ましくは1〜3であり、xは1〜100の整数、好ましくは2〜90、さらに好ましくは10〜25であり、
R9〜R11は、独立して、H、10個までの炭素原子を有するアルキル、および、少なくとも1個の極性官能基で置換された炭素原子10個までのアルキルから選択されており、
R6は、20個までの炭素原子を含む二価基団であり、
R7は、フリーラジカルおよび/または陽イオン重合によって重合可能な、20個までの炭素原子を含む一価基団であり、
R8は、20個までの炭素原子を含む二価または三価基団である。
【0017】
本発明の反応混合物は、1個以上のヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーを含むことができる。
【0018】
一官能価ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーにとって、好ましいR1は、ハロゲンであり、好ましいR2、R3およびR4は、C1~6アルキルおよびC1~6トリアルキルシロキシで、最も好ましいのは、メチルおよびトリメチルシロキシである。
【0019】
好ましいR5は、ヒドロキシル、-CH2OHまたはCH2CHOHCH2OHであり、ヒドロキシルが最も好ましい。
【0020】
好ましいR6は、二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルであり、この場合、各置換基は、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニルおよびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択される。特に好ましいR6は二価メチル(メチレン)である。
【0021】
好ましいR7は、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、イタコネート基、C1~6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1~6アルキルアクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、C2~12アルケニル、C2~12アルケニルフェニル、C2~12アルケニルナフチル、またはC2~6アルケニルフェニルC1~6アルキル等のようなフリーラジカル反応基、またはビニルエーテルまたはエポキシド基などの陽イオン反応基などがある。特に好ましいR7は、メタクリレートである。
【0022】
好ましいR8は、二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルであり、この場合、各置換基は、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニルおよびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択される。特に好ましいR8は、C1~6アルキルオキシC1~6アルキルである。
【0023】
特に好ましい式Iのヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーの例は、2-プロペン酸、2-メチル-2-ヒドロキシ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(2-methyl,2hydroxy-3-[3-[1,3,3,3-tetramethyl-1-[(trimethylsilyl)oxy]disiloxanyl]propoxy]propyl ester )((3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)と称することもできる)である。
【化2】

【0024】
上記化合物(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランは、エポキシドから形成され、これが、上記化合物と(2-メタクリルオキシ-3-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((2-methacryloxy-3-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)の80:20混合物を生じる。本発明のいくつかの実施態様では、若干量、好ましくは約10重量%以上、さらに好ましくは少なくとも約20重量%で存在する1級ヒドロキシルを有するのが好ましい。
【0025】
他の適切なヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーは、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propyltris(trimethylsiloxy)silane)、
【化3】

3-メタクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxy-2-(2-hydroxyethoxy)propyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)である。
【化4】

【0026】
アミノ官能価ポリジメチルシロキサン(amino-functional polydimethylsiloxanes)とのグリシジルメタクリレート(glycidyl methacrylate)の反応生成物は、ヒドロキシ官能価シリコーン含有モノマーとしても使用できる。他の適切なヒドロキシル官能価シリコーン含有モノマーは、米国特許第5,994,488号第6、7および8欄に開示されているモノマー、並びに、米国特許第4,259,467号、第4,260,725号、第4,261,875号、4,649,184号、4,139,513号、第4,139,692号、米国特許出願第2002/0016383号、米国特許第4,139,513号および第4,139,692号に開示されているモノマーを含む。本明細書に引用されているこれらおよび他のすべての特許または出願が、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0027】
別の適切な一官能価シリコーン含有モノマーのクラスは、次式で表されるポリシロキサニルアルキル(メト)アクリル(polysiloxanylalkyl(meth)acrylic)モノマーであり、
式II
【化5】

式中、
R12は、Hまたは低級アルキルを示し、
Xは、OまたはNR16 を示し、
各R16は、独立して、水素または低級アルキルを示し、
各R13‐R15は、独立して、低級アルキルラジカルまたはフェニルラジカルを示し、
bは、1または3〜10である。
【0028】
これらのポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーの例は、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(methacryloxypropyl tris(trimethylsiloxy) silane)、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート(pentamethyldisiloxanyl methylmethacrylate)およびメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシラン(methyldi(trimethylsiloxy)methacryloxymethyl silane)を含む。メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランが最も好ましい。
【0029】
別の好ましい一官能価シリコーン含有成分のクラスは、式IIで表すポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー(poly(organosiloxane) prepolymer)であり、
式III
【化6】

式中、
Aは、独立して、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドなどの活性化不飽和基、またはアルキルまたはアリール基(少なくとも1個のAが、ラジカル重合を実施可能な活性化不飽和基を含むという条件付き)であり、
R17、R18、R19およびR20は、それぞれ、独立して、炭素原子1〜18個を有する一価炭化水素ラジカルまたはハロゲン置換一価炭化水素ラジカルであって、炭素原子間にエーテル結合を有することができる炭化水素ラジカルから成る群から選択され、
R21は、炭素原子1〜22個を有する二価炭化水素ラジカルを示し、
mは、0または1もしくはそれ以上、好ましくは5〜400、さらに好ましくは10〜300の整数である。ある具体例は、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン(monomethacryloxypropyl terminated mono-n-butyl terminated polydimethylsiloxane )(mPDMS)である。
【0030】
別の有用なシリコーン含有成分のクラスは、次式のシリコーン含有ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマーであり、
式IV
【化7】

式中、
Yは、O、SまたはNHを示し、
RSiは、シリコーン含有有機ラジカルを示し、
Rは水素またはメチルを示し、
dは、1、2、3または4であり、
qは、0または1である。
適切なシリコーン含有有機ラジカルRSiは以下のものを含み、

-(CH2)pSi[(CH2)sCH3]3
-(CH2)pSi[OSi(CH2)sCH3]3

式中、
pは、1、2、3または4であり、sは、0、1、2、3、4または5である。
【0031】
前記シリコーン含有ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマーは、具体的には、3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシシラン)](3-(vinyloxycarbonylthio) propyl-[tris (trimethylsiloxysilane)])、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート(3-[tris(trimethylsiloxy)silyl] propyl allyl carbamate)、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート(3-[tris(trimethylsiloxy)sily1] propyl vinyl carbamate)、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート(trimethylsilylethyl vinyl carbonate)、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート(trimethylsilylmethyl vinyl carbonate)を含む。
【0032】
本発明での使用に適した他の一官能価シリコーン含有成分は、米国特許第5,321,108号、第5,387,662号および5,539,016号に記述される成分を含み、これらは、末端ジフルオロ-置換炭素原子結合水素原子を有する極性フッ素化グラフトまたは側基を含有するポリシロキサンについて記述している。
【0033】
二官能価シリコーン含有副産物は、少なくとも1種類の一官能価シリコーン含有成分と構造が類似している。本明細書で使用する場合、「構造が類似している」は、同一のシリコーン基を含むこと、好ましくは、少なくとも1個の別の重合性基団の付加を除いて、すべてが同一の官能基を含むことを意味する。適切な二官能価シリコーン含有副産物の例は、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)および1,3-ビス(3-メタクリルオキシプロピル)テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン(1,3-bis(3-methacryloxypropyl)tetrakis(trimethylsiloxy)disiloxane)、α,ω-ビスメタクリロイプロピルポリジメチルシロキサン(α,ω‐bismethacryloypropyl polydimethylsiloxane)、それらの混合物などを含む。一官能価シリコーン含有化合物と構造が類似している多官能価シリコーン含有化合物の例は、SiMAAが使用される場合、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)、TRISが使用される場合、α,ω-ビスメタクリロイプロピルポリジメチルシロキサン(α,ω-bismethacryloypropyl polydimethylsiloxane)などを含む。
【0034】
反応性モノマーミックス中の一成分として少なくとも1種類の二官能価シリコーン含有副産物を含むことによって、得られるシリコーンヒドロゲルが、二官能価シリコーン含有副産物が含まれない場合よりも均一な物理的性質を有することが認められている。一般に、前記一官能価シリコーン含有成分は、若干量の二官能価シリコーン含有副産物を含有することになる。しかし、当該一官能価シリコーン含有成分の合成中に、多くの副産物が形成される可能性があり、一般に、当該一官能価シリコーン含有成分中のそれらの濃度を最小限に抑えることが望ましい。しかし、周知の精製法は、5重量%程度変動する可能性のある各種濃度の二官能価シリコーン含有副産物と共に、一官能価シリコーン含有成分を生成する。不運なことに、前記二官能価シリコーン含有副産物などの二官能価不純物量のわずかな変動でさえ、仕上がりレンズの物理的性状の有意な差異を引き起こす可能性がある。本発明は、規格化所要量の前記二官能価シリコーン含有副産物を、前記モノマー混合物に添加することによって、この問題を解決する。よって、本発明に従って、前記モノマー混合物中の二官能価シリコーン含有副産物の量について、規格が示されており、当該規格を満たすのに必要な一官能価シリコーン含有成分中の不純物として存在する量を上回る二官能価シリコーン含有副産物量が添加される(「規格化所要量」)。大量の二官能価シリコーン含有副産物は必要ない。本発明に従った結果は、存在する一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて約5重量%までの二官能価シリコーン含有副産物、好ましくは一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて約0.1〜約5重量%、さらに好ましくは約1〜約3重量%の二官能価シリコーン含有副産物を含むことによって達成できる。ある実施態様では、単一の二官能価副産物が、規格化所要量で添加される。
【0035】
前記二官能価シリコーン含有副産物は、多数の方法で製造できる。例えば、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)は、グリシドオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(glycidoxypropyl heptamethyltrisiloxane)を、少なくとも1種類のエポキシド開環触媒、少なくとも1種類のカルボン酸、少なくとも1種類の保護剤および少なくとも1種類の阻害剤と、約60℃以上の温度で少なくとも約4時間反応させることによって製造できる。
【0036】
親水成分は、残りの反応成分と配合する場合、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%の水分を、得られるレンズに提供できるものを含む。適切な親水成分は、全反応成分の重量に基づいて、約10〜約60重量%、たとえば約15〜約50重量%、さらに好ましくは約20〜約40重量%の量で存在できる。本発明のポリマーの製造に使用できる親水性モノマーは、少なくとも1個の重合性二重結合および少なくとも1個の親水官能基を有する。重合性二重結合の例は、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、フマール、マレイン、スチリル、イソプロペニルフェニル、O-ビニルカーボネート、O-ビニルカルバメート、アリール、O-ビニルアセチルおよびN-ビニルラクタムおよびN-ビニルアミドの各二重結合を含む。前記親水モノマーは、それ自体、架橋剤として使用できる。「アクリルタイプ」または「アクリル含有」モノマーは、アクリル基(CR'H=CRCOX)を含有するモノマーであり、式中、RはHまたはCH3、R'はH、アルキルまたはカルボニル、XはOまたはNで、これらは、容易に重合することが周知であり、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸およびそれらの混合物などがある。
【0037】
本発明のヒドロゲルに取り込むことのできる親水性ビニル含有モノマーは、N-ビニルラクタム(例、N-ビニルピロリドン(NVP))、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステルなどのモノマーを含み、NVPが好ましい。
【0038】
本発明において使用可能な他の親水モノマーは、重合性二重結合含有官能基で置換された1個以上の末端ヒドロキシル基含有ポリオキシエチレンポリオールを含む。例としては、ポリエチレングリコールを含み、イソシアネートエチルメタクリレート(「IEM」)、無水メタクリル酸、塩化メタクリロイル、塩化ビニルベンゾイルなどの末端キャッピング基1モル当量以上と反応し、カルバメートまたはエステル基などの結合部を介したポリエチレンポリオール結合末端重合性オレフィン基1個以上を有する、ポリエチレンポリオールを生成する。
【0039】
さらなる例は、米国特許第5,070,215号に開示されている親水ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートモノマー、および米国特許第4,190,277号に開示されている親水オキサゾロンモノマーである。他の適切な親水モノマーは、当業者には明らかであろう。
【0040】
本発明のポリマーに取り込むことのできるさらに好ましい親水モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)、およびポリエチレングリコールモノメタクリレートを含む。
【0041】
最も好ましい親水モノマーは、DMA、NVPおよびそれらの混合物を含む。
【0042】
特定の実施態様では、高分子量親水ポリマーを含むのが好ましいと思われる。「高分子量親水ポリマー」は、約100,000ダルトンよりも少なくない重量平均分子量を有する物質を指し、当該物質は、シリコーンヒドロゲル配合物への取り込みの際、硬化シリコーンヒドロゲルの湿潤性を高める。これらの高分子量親水ポリマーの好ましい重量平均分子量は、約150,000ダルトン以上、さらに好ましくは約150,000〜約2,000,000ダルトン、なおもさらに好ましくは約300,000〜約1,800,000ダルトン、最も好ましくは約500,000〜約1,500,000ダルトンである。
【0043】
別法として、本発明の親水ポリマーの分子量を、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, N-Vinyl Amide Polymer, Second edition, Vol 17, pgs. 198-257, John Wiley & Sonds Inc.に記述されているように、動粘度測定に基づいたK-値でも表示できる。この方法で表示される場合、親水モノマーは、約46以上、好ましくは約46〜約150のK-値を有する。当該高分子量親水ポリマーは、表面を変化させずに少なくとも10%の湿潤性を改善し、好ましくは湿潤レンズを提供するのに充分な量で、コンタクトレンズに供給するように、これらの用具の配合物中に存在する。コンタクトレンズの場合、「湿潤」は、約100°未満、好ましくは80°未満、さらに好ましくは約60°未満の動的前進接触角を示すレンズである。
【0044】
高分子量親水ポリマーの適切な量は、全反応成分の総量に基づいて、約1〜約15重量%、さらに好ましくは約3〜約15%、最も好ましくは約3〜約12%を含む。
【0045】
高分子量親水ポリマーの例は、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタムおよび、官能基結合ポリアミド、例えばHEMAなどの低モル量ヒドロキシル官能価モノマーとDMAを共重合させた後、イソシアネートエチルメタクリレート(isocyanatoethylmethacrylate)または塩化メタクリロイル(methacryloyl chloride)などのラジカル重合性基団を含有する材料と、得られたコポリマーのヒドロキシル基を反応させることによって官能基結合したDMAなどの官能基結合ポリアミドを含むが、それらに制約されない。グリシジルメタクリレート(glycidyl methacrylate)を伴うDMAまたはn-ビニルピロリドンから製造される親水プレポリマーも使用できる。当該グリシジルメタクリレート環は、開環されて、ジオールを生じることができ、当該ジオールは、混合系で他の親水プレポリマーと結合して使用され、当該高分子量親水ポリマー、ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマー、および他のいずれかの相溶性付与基団の各相溶性を高めることができる。好ましい高分子量親水ポリマーは、その主鎖に環状部分、さらに好ましくは環状アミドまたは環状イミドを含有するポリマーである。高分子量ポリマーは、ポリ-N-ビニルピロリドン(poly-N-vinyl pyrrolidone)、ポリ-N-ビニル-2-ピペリドン(poly-N-vinyl-2- piperidone)、ポリ-N-ビニル-2-カプロラムタム(poly-N-vinyl-2-caprolactam)、ポリ-N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム(poly-N-vinyl-3-methyl-2- caprolactam)、ポリ-N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン(poly-N-vinyl-3-methyl-2-piperidone)、ポリ-N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン(poly-N-vinyl-4-methyl-2- piperidone)、ポリ-N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム(poly-N-vinyl-4-methyl-2-caprolactam)、ポリ-N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン(poly-N-vinyl-3-ethyl-2- pyrrolidone)、およびポリ-N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン(poly-N-vinyl-4,5-dimethyl-2-pyrrolidone)、ポリビニルイミダゾール(polyvinylimidazole)、ポリ-N,N-ジメチルアクリルアミド(poly-N-N-dimethylacrylamide)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリアクリル酸(polyacrylic acid)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide)、ポリ-2-エチルオキサゾリン(poly 2 ethyl oxazoline)、ヘパリンポリサッカリド(heparin polysaccharides)、ポリサッカリド(polysaccharides)、それらの混合物またはコポリマー(ブロックまたはランダム、枝分れ、多重鎖、櫛型または星型を含む)を含み、ポリ-N-ビニルピロリドン(PVP)が特に好ましいが、それらに制約されない。PVPのグラフトコポリマーなどのコポリマーも使用できる。
【0046】
具体的に名付けられた高分子量親水ポリマーの他に、前記ポリマーがシリコーンヒドロゲル配合物に添加される場合に、上記親水ポリマーが(a)反応混合物と分離して、実質的に分相せず、(b)生じる硬化ポリマーに湿潤性を付与するというのであれば、どの高分子量ポリマーも、本発明において有用になる。幾つかの実施態様では、当該高分子量親水ポリマーは、加工温度で希釈剤に可溶であるのが好ましい。
【0047】
特定の実施態様では、ヒドロキシル含有成分も含まれる。本発明のポリマーの製造に使用できるヒドロキシル含有成分は、少なくとも1個の重合性二重結合および少なくとも1個の親水官能基を有する。重合性二重結合の例は、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、フマール、マレイン、スチリル、イソプロペニルフェニル、O-ビニルカーボネート、O-ビニルカルバメート、アリール、O-ビニルアセチルおよびN-ビニルラクタムおよびN-ビニルアミドの各二重結合を含む。当該ヒドロキシル含有成分は、架橋剤としても作用できる。さらに、当該ヒドロキシル含有成分は、ヒドロキシル基を含む。このヒドロキシル基は、一級、二級または三級アルコール基であることができ、また、アルキルまたはアリール基上に位置することもできる。使用可能なヒドロキシル含有モノマーの例は、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-hydroxyethyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド(2-hydroxyethyl methacrylamide)、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド(2-hydroxyethyl acrylamide)、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート(N-2-hydroxyethyl vinyl carbamate)、2-ヒドロキシエチルビニルカーボネート(2-hydroxyethyl vinyl carbonate)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(2-hydroxypropyl methacrylate)、ヒドロキシへキシルメタクリレート(hydroxyhexyl methacrylate)、ヒドロキシオクチルメタクリレート(hydroxyoctyl methacrylate)、および米国特許第5,006,622号、第5,070215号、第5,256,751号および第5,311,223号に開示されているとおりの他のヒドロキシル官能価モノマーを含むが、それらに制約されない。好ましい親水成分は、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを含む。
【0048】
本発明は、さらに、均一な機械的性質および水分を有するシリコーンヒドロゲルを提供する方法であって、(a)少なくとも1種類の一官能価シリコーン含有成分、少なくとも1種類の親水成分および規格化所要量の少なくとも1種類の二官能価シリコーン含有成分を含むモノマーミックスを形成する段階と、(b)当該モノマーミックスを硬化させ、前記シリコーンヒドロゲルを形成する段階を含む方法を含む。当該二官能価シリコーン含有成分の規格化所要量は、機械的性質の所望のバランスを有するシリコーンヒドロゲルを提供するように選択される。当該規格化所要量は、異なる量の前記多官能価シリコーン含有成分を有するヒドロゲルを数種類製造し、所望の物理的性質を測定し、当該性質の所望のバランスを提供するレベルを選択することによって、実験的に決定できる。
【0049】
本発明の生物医学用具、特に眼科用具は、当該用具を特に有用なものにする性質のバランスを有する。当該性質は、水分、弾性率、伸びおよび酸素透過性を含む。よって、ある実施態様では、当該生物医学用具は、約20%以上、好ましくは約25%以上、さらに好ましくは約30%以上の水分を有するコンタクトレンズである。
【0050】
適切な酸素透過性は、好ましくは約40バーラー(barrer)以上、さらに好ましくは約60バーラー以上である。適切な弾性率は、約40〜約100 psi、好ましくは約50〜約90 psiの弾性率を含む。適切な伸び率は、約50〜約400%、好ましくは約100〜約300%を含む。本発明は、医療用具、特にコンタクトレンズの製造における機械的性質の選択および効率的コントロールを可能にする。異なる量の二官能価シリコーン含有副産物を有する一連のモノマー混合物から製品を製造し、そのようにして製造された当該製品の性質を分析し、当該製品の性質に基づいて二官能価シリコーン含有副産物を選択することによって、前記規格化所要量を選択できる。よって、本発明によれば、前記一官能価シリコーン含有成分中に存在する他の不純物の濃度を変化させずに、コンタクレンズの望ましい性質を容易に維持できる。
【0051】
また、生物医学用具、特に眼科用具およびコンタクトレンズは、約80°未満、好ましくは約70°未満、さらに好ましくは約65°未満の接触角(前進)を有する。好ましい実施態様では、本発明の製品は、上記性質の組み合わせを有する。上記範囲の全ての組み合わせが、本発明の範囲内であると思われる。
【0052】
本発明のモノマー混合物は、少なくとも1個の一官能価シリコーン含有モノマー、少なくとも1個の親水成分、および規格化所要量の少なくとも1個の二官能価シリコーン含有成分に加えて、架橋剤、開始剤、着色剤、UV吸収化合物など、当該技術において周知の他のヒドロゲル形成成分を含む。
【0053】
適切な架橋剤は、技術上周知であり、エチレングリコールジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate )(「EGDMA」)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(tetraethyleneglycol dimethacrylate )(「TEGDMA」)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(trimethylolpropane trimethacrylate )(「TMPTMA」)、グリセロールトリメタクリレート(glycerol trimethacrylate)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(polyethylene glycol dimethacrylate )(当該ポリエチレングリコールは、好ましくは、例えば約5000までの分子量を有する)、および他のポリアクリレートおよびポリメタクリレートエステル、例えば、2個以上の末端メタクリレート部分を含有する上記の末端キャップ化(end-capped)ポリオキシエチレンポリオール(polyoxyethylene polyols)などを含む。当該架橋剤は、通常量、例えば、反応混合物中の反応成分100 g当たり約0.0004〜約0.02モルで使用される。(当該反応成分は、希釈剤や、対象ポリマーの構造の一部にならないすべての追加加工助剤以外の、反応混合物中の全部である)別法として、親水モノマーおよび/またはシリコーン含有モノマーが架橋剤として作用する場合、反応混合物への当該架橋剤の添加は随意的である。架橋剤として作用できる、また、存在する際、反応混合物への追加架橋剤の添加を必要としない親水ポリマーの例は、2個以上の末端メタクリレート部分を含有する上記のポリオキシエチレンポリオールを含む。
【0054】
架橋剤として作用でき、また、存在する場合に、架橋モノマーの反応混合物への添加を必要としないシリコーン含有モノマーの例は、α,ω-ビスメタクリロイプロピルポリジメチルシロキサン(α,ω-bismethacryloypropyl polydimethylsiloxane)を含む。
【0055】
重合触媒は、好ましくは前記反応混合物中に含まれる。重合開始剤は、中程度の昇温でフリーラジカルを発生するラウリルパーオキサイド(lauryl peroxide)、ベンゾイルパーオキサイド(benzoyl peroxide)、イソプロピルパーカーボネート(isopropyl percarbonate)、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile)などの化合物、芳香族α-ヒドロキシケトン(aromatic alpha-hydroxy ketones)、アルコキシオキシベンゾイン(alkoxyoxybenzoins)、アセトフェノン(acetophenones)、アシルフォスフィンオキサイド(acylphosphine oxides)、ビスアシルフォスフィンオキサイド(bisacylphosphine oxides)、および三級アミン+ジケトン(a tertiary amine plus a diketone)などの光開始剤化合物、それらの混合物などを含む。光開始剤の具体例は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one)、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4-4-トリメチルペンチル・フォスフィンオキサイド(bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4-4-trimethylpentyl phosphine oxide )(DMBAPO)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenyl phosphineoxide )(Irgacure 819)、2,4,6-トリメチルベンジルジフェニルフォスフィンオキサイド(2,4,6-trimethylbenzyldiphenyl phosphine oxide)および2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(2,4,6-trimethylbenzoyl diphenylphosphine oxide)、ベンゾインメチルエステル(benzoin methyl ester)、およびカンファーキノン(camphorquinone)と4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル(ethyl 4-(N,N-dimethylamino)benzoate)の配合物である。市販の可視光開始剤化合物は、Irgacure 819、Irgacure 1700、Irgacure 1800、Irgacure 819、Irgacure 1850(すべて、Ciba Specialty Chemicalsから販売)およびLucirin TPO開始剤(BASFから販売)を含む。市販のUV光開始剤は、Darocur 1173およびDarocur 2959(Ciba Specialty Chemicalsから販売)を含む。これらや他の使用可能な光開始剤は、Volume III, Photoinitiators for Free Radical Cationic & Anionic Photopolymerization, 2nd Edition by J.V. Crivello & K. Dietliker; edited by G. Bradley; John Wiley and Sons; New York; 1998に開示されており、当該文献は、参照することによって本明細書に組み入れられている。当該開始剤は、反応混合物の光重合を開始するのに有効な量、例えば反応モノマー100重量部当たり約0.1〜約2重量部で、反応混合物中で使用される。当該反応混合物の重合は、使用される重合開始剤に応じて、熱または可視光または紫外光または他の手段から適切に選択された手段を用いることによって開始できる。別法として、開始は、光開始剤なしで、例えば電子ビームを使用して実施できる。しかし、光開始剤を使用する場合、好ましい開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenyl phosphine oxide )(Irgacure 819(登録商標))または1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4-4-トリメチルフェニルフォスフィンオキサイド(bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4-4-trimethylpentyl phosphine oxide )(DMBAPO)の配合物などのビスアシルフォスフィンオキサイド(bisacylphosphine oxides)であり、好ましい重合開始法は、可視光である。最も好ましいのは、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(Irgacure 819(登録商標))である。
【0056】
モノマーミックスは、UV吸収剤、薬剤、抗菌化合物、反応性着色剤、色素、共重合性および非重合性染料、離型剤およびそれらの組み合わせなどの追加成分を含有できるが、それらに制約されない。
【0057】
モノマーミックス中に存在する一官能価シリコーン含有モノマーの好ましい範囲は、当該モノマーミックス中の反応成分の、約5〜95重量%、さらに好ましくは約30〜85重量%、最も好ましくは約40〜75重量%である。本発明において存在する親水モノマーの好ましい範囲は、当該モノマーミックス中の反応成分の、約5〜80重量%、さらに好ましくは約10〜60重量%、最も好ましくは約20〜50重量%である。本発明において存在する希釈剤の好ましい範囲は、全反応混合物(反応性および非反応性の成分を含む)の、約2〜70重量%、さらに好ましくは約5〜50重量%、最も好ましくは約15〜40重量%である。
【0058】
反応成分と希釈剤の好ましい配合は、一官能価シリコーン含有モノマー約25〜約60重量%、親水モノマー約20〜約40重量%、二官能価シリコーン含有成分約0.1〜約5重量%、ヒドロキシル含有成分約5〜約20重量%、架橋形成モノマー約0.2〜約3 重量%、UV吸収モノマー約0〜約3重量%、高分子量親水ポリマー約2〜約10重量%(すべて、全反応成分の重量%に基づく)、および、当該請求の範囲に記載された希釈剤1種類以上約20〜約50重量%(反応性および非反応性全成分の重量%)を有する配合である。
【0059】
本発明の反応混合物は、震盪または攪拌などの当業者に周知のどの方法によっても形成でき、また、周知法によるポリマー製品または用具の形成に使用できる。
【0060】
例えば、本発明の生物医学用具は、反応成分と前記希釈剤(複数の希釈剤)を重合開始剤と混合し、適当な条件によって硬化させ、製品を形成し、その後、旋削、切断などによって適当な形に形成することによって調製できる。別法として、前記反応混合物は、鋳型内に静置した後、適当な製品に硬化させることができる。
【0061】
コンタクトレンズの製造における前記反応混合物の加工には、スピンキャスティング(回転成形)および静的成形を含めて、各種方法が周知である。スピンキャスティング法は、米国特許第3,408,429号および第3,660,545号に開示されており、静的成形法は、米国特許第4,113,224号および第4,197,266号に開示されている。本発明のポリマーを含むコンタクトレンズの好ましい製造法は、前記ヒドロゲルの成形法によるもので、これは、経済的であり、含水コンタクトレンズの最終形状の正確なコントロールを可能にする。この方法の場合、所望の最終シリコーンヒドロゲル、即ち、水-膨潤ポリマー、の形状を有する鋳型に前記反応混合物を静置し、当該反応混合物をモノマーが重合する条件下に置き、それによって、所望の最終製品の形状のポリマー/希釈剤混合物を製造する。次に、このポリマー/希釈剤混合物を溶媒で処理し、当該溶媒を除去し、最終的にそれを水と置換し、最初に成形されたポリマー/希釈剤製品のサイズおよび形状にきわめて類似した、最終的なサイズおよび形状を有するシリコーンヒドロゲルを生成する。この方法は、コンタクトレンズの形成に使用でき、米国特許第4,495,313号、第4,680,336号、第4,889,664号、第5,039,459号にさらに詳細に記述されており、当該文献は、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0062】
曇り度は、平らな黒色背景上に、周囲温度で、透明な20 x 40 x 10mmのガラスセル内のホウ酸緩衝生理食塩水中に含水被験レンズを静置し、レンズセルに対して普通(normal)角66°で、光ファイバーランプ(パワー設定4〜5.4にした、Titan Tool Supply Co. の直径0.5"のライトガイドセットを伴う光ファイバーライト)で下から照らし、レンズプラットフォームから14mm上方に配置したビデオカメラ(Navitar TV Zoom 7000ズームレンズ付きDVC 1300:19130 RGBカメラ)で、当該レンズセルに対して垂直に上方から画像を捉えることによって測定される。EPIX XCAP V 1.0ソフトウェアを使ってブランクセルの画像を取り去ることによって背景の散乱を取り去る。取り去られた散乱光画像は、当該レンズの中心10mmを積分した後、いずれのレンズも曇り度0として設定されていない状態で、任意に曇り度100に設定した−1.00ディオプターのCSI Thin Lens(登録商標)と比較することによって定量分析される。5個のレンズを分析し、結果を平均し、曇り度を標準CSIレンズの%として得る。
【0063】
コンタクトレンズの水分は、次のとおりに測定した。1組3枚のレンズ3組をパッキング溶液中に24時間静置する。各レンズを吸湿拭き取りシートで拭き取り、重量を計測する。当該レンズを、0.4インチHg以下の圧力下で、60℃で4時間乾燥する。乾燥したレンズの重量を計測する。水分は次のとおりに算出される。
【数1】

【0064】
サンプルについて算出した水分の平均値および標準偏差を報告する。
【0065】
弾性率は、初期のゲージの高さに下げたロードセル装備の移動式引張試験機の定速クロスヘッドを使って測定する。適切な試験機は、Instron 1122型を含む。長さ0.522インチ、「耳」幅0.276インチ、および「首」幅0.213インチのイヌの骨形のサンプルをグリップに取り付け、2インチ/分の定速のひずみで、破断するまで伸ばす。サンプルの初期ゲージ長さ(L0)および破断時のサンプル長さ(Lf)を測定する。組成物1種類当たり12個の検体を測定し、平均値を報告する。伸び率%=[(Lf−L0)/L0] x 100である。引張弾性率は、応力/ひずみ曲線の初期の直線部分で測定する。
【0066】
前進接触角は、次のとおりに測定する。幅約5mmのレンズの中央の小片を切り出すことによって、各組から4個のサンプルを調製し、パッキング溶液で平衡化した。サンプルをホウ酸緩衝生理食塩水に浸漬し、または、そこから引き上げながら、レンズ表面とホウ酸緩衝生理食塩水の間の湿潤力をWilhelmyマイクロバランスを使って23℃で測定する。以下の方程式を使用するが、
F=2γp cosθ または θ=cos-1(F/2γp)
式中、Fは湿潤力、γは試験液の表面張力、pはメニスカスでのサンプルの周長、θは接触角である。前進接触角は、サンプルをパッキング溶液に浸漬する湿潤実験の一部から得られる。各サンプルを4回繰り返して試験し、平均を取り、被験レンズの前進接触角を得る。
【0067】
Dk(酸素透過係数)は、以下のように測定される。レンズを直径4mmの金陽極および銀リング陰極から成るポーラログラフィー酸素センサー上に配置し、メッシュ支持体で上側を覆う。被験レンズを給湿2.1%O2の大気に曝す。被験レンズを通して拡散する酸素を当該センサーで測定する。レンズを互いに積み重ねて厚さを増加させるか、さらに厚いレンズを使用する。有意差のある厚さを有するサンプル4個のL/Dkを測定し、当該厚さに対してプロットする。回帰直線勾配(regressed slope)の逆数が当該サンプルのDkである。参照値は、この方法を使って市販コンタクトレンズについて測定した数値である。Bausch & Lombから市販されているBalafilcon Aレンズは、約79バーラー(barrer)の測定値を示す。Etafilconレンズは、20〜25バーラーの測定値を示す。(1バーラー=10-10(気体のcm3 x cm2)/(ポリマーのcm3 x 秒 x cmHg))。
【0068】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明を制約するものではない。当該実施例は、本発明の実施法を提案することのみを意図しているに過ぎない。コンタクトレンズ分野、並びに、他の専門分野に精通する者なら、本発明を実施する他の方法を見出すことができるであろう。しかし、それらの方法は、本発明の範囲内であると考えられる。実施例で用いる材料の一部は、以下のとおりである:
DMA N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide)
HEMA 2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate)
mPDMS 分子量800〜1000(Mn)モノメタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端 ポリジメチルシロキサン((monomethacryloxypropyl terminated mono-n-butyl terminated polydimethylsiloxane)
Norbloc 2-(2'-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾ
トリアゾール(2-(2'-hydroxy-5-methacrylyloxyethylphenyl)-2H-benzotriazole)
PVP ポリ(N-ビニルピロリドン) (poly(N-vinyl pyrrolidone)) (K値 90)
D3O 3,7-ジメチル-3-オクタノール(3,7-dimethyl-3-octanol)
EGDMA エチレングリコールジメタクリレート
CGI 819 ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(bis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phenyl phosphine oxide)
DVE ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)
【0069】
〔実施例〕
ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレートの調製
以下の反応物質を、電磁攪拌棒、熱電対および乾燥チューブを備えた、乾燥した100 mL三口丸底フラスコに、順に、以下に挙げる量で投入した:

1.47g メタクリル酸リチウム(lithium methacrylate) (0.016モル)
12.9mg ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene)
16.17g 無水メタクリル酸(methacrylic anhydride )(0.105モル)
17.20g メタクリル酸(methacrylic acid )(0.2モル)
33.60g グリシドオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(glycidoxypropyl heptamethyltrisiloxane )(0.1モル)
【0070】
混合物を勢いよく攪拌し、100℃まで7.5時間加熱した。いったん反応が完了すると、反応液を周囲条件まで冷却し、500 mL分液漏斗に移した。
【0071】
有機層をヘキサン100 mLで希釈し、0.5N NaOH水溶液200 mLで3回、続いて、2.5%NaCl水溶液100 mLで3回洗浄した。当該有機層を硫酸ナトリウム5.0gで乾燥し、当該材料をガラス漏斗で濾過した。
【0072】
濾液をシリカゲル15gで処理し、当該系を3時間粉砕した。有機層をガラス漏斗で濾過し、シリカゲル15gを添加して、粉砕をさらに3時間繰り返した。ガラス漏斗で濾過した後、望みの生成物を単離し、続いて、pf<10ミリバールの減圧下、55℃で揮発成分を蒸発させた。得られたビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレートは、純度89.9%であった。
【0073】
〔実施例1〜4〕
モノマー混合物は、以下の手順に従って、表1に挙げる成分から製造した。
【0074】
各成分を一緒にして、約30℃の温度で約4時間混合した。72.5%t-アミルアルコールおよび27.5%PVP K-12を含む希釈液を、モノマー混合物60%対希釈液40%の比率で添加した。反応モノマーミックスをフロント(固定側)カーブ鋳型に流し込んだ後、バック(可動側)カーブ鋳型を当該モノマー混合物の最上端に取り付けた。次に、可視光(強度600、800および800W/cm2)下、ゾーン1が67℃、ゾーン2が65℃、ゾーン3が61℃に加熱された3つのゾーンを有するトンネルで、組み立て部品を下降させ、レンズ硬化法を開始した。合計硬化時間は、3.75分であった。硬化後、バックカーブ鋳型を硬化レンズと共に外し、周囲温度のIPA/DI水70:30の水和溶液中に約60分間置いた後、DI(脱イオン)水中に約120分間置き、その間、レンズがバックカーブ鋳型から離れ、綿棒を使ってバックカーブ鋳型から外した。当該レンズを生理食塩水パッケージング溶液を含有するブリスターパッケージに入れ、密封し、121℃で29分間滅菌した。
【表1】

当該レンズの弾性率および伸びを測定し、結果を以下の表2に示す。
【表2】

【0075】
弾性率は、図1にジメタクリレート濃度の関数として表されている。よって、図1および実施例は、規格化所要量の少なくとも1種類の二官能価シリコーン含有副産物の添加によって、機械的性質をコントロールできることを明らかに示している。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 少なくとも1個の二官能価副産物を含んだ少なくとも1個の一官能価シリコーン含有成分を含むモノマー混合物を形成する工程と、
前記規格化所要量の少なくとも1個の二官能価副産物を前記モノマー混合物に添加する工程と、
前記モノマー混合物を硬化させて、生物医学用具を形成する工程と、を含む、方法。
(2) 実施態様1の方法であって、
前記規格化所要量が、前記一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて0.1〜5重量%である、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法であって、
前記規格化所要量が、前記一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて1〜3重量%である、
方法。
(4) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマー、ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマー(polysiloxanylalkyl(meth)acrylic monomers)、ポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー(poly(organosiloxane) prepolymer)、ビニルカーボネートモノマー(vinyl carbonate monomers)、ビニルカルバメートモノマー(vinyl carbamate monomers)、末端ジフルオロ-置換炭素原子結合水素原子を有する極性フッ素化グラフトまたは側基を含有するポリシロキサン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、方法。
(5) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、式Iのポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーを含み、
【化8】

式中、
R12がHまたは低級アルキルであり、
Xが、OまたはNR16 であり、
各R16が、独立して、水素または低級アルキルから成る群から選択され、
各R13‐R15が、独立して、低級アルキルラジカルまたはフェニルラジカルから成る群から選択され、
bは、1または3〜10である、方法。
【0077】
(6) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(methacryloxypropyl tris(trimethylsiloxy) silane)、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート(pentamethyldisiloxanyl methylmethacrylate)およびメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシラン(methyldi(trimethylsiloxy)methacryloxymethyl silane)から成る群から選択される、方法。
(7) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分がメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを含む、方法。
(8) 実施態様1、6、7および8に記載の方法であって、
前記二官能価シリコーン含有副産物がビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)を含む、方法。
(9) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、式Iのヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーであり、
【化9】

式中、
R1が、水素およびC1~6アルキルから成る群から選択され、
R2、R3およびR4が、独立して、C1~6アルキル、トリC1~6アルキルシロキシ、フェニル、ナフチル、置換型C1~6アルキル、置換型フェニルまたは置換型ナフチルから成る群から選択され、
R5が、ヒドロキシル、1個以上のヒドロキシル基を含有するアルキル基、または、(CH2(CR9R10)yO)x)-R11であり、式中、yが1〜5、xが1〜100の整数であり、
R9〜R11が、独立して、H、10個までの炭素原子を有するアルキル、および、少なくとも1個の極性官能基で置換された炭素原子10個までのアルキルから成る群から選択され、
R6が、20個までの炭素原子を含む二価基団であり、
R7が、フリーラジカルおよび/または陽イオン重合によって重合可能な、20個までの炭素原子を含む一価基団であり、
R8が、20個までの炭素原子を含む二価基団である、方法。
(10) 実施態様9に記載の方法であって、
R1が水素であり、
R2、R3およびR4が、独立してC1~6アルキルおよびC1~6トリアルキルシロキシから成る群から選択され、
R5が、ヒドロキシル、-CH2OHまたはCH2CHOHCH2OHから成る群から選択され、
R6が二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルから成る群から選択され、この場合、各置換基が、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニル、およびホルミル(formyl)から成る群の1個以上の構成基団から選択され、
R7が、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、イタコネート基、C1~6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1~6アルキルアクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、C2~12アルケニル、C2~12アルケニルフェニル、C2~12アルケニルナフチル、C2~6アルケニルフェニルC1~6アルキル、ビニルエーテル、およびエポキシド基から成る群から選択され、
R8が、二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルから成る群から選択され、この場合、各置換基が、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニル、およびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択される、方法。
【0078】
(11) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が (3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、(2-メタクリルオキシ-3-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((2-methacryloxy-3-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propyltris(trimethylsiloxy)silane)、3-メタクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxy-2-(2-hydroxyethoxy)propyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン(monomethacryloxypropyl terminated mono-n-butyl terminated polydimethylsiloxane)およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(12) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が (3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)、(2-メタクリルオキシ-3-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(13) 実施態様9、10、11または12に記載の方法であって、
前記二官能価シリコーン含有副産物がビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)を含む、方法。
(14) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、反応成分重量に基づいて25〜60重量%の量で存在する、方法。
(15) 実施態様1に記載の方法であって、
親水成分が、反応成分重量に基づいて10〜60重量%の量で存在する、方法。
【0079】
(16) 実施態様1に記載の方法であって、
前記親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethyl acrylamide)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-hydroxyethyl acrylate)、グリセロールメタクリレート(glycerol methacrylate)、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド(2-hydroxyethyl methacrylamide)、 N -ビニルピロリドン(N-vinylpyrrolidone)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(polyethyleneglycol monomethacrylate)およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(17) 実施態様1に記載の方法であって、
前記親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethyl acrylamide)、2-ヒドロキシエチルマクリレート(2-hydroxyethyl macrylate)およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(18) 実施態様1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物を含み、前記の少なくとも1個の二官能価副産物が、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレートを含み、前記のモノマー混合物が、少なくとも1個の高分子量親水ポリマーをさらに含み、少なくとも1個の親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルマクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(19) 実施態様1に記載の方法であって、
前記生物医学用具が眼科用具である、方法。
(20) 実施態様1に記載の方法であって、
前記生物医学用具がコンタクトレンズである、方法。
【0080】
(21) 実施態様1に記載の方法であって、
前記の少なくとも1個の二官能価副産物が単一の副産物である、方法。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】弾性率対ジメタクリレート重量%をプロットしたグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の二官能価副産物を含んだ少なくとも1個の一官能価シリコーン含有成分を含むモノマー混合物を形成する工程と、
規格化所要量の前記少なくとも1個の二官能価副産物を前記モノマー混合物に添加する工程と、
前記モノマー混合物を硬化させて、生物医学用具を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、
前記規格化所要量が、前記一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて0.1〜5重量%である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記規格化所要量が、前記一官能価シリコーン含有成分の重量に基づいて1〜3重量%である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、ポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマー(polysiloxanylalkyl(meth)acrylic monomers)、ヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマー、ポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー(poly(organosiloxane) prepolymer)、ビニルカーボネートモノマー(vinyl carbonate monomers)、ビニルカルバメートモノマー(vinyl carbamate monomers)、末端ジフルオロ-置換炭素原子結合水素原子を有する極性フッ素化グラフトまたは側基を含有するポリシロキサン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、式Iのポリシロキサニルアルキル(メト)アクリルモノマーを含み、
【化1】

式中、
R12がHまたは低級アルキルであり、
Xが、OまたはNR16 であり、
R16が、独立して、水素または低級アルキルから成る群から選択され、
各R13‐R16が、独立して、低級アルキルラジカルまたはフェニルラジカルから成る群から選択され、
bは、1または3〜10である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(methacryloxypropyl tris(trimethylsiloxy) silane)、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート(pentamethyldisiloxanyl methylmethacrylate)およびメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシラン(methyldi(trimethylsiloxy)methacryloxymethyl silane)から成る群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分がメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを含む、方法。
【請求項8】
請求項1、6、7および8に記載の方法であって、
前記二官能価シリコーン含有副産物がビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、式Iのヒドロキシル官能基結合シリコーン含有モノマーであり、
【化2】

式中、
R1が、水素およびC1~6アルキルから成る群から選択され、
R2、R3およびR4が、独立して、C1~6アルキル、トリC1~6アルキルシロキシ、フェニル、ナフチル、置換型C1~6アルキル、置換型フェニル、または置換型ナフチルから成る群から選択され、
R5が、ヒドロキシル、1個以上のヒドロキシル基を含有するアルキル基、または、(CH2(CR9R10)yO)x)-R11であり、式中、yが1〜5、xが1〜100の整数であり、
R9〜R11が、独立して、H、10個までの炭素原子を有するアルキル、および、少なくとも1個の極性官能基で置換された炭素原子10個までのアルキルから成る群から選択され、
R6が、20個までの炭素原子を含む二価基団であり、
R7が、フリーラジカルおよび/または陽イオン重合によって重合可能な、20個までの炭素原子を含む一価基団であり、
R8が、20個までの炭素原子を含む二価基団である、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
R1が水素であり、
R2、R3およびR4が、独立してC1~6アルキルおよびC1~6トリアルキルシロキシから成る群から選択され、
R5が、ヒドロキシル、-CH2OHまたはCH2CHOHCH2OHから成る群から選択され、
R6が二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルから成る群から選択され、この場合、各置換基が、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニル、およびホルミル(formyl)から成る群の1個以上の構成基団から選択され、
R7が、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、イタコネート基、C1~6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1~6アルキルアクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、C2~12アルケニル、C2~12アルケニルフェニル、C2~12アルケニルナフチル、C2~6アルケニルフェニルC1~6アルキル、ビニルエーテル、およびエポキシド基から成る群から選択され、
R8が、二価C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1~12シクロアルキル、C1~6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1~6アルキルカルボニル、カルボニル、C1~6アルコキシ、置換型C1~6アルキル、置換型C1~6アルキルオキシ、置換型C1~6アルキルオキシC1~6アルキル、置換型フェニレン、置換型ナフタレン、置換型C1~12シクロアルキルから成る群から選択され、この場合、各置換基が、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルキルカルボニル、およびホルミルから成る群の構成基団の1種類以上から選択される、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が (3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、(2-メタクリルオキシ-3-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン((2-methacryloxy-3-hydroxypropyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン((3-methacryloxy-2-hydroxypropyloxy)propyltris(trimethylsiloxy)silane)、3-メタクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(3-methacryloxy-2-(2-hydroxyethoxy)propyloxy)propylbis(trimethylsiloxy)methylsilane)、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン(monomethacryloxypropyl terminated mono-n-butyl terminated polydimethylsiloxane)およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が (3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)、(2-メタクリルオキシ-3-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項13】
請求項9、10、11または12に記載の方法であって、
前記二官能価シリコーン含有副産物がビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレート(bis(trimethylsiloxy)methylsilylpropyl-1,2-dimethacrylate)を含む、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、反応成分重量に基づいて25〜60重量%の量で存在する、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
親水成分が、反応成分重量に基づいて10〜60重量%の量で存在する、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethyl acrylamide)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-hydroxyethyl acrylate)、グリセロールメタクリレート(glycerol methacrylate)、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド(2-hydroxyethyl methacrylamide)、N-ビニルピロリドン(N-vinylpyrrolidone)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(polyethyleneglycol monomethacrylate)、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethyl acrylamide)、2-ヒドロキシエチルマクリレート(2-hydroxyethyl macrylate)、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記一官能価シリコーン含有成分が、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、モノメタクリルオキシプロピル末端モノn‐ブチル末端ポリジメチルシロキサン、およびそれらの混合物を含み、前記の少なくとも1個の二官能価副産物が、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル-1,2-ジメタクリレートを含み、前記のモノマー混合物が、少なくとも1個の高分子量親水ポリマーをさらに含み、少なくとも1個の親水成分が、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルマクリレート、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、
前記生物医学用具が眼科用具である、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、
前記生物医学用具がコンタクトレンズである、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、
前記の少なくとも1個の二官能価副産物が単一の副産物である、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−527448(P2007−527448A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518740(P2006−518740)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/021071
【国際公開番号】WO2005/005517
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【Fターム(参考)】