基地局が端末をハンドリングすることができないかを判断する方法及びデバイス
【課題】無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを当該基地局ができるだけ迅速に判断可能にする。
【解決手段】基地局は、基地局のセルにおいて信号を転送し、基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信し、受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求め、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断する。
【解決手段】基地局は、基地局のセルにおいて信号を転送し、基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信し、受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求め、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が端末をハンドリングすることができないかを判断する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー電気通信ネットワークへの接続を端末が試みているとき、その端末をハンドリングするのにいくつかの基地局が利用可能な場合がある。したがって、その端末をハンドリングすることができる基地局に端末の受信機を同期させるために、すなわち、端末が基地局を通じて他の電気通信デバイスと通信することを可能にすることができるように、初期セルサーチ手順が端末から要求される。次に、全体的なネットワーク効率を最適化するように、特定の基地局による新しい端末のハンドリングが決定される。
【0003】
同様に、別の基地局による端末のハンドリングも、いわゆるハンドオーバ手順に従って通信中に決定することができる。
【0004】
端末と基地局との間のチャネルの品質は、端末と基地局との間の距離、障害物の存在等のような伝播環境に従って変化する場合がある。
【0005】
初期セルサーチ手順には、端末によるダウンリンクチャネルの信号の検出が必要とされ、より正確には、例として、同期チャネル、パイロットチャネル、又はデータチャネル等の測定チャネルの信号の検出が必要とされる。各基地局は、その信号を規則的に転送する。異なる測定チャネルの信号は検出されることができ、これらの信号の品質は端末によって評価される。その後、端末は、これらの信号の品質の測定値を記憶することができる。
【0006】
初期セルサーチ手順は、信号が最良の品質で受信される基地局を識別することに本質があり、たとえば、基地局から端末によって受信されたいずれの信号が、所定の値よりも上の電力強度を有し、且つ/又は、他の基地局によって転送された信号の電力強度よりも高い電力強度を有するのかを識別することに本質がある。
【0007】
この基地局が識別されると、競合ベースのチャネル、すなわち、予約メカニズムなしでいずれの端末にとってもアクセス可能なチャネルを通じて、識別された基地局に向かって、端末によりランダムアクセス手順が開始される。
【0008】
基地局は、その新しい端末を識別し、通信を確立するためのダウンリンク固有制御情報(たとえば、資源予約、アップリンク同期不一致(uplink synchronisation mismatch)等)を端末へ送信する。
【0009】
従来、理論的に通信をハンドリングすることができる基地局の候補セットが、各端末に規則的に割り当てられる。これらの候補基地局は、たとえば、端末を現在ハンドリングしている基地局の周囲の基地局とすることができる。各端末は、異なる候補基地局の測定チャネルの信号の品質を、定期的に測定するか、又は、要求に応じて、すなわち特定のイベントの後に測定する。これらの測定値は、その後、端末によって、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に報告される。
【0010】
代替的に、基地局の候補セットは、端末に割り当てられない。各端末は、十分な品質を有する信号が測定されるその信号源の基地局と測定を行う。次に、端末は、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に測定値を報告する。
【0011】
このような最先端のハンドオーバは初期セルサーチ手順と同様に、全二重端末については有効であるが、半二重端末についてはいくつかの問題につながるおそれがある。
【0012】
全二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができる端末である。
【0013】
半二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができない端末である。たとえば、端末は、時分割複信(TDD)モードで動作し、送信及び受信は、同じ周波数帯域上であるが異なる時間期間に行われる。端末は、周波数分割複信(FDD)モードでも動作することができ、送信及び受信は、異なる周波数帯域上で異なる時間期間に行われる。
【0014】
時刻teにおいて基地局が半二重端末にシンボルを送信するとき、これらのシンボルは、基地局から距離dに位置する端末によって、te+RTD(d)/2に等しい時刻に受信される。ここで、RTD(d)は、この端末のラウンドトリップ遅延(Round Trip Delay)である。これらのシンボルは、端末によって処理され、端末も、その後、アップリンクチャネルを介して基地局へシンボルを送信することができる。端末TEは、アップリンクチャネルを介してシンボルを送信する前に、ハードウェアオペレーション及びソフトウェアオペレーションの継続時間を考慮するために、或る期間待たなければならない。この或る期間は、受信送信切り換え時間(Receive Transmit Switch time)又は単にスイッチング時間と言われ、RTSと呼称される。たとえば、この遅延RTSは、端末のハードウェア機器が受信モードと送信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間、及び、基地局のハードウェア機器が送信モードと受信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間の最大値である。したがって、アップリンクチャネルを介して送信されたシンボルは、te+RTD(d)+RTS+DDLに等しい時刻trの前に基地局BTSで受信することができない。DDLは、端末がダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0015】
例として、第3世代パートナーシッププロジェクト長期的発展型(3GPP/LTE)と互換性のある10kmのFDDセル半径を有する基地局を考える場合、基地局がそのセル内のいずれの位置に位置する端末もハンドリングすることができるようにするには、基地局側及び端末側の双方、又は、端末側のみのいずれかで、2シンボルの継続時間(two symbols duration)に対応するアイドル期間継続時間を作り出す必要がある。基地局は、2シンボルの継続時間に対応するアイドル期間継続時間によって、この基地局から最大19.6kmまでの距離に位置する半二重端末をハンドリングすることが可能になる。
【0016】
1シンボルの継続時間(one symbol duration)に対応するアイドル期間継続時間では、基地局は、この基地局から最大8.3kmまでの距離に位置する半二重端末しかハンドリングすることができない。
【0017】
基地局は、1シンボルの継続時間に対応するアイドル期間継続時間により、たとえ測定チャネルの信号の品質が十分高くても、この基地局から8.3kmよりも大きい距離に位置する半二重端末をハンドリングすることができないのに対して、全二重端末はハンドリングすることができる。
【0018】
ここで、アイドル期間は、以下に開示するように、連続時間期間又は不連続時間期間とすることができることに留意しなければならない。
【0019】
同様に、通信中、ハンドオーバ手順が基地局に対して要求される場合があるが、半二重端末が基地局から遠くにあり過ぎるため、基地局は半二重端末をハンドリングすることができないことがある。
【0020】
これらの遠くの半二重端末を有効にするためにアイドル期間継続時間を長くすると、その結果、基地局によってハンドリングされる他のすべての端末のアクティブな送信継続時間が失われることになるので、アイドル期間継続時間を長くすることは、満足のいく解決法にはならない。
【0021】
本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを、当該基地局ができるだけ迅速に判断することを可能にすることを目的とする。
【0022】
この目的で、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断する方法であって、基地局は、当該基地局のセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、基地局によってハンドリングされているとき、基地局のセルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
当該方法は、基地局によって実行されるステップであって、
基地局のセルにおいて信号を転送するステップと、
基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信するステップと、
受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求めるステップと、
セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0023】
本発明は、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断することができる、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局であって、当該基地局は、当該基地局のセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、当該基地局によってハンドリングされているとき、当該基地局のセルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
当該基地局は、
当該基地局のセルにおいて信号を転送する手段と、
当該基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信する手段と、
受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求める手段と、
セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、当該基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、基地局にも関する。
【0024】
したがって、基地局は、たとえ移動端末が基地局のセルに位置していても、端末をハンドリングしないことを決定することができる。
【0025】
基地局のセルにおける半二重端末の特性をアイドル期間と比較することによって、基地局は、半二重端末がセルのアイドル期間で動作することができるか否かを判断することができる。
【0026】
さらに、基地局のセルに位置するいずれの半二重端末も基地局によってハンドリングされることを可能にするために、セルのアイドル期間を求める必要はない。その結果、シグナリングのオーバーヘッドが削減される。
【0027】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、基地局のセルのアイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる半二重端末及び基地局が、アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わない。
【0028】
したがって、半二重FDD端末に起因する基地局におけるこの特定の実施態様のコストが削減されるか、又は、基地局の電力消費が制限される。
【0029】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末及び基地局は、アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わない。
【0030】
したがって、アップリンク通信とダウンリンク通信との間の干渉が削減される。
【0031】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性は、基地局による信号の転送と、半二重端末による応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0032】
したがって、セルにおける半二重端末の特性は、容易に求められ、半二重端末と基地局との間の距離を反映する。半二重端末は、自身のロケーションを得る必要がなく、そのロケーションを基地局へ転送する必要がない。
【0033】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る継続時間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0034】
したがって、適合性の判断の実現が容易である。
【0035】
特定の特徴によれば、セルにおける端末の特性は、端末と基地局とを隔てる距離である。
【0036】
したがって、半二重端末が自身のロケーションを求めることができる場合、たとえば、半二重端末が全地球的航法衛星システムデバイスを装備している場合、又は、半二重端末が受信信号自体から若しくは他の任意の手段から位置決め情報を推定することができる場合、半二重端末は、基地局と半二重端末とを隔てる距離を求めることができる基地局へ自身のロケーションを転送することができる。
【0037】
さらに別の態様によれば、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断する方法であって、半二重端末は、半二重端末が位置する基地局のセルにおいて基地局により転送された信号を受信し、セルのアイドル期間は、半二重端末が基地局によってハンドリングされるとき、半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
方法は、半二重端末によって実行されるステップであって、
基地局によって転送された信号を受信するステップと、
受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、基地局へ信号を転送するステップと、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0038】
さらに別の態様によれば、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断するためのデバイスであって、半二重端末は、半二重端末が位置する基地局のセルにおいて基地局により転送された信号を受信し、セルのアイドル期間は、半二重端末が基地局によってハンドリングされるとき、半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
デバイスは、半二重端末に含まれ、且つ、
基地局によって転送された信号を受信する手段と、
受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、基地局へ信号を転送する手段と、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスに関する。
【0039】
したがって、半二重端末は、たとえ基地局から受信された信号の品質が良好であっても、その基地局が端末をハンドリングするのに良好な候補でないことに気付く。
【0040】
その結果、半二重端末は、後に、その基地局によってハンドリングされる要求を回避することができる。その結果、無線セルラー電気通信ネットワークの資源としての半二重端末の処理資源が保存される。
【0041】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、基地局のセルのアイドル期間中、信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び基地局が、アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0042】
したがって、半二重FDD端末に起因する、基地局におけるこの特定の実施態様のコストが削減されるか、又は、基地局の電力消費が制限される。
【0043】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び、基地局は、アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0044】
したがって、アップリンク通信とダウンリンク通信との間の干渉が削減される。
【0045】
特定の特徴によれば、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、
当該端末は、
基地局へ別の信号を転送し、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が別の時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断する。
【0046】
したがって、半二重端末には、自身が基地局によってハンドリングされることができないことが通知される。
【0047】
さらに、上記判断することは少なくとも2回実行されるので、メッセージが雑音によって受信されないという危険性が最小にされる。
【0048】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性は、基地局による信号の転送と、半二重端末による応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0049】
したがって、セルにおける半二重端末の特性は、容易に求められ、半二重端末と基地局との間の距離を反映する。半二重端末は、自身のロケーションを得る必要がなく、そのロケーションを基地局へ転送する必要がない。
【0050】
特定の特徴によれば、半二重端末は複数の基地局から信号を受信し、無線セルラー電気通信ネットワークのセルは同期されており、
上記端末は、
半二重端末による基地局の各信号の受信時刻に従って基地局をランク付けし、
基地局のうちの1つを選択し、
選択された基地局へ信号を転送し、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断し、
選択された基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、選択された基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、端末の特性が、セルのアイドル期間の継続時間と同じ継続時間又はそれよりも小さい継続時間及び選択された基地局よりも低いランクを有する他の各セルのアイドル期間に適合していないと判断する。
【0051】
したがって、異なる基地局への信号の転送回数が制限される。基地局は、半二重端末からの自身の距離に従って、最小距離から最大距離にランク付けされる。最低ランクは、最大距離に対応する。セルにおける端末の特性が、セルのアイドル期間に適合していない場合、その端末の特性は、同じアイドル期間又はそれよりも小さいアイドル期間及びより低いランクを有する基地局のセルのアイドル期間に適合しないことになる。
【0052】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0053】
このコンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0054】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明確になろう。当該説明は、添付図面に関して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明が実施される無線電気通信システムのアーキテクチャを表す図である。
【図2a】アップリンクチャネルが同期し、且つ、基地局及び半二重端末の双方がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図2b】アップリンクチャネルが同期し、且つ、半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図3】アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局の双方がアイドル期間中信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図4】本発明に従って転送される信号のクロノグラムの一例を示す。
【図5】本発明による無線電気通信システムの基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図6】本発明による無線電気通信システムの端末のアーキテクチャを表す図である。
【図7】本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8a】本発明の第1の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8b】本発明の第2の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8c】本発明の第3の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8d】本発明の第4の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明が実施される無線電気通信システムのアーキテクチャを表す図である。
【0057】
無線電気通信システムは、時分割複信方式(TDD)又は半二重周波数分割複信方式(half duplex Frequency Division Duplexing scheme)を使用する無線電気通信システムとすることができる。
【0058】
TDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、同じ周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0059】
全二重周波数分割複信方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、同じサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0060】
半二重端末側からの半二重FDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。このような場合、基地局は、全二重周波数分割複信方式を使用することができる場合があると同時に、各半二重FDD端末のタイムスロットを適切に順序付けることによっていくつかの半二重FDD端末と同時に通信することができる場合があることに留意すべきである。
【0061】
基地局BSが端末TEi(i=1〜2)にシンボルを転送するとき、データ、信号、又はメッセージは、ダウンリンクチャネルを通じて転送される。
【0062】
端末TEi(i=1〜2)が基地局BSにシンボルを転送するとき、信号又はデータは、アップリンクチャネルを通じて転送される。
【0063】
図1の電気通信システムでは、少なくとも1つであるが好ましくは複数の端末TE1及びTE2は基地局BS1のセル151に含まれ、端末TE2は基地局BS2のセル152にさらに含まれる。
【0064】
単純にするために、図1には、2つの基地局BSしか示されていないが、実際には、特に無線ネットワークが無線セルラーネットワークである場合、無線セルラー電気通信システムは、複数の基地局BSから成る。
【0065】
基地局BS1のセル151は、基地局BS1の測定チャネルで転送される信号のような、基地局BS1によって転送される信号の電力強度が、セル151に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。
【0066】
全二重端末TEが基地局BS1のセル151に位置しているとき、基地局BS1は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS1を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。セル151は、規則正しい形状を有していない。これは、主として、障害物又は基地局BS1との見通し線にある特定のロケーションに起因する。
【0067】
基地局BS1のエリアR1は、R1内に位置する各端末TEについて、基地局BS1とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル151のアイドル期間以下であるエリアである。
【0068】
換言すれば、半二重端末TE又は全二重端末TEが基地局BS1のエリアR1内に位置するとき、基地局BS1は端末TEをハンドリングすることができ、端末TEは基地局BS1を通じてリモートの電気通信デバイスとの通信を確立又は受信することができる。
【0069】
半二重端末TEが、セル151内に位置し、基地局BS1のエリアR1内に位置していないとき、端末TEは、セル151において、セル151のアイドル期間と整合していない特性を有するので、基地局BS1は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0070】
エリアR1は、セル151に含まれる。R1と151との相違は、セル151について設定されたアイドル期間によって画定される。
【0071】
大きなアイドル期間によって、基地局BS1はいずれの半二重端末TEもハンドリングすることが可能になるが、基地局BS1と半二重端末TEとの間で転送されるデータの点から、全体の容量は削減される。R1は、セル151に位置する大部分の半二重端末TEに、基地局BS1によってハンドリングされる可能性を提供するように画定される。R1は、基地局BS1から遠い少数の半二重端末TEのためのみにアイドル期間を長くしなければならないことを回避するように画定される。
【0072】
基地局BS2のセル152は、基地局BS2の測定チャネルで転送される信号のような信号の電力強度が、セル152に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。全二重端末TEが、基地局BS2のセル152に位置しているとき、基地局BS2は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS2を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。
【0073】
基地局BS2のエリアR2は、R2内に位置する各端末TEについて、基地局BS2とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル152のアイドル期間以下であるエリアである。
【0074】
換言すれば、半二重端末TE又は全二重端末TEが基地局BS2のエリアR2内に位置するとき、基地局BS2は端末TEをハンドリングすることができ、端末TEは基地局BS2を通じてリモートの電気通信デバイスとの通信を確立又は受信することができる。
【0075】
半二重端末TEが、セル152に位置し、基地局BS2のエリアR2内に位置していないとき、端末TEは、セル152において、セル152のアイドル期間と整合していない特性を有するので、基地局BS2は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0076】
エリアR2は、セル152に含まれる。R2と152との相違は、セル152について設定されたアイドル期間によって画定される。
【0077】
ここで、セル151及び152についてそれぞれ設定されたアイドル期間は、等しくてもよく、又は異なってもよいことに留意しなければならない。
【0078】
図1では、端末TE1は、基地局BS1のセル151内及びエリアR1内に位置する。端末TE2は、基地局BS1のセル151内に位置し、且つ、基地局BS2のセル152内及びエリアR2内に位置する。
【0079】
この発明によれば、各基地局BSは、自身のセル151において信号を転送し、端末TEが半二重端末TEであるか否かを判断し、端末TEが半二重端末TEである場合には、
基地局BSによって転送された信号に応答して端末TEにより転送された信号を受信し、
受信された信号から、セル15における端末TEの特性を求め、
セル15における端末TEの特性がセル15のアイドル期間に適合していない場合に、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができないと判断する。
【0080】
特定の特徴によれば、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0081】
特定の特徴によれば、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0082】
特定の特徴によれば、セル15における端末TEの特性は、端末TEと基地局BSとを隔てる距離である。この距離は、端末TEによって転送されるか、又は、受信された信号に含まれる端末TEの位置から求められるか、又は、受信された信号自体から求められる。
【0083】
簡単にするために、図1には2つの端末TEしか示されていないが、実際には、より重要な数(a more important number)の全二重又は半二重の端末TEが、基地局BSのセル15内に存在する。基地局BSは、各端末TEが全二重端末TEであるのか又は半二重端末TEであるのかを判断することができる。
【0084】
基地局BSは、ノード、又はノードB、又は拡張ノードB、又はアクセスポイントとも呼ばれる。
【0085】
端末TE1及びTE2は、移動電話、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータのような半二重端末である。端末TEは、ユーザ機器とも呼ばれる。
【0086】
無線電気通信ネットワークは、セル同期されている場合がある。この場合、異なるセル15又は基地局BSを発信源とする信号は、同時に送信される。
【0087】
より正確には、これらの信号は、フレームに構造化され、それ自体、シンボルから成る。セル同期は、シンボルレベルで確保される場合があり、これは、所与のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻が、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻と一致することを意味する。また、セル同期は、フレームレベルで確保される場合もある。その場合、所与のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻は、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻と一致する。セル同期は、各基地局BSにGNSS(全地球的航法衛星システム)を含めることによって行うことができる。
【0088】
一代替形態として、無線電気通信ネットワークは、セル同期されていないものとすることができる。この場合、異なるセル15間又は異なる基地局BS間で、フレームレベルの同期もシンボルレベルの同期も保証する必要はない。
【0089】
図2aは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、基地局及び半二重端末の双方がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0090】
アップリンクチャネルが同期しているとき、基地局BSの所与のセル15のアップリンクチャネルで送信されるシンボルは、基地局BSと端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSによって同じ時刻trで受信されなければならない。基地局及び半二重端末側の双方によってアイドル期間中に信号が受信も転送もされないとき、基地局BSは、端末TEによって送信されたシンボルの処理を行うために、それらのシンボルの受信を待たなければならない。
【0091】
エリアR1又はR2の境界に位置する端末TEについて求められる待ち時間、換言すれば、求めることができる最大待ち時間は、ガード期間又はアイドル期間IPと呼ばれ、少なくとも、ラウンドトリップ遅延RTD(Ra)に受信送信切り換え時間RTSを加えたものに等しくなければならない。ここで、Raは、エリアR1又はR2が円とみなされる場合のエリアR1又はR2の半径である。
【0092】
基地局BS1は、ダウンリンクシンボルDLを端末TE1へ転送する。これらのダウンリンクシンボルDLは、ラウンドトリップ遅延RTDの2分の1に等しい遅延で端末TE1によって受信される。
【0093】
アイドル期間IPの期間中、基地局BSは、いずれのシンボルの転送も受信も行わない。いずれのシンボルの転送も受信も行わないことによって、基地局の電力消費が削減される。
【0094】
基地局BSとそのセル15に含まれる各端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSがアップリンクシンボルを同時に受信する必要があるので、基地局BSは、端末TEのそれぞれについてタイミング遅延TD(d)を求める。
【0095】
このタイミング遅延は、次の式を使用して計算される。
TD(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=IP−RTD(d)
ここで、dは、端末TEと基地局BSとの間の距離であり、DDLは、端末TEがダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0096】
基地局BSは、各タイミング遅延から、各端末TEについてタイミングアドバンスTA=IP−TD(d)を求め、このタイミングアドバンスを対応する端末TEへ転送する。
【0097】
端末TE1が、その端末TEのデータを含む先行のダウンリンクタイムスロットの直後のアップリンクタイムスロットにスケジューリングされている場合、端末TE1は、アップリンクチャネルを介するシンボルの送信に自身のタイミングアドバンスTA(TE1)値を適用して、送信されたシンボルが、アップリンクタイムスロットtrの開始時に端末TE1から基地局BSで受信されるようにする。
【0098】
ここで、アイドル期間IPは不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TE(1)について、1/2RTD及び時間期間TD(TE1)で示される2つの時間期間から成る。
【0099】
図2bは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0100】
図2bの例のアイドル期間中、端末TEのみが、信号の受信も転送も行わない。
【0101】
基地局BSは、アイドル期間を何ら考慮することなく、ダウンリンクチャネルDLTでシンボルを転送する。基地局BSは、各端末TEを潜在的に全二重端末TEであるとみなす。基地局BSは、たとえシンボルが半二重端末によって使用可能でない場合であっても、シンボルを転送することがある。使用可能でないシンボルを転送することによって、全二重端末TE及び半二重端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの特定の特徴を製造するための開発コストが削減される。
【0102】
半二重端末TE、例として端末TE1がダウンリンクチャネルDLTでシンボルを受信すると、端末TE1は、受信シンボルに対して或るパンクチャリングを実行する。端末TE1は、セル15のアイドル期間に整合するダウンリンクシンボル、すなわち、端末TEがダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの継続時間DDLに含まれるダウンリンクシンボルのみをDLRで受信する。
【0103】
端末TE1のタイミングアドバンスTA(TE1)及びタイミング遅延TD(TE1)は、図2aで開示したのと同様の方法で求められる。
【0104】
ここで、アイドル期間IPは、基地局BSでは連続であるのに対して、半二重端末TE1では不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TE1について、1/2RTD及び時間期間TD(TE1)で示される2つの時間期間から成る。
【0105】
DDLに含まれない信号Puncは処理されない。
【0106】
図3は、アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局がアイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないときのアイドル期間を示すクロノグラムである。
【0107】
アップリンクチャネルが非同期であるとき、すなわち、異なる端末TEからアップリンクチャネルで送信されたシンボルが同時に受信される必要がないとき、各端末TEa又はTEbは、基地局BSによってダウンリンクチャネルで送信された信号の受信終了後、同じ所定の継続時間の後に、アップリンクチャネルを介してアップリンクシンボルULa又はULbを送信する。したがって、アイドル期間は、セル15内の異なる端末の異なる伝播距離を吸収するために、基地局BSにおいて作成される。
【0108】
端末TEaは、端末TEbよりも基地局BSに近い。端末TEaは、端末TEbのラウンドトリップ遅延RTD(b)の2分の1よりも小さいラウンドトリップ遅延RTD(a)の2分の1の後に、ダウンリンクシンボルDLを受信する。
【0109】
端末TEaがシンボルを転送する場合、これらのシンボルは、図3に示すように、端末TEbによって転送されたシンボルよりも早く基地局BSによって受信される。
【0110】
図4は、本発明に従って転送される信号のクロノグラムの一例を示している。
【0111】
図4の例では、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0112】
その例では、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0113】
図4は、基地局BS1によって転送された信号、並びに、基地局BS1によって転送された信号に応答して端末TE1及びTE2によって転送されたメッセージを示している。
【0114】
基地局BS1は、周期的に又は或る特定のイベント後に、信号Syncを測定チャネルで転送する。
【0115】
好ましくは、基地局BS1は、信号Syncの転送後、D1で示す時間期間の間待機する。D1は、各端末TE及び基地局BS1によって知られている。
【0116】
端末TE1及びTE2は、基地局BS1のセル151内に位置しているので、基地局BS1から端末TE1及びTE2によって受信された信号の電力強度は、所定の値よりも大きい。
【0117】
これに応答して、好ましくは時間期間D1の後、端末TE1は、基地局BS1によってハンドリングされる要求RACH1を表すメッセージの転送を命令する。端末TE2も、基地局BS1によってハンドリングされる要求RACH2の転送を命令する。RACH1メッセージ及びRACH2メッセージは、好ましくは、ランダムアクセス手順を指す。
【0118】
時間期間D1は、少なくとも、受信モードから送信モードへの切り換え時間に等しく、且つ/又は、送信モードから受信モードへの切り換え時間に等しい。
【0119】
ここで、これらの切り換え時間は、相互に異なる場合があり、且つ/又は、端末TEに従って変化する場合があることに留意しなければならない。
【0120】
時間期間D1が経過すると、基地局BS1は、D2で示す第2の時間期間をアクティブにする。D2は、少なくとも2R1/cに等しい。cは光速であり、R1は、基地局BS1と、R1の境界に位置する端末TEとの間の最大距離である。
【0121】
基地局BS1は、時間期間D2内での要求RACH1又はRACH2の受信に従って端末TE1又はTE2の要求を受理するか、又は、それらの要求の受信に従うことなく要求を拒絶する。
【0122】
端末TE1はエリアR1内に位置しているので、端末TE1の要求RACH1は時間期間D2中に受信され、基地局BS1は端末TE1のハンドリングの受理を表すAcceptで示されるメッセージの転送を命令する。
【0123】
端末TE2はエリアR1内に位置していないので、端末TE2の要求RACH2は時間期間D2中に受信されず、基地局BS1は端末TE2のハンドリングを拒絶する。
【0124】
基地局BS1は、拒絶メッセージの転送を命令するか、又は、端末TE2に何らメッセージを転送しない。
【0125】
ここで、端末TEが基地局BS1を通じてリモート通信デバイスと通信しているときは、Sync信号及びRACH信号の代わりに、例としてダウンリンク信号及びアップリンク信号を代わりに使用することができることに留意しなければならない。その場合、基地局BS1は、端末TEのハンドリングを拒絶するときに、ハンドオーバ手順を開始する。
【0126】
図5は、本発明による基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0127】
基地局BS、例として基地局BS1は、たとえば、バス501によって互いに接続されたコンポーネント、及び、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ500に基づくアーキテクチャを有する。
【0128】
ここで、基地局BS1は、一変形では、以下で開示するようなプロセッサ500によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態で実施されることに留意しなければならない。
【0129】
バス501は、プロセッサ500を、読み出し専用メモリROM502、ランダムアクセスメモリRAM503、及びチャネルインターフェース505にリンクする。
【0130】
読み出し専用メモリROM502は、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSに電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM503へ転送される。
【0131】
RAMメモリ503は、変数と、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0132】
チャネルインターフェース505は、アンテナBSAntを通じて、端末TEへ信号及び/若しくはメッセージを転送し、且つ/又は端末TEから信号及び/若しくはメッセージを受信する手段を備える。
【0133】
図6は、本発明による端末のアーキテクチャを表す図である。
【0134】
各端末TEi、例として端末TE1、は、たとえば、バス601によって互いに接続されたコンポーネント、及び、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ600に基づくアーキテクチャを有する。
【0135】
ここで、端末TE1は、一変形では、以下に開示するようなプロセッサ600によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態に基づいて実施されることに留意しなければならない。
【0136】
バス601は、プロセッサ600を、読み出し専用メモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603、及びチャネルインターフェース605にリンクする。
【0137】
読み出し専用メモリROM602は、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、端末TE1に電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM603へ転送される。
【0138】
RAMメモリ603は、変数と、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0139】
チャネルインターフェース605は、アンテナTEAntを通じて基地局BSへ信号及び/若しくはメッセージを転送し且つ/又は基地局BSから信号及び/若しくはメッセージを受信する手段と、受信された信号、例として測定チャネルの信号Sync、を測定する手段とを備える。
【0140】
図7は、本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0141】
図7の例では、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0142】
その例では、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0143】
より正確には、本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ500によって、周期的に又は特定のイベント時に又はダウンリンク信号が転送されるごとに実行される。
【0144】
ステップS700において、プロセッサ500は、チャネルインターフェース505を通じたダウンリンク信号の転送を命令する。このダウンリンク信号は、測定チャネルで転送されるSync信号、又は、宛先端末TEが関与する通信に関連する従来の信号である。
【0145】
次のステップS701において、プロセッサ500は、図4に開示したような時間期間D1の間待機する。
【0146】
次のステップS702において、プロセッサ500は、図4に開示したような第2の時間期間D2をアクティブにする(始動する)。
【0147】
次のステップS703において、プロセッサ500は、ステップS700において転送された信号に応答して端末TEにより転送されたアップリンク信号が、チャネルインターフェース505によって受信されたか否かをチェックする。このアップリンク信号は、RACH信号、又は、宛先端末TEが関与する通信に関連する従来の信号である。
【0148】
ステップS700において転送された信号に応答して端末TEにより転送された信号がチャネルインターフェース505によって受信された場合、プロセッサ500は、ステップS704に進む。受信されない場合、プロセッサ300は、ステップS703に戻る。
【0149】
ステップS704において、プロセッサ500は、時間期間D2が経過したか否かをチェックする。
【0150】
時間期間D2が経過した場合、プロセッサ500は、ステップS706に進む。経過していない場合、プロセッサ500は、ステップS705に進む。
【0151】
信号が受信されるとチェックを行うことによって、D2が満了した場合に、プロセッサ500は、受信された信号から、セル15における端末TEの特性を求める。すなわち、プロセッサ500は、端末TEのラウンドトリップ遅延が、セル15のアイドル期間よりも大きくないかを判断する。
【0152】
ステップS706において、セル15における端末TEの特性は、セル15のアイドル期間に適合していないので、プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができないと判断する。その後、プロセッサ500は、別の端末TEがアップリンク信号を送信する場合に備えてステップ703に戻る。
【0153】
ステップS705において、セル15における端末TEの特性は、アイドル期間に適合しているので、プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができると判断する。プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすること又は端末TEのハンドリングを継続することを端末TEに通知し、別の端末TEがアップリンク信号を送信する場合に備えてステップS703に戻る。
【0154】
端末TE1はエリアR1内に位置するので、端末TE1によって転送された信号は時間期間D2中に受信され、プロセッサ500は、端末TE1のハンドリングの受理又は端末TEのハンドリングの継続の受理を表すメッセージの転送を命令する。
【0155】
端末TE2はエリアR1内に位置していないので、端末TE2の要求RACH2は時間期間D2中に受信されず、基地局BS1は、端末TE2のハンドリングを拒絶する。端末TE2は、基地局BSからの拒絶メッセージを受信することにより、又は、基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TE2のハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、その拒絶の通知を受ける。
【0156】
図8aは、本発明の第1の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0157】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているとき又はセル同期されていないときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0158】
ステップS800において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0159】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS800に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS801に進む。
【0160】
ステップS801において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストをリセットする。この到達不能な基地局BSのリストは、端末TEのハンドリングを拒否した基地局BSの識別子を含むことを目的としている。到達不能な基地局BSのリストは、その内容を空にすることによってリセットされる。
【0161】
次のステップS802において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも高い基地局BS及び測定値を記憶する。
【0162】
次のステップS803において、プロセッサ600は、図4に開示したような時間期間D1の間待機する。
【0163】
次のステップS804において、プロセッサ600は、品質測定値が所定の値よりも高く且つ到達不能な基地局BSのリストに属していない基地局BSのうちの1つを選択する。
【0164】
次のステップS805において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS802において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0165】
ステップS806において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、基地局BSから拒絶メッセージを受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、その拒否の通知を受ける。
【0166】
選択された基地局BSが、端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600は、ステップS808に進む。拒否していなかった場合、基地局BSは、ステップS807に進む。
【0167】
ステップS807において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0168】
ステップS808において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、到達不能な基地局BSのリストにこの基地局BSの識別子を記憶する。
【0169】
次のステップS809において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、所定の継続時間の間にリセットされていたか否かをチェックする。すなわち、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができるか否かをチェックする。
【0170】
到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができる場合、プロセッサ600は、ステップS804に戻る。
【0171】
到達不能な基地局BSのリストが、もはや有効であるとみなすことができない場合、プロセッサ600は、ステップS801に戻る。
【0172】
このリストの有効性は、端末TEの移動、端末TEのロケーション情報、端末TEの環境等に従って、変化する場合がある。
【0173】
リストの有効性が失効すると、到達不能な基地局BSのリストにおける或る特定の基地局BSの存在がもはや正当でない場合には、到達不能な基地局BSのリスト全体をリセットする代わりに、基地局BS単位で到達不能な基地局BSのリストをリセットすることができる。
【0174】
図8bは、本発明の第2の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0175】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているとき又はセル同期されていないときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0176】
ステップS820において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0177】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS820に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS821に進む。
【0178】
ステップS821において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストをリセットする。この到達不能な基地局BSのリストは、端末TEのハンドリングを拒絶した基地局BSの識別子を含むことを目的としている。そのリストは、到達不能な基地局BSのリストのリセットによって、空にされる。
【0179】
次のステップS822において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも大きい基地局BSを記憶する。
【0180】
次のステップS823において、プロセッサ600は、ステップS822において受信されたダウンリンク信号に応答して信号の送信回数をリセットし、所定の値を有するタイマD3又は2つの値の間でランダムに選択されたタイマD3を始動する。
【0181】
次のステップS824において、プロセッサ600は、品質測定値が所定の値よりも高く且つ到達不能な基地局BSのリストに属していない基地局BSのうちの1つを選択する。
【0182】
次のステップS825において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS822において行われた測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0183】
ステップS826において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、又は、その基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、その拒否の通知を受ける。
【0184】
選択された基地局BSが、端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600は、ステップS828に進む。拒否していなかった場合、基地局BSは、ステップS827に進む。
【0185】
ステップS827において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0186】
ステップS828において、プロセッサ600は、継続時間D3が経過したか否かをチェックする。継続時間D3が経過していない限り、プロセッサ600はステップS828に留まる。継続時間D3が経過した場合、プロセッサ600はステップS829に進む。
【0187】
ステップS829において、プロセッサ600は、試行回数が、Kで示される所定の値に等しいか否かをチェックする。
【0188】
試行回数がKで示される所定の値に等しくない場合、プロセッサ600は、ステップS830に進み、継続時間D3をアクティブにする。
【0189】
次のステップS831において、プロセッサ600は、試行回数をインクリメントし、ステップS825に戻る。
【0190】
試行回数がKで示される所定の値に等しい場合、プロセッサ600はステップS832に進む。
【0191】
ステップS832において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、到達不能な基地局BSのリストにこの基地局BSの識別子を記憶する。
【0192】
次のステップS833において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、所定の継続時間の間にリセットされていたか否かをチェックする。すなわち、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができるか否かをチェックする。
【0193】
到達不能な基地局BSのリストがまだ有効であるとみなすことができる場合、プロセッサ600はステップS822に戻る。
【0194】
到達不能な基地局BSのリストが有効であるとみなすことができない場合、プロセッサ600はステップS821に戻る。
【0195】
図8cは、本発明の第3の実現モードによる、端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0196】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0197】
セル同期されたネットワークでは、端末TEからの基地局BSの距離に従って基地局BSをランク付けするのに、基地局BSによって転送されたダウンリンクメッセージの到着順序を使用することができる。
【0198】
基地局BSから端末TEによって受信される最初の信号は、その基地局BSと端末TEとが近いことを示す。
【0199】
基地局BSから端末TEによって受信される最後の信号は、その基地局BSが端末TEから遠いことを示す。
【0200】
第3の実現モードは、その特性を有利に利用する。
【0201】
ステップS840において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0202】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS840に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS841に進む。
【0203】
ステップS841において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストをリセットする。この可能性のある基地局BSのリストは、端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの識別子を含むことを目的としている。可能性のある基地局BSのリストのリセットによって、周囲のすべての基地局BSの識別子を有するリストが作成される。この周囲のすべての基地局BSの識別子は、たとえば、候補の基地局BSのアクティブなセットが利用可能であるか又は与えられている場合に、そのアクティブなセットから与えられる。
【0204】
次のステップS842において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも大きい基地局BSを維持する。
【0205】
次のステップS843において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにおいて、基地局BSがそれぞれ転送した信号の受信時刻に従って最初の基地局BSから最後の基地局BSへ、保持された基地局BSをランク付けする。
【0206】
次のステップS844において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにある基地局BSのうちの1つを選択する。
【0207】
次のステップS845において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS842において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0208】
ステップS846において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、基地局BSから拒絶メッセージを受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、又は、その基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、その拒否の通知を受ける。
【0209】
選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600はステップS848に進む。拒否していなかった場合、基地局BSはステップS847に進む。
【0210】
ステップS847において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0211】
ステップS848において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、この基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0212】
同じステップにおいて、プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BS、すなわち、選択された基地局BSよりも高い受信時刻(higher time of reception)で受信された各基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別する。この各基地局BSのセルは、選択された基地局BSのセルのアイドル期間の継続時間と同じか又はそれよりも小さい継続時間を有するアイドル期間を有する。プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0213】
次のステップS849において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストに、いくつかの基地局BSが残っているか否かをチェックする。
【0214】
可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っている場合、プロセッサ600はステップS844に戻る。残っていない場合、プロセッサ600はステップS841に戻る。
【0215】
図8dは、本発明の第4の実現モードによる、端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0216】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0217】
セル同期されたネットワークでは、端末TEからの基地局BSの距離に従って基地局BSをランク付けするのに、基地局BSによって転送されたダウンリンクメッセージの到着順序を使用することができる。
【0218】
第4の実現モードは、その特性を有利に利用する。
【0219】
ステップS860において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0220】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS860に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS861に進む。
【0221】
ステップS861において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストをリセットする。この可能性のある基地局BSのリストは、端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの識別子を含むことを目的としている。
【0222】
次のステップS862において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定する。
【0223】
次のステップS863において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにおいて、基地局BSがそれぞれ転送した信号の受信時刻に従って最初の基地局BSから最後の基地局BSへ、保持された基地局BSをランク付けする。
【0224】
次のステップS864において、プロセッサ600は、ステップS862において受信されたダウンリンク信号に応答して信号の送信回数をリセットし、図8bのステップS823において開示したものと同様にタイマD3を始動する。
【0225】
次のステップS865において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにある基地局BSのうちの1つを選択する。
【0226】
次のステップS866において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS862において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0227】
ステップS867において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことによりその拒否の通知を受ける。
【0228】
選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600はステップS869に進む。拒否していなかった場合、基地局BSはステップS868に進む。
【0229】
ステップS868において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0230】
ステップS869において、プロセッサ600は継続時間D3が経過したか否かをチェックする。継続時間D3が経過していない限り、プロセッサ600は、ステップS869に留まる。継続時間D3が経過した場合、プロセッサ600はステップS870に進む。
【0231】
ステップS870において、プロセッサ600は、試行回数が、Kで示される所定の値に等しいか否かをチェックする。
【0232】
試行回数が、Kで示される所定の値に等しくない場合、プロセッサ600は、ステップS871に進み、継続時間D3をアクティブにする。
【0233】
次のステップS872において、プロセッサ600は、試行回数をインクリメントし、ステップS866に戻る。
【0234】
試行回数が、Kで示される所定の値に等しい場合、プロセッサ600は、ステップS873に進む。
【0235】
ステップS873において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、この基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0236】
同じステップにおいて、プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別する。この各基地局BSのセルは、選択された基地局BSのセルのアイドル期間の継続時間と同じか又はそれよりも小さい継続時間を有するアイドル期間を有する。プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0237】
次のステップS874において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っているか否かをチェックする。
【0238】
可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っている場合、プロセッサ600は、ステップS864に戻る。残っていない場合、プロセッサ600は、ステップS861に戻る。
【0239】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が端末をハンドリングすることができないかを判断する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線セルラー電気通信ネットワークへの接続を端末が試みているとき、その端末をハンドリングするのにいくつかの基地局が利用可能な場合がある。したがって、その端末をハンドリングすることができる基地局に端末の受信機を同期させるために、すなわち、端末が基地局を通じて他の電気通信デバイスと通信することを可能にすることができるように、初期セルサーチ手順が端末から要求される。次に、全体的なネットワーク効率を最適化するように、特定の基地局による新しい端末のハンドリングが決定される。
【0003】
同様に、別の基地局による端末のハンドリングも、いわゆるハンドオーバ手順に従って通信中に決定することができる。
【0004】
端末と基地局との間のチャネルの品質は、端末と基地局との間の距離、障害物の存在等のような伝播環境に従って変化する場合がある。
【0005】
初期セルサーチ手順には、端末によるダウンリンクチャネルの信号の検出が必要とされ、より正確には、例として、同期チャネル、パイロットチャネル、又はデータチャネル等の測定チャネルの信号の検出が必要とされる。各基地局は、その信号を規則的に転送する。異なる測定チャネルの信号は検出されることができ、これらの信号の品質は端末によって評価される。その後、端末は、これらの信号の品質の測定値を記憶することができる。
【0006】
初期セルサーチ手順は、信号が最良の品質で受信される基地局を識別することに本質があり、たとえば、基地局から端末によって受信されたいずれの信号が、所定の値よりも上の電力強度を有し、且つ/又は、他の基地局によって転送された信号の電力強度よりも高い電力強度を有するのかを識別することに本質がある。
【0007】
この基地局が識別されると、競合ベースのチャネル、すなわち、予約メカニズムなしでいずれの端末にとってもアクセス可能なチャネルを通じて、識別された基地局に向かって、端末によりランダムアクセス手順が開始される。
【0008】
基地局は、その新しい端末を識別し、通信を確立するためのダウンリンク固有制御情報(たとえば、資源予約、アップリンク同期不一致(uplink synchronisation mismatch)等)を端末へ送信する。
【0009】
従来、理論的に通信をハンドリングすることができる基地局の候補セットが、各端末に規則的に割り当てられる。これらの候補基地局は、たとえば、端末を現在ハンドリングしている基地局の周囲の基地局とすることができる。各端末は、異なる候補基地局の測定チャネルの信号の品質を、定期的に測定するか、又は、要求に応じて、すなわち特定のイベントの後に測定する。これらの測定値は、その後、端末によって、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に報告される。
【0010】
代替的に、基地局の候補セットは、端末に割り当てられない。各端末は、十分な品質を有する信号が測定されるその信号源の基地局と測定を行う。次に、端末は、ハンドオーバ手順を開始するべきか否かを判定することができる、この端末を現在ハンドリングしている基地局に測定値を報告する。
【0011】
このような最先端のハンドオーバは初期セルサーチ手順と同様に、全二重端末については有効であるが、半二重端末についてはいくつかの問題につながるおそれがある。
【0012】
全二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができる端末である。
【0013】
半二重端末は、無線信号の送信及び受信を同時に行うことができない端末である。たとえば、端末は、時分割複信(TDD)モードで動作し、送信及び受信は、同じ周波数帯域上であるが異なる時間期間に行われる。端末は、周波数分割複信(FDD)モードでも動作することができ、送信及び受信は、異なる周波数帯域上で異なる時間期間に行われる。
【0014】
時刻teにおいて基地局が半二重端末にシンボルを送信するとき、これらのシンボルは、基地局から距離dに位置する端末によって、te+RTD(d)/2に等しい時刻に受信される。ここで、RTD(d)は、この端末のラウンドトリップ遅延(Round Trip Delay)である。これらのシンボルは、端末によって処理され、端末も、その後、アップリンクチャネルを介して基地局へシンボルを送信することができる。端末TEは、アップリンクチャネルを介してシンボルを送信する前に、ハードウェアオペレーション及びソフトウェアオペレーションの継続時間を考慮するために、或る期間待たなければならない。この或る期間は、受信送信切り換え時間(Receive Transmit Switch time)又は単にスイッチング時間と言われ、RTSと呼称される。たとえば、この遅延RTSは、端末のハードウェア機器が受信モードと送信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間、及び、基地局のハードウェア機器が送信モードと受信モードとの間を切り換えるのに必要とする時間の最大値である。したがって、アップリンクチャネルを介して送信されたシンボルは、te+RTD(d)+RTS+DDLに等しい時刻trの前に基地局BTSで受信することができない。DDLは、端末がダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0015】
例として、第3世代パートナーシッププロジェクト長期的発展型(3GPP/LTE)と互換性のある10kmのFDDセル半径を有する基地局を考える場合、基地局がそのセル内のいずれの位置に位置する端末もハンドリングすることができるようにするには、基地局側及び端末側の双方、又は、端末側のみのいずれかで、2シンボルの継続時間(two symbols duration)に対応するアイドル期間継続時間を作り出す必要がある。基地局は、2シンボルの継続時間に対応するアイドル期間継続時間によって、この基地局から最大19.6kmまでの距離に位置する半二重端末をハンドリングすることが可能になる。
【0016】
1シンボルの継続時間(one symbol duration)に対応するアイドル期間継続時間では、基地局は、この基地局から最大8.3kmまでの距離に位置する半二重端末しかハンドリングすることができない。
【0017】
基地局は、1シンボルの継続時間に対応するアイドル期間継続時間により、たとえ測定チャネルの信号の品質が十分高くても、この基地局から8.3kmよりも大きい距離に位置する半二重端末をハンドリングすることができないのに対して、全二重端末はハンドリングすることができる。
【0018】
ここで、アイドル期間は、以下に開示するように、連続時間期間又は不連続時間期間とすることができることに留意しなければならない。
【0019】
同様に、通信中、ハンドオーバ手順が基地局に対して要求される場合があるが、半二重端末が基地局から遠くにあり過ぎるため、基地局は半二重端末をハンドリングすることができないことがある。
【0020】
これらの遠くの半二重端末を有効にするためにアイドル期間継続時間を長くすると、その結果、基地局によってハンドリングされる他のすべての端末のアクティブな送信継続時間が失われることになるので、アイドル期間継続時間を長くすることは、満足のいく解決法にはならない。
【0021】
本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを、当該基地局ができるだけ迅速に判断することを可能にすることを目的とする。
【0022】
この目的で、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断する方法であって、基地局は、当該基地局のセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、基地局によってハンドリングされているとき、基地局のセルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
当該方法は、基地局によって実行されるステップであって、
基地局のセルにおいて信号を転送するステップと、
基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信するステップと、
受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求めるステップと、
セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0023】
本発明は、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断することができる、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局であって、当該基地局は、当該基地局のセルにおいて信号を転送し、半二重端末は、当該基地局によってハンドリングされているとき、当該基地局のセルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
当該基地局は、
当該基地局のセルにおいて信号を転送する手段と、
当該基地局によって転送された信号に応答して半二重端末によって転送された信号を受信する手段と、
受信された信号から、セルにおける半二重端末の特性を求める手段と、
セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、当該基地局が半二重端末をハンドリングすることができないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、基地局にも関する。
【0024】
したがって、基地局は、たとえ移動端末が基地局のセルに位置していても、端末をハンドリングしないことを決定することができる。
【0025】
基地局のセルにおける半二重端末の特性をアイドル期間と比較することによって、基地局は、半二重端末がセルのアイドル期間で動作することができるか否かを判断することができる。
【0026】
さらに、基地局のセルに位置するいずれの半二重端末も基地局によってハンドリングされることを可能にするために、セルのアイドル期間を求める必要はない。その結果、シグナリングのオーバーヘッドが削減される。
【0027】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、基地局のセルのアイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる半二重端末及び基地局が、アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わない。
【0028】
したがって、半二重FDD端末に起因する基地局におけるこの特定の実施態様のコストが削減されるか、又は、基地局の電力消費が制限される。
【0029】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末及び基地局は、アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わない。
【0030】
したがって、アップリンク通信とダウンリンク通信との間の干渉が削減される。
【0031】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性は、基地局による信号の転送と、半二重端末による応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0032】
したがって、セルにおける半二重端末の特性は、容易に求められ、半二重端末と基地局との間の距離を反映する。半二重端末は、自身のロケーションを得る必要がなく、そのロケーションを基地局へ転送する必要がない。
【0033】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る継続時間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0034】
したがって、適合性の判断の実現が容易である。
【0035】
特定の特徴によれば、セルにおける端末の特性は、端末と基地局とを隔てる距離である。
【0036】
したがって、半二重端末が自身のロケーションを求めることができる場合、たとえば、半二重端末が全地球的航法衛星システムデバイスを装備している場合、又は、半二重端末が受信信号自体から若しくは他の任意の手段から位置決め情報を推定することができる場合、半二重端末は、基地局と半二重端末とを隔てる距離を求めることができる基地局へ自身のロケーションを転送することができる。
【0037】
さらに別の態様によれば、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断する方法であって、半二重端末は、半二重端末が位置する基地局のセルにおいて基地局により転送された信号を受信し、セルのアイドル期間は、半二重端末が基地局によってハンドリングされるとき、半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
方法は、半二重端末によって実行されるステップであって、
基地局によって転送された信号を受信するステップと、
受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、基地局へ信号を転送するステップと、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0038】
さらに別の態様によれば、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断するためのデバイスであって、半二重端末は、半二重端末が位置する基地局のセルにおいて基地局により転送された信号を受信し、セルのアイドル期間は、半二重端末が基地局によってハンドリングされるとき、半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
デバイスは、半二重端末に含まれ、且つ、
基地局によって転送された信号を受信する手段と、
受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、基地局へ信号を転送する手段と、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスに関する。
【0039】
したがって、半二重端末は、たとえ基地局から受信された信号の品質が良好であっても、その基地局が端末をハンドリングするのに良好な候補でないことに気付く。
【0040】
その結果、半二重端末は、後に、その基地局によってハンドリングされる要求を回避することができる。その結果、無線セルラー電気通信ネットワークの資源としての半二重端末の処理資源が保存される。
【0041】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、基地局のセルのアイドル期間中、信号の転送及び受信を行わないか、又は、基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び基地局が、アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0042】
したがって、半二重FDD端末に起因する、基地局におけるこの特定の実施態様のコストが削減されるか、又は、基地局の電力消費が制限される。
【0043】
特定の特徴によれば、無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用し、基地局によってハンドリングされる半二重端末、及び、基地局は、アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わない。
【0044】
したがって、アップリンク通信とダウンリンク通信との間の干渉が削減される。
【0045】
特定の特徴によれば、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していない場合に、
当該端末は、
基地局へ別の信号を転送し、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が別の時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける半二重端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断する。
【0046】
したがって、半二重端末には、自身が基地局によってハンドリングされることができないことが通知される。
【0047】
さらに、上記判断することは少なくとも2回実行されるので、メッセージが雑音によって受信されないという危険性が最小にされる。
【0048】
特定の特徴によれば、半二重端末の特性は、基地局による信号の転送と、半二重端末による応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0049】
したがって、セルにおける半二重端末の特性は、容易に求められ、半二重端末と基地局との間の距離を反映する。半二重端末は、自身のロケーションを得る必要がなく、そのロケーションを基地局へ転送する必要がない。
【0050】
特定の特徴によれば、半二重端末は複数の基地局から信号を受信し、無線セルラー電気通信ネットワークのセルは同期されており、
上記端末は、
半二重端末による基地局の各信号の受信時刻に従って基地局をランク付けし、
基地局のうちの1つを選択し、
選択された基地局へ信号を転送し、
基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、セルにおける端末の特性がアイドル期間に適合していないと判断し、
選択された基地局が半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、選択された基地局が半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、端末の特性が、セルのアイドル期間の継続時間と同じ継続時間又はそれよりも小さい継続時間及び選択された基地局よりも低いランクを有する他の各セルのアイドル期間に適合していないと判断する。
【0051】
したがって、異なる基地局への信号の転送回数が制限される。基地局は、半二重端末からの自身の距離に従って、最小距離から最大距離にランク付けされる。最低ランクは、最大距離に対応する。セルにおける端末の特性が、セルのアイドル期間に適合していない場合、その端末の特性は、同じアイドル期間又はそれよりも小さいアイドル期間及びより低いランクを有する基地局のセルのアイドル期間に適合しないことになる。
【0052】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0053】
このコンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0054】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明確になろう。当該説明は、添付図面に関して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明が実施される無線電気通信システムのアーキテクチャを表す図である。
【図2a】アップリンクチャネルが同期し、且つ、基地局及び半二重端末の双方がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図2b】アップリンクチャネルが同期し、且つ、半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図3】アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局の双方がアイドル期間中信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【図4】本発明に従って転送される信号のクロノグラムの一例を示す。
【図5】本発明による無線電気通信システムの基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図6】本発明による無線電気通信システムの端末のアーキテクチャを表す図である。
【図7】本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8a】本発明の第1の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8b】本発明の第2の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8c】本発明の第3の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【図8d】本発明の第4の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明が実施される無線電気通信システムのアーキテクチャを表す図である。
【0057】
無線電気通信システムは、時分割複信方式(TDD)又は半二重周波数分割複信方式(half duplex Frequency Division Duplexing scheme)を使用する無線電気通信システムとすることができる。
【0058】
TDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、同じ周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0059】
全二重周波数分割複信方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、同じサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。
【0060】
半二重端末側からの半二重FDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域において、異なるサブフレームで複信される。このサブフレームは、タイムスロットとも呼ばれる。このような場合、基地局は、全二重周波数分割複信方式を使用することができる場合があると同時に、各半二重FDD端末のタイムスロットを適切に順序付けることによっていくつかの半二重FDD端末と同時に通信することができる場合があることに留意すべきである。
【0061】
基地局BSが端末TEi(i=1〜2)にシンボルを転送するとき、データ、信号、又はメッセージは、ダウンリンクチャネルを通じて転送される。
【0062】
端末TEi(i=1〜2)が基地局BSにシンボルを転送するとき、信号又はデータは、アップリンクチャネルを通じて転送される。
【0063】
図1の電気通信システムでは、少なくとも1つであるが好ましくは複数の端末TE1及びTE2は基地局BS1のセル151に含まれ、端末TE2は基地局BS2のセル152にさらに含まれる。
【0064】
単純にするために、図1には、2つの基地局BSしか示されていないが、実際には、特に無線ネットワークが無線セルラーネットワークである場合、無線セルラー電気通信システムは、複数の基地局BSから成る。
【0065】
基地局BS1のセル151は、基地局BS1の測定チャネルで転送される信号のような、基地局BS1によって転送される信号の電力強度が、セル151に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。
【0066】
全二重端末TEが基地局BS1のセル151に位置しているとき、基地局BS1は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS1を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。セル151は、規則正しい形状を有していない。これは、主として、障害物又は基地局BS1との見通し線にある特定のロケーションに起因する。
【0067】
基地局BS1のエリアR1は、R1内に位置する各端末TEについて、基地局BS1とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル151のアイドル期間以下であるエリアである。
【0068】
換言すれば、半二重端末TE又は全二重端末TEが基地局BS1のエリアR1内に位置するとき、基地局BS1は端末TEをハンドリングすることができ、端末TEは基地局BS1を通じてリモートの電気通信デバイスとの通信を確立又は受信することができる。
【0069】
半二重端末TEが、セル151内に位置し、基地局BS1のエリアR1内に位置していないとき、端末TEは、セル151において、セル151のアイドル期間と整合していない特性を有するので、基地局BS1は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0070】
エリアR1は、セル151に含まれる。R1と151との相違は、セル151について設定されたアイドル期間によって画定される。
【0071】
大きなアイドル期間によって、基地局BS1はいずれの半二重端末TEもハンドリングすることが可能になるが、基地局BS1と半二重端末TEとの間で転送されるデータの点から、全体の容量は削減される。R1は、セル151に位置する大部分の半二重端末TEに、基地局BS1によってハンドリングされる可能性を提供するように画定される。R1は、基地局BS1から遠い少数の半二重端末TEのためのみにアイドル期間を長くしなければならないことを回避するように画定される。
【0072】
基地局BS2のセル152は、基地局BS2の測定チャネルで転送される信号のような信号の電力強度が、セル152に位置する端末TEによって所定の値よりも上のレベルで受信されるエリアである。全二重端末TEが、基地局BS2のセル152に位置しているとき、基地局BS2は、全二重端末TEをハンドリングすることができる。全二重端末TEは、基地局BS2を通じて、リモートの電気通信デバイスと通信を確立又は受信することができる。
【0073】
基地局BS2のエリアR2は、R2内に位置する各端末TEについて、基地局BS2とその端末TEとの間のラウンドトリップ遅延、並びに、受信モードと送信モードとの間の切り換え、及び/又は送信モードと受信モードとの間の切り換えの合計が、セル152のアイドル期間以下であるエリアである。
【0074】
換言すれば、半二重端末TE又は全二重端末TEが基地局BS2のエリアR2内に位置するとき、基地局BS2は端末TEをハンドリングすることができ、端末TEは基地局BS2を通じてリモートの電気通信デバイスとの通信を確立又は受信することができる。
【0075】
半二重端末TEが、セル152に位置し、基地局BS2のエリアR2内に位置していないとき、端末TEは、セル152において、セル152のアイドル期間と整合していない特性を有するので、基地局BS2は半二重端末TEをハンドリングすることができない。
【0076】
エリアR2は、セル152に含まれる。R2と152との相違は、セル152について設定されたアイドル期間によって画定される。
【0077】
ここで、セル151及び152についてそれぞれ設定されたアイドル期間は、等しくてもよく、又は異なってもよいことに留意しなければならない。
【0078】
図1では、端末TE1は、基地局BS1のセル151内及びエリアR1内に位置する。端末TE2は、基地局BS1のセル151内に位置し、且つ、基地局BS2のセル152内及びエリアR2内に位置する。
【0079】
この発明によれば、各基地局BSは、自身のセル151において信号を転送し、端末TEが半二重端末TEであるか否かを判断し、端末TEが半二重端末TEである場合には、
基地局BSによって転送された信号に応答して端末TEにより転送された信号を受信し、
受信された信号から、セル15における端末TEの特性を求め、
セル15における端末TEの特性がセル15のアイドル期間に適合していない場合に、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができないと判断する。
【0080】
特定の特徴によれば、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0081】
特定の特徴によれば、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0082】
特定の特徴によれば、セル15における端末TEの特性は、端末TEと基地局BSとを隔てる距離である。この距離は、端末TEによって転送されるか、又は、受信された信号に含まれる端末TEの位置から求められるか、又は、受信された信号自体から求められる。
【0083】
簡単にするために、図1には2つの端末TEしか示されていないが、実際には、より重要な数(a more important number)の全二重又は半二重の端末TEが、基地局BSのセル15内に存在する。基地局BSは、各端末TEが全二重端末TEであるのか又は半二重端末TEであるのかを判断することができる。
【0084】
基地局BSは、ノード、又はノードB、又は拡張ノードB、又はアクセスポイントとも呼ばれる。
【0085】
端末TE1及びTE2は、移動電話、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータのような半二重端末である。端末TEは、ユーザ機器とも呼ばれる。
【0086】
無線電気通信ネットワークは、セル同期されている場合がある。この場合、異なるセル15又は基地局BSを発信源とする信号は、同時に送信される。
【0087】
より正確には、これらの信号は、フレームに構造化され、それ自体、シンボルから成る。セル同期は、シンボルレベルで確保される場合があり、これは、所与のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻が、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるシンボルの送信時刻と一致することを意味する。また、セル同期は、フレームレベルで確保される場合もある。その場合、所与のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻は、他の任意のセル15又は基地局BSにおけるフレームの送信時刻と一致する。セル同期は、各基地局BSにGNSS(全地球的航法衛星システム)を含めることによって行うことができる。
【0088】
一代替形態として、無線電気通信ネットワークは、セル同期されていないものとすることができる。この場合、異なるセル15間又は異なる基地局BS間で、フレームレベルの同期もシンボルレベルの同期も保証する必要はない。
【0089】
図2aは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、基地局及び半二重端末の双方がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0090】
アップリンクチャネルが同期しているとき、基地局BSの所与のセル15のアップリンクチャネルで送信されるシンボルは、基地局BSと端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSによって同じ時刻trで受信されなければならない。基地局及び半二重端末側の双方によってアイドル期間中に信号が受信も転送もされないとき、基地局BSは、端末TEによって送信されたシンボルの処理を行うために、それらのシンボルの受信を待たなければならない。
【0091】
エリアR1又はR2の境界に位置する端末TEについて求められる待ち時間、換言すれば、求めることができる最大待ち時間は、ガード期間又はアイドル期間IPと呼ばれ、少なくとも、ラウンドトリップ遅延RTD(Ra)に受信送信切り換え時間RTSを加えたものに等しくなければならない。ここで、Raは、エリアR1又はR2が円とみなされる場合のエリアR1又はR2の半径である。
【0092】
基地局BS1は、ダウンリンクシンボルDLを端末TE1へ転送する。これらのダウンリンクシンボルDLは、ラウンドトリップ遅延RTDの2分の1に等しい遅延で端末TE1によって受信される。
【0093】
アイドル期間IPの期間中、基地局BSは、いずれのシンボルの転送も受信も行わない。いずれのシンボルの転送も受信も行わないことによって、基地局の電力消費が削減される。
【0094】
基地局BSとそのセル15に含まれる各端末TEとを隔てる距離にかかわらず、基地局BSがアップリンクシンボルを同時に受信する必要があるので、基地局BSは、端末TEのそれぞれについてタイミング遅延TD(d)を求める。
【0095】
このタイミング遅延は、次の式を使用して計算される。
TD(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=IP−RTD(d)
ここで、dは、端末TEと基地局BSとの間の距離であり、DDLは、端末TEがダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの全継続時間である。
【0096】
基地局BSは、各タイミング遅延から、各端末TEについてタイミングアドバンスTA=IP−TD(d)を求め、このタイミングアドバンスを対応する端末TEへ転送する。
【0097】
端末TE1が、その端末TEのデータを含む先行のダウンリンクタイムスロットの直後のアップリンクタイムスロットにスケジューリングされている場合、端末TE1は、アップリンクチャネルを介するシンボルの送信に自身のタイミングアドバンスTA(TE1)値を適用して、送信されたシンボルが、アップリンクタイムスロットtrの開始時に端末TE1から基地局BSで受信されるようにする。
【0098】
ここで、アイドル期間IPは不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TE(1)について、1/2RTD及び時間期間TD(TE1)で示される2つの時間期間から成る。
【0099】
図2bは、アップリンクチャネルが同期し、且つ、半二重端末がセルのアイドル期間において信号の転送及び受信を行わない、アイドル期間を示すクロノグラムである。
【0100】
図2bの例のアイドル期間中、端末TEのみが、信号の受信も転送も行わない。
【0101】
基地局BSは、アイドル期間を何ら考慮することなく、ダウンリンクチャネルDLTでシンボルを転送する。基地局BSは、各端末TEを潜在的に全二重端末TEであるとみなす。基地局BSは、たとえシンボルが半二重端末によって使用可能でない場合であっても、シンボルを転送することがある。使用可能でないシンボルを転送することによって、全二重端末TE及び半二重端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの特定の特徴を製造するための開発コストが削減される。
【0102】
半二重端末TE、例として端末TE1がダウンリンクチャネルDLTでシンボルを受信すると、端末TE1は、受信シンボルに対して或るパンクチャリングを実行する。端末TE1は、セル15のアイドル期間に整合するダウンリンクシンボル、すなわち、端末TEがダウンリンクチャネルで受信することができるシンボルの継続時間DDLに含まれるダウンリンクシンボルのみをDLRで受信する。
【0103】
端末TE1のタイミングアドバンスTA(TE1)及びタイミング遅延TD(TE1)は、図2aで開示したのと同様の方法で求められる。
【0104】
ここで、アイドル期間IPは、基地局BSでは連続であるのに対して、半二重端末TE1では不連続であることに留意しなければならない。アイドル期間IPは、端末TE1について、1/2RTD及び時間期間TD(TE1)で示される2つの時間期間から成る。
【0105】
DDLに含まれない信号Puncは処理されない。
【0106】
図3は、アップリンクチャネルが非同期であり、無線電気通信ネットワークが時分割複信方式を使用し、且つ、セルに位置する半二重端末及び基地局がアイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないときのアイドル期間を示すクロノグラムである。
【0107】
アップリンクチャネルが非同期であるとき、すなわち、異なる端末TEからアップリンクチャネルで送信されたシンボルが同時に受信される必要がないとき、各端末TEa又はTEbは、基地局BSによってダウンリンクチャネルで送信された信号の受信終了後、同じ所定の継続時間の後に、アップリンクチャネルを介してアップリンクシンボルULa又はULbを送信する。したがって、アイドル期間は、セル15内の異なる端末の異なる伝播距離を吸収するために、基地局BSにおいて作成される。
【0108】
端末TEaは、端末TEbよりも基地局BSに近い。端末TEaは、端末TEbのラウンドトリップ遅延RTD(b)の2分の1よりも小さいラウンドトリップ遅延RTD(a)の2分の1の後に、ダウンリンクシンボルDLを受信する。
【0109】
端末TEaがシンボルを転送する場合、これらのシンボルは、図3に示すように、端末TEbによって転送されたシンボルよりも早く基地局BSによって受信される。
【0110】
図4は、本発明に従って転送される信号のクロノグラムの一例を示している。
【0111】
図4の例では、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0112】
その例では、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0113】
図4は、基地局BS1によって転送された信号、並びに、基地局BS1によって転送された信号に応答して端末TE1及びTE2によって転送されたメッセージを示している。
【0114】
基地局BS1は、周期的に又は或る特定のイベント後に、信号Syncを測定チャネルで転送する。
【0115】
好ましくは、基地局BS1は、信号Syncの転送後、D1で示す時間期間の間待機する。D1は、各端末TE及び基地局BS1によって知られている。
【0116】
端末TE1及びTE2は、基地局BS1のセル151内に位置しているので、基地局BS1から端末TE1及びTE2によって受信された信号の電力強度は、所定の値よりも大きい。
【0117】
これに応答して、好ましくは時間期間D1の後、端末TE1は、基地局BS1によってハンドリングされる要求RACH1を表すメッセージの転送を命令する。端末TE2も、基地局BS1によってハンドリングされる要求RACH2の転送を命令する。RACH1メッセージ及びRACH2メッセージは、好ましくは、ランダムアクセス手順を指す。
【0118】
時間期間D1は、少なくとも、受信モードから送信モードへの切り換え時間に等しく、且つ/又は、送信モードから受信モードへの切り換え時間に等しい。
【0119】
ここで、これらの切り換え時間は、相互に異なる場合があり、且つ/又は、端末TEに従って変化する場合があることに留意しなければならない。
【0120】
時間期間D1が経過すると、基地局BS1は、D2で示す第2の時間期間をアクティブにする。D2は、少なくとも2R1/cに等しい。cは光速であり、R1は、基地局BS1と、R1の境界に位置する端末TEとの間の最大距離である。
【0121】
基地局BS1は、時間期間D2内での要求RACH1又はRACH2の受信に従って端末TE1又はTE2の要求を受理するか、又は、それらの要求の受信に従うことなく要求を拒絶する。
【0122】
端末TE1はエリアR1内に位置しているので、端末TE1の要求RACH1は時間期間D2中に受信され、基地局BS1は端末TE1のハンドリングの受理を表すAcceptで示されるメッセージの転送を命令する。
【0123】
端末TE2はエリアR1内に位置していないので、端末TE2の要求RACH2は時間期間D2中に受信されず、基地局BS1は端末TE2のハンドリングを拒絶する。
【0124】
基地局BS1は、拒絶メッセージの転送を命令するか、又は、端末TE2に何らメッセージを転送しない。
【0125】
ここで、端末TEが基地局BS1を通じてリモート通信デバイスと通信しているときは、Sync信号及びRACH信号の代わりに、例としてダウンリンク信号及びアップリンク信号を代わりに使用することができることに留意しなければならない。その場合、基地局BS1は、端末TEのハンドリングを拒絶するときに、ハンドオーバ手順を開始する。
【0126】
図5は、本発明による基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0127】
基地局BS、例として基地局BS1は、たとえば、バス501によって互いに接続されたコンポーネント、及び、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ500に基づくアーキテクチャを有する。
【0128】
ここで、基地局BS1は、一変形では、以下で開示するようなプロセッサ500によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態で実施されることに留意しなければならない。
【0129】
バス501は、プロセッサ500を、読み出し専用メモリROM502、ランダムアクセスメモリRAM503、及びチャネルインターフェース505にリンクする。
【0130】
読み出し専用メモリROM502は、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSに電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM503へ転送される。
【0131】
RAMメモリ503は、変数と、図7に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0132】
チャネルインターフェース505は、アンテナBSAntを通じて、端末TEへ信号及び/若しくはメッセージを転送し、且つ/又は端末TEから信号及び/若しくはメッセージを受信する手段を備える。
【0133】
図6は、本発明による端末のアーキテクチャを表す図である。
【0134】
各端末TEi、例として端末TE1、は、たとえば、バス601によって互いに接続されたコンポーネント、及び、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムによって制御されるプロセッサ600に基づくアーキテクチャを有する。
【0135】
ここで、端末TE1は、一変形では、以下に開示するようなプロセッサ600によって実行されるオペレーションと同じオペレーションを実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態に基づいて実施されることに留意しなければならない。
【0136】
バス601は、プロセッサ600を、読み出し専用メモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603、及びチャネルインターフェース605にリンクする。
【0137】
読み出し専用メモリROM602は、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。これらの命令は、端末TE1に電源が投入されるときにランダムアクセスメモリRAM603へ転送される。
【0138】
RAMメモリ603は、変数と、図8に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを収容するように意図されるレジスタを含む。
【0139】
チャネルインターフェース605は、アンテナTEAntを通じて基地局BSへ信号及び/若しくはメッセージを転送し且つ/又は基地局BSから信号及び/若しくはメッセージを受信する手段と、受信された信号、例として測定チャネルの信号Sync、を測定する手段とを備える。
【0140】
図7は、本発明による基地局によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0141】
図7の例では、端末TEの特性は、基地局BSによる信号の転送と、端末TEによる応答において転送された信号の受信との間の遅延である。
【0142】
その例では、端末TEの特性とアイドル期間との適合性の判断は、受信された信号が或る時間期間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行される。
【0143】
より正確には、本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ500によって、周期的に又は特定のイベント時に又はダウンリンク信号が転送されるごとに実行される。
【0144】
ステップS700において、プロセッサ500は、チャネルインターフェース505を通じたダウンリンク信号の転送を命令する。このダウンリンク信号は、測定チャネルで転送されるSync信号、又は、宛先端末TEが関与する通信に関連する従来の信号である。
【0145】
次のステップS701において、プロセッサ500は、図4に開示したような時間期間D1の間待機する。
【0146】
次のステップS702において、プロセッサ500は、図4に開示したような第2の時間期間D2をアクティブにする(始動する)。
【0147】
次のステップS703において、プロセッサ500は、ステップS700において転送された信号に応答して端末TEにより転送されたアップリンク信号が、チャネルインターフェース505によって受信されたか否かをチェックする。このアップリンク信号は、RACH信号、又は、宛先端末TEが関与する通信に関連する従来の信号である。
【0148】
ステップS700において転送された信号に応答して端末TEにより転送された信号がチャネルインターフェース505によって受信された場合、プロセッサ500は、ステップS704に進む。受信されない場合、プロセッサ300は、ステップS703に戻る。
【0149】
ステップS704において、プロセッサ500は、時間期間D2が経過したか否かをチェックする。
【0150】
時間期間D2が経過した場合、プロセッサ500は、ステップS706に進む。経過していない場合、プロセッサ500は、ステップS705に進む。
【0151】
信号が受信されるとチェックを行うことによって、D2が満了した場合に、プロセッサ500は、受信された信号から、セル15における端末TEの特性を求める。すなわち、プロセッサ500は、端末TEのラウンドトリップ遅延が、セル15のアイドル期間よりも大きくないかを判断する。
【0152】
ステップS706において、セル15における端末TEの特性は、セル15のアイドル期間に適合していないので、プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができないと判断する。その後、プロセッサ500は、別の端末TEがアップリンク信号を送信する場合に備えてステップ703に戻る。
【0153】
ステップS705において、セル15における端末TEの特性は、アイドル期間に適合しているので、プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすることができると判断する。プロセッサ500は、基地局BSが端末TEをハンドリングすること又は端末TEのハンドリングを継続することを端末TEに通知し、別の端末TEがアップリンク信号を送信する場合に備えてステップS703に戻る。
【0154】
端末TE1はエリアR1内に位置するので、端末TE1によって転送された信号は時間期間D2中に受信され、プロセッサ500は、端末TE1のハンドリングの受理又は端末TEのハンドリングの継続の受理を表すメッセージの転送を命令する。
【0155】
端末TE2はエリアR1内に位置していないので、端末TE2の要求RACH2は時間期間D2中に受信されず、基地局BS1は、端末TE2のハンドリングを拒絶する。端末TE2は、基地局BSからの拒絶メッセージを受信することにより、又は、基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TE2のハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、その拒絶の通知を受ける。
【0156】
図8aは、本発明の第1の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0157】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているとき又はセル同期されていないときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0158】
ステップS800において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0159】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS800に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS801に進む。
【0160】
ステップS801において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストをリセットする。この到達不能な基地局BSのリストは、端末TEのハンドリングを拒否した基地局BSの識別子を含むことを目的としている。到達不能な基地局BSのリストは、その内容を空にすることによってリセットされる。
【0161】
次のステップS802において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも高い基地局BS及び測定値を記憶する。
【0162】
次のステップS803において、プロセッサ600は、図4に開示したような時間期間D1の間待機する。
【0163】
次のステップS804において、プロセッサ600は、品質測定値が所定の値よりも高く且つ到達不能な基地局BSのリストに属していない基地局BSのうちの1つを選択する。
【0164】
次のステップS805において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS802において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0165】
ステップS806において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、基地局BSから拒絶メッセージを受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、その拒否の通知を受ける。
【0166】
選択された基地局BSが、端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600は、ステップS808に進む。拒否していなかった場合、基地局BSは、ステップS807に進む。
【0167】
ステップS807において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0168】
ステップS808において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、到達不能な基地局BSのリストにこの基地局BSの識別子を記憶する。
【0169】
次のステップS809において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、所定の継続時間の間にリセットされていたか否かをチェックする。すなわち、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができるか否かをチェックする。
【0170】
到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができる場合、プロセッサ600は、ステップS804に戻る。
【0171】
到達不能な基地局BSのリストが、もはや有効であるとみなすことができない場合、プロセッサ600は、ステップS801に戻る。
【0172】
このリストの有効性は、端末TEの移動、端末TEのロケーション情報、端末TEの環境等に従って、変化する場合がある。
【0173】
リストの有効性が失効すると、到達不能な基地局BSのリストにおける或る特定の基地局BSの存在がもはや正当でない場合には、到達不能な基地局BSのリスト全体をリセットする代わりに、基地局BS単位で到達不能な基地局BSのリストをリセットすることができる。
【0174】
図8bは、本発明の第2の実現モードによる端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0175】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているとき又はセル同期されていないときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0176】
ステップS820において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0177】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS820に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS821に進む。
【0178】
ステップS821において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストをリセットする。この到達不能な基地局BSのリストは、端末TEのハンドリングを拒絶した基地局BSの識別子を含むことを目的としている。そのリストは、到達不能な基地局BSのリストのリセットによって、空にされる。
【0179】
次のステップS822において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも大きい基地局BSを記憶する。
【0180】
次のステップS823において、プロセッサ600は、ステップS822において受信されたダウンリンク信号に応答して信号の送信回数をリセットし、所定の値を有するタイマD3又は2つの値の間でランダムに選択されたタイマD3を始動する。
【0181】
次のステップS824において、プロセッサ600は、品質測定値が所定の値よりも高く且つ到達不能な基地局BSのリストに属していない基地局BSのうちの1つを選択する。
【0182】
次のステップS825において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS822において行われた測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0183】
ステップS826において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、又は、その基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、その拒否の通知を受ける。
【0184】
選択された基地局BSが、端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600は、ステップS828に進む。拒否していなかった場合、基地局BSは、ステップS827に進む。
【0185】
ステップS827において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0186】
ステップS828において、プロセッサ600は、継続時間D3が経過したか否かをチェックする。継続時間D3が経過していない限り、プロセッサ600はステップS828に留まる。継続時間D3が経過した場合、プロセッサ600はステップS829に進む。
【0187】
ステップS829において、プロセッサ600は、試行回数が、Kで示される所定の値に等しいか否かをチェックする。
【0188】
試行回数がKで示される所定の値に等しくない場合、プロセッサ600は、ステップS830に進み、継続時間D3をアクティブにする。
【0189】
次のステップS831において、プロセッサ600は、試行回数をインクリメントし、ステップS825に戻る。
【0190】
試行回数がKで示される所定の値に等しい場合、プロセッサ600はステップS832に進む。
【0191】
ステップS832において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、到達不能な基地局BSのリストにこの基地局BSの識別子を記憶する。
【0192】
次のステップS833において、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、所定の継続時間の間にリセットされていたか否かをチェックする。すなわち、プロセッサ600は、到達不能な基地局BSのリストが、まだ有効であるとみなすことができるか否かをチェックする。
【0193】
到達不能な基地局BSのリストがまだ有効であるとみなすことができる場合、プロセッサ600はステップS822に戻る。
【0194】
到達不能な基地局BSのリストが有効であるとみなすことができない場合、プロセッサ600はステップS821に戻る。
【0195】
図8cは、本発明の第3の実現モードによる、端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0196】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0197】
セル同期されたネットワークでは、端末TEからの基地局BSの距離に従って基地局BSをランク付けするのに、基地局BSによって転送されたダウンリンクメッセージの到着順序を使用することができる。
【0198】
基地局BSから端末TEによって受信される最初の信号は、その基地局BSと端末TEとが近いことを示す。
【0199】
基地局BSから端末TEによって受信される最後の信号は、その基地局BSが端末TEから遠いことを示す。
【0200】
第3の実現モードは、その特性を有利に利用する。
【0201】
ステップS840において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0202】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS840に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS841に進む。
【0203】
ステップS841において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストをリセットする。この可能性のある基地局BSのリストは、端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの識別子を含むことを目的としている。可能性のある基地局BSのリストのリセットによって、周囲のすべての基地局BSの識別子を有するリストが作成される。この周囲のすべての基地局BSの識別子は、たとえば、候補の基地局BSのアクティブなセットが利用可能であるか又は与えられている場合に、そのアクティブなセットから与えられる。
【0204】
次のステップS842において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定し、品質測定値が所定の値よりも大きい基地局BSを維持する。
【0205】
次のステップS843において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにおいて、基地局BSがそれぞれ転送した信号の受信時刻に従って最初の基地局BSから最後の基地局BSへ、保持された基地局BSをランク付けする。
【0206】
次のステップS844において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにある基地局BSのうちの1つを選択する。
【0207】
次のステップS845において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS842において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0208】
ステップS846において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、基地局BSから拒絶メッセージを受信することにより、又は、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことにより、又は、その基地局BSから別の基地局BSへのハンドオーバに進む要求を受信することにより、その拒否の通知を受ける。
【0209】
選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600はステップS848に進む。拒否していなかった場合、基地局BSはステップS847に進む。
【0210】
ステップS847において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0211】
ステップS848において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、この基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0212】
同じステップにおいて、プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BS、すなわち、選択された基地局BSよりも高い受信時刻(higher time of reception)で受信された各基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別する。この各基地局BSのセルは、選択された基地局BSのセルのアイドル期間の継続時間と同じか又はそれよりも小さい継続時間を有するアイドル期間を有する。プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0213】
次のステップS849において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストに、いくつかの基地局BSが残っているか否かをチェックする。
【0214】
可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っている場合、プロセッサ600はステップS844に戻る。残っていない場合、プロセッサ600はステップS841に戻る。
【0215】
図8dは、本発明の第4の実現モードによる、端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0216】
本アルゴリズムは、より正確には、無線セルラー電気通信ネットワークがセル同期されているときに、各端末TEのプロセッサ600によって実行される。
【0217】
セル同期されたネットワークでは、端末TEからの基地局BSの距離に従って基地局BSをランク付けするのに、基地局BSによって転送されたダウンリンクメッセージの到着順序を使用することができる。
【0218】
第4の実現モードは、その特性を有利に利用する。
【0219】
ステップS860において、プロセッサ600は、端末TEがアクティブであるか否かをチェックする。端末TEは、電源が投入され且つアイドルモードにあるとき、又は、リモート電気通信デバイスと通信しているときアクティブである。
【0220】
端末TEがアクティブでない場合、プロセッサ600はステップS860に戻る。端末TEがアクティブである場合、プロセッサ600はステップS861に進む。
【0221】
ステップS861において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストをリセットする。この可能性のある基地局BSのリストは、端末TEをハンドリングすることができる基地局BSの識別子を含むことを目的としている。
【0222】
次のステップS862において、プロセッサ600は、ダウンリンク信号に関するいくつかの品質測定を実行するようにチャネルインターフェース605に命令する。チャネルインターフェース605は、見つけることができる基地局BSによって例えば各測定チャネルで転送された信号を測定する。
【0223】
次のステップS863において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにおいて、基地局BSがそれぞれ転送した信号の受信時刻に従って最初の基地局BSから最後の基地局BSへ、保持された基地局BSをランク付けする。
【0224】
次のステップS864において、プロセッサ600は、ステップS862において受信されたダウンリンク信号に応答して信号の送信回数をリセットし、図8bのステップS823において開示したものと同様にタイマD3を始動する。
【0225】
次のステップS865において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにある基地局BSのうちの1つを選択する。
【0226】
次のステップS866において、プロセッサ600は、選択された基地局BSへの信号の転送を命令する。この信号は、例として、ステップS862において行われた品質測定の報告を含むことができるRACHメッセージである。
【0227】
ステップS867において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していたか否かをチェックする。端末TEは、所定の時間期間内に端末TEのハンドリングの受理を表すメッセージを受信しないことによりその拒否の通知を受ける。
【0228】
選択された基地局BSが端末TEのハンドリングを拒否していた場合、プロセッサ600はステップS869に進む。拒否していなかった場合、基地局BSはステップS868に進む。
【0229】
ステップS868において、プロセッサ600は、選択された基地局BSが端末TEをハンドリングすることを登録し、本アルゴリズムを中断する。
【0230】
ステップS869において、プロセッサ600は継続時間D3が経過したか否かをチェックする。継続時間D3が経過していない限り、プロセッサ600は、ステップS869に留まる。継続時間D3が経過した場合、プロセッサ600はステップS870に進む。
【0231】
ステップS870において、プロセッサ600は、試行回数が、Kで示される所定の値に等しいか否かをチェックする。
【0232】
試行回数が、Kで示される所定の値に等しくない場合、プロセッサ600は、ステップS871に進み、継続時間D3をアクティブにする。
【0233】
次のステップS872において、プロセッサ600は、試行回数をインクリメントし、ステップS866に戻る。
【0234】
試行回数が、Kで示される所定の値に等しい場合、プロセッサ600は、ステップS873に進む。
【0235】
ステップS873において、プロセッサ600は、選択された基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別し、この基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0236】
同じステップにおいて、プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSを、端末TEをハンドリングすることができない基地局BSとして識別する。この各基地局BSのセルは、選択された基地局BSのセルのアイドル期間の継続時間と同じか又はそれよりも小さい継続時間を有するアイドル期間を有する。プロセッサ600は、選択された基地局BSよりも低いランクを有する各基地局BSの識別子を、可能性のある基地局BSのリストから削除する。
【0237】
次のステップS874において、プロセッサ600は、可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っているか否かをチェックする。
【0238】
可能性のある基地局BSのリストにいくつかの基地局BSが残っている場合、プロセッサ600は、ステップS864に戻る。残っていない場合、プロセッサ600は、ステップS861に戻る。
【0239】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断する方法であって、前記基地局は、該基地局のセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、前記基地局によってハンドリングされているとき、前記基地局の前記セルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該方法は、前記基地局によって実行されるステップであって、
前記基地局の前記セルにおいて信号を転送するステップと、
前記基地局によって転送された信号に応答して前記半二重端末によって転送された信号を受信するステップと、
前記受信された信号から、前記セルにおける前記半二重端末の特性を求めるステップと、
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることができないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、前記基地局の前記セルの前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局が、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局は、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半二重端末の前記特性は、前記基地局による前記信号の転送と、前記半二重端末による応答において転送された前記信号の受信との間の遅延であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記半二重端末の前記特性と前記アイドル期間との前記適合性の判断は、前記受信された信号が或る継続時間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記セルにおける前記端末の前記特性は、前記端末と前記基地局とを隔てる距離であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項7】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断する方法であって、前記半二重端末は、前記半二重端末が位置する前記基地局の前記セルにおいて前記基地局により転送された信号を受信し、前記セルの前記アイドル期間は、前記半二重端末が前記基地局によってハンドリングされるとき、前記半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
該方法は、前記半二重端末によって実行されるステップであって、
前記基地局によって転送された信号を受信するステップと、
前記受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、前記基地局へ信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、前記基地局の前記セルの前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局が、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末、及び、前記基地局は、前記アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、
該方法は、
前記基地局へ別の信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が別の時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記半二重端末の前記特性は、前記基地局による前記信号の転送と、前記半二重端末による応答において転送された前記信号の受信との間の遅延であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記半二重端末は複数の基地局から信号を受信し、前記無線セルラー電気通信ネットワークの前記セルは同期されていることを特徴とし、且つ、
該方法は、
前記半二重端末による前記基地局の各信号の受信時刻に従って前記基地局をランク付けするステップと、
前記基地局のうちの1つを選択するステップと、
前記選択された基地局へ信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
前記選択された基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記選択された基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記端末の前記特性が、前記セルの前記アイドル期間の継続時間と同じ継続時間又はそれよりも小さい継続時間及び前記選択された基地局よりも低いランクを有する他の各セルの前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断することができる、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局であって、該基地局は、該基地局のセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、該基地局によってハンドリングされているとき、該基地局の前記セルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該基地局は、
該基地局の前記セルにおいて信号を転送する手段と、
該基地局によって転送された信号に応答して前記半二重端末によって転送された信号を受信する手段と、
前記受信された信号から、前記セルにおける前記半二重端末の特性を求める手段と、
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、該基地局が前記半二重端末をハンドリングすることができないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、基地局。
【請求項14】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断するためのデバイスであって、前記半二重端末は、前記半二重端末が位置する前記基地局の前記セルにおいて前記基地局により転送された信号を受信し、前記セルの前記アイドル期間は、前記半二重端末が前記基地局によってハンドリングされるとき、前記半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
該デバイスは、前記半二重端末に含まれ、且つ、
前記基地局によって転送された信号を受信する手段と、
前記受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、前記基地局へ信号を転送する手段と、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項15】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項1〜6のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項16】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項7〜12のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断する方法であって、前記基地局は、該基地局のセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、前記基地局によってハンドリングされているとき、前記基地局の前記セルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該方法は、前記基地局によって実行されるステップであって、
前記基地局の前記セルにおいて信号を転送するステップと、
前記基地局によって転送された信号に応答して前記半二重端末によって転送された信号を受信するステップと、
前記受信された信号から、前記セルにおける前記半二重端末の特性を求めるステップと、
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることができないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、前記基地局の前記セルの前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局が、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局は、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半二重端末の前記特性は、前記基地局による前記信号の転送と、前記半二重端末による応答において転送された前記信号の受信との間の遅延であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記半二重端末の前記特性と前記アイドル期間との前記適合性の判断は、前記受信された信号が或る継続時間内に受信されたか否かをチェックすることによって実行されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記セルにおける前記端末の前記特性は、前記端末と前記基地局とを隔てる距離であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項7】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断する方法であって、前記半二重端末は、前記半二重端末が位置する前記基地局の前記セルにおいて前記基地局により転送された信号を受信し、前記セルの前記アイドル期間は、前記半二重端末が前記基地局によってハンドリングされるとき、前記半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
該方法は、前記半二重端末によって実行されるステップであって、
前記基地局によって転送された信号を受信するステップと、
前記受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、前記基地局へ信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記無線電気通信ネットワークは、半二重周波数分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる半二重端末のみが、前記基地局の前記セルの前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないか、又は、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末及び前記基地局が、前記アイドル期間中に信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無線電気通信ネットワークは、時分割複信方式を使用することを特徴とし、且つ、前記基地局によってハンドリングされる前記半二重端末、及び、前記基地局は、前記アイドル期間中、信号の転送及び受信を行わないことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、
該方法は、
前記基地局へ別の信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が別の時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記半二重端末の前記特性は、前記基地局による前記信号の転送と、前記半二重端末による応答において転送された前記信号の受信との間の遅延であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記半二重端末は複数の基地局から信号を受信し、前記無線セルラー電気通信ネットワークの前記セルは同期されていることを特徴とし、且つ、
該方法は、
前記半二重端末による前記基地局の各信号の受信時刻に従って前記基地局をランク付けするステップと、
前記基地局のうちの1つを選択するステップと、
前記選択された基地局へ信号を転送するステップと、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
前記選択された基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記選択された基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記端末の前記特性が、前記セルの前記アイドル期間の継続時間と同じ継続時間又はそれよりも小さい継続時間及び前記選択された基地局よりも低いランクを有する他の各セルの前記アイドル期間に適合していないと判断するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基地局が半二重端末をハンドリングすることができないかを判断することができる、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局であって、該基地局は、該基地局のセルにおいて信号を転送し、前記半二重端末は、該基地局によってハンドリングされているとき、該基地局の前記セルのアイドル期間と呼ばれる時間期間中に信号の転送及び受信を行わず、
該基地局は、
該基地局の前記セルにおいて信号を転送する手段と、
該基地局によって転送された信号に応答して前記半二重端末によって転送された信号を受信する手段と、
前記受信された信号から、前記セルにおける前記半二重端末の特性を求める手段と、
前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していない場合に、該基地局が前記半二重端末をハンドリングすることができないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、基地局。
【請求項14】
無線セルラー電気通信ネットワークにおいて、半二重端末の特性が基地局のセルのアイドル期間に適合しているか否かを判断するためのデバイスであって、前記半二重端末は、前記半二重端末が位置する前記基地局の前記セルにおいて前記基地局により転送された信号を受信し、前記セルの前記アイドル期間は、前記半二重端末が前記基地局によってハンドリングされるとき、前記半二重端末が信号の転送及び受信を行わない時間期間であり、
該デバイスは、前記半二重端末に含まれ、且つ、
前記基地局によって転送された信号を受信する手段と、
前記受信された信号が所定の値よりも大きい場合に、前記基地局へ信号を転送する手段と、
前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの受理を表す信号が少なくとも1つの時間期間内に一切受信されない場合、又は、前記基地局が前記半二重端末をハンドリングすることの拒否を表す信号が受信された場合に、前記セルにおける前記半二重端末の前記特性が前記アイドル期間に適合していないと判断する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項15】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項1〜6のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項16】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、請求項7〜12のいずれか一項による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【公開番号】特開2009−194910(P2009−194910A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−31117(P2009−31117)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31117(P2009−31117)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】
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