説明

基地局装置、基地局の制御方法、及びプログラム

【課題】NAT(NAPT)によるLIPAを行うフェムトセル基地局に接続された移動端末が、プライベート網内に配置されたホスト及びモバイルコア網を経由してアクセス可能なホストのいずれについても名前解決サービスを利用できるようにする。
【解決手段】転送制御部102は、無線I/F100を介して移動端末2から受信されるIPパケットを、IPパケットに付与された宛て先アドレスに基づいて、モバイルコア網5とプライベート網(LAN)3の間で振り分ける。さらに、転送処理部102は、ドメイン名又はホスト名に対応するIPアドレスを要求するためのDNSクエリ・パケットを移動端末2から受信した場合、モバイルコア網5を介して到達可能なDNSサーバ61又はプライベート網(LAN)3を介して到達可能なDNSサーバ31のいずれにDNSクエリ・パケットを振り分けるかを、DNSクエリ・パケットに含まれるドメイン名又はホスト名に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信で使用される基地局に関し、特に基地局からのトラフィックオフロードにおける名前解決クエリの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)、3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)フォーラム等では、利用者宅内、オフィス内などに設置可能な小型基地局の標準化が行なわれている。この小型基地局は、小型基地局を所有するユーザによって宅内や小規模オフィス等に設置され、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバ回線等のブロードバンド回線を用いてコアNWに接続することが想定されている。このような小型基地局は、一般的に、フェムト基地局、フェムトセル基地局、又はホーム基地局と呼ばれている。また、小型基地局が形成するセルのサイズ(カバーエリア)は、従来のマクロセルに比べて極めて小さい。このため、小型基地局が形成するセルは、フェムトセル又はホームセル等と呼ばれている。3GPPは、このような小型基地局を Home Node B(HNB)及び Home evolved Node B(HeNB)と定義して標準化作業を進めている。HNBはUTRAN (UMTS (Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)向けの小型基地局であり、HeNBはLTE(Long Term Evolution)/ EUTRAN (Evolved UTRAN) 向けの小型基地局である。
【0003】
本明細書では、このような小型基地局を「フェムトセル基地局」と呼ぶ。なお、3GPPで検討されているUTRAN、E-UTRAN向けのホーム基地局を指す場合には、3GPPでの呼称にならって、HNB若しくはHeNB、又はこれらを総称してH(e)NBと呼ぶ。
【0004】
多数のフェムトセル基地局がモバイルコア網に接続し、多数の移動端末の通信が行なわれると、コア網の負荷が増大する。特に移動端末によるインターネットアクセスの通信がモバイルオペレータを増大させると予想されている。そこで、そこで、3GPPにより作成されたホーム基地局に対する要求条件には、H(e)NB が"Local IP Access(LIPA)機能"をサポートすることが含まれている(非特許文献1を参照)。LIPAは、フェムトセル基地局が接続されているユーザのプライベート網(宅内LAN(Local Area Network)や企業内LANなど)に配置されたホストと移動端末との間のトラフィック、及びインターネットと移動端末との間のトラフィックを、モバイルコア網に転送することなくユーザのプライベート網に直接オフロードする機能である。これにより、移動端末は、プライベート網上に配置されたサーバ及びインターネットに対してモバイルコア網を経由せずにアクセスできる。なお、LIPAの利用形態としては、プライベート網上のホストへのアクセスのみがフェムトセル基地局によってオフロードされ、移動端末からインターネットへのアクセスはモバイルコア網経由で行われる形態も考えられる。
【0005】
3GPPによるLIPAに関する要求条件に対して、フェムトセル基地局にIP通信のアンカー機能を組み込む方式(非特許文献2)、及びフェムトセル基地局にNAT(Network Address Translation)又はNAPT(Network Address Port Translation)機能を組み込む方式(非特許文献3)が提案されている。アンカー方式とは、モバイルコア網と外部ネットワークの間のゲートウェイ(P-GW(PDN(Packet Data Network) Gateway)またはGGSN(Gateway GPRS Support Node))と同等の機能をフェムトセル基地局に配置する方式である。NAPTを指して慣例的にNATと呼ばれることも多いため、本明細書では「NAT」との用語を厳密なNAT及びNAPTを含む用語として使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第04/045164号パンフレット
【特許文献2】特開2005−142702号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS22.220 v9.1.1 (2009-06)、"Service requirements for Home NodeBs and Home eNodeBs (Release 9)"
【非特許文献2】3GPP寄書、R2-094053 " Introduction of local breakout from HNB for Gn/Gp SGSN"、pp.49-50、2009年5月、[online]、3GPP、[平成21年12月14日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_73_Tallinn/Docs/S2-094053.zip>
【非特許文献3】3GPP寄書、R2-093803 " Local IP access principles for single PDN connection solutions"、 2009年5月、[online]、3GPP、[平成21年12月14日検索]、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_73_Tallinn/Docs/S2-093803.zip>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願の発明者は、LIPAをNAT機能により実現するフェムトセル基地局においては、利用者のプライベートネットワーク内でローカルに名前(ホスト名、ドメイン名)が設定されているホストとの間で移動局が通信できないという課題があることを見出した。この問題点について以下に説明する。
【0009】
図1は、LIPAをNAT機能により実現するフェムトセル基地局(H(e)NB91)が配置されたネットワークの一例を示す図である。図1の例では、H(e)NB91がプライベート網3に接続されている。プライベート網3は、ブロードバンドルータ(BBR)30を介してIP(Internet Protocol)アクセス網4に接続されている。
【0010】
H(e)NB-GW50は、モバイルコア網5とIPアクセス網4の境界に設置されており、モバイルコア網5内に配置されたデータ転送主体及び制御主体(S-GW/SGSN51、P-GW/GGSN52、MME53、HSS/HLR54等)とH(e)NB91の間でユーザデータ及び制御データを中継する。IPアクセス網4としてインターネット等の公衆ネットワークが使用される場合、H(e)NB-GW50とH(e)NB91の間にIPsecトンネル等のセキュアな通信路41が設定される。
【0011】
H(e)NB91に接続している移動端末(UE)2が移動体通信事業者のIPサービス網6にアクセスする場合及びIPサービス網6を介してインターネットにアクセスする場合、H(e)NB91は、移動端末2の送信データをモバイルコア網5に転送する。一方、移動端末2がプライベート網3内に配置されたホスト(WEBサーバ32等)にアクセスする場合、H(e)NB91は、LIPA機能によってIPパケットをプライベート網3に分岐する。例えば、H(e)NB91は、移動端末2の送信IPパケットに付与された宛先アドレスをモニタし、宛先アドレスがプライベート網3に対応するアドレスである場合、当該送信IPパケットを通信路41に送信することなく、プライベート網3に送信する。例えば、H(e)NB91は、ホスト31を宛先に指定したMAC(Media Access Control)フレームを生成してプライベート網3に出力する。
図1において省略表記された用語の正式名称を以下に示す。
SGSN:Serving GPRS (General Packet Radio Service) Support Node
S-GW:Serving Gateway
GGSN:Gateway GPRS Support Node
P-GW:PDN(Packet Data Network) Gateway
MME:Mobility Management Entity
HSS:Home Subscriber Server
HLR:Home Location Register
H(e)NB-GW:H(e)NB Gateway
UE:User Equipment
【0012】
ここで、図1のH(e)NB91がNATによるLIPAを行う場合について考える。H(e)NB91の配下に位置する移動端末2は、基本的に、1つのネットワークインターフェイスを持ち、このインタフェースに対応した1つの名前解決サーバ(DNS(Domain Name System)サーバ等)の設定しか持たない。この場合、移動端末2からH(e)NB91へ送られた名前解決クエリ(DNSクエリ)を含むIPパケットは、図1の矢印R1に示すように、モバイルコア網5を経由して通信事業者の名前解決サーバ(DNSサーバ61)に転送される。一方で、宅内や企業内等のプライベート網3でのみ運用されているホスト(WEBサーバ32等)に対応づけられたホスト名は、プライベート網3内に配置されたDNSサーバ31でしか名前解決できない場合がある。このDNSサーバ31は、通信事業者のIPサービス網6を含む外部ネットワークからは参照できない。このため、移動端末2はWEBサーバ32の名前(ホスト名)に対応するIPアドレスを得ることができず、WEBサーバ32の名前を用いたアクセスを行うことができないという課題が生じる。
【0013】
なお、この問題は、IPアドレスを元に対応するドメイン名又はホスト名を解決する場合(いわゆる逆引きDNS)についても同様に問題となる。また、3GPPのフェムトセル基地局(H(e)NB)に限らず、LIPAと同様に、NAT機能を用いてローカルトラフィックをオフロードするフェムトセル基地局において同様に問題となる。
【0014】
特許文献1及び2は、プライベート網(LAN)とインターネットを含む広域網(WAN)との間に配置されるゲートウェイルータについて開示している。このようなゲートウェイルータは、一般的に、NAT機能およびDNSプロキシ機能を持つ。DNSプロキシは、LAN内のホストからの名前解決要求(DNSクエリ)をWANに配置されたDNSサーバに転送する機能である。許文献1及び2のゲートウェイルータは、LAN側インタフェースから入力されるDNSクエリの送信元IPアドレスおよび解決すべきドメイン名・ホスト名・IPアドレス等に応じて、複数のDNSサーバの中からDNSクエリの転送先を決定する。
【0015】
より詳しく述べると、特許文献1のゲートウェイルータは、仮想ドメインを使用するイントラネットで使用されるドメイン名を解決するための第1のDNSサーバのIPアドレスと、インターネットで使用される実ドメイン名を解決するための第2のDNSサーバのIPアドレスとを保持している。そして、特許文献1のゲートウェイルータは、仮想ドメイン名の解決を求めるDNSクエリを第1のDNSサーバに転送し、実ドメイン名の解決を求めるDNSクエリを第2のDNSサーバに転送する。
【0016】
また、特許文献2のゲートウェイルータは、予め設定されたDNSクエリ転送テーブルに基づいて、LAN内のホストから受信したDNSクエリの転送先DNSサーバを決定する。DNSクエリ転送テーブルは、DNSクエリの送信元に関する情報と、DNSクエリの転送先に関する情報を対応づけて記録している。DNSクエリの送信元に関する情報は、DNSクエリを受信するLANインタフェースの識別子、DNSクエリの送信元IPアドレス、およびDNSクエリ内容(ドメイン名、IPアドレス範囲)等を含む。また、DNSクエリの転送先に関する情報は、送信DNSクエリの付与すべき送信元IPアドレス、転送先DNSサーバのIPアドレス、および出力インタフェース(VLAN)の識別子を含む。
【0017】
しかしながら、特許文献1及び2は、フェムトセル基地局を使用してLIPAを行う場合については何ら開示していない。
【0018】
本発明の目的は、NATによるLIPAを行うフェムトセル基地局に接続された移動端末が、プライベート網内に配置されたホスト及びモバイルコア網を経由してアクセス可能なホストのいずれについても名前解決サービスを利用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、移動端末との間で無線通信を行う基地局装置である。当該基地局装置は、LANインタフェース、無線インタフェース、コア網通信制御部、ローカルアクセス通信制御部、及び転送処理部を有する。前記LANインタフェースは、LANに接続可能である。前記無線インタフェースは、前記移動端末との間で無線通信を行う。前記コア網通信制御部は、前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御する。前記ローカルアクセス通信制御部は、前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御する。前記転送制御部は、前記無線インタフェースを介して前記移動端末から受信されるデータパケットを、前記データパケットの宛て先アドレスに基づいて、前記モバイルコア網と前記LANの間で振り分ける。さらに、前記転送処理部は、ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定する。
【0020】
本発明の第2の態様は、移動端末との間で無線通信を行う基地局の制御方法である。ここで、前記基地局は、LANインタフェース、無線インタフェース、コア網通信制御部、ローカルアクセス通信制御部を有する。前記LANインタフェースは、LANに接続可能である。前記無線インタフェースは、前記移動端末との間で無線通信を行う。前記コア網通信制御部は、前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御する。前記ローカルアクセス通信制御部は、前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御する。
本態様にかかる方法は、ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定すること、を含む。
【0021】
本発明の第3の態様は、上述した第2の態様に係る制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明の各態様によれば、NATによるLIPAを行うフェムトセル基地局に接続された移動端末が、プライベート網(LAN)内に配置されたホスト及びモバイルコア網を経由してアクセス可能なホストのいずれについても名前解決サービスを利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】H(e)NBの配置例を示すネットワーク図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るフェムトセル基地局の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るフェムトセル基地局が使用する振り分けリストの具体例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るフェムトセル基地局におけるDNSクエリの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係るフェムトセル基地局によるDNSクエリの振り分けの様子を示すネットワーク図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るフェムトセル基地局の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るフェムトセル基地局が使用する振り分けリストの具体例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るフェムトセル基地局におけるDNSクエリの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係るフェムトセル基地局における通常パケット(具体的にはHTTP要求パケット)の転送動作の具体例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3に係るフェムトセル基地局を含むネットワーク構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係るフェムトセル基地局を含むネットワーク構成図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の一例を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施の形態5に係るフェムトセル基地局が使用する振り分けリストの具体例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態5に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の一例を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係るフェムトセル基地局におけるDNSクエリの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態5に係るフェムトセル基地局における通常パケット(具体的にはHTTP要求パケット)の転送動作の具体例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態6に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の一例を示すシーケンス図である。
【図19】本発明の実施の形態6に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の一例を示すシーケンス図である。
【図20】本発明の実施の形態6に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の他の例を示すシーケンス図である。
【図21】本発明の実施の形態6に係るフェムトセル基地局における振り分けリストの取得動作の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0025】
<発明の実施の形態1>
本実施の形態では、LIPAをサポートするフェムトセル基地局に関して説明する。また、本実施の形態では、フェムトセル基地局が3GPPのUTRAN/EUTRAN向けである場合を例にとって説明する。以下では、フェムトセル基地局1の構成例及び動作について順に説明する。
【0026】
図2は、フェムトセル基地局1の構成例を示すブロック図である。また、図5は、フェムトセル基地局(H(e)NB)1の配置例を示すネットワーク図である。フェムトセル基地局1は、UTRAN/EUTRANの無線インタフェース100を有し、移動端末(UE)2との間で無線通信を行う。また、フェムトセル基地局1は、LANインタフェース101を有しており、企業LAN等のプライベート網3に接続される。LANインタフェース101は、例えば、IEEE802.3シリーズ規格等の有線LANインタフェース又はIEEE802.11シリーズ規格等の無線LANインタフェースである。
【0027】
転送処理部102は、無線インタフェース100によって受信されるIPパケットフローを監視し、モバイルコア網5(S-GW/ SSGN51)に転送すべきIPパケットとLIPAのためにプライベート網3にオフロードすべきIPパケットを分離する。モバイルコア網5に転送すべきIPパケットは、コア網通信制御部103に供給される。また、プライベート網3にオフロードされるIPパケットは、LIPA部104に供給される。
【0028】
さらに、転送処理部102は、移動端末2から来たパケットがDNSクエリを含むパケット(以下、DNSクエリ・パケットと呼ぶ)であるかを識別する。DNSクエリ・パケットを識別した場合、転送処理部102は、振り分けリスト記憶部105に記憶されている振り分けリストを参照し、DNSサーバ61及びDNSサーバ31のいずれにDNSクエリ・パケットを転送するかを決定する。ここで、DNSサーバ61はモバイルコア網5を経由してアクセス可能なDNSサーバであり、DNSサーバ31はプライベート網3を経由してアクセス可能なDNSサーバである。なお、振り分けリストの具体例、振り分けリストを用いたDNSクエリの振り分け手順の具体例については後述する。
【0029】
コア網通信制御部103は、LANインタフェース101、ブロードバンドルータ(BBR)30及びIPアクセス網4を介してH(e)NB-GW50との間で通信を行う。コア網通信制御部103は、H(e)NB-GW50との間でIPsecトンネル等の論理的な通信路41を生成する。コア網通信制御部103は、LANインタフェース101及び通信路41を経由してモバイルコア網5から受信したパケットのデカプセル化し、これを転送処理部102および無線インタフェース100を経由して移動端末2に送信する。また、コア網通信制御部103は、無線インタフェース100を介して受信されたIPパケットを転送処理部102から受け取り、これをカプセル化して通信路41に送信する。
【0030】
さらに、コア網通信制御部103は、モバイルコア網5との間のベアラ設定、移動端末2のアタッチ要求の仲介を行う。アタッチ要求の仲介では、移動端末2のアタッチに伴う認証処理および位置更新をコア網5(MME53又はSGSN51)に要求するため、移動端末2の識別子(具体的にはIMSI(International Mobile Subscriber Identity)をモバイルコア網5に送信する。
【0031】
LIPA部104は、NAT機能を有する。LIPA部104が行うNAT動作は、フェムトセル基地局1および移動端末2の間のコネクションにおいて使用される移動端末2のIPアドレスと、プライベート網3のアドレス体系に適合したIPアドレスとの変換である。プライベート網3のアドレス体系に適合したIPアドレスは、例えば、LANインタフェース101に付与されたIPアドレスとすればよい。
【0032】
振り分けリスト記憶部105は、上述した振り分けリストを記憶する。振り分けリストは、モバイルコア網5側のDNSサーバ61に問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定、およびプライベート網3側のDNSサーバ31に問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定のうち少なくとも一方を含む。
【0033】
振り分けリスト記憶部105に保持される振り分けリストは、フェムトセル基地局1の利用者や通信事業者の保守担当者によって設定されてもよい。また、振り分けリストは、出荷時に予め設定されてもよい。また、振り分けリストは、モバイルコア網5又はモバイルコア網5を介してアクセス可能なネットワークに配置されたサーバからフェムトセル基地局1に供給されてもよい。また、振り分けリストは、プライベート網3又はプライベート網3を介してアクセス可能なネットワークに配置されたサーバからフェムトセル基地局1に供給されてもよい。また、振り分けリストは、移動端末2又は周辺の他の基地局から無線送信されてもよい。
【0034】
図3(a)及び(b)は、振り分けリストの具体例を示している。図3(a)の振り分けリストの例は、モバイルコア網5側のホスト名又はドメイン名の指定を含み、プライベート網3側(LIPA側)のホスト名及びドメイン名の指定を含まない。この場合、転送処理部102は、DNSクエリ・パケットの内容が、モバイルコア網5側のホスト名又はドメイン名として限定列挙されたエントリ(ドメインA、ドメインB、又はホストC)に該当すると判定した場合に、モバイルコア網5側のDNSサーバ61にDNSクエリ・パケットを転送すればよい。一方、DNSクエリ・パケットが限定列挙されたエントリに該当しない場合、転送処理部102は、プライベート網3側(LIPA側)のDNSサーバ31にDNSクエリ・パケットを転送すればよい。
【0035】
図3(b)の振り分けリストの例は、プライベート網3側(LIPA側)のホスト名又はドメイン名の指定を含み、モバイルコア網5側のホスト名及びドメイン名の指定を含まない。この場合、転送処理部102は、図3(a)に関して述べた動作と逆の動作を行えばよい。つまり、振り分けリストに限定列挙されたホスト名又はドメイン名に該当する場合にDNSクエリ・パケットをプライベート網3側のDNSサーバ31に転送し、それ以外の場合にコア網5側のDNSサーバ61に転送すればよい。
【0036】
図4は、本実施の形態にかかるフェムトセル基地局1におけるDNSクエリ・パケットの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。ステップS100では、転送処理部102は、移動端末2から送信されたDNSクエリ・パケットを受信する。ステップS101では、転送処理部102は、DNSクエリ・パケットに含まれるホスト名又はドメイン名を振り分けリストと照合し、転送先DNSサーバを決定する。
【0037】
ステップS102では、決定した転送先DNSサーバに対応するIPアドレスが宛て先アドレスに指定されたDNSクエリ・パケットを生成する。一例として、移動端末2にから受信される全てのDNSクエリ・パケットに付与される宛て先アドレスがコア網5側のDNSサーバ61のアドレスである場合を考える。この場合、転送処理部102は、プライベート網3側のDNSサーバ31への転送を決定した場合に、宛て先アドレスの変更を行えばよい。また、他の例として、フェムトセル基地局1がDNSプロキシ機能を持つ場合について考える。この場合、移動端末2にから受信されるDNSクエリ・パケットに付与されている宛て先アドレスは、フェムトセル基地局1のIPアドレスであると想定される。よって、転送処理部102は、移動端末2から受信されたDNSクエリ・パケットの宛て先アドレスを、転送先に決定したDNSサーバ61又は31のIPアドレスによって置換すればよい。
【0038】
ステップS103では、コア網通信制御部103又はLIPA部104によって、DNSクエリ・パケットがLANインタフェース101から送信される。
【0039】
図5は、DNSクエリ・パケットの振り分け動作とその後の通常パケットの振り分け動作の様子を示すネットワーク図である。移動端末(UE)2からDNSクエリ・パケットが送信された場合を考える(図5の矢印R2)。フェムトセル基地局(H(e)NB)1は、DNSクエリ・パケットに含まれるホスト名又はドメイン名を振り分けリストと照合し、コア網5側のDNSサーバ61にDNSクエリ・パケットを転送するか(矢印R3)、又はプライベート網3側のDNSサーバ31にDNSクエリ・パケットを転送するか(矢印R4)を決定する。DNSクエリ・パケットに対する応答を含むパケット(以下、DNS応答パケットと呼ぶ)は、フェムトセル基地局1を経由して移動端末2に送信される。移動端末2は、DNS応答で得られたIPアドレスを宛て先に指定した通常パケット(例えばHTTP要求パケット)を送信する(矢印R5)。フェムトセル基地局1は、移動端末2からのHTTP要求パケットに付与された宛て先アドレスに基づいて通常パケットのフォワーディング先を決定し、モバイルコア網5側(矢印R6)又はプライベート網3側(矢印R7)に転送する。なお、通常パケットのフォワーディングは、デフォルトルート等の静的ルート設定を含むルーティングテーブルを用いて行えばよい。
【0040】
上述したように、本実施の形態に係るフェムトセル基地局1は、DNSクエリに含まれるホスト名又はドメイン名に基づいて、モバイルコア網5及びプライベート網3のうち何れに転送するべきかを判定可能な振り分けリストを使用する。このため、移動端末2から受け取ったDNSクエリ・パケットを適切なDNSサーバに転送することができる。
【0041】
<発明の実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1で述べたフェムトセル基地局1の変形例について説明する。本実施の形態に係るフェムトセル基地局12は、実施の形態1で述べたフェムトセル基地局1と同様のDNSクエリ・パケットの振り分け処理を行う。これに加えて、本実施の形態に係るフェムトセル基地局12は、DNSサーバ61及び31からのDNS応答パケットを監視することで、IPアドレスと出力先(モバイルコア網5かプライベート網3か)、の対応関係を保持する。さらに、本実施の形態に係るフェムトセル基地局12は、保持した対応関係を通常パケットのルーティング(フォワーディング)にも使用する。
【0042】
図6は、フェムトセル基地局12の構成例を示すブロック図である。図6に示すフェムトセル基地局12は、図2に示した基地局1の構成例に加えて、パケット抽出部106及びDNS応答処理部107を有する。パケット抽出部106は、コア網5から到達するDNS応答パケットおよびプライベート網3から到達するDNS応答パケットを抽出する。また、振り分けリストをコア網5又はプライベート網3からダウンロードする場合、パケット抽出部106は振り分けリストを含むパケットの抽出を行ってもよい。
【0043】
DNS応答処理部107は、DNS応答パケットを解析し、IPアドレスと対応する出力先(モバイルコア網5又はプライベート網3)の対応関係を関連付けて保持する。なお、この対応関係の保持は、振り分けリスト記憶部105に記憶された振り分けリストを用いて行ってもよい。
【0044】
図7は、ホスト名又はドメイン名、IPアドレス、及び出力先の対応関係を保持可能な振り分けリストの具体例を示している。図7(a)は、モバイルコア網5側に問い合わせるべきホスト名又はドメイン名が限定列挙された振り分けリストの例である。DNS応答の欄には、DNS応答で得られたIPアドレスが記述される。図7(a)は、DNS応答が得られる前の初期状態を示しており、ホスト名又はドメイン名に対応するIPアドレスは保持されていない。
【0045】
図7(b)は、ホスト名又はドメイン名に対応するIPアドレスが保持された振り分けリストの例を示している。具体的には、モバイルコア網5側のドメインA、ドメインB、ホストCとIP_A、IP_B、IP_Cがこれに対応する。DNS応答処理部107は、DNS応答に含まれるIPアドレスによって振り分けリストを更新すればよい。なお、図7(b)の例では、プライベート網3側(LIPA側)のDNS応答で得られるIPアドレスもホスト名又はドメイン名と関連付けて記憶することとしている。図7(b)のドメインE、ドメインF、ホストGとIP_E、IP_F、IP_Gがこれに対応する。
【0046】
図7(c)は、プライベート網3側(LIPA側)にDNSクエリ・パケットを転送すべきホスト名又はドメイン名が限定列挙された振り分けリストの初期状態を示している。図7(c)の振り分けリストについても、図7(b)と同様に、その後に得られるDNS応答パケットの内容に従ってIPアドレスの記録を追加すればよい。
【0047】
続いて以下では、フェムトセル基地局12におけるDNSクエリの振り分け動作と、通常パケットの振り分け動作についてフローチャートに従って説明する。図8は、DNSクエリの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。図8のステップS100〜S103は、実施の形態1で説明した図4の対応するステップと同様である。ステップS104では、DNS応答処理部107は、DNS応答に含まれるIPアドレスとDNS応答を受信したインタフェース(すなわちモバイルコア網5かプライベート網3か)の対応関係を保持する。
【0048】
図9は、通常パケットの振り分け動作の具体例を示すフローチャートである。ステップS200では、転送処理部102は、通常パケットを移動端末2から受信する。通常パケットは、HTTP要求パケット等のDNSクエリ・パケットを除く他のIPパケットである。図9では、一例として、通常パケットがHTTP要求パケットである場合について示している。
【0049】
ステップS201では、転送処理部102は、通常パケットに付与された宛て先アドレスが、過去にDNS応答を受信済みのIPアドレスに一致するかを判定する。この判定は、DNS応答に含まれるIPアドレスと出力先の対応関係を振り分けリストを用いて管理する場合、ステップS201の判定は、振り分けリストを参照して行えばよい。
【0050】
通常パケットに付与された宛て先アドレスが過去にDNS応答を受信済みのIPアドレスと一致する場合(ステップS202でYES)、転送処理部102は、DNS応答を受信したインタフェース(コア網通信制御部103又はLIPA部104)を介して通常パケットを送信する。一方、通常パケットに付与された宛て先アドレスが過去にDNS応答を受信済みのIPアドレスと一致しない場合(ステップS202でNO)、転送処理部102は、通常パケットを転送せずに廃棄する。
【0051】
上述したように、本実施の形態に係るフェムトセル基地局12は、DNS応答に含まれるIPアドレスとDNS応答を受信したインタフェースの対応関係を保持し、これを通常パケットのルーティングに使用する。これにより、フェムトセル基地局1に対する静的ルートの設定によらず、移動端末2が通信を希望する特定のホスト又はドメインに対するルーティングを適切に行うことができる。
【0052】
なお、図9では、通常パケットの宛て先が過去にDNS応答を受信済みの宛て先でない場合に、この通常パケットを転送せずに廃棄する例について示した。このような処理によれば、フェムトセル基地局12が移動端末2のアクセス先を制限できるため、無用なパケットの削減、およびセキュリティの向上に有効である。しかしながら、通常パケットの宛て先が過去にDNS応答を受信済みの宛て先でない場合に、転送処理部102は、予め定められたデフォルトルート(コア網5又はプライベート網3)に通常パケットを転送してもよい。
【0053】
<発明の実施の形態3>
本実施の形態および以下に述べる実施の形態4〜6では、フェムトセル基地局が振り分けリストを取得する方法の具体例について説明する。本実施の形態では、フェムトセル基地局が、配下の全ての移動端末2に共通的に使用される振り分けリストを、プライベート網(LAN)3を介して到達可能なサーバから取得する例について述べる。
【0054】
図10は、本実施の形態にかかるフェムトセル基地局13を含むネットワークの構成例を示す図である。リスト管理サーバ33は、フェムトセル基地局13に対して振り分けリストを供給する。リスト管理サーバ33が配信する振り分けリストは、図3(b)及び図7(c)に示したように、プライベート網3内でローカルに名前が設定されているホスト及びドメインに関する記述を含めばよい。
【0055】
図11は、フェムトセル基地局13による振り分けリストの取得手順を示すシーケンス図である。フェムトセル基地局(H(e)NB)13は、リスト要求メッセージをリスト管理サーバ33に送信する(ステップS301)。リスト管理サーバ33は、フェムトセル基地局13からのリスト要求に応答して、振り分けリストを基地局13に送信する(ステップS302)。
【0056】
図11に示した手順による振り分けリストの取得は、フェムトセル基地局13がプライベート網3に接続された時点で行えばよい。例えば、フェムトセル基地局13は、フェムトセル基地局13の電源が投入された後の初期設定動作時にサーバ33から振り分けリストを取得すればよい。
【0057】
<発明の実施の形態4>
本実施の形態では、フェムトセル基地局が、配下の全ての移動端末2に共通的に使用される振り分けリストを、モバイルコア網5を介して到達可能なサーバから取得する例について述べる。
【0058】
図12は、本実施の形態にかかるフェムトセル基地局14を含むネットワークの構成例を示す図である。リスト管理サーバ55は、フェムトセル基地局14に対して振り分けリストを供給する。リスト管理サーバ55が配信する振り分けリストは、図3(a)及び図7(a)に示したように、モバイルコア網5を介してアクセス可能なIPサービス網6内でローカルに名前が設定されているホスト及びドメインに関する記述を含めばよい。
【0059】
リスト管理サーバ55は、モバイルコア網5内の他のノードと統合されてもよい。例えば、加入者情報を管理するHSS/HLRが振り分けリストを保持してもよい。また、リスト管理サーバ55は、モバイルコア網5を経由してアクセス可能な他のネットワーク(例えばIPサービス網6)に配置されてもよい。
【0060】
図13は、フェムトセル基地局14による振り分けリストの取得手順を示すシーケンス図である。フェムトセル基地局(H(e)NB)14は、リスト要求メッセージをリスト管理サーバ55に送信する(ステップS401)。リスト管理サーバ55は、フェムトセル基地局14からのリスト要求に応答して、振り分けリストを基地局14に送信する(ステップS402)。
【0061】
図13に示した手順による振り分けリストの取得は、フェムトセル基地局14がプライベート網3に接続され、H(e)NB-GW50との接続が確立した後に行えばよい。例えば、フェムトセル基地局14は、フェムトセル基地局14の電源が投入された後の初期設定動作時にサーバ55から振り分けリストを取得すればよい。
【0062】
<発明の実施の形態5>
本実施の形態では、フェムトセル基地局に複数の移動端末が接続される場合に、移動端末毎に個別の振り分けリストをフェムトセル基地局が取得する例について説明する。本実施の形態に係るフェムトセル基地局15は、プライベート網3を介してアクセス可能なサーバ33から端末個別の振り分けリストを取得する。フェムトセル基地局15の配置は、図10に示した配置と同様とすればよい。
【0063】
図14は、フェムトセル基地局15が保持する端末個別の振り分けリストの具体例を示す図である。図14の例では、移動端末2の識別子としてIMSIが使用されており、2つの移動端末2(IMSI1及びIMSI2)に関する設定が保持されている。図14では、IMSI1を持つ端末2に関して、プライベート網3側にDNSクエリ・パケットを転送するべきホスト名およびドメイン名として、ドメインE、ドメインF、及びホストGに関する情報が保持されている。また、IMSI2を持つ端末2に対して、ドメインEに関する情報が保持されている。
【0064】
フェムトセル基地局15は、端末2毎に異なるDNSクエリ・パケットの振り分け設定と、実施の形態2で述べたのと同様のDNS応答の受信結果を利用した通常パケットのフォワーディングを行ってもよい。これにより、移動端末2毎にアクセス可能なホストを制限することが容易となる。また、LIPAを許可する端末2とLIPAを許可しない端末2を区別することができる。この場合のフェムトセル基地局15の構成は、図6に示した構成と同様とすればよい。また、以下では、図15〜17を参照して、フェムトセル基地局15による振り分けリストの取得手順、DNSクエリ・パケットの振り分け手順、および通常パケットの振り分け手順について説明する。
【0065】
図15は、フェムトセル基地局15による振り分けリストの取得手順の具体例を示すシーケンス図である。フェムトセル基地局15は、移動端末2のアタッチを契機として端末2個別の振り分けリストを取得すればよい。なお、図15は、EUTRAN(LTE)における移動端末2の認証手順を示しているが、UTRANの場合にも同様の手順が適用可能である。
【0066】
ステップS501〜S508は、移動端末2がモバイルコア網5にアタッチする際の標準的な手順である。ステップS501では、移動端末2がフェムトセル基地局15にアタッチ要求を送信する。アタッチ要求は、送信元の移動端末2のIMSI又は、一時的に割り当てられた識別子(GUTI(Globally Unique Temporary Identity)、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)等)を含む。ステップS502では、フェムトセル基地局15がMME53にアタッチ要求を転送する。ステップS503及びS504では、MME53の主導により、移動端末2、MME53、HSS54の間でユーザ認証が行われる。
【0067】
ステップS505では、MME53がHSS54に位置更新要求を送信する。位置更新要求は、移動端末2を識別するためのIMSI(IMSI1)を含む。HSS54は、移動端末2の位置更新処理を行うとともに、移動端末2に関する加入者情報をMME53に送信する(ステップS506)。
【0068】
MME53は、HSS54から受信した移動端末2の加入者情報を参照して適切なP-GW及びS-GWを選択し、選択したP-GW及びS-GWとの間でデフォルトベアラ設定を行う。その後、MME53は、アタッチ受付(コンテキスト設定要求)メッセージをフェムトセル基地局15に送信する(ステップS507)。アタッチ受付メッセージは、APN(Access Point Name)のIPアドレス情報、GUTI、デフォルトベアラ識別子等を含む。アタッチ受付(コンテキスト設定要求)メッセージを受信したフェムトセル基地局15は、移動端末2との間で無線ベアラ設定を行う(ステップS508)。
【0069】
さらに、フェムトセル基地局15は、移動端末2のアタッチが許可された場合に、リスト管理サーバ33に対して端末2個別の振り分けリストを要求する(ステップS509)。この要求は、モバイルコア網5へのアタッチが許可された移動端末2の識別子(IMSI等)を含む。ステップS510では、管理サーバ33は、要求に含まれる識別子に対応した移動端末2の振り分けリストをフェムトセル基地局15宛てに送信する。
【0070】
図16は、フェムトセル基地局15によるDNSクエリ・パケットの振り分け手順の具体例を示すフローチャートである。図16に示すステップS100〜S104は、実施の形態2で説明した図8に示された対応するステップ群と同様である。図16に示す手順では、ステップS100とS101の間でステップS601を行う。ステップS601では、転送処理部102は、DNSクエリ・パケットの送信元の移動端末2に対応する振り分けリストが記憶部105に保持されているかを判定する。対応する振り分けリストが保持されている場合(S601でYES)、ステップS101〜S104を実行する。一方、対応する振り分けリストが保持されていない場合(S601でNO)、転送処理部102は、DNSクエリ・パケットを転送せずに廃棄する(ステップS602)。
【0071】
図16に示した手順によれば、DNSクエリ・パケットの送信元の移動端末2に対応する振り分けリストをフェムトセル基地局15が持っていない場合に、移動端末2がDNSサービスを利用できない。このため、許可されない移動端末2によるプライベート網3及びIPサービス網6へのアクセスを制限できる。
【0072】
図17は、フェムトセル基地局15による通常パケットの振り分け手順の具体例を示すフローチャートである。図17に示すステップS200〜S204は、実施の形態2で説明した図9に示された対応するステップ群と同様である。図17に示す手順では、ステップS200とS201の間でステップS701を行う。ステップS701では、転送処理部102は、通常パケットの送信元の移動端末2に対応する振り分けリストが記憶部105に保持されているかを判定する。対応する振り分けリストが保持されている場合(S701でYES)、ステップS201を実行する。ステップS202では、通常パケットの送信元の移動端末2に対応する振り分けリストが参照される。一方、対応する振り分けリストが保持されていない場合(S701でNO)、転送処理部102は、通常パケットを転送せずに廃棄する(ステップS204)。
【0073】
本実施の形態によれば、端末2個別の振り分けリストを使用することで、移動端末2毎にアクセス可能なホストを制限することが容易となる。また、LIPAを許可する端末2とLIPAを許可しない端末2を区別することができる。また、図17に示した手順によれば、通常パケットの送信元の移動端末2に対応する振り分けリストをフェムトセル基地局15が持っていない場合に、移動端末2がプライベート網3及びIPサービス網6にアクセスできない。このため、許可されない移動端末2によるプライベート網3及びIPサービス網6へのアクセスを制限できる。また、図17に示した手順によれば、移動端末2毎の振り分けリストに基づいて通常パケットの転送・廃棄を決める。このため、移動端末2毎にアクセス可能なホストを制限することが容易となる。
【0074】
<発明の実施の形態6>
本実施の形態では、実施の形態5と同様に、フェムトセル基地局が移動端末2毎に個別の振り分けリストを使用する例について説明する。ただし、実施の形態5とは異なり、本実施の形態に係るフェムトセル基地局16は、モバイルコア網5を介してアクセス可能なサーバ55から端末個別の振り分けリストを取得する。フェムトセル基地局16の配置は、図12に示した配置と同様とすればよい。
【0075】
図18は、フェムトセル基地局16が保持する端末個別の振り分けリストの具体例を示す図である。図18の例では、移動端末2の識別子としてIMSIが使用されており、2つの移動端末2(IMSI1及びIMSI2)に関する設定が保持されている。図18では、IMSI1を持つ端末2に関して、モバイルコア網5側にDNSクエリ・パケットを転送するべきホスト名およびドメイン名として、ドメインA、ドメインB、及びホストCに関する情報が保持されている。また、IMSI2を持つ端末2に対して、ドメインX、ドメインY、及びホストZに関する情報が保持されている。
【0076】
フェムトセル基地局16は、端末2毎に異なるDNSクエリ・パケットの振り分け設定と、実施の形態2で述べたのと同様のDNS応答の受信結果を利用した通常パケットのフォワーディングを行ってもよい。これにより、移動端末2毎にアクセス可能なホストを制限することが容易となる。また、LIPAを許可する端末2とLIPAを許可しない端末2を区別することができる。さらにまた、フェムトセル基地局16に接続する複数の移動端末2がそれぞれ異なる通信事業者のモバイルコア網5にアタッチする利用形態も想定される。したがって、フェムトセル基地局16が端末2毎に個別の振り分けリストを使用することで、複数のモバイルコア網5に対して適切にDNSクエリ・パケット及び通常パケットを振り分けることができる。この場合のフェムトセル基地局16の構成は、図6に示した構成と同様とすればよい。また、フェムトセル基地局16によるDNSクエリ・パケットの振り分け手順、および通常パケットの振り分け手順は、実施の形態5で述べた図16及び17と同様とすればよい。以下では、図19〜21を参照して、フェムトセル基地局16による振り分けリストの取得手順について説明する。
【0077】
図19は、フェムトセル基地局16による振り分けリストの取得手順の一例を示すシーケンス図である。フェムトセル基地局16は、移動端末2のアタッチを契機として端末2個別の振り分けリストを取得すればよい。なお、図19は、EUTRAN(LTE)における移動端末2の認証手順を示しているが、UTRANの場合にも同様の手順が適用可能である。
【0078】
図19のステップS501〜S508は、移動端末2がモバイルコア網5にアタッチする際の標準的な手順である。これらのステップでの処理内容は、図15に関して説明したのと同様である。ステップS809では、フェムトセル基地局(H(e)NB)16は、移動端末2がアタッチを行うモバイルコア網5の管理サーバ55に対して、端末2個別の振り分けリストを要求する。この要求には、モバイルコア網5へのアタッチが許可された移動端末2の識別子(IMSI等)を含めてもよい。なお、振り分けリストがモバイルコア網5間で異なり、各モバイルコア網5にアタッチする移動端末2内では共通である場合、リスト要求は移動端末2の識別子を含む必要はない。ステップS810では、管理サーバ55は、移動端末2の振り分けリストをフェムトセル基地局16宛てに送信する。
【0079】
図20は、フェムトセル基地局16による振り分けリストの取得手順の他の例を示すシーケンス図である。図20の例では、HSS54及びMME53が、移動端末2のアタッチ時の認証成功を契機として、フェムトセル基地局16に対して振り分けリストを供給する。図20のステップS501〜S505及びS508は、図15及び図19の対応するステップと同様である。ステップS906では、HSS54は、移動端末2の位置更新処理を行うとともに、移動端末2に関する加入者情報をMME53に送信する。MME53によって送信される加入者情報は、認証に成功した移動端末2に対応付けられた振り分けリストを含む。
【0080】
MME53は、HSS54から受信した移動端末2の加入者情報を参照して適切なP-GW及びS-GWを選択し、選択したP-GW及びS-GWとの間でデフォルトベアラ設定を行う。その後、MME53は、アタッチ受付(コンテキスト設定要求)メッセージをフェムトセル基地局15に送信する(ステップS907)。アタッチ受付メッセージは、APNのIPアドレス情報、GUTI、デフォルトベアラ識別子等の既存の情報に加えて、移動端末2の振り分けリストを含む。フェムトセル基地局16は、MME53からのアタッチ受付メッセージの受信により、端末2個別の振り分けリストを取得する。
【0081】
図21は、振り分けリストを取得する際のフェムトセル基地局16の動作手順を示すフローチャートである。ステップS1000では、無線インタフェース100は、移動端末2からアタッチ要求を受信する。ステップS1001及びS1002では、コア網通信制御部103は、アタッチ要求をコア網5に転送するとともに、コア網5と移動端末2との間の認証を仲介する。ステップS1003では、コア網通信制御部103は、移動端末2の認証に関してコア網5から送られる認証パケットが振り分けリストを含むかを検査する。認証パケットが振り分けリストを含む場合(ステップS1003でYES)、パケット抽出部106は、取得された振り分けリストを端末2の識別子(端末ID)と関連付けて振り分けリスト記憶部105に格納する(ステップS1004)。
【0082】
本実施の形態によれば、本実施の形態によれば、端末2個別の振り分けリストを使用することで、移動端末2毎にアクセス可能なホストを制限することが容易となる。また、LIPAを許可する端末2とLIPAを許可しない端末2を区別することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、フェムトセル基地局16に接続する移動端末2によってアタッチするモバイルコア網5が異なる場合に、アタッチ先のモバイルコア網5に応じた振り分けリストを使用することができる。これにより、移動端末2のアタッチ先に応じて、移動端末2がアクセス可能なホストを区別することができる。
【0084】
<その他の実施の形態>
上述した発明の実施の形態1〜6において述べた転送処理部102、コア網通信制御部103、LIPA部104、パケット抽出部106、及びDNS応答処理部107により行われる動作および機能のうち少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)若しくはCPU(Central Processing Unit)又はこれらの組み合わせを含むコンピュータ・システムを用いて実現してもよい。具体的には、これらの動作および機能をコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムをコンピュータ・システムに実行させればよい。このプログラムは、様々な種類の記憶媒体に格納することが可能であり、また、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
【0085】
また、上述した発明の実施の形態1〜6では、UTRAN/EUTRANのフェムトセル基地局に関する例を示した。これらの実施の形態は、他の移動通信システムで使用されるフェムトセル基地局にも適用可能である。
【0086】
また、上述した発明の実施の形態1〜6では、ホスト名又はドメイン名に対応するIPアドレスを解決する場合について述べた。これとは逆に、IPアドレスに対応するホスト名又はドメイン名を解決する所謂逆引きDNSを行う場合にも本発明を適用可能である。例えば、フェムトセル基地局は、モバイルコア網5側に問い合わせるべきIPアドレスを振り分けリストに保持しておき、逆引きクエリを転送するサーバを振り分けリストに基づいて決定すればよい。
【0087】
また、上述した発明の実施の形態1〜6では、現在最も広く利用されている名前解決システムの1つであるDNSについて述べた。これらの実施の形態は、DNS以外の名前解決システムを利用する場合にも適用可能である。
【0088】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0089】
(付記1)
移動端末との間で無線通信を行う基地局装置であって、
LAN(Local Area Network)に接続可能なLANインタフェースと、
前記移動端末との間で無線通信を行う無線インタフェースと、
前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御するコア網通信制御部と、
前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御するローカルアクセス通信制御部と、
前記無線インタフェースを介して前記移動端末から受信されるデータパケットを、前記データパケットの宛て先アドレスに基づいて、前記モバイルコア網と前記LANの間で振り分ける転送処理部と、
を備え、
前記転送処理部は、
ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定する、
基地局装置。
【0090】
(付記2)
前記転送処理部は、前記ドメイン名又はホスト名を振り分けリストと照合することで、前記照会パケットの振り分け先を決定するよう構成され、
前記振り分けリストは、前記第1の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定、および前記第2の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定のうち少なくとも一方を含む、
付記1に記載の基地局装置。
【0091】
(付記3)
前記ローカルアクセス通信制御部は、NAPT(Network Address Port Translation)を行う、付記1又は2に記載の基地局装置。
【符号の説明】
【0092】
1、12〜16 フェムトセル基地局(H(e)NB)
2 移動端末(UE)
3 プライベート網(LAN)
4 IPアクセス網
5 モバイルコア網
6 移動通信事業者のIPサービス網
30 ブロードバンドルータ
31 DNSサーバ
32 WEBサーバ
33 リスト管理サーバ
50 H(e)NB-GW
51 S-GW/SGSN
53 MME
54 HSS/HLR
55 リスト管理サーバ
61 DNSサーバ
62 WEBサーバ
100 無線インタフェース
101 LANインタフェース
102 転送処理部
103 コア網通信制御部
104 LIPA部
105 振り分けリスト記憶部
106 パケット抽出部
107 DNS応答処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末との間で無線通信を行う基地局装置であって、
LAN(Local Area Network)に接続可能なLANインタフェースと、
前記移動端末との間で無線通信を行う無線インタフェースと、
前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御するコア網通信制御部と、
前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御するローカルアクセス通信制御部と、
前記無線インタフェースを介して前記移動端末から受信されるデータパケットを、前記データパケットの宛て先アドレスに基づいて、前記モバイルコア網と前記LANの間で振り分ける転送処理部と、
を備え、
前記転送処理部は、
ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定する、
基地局装置。
【請求項2】
前記転送処理部は、前記ドメイン名又はホスト名を振り分けリストと照合することで、前記照会パケットの振り分け先を決定するよう構成され、
前記振り分けリストは、前記第1の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定、および前記第2の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定のうち少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
パケット抽出部をさらに備え、
前記振り分けリストは、前記第1の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定を含むとともに、前記フェムトセル基地局に接続される前記移動端末毎に個別に保持され、
前記コア網通信制御部は、前記移動端末からアタッチ要求を受信したことに応じて、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の認証処理を仲介し、前記移動端末の認証成功に応じて前記モバイルコア網から送られる認証パケットを受信し、
前記パケット抽出部は、前記モバイルコア網から受信される複数のパケットの中から前記認証パケットを抽出し、前記認証パケットに含まれる前記アタッチ要求の送信元の移動端末に対応した振り分けリストを、前記転送処理部から参照可能な記憶領域に格納する、
請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記振り分けリストは、
前記第2の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定の指定を含み、前記LANを介してアクセス可能なサーバから前記フェムトセル基地局に供給されるか、又は
前記第1の名前解決サーバに問い合わせるべきホスト名又はドメイン名の指定の指定を含み、前記モバイルコア網又は前記モバイルコア網を介してアクセス可能なネットワークに配置されたサーバから前記フェムトセル基地局に供給される、
請求項2に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記振り分けリストは、前記フェムトセル基地局に接続される前記移動端末毎に個別に保持される、請求項4に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記転送処理部は、さらに、
前記照会パケットに対する応答として前記第1又は第2の名前解決サーバから送られる応答パケットを前記モバイルコア網又は前記LANから前記LANインタフェースを介して受信し、前記応答パケットを前記無線インタフェースを介して前記移動端末に転送するとともに、前記応答パケットに含まれる前記ドメイン名又はホスト名に対応した対応アドレスを記憶し、
前記照会パケットと異なる通常パケットを前記移動端末から受信した場合、前記通常パケットに付与された宛て先アドレスが過去に記憶済みの前記対応アドレスと少なくとも部分的に一致する場合に、前記モバイルコア網及び前記LANのうち前記対応アドレスを受信した一方のネットワークに前記通常パケットを振り分ける、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項7】
さらに、前記転送処理部は、前記通常パケットに付与された宛て先アドレスが過去に記憶済みの前記対応アドレスと一致しない場合に、前記通常パケットを振り分けることなく廃棄する、請求項6に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記移動端末から受信された時点の前記照会パケットの宛て先アドレスには前記第1の名前解決サーバに対応したアドレスが指定されており、
前記転送処理部は、前記第2の名前解決サーバに前記照会パケットを振り分ける場合に、前記照会パケットの宛て先アドレスを前記第2の名前解決サーバに対応したアドレスに変更する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項9】
移動端末との間で無線通信を行う基地局の制御方法であって、
前記基地局は、
LAN(Local Area Network)に接続可能なLANインタフェースと、
前記移動端末との間で無線通信を行う無線インタフェースと、
前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御するコア網通信制御部と、
前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御するローカルアクセス通信制御部と、
を備え、
前記方法は、
ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定すること、
を備える、基地局の制御方法。
【請求項10】
移動端末との間で無線通信を行う基地局に関する制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記基地局は、
LAN(Local Area Network)に接続可能なLANインタフェースと、
前記移動端末との間で無線通信を行う無線インタフェースと、
前記LANインタフェースを介して通信事業者のモバイルコア網に接続可能であり、前記移動端末と前記モバイルコア網との間の通信を制御するコア網通信制御部と、
前記LANインタフェースを介して前記モバイルコア網を経由することなく前記移動端末と前記LANとの間で行われる通信を制御するローカルアクセス通信制御部と、
を備え、
前記制御方法は、
ドメイン名又はホスト名を含み前記ドメイン名又はホスト名に対応するアドレスを要求するための名前解決クエリが格納された照会パケットを前記移動端末から受信した場合、前記モバイルコア網を介して到達可能な第1の名前解決サーバ又は前記LANを介して到達可能な第2の名前解決サーバのいずれに前記照会パケットを振り分けるかを前記ドメイン名又はホスト名に基づいて決定すること、
を備える、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−135417(P2011−135417A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294103(P2009−294103)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】